【実施例】
【0014】
(パチンコ機)
図1〜
図4に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤30を着脱可能に保持する本体枠としての中枠(第1の基体)12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤30の裏側に、所定条件の成立(始動入賞装置34の始動入賞口へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(表示装置)45が着脱可能に配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤30を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板52(
図1参照)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠または機体としての前枠(第2の基体)13が開閉可能に組み付けられている。前枠13の下部位置には、パチンコ球を貯留する上球皿14および下球皿15が上下に離間して該前枠13と一体的に開閉可能に設けられている。また、前枠13の前側における下球皿15の側方に、中枠12の下枠部材18に配設された球発射装置23(
図4参照)を作動する操作ハンドル16が設けられると共に、該前側13の裏側に、上球皿14に貯留したパチンコ球を球発射装置23に向けて1球ずつ供給する球送り装置24が配設されている。これにより、パチンコ機10は、操作ハンドル16の回動操作によって球送り装置24および球発射装置23が作動されて、上球皿14に貯留されたパチンコ球が1球ずつ遊技盤30に向けて発射されるようになっている。
【0015】
(外枠)
外枠11は、
図2〜
図4に示すように、4つの枠部材を相互に組み付けることで縦長の矩形枠体として構成されている。外枠11には、中枠12の後述する左枠部材19側がヒンジ機構25を介して開閉および着脱自在に支持され、外枠11に対して中枠12を閉成することで、該外枠11内に中枠12の後側部分を収容するよう構成されている。
【0016】
(中枠)
中枠12は、
図4に示すように、上縁をなす上枠部材17と、下縁をなして球発射装置23や各種制御装置(図示せず)等を設置する設置部として機能する下枠部材18と、左縁をなす左枠部材19と、右縁をなす右枠部材20とを備え、これら上下左右の枠部材17,18,19,20を組み付けた際に、全体が外枠11の前開口端に整合する大きさに形成される。そして、中枠12は、左枠部材19がヒンジ機構25を介して外枠11に対し回動自在に支持され、左枠部材19側を中心として回動して外枠11に閉成される。中枠12の右枠部材20の後面には、
図2および
図16に示すように、施錠機構26を構成して、係止フック等の施錠部(図示せず)を備えた第1作動部材27が配設されると共に、外枠11の右枠部には、該第1作動部材27の施錠部が係脱可能に係止する係止部(図示せず)が設けられており、外枠11に対して中枠12を閉成した状態で第1作動部材27の施錠部が外枠11の係止部に係止することにより、中枠12が外枠11に対して施錠される。また、中枠12に配設された第1作動部材27は、前枠13に設けられた施錠装置110と連係可能となっており、該施錠装置110の操作に基づいて施錠部と係止部との係止が解除されるように作動し、これにより外枠11と中枠12との解錠が行われるよう構成されている。また、中枠12には、上下左右の枠部材17,18,19,20を組み付けることで前後に開口する遊技盤保持部12aが画成され、該遊技盤保持部12aに遊技盤30が着脱自在にセット保持される。実施例では、上下の枠部材17,18が合成樹脂材で成形されると共に、左右の枠部材19,20はアルミニウム等の金属材により成形されて、中枠12全体としての剛性を確保しつつ軽量化が図られている。なお、中枠12は、上下左右の各枠部が一体成形されたものであってもよい。
【0017】
(遊技盤)
遊技盤30は、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、
図1、
図3および
図4に示すように、該遊技盤30の裏面側に図柄表示装置45が着脱可能に組み付けられている。遊技盤30の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール31が配設されており、該案内レール31により画成される略円形の遊技領域32に、中枠12に配設された球発射装置23から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、遊技盤30には、前後に貫通する複数の装着口が開設されており、各種の遊技盤設置部品(具体的には枠状装飾体33、始動入賞装置34、特別入賞装置36、球通過ゲート37、普通入賞具38等が各装着口に対し前側から取り付けられる。遊技盤30の前面における遊技領域32には、多数の遊技釘39が打設されると共に、枠状装飾体33の左側方に、遊技領域32を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材40が回転自在に支持されており、遊技領域32を流下するパチンコ球が遊技釘39や回転案内部材40に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、遊技領域32の最下部位置には、該遊技領域32に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口41が開設されている。なお、装着口の形成数は、遊技盤30に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
【0018】
図1に示すように、遊技盤30の遊技領域32の略中央に配設されたセンター役とも称される枠状装飾体33は、環状に構成されて内側には前後に開口する表示窓口33aが形成され、該表示窓口33aを介して図柄表示装置45の表示部45aが遊技盤30の前面側に臨むよう構成されている。遊技盤30における枠状装飾体33の下方位置に配設された第1始動入賞装置34は、始動入賞口が遊技領域32内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされ、遊技領域32を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。遊技領域32において、枠状装飾体33の右側には、装飾部材に隠れて第2始動入賞装置(図示せず)が配設されている。また、遊技盤30の遊技領域32内において、第1始動入賞装置34の右側に、特別入賞装置36が配設されると共に、枠状装飾体33の右部分には、別の特別入賞装置36が配設されている。
【0019】
(始動入賞装置)
第1始動入賞装置34および第2始動入賞装置には、各々の始動入賞口に入賞したパチンコ球を検出する始動入賞検出手段としての始動入賞検出センサ(図示せず)が設けられ、該始動入賞検出センサはパチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板(図示せず)に配線接続されており、該始動入賞検出センサによるパチンコ球の検出を契機として所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサによるパチンコ球の検出に伴って各種情報(各種乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて図柄表示装置45において図柄変動演出が実行されると共に、特図表示器(図示せず)において特図変動が実行されるようになっている。図柄表示装置45での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置45の表示部45aに所定の当り表示(大当り表示)となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って特別入賞装置36を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成される。
【0020】
(特別入賞装置)
第1始動入賞装置34の右隣りに配設された特別入賞装置36は、横長に開口する特別入賞口を開閉する開閉部材36aを備えており、駆動手段の駆動に伴って板状の開閉部材36aが前後方向へ回動することで特別入賞口を開閉するようになっている。枠状装飾体33の右側部分に配設された特別入賞装置36は、左右方向へ回動する開閉部材36aを備えており、駆動手段の駆動に伴って開閉部材36aが閉鎖位置から開放位置へ回動することで特別入賞口が画成されるよう構成されている。また、各特別入賞装置36には、特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞センサ(図示せず)が設けられて、該特別入賞センサはメイン制御基板に配線接続されており、該特別入賞センサからメイン制御基板への入賞検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、特別入賞装置36の駆動手段は、第1始動入賞装置34または第2始動入賞装置へのパチンコ球の入賞を契機として各特別入賞装置36の特別入賞口を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板によって駆動制御され、開閉部材36aが回動することで特別入賞口に対して多数のパチンコ球が入賞可能となる。
【0021】
(前枠)
前枠13は、
図4〜
図6に示す如く、全体が合成樹脂により中枠12の外形サイズに成形され、遊技盤30の遊技領域32および該遊技領域32の外側の一部を前側から視認し得る窓口13aを開設した基枠(ベース)50と、該基枠50の裏側に配設された金属製のベース部材51とを備え、該ベース部材51の裏側に保持した透視保護板52(
図1参照)によって遊技盤30の遊技領域32を透視可能に保護するよう構成される。基枠50は、上縁をなす上枠部53と、下縁をなす下枠部54と、左縁をなす左枠部55と、右縁をなす右枠部56が一体的に成形されると共に、下枠部54の表側に、別体の設置基材57を固定して構成されている。窓口13aは、上下および左右の各枠部53,54,55,56の内縁部によって画成されている。
図5および
図6に示す如く、上枠部53の内縁部は上側に凹となる略弧状に形成され、左枠部55の内縁部は左側に凹となる略弧状に形成され、右枠部56の内縁部は右側に凹となる略弧状に形成されている。また、下枠部54の内縁部は、左右方向に略水平に延在すると共に、左右中央より右側が上方へ凸となる弧状部が連設された形状に形成されている。
【0022】
前枠13は、中枠12に対して左枠部55がヒンジ機構25を介して回動自在に支持され、中枠12に対して前枠13を左枠部55側を中心として回動して閉成することで、中枠12の表側が前枠13で覆われる。また、前枠13の右枠部56の後側には、
図4、
図13および
図16に示すように、施錠機構26を構成して、係止フック等の施錠部28aを備えた第2作動部材28が配設され、中枠12の右枠部56には、該第2作動部材28の施錠部28aが係脱可能に係止する係止部(図示せず)が設けられており、中枠12に対して前枠13を閉成した状態で第2作動部材28の施錠部28aが中枠12の係止部に係止することにより、前枠13が中枠12に対して施錠される。また、前枠13に配設された第2作動部材28は、該前枠13に設けられた施錠装置110と連係可能となっており、該施錠装置110の操作に基づいて施錠部28aと係止部との係止が解除されるように作動し、これにより中枠12と前枠13との解錠が行われるよう構成されている。なお、第2作動部材28は、前枠13の基枠50の後面に取着された支持案内部29(
図13、
図16参照)に対して上下にスライド自在に支持され、施錠部28aが中枠12の係止部に係止した施錠位置と、該施錠位置から上方へ移動して該施錠部28aと中枠12の係止部との係止が解除された解錠位置との間を移動するようになっている。
【0023】
基枠50における下枠部54の前側に固定される設置基材57には、
図5および
図6に示すように、表面の上部左側に上球皿14が取り付けられ、表面の上部右側に可動操作装置67が取り付けられ、表面の下部左側(上球皿14の下方)に下球皿15が取り付けられると共に、表面の下部右側に操作ハンドル16が取り付けられる。また、設置基材57の表側には、
図1〜
図3、
図5および
図6に示すように、上球皿14、下球皿15およびベース部材51の前側に、複数(実施例では5つ)の前装飾部材(第1〜第5前装飾部材60,61,62,63,64)が取り付けられている。また、設置基材57と第1前装飾部材60および第2前装飾部材61との間において下球皿15の右側には、スピーカ66を備えた下部スピーカボックス65が配設されている。なお、可動操作装置67は、円形の操作部67aが上方へ露出した状態で第2前装飾部材61に収容され、該操作部67aの押圧操作が可能となっている。
【0024】
前枠13の基枠50には、
図5および
図6に示すように、第1照明装置70が左枠部55に配設され、第2照明装置71が上枠部53に配設され、第3照明装置(照明手段)72が右枠部56に配設されている。また、
図7および
図8に示すように、右枠部56に配設される第3装飾カバー部材(装飾部材)82の内部には、第4照明装置(照明手段)73が配設されており、4基の照明装置70,71,72,73によって、窓口13aの外周における左右側部および上部を発光装飾し得るよう構成される。そして、
図5および
図6に示すように、第1照明装置70から光が照射される透光性の第1装飾カバー部材80が左枠部55の表側に組み付けられ、第2照明装置71から光が照射される透光性の第2装飾カバー部材81が上枠部53の表側に組み付けられ、第3照明装置72からの光が照射される透光性の第3装飾カバー部材82が右枠部56の表側に組み付けられている。また、基枠50の下枠部54に取り付けられる設置基材57の表面上縁に、第1装飾カバー部材80と接続する第4装飾カバー部材83が組み付けられている。そして、4つの各装飾カバー部材80,81,82,83および第2前装飾部材61によって、窓口13aの外周が囲繞されている(
図1、
図3参照)。また、基枠50の左上コーナー部に、第1装飾カバー部材80および第2装飾カバー部材81に連結される左上スピーカユニット84が配設されると共に、該基枠50の右上コーナー部に、第2装飾カバー部材81および第3装飾カバー部材82に連結される右上スピーカユニット85が配設されている。なお、左上スピーカユニット84および右上スピーカユニット85は、透明なカバー部材84a,85aに収容されている。
【0025】
(第1照明装置)
左枠部55に配設される第1照明装置70は、
図2および
図5に示す如く、左枠部55の裏側に配設された第1発光基板70aと、該第1発光基板70aの前面に実装されて前方に向けて光を照射するLED等の複数の第1発光体70bとを備えている。左枠部55には、第1発光基板70aに実装した各第1発光体70bと対応する位置に、前後方向に開口する第1通孔55aが形成され、第1発光体70bから照射された光は、対応する第1通孔55aを通って第1装飾カバー部材80に向けて照射されるよう構成される。なお、第1発光体70bとしては、フルカラーLEDまたは単色発光LEDを採用し得ると共に、フルカラーLEDからなる第1発光体70bと単色発光LEDからなる第1発光体70bとを組み合わせることもできる。
【0026】
(第1装飾カバー部材)
第1装飾カバー部材80は、
図2、
図3、
図5および
図6に示す如く、全体が透明(透光性)で、前方へ膨出すると共に後方に開口する横断面の外形が略台形状に形成され、左枠部55の前側を上下方向に亘って覆う形状に形成されている。第1装飾カバー部材80の外面は、複雑な凹凸模様が形成されると共に、裏面には光を拡散する処理が施されている。これにより、第1照明装置70の各第1発光体70bからの光が後方から照射されることで、第1装飾カバー部材80の外面が照明されるようになっている。第1装飾カバー部材80の上端は、左上スピーカユニット84のカバー部材84aに連結される。
【0027】
(第2照明装置)
上枠部53に配設される第2照明装置71は、
図5に示す如く、上枠部53の裏側に配設された第2発光基板71aと、該第2発光基板71aの前面に実装されて前方に向けて光を照射するLED等の複数の第2発光体71bとを備えている。上枠部53には、第2発光基板71aに実装した各第2発光体71bと対応する位置に、前後方向に開口する第2通孔53aが形成され、第2発光体71bから照射された光は、対応する第2通孔53aを通って第2装飾カバー部材81に向けて照射されるよう構成される。なお、第2発光体71bとしては、フルカラーLEDまたは単色発光LEDを採用し得ると共に、フルカラーLEDからなる第2発光体71bと単色発光LEDからなる第2発光体71bとを組み合わせることもできる。
【0028】
(第2装飾カバー部材)
第2装飾カバー部材81は、
図2、
図5および
図6に示す如く、全体が透明で前方へ膨出すると共に後方に開口する縦断面の外形が略倒伏U字形状に形成され、上枠部53の前側を左右方向に亘って覆う形状に形成されている。第2装飾カバー部材81の外面は、複雑な凹凸模様や突起が形成されると共に、裏面には光を拡散する処理が施されている。これにより、第2照明装置71の第2発光体71bからの光が後方から照射されることで、第2装飾カバー部材81の外面が照明されるようになっている。第2装飾カバー部材81の左端は、左上スピーカユニット84のカバー部材84aに連結されると共に、該第2装飾カバー部材81の右端は、右上スピーカユニット85のカバー部材85aに連結される。
【0029】
(第3照明装置について)
右枠部56に配設される第3照明装置72は、
図2、
図5および
図6に示す如く、右枠部56の裏側に配設された第3発光基板72aと、該第3発光基板72aの前面に実装されて前方に向けて光を照射するLED等の複数の第3発光体(発光部)72bとを備えている。右枠部56には、第3発光基板72aに実装した各第3発光体72bと対応する位置に、前後方向に開口する第3通孔56aが形成され、第3発光体72bから照射された光は、対応する第3通孔56aを通って第3装飾カバー部材82に向けて照射されるよう構成される。なお、第3発光体72bとしては、フルカラーLEDまたは単色発光LEDを採用し得ると共に、フルカラーLEDからなる第3発光体72bと単色発光LEDからなる第3発光体72bとを組み合わせることもできる。
【0030】
(施錠装置取付部)
右枠部56の下部には、
図5、
図6および
図13に示すように、施錠装置110を取り付ける施錠装置取付部58が設けられている。施錠装置取付部58は、基枠50の右枠部56に形成された第1挿通口59aおよびベース部材51に該第1挿通口59aと同一形状に形成された第2挿通口59bの後方に離間した位置に、施錠機構26を構成する支持案内部29に一体に設けられている。施錠装置取付部58は、ベース部材51から後方へ折曲した部位に、該ベース部材51と対向に設けられ、第1挿通口59aおよび第2挿通口59bに挿通した施錠装置110の支持ブラケット140における後支持板部142が後方から当接可能な形状に形成されている(
図13(b)参照)。施錠装置取付部58には、支持ブラケット140の後支持板部142に形成されたネジ挿通孔147と整合するネジ締結孔(図示せず)が形成されており、該ネジ挿通孔147に挿通させたネジを該ネジ締結孔に締結することで、錠操作部111を前方へ延出させた施錠装置110が該施錠装置取付部58に固定されるようになっている。第1挿通口59aおよび第2挿通口59bは、右枠部56の下部において、第3照明装置72の第3発光体72bを前方へ臨ませる第3通孔56aの左側に開設されている。第1挿通口59aおよび第2挿通口59bは、施錠装置110のケース部材113の縦断面形状と相似すると共に僅かに大きい開口形状に形成されており、施錠装置110を前枠13の後方から挿通可能となっている。
【0031】
(第3装飾カバー部材)
第3装飾カバー部材82は、
図2〜
図8に示す如く、前方に膨出すると共に後方に開口する横断面の外形が前後に細長い略台形状に形成され、該第3装飾カバー部材82が右枠部56の前側を上下方向に亘って覆うように取り付けられる。第3装飾カバー部材82は、窓口13aにおける右枠部56の内縁部により画成される右側外周において該右枠部56の前面から前方に膨出している(
図16参照)。第3装飾カバー部材82は、全体が透明で窓口13aに近接する側の壁部を構成する内壁部材(壁部)88と、該内壁部材88に配設されて第3装飾カバー部材82の前側の壁部を構成する前壁部材(壁部)89と、内壁部材88から右方に離間して位置して窓口13aから離間する側の壁部を構成する外壁部材(壁部)90とを備え、外壁部材90の前端部は前壁部材89で覆われるようになっている(
図16参照)。そして、右枠部56の前側に第3装飾カバー部材82を取り付けた状態で、該第3装飾カバー部材82と右枠部56との間に内部空間Sが画成される。第3装飾カバー部材82は、右枠部56の前側に取り付けた状態で、上端部が右上スピーカユニット85のカバー部材85aに接続されると共に、下端部が第2前装飾部材61に対向している(
図14参照)。
【0032】
第3装飾カバー部材82の前端部は、上端および下端の前方への延出長さはほぼ同じであり、上端と下端との間において前後にうねった形状に形成されて、上端から下がった位置で最も前方へ突出している。第3装飾カバー部材82における前壁部材89の上端における前端部は、右上スピーカユニット85のカバー部材85aの前端部の位置と略同じレベルに位置している(
図2参照)。すなわち、前枠13における基枠50の前側に、第1〜第3装飾カバー部材80,81,82を取り付けた状態で、3つの装飾カバー部材80,81,82の前端部は、窓口13aの左下部側から左上隅部を経て右上隅部に向かうにつれて徐々に前方へ変位すると共に、該右上部から右下部に向かうにつれて僅かに後方へ変位するようになっている。つまり、基枠50に第1〜第3装飾カバー部材80,81,82を取り付けた状態の前枠13において、右上部が最も前方に膨出している。また、左枠部55に取り付けた第1装飾カバー部材80と右枠部56に取り付けた第3装飾カバー部材82とでは、
図2および
図3に示す如く、対応する枠部55,56から前方への突出寸法は、ヒンジ機構25が配設される左枠部55とは反対側の右枠部56に取り付けられる第3装飾カバー部材82の方が大きく設定されており、前枠13において第1〜第3装飾カバー部材80,81,82で構成される前側の形態は左右非対称となっている。
【0033】
(内壁部材)
内壁部材88は、
図7および
図8に示す如く、右枠部56から前方に向かうにつれて右側(外壁部材90側)へ僅かに傾斜すると共に、その外周全周には、右方(外壁部材90側)へ延出する外周壁91が形成されている。外周壁91の前側部分は、前壁部材89の後側形状に合わせて、上側から下側に向かうにつれて前後にうねるように構成されていると共に、前後に貫通したネジ挿通孔91aが上下方向に離間して複数(実施例では3つ)形成されており、前壁部材89を取り付けるネジが挿通されるようになっている。また、外周壁91の前側部分における下部には、施錠装置110の錠操作部111が挿通する錠開口(開口)100を形成する第1開口100aが形成されている。外周壁91の前側部分は、第3照明装置72の第3発光体72bからの光が照射されるようになっている。
【0034】
外周壁91の後側部分は、第3通孔56aおよび第1挿通口59aとの前後の重なりを回避するよう、右端が凹凸状に形成されている。そして、内壁部材88右壁面には、第4照明装置73の第4発光基板73aを位置決めする複数(実施例では2つ)の位置決めボス92が、右方へ突出して形成される。更に、内壁部材88は、外壁部材90を組み付けるネジが挿通される複数のネジ挿通孔93が、該内壁部材88を左右に貫通して形成されている。そして、内壁部材88における窓口13aに向いた外側面には、所要の意匠形状に形成された複数の透光性の装飾部材(光透過部)94が取り付けられる。
【0035】
(外壁部材)
外壁部材90は、
図3、
図7および
図8に示す如く、右枠部56から前方に略垂直に延出して、外側面(右側の側面)は、細かな凹凸模様を有するものの全体的には略平坦状に形成されている。また外壁部材90は、透明な部材にメッキ処理等の非透光性処理が施された非光透過部95を設けることで、該非光透過部95以外の部分に、所要の意匠を構成する側面光透過部(光透過部)96を形成したものであって、側面光透過部96を取り囲むように存在する非光透過部95によって、該側面光透過部96が照明された際の注目度を高めることができるようになっている。第3装飾カバー部材82の上端は、右上スピーカユニット85のカバー部材85aの右側面に重なるように接続されると共に、該第3装飾カバー部材82の下端は、第2前装飾部材61の右側面に重なっている。すなわち、パチンコ機10の右側面には、基枠50から前方に突出する略平坦状な外壁部材90の全体が視認可能に露出するよう構成される。外壁部材90の側面光透過部96で表わす意匠としては、例えば社名や機種名、その他キャッチフレーズ等の文字、あるいはパチンコ機10のモチーフとなるキャラクタ等の図柄等、各種のものを採用可能である。なお、外壁部材90における側面光透過部96に対応する表面に、凹凸による光拡散処理が施されて、該側面光透過部96の全体が均一に照明され得るようになっている。そして、外壁部材90の右側面には、内壁部材88に設けられた各ネジ挿通孔93に左右方向で整合する位置に、複数の取付ボス97が左方へ突出して形成される。
【0036】
(前壁部材)
前壁部材89は、表面の全体がメッキ処理された非光透過性の部材であって、第3装飾カバー部材82の前端部は第3発光体72bからの光が反射し得るよう構成される。なお、実施例では、内壁部材88の前端部に1つの前壁部材89が取り付けられているが、複数の前壁部材89を取り付けるようにしてもよい。前壁部材89の後側には、
図8に示すように、後方へ延出したネジ締結部99が、上下方向に離間して複数(実施例では3つ)形成されており、各ネジ締結部99は、内壁部材88に設けられたネジ挿通孔91aに整合する。従って、ネジ挿通孔91aに後側から挿通したネジをネジ締結部99に締結することで、前壁部材89が内壁部材88の前側に取り付けられるようになっている。
【0037】
(錠開口)
前壁部材89の下部には、
図3、
図7および
図8に示すように、錠開口100を構成する第2開口100bが形成されている。第2開口100bは、前壁部材89に形成された第1開口100aに前後方向で整合する位置に設けられている。錠開口100は、錠操作部111の前面形状に合わせて円形となっている。なお、前壁部材89の外周壁91における第1開口100aの周囲部分は、透光性を有する前光透過部(光透過部)101となっており、第3照明装置72の第3発光体72bからの光が照射されることで照明されるようになっている。
【0038】
(第4照明装置)
図7、
図8および
図14に示すように、第3装飾カバー部材82に内部画成された内部空間Sに、第4照明装置73が配設されている。第4照明装置73は、内壁部材88の右側面に位置決めされて、該内壁部材88および外壁部材90を組み付けることで両壁部材88,90で挟まれた状態で保持される第4発光基板73aと、該第4発光基板73aにおける左方を向いた表面に実装されて内壁部材88に向けて光を照射するLED等の複数の第4発光体(発光部)73bとを備えている。第4照明装置73は、第3装飾カバー部材82の内部空間Sにおいて、施錠装置110の配設領域より上方に収容可能な上下サイズとされ、前縁側は内壁部材88の外周壁91のうねり形状に合わせて前後に凹凸している。第4発光基板73aには、内壁部材88に設けられた前述の位置決めボス92に対応する位置決め孔73cが形成されていると共に、内壁部材88と外壁部材90とを締結する取付ネジが挿通するネジ挿通孔73dが複数設けられている。
【0039】
第3装飾カバー部材82の内部空間S内に配設された第4照明装置73は、
図14に示すように、第4発光基板73aの幅方向が前後となる向きで略鉛直に支持されており、内部空間Sにおける施錠装置110から上方の領域を左右に区画している。そして、第4照明装置73の第4発光基板73aは、右枠部56に設けられた第3通孔56aよりも左側に位置しており、第3照明装置72の第3発光体72bより左側に位置している。従って、第4発光体73bから照射された光は、該第3装飾カバー部材82の内壁部材88に向けて照射されて、該内壁部材88の左外面に配設された各装飾部材94を照明するよう構成される。なお、第4発光体73bとしては、フルカラーLEDまたは単色発光LEDを採用し得ると共に、フルカラーLEDからなる第4発光体73bと単色発光LEDからなる第4発光体73bとを組み合わせることもできる。
【0040】
第4照明装置73の第4発光基板73aは、第4発光体73bが配設された表面と反対の裏面74が光沢処理を施されている。そして、第4照明装置73は、第3装飾カバー部材82の内部空間Sに収容保持された状態において、光沢処理された裏面74が、第3発光体72bを挟んで外壁部材90と対向するように配置される。従って、第3照明装置72の第3発光体72bから前方へ照射された光の一部が、第4発光基板73aの裏面74で右方へ反射するようになり、該反射光により外壁部材90の側面光透過部96が照明され得るようになっている。また、第4発光基板73aは、第3照明装置72の第3発光体72bから照射された光を、内壁部材88側へ到達するのを規制するようになっている。
【0041】
(施錠装置について)
次に、前枠13に配設された施錠装置110について説明する。なお、施錠装置110の説明における「前後」、「左右」および「上下」の方向は、前枠13を中枠12に閉じた状態で指示する。
【0042】
実施例の施錠装置110は、前方へ膨出した形状に形成された第3装飾カバー部材82の前後寸法に基づき、従来のパチンコ機に多く実施されてきた従来の施錠装置と比べて前後寸法を拡大したものである。これにより、施錠装置110および第3装飾カバー部材82をを基枠50に取り付けた状態では、前面に設けられた鍵穴118が該第3装飾カバー部材82の前壁に臨むようになり、該第3装飾カバー部材82の意匠形状に及ぼす影響を最小限に抑え得るようになっている。実施例の施錠装置110は、
図9〜
図11および
図13に示すように、前面に鍵穴118が設けられると共に該鍵穴118から差し込んだ鍵により回動される錠軸116を有する錠操作部111と、第3装飾カバー部材(装飾部材)82の前面と基枠50との前後寸法に基づいて前後長が設定されて、錠軸116の後端に連結される連係部材112と、基枠50から前方に延出した状態で配設されると共に、連係部材112を内部に回転可能に保持するケース部材113と、基枠50の後側に突出する連係部材112に配設され、施錠機構26と連係する解錠部114とを備える。基枠50から前方に延出した状態に配設されるケース部材113は、第3装飾カバー部材82の前面に開設された錠開口(開口)100に鍵穴118を臨ませるように錠操作部111を支持するようになっている。
【0043】
(錠操作部)
錠操作部111は、所謂シリンダ錠であって、
図9(a)、
図10、
図11および
図15に示すように、前後に延在する円筒状の外筒115と、該外筒115の内側に回転可能に収容された錠軸116とを備えている。また、錠操作部111は、外筒115の後部に、ケース部材113を支持する支持ブラケット140に連結される板状の取付板部117が一体に形成されている。取付板部117は、錠操作部111の後部から上方および下方へ延出して、後面が上下に長い板状をなしている。錠操作部111の前面には鍵穴118が設けられており、正規の鍵(図示せず)を鍵穴118に差し込んだ場合には錠軸116の回転が許容される。また、錠軸116の後端部は取付板部117から後方へ延出しており(
図10、
図15参照)、該錠軸116の後端部には、連係部材112と連結するジョイント部材119が固定されている。
【0044】
実施例の錠操作部111は、所謂合鍵変更型の錠であり、鍵を変更する際に操作する操作レバー120が、取付板部117の後面から外方へ突出して設けられている。この錠操作部111は、使用中の正規の鍵を別の鍵に変更する場合に、使用中の鍵を鍵穴118に差し込み、操作レバー120を押し下げた状態で該使用中の鍵により錠軸116を180度回転させ、当該使用中の鍵を一旦引き抜く。そして、以降に使用予定の新鍵を鍵穴118に差し込み、錠軸116を逆に180度回転させて元の位置に戻すと、シリンダ錠のコードピン、ドライブピンの解錠配列(シャーライン上で各ピンの当接位置が揃う配列)が変更され、新鍵を正規の鍵として変更し得る構造となっている。
【0045】
(ケース部材)
ケース部材113は、
図9〜
図11に示すように、本体121と、該本体121に着脱可能に組み付けられるカバー体122とを備え、本体121とカバー体122とを組み付けることで、前後に延在する第1収容空間123および第2収容空間124が、上下に並んだ状態で内部に画成される。第1収容空間123には、前述した連係部材112が回転可能に収容されると共に、第2収容空間124には、前述した操作レバー120を操作する操作機構125(
図10、
図11参照)が収容されるようになっている。ケース部材113は、本体121とカバー体122とを組み付けることで、前後長および上下長に比べて左右幅が小さい偏平ブロック状に構成されている。実施例のケース部材113は、鍵穴118を第3装飾カバー部材82の前面に形成した錠開口100を臨ませた錠操作部111の後面から、基枠50の右枠部56の後方に至る前後長に設定されている。
【0046】
ケース部材113は、錠操作部111の真後ろに位置する当該ケース部材113の上下中間部分が、該錠操作部111の直径と同じ最大の左右幅となっており、該最大幅部分から上方に位置する上側部分は、上方にいくにつれて左右幅が徐々に小さくなると共に、該最大幅部分から下方に位置する下側部分は、下方にいくにつれて左右幅が徐々に小さくなる形状となっている。そして、ケース部材113の左外側面(反射部)113aは、最大幅部分が鉛直になっており、上側部分は上方にいくにつれて右方へ変位するよう傾斜していると共に、下側部分は下方にいくにつれて右方へ変位するよう傾斜している。一方、ケース部材113の右外側面(反射部)113bは、最大幅部分から上側部分は鉛直になっており、下側部分は下方にいくにつれて左方へ変位するよう傾斜している。また、ケース部材113の前面および後面は、鉛直に延在して平行になっている。本体121およびカバー体122は、合成樹脂製の成形部材で外面全体が光沢を有しており、照射された光を反射可能になっている。実施例では、本体121およびカバー体122が白色の合成樹脂材から成形されている。
【0047】
(本体)
本体121は、
図10および
図11に示すように、最大幅部分および上側部分における左半分が切り欠かれており、この凹んだ部分にカバー体122が整合するようになっている。本体121の最大幅部分には、前後に延在して左側、前面および後面に開口し、前述した第1収容空間123の右半分を画成する第1凹部126が設けられている。第1凹部126は、前後方向に延在すると共に左方に開口する半樋形状をなしている。第1凹部126における前後中央よりも前側部分には、連係部材112の軸部を回転可能に枢支する第1軸支部127が設けられている。また、第1凹部126における第1軸支部127よりも後側に、連係部材113に実装された第1付勢手段としてのねじりバネ156(
図10、
図11参照)の各脚部156a,156aが係止されるバネ係止部128,128が形成されている。
【0048】
本体121の上側部分には、
図10および
図11に示すように、前後に延在して左側、前面および後面に開口し、前述した第2収容空間124を画成する第2凹部129が設けられている。第2凹部129は、前後方向に延在すると共に左方へ開口する半樋状をなしていると共に、前面に臨む部分は上下幅が拡大している。第2凹部129の前側に位置する上下拡大部分には、左右方向へ延在する軸支孔130が形成されており、操作機構125における第1操作部材160に設けられた支軸162が係合するようになっている。また、第2凹部129の前後中間部分には、左方へ突出した凸部131が形成されており、操作機構125における第2操作部材161を後方へ付勢する第2付勢手段としての圧縮コイルバネ168の端部が当接するようになっている。
【0049】
本体121の右外側面113bには、
図10に示すように、右方、前面および後面に開口する嵌合凹部132が形成されている。この嵌合凹部132には、支持ブラケット140の基板部141が嵌合するようになっており、該嵌合凹部132の上下幅および深さは、基板部141の上下幅および厚みと同じになっている。本体121における第1凹部126と第2凹部129との間には、該本体121を左右に貫通するネジ挿通孔133が、前後に離間して複数(実施例では2つ)設けられている。各ネジ挿通孔133,133には、本体121を挟んでカバー体122と支持ブラケット140とを締結する締結ネジ(図示せず)が貫通するようになっている。また、本体121の下側部分には、
図9〜
図11に示すように、該本体121を左右に貫通する貫通口134が前後の離間して複数(実施例では3つ)形成されており、該本体121は剛性を確保したもとで軽量化が図られている。
【0050】
(カバー体)
カバー体122は、
図10および
図11に示すように、前後に延在して右側、前面および後面に開口し、前述した第1収容空間123の左半分を画成する第3凹部135が設けられている。第3凹部135は、前後方向に延在すると共に左方に開口する半樋形状をなし、本体121の第1凹部126に整合するようになっている。第3凹部135における前後中央よりも前側部分に、連係部材113の軸部を回転可能に枢支する第2軸支部136が設けられている。第2軸支部136は、本体121に設けられた第1軸支部127と共に連係部材113を左右から挟むことで、該連係部材113を回転可能に支持するようになっている。
【0051】
カバー体122には、
図10および
図11に示すように、第3凹部135の上側に、該カバー体122を左右に貫通するネジ挿通孔137が、前後に離間して複数(実施例では2つ)設けられている。各ネジ挿通孔137,137は、本体121に設けられた各ネジ挿通孔133,133に夫々整合するようになっており、本体121を挟んでカバー体122と支持ブラケット140とを締結する締結ネジが貫通するようになっている。また、カバー体122の後端に、支持ブラケット140の後支持板部143に係止する係止片138が設けられている。
【0052】
(支持ブラケット)
支持ブラケット140は、
図10および
図11に示すように、ケース部材113の本体121とカバー体122とを組み付けて支持する機能と、該ケース部材113と錠操作部111とを連結する機能と、該ケース部材113を前枠13のベース部材51における施錠装置取付部58に固定する機能とを兼有した部材である。支持ブラケット140は、ケース部材113の右外側面113bに沿って延在する基板部141と、該基板部141の前縁に連設された前支持板部142と、該前基板部141の後縁に連設された後支持板部143とを備え、前支持板部142および後支持板部143でケース部材113を前後から支持するようになっている。実施例の支持ブラケット140は、基板部141、前支持板部142および後支持板部143が、鋼またはアルミニウム等の金属製の一体成形部材であり、照射された光を反射可能になっている。
【0053】
基板部141は、ケース部材113の本体121に形成された前述の嵌合凹部132に嵌合する矩形状に形成されており、該嵌合凹部132に嵌合した基板部141は、ケース部材113の右外側面113bから突出しないようになっている。基板部141には、前述した締結ネジが締結するネジ締結孔144,144が、前後に離間して複数(実施例では2つ)設けられている。
【0054】
前支持板部142は、
図10および
図11に示すように、ケース本体121の前面形状と同じ外縁形状に形成されており、錠操作部111の取付板部117に設けられたネジ挿通孔117aに挿通されたネジが締結するネジ締結孔144が設けられている。また、前支持板部142には、ケース部材113の第1収容空間123の前側開口に整合する第1貫通口145と、第2収容空間124の前側開口に整合する第2貫通口146とが形成されている。
【0055】
後支持板部143は、
図10および
図11に示すように、ケース本体121の後面形状とは異なる上下に長い略矩形状に形成されており、前枠13のベース部材51に設けられた施錠装置取付部58に該後支持板部143を締結するネジが挿通可能なネジ挿通孔147が設けられている。また、後支持板部143には、ケース部材113の第1収容空間123の後側開口に位置する軸支孔148と、第2収容空間124の後側開口に位置する第3貫通口149が形成されている。軸支孔148は、連係部材113を回転自在に支持可能なサイズに形成されている。また、第3貫通口149は、操作機構125における第2操作部材161の操作片167(
図10〜
図12参照)が挿通可能なサイズに形成されている。また、後支持板部143の左縁には、ケース本体121のカバー体122に設けられた前述の係止片138が係止する係止凹部150が設けられている。
【0056】
(連係部材)
連係部材113は、
図10および
図11に示すように、ケース部材113の前後長と略同じ長さに丸棒状部材である。連係部材113は、丸棒状の軸本体121の前端部に、ジョイント部材119に連結される前連結部152が設けられると共に、該軸本体121の後端部に、解錠部114が固定される後連結部153が設けられている。前連結部152は、軸本体121より太径に形成されると共に、該前連結部152の前端は、ジョイント部材119の後部に設けられた矩形凹部119aに差し込み嵌合する矩形軸状に形成されている。従って、前連結部152がジョイント部材119に差し込み嵌合することで、連係部材113とジョイント部材119との相対的な回転が規制され、ジョイント部材119の回転に対して連係部材113が軸回りに従動回転するようになっている。後連結部153は、軸本体121より太径に形成されて、支持ブラケット140の後支持板部143に形成された軸支孔148に摺動回転可能に支持されるようになっている。また、後連結部153の後端は、解錠部114に設けられた矩形開口114dに差し込み嵌合する矩形軸状に形成されている。
【0057】
連係部材113には、
図10および
図11に示すように、前連結部152の後端から後方へ離間した位置に、軸本体121より太径のフランジ154が設けられている。ここで、前連結部152の後端とフランジ154の前端との前後間隔は、ケース部材113の本体121に設けられた第1軸支部127およびカバー体122に設けられた第2軸支部136の前後幅と同じに設定されている。すなわち、第1軸支部127および第2軸支部136を、前連結部152およびフランジ154で前後から挟むことで、ケース部材113の第1収容空間123内に収容された連係部材113が、該第1収容空間123内において前後へ移動することが規制されるよう構成されている。
【0058】
連係部材113には、
図10および
図11に示すように、ねじりバネ156が配設されている。そして、連係部材113には、フランジ154の後側に、ねじりバネ156の各脚部156a,156aが係止する係止爪部157が設けられている。係止爪部157は、錠操作部111における外枠11に対する中枠12の解錠操作に際して連係部材113が軸回りの一方へ回転する際に、ねじりバネ156における一方の脚部156aを他方の脚部156aから離間移動させるようになっており、これにより発現した当該ねじりバネ156の付勢力により、連係部材113を初期状態に回転させ得るようになっている。また、係止爪部157は、錠操作部111における中枠12に対する前枠13の解錠操作に際して連係部材113が軸回りの他方へ回転する際に、ねじりバネ156における他方の脚部156aを一方の脚部156aから離間移動させるようになっており、これにより当該ねじりバネ156に発現した付勢力により、連係部材113を初期状態に回転させ得るようになっている。
【0059】
(解錠部)
解錠部114は、
図10、
図11および
図13(b)に示すように、連係部材113の後連結部153に固定される固定部114aと、該固定部114aから径方向へ延出する第1解錠片114bと、該固定部114aから第1解錠片114bと異なる径方向へ延出する第2解錠片114cとを備えている。第1解錠片114bと第2解錠片114cとは、連係部材112の軸方向にずらして形成され、第1解錠片114bが第2解錠片114cより後方に位置している。第1解錠片114bは、中枠12に設けられた前述の第1作動部材27に係脱可能となっており、施錠装置110の鍵穴118に差し込んだ鍵を一方へ回転させる操作に基づき、解錠部114が
図13(b)において反時計方向へ回転すると、該第1解錠片114bが第1作動部材27に係止して該第1作動部材27が解錠位置に移動することで、中枠12と外枠11とが解錠される。また、第2解錠片114cは、前枠13に設けられた前述の第2作動部材28の係止部28b(
図13(b)参照)に係脱可能となっており、施錠装置110の鍵穴118に差し込んだ鍵を他方へ回転させる操作に基づき、解錠部114が
図13(b)で時計方向へ回転すると、第2解錠片114cが係止部28bに係止して該第2作動部材28が解除位置にスライドすることで、前枠13と中枠12とが解錠される。
【0060】
(操作機構)
操作機構125は、ケース部材113の後側(支持ブラケット140の後支持板部143の後側)から、錠操作部111の操作レバー120を操作可能として、該操作レバー120の操作による鍵の変更作業を行うものである。操作機構125は、
図10および
図11に示すように、ケース部材113に設けられた第2収容空間124内に配設され、操作レバー120に係脱可能に係合する第1操作部材160と、該第1操作部材160に連結された第2操作部材161から構成されている。
【0061】
(第1操作部材)
第1操作部材160は、
図10および
図11に示すように、本体121の第2凹部129に設けられた軸支孔130に差し込まれる支軸162が形成されたブロック部材であり、該軸支孔130を中心として回動可能に本体121に配設されている。第1操作部材160は、支持ブラケット140の前支持板部142に設けられた第2貫通口146から前方へ突出する係止爪部163を備えており、軸支孔130を中心として回転することで、係止爪部163が、
図12(a)に示す初期位置から
図12(b)に示す操作位置へ移動するようになっている。また、第1操作部材160は、第2操作部材161に設けられた連結軸166が係止する連結孔164を備えている。連結孔164は、支軸162から該支軸162の径方向へ離間した位置に設けられている。従って、連結孔164は、第1操作部材113が軸支孔130を中心として回動することで、前後方向へ円弧状に移動するようになっている。
【0062】
(第2操作部材)
第2操作部材161は、
図10および
図11に示すように、前後に細長いロッド状部材であり、前後方向の中間部分には、左右方向へ開口した係止口165が設けられており、本体121の第2凹部129に設けられた凸部131が該係止口165に係合した状態で第2収容空間124内に配設される。係止口165の前後長は、凸部131よりも長くなっており、第2連係部材113は、第2収容空間124内を前後方向へスライド移動が可能となっており、
図12(a)に示す初期位置および
図12(b)に示す押圧位置の間を移動可能となっている。第2操作部材161の前端部には、第1操作部材160の連結孔164に係止する連結軸166が設けられており、第2操作部材161と第2操作部材161とは、連結軸166と連結孔164との係止により常に連結された状態で第2収容空間124内に配設される。第2操作部材161の後端部には、後方へ突出した操作片167が設けられており、該操作片167は、前述した初期位置において、支持ブラケット140の後支持板部143に設けられた第3貫通口149を介して該後支持板部143から後方へ突出するようになっている。更に、係止口165と凸部131との間には、第2操作部材161を初期位置側に付勢する付勢手段としての圧縮コイルバネ168が配設されており、第2操作部材161は、初期位置側へ弾力的に付勢保持されるようになっている。
【0063】
前述した操作機構125は、操作片167に対する非操作時では、
図12(a)に示すように、圧縮コイルバネ168の付勢力により第2操作部材161が初期位置に保持されることで、第1操作部材160が初期位置に保持され、該第1操作部材160の係止爪部163が錠操作部111の操作レバー120を押圧しないようになっている。一方、操作片167を前方へ押した操作時では、
図12(b)に示すように、第2操作部材161が初期位置から押圧位置へ移動するに伴い、第1操作部材160が初期位置から操作位置へ回動するようになることで、該第1操作部材160の係止爪部163が操作レバー120を下方へ押すことで、前述した鍵の変更作業が可能となる。
【0064】
(前枠に対する施錠装置の取り付け)
前述のように構成された実施例の施錠装置110は、
図13に示すように、前枠13の基枠50に設けられた施錠装置取付部58に対し、基枠50の後側から錠操作部111から差し込むと共に、支持ブラケット140の後支持板部143を、ベース部材51に設けられた施錠装置取付部58にネジ止めすることで、前枠13に対して所定の姿勢で取り付けられる。そして、第3装飾カバー部材82の内部空間S内を前後方向に延在する姿勢で固定された施錠装置110は、
図15および
図16に示すように、ケース部材113および支持ブラケット140に支持された錠操作部111の前面が、該第3装飾カバー部材82の前部に設けられた錠開口100に整合して、鍵穴118が該錠開口100から前方へ露出した状態となる(
図1、
図3、
図15、
図16参照)。また、第3装飾カバー部材82の内部空間Sに収容されたケース部材113は、支持ブラケット140の基板部141が嵌合した右外側面113bが、外壁部材90の側面光透過部96における下側部位に対し、第3照明装置72の第3発光体72bを挟んで対向している(
図14参照)。実施例では、第3照明装置72における2つの第3発光体72bを挟んで、支持ブラケット140の基板部141が嵌合した右外側面113bが、外壁部材90の側面光透過部96における下側部位に対向している。
【0065】
図14に示すように、第3装飾カバー部材82の内部空間Sに収容されたケース部材113の右外側面113bは、該内部空間Sに配設された第4照明装置73の第4発光基板73aの延在方向に沿う上下方向へ延在している。また、内部空間Sに収容されたケース部材113の左外側面113aは、該左外側面113aの上縁が第4照明装置73の第4発光基板73aの下端に隣接すると共に、該左外側面113aの傾斜部分が、下方にいくにつれて左側(窓口13a側)へ変位している。すなわち、左外側面113aは、第4照明装置73の第4発光基板73a側に向いており、第4発光体73bからの光が該傾斜部分で反射可能な反射部となっている。
【0066】
また、実施例の施錠装置110は、ケース部材113の前後に延在する右外側面113bが、該右外側面113bと隣り合う位置に配設された第3照明装置72の第3発光体72bから前方に照射した光を反射し得る反射部として機能するようになっている。ケース部材113の右外側面113bには、支持ブラケット140の基板部141が配設されており、該基板部141も反射部を構成している。特に、支持ブラケット140が金属製であり、かつ該支持ブラケット140の基板部141が、ケース部材113の右外側面113bにおける垂直部分の略全体を占める矩形板状の部材であることから、該基板部141が配設された右外側面113bは第3発光体72bからの光を反射し易くなっている。
【0067】
従って、実施例のパチンコ機10では、第3照明装置72の第3発光体72bから前方に照射した光と右外側面113bにより反射した反射光により、第3装飾カバー部材82における錠開口100の周辺部に設けられた前光透過部101を照明可能に構成されている。また、第3照明装置72の第3発光体72bから照射した光および右外側面113bによる反射光により、第3装飾カバー部材82における外壁部材90に設けられた側面光透過部96を照明可能に構成されている。また、第3照明装置72の第3発光体72bから照射した光および第4照明装置73の第4発光基板73aによる反射光によっても、外壁部材90に設けられた側面光透過部96が照明可能となっている。すなわち、外壁部材90の側面光透過部96は、第3照明装置72の第3発光体72bから照射された光と、施錠装置110の右外側面113bによる反射光と、第4発光基板73aによる反射光とにより照明されて、該側面光透過部96はその全体が略均一に照明され得るよう構成されている。更に、第4照明装置73の第4発光体73bから左方に照射した光と左外側面113aにより反射した反射光により、第3装飾カバー部材82における内側部材88に設けられた装飾部材94を照明可能に構成されている。
【0068】
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0069】
遊技盤30の遊技領域32に打ち出されたパチンコ球が第1始動入賞装置34または第2始動入賞装置35に入賞すると、図柄表示装置45の表示部46で図柄変動が開始され、所要の図柄変動演出が行われる。図柄表示装置45の表示部46で行われる図柄変動演出の結果、該表示部46に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示されたときに大当りが発生する。そして、大当りが発生すると、図柄表示装置45の表示部46に表示された図柄組み合わせに応じて、特別入賞装置36の特別入賞口が開放され、遊技者は多くの賞球が獲得可能となる。
【0070】
実施例のパチンコ機10では、図柄表示装置45の表示部46で行われる図柄変動演出に応じて、第1〜第4照明装置70,71,72,73が発光・点滅制御され、窓口13aの外周において行われる発光による演出により遊技の興趣が向上される。またパチンコ機10では、遊技者が遊技を行っていない客待ち状態においても、第1〜第4照明装置70,71,72,73を発光・点滅制御することで、遊技店内の客の注意を惹いて当該パチンコ機10で遊技を行うことを促している。
【0071】
実施例のパチンコ機10は、
図3に示す如く、前枠13の窓口13aを囲う左右両側および上側に取り付けられた第1〜第3装飾カバー部材80,81,82が、何れも前方へ膨出する立体的な形状に形成されている。また、第1〜第3装飾カバー部材80,81,82の前端部は、窓口13aの左下部側から左上隅部を経て右上隅部に向かうにつれて徐々に前方へ変位すると共に、該右上隅部から右下部は前方への延出寸法がほぼ同じになっている。すなわち、前枠13の前側の形態が立体的でかつ左右非対称で遊技者の注意を惹くことができるデザインとなっているので、他機種との差別化を図ることができる。
【0072】
また、
図2および
図3に示す如く、前枠13の左側に位置する第1装飾カバー部材80に対して右側に位置する第3装飾カバー部材82の前方への突出寸法を大きくし、かつ該第3装飾カバー部材82の外側面に、
図3に示すように側面光透過部96が形成されて、第3照明装置72の発光により側面光透過部96が照明されて明輝するようになっている。従って、遊技を行うパチンコ機10を探している客の注意を惹いて集客力を向上し得る。また、第3装飾カバー部材82における側面光透過部96が形成される面は略平坦であるので見易く、かつ該側面光透過部96は非光透過部95で囲われているので、照明された場合には明輝して目立ち、注目度を高めることができる。
【0073】
(第3装飾カバー部材における照明態様)
図14および
図16に示すように、第3照明装置72の第3発光体72bを発光制御すると、該第3発光体72bからの光は、第3装飾カバー部材82に内部画成された内部空間Sにおいて、施錠装置110の右外側面113bおよび第4発光基板73aの裏面74と、外壁部材90の側面光透過部96との間に向けて照射される。第3発光体72bから前方へ照射された光と、該光が施錠装置110の右外側面113bに配設された基板部141により反射した反射光により、第3装飾カバー部材82における錠開口100の周辺部に設けられた前光透過部101が照明されて明輝するようになる。
【0074】
また、第3照明装置72の第3発光体72bから前方へ照射された光と、該光が施錠装置110のケース部材113の右外側面113bに配設された基板部141により反射した反射光と、第4発光基板73aの裏面74により反射した反射光とにより、外壁部材90に設けられた側面光透過部96が照明されて明輝する。
【0075】
一方、第4照明装置73の第4発光体73bを発光制御すると、該第4発光体73bからの光は第3装飾カバー部材82の内壁部材88を透過して、該内壁部材88の外面に配設された装飾部材94に照射される。これにより、第3装飾カバー部材82において、窓口13aに臨む各装飾部材94が照明されて明輝するようになる。また、第4発光体73bからの光が、施錠装置100のケース部材113の左外側面113aで反射され、これによる反射光も内壁部材88を透過して、該内壁部材88の外面に配設された各装飾部材94に照射される。
【0076】
実施例のパチンコ機10では、前枠13の基枠50における右枠部56の前面と第3装飾カバー部材82との間に、施錠装置110における鍵穴118を第3装飾カバー部材82の錠開口100に臨ませた錠操作部111を支持するケース部材113が、前後に延在している。そして、施錠装置110のケース部材113には、第3照明装置72の第3発光体72bと隣り合う右外側面113bが設けられているので、この右外側面113bによる反射光が、第3装飾カバー部材82における錠開口100の周辺部に設けられた前光透過部101の照明に寄与する。従って、施錠装置110が第3照明装置72による照明の邪魔にならず、むしろ該施錠装置110が該第3照明装置72による照明を補助して、第3装飾カバー部材82による装飾効果を向上させることができる。
【0077】
また、第3装飾カバー部材82において、施錠装置110のケース部材113における右外側面113bと対向する外壁部材90に設けられた側面光透過部96が、第3照明装置72の第3発光体72bから照射した光および右外側面113bによる反射光で照明される。従って、施錠装置110が第3照明装置72の第3発光体72bによる照明を補助して、第3装飾カバー部材82による装飾効果を向上させることができる。
【0078】
そして、第3照明装置72の第3発光体72bを発光制御することで、第3装飾カバー部材82の内部空間Sにおいて、該第3発光体72bの側方に並んで配設された施錠装置110および第4照明装置73の第4発光基板73aにより、該第3発光体72bから照射された光が、外壁部材90の側面光透過部96側へ反射されるようになることで、該側面光透過部96の全体を略均等に照明して明輝させることができる。すなわち、外壁部材90の側面光透過部96において、施錠装置110のケース部材113と対向する部位が、該側面光透過部96におけるケース部材113と対向しない部位より暗くなることが防止され、側面光透過部96の全体が略均等に照明されることで、良好な見栄えを維持して装飾効果を向上させることができる。
【0079】
また、第3装飾カバー部材82において、施錠装置110のケース部材113における左外側面113aと対向する内壁部材88に設けられた装飾部材94が、第4照明装置73の第4発光体73bから照射した光および左外側面113aによる反射光で照明される。従って、施錠装置110が第4照明装置73の第4発光体73bによる照明を補助して、第3装飾カバー部材82による装飾効果を向上させることができる。
【0080】
そして、第4照明装置73の第4発光体73bを発光制御することで、該第4発光体73bから照射された光が、ケース部材113の左外側面113aにより装飾部材94側へ反射されるようになることで、該装飾部材94の全体を略均等に照明して明輝させることができる。すなわち、内壁部材88の装飾部材94において、施錠装置110のケース部材113と対向する部位が、該装飾部材94におけるケース部材113と対向しない部位より暗くなることが防止され、装飾部材94の全体が略均等に照明されることで、良好な見栄えを維持して装飾効果を向上させることができる。
【0081】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1)実施例では、第3装飾カバー部材の外壁部材における光透過部を、基枠の右枠部に配設した第3照明装置で照明するよう構成したが、第3装飾カバー部材の内壁部材における装飾部材を、右枠部に配設した第3照明装置で照明するようにしてもよい。この場合には、施錠装置110のケース部材を、第3照明装置の第3発光体を挟んで内壁部材と反対側(外壁部材側)に配設して、該ケース部材の左外側面を第3発光体と隣り合い位置となるようにすることで、第3発光体から照射された光がケース部材の左外側面で反射し、該反射光により内壁部材に配設された装飾部材を照明することが可能である。なお、この構成では、第3装飾カバー部材の収容空間内に配設する第4照明装置は、第4発光体が外壁部材の光透過部に向いた姿勢で第4発光基板を配設して、該第4発光体により外壁部材の光透過部を照明するようにしてもよい。
(2)施錠装置のケース部材の外形形状は、実施例で例示したものに限定されるものではなく、様々な縦断面形状のものが実施可能である。例えば、ケース部材における照明装置と隣り合う反射部は、前方にいくにつれて照明装置側へ変位するよう傾斜して形成してもよい。反射部をこのように傾斜させることにより、照明装置からの照射された光が当たり易くなって、壁部側へ反射させ易くすることができる。
(3)ケース部材に設けられる反射部は、実施例で例示した平坦に構成したものに限らず、反射面を凹凸形状としたり所要の模様を形成して、照明装置から照射された光を反射し易い部分および反射し難い部分を設けるようにしてもよい。また、ケース部材の外面において、照明装置からの光が照射可能な部分を、凹凸形状としたり所要の模様を形成してもよい。
(4)ケース部材は、外面の全体または一部を、メッキ処理や塗装により表面処理を施すことで、照明装置から照射される光の反射率を高めるようにしてもよい。
(5)ケース部材、連係部材および支持ブラケットは、装飾部材の前面とベースとの前後寸法に基づいて前後長が設定される。すなわち、実施例で例示した第3装飾カバー部材より前後長が小さい装飾部材の場合は、ケース部材、連係部材および支持ブラケットの前後長は実施例より小さくなり、実施例で例示した第3装飾カバー部材より前後長が大きい装飾部材の場合は、ケース部材、連係部材および支持ブラケットの前後長も大きくなる。
(6)施錠装置の操作機構は、実施例の如く、第2操作部材が前後にスライドすることで第1操作部材を回動させる形態に限るものではなく、第2操作部材を、その前後方向の中間部に設けた支軸でケース本体に回動可能に配設して、第2操作部材の後端部に設けた操作片を上下方向にスライドさせて該第2操作部材を回動させことで、第1操作部材が回動して操作レバーを操作する構成としてもよい。
(7)実施例では、第3装飾カバー部材を複数の部材から構成した場合で説明したが、単一の部材で構成したものであってもよい。
(8)実施例では、各装飾カバー部材を透明とした場合で説明したが、透明に限らず透光性であればよい。
(9)遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、第1の基体としての本体にヒンジ接続されて開閉可能な第2の基体としての前扉体と、本体および前扉体の設けられて本体および前扉体を閉鎖状態で保持する施錠機構と、前扉体に施錠機構と連係した状態で設けられ、鍵による解錠操作により施錠機構を作動して本体および前扉体の相対的な開放を許容する施錠装置とを備えたスロットマシンや、アレンジボール機、等も対象とされる。