特許第6167108号(P6167108)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6167108結合ウェハ構造体を劈開させるための固定装置及び劈開方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6167108
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】結合ウェハ構造体を劈開させるための固定装置及び劈開方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20170710BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20170710BHJP
   H01L 27/12 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   H01L21/304 611Z
   H01L27/12 B
   H01L21/02 B
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-539062(P2014-539062)
(86)(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公表番号】特表2014-532992(P2014-532992A)
(43)【公表日】2014年12月8日
(86)【国際出願番号】US2012062194
(87)【国際公開番号】WO2013066758
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2015年10月14日
(31)【優先権主張番号】61/553,447
(32)【優先日】2011年10月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】392026316
【氏名又は名称】エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MEMC ELECTRONIC MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・エイ・ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エル・リバート
【審査官】 内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−277552(JP,A)
【文献】 特開2010−010207(JP,A)
【文献】 特開2009−154407(JP,A)
【文献】 特開2011−146457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/02
H01L 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ウェハと第2ウェハとを含む結合ウェハ構造体を劈開させるための装置であって、前記第1ウェハは、第1部分を含む周辺端面を有し、前記第2ウェハは、第2部分を含む周辺端面を有し、前記第1部分は、前記第2部分と対向して配置され、
当該装置は、
第1アームと、
前記第1アームに設けられ、前記第1ウェハの周辺端面の第1部分に接触する表面を有する第1クランプと、
第2アームと、
前記第2アームに設けられ、前記第2ウェハの周辺端面の第2部分に接触する表面を有する第2クランプと、を備える装置。
【請求項2】
前記第1アームと同様の複数のアームと、各アームに設けられた、前記第1クランプと同様のクランプと、をさらに備え、
前記第2アームと同様の複数のアームと、各アームに設けられた、前記第2クランプと同様のクランプと、をさらに備える請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1ウェハを固定及び解放するために少なくとも前記第1クランプを外側へ移動させ及び内側へ移動させる第1アクチュエータと、
前記第2ウェハを固定及び解放するために少なくとも1つの前記第2クランプを外側へ移動させ及び内側へ移動させる第2アクチュエータと、をさらに備える請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記第1クランプに取り付けられたアクチュエータをさらに備え、
前記アクチュエータの作動時、前記第1クランプは、前記第1ウェハに上方向の力を付与し、結合ウェハ構造体を劈開させる請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
第1ウェハと第2ウェハとを含む結合ウェハ構造体の劈開方法であって、前記第1ウェハは、第1部分を含む周辺端面を有し、前記第2ウェハは、第2部分を含む周辺端面を有し、前記第1部分は、前記第2部分と対向して配置され、
当該方法は、
前記第1ウェハの周辺端面の第1部分に、第1アームに設けられた第1クランプの表面を接触させることと、
前記第2ウェハの周辺端面の第2部分に、第2アームに設けられた第2クランプの表面を接触させることと、
(1)前記第1クランプを上方向に作動させることにより前記第1ウェハに対して上方向の力を付与すること、若しくは、(2)前記第2クランプを下方向に作動させることにより前記第2ウェハに対して下方向の力を付与すること、の少なくとも一方により、前記結合ウェハ構造体を劈開させること、を含む方法。
【請求項6】
前記第1ウェハに上方向の力を付与して前記結合ウェハ構造体を劈開させるために、前記第1クランプを作動させることを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第1ウェハと第2ウェハとを含む結合ウェハ構造体を劈開させるための装置であって、前記第1ウェハは、第1部分を含む周辺端面を有し、前記第2ウェハは、第2部分を含む周辺端面を有し、前記第1部分は、前記第2部分と対向して配置され、
当該装置は、
前記第1ウェハの周辺端面の第1部分に接触する表面を有する1以上の環状部材を備える第1把持部材と、
前記第2ウェハの周辺端面の第2部分に接触する表面を有する1以上の環状部材を備える第2把持部材と、を備え
前記第1把持部材の環状部材、または前記第2把持部材の環状部材が、ウェハを把持及び解放する作動端面を有している、
装置。
【請求項8】
前記第1把持部材の1以上の環状部材は、前記第1ウェハの周辺端面の第1部分と連続的に接触する請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記第2把持部材は、1つの環状部材を備え、
前記環状部材は、前記第2ウェハを把持及び解放する作動端面を有する請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1把持部材に取り付けられたアクチュエータをさらに備え、
前記アクチュエータの作動時、前記第1把持部材は、前記第1ウェハに上方向の力を付与し、結合ウェハ構造体を劈開させる請求項7〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
第1ウェハと第2ウェハとを含む結合ウェハ構造体の劈開方法であって、前記第1ウェハは、第1部分を含む周辺端面を有し、前記第2ウェハは、第2部分を含む周辺端面を有し、前記第1部分は、前記第2部分と対向して配置され、
当該方法は、
前記第1ウェハの周辺端面の第1部分に、第1把持部材の環状部材の表面を接触させることと、
前記第2ウェハの周辺端面の第2部分に、第2把持部材の環状部材の表面を接触させることと、
前記第1把持部材の環状部材、または前記第2把持部材の環状部材が作動端面を有しており、前記作動端面を作動させて、第1ウェハまたは第2ウェハを把持及び解放することと、
(1)前記第1把持部材を上方向に作動させることにより前記第1ウェハに対して上方向の力を付与すること、若しくは、(2)前記第2把持部材を下方向に作動させることにより前記第2ウェハに対して下方向の力を付与することの少なくとも一方により、前記結合ウェハ構造体を劈開させること、を含む方法。
【請求項12】
前記第1ウェハに上方向の力を付与して前記結合ウェハ構造体を劈開させるために、前記第1把持部材を作動させることを含む請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第2ウェハに下方向の力を付与して前記結合ウェハ構造体を劈開させるために、前記第2把持部材を作動させることを含む請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1把持部材は、1つの環状部材を備え、
前記環状部材は、作動端面を有し、
当該方法は、
前記第1ウェハを把持及び解放するため、前記作動端面を作動させることを含む請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記第2把持部材は、1つの環状部材を備え、
前記環状部材は、作動端面を有し、
当該方法は、
前記第2ウェハを把持及び解放するため、前記作動端面を作動させることを含む請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2011年10月31日に出願された米国仮出願第61/553,447号の利益を主張する。当該出願は、全体として引用により本明細書において援用される。
【0002】
本開示の技術分野
本開示は、概して、結合ウェハ構造体を劈開させるための装置及び方法に関し、より詳細には、当該結合ウェハ構造体を劈開させるように動作するクランプに関連する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体ウェハは、概して、単結晶インゴット(例えば、シリコンインゴット)から作製される。当該単結晶インゴットは、スライスされて複数のウェハになる。当該複数のウェハは、複数の製品ウェハを製造するために、研削及び/又は研磨される。本明細書において、シリコンにより構成された半導体ウェハについて言及するが、砒化ゲルマニウム若しくは砒化ガリウム等の他の材料を同じように用いてもよい。
【0004】
一のタイプのウェハとして、シリコン−オン−インシュレータ(SOI)ウェハがある。SOIウェハには、シリコン基板上に絶縁層(例えば、酸化物層)が配され、さらに絶縁層の上にシリコン薄層が形成されたものが含まれる。
【0005】
SOIウェハを作製する典型的なプロセスには、ドナーウェハ及び/又はハンドルウェハの研磨されたフロント表面上に酸化物層を析出させることが含まれる。粒子(例えば、水素原子、若しくは、水素原子とヘリウム原子との組み合わせ)を、ドナーウェハのフロント表面から下の所定の深さの位置に注入する。注入された粒子は、ドナーウェハ内の、粒子が注入された特定の深さの位置において、劈開面を形成する。注入プロセスの間にウェハ上に析出された有機化合物を除去するため、ドナーウェハの表面は洗浄される。
【0006】
ドナーウェハのフロント表面は、その後、親水性結合プロセスにより、ハンドルウェハと結合され、結合ウェハ対が形成される。ドナーウェハとハンドルウェハとは、それらのウェハの表面を、例えば、酸素含有若しくは窒素含有のプラズマに供することにより、一体に結合される。通常表面活性化と称されるあるプロセスにおいて、プラズマに供することにより、表面の構造が変更される。その後、ウェハが押し付けられ、それらの間に結合が形成される。この結合は比較的弱く、さらなる加工処理が行われる前に、この結合を強固にしなければならない。
【0007】
いくつかのプロセスにおいて、ドナーウェハとハンドルウェハとの間(すなわち、結合ウェハ中)の親水性結合は、およそ300℃〜500℃の温度で結合ウェハ対を加熱若しくはアニールすることにより強固なものとされる。昇温により、隣接するドナーウェハの表面とハンドルウェハの表面との間に共有結合を形成することができ、それにより、ドナーウェハとハンドルウェハとの間の結合が強固なものとされる。先にドナーウェハ中に粒子を注入し、併せて結合ウェハの加熱若しくはアニールすることにより、劈開面が脆弱化される。その後、ドナーウェハの一部が劈開面に沿って結合ウェハ対から分離(すなわち、劈開)され、SOIウェハが形成される。
【0008】
まず最初に、結合ウェハからドナーウェハの一部を引き離すために結合ウェハの両サイドに対して機械的力を垂直な方向に加える固定具(fixture)に結合ウェハが配置される。いくつかの方法によれば、吸引カップを用いて当該機械的力を加える。ドナーウェハの一部を分離することは、ドナーウェハとハンドルウェハとの間の界面において、結合ウェハのエッジに機械的ウェッジを押し付けることにより開始される。機械的力を加えることにより、劈開面に沿った劈開の進展が開始される。その後、吸引カップにより加えられた機械的力により、結合ウェハからドナーウェハの一部が引き離され、それにより、SOIウェハが形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのため、結果として得られるSOIウェハは、酸化物層及びハンドルウェハの上に配置されたシリコン薄層を含む。当該層の厚さは、不均一であり、当該層は、また、不均一な粗さを有する可能性がある。このような当該層の不均一な厚さ及び不均一な粗さは、様々な速度で進行する劈開及び/又は吸引カップにより加えられる機械的力によるものである。そのため、当該層の厚さの変動を減少させ、当該層を滑らかにするためには、付加的な処理が必要とされる。これらの付加的な処理工程は、時間を要するとともに費用も掛かる。
【0010】
そのため、比較的均一な厚さ及び粗さを有する層を備える構造体となるような結合ウェハ構造体を劈開させるためのシステム及び方法について継続的なニーズが存在している。
【0011】
この従来技術のセクションは、読み手に、本開示の様々な側面(これらは以下に記載され及び/又はクレームされている)に関連する様々な技術を紹介することを目的としている。ここでの議論は、本開示の様々な側面のより良い理解を容易にするために、読み手に従来技術の情報を提供する際に有益であると考えられる。したがって、これらの記載は、上記観点から捉えるべきであり、従来技術の自白と捉えるべきではないことを理解すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一の側面は、第1ウェハと第2ウェハとを含む結合ウェハ構造体を劈開させるための装置に関連する。第1ウェハは、第1部分を含む周辺端面を備え、第2ウェハは、第2部分を含む周辺端面を備える。第1部分は、第2部分と対向して配置される。当該装置は、第1アーム、第1クランプ、第2アーム、及び、第2クランプを有する。第1クランプは、第1アームに設けられ、第1ウェハの周辺端面の第1部分に接触する表面を有する。第2クランプは、第2アームに設けられ、第2ウェハの周辺端面の第2部分に接触する表面を有する。
【0013】
本開示の別の側面は、第1ウェハと第2ウェハとを含む結合ウェハ構造体の劈開方法に関連する。第1ウェハは、第1部分を含む周辺端面を備え、第2ウェハは、第2部分を含む周辺端面を備える。第1部分は、第2部分と対向して配置される。第1ウェハの周辺端面の第1部分は、第1アームに設けられた第1クランプの表面に接触する。第2ウェハの周辺端面の第2部分は、第2アームに設けられた第2クランプの表面に接触する。結合ウェハ構造体は、(1)上記第1クランプを上方向に動作させることにより第1ウェハに上方向の力を加えること、若しくは、(2)上記第2クランプを下方向に動作させることにより第2ウェハに下方向の力を加えることの少なくとも一方により劈開される。
【0014】
本開示のさらに別の側面は、第1ウェハと第2ウェハとを含む結合ウェハ構造体を劈開させるための装置に関連する。第1ウェハは、第1部分を含む周辺端面を備え、第2ウェハは、第2部分を含む周辺端面を備える。第1部分は、第2部分と対向して配置される。当該装置は、第1把持部材と、第2把持部材と、を備える。第1把持部材は、1以上の環状部材を備える。当該環状部材は、第1ウェハの周辺端面の第1部分と接触する表面を有する。第2把持部材は、1以上の環状部材を備える。当該環状部材は、第2ウェハの周辺端面の第2部分と接触する表面を有する。
【0015】
本開示のさらにまた別の側面は、第1ウェハと第2ウェハとを含む結合ウェハ構造体の劈開方法に関連する。第1ウェハは、第1部分を含む周辺端面を備え、第2ウェハは、第2部分を含む周辺端面を備える。第1部分は、第2部分と対向して配置される。第1ウェハの周辺端面の第1部分は、第1把持部材の環状部材の表面と接触する。第2ウェハの周辺端面の第2部分は、第2把持部材の環状部材の表面と接触する。結合ウェハ構造体は、(1)上記第1把持部材を上方向に動作させることにより第1ウェハに上方向の力を加えること、若しくは、(2)上記第2把持部材を下方向に動作させることにより第2ウェハに下方向の力を加えることの少なくとも一方により劈開される。
【0016】
本開示の上述の側面に関連して説明した特徴について様々な改良が存在する。また、同様に、さらなる特徴を本開示の上述の側面に組み込んでもよい。これらの改良及び付加的な特徴は、個々に、又は、任意の組み合わせとして存在してもよい。例えば、本開示の例示された実施の形態のいずれかに関連して以下に議論される様々な特徴を、本開示の上述の側面のいずれかに、単独で、若しくは、任意の組み合わせとして組み込んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、結合ウェハ構造体を劈開させるための装置の上面図である。
図2図2は、図1の装置の斜視図である。
図3図3は、3−−3ラインに沿って切り取った、図1の断面図であり、結合ウェハ構造体を劈開させる前の装置を示している。
図4図4は、4−4ラインに沿って切り取った、図1の断面図であり、結合ウェハ構造体を劈開させる前の装置を示している。
図5図5は、図3の部分を拡大したものである。
図6図6は、図4の部分を拡大したものである。
図7図7は、結合ウェハ構造体を劈開させるための装置において使用されるクランプの斜視図である。
図8図8は、結合ウェハ構造体を劈開させるために使用される装置の上面図であり、結合ウェハ構造体を固定する前のものである。
図9図9は、結合ウェハ構造体を劈開させるために使用される装置の上面図であり、結合ウェハ構造体を固定した後のものである。
図10図10は、ライン10−10に沿って切り取られたものの断面図である。
図11図11は、結合ウェハを劈開させるための装置の上面図である。
図12図12は、吸引カップを用いて従来のプロセスにより劈開された後のSOI表面の白黒のアキュマップ(登録商標)イメージである。
図13図13は、結合ウェハ端部に反対方向の力を加えるプロセスにより劈開された後のSOIウェハの表面の白黒のアキュマップ(登録商標)イメージである。 対応する参照符号は、図面を通して、対応する部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書において記載されている実施の形態は、概して、結合ウェハ対などの結合ウェハ構造体を機械的に劈開させるための装置及び方法に関する。シリコン−オン−インシュレータ(SOI)ウェハなどの新たな構造体を形成するため、当該装置及び方法により、当該構造体において劈開面に沿って結合構造体が劈開(すなわち、分離)される。本明細書において、シリコン−オン−インシュレータ構造体を形成するために当該装置及び方法を使用することについて言及するが、これに限定されることなく、他の構造体を形成するために当該システム及び方法を使用してもよい。
【0019】
図1〜7は、結合構造体102を機械的に劈開させるための装置100を示す。図1〜7に示される結合構造体102は結合ウェハ対である。しかしながら、結合ウェハ対以外の構造体が、装置100を用いて劈開されてもよいことに留意すべきである。図3及び図4を参照すると、結合構造体102は、仮想線により示された劈開面140に沿って分離される。結合構造体102は、上面106(概して、第1表面)と、この反対側に設けられた下面108(概して、第2表面)と、を有する。結合構造体は、結合界面104に沿ってドナーウェハ112(概して、第2ウェハ)と結合されたハンドルウェハ110(概して、第1ウェハ)を含む。ドナーウェハ112内における劈開面140と結合界面104との間の距離は、明確のため、誇張されている。さらに、他の実施の形態では、ハンドルウェハ110の一部とドナーウェハ112とを入れ替えてもよく、これによりハンドルウェハがドナーウェハの下に配置されることとなる。
【0020】
図5及び6に示されているように、ドナーウェハ112及びハンドルウェハ110は、それらの周辺端面(周辺端部)において面取りされている(are beveled)。ウェハの周辺端面は、様々な外形(例えば、丸形状、弾丸形状(bulleted))を有していてもよいことに留意すべきである。本明細書において使用されているように、”面取りされた”との用語は、端面がウェハのフロント表面及びバック表面に対して実質的に垂直でなく、1以上のテイパー状端面を有する形状を意味するが、限定の意味に解釈すべきではない。さらに、本明細書において使用されているように、”テイパー状端面”とは、単に、フロント表面及びバック表面に対して平行でなく、端面の、ウェハの中心から最も離れた部分に向かって上方向若しくは下方向に傾斜している、ウェハ端部における表面を意味することに留意すべきである。さらに、そのような”テイパー状端面”は、直線状若しくは弓状であってもよく、直線状部分及び弓状部分の両方を含んでいてもよい。
【0021】
また、図5及び6に示すように、ドナーウェハ112及びハンドルウェハ110は、丸い端面を有する。ドナーウェハ112の端面は、第1部分148を有し、ハンドルウェハ110の端面は、第2部分152を有し、第1部分は、第2部分と対向して配置され、それにより、2つの端面間に凹部144が形成されている。概して、第1部分148及び第2部分152は、ウェハのテイパー状端面であり、当該端面は、結合ウェハ対の位置(orientation)に依存して、上方向若しくは下方向にテイパーが形成されている。図5及び6に示すように、ドナーウェハ112は、テイパー状端面146(同義的に”上方向にテイパー形成された端面”)を有し、これは、結合構造体の下面108から、端面の、ウェハの中心から最も離れた部分154(若しくは丸い端面の”点”)に向かって上方向に傾斜している。ドナーウェハ112は、また、端面148(同義的に”下方向にテイパー形成された端面”若しくは上述した”第1部分”)を含み、これは、界面104から、端面の最も外側の部分154まで下方向に傾斜している。ドナーウェハ112と同様に、ハンドルウェハ110は、ハンドルウェハの端面の最も外側の部分156まで傾斜した、上方向にテイパー形成された端面152(若しくは、上述した”第2部分”)、及び、ハンドルウェハ110の端面の最も外側の部分156まで傾斜した、下方向にテイパー形成された端面150を有する。ドナーウェハ112の下方向傾斜端面148及びハンドルウェハ110の上方向傾斜端面152により、2つの端面間に凹部144が形成されている。
【0022】
図1〜4に示すように、装置100は、ハンドルウェハ110を解放可能に固定する複数の第1クランプ170(若しくは”上側クランプ”)と、ドナーウェハ112を解放可能に固定する複数の第2クランプ184と、を備える。クランプ170、184は、第1アーム160及び第2アーム166にそれぞれ設けられている。第1アーム160は、第1中央ディスク190から延在し、第2アーム166は、第2中央ディスク192から延在する。第1中央ディスク190は、結合構造体102に対して第1クランプ170を適切に配置するため、当該結合構造体102の上面106に接触していてもよい。同様に、第2中央ディスク192は、第2クランプ184を配置することを助力してもよい。第1クランプ170、第1アーム160、第1中央ディスク190は併せて第1把持部材120(図1)を形成し、第2クランプ184、第2アーム184、第2中央ディスク192は併せて第2把持部材122(図4)を形成する。
【0023】
図1に示すように、第1把持部材120は、4つのアーム160と、4つのクランプ170とを有し、また、第2把持部材122は、4つのアーム166と、4つのクランプ184とを有する。しかしながら、当該装置100の各部材120、122は、上記に制限されることなく、これより多い若しくは少ないアーム及びクランプを有していてもよいことに留意すべきである。いくつかの実施の形態において、装置100は、アームを有せず、むしろ、図8〜10に示され以下に記載された各ウェハを把持するための環状部材を有していてもよい。
【0024】
各第1クランプ170は、ハンドルウェハ110の上方向にテイパー形成された端面152に接触する表面130(図3及び図5)を有する。同様に、各第2クランプ184は、ドナーウェハ112の下方向にテイパー形成された端面148に接触する表面130(図4及び図6)を有する。図7においてさらに詳細に示すように、第1クランプ170の端面は、湾曲した形状を有し、アームの表面130が凹部144に入りハンドルウェハ110の上方向にテイパー形成された端面152に接触する(図5)。これに関して、”湾曲した”との用語は、限定の意味に解釈すべきではなく、アームが概して当該アームの他の部分に対してその方位角(angular direction)を変化させ、方向の1以上の緩やかな変化を含む(例えば、その長さ方向においてアームが1以上の角度を形成する)ようなプロファイルを意味する。
【0025】
180°の曲率(curvature)を有する第1クランプ170が示されているが、アームが結合構造体の中心から延在していない実施の形態等の他の実施の形態においては、クランプ180は180°以外の曲率を有していてもよい。例えば、アーム160が、結合構造体のフロント表面及びバック表面に対して垂直であり、クランプ170が、凹部144に向かって約90°屈曲しその表面130がテイパー形成された端面152に接触していてもよい。いくつかの実施の形態において、クランプ170は、アームが図7に示すアームのように反対方向から延在する実施の形態等のような湾曲した外形を有しない。この点に関し、第2クランプ184は、第1クランプ170と同様の形状及び/又は寸法を有していてもよい。しかしながら、第2クランプ184は、第1クランプ170と対称に置かれており、第2クランプ184は、ドナーウェハ112を把持することができる(すなわち、クランプ184は、凹部144(図5)に向かって、下方向ではなく、上方向に湾曲している)。クランプ170、184は、これに制限される訳ではなく、他の形状及び/又は寸法(例えば、互いに異なる)を有していてもよい。
【0026】
図7に示すように、第1クランプ170は、結合構造体102のハンドルウェハ110に接触する表面130である端面を形成するため湾曲する(converge)。しかしながら、他の実施の形態では、表面130は、また、幅を有していてもよく(すなわち、表面は端部というより矩形若しくは四角形であってもよい)、又は、当該表面に接触する特異点(singular point)であってもよい。さらに、表面130は、弓状であってもよく、任意ではあるが、ハンドルウェハと表面130との間の接点を増加させるため、ハンドルウェハのテイパー状端面を補完する形状を有していてもよい。第2クランプ184の表面130は、第1クランプ170の表面130に関して上述した形状を有していてもよい。
【0027】
結合構造体102を分離するため、第1把持部材120及び/又は第2把持部材122は、その結合構造体を把持する。結合構造体102が把持される前、ロボット手段により、若しくは、把持部材120、122のうち一以上を用いることにより、結合構造体102を所定の位置に移動させてもよい。劈開前、他の把持部材が当該構造体を把持する。結合構造体102は、第1把持部材120の一部を構成する若しくは第1把持部材120に取り付けられている第1アクチュエータ(不図示)を用い部材120の1以上のアーム160を伸張及び収縮させることにより第1把持部材120によって把持されてもよい。同様に、結合構造体102は、第2把持部材122に取り付けられ若しくは第2把持部材122の一部を構成し第2把持部材122の1以上のアーム166を伸張及び収縮させる第2アクチュエータ(不図示)を用いることにより第2把持部材122によって把持される。第1把持部材120のアーム160及び第2把持部材122のアーム166の動作は、例えば、空気圧式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、若しくは、機械式アクチュエータを含む、当該技術分野における当業者に知られた任意の方法により行ってもよい。
【0028】
結合構造体102が第1把持部材120及び第2把持部材122により把持された後、第1把持部材120と第2把持部材122の一方若しくは両方に力を加えて、劈開面140に沿って結合構造体102を分離する。その際、アクチュエータ(不図示)が、第1把持部材120に取り付けられていてもよい。このアクチュエータにより、第1把持部材120が、ハンドルウェハ110に上方向の力を加えて当該構造体を分離させる。これに替えて、若しくは、これに加重して、第2把持部材122が、ドナーウェハ112に下方向の力を加えるように動作可能であるアクチュエータ(同じものでもよいし若しくは異なるアクチュエータでもよい)を第2把持部材122に取り付けてもよい。アクチュエータは、シャフト180、182に取り付けてもよいし、若しくは、把持部材120、122の他の部分に取り付けてもよい。第1把持部材120及び第2把持部材122の一方のみが、結合構造体の分離に用いられる力を与えるように作動する必要があるが、他のクランプは静止ポジションに維持してもよいことに留意すべきである。しかしながら、いくつかの実施の形態では、第1把持部材120及び第2把持部材122の両方が作動する。
【0029】
劈開プロセスは、結合構造体102に力を及ぼすブレード(不図示)を使用することにより開始してもよい。当該ブレードは、ハンドルウェハ110とドナーウェハ112との間に形成された凹部144に挿入され、結合構造体端面に力を加える。当該力により、劈開面140に沿った劈開が開始される。把持部材120、122の一方、若しくは両方により与えられる力と組み合わされるこの劈開により、結合構造体は劈開面140に沿って劈開され分離されることとなる。ブレードは、アクチュエータ(不図示)若しくは他の適切な機構により横方向に移動可能である。
【0030】
本開示の及び図8〜10に示されたいくつかの実施の形態において、複数のアームを有するのではなく、把持部材は、結合構造体を少なくとも部分的に覆う1以上の環状部材を含んでいてもよい。図8に示すように、第1把持部材120は、第1環状部材194及び第2環状部材196を含み、結合構造体のハンドルウェハ110を把持する。第2把持部材122(図10)は、また、ドナーウェハ112を把持するための第1環状部材172及び第2環状部材188を有していてもよい。
【0031】
第1把持部材120の第1環状部材194及び第2環状部材196は、それぞれ、ハンドルウェハ110の上方向にテイパー形成された第1の端面に接触する表面130(図10)を有する。同様に、第1環状部材172及び第2環状部材188は、ドナーウェハ112の下方向にテイパー形成された端面に接触する表面130を備える。図8において矢印により示されているように、環状部材194、196は、その端面においてハンドルウェハ110に接触するように作動する(図9)。第2把持部材122の環状部材172、188は、同様に作動してもよい。ハンドルウェハ及びドナーウェハが一旦把持されると、第1把持部材120及び/又は第2把持部材122を作動させて反対方向の力を加えて結合構造体を劈開させる。
【0032】
第1把持部材120及び第2把持部材122の環状部材は、ハンドルウェハ110及びドナーウェハ112が、それらのそれぞれの周辺端面において連続的に接触するように、配置される必要はないことに留意すべきである。環状部材は、周辺端面の分離された部分に接触してもよい(すなわち、環状部材は、把持部材が2つの環状部材を有する場合、結合構造体の外周の半分未満の長さを有していてもよい)。これに制限される訳ではないが、さらに、各把持部材は、2以上の把持部材を有していてもよい。
【0033】
いくつかの実施の形態において、把持部材の一方若しくは両方は、劈開後ドナーウェハ及び/又はハンドルウェハが把持され解放されることを可能とするため、把持部材により直径を変化させることができる作動端面を有する一の環状部材から構成される(すなわち、把持部材は、連続するアニュラスである)。図11に例示された把持部材120が示されている。把持部材120は、動作するリップ176を含む。これは、作動時、把持部材の内径Dを変化させる1以上の動作部分108を有していてもよい。当該把持部材は、図8〜10に示された把持部材120、122のように半径方向に移動するのではなく、結合構造体に関して軸方向に移動し、結合構造体を把持する(当該結合構造体の上若しくは下から結合構造体に近づく)。
【0034】
任意の特定の理論に拘泥される訳ではないが、従前のシステムにしたがって製造された構造体(例えば、SOI構造体)のいくつかの層における不均一の厚さ及び/又は不均一の粗さの変動が、結合構造体の表面に加えられる局在応力により引き起こされた。本明細書において記載された実施の形態は、ウェハ端部において力を加えることにより、上記問題を減少させ若しくは排除し、それにより、結果として得られるデバイスレイヤーにおいて厚さ及び/又は粗さの変動を減少させ若しくは排除する。
【実施例】
【0035】
本開示のプロセスを、以下の実施例によりさらに説明する。これらの実施例は、限定の意味に解すべきではない。
実施例1:吸引カップを使用して劈開されたSOI構造体のアキュマップ(登録商標)イメージと、ウェハ端面において反対方向の力を加えることにより劈開されたSOI構造体のアキュマップ(登録商標)イメージとの比較
【0036】
結果として得られるSOI構造体からドナーウェハを分離するために吸引カップを使用する従来のプロセスにより結合ウェハ対を劈開した。劈開は、劈開ブレードを用いて開始した。また、第2SOI構造体は、劈開が劈開ブレードにより開始された後、結合構造体に上方向及び下方向の力を加えることにより作製した。
【0037】
ウェハを劈開してSOI構造体を製造した後、デバイスレイヤーの構造体を撮像して、アキュマップ(登録商標)イメージ(アキュマップ(登録商標)3220;ADE)を生成した。吸引カップを使用する従来の方法により劈開されたSOI構造体から生成されたイメージを図12に示す。結合ウェハ端面において反対方向の力を加えることにより劈開されたSOI構造体から生成されたイメージを図13に示す。図12から分かるように、劈開の間吸引カップを用いて作製されたSOI構造体には、底部に強い劈開削痕(striation)があった(イメージの左端及び右端)。図13のSOI構造体は、より対称的であり、厚さの均一性がより大きい。
【0038】
本開示及びその実施の形態の構成要素を説明する際、冠詞”1つの(a)”、”1つの(an)”、”その(the)”、及び、”前述の(said)”は、1以上の構成要素が存在することを意味することを意図している。用語”含む(comprising)”、”包含する(including)”、”含有する(containing)”、及び、”有する(having)”は、包括的であることを意図し、列挙された構成要素以外の付加的な構成要素が存在しうることを意味することを意図している。特定の方向(例えば、”上部”、”下部”、”側部”等)を示す用語を使用することは、記載上の便宜のためであり、記載された事項の任意の特定の方向を要求する訳ではない。
【0039】
本開示の技術的範囲から逸脱することなく上記構成及び方法において様々な変更を行うことができるため、上記記載に含まれ添付の図面に示された全ての事項は、限定ではなく、例示と解釈すべきであることを意図している。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様1)
第1ウェハと第2ウェハとを含む結合ウェハ構造体を劈開させるための装置であって、前記第1ウェハは、第1部分を含む周辺端面を有し、前記第2ウェハは、第2部分を含む周辺端面を有し、前記第1部分は、前記第2部分と対向して配置され、
当該装置は、
第1アームと、
前記第1アームに設けられ、前記第1ウェハの周辺端面の第1部分に接触する表面を有する第1クランプと、
第2アームと、
前記第2アームに設けられ、前記第2ウェハの周辺端面の第2部分に接触する表面を有する第2クランプと、を備える装置。
(態様2)
前記第1アームと同様の複数のアームと、各アームに設けられた、前記第1クランプと同様のクランプと、をさらに備え、
前記第2アームと同様の複数のアームと、各アームに設けられた、前記第2クランプと同様のクランプと、をさらに備える態様1記載の装置。
(態様3)
前記第1ウェハを固定及び解放するために少なくとも前記第1クランプを外側へ移動させ(または伸ばし)及び内側へ移動させる(または引き込ませる)第1アクチュエータと、
前記第2ウェハを固定及び解放するために少なくとも1つの前記第2クランプを外側へ移動させ(または伸ばし)及び内側へ移動させる(または引き込ませる)第2アクチュエータと、をさらに備える態様2記載の装置。
(態様4)
前記第1クランプに取り付けられたアクチュエータをさらに備え、
前記アクチュエータの作動時、前記第1クランプは、前記第1ウェハに上方向の力を付与し、結合ウェハ構造体を劈開させる態様1〜3のいずれかに記載の装置。
(態様5)
前記第2クランプに取り付けられたアクチュエータをさらに備え、
前記アクチュエータの作動時、前記第2クランプは、前記第2ウェハに下方向の力を付与し、結合ウェハ構造体を劈開させる態様1〜4のいずれかに記載の装置。
(態様6)
前記第1クランプは、前記第1ウェハの周辺端面の第1部分に対して相補的な形状を有する端面を備え、
前記端面は、前記第1ウェハの周辺端面の第1部分に接触する表面を含む態様1〜4のいずれかに記載の装置。
(態様7)
前記第2クランプは、前記第2ウェハの周辺端面の第2部分に対して相補的な形状を有する端面を備え、
前記端面は、前記第2ウェハの周辺端面の第2部分に接触する表面を含む態様1〜4のいずれかに記載の装置。
(態様8)
第1ウェハと第2ウェハとを含む結合ウェハ構造体の劈開方法であって、前記第1ウェハは、第1部分を含む周辺端面を有し、前記第2ウェハは、第2部分を含む周辺端面を有し、前記第1部分は、前記第2部分と対向して配置され、
当該方法は、
前記第1ウェハの周辺端面の第1部分に、第1アームに設けられた第1クランプの表面を接触させることと、
前記第2ウェハの周辺端面の第2部分に、第2アームに設けられた第2クランプの表面を接触させることと、
(1)前記第1クランプを上方向に作動させることにより前記第1ウェハに対して上方向の力を付与すること、若しくは、(2)前記第2クランプを下方向に作動させることにより前記第2ウェハに対して下方向の力を付与すること、の少なくとも一方により、前記結合ウェハ構造体を劈開させること、を含む方法。
(態様9)
前記結合ウェハ対の劈開を開始するため、前記第1ウェハと前記第2ウェハとの間にブレードを挿入することをさらに含む態様8記載の方法。
(態様10)
前記第1アームと同様のアームに設けられた、前記第1クランプと同様の複数のクランプの表面が、前記第1ウェハの周辺端面の第1部分と接触する態様8又は9に記載の方法。
(態様11)
前記第2アームと同様のアームに設けられた、前記第2クランプと同様の複数のクランプの表面が、前記第2ウェハの周辺端面の第2部分と接触する態様8〜10のいずれかに記載の方法。
(態様12)
少なくとも第1クランプを外側へ移動(または伸ばして)及び内側へ移動させて(または引き込ませて)前記第1ウェハを固定するために、少なくとも前記第1クランプを作動させることと、
少なくとも第2クランプを外側へ移動(または伸ばして)及び内側へ移動させて(または引き込ませて)前記第2ウェハを固定するために、少なくとも前記第2クランプを作動させることと、
少なくとも第1クランプを外側へ移動(または伸ばして)及び内側へ移動させて(または引き込ませて)前記第1ウェハの少なくとも一部を解放するために、少なくとも前記第1クランプを作動させることと、
少なくとも第2クランプを外側へ移動(または伸ばして)及び内側へ移動させて(または引き込ませて)前記第2ウェハの少なくとも一部を解放するために、少なくとも前記第2クランプを作動させることと、を含む態様8〜11のいずれかに記載の方法。
(態様13)
前記第1ウェハに上方向の力を付与して前記結合ウェハ構造体を劈開させるために、前記第1クランプを作動させることを含む態様8〜12のいずれかに記載の方法。
(態様14)
前記第2ウェハに下方向の力を付与して前記結合ウェハ構造体を劈開させるために、前記第2クランプを作動させることを含む態様8〜13のいずれかに記載の方法。
(態様15)
前記第1クランプは、前記第1ウェハの周辺端面の第1部分に対して相補的な形状を有する端面を備え、
前記端面は、前記第1ウェハの周辺端面の第1部分に接触する表面を含む態様8〜14のいずれかに記載の方法。
(態様16)
前記第2クランプは、前記第2ウェハの周辺端面の第2部分に対して相補的な形状を有する端面を備え、
前記端面は、前記第2ウェハの周辺端面の第2部分に接触する表面を含む態様8〜15のいずれかに記載の方法。
(態様17)
第1ウェハと第2ウェハとを含む結合ウェハ構造体を劈開させるための装置であって、前記第1ウェハは、第1部分を含む周辺端面を有し、前記第2ウェハは、第2部分を含む周辺端面を有し、前記第1部分は、前記第2部分と対向して配置され、
当該装置は、
前記第1ウェハの周辺端面の第1部分に接触する表面を有する1以上の環状部材を備える第1把持部材と、
前記第2ウェハの周辺端面の第2部分に接触する表面を有する1以上の環状部材を備える第2把持部材と、を備える装置。
(態様18)
前記第1把持部材の1以上の環状部材は、前記第1ウェハの周辺端面の第1部分と連続的に接触する態様17記載の装置。
(態様19)
前記第2把持部材の1以上の環状部材は、前記第2ウェハの周辺端面の第2部分と連続的に接触する態様17記載の装置。
(態様20)
前記第1把持部材は、1つの環状部材を備え、
前記環状部材は、前記第1ウェハを把持及び解放する作動端面を有する態様17〜19のいずれかに記載の装置。
(態様21)
前記第2把持部材は、1つの環状部材を備え、
前記環状部材は、前記第2ウェハを把持及び解放する作動端面を有する態様17〜20のいずれかに記載の装置。
(態様22)
前記第1把持部材に取り付けられたアクチュエータをさらに備え、
前記アクチュエータの作動時、前記第1把持部材は、前記第1ウェハに上方向の力を付与し、結合ウェハ構造体を劈開させる態様17〜21のいずれかに記載の装置。
(態様23)
前記第2把持部材に取り付けられたアクチュエータをさらに備え、
前記アクチュエータの作動時、前記第2把持部材は、前記第2ウェハに上方向の力を付与し、結合ウェハ構造体を劈開させる態様17〜22のいずれかに記載の装置。
(態様24)
第1ウェハと第2ウェハとを含む結合ウェハ構造体の劈開方法であって、前記第1ウェハは、第1部分を含む周辺端面を有し、前記第2ウェハは、第2部分を含む周辺端面を有し、前記第1部分は、前記第2部分と対向して配置され、
当該方法は、
前記第1ウェハの周辺端面の第1部分に、第1把持部材の環状部材の表面を接触させることと、
前記第2ウェハの周辺端面の第2部分に、第2把持部材の環状部材の表面を接触させることと、
(1)前記第1把持部材を上方向に作動させることにより前記第1ウェハに対して上方向の力を付与すること、若しくは、(2)前記第2把持部材を下方向に作動させることにより前記第2ウェハに対して下方向の力を付与することの少なくとも一方により、前記結合ウェハ構造体を劈開させること、を含む方法。
(態様25)
前記結合ウェハ対の劈開を開始するため、前記第1ウェハと前記第2ウェハとの間にブレードを挿入することをさらに含む態様24記載の方法。
(態様26)
前記第1ウェハに上方向の力を付与して前記結合ウェハ構造体を劈開させるために、前記第1把持部材を作動させることを含む態様24又は25記載の方法。
(態様27)
前記第2ウェハに下方向の力を付与して前記結合ウェハ構造体を劈開させるために、前記第2把持部材を作動させることを含む態様24〜26のいずれかに記載の方法。
(態様28)
前記第1把持部材の1以上の環状部材が、前記第1ウェハの周辺部材の第1部分と連続的に接触する態様24〜27のいずれかに記載の方法。
(態様29)
前記第2把持部材の1以上の環状部材が、前記第2ウェハの周辺部材の第2部分と連続的に接触する態様24〜28のいずれかに記載の方法。
(態様30)
前記第1把持部材は、1つの環状部材を備え、
前記環状部材は、作動端面を有し、
当該方法は、
前記第1ウェハを把持及び解放するため、前記端面を作動させることを含む態様24〜29のいずれかに記載の方法。
(態様31)
前記第2把持部材は、1つの環状部材を備え、
前記環状部材は、作動端面を有し、
当該方法は、
前記第2ウェハを把持及び解放するため、前記端面を作動させることを含む態様24〜30のいずれかに記載の方法。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13