【実施例】
【0015】
(パチンコ機10について)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、矩形枠状に形成されて、遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11を備えている。また、パチンコ機10には、後述する遊技盤20が着脱可能に保持される本体枠としての中枠12が、外枠11の開口前面側に開閉および着脱可能に組み付けられている。この中枠12における遊技盤20の下方には、遊技盤20の前面(遊技領域21a)へ向けてパチンコ球を打ち出す球発射装置(図示せず)が配設されている。更に、パチンコ機10には、装飾枠としての前枠13が中枠12の前側に開閉可能に組み付けられている。この前枠13には、遊技盤20の前面(遊技領域21a)を機前方から透視可能な状態で覆う窓板13aが設けられている。前枠13の下部位置には、球発射装置によるパチンコ球の打球位置に供給される前のパチンコ球を貯留する球受け皿15が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて球受け皿15も一体的に開閉するよう構成される。遊技盤20には、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置17が配設されている(
図2参照)。実施例では、図柄表示装置17として、回転可能な複数の回転ドラム(
図3参照)の外周面からなる表示面17aに各種図柄を夫々配列表示したドラム式の表示装置を用いている。なお、図柄表示装置17としては、液晶表示装置やLED表示装置、ベルト式の表示装置等の各種図柄を変動表示可能な従来公知の表示装置を図柄表示装置として用いることができる。
【0016】
(遊技盤20について)
図2に示すように、前記遊技盤20は、平板状の板部材21と、この板部材21の後側に取り付けられる設置部材50(
図3参照)とから構成される。また、設置部材50には、図柄表示装置17が着脱可能に配設され、該図柄表示装置17の表示面17aが板部材21に設けられた枠状装飾体25(後述)を介して前面側から視認し得るよう構成されている。そして、遊技盤20では、遊技領域21aに打ち出されて流下するパチンコ球が始動入賞部41の始動入賞口41aに入賞することを契機として、図柄表示装置17の表示面17aにおいて図柄を変動表示した後に停止表示する図柄変動演出等の表示演出が行われる。また、遊技盤20は、設置部材50の前面に可動演出装置100が設置されて、パチンコ機10の前方から可動演出装置100の回転可動体130を視認し得るように構成されており、当該回転可動体130が図柄表示装置17での図柄変動演出に関連して回転動作や発光による演出を行うようになっている。
【0017】
(板部材21について)
前記板部材21は、略矩形状に形成された木材板の表面に各種絵柄等が描かれた装飾用の合成樹脂シート等を貼り付けることで構成されている。この板部材21の前面(前記窓板13aとの間)には、
図2に示すように、パチンコ球が流下可能な略円形の遊技領域21aが画成されている。また、板部材21(遊技領域21a)には、前後に貫通するよう貫通口22(
図3参照)が形成され、該貫通口22に対して、センター役物とも称される大型の装飾部材である枠状装飾体25が前側から配設されている。そして、枠状装飾体25の内側に前後に貫通するよう設けた表示窓口29を通じて、図柄表示装置17の表示面17aが遊技盤20の前方に臨むように構成されている。この枠状装飾体25の周囲には、遊技領域21aを流下するパチンコ球が入賞可能な入賞部(入賞装置)として、始動入賞部41、特別入賞部42および普通入賞部43が配設されている。具体的には、枠状装飾体25の下方位置には、遊技領域21aを流下するパチンコ球が入賞可能な上下の始動入賞口41aが設けられた始動入賞部41が配設されている。始動入賞部41の下方には、遊技領域21aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口42aが設けられた特別入賞部42が配設されている。更に、枠状装飾体25の左下方であって遊技領域21aの下縁に沿う位置には、遊技領域21aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口42aが設けられたた普通入賞部43が配設されている。なお、枠状装飾体25の左側部には、遊技領域21aでのパチンコ球の通過を許容するゲート口44aを有する球通過ゲート44が配設されている。板部材21には、遊技領域21aの最下部、すなわち特別入賞部42の下側に、各種入賞部41,42,43(球通過ゲート44を除く)に入賞することなく流下したパチンコ球を機裏側に排出するアウト口23が形成されている。なお、板部材21は、アクリルやポリカーボネート等の透明な合成樹脂材により形成したものであってもよい。
【0018】
図2に示すように、前記始動入賞部41には、下側の始動入賞口41aを挟む左右位置に、上端が相互に近接および離間するよう揺動可能な一対の羽根部材41bが設けられており、図示しないソレノイドにより羽根部材41bを揺動することで、下側の始動入賞口41aが開放してパチンコ球が入賞し得るようになっている。パチンコ機10では、始動入賞部41の始動入賞口41aへ入賞したパチンコ球が始動入賞センサ(図示せず)で検出されることを契機として、図柄表示装置17の表示面17aで図柄変動が開始されるようになっている。
【0019】
図2に示すように、前記特別入賞部42には、特別入賞口42aを開閉自在に閉鎖する開閉部材42bが設けられ、この開閉部材42bを図示しないソレノイドにより開閉することで、特別入賞口42aが開閉されるようになっている。パチンコ機10では、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示された場合に、所謂「大当り」が発生する。これにより、パチンコ機10では、特別入賞部42の特別入賞口42aが開放され、特別入賞口42aに入賞したパチンコ球が特別入賞センサ(図示せず)で検出されることで、多数の賞球が球受け皿15に払い出されるよう構成される。なお、
図2では、開閉部材42bで特別入賞口42aを閉鎖した状態を示している。
【0020】
図2に示すように、前記球通過ゲート44は、遊技領域21aにおいて始動入賞部41や特別入賞部42より上流側に設けられており、当該球通過ゲート44のゲート口44aを通過したパチンコ球が遊技領域21aを下方へ向けて流下して、始動入賞部41の始動入賞口41aや、特別入賞部42の特別入賞口42aや、普通入賞部43の普通入賞口43aに入賞し得るように構成されている。球通過ゲート44には、ゲート口44aを通過するパチンコ球を検出した際に、図示しない普通図柄表示装置における普通図柄の変動表示の契機となる検知信号を出力する図示しないゲートセンサが配設されている。パチンコ機10では、球通過ゲート44のゲート口44aを通過するパチンコ球がゲートセンサ(図示せず)で検出されることを契機として、始動入賞部41の羽根部材41bを開放するか否かの抽選(判定)が行われるようになっている。
【0021】
(枠状装飾体25について)
図2および
図3に示すように、前記枠状装飾体25は、板部材21の前面に当接して該板部材21へのネジ止め部位となる台板部25aと、この台板部25aの後面に後方に突出形成されて、貫通口22に挿入される嵌合片25bと、台板部25aの前面から前方に突出形成されて、該枠状装飾体25の上縁部から左右側縁部に亘って延在する庇状部25cとを備えている。そして、枠状装飾体25は、嵌合片25bを貫通口22に挿入して台板部25aを介してネジ止めすることで取り付けられる。枠状装飾体25は、貫通口22の開口縁に合わせて形成された枠状の部材であって、前後に開口する表示窓口29および演出窓口30が画成されている。ここで、演出窓口30および表示窓口29は、庇状部25cの左右側縁部の間で左右に延在する窓口形成部材31によって上下に区切られた状態で枠状装飾体25に形成されている。そして、この窓口形成部材31の下側に設けられる表示窓口29に、設置部材50に取り付けられた図柄表示装置17の表示面17aが後側から臨んでいる。
【0022】
図2および
図3に示すように、前記枠状装飾体25における表示窓口29の上側(窓口形成部材31の上側)に設けられた前記演出窓口30の開口内側には、前記可動演出装置100の回転可動体130(後述)が位置して、前側から視認できるようになっている。すなわち、枠状装飾体25は、図柄表示装置17の表示面17aが臨む表示窓口29および回転可動体130が臨む演出窓口30を囲うように構成されている。回転可動体130は、前後方向に延在する回転軸131を中心に回転するよう構成されており、回転可動体130が内側で回転動作し得る大きさおよび形状に演出窓口30が形成されている。
【0023】
図3に示すように、前記枠状装飾体25は、庇状部25cが遊技領域21aを形成する遊技盤20の前面よりも前方に突出するように設けられることで、遊技領域21aに打ち出されたパチンコ球が表示窓口29や演出窓口30を横切って流下するのを庇状部25cによって防止している。
図2に示すように、枠状装飾体25には、表示窓口29の下縁をなす下縁部上面に、遊技領域21aから取り込んだパチンコ球を左右に転動させるステージ27が形成されると共に、庇状部25cの左側部で遊技領域21aに開口して遊技領域21aから取り込んだパチンコ球をステージ27の左側部に流下案内する球通入部26を備えている。球通入部26からステージ27に導かれたパチンコ球は、ステージ27を転動した後に当該ステージ27の排出部から遊技領域21aに排出される。そして、このステージ27の下方に、上側の始動入賞口41aが上方へ向けて開口する始動入賞部41が配設されており、ステージ27から排出されたパチンコ球が、ステージ27を経由せずに始動入賞部41の周辺に到達した場合と較べて始動入賞部41の上側の始動入賞口41aに入賞し易くなっている。また、庇状部25cの右側部には、庇状部25cを右方へ向けて転動するパチンコ球を枠状装飾体25の下方に通過させる球通路28が形成されている。
【0024】
(設置部材50について)
前記設置部材50は、合成樹脂材からなり、
図3に示すように、略矩形状に形成された設置板部50aの外周縁から前方に向けて外周板部50bを延出形成した前側に開口する箱状に形成されている。設置部材50は、外周板部50bの前端を板部材21の後面に当接させた状態で該板部材21に取り付けられ、板部材21の後側において設置板部50aの前面と各外周板部50bの内面とが、部材を収容可能な設置空間52を画成するよう構成されている。設置部材50には、表示窓口29の後方位置に設置板部50aを前後に貫通するよう開設された設置開口部51を介して図柄表示装置17が着脱可能に設置されて、該図柄表示装置17の表示面17aが貫通口22に臨むようになっている。なお、実施例の回転可動体130は、設置部材50よりも前方に張り出して演出窓口30の内側に位置するように構成されている。
【0025】
図3に示すように、前記設置部材50には、前面に装飾が施された基台部材53が、設置空間52の開口前端部に配設されている。基台部材53は、前記枠状装飾体25に設けられた窓口形成部材31の後端上側に近接すると共に該窓口形成部材31に沿って左右に延在するよう設けられており、これにより遊技盤20は、窓口形成部材31の上側に形成される演出窓口30の下縁部から基台部材53の前面が視認し得るように構成されている。そして、基台部材53の後端面に、前記可動演出装置100における回転可動体130を前側に支持する取付部101(
図7参照)が固定され、当該取付部101が設置空間52に位置するように構成されると共に、取付部101に支持された回転可動体130が基台部材53の前方に配置されて、遊技盤20の前端位置(演出窓口30の内側)で回転可動体130が回転するようになっている。また、設置部材50には、回転可動体130の背後を装飾するための背景装飾板54が配設されている。背景装飾板54は、設置板部50aの前面と対向する設置空間52の後端部に配設され、中央部が回転可動体130の後方に重なると共に回転可動体130よりも左右および上方に向けて大きく延在するよう構成されている。
【0026】
(制御装置について)
前記遊技盤20(設置部材50)の後面には、遊技に関する統括的な制御を行う図示しない主制御装置や、主制御装置からの指令を受けて演出に関する統括的な制御を行う演出制御装置(図示せず)や、演出制御装置からの指令を受けて図柄表示装置17を制御する表示制御装置(図示せず)等の制御装置が着脱可能に配設されている。主制御装置には、始動入賞口41aに入賞したパチンコ球を検出した始動入賞センサからの検出信号や、特別入賞口42aに入賞したパチンコ球を検出した特別入賞センサからの検出信号や、ゲート口44aを通過するパチンコ球を検出したゲートセンサからの検出信号や、普通入賞口43aに入賞したパチンコ球を検出した図示しない普通入賞センサからの検出信号が入力される。主制御装置は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU、主制御用CPUの制御プログラムを格納する主制御用ROMおよび必要なデータの書き込みおよび読み出しができる主制御用RAM等の電子部品(何れも図示せず)を備えている。
【0027】
前記主制御装置は、当り判定用乱数、当り図柄用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAMの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行するようになっている。例えば、主制御装置では、始動入賞センサから検出信号が入力されると、当該検出信号が入力されたタイミングに応じて主制御用CPUが当り判定用乱数を取得し、この当り判定用乱数と当り判定値とを比較し、当りとするか否かの当り抽選(大当り判定)を行う。また主制御装置では、前記当り判定の結果が当りの場合には、当り演出のみが含まれる変動パターンテーブルから当り演出を決定する。これに対して、前記当り判定の結果がはずれの場合には、はずれ演出のみが含まれる変動パターンテーブルからはずれ演出を決定する。当り演出およびはずれ演出の決定は、前記当り判定と同様に、主制御用CPUが取得した乱数により行う。なお、変動パターンテーブルから決定される当り演出およびはずれ演出の変動パターンは、少なくとも図柄変動演出の変動時間および演出内容を特定するものである。そして、パチンコ機10では、主制御装置の抽選結果に応じて出力された演出制御装置の制御信号に基づいて、表示制御装置が図柄表示装置17に図柄変動演出を行わせる。また、パチンコ機10では、主制御装置の抽選結果に応じて出力された演出制御装置の制御信号に基づいて、回転可動体130に回転動作や発光を行わせたり、スピーカ(図示せず)から効果音を出力するようになっている。なお、特別入賞センサやゲートセンサまたは普通入賞センサからの検出信号に基づいて可動演出装置100に演出を行わせるよう構成されていてもよい。
【0028】
(可動演出装置100について)
図4、
図5および
図7に示すように、前記可動演出装置100は、設置部材50(遊技盤20)に取り付けられる取付部101と、取付部101に対して回転軸131により回転可能に支持されると共に発光基板(電気部品)141を有する回転可動体130と、取付部101に配設されて回転可動体130を回転駆動する駆動機構115,116,117とを備えている。ここで、回転可動体130は、後面に回転軸131が固定されて、当該回転可動体130が取付部101の前に位置すると共に、当該回転可動体130が所定方向(実施例では、前後方向)に向く姿勢で、当該取付部に回転可能に支持されている。回転軸131の後端側は、取付部101に取り付けられた駆動機構115,116,117に接続され、該駆動機構115,116,117の駆動により回転軸131が回転すると、回転軸131の回転に連動して回転可動体130が回転するように構成されている。すなわち、可動演出装置100は、駆動機構115,116,117の駆動に伴って、前後方向に延在する回転軸線(
図8等に示す直線L)を中心として回転可動体130が回転するよう構成されている。そして、この可動演出装置100には、回転可動体130と取付部101との間に介挿部材150が介挿されて、回転可動体130の回転時の摺動性を高めるよう構成されている。
【0029】
前記可動演出装置100は、回転可動体130の発光基板141を、配線や中継基板等を介して遊技盤20の後面側に配設された演出制御装置と電気的に接続するように構成され、演出制御装置の制御信号に基づいて発光基板141の発光体(LED)142が発光するよう制御されることで回転可動体130による発光表示が行われる。ここで、可動演出装置100の取付部101は、
図6および
図7に示すように、回転可動体130に設けられる発光基板141と、取付部101側(遊技盤20)に設けられる演出制御装置との電気的な接続を中継する回転接続ユニット70(
図8参照)を備えている。この可動演出装置100の回転接続ユニット70は、演出制御装置と電気的に接続された導通片(第1導通部)80と、発光基板141と電気的に接続されて回転可動体130の回転に伴い回転軸線Lを中心に回転する導通面部(第2導通部)90とを備え、導通面部90と導通片80とが摺接して相互に導通するように構成されている。
【0030】
(取付部101について)
図3、
図6および
図7に示すように、前記取付部101は、回転可動体130を回転駆動する駆動機構115,116,117や原位置センサ114が取り付けられる駆動取付部材102,103と、駆動取付部材102,103に取り付けられて回転可動体130を支持する支持カバー120とを備えており、回転可動体130の回転に伴う回転軸線Lの交差方向に作用する力を支持カバー120で支持するように構成されている。また、取付部101は、駆動取付部材102,103の後述する第1保持枠部110と、支持カバー120の後述する第2保持枠部125との間に、回転接続ユニット70を保持するためのユニット収容部126を画成するように構成されている。駆動機構115,116,117は、駆動モータ115、駆動ギヤ116および従動ギヤ117を備えており、駆動源としての駆動モータ115から突出する出力軸115aに対して駆動ギヤ116が固定されると共に、回転軸131に固定された従動ギヤ117が駆動ギヤ116に噛合するよう構成されている。すなわち、駆動機構115,116,117は、駆動モータ115の駆動に伴って回転軸131と共に回転可動体130を回転駆動し得るように構成されている。原位置センサ114は、従動ギヤ117の外周に設けた検知片117aを検出することで、回転可動体130の回転原位置(実施例では、回転可動体130の前面が
図2に示す状態となる回転位置)を検出するように構成されている。
【0031】
ここで、前記取付部101は、
図3に示すように、設置部材50が画成する設置空間52に収容されると共に、枠状装飾体25の演出窓口30の内側であって基台部材53よりも前側で回転動作および発光表示するように回転可動体130を支持している。すなわち、遊技者側に近い位置で回転可動体130に回転動作や発光表示を行わせることにより、回転可動体130の存在感を高めている。また、枠状装飾体25における演出窓口30の周囲に位置する枠状装飾体25や基台部材53の装飾と近い位置で回転可動体130が回転動作や発光表示を行うことにより、回転可動体130と周囲の装飾との関係性を強めて装飾効果を高めている。更に、背景装飾板54を設置空間52の後端部に設けて当該背景装飾板54と回転可動体130との前後の離間寸法を最大限に確保することで、背景装飾板54と回転可動体130との遠近差により回転可動体130が前方に迫り出す印象を強調して、回転可動体130の存在感を高めている。ここで、取付部101は、設置空間52の前端部に設けられた基台部材53に支持されている。これにより、基台部材53の前側で回転する回転可動体130を、最小限の長さで形成した回転軸131で支持でき、回転可動体130が回転に伴う遠心力で回転軸線Lの交差方向にがたつくのを防いでいる。また、取付部101には、回転可動体130を支持する支持部124(後述)が設けられて、回転可動体130の回転に伴って回転軸線Lの交差方向に作用する力を当該支持部124で受けることで、回転可動体130が回転軸線Lの交差方向にがたつくのを防いでいる。
【0032】
(駆動取付部材102,103について)
図6および
図7に示すように、前記取付部101は、駆動取付部材102,103として、後側部材102と、中間部材103とを備えており、後側部材102および中間部材103を組み付けることで、内側に空間(ギヤ収容空間111)を画成するように構成されている。駆動取付部材102,103には、後側部材102および中間部材103における前後に整列する位置に筒状の挿通孔部106が夫々形成されており、回転可動体130の回転軸131が前後の挿通孔部106に対して前側から挿通されるようになっている。挿通孔部106には、回転軸131を軸受する軸受け部材107が配設されて、当該回転軸131が円滑に回転するよう構成されている。なお、軸受け部材107は、自己潤滑性に優れたポリアセタール(POM)等から形成されており、挿通孔部106に挿入されると共に回転軸131を挿通する受け孔が形成された受け筒107aと、受け筒107aの端部から外方へ突出して挿通孔部106との当接により位置規制されるフランジ107bとを有している。回転軸131には、後側部材102の挿通孔部106を介して駆動取付部材102,103の後方に突出する端部に抜け止め部材108が取り付けられており、当該抜け止め部材108が後側部材102の挿通孔部106に受け筒107aを挿入した軸受け部材107におけるフランジ107bに後側から当接することにより、回転軸131が前方へ抜け出ないように構成されている。すなわち、回転軸131は、軸受け部材107を介して駆動取付部材102,103の挿通孔部106に挟持されている。そして、回転軸131に対して一体的に回転するように、従動ギヤ117が駆動取付部材102,103のギヤ収容空間111内に収容されている。
【0033】
また、前記後側部材102の後面には、
図5に示すように、駆動モータ115が取り付けられるモータ取付部105が設けられている。モータ取付部105には、ギヤ収容空間111に開口するギヤ通孔105aが形成されて、該モータ取付部105に取り付けた駆動モータ115の出力軸115aがギヤ通孔105aを介してギヤ収容空間111に突出すると共に、出力軸115aに固定された駆動ギヤ116がギヤ収容空間111に位置して、回転軸131に固定された従動ギヤ117と噛合している。更に、前記取付部101は、中間部材103の後面(ギヤ収容空間111側の面)に形成されたセンサ取付部109に原位置センサ114が取り付けられ、従動ギヤ117に設けた検知片117aをギヤ収容空間111内で原位置センサ114が検出し得るようになっている。なお、中間部材103のセンサ取付部109には、原位置センサ114が嵌合する露出口109bが前後に貫通するよう形成されて、露出口109bに嵌合することで検知片117aを検出可能な位置に原位置センサ114を位置合わせし得るようになっている。
【0034】
図4、
図6および
図7に示すように、前記中間部材103の前壁104には、回転接続ユニット70を保持するための第1保持枠部110が形成されている。第1保持枠部110は、中間部材103の前壁104から前方へ向けて突出する矩形枠状に形成されている。この第1保持枠部110は、支持カバー120に設けた後述する第2保持枠部125と前後に整列して、当該第1保持枠部110と、前壁104と、支持カバー120における後述の第2保持枠部125およびカバー基部121との内側にユニット収容部126を画成し、当該ユニット収容部126の内側に回転接続ユニット70を保持するように構成されている。第1保持枠部110は、上辺を構成する第1上枠部110aと、下辺を構成する第1下枠部110bと、左右両側辺を構成する第1側枠部110cとで構成されている。ここで、第1保持枠部110は、回転接続ユニット70の上下および左右の外郭より僅かに大きくなるように形成され、当該第1保持枠部110の内側で回転接続ユニット70が上下および左右に僅かに移動できるようになっている。
【0035】
すなわち、前記回転可動体130から回転軸線Lの交差方向への力を受けた支持カバー120が中間部材103に対して相対的にずれる(ぐらつく)際に、ユニット収容部126内で回転接続ユニット70が支持カバー120に追従して変位し得るように構成されている。第1保持枠部110の右側の第1側枠部110cは、前記露出口109bの形成位置に対応する部位が左右および前方に開口する凹状に形成されている。また、第1保持枠部110の第1上枠部110aには、上下および前方に開口する凹状の第1凹部110dが形成されており、支持カバー120に設けた後述する第2凹部125dと、当該第1凹部110dとが整合することで、前記回転接続ユニット70の上コネクタ接続部79aを取付部101の上方へ向けて露出させる開放部101aを画成するようになっている(
図4および
図5参照)。開放部101aは、回転接続ユニット70の後述する上接続用開口78と対向するように形成されており、当該上接続用開口78を取付部101の上方へ向けて露出させるようになっている。なお、第1凹部110dの縁部は、上方へ向けて突出するように設けられ、回転接続ユニット70の上コネクタ接続部79aに接続する配線のコネクタを保護している。
【0036】
更に、前記中間部材103の前壁104には、
図4および
図6に示すように、第1保持枠部110における左右両側の第1側枠部110cの外側に隣接する位置に、支持カバー120の後述する固定突部122を固定する固定受部112が形成されている。固定受部112は、前方へ開口する筒状に形成され、支持カバー120の固定突部122を前側から嵌合し得るように設けられており、当該固定受部112に固定突部122を嵌合することで、中間部材103に対する支持カバー120の離脱を防止するようになっている。ここで、左側の第1側枠部110cには、上下に離間して2つの固定受部112が設けられている。この固定突部122は、U字形状の壁の両端部が第1側枠部110cに連結されて半円筒状に形成されており、第1側枠部110cに沿って固定突部122を嵌合させることができ、かつ嵌合した固定突部122の上下および左右方向の移動を規制するようになっている。また、右側の第1側枠部110cも同様に、上下に離間して2つの固定受部112が、U字形状の壁の両端部が第1側枠部110cに連結されて半円筒状に形成されており、第1側枠部110cに沿って固定突部122を嵌合させることができ、かつ嵌合した固定突部122の上下および左右方向の移動を規制するようになっている。この右側の第1側枠部110cの外側(右側)に一体的に設けられた上下の固定受部112の間には、原位置センサ114に繋がる配線のコネクタを前側から覆って保護するためのセンサ保護壁109aが形成されて、当該センサ保護壁109aによって上下の固定受部112が連結されている。
【0037】
(支持カバー120について)
図4および
図6に示すように、前記支持カバー120は、回転軸線Lの交差方向に延在する平板状のカバー基部121を備え、カバー基部121に対して、後述する連通口121a、第2保持枠部125、位置決めピン123(
図5および
図6参照)、固定突部122および支持部124が設けられている。支持カバー120には、連通口121aがカバー基部121を前後に貫通するよう形成されて矩形枠状に構成されている。この支持カバー120には、中間部材103の固定受部112に対してネジで固定される固定突部122が該固定受部112に対向するよう設けられると共に、中間部材103との間に回転接続ユニット70を保持する第2保持枠部125が中間部材103の第1保持枠部110に対向して設けられている。支持カバー120は、回転可動体130および回転接続ユニット70の間に設けられており、回転可動体130に備えた発光基板141と、回転接続ユニット70の後述する回転基板87(
図8参照)とを接続する配線が連通口121aに挿通されている。更に、支持カバー120におけるカバー基部121の前面には、前記回転可動体130から回転軸線Lの交差方向に作用する力を受ける支持部124(後述)が設けられている。
【0038】
図5および
図6に示すように、第2保持枠部125は、支持カバー120のカバー基部121の後面から後方へ向けて突出する矩形枠状に形成されている。この第2保持枠部125は、中間部材103に設けた前記第1保持枠部110と前後に整列して、当該第2保持枠部125と、カバー基部121と、中間部材103における第1保持枠部110および前壁104との内側にユニット収容部126を画成し、当該ユニット収容部126に回転接続ユニット70を保持するように構成されている。第2保持枠部125は、上辺を構成する第2上枠部125aと、下辺を構成する第2下枠部125bと、左右の側辺を構成する第2側枠部125cとで構成されている。第2保持枠部125の内側面は、回転接続ユニット70の上下および左右の外郭と整合するようになっている。
【0039】
また、
図5および
図6に示すように、前記第2保持枠部125における左右両側の第1側枠部110cには、後方に突出する筒状の固定突部122が設けられている。固定突部122は、前記中間部材103の固定受部112と前後に対向するよう設けられており、各固定突部122を中間部材103の固定受部112に前側から挿嵌して、後面側から固定受部112に挿通させたネジを固定突部122に螺挿することで、中間部材103と支持カバー120とが組み付けられる。なお、駆動取付部材102,103に対して支持カバー120が組み付けられた状態で、回転接続ユニット70に対向する支持カバー120のカバー基部121の後面と中間部材103の前壁104の前面との間の前後寸法は、回転接続ユニット70における後述のケース体72(
図7参照)の前後寸法より僅かに大きな寸法となるように構成されている。そして、ユニット収容部126には、中間部材103の前壁104と、支持カバー120のカバー基部121との間で回転接続ユニット70の前後への移動を規制した状態で駆動取付部材102,103の前側に組み付けられる。更に、支持カバー120のカバー基部121の後面には、第2保持枠部125の内側四隅から後方へ突出する複数(実施例では4つ)の位置決めピン123(
図5参照)が形成されている。この位置決めピン123は、回転接続ユニット70における後述のケース体72に形成された4つの位置決め孔73に挿入されて、ユニット収容部126の内側で回転接続ユニット70を位置決めするように機能している。
【0040】
このように、前記回転接続ユニット70は、ネジ等の固定手段を用いることなく回転接続ユニット70を中間部材103および支持カバー120の内側に保持し得るように構成されている。なお、回転接続ユニット70は、第1保持枠部110の上下左右の枠部110a,110b,110c,110cおよび第2保持枠部125の上下左右の枠部125a,125b,125c,125cに対して内側に離間した位置で、位置決めピン123と位置決め孔73との位置決めにより支持されている。すなわち、支持カバー120は、中間部材103に設けた固定受部112に対して固定突部122が嵌合してネジにより固定されると共に、中間部材103との間に画成されるユニット収容部126に収容された回転接続ユニット70を、該回転接続ユニット70の位置決め孔73に挿入した位置決めピン123により位置決めするよう構成される。そして、ユニット収容部126内で位置決めピン123により位置決めされた回転接続ユニット70は、第1上枠部110aに対して下方に離間して設けられ、支持カバー120が中間部材103に対して上方にずれた際に、支持カバー120に追従して第1上枠部110aへ向けて移動し得るように構成されている。また、回転接続ユニット70は、第1下枠部110bに対して上方に離間して設けられ、支持カバー120が中間部材103に対して下方にずれた際に、支持カバー120に追従して第1下枠部110bへ向けて移動し得るように構成されている。更に、回転接続ユニット70は、左右の第1側枠部110cに対して内側に離間して設けられ、支持カバー120が中間部材103に対して相対的に左右方向にずれた際に、支持カバー120に追従して何れか一方の第1側枠部110cへ向けて移動し得るように構成されている。
【0041】
また、前記第2保持枠部125の第2上枠部125aには、上下および前方に開口する凹状の第2凹部125dが形成されており、前記中間部材103に設けた第1凹部110dと、当該第2凹部125dとが整合することで、前記回転接続ユニット70の上コネクタ接続部79aを取付部101の上方へ向けて露出させる開放部101aを画成するようになっている(
図4および
図5参照)。開放部101aは、回転接続ユニット70の後述する上接続用開口78と対向するように形成されており、当該上接続用開口78を取付部101の上方へ向けて露出させるようになっている。なお、第2凹部125dの縁部は、上方へ向けて突出するように設けられ、回転接続ユニット70の上コネクタ接続部79a(
図8参照)に接続する配線のコネクタを保護している。
【0042】
(支持部124について)
図4、
図6および
図7に示すように、前記支持カバー120のカバー基部121の前面には、前記連通口121aの開口縁に沿って延在すると共に前方(回転可動体130の可動体ベース132側)へ向けて突出する支持部124が設けられている。支持部124は、カバー基部121の前面に沿って延在すると共に、回転軸線Lを中心とする円環状に形成され、回転可動体130の回転軸131に対して径方向に離間している。ここで、実施例の可動演出装置100は、回転可動体130の可動体ベース132に前端部が固定された回転軸131における後端側が取付部101(具体的には、駆動取付部材102,103)に設けた軸受け部材107によって支持されており、可動体ベース132が軸受け部材107(挿通孔部106)に対して前方に離間しているため、回転可動体130が回転する際に、回転可動体130が遠心力で回転軸線Lに対する交差方向にがたつき易い構成となっている。これに対し、支持部124は、回転可動体130の一部(具体的には、後述する環状壁部135)に対して回転軸線Lの交差方向に重なるように構成されており、当該回転軸線Lの交差方向に向かって作用する力(回転可動体130が遠心力に伴って回転軸線Lを傾ける方向に変位しようとする力)を受けるように構成されている。
【0043】
このように、可動演出装置100は、回転接続ユニット70とは別部材として備えた支持カバー120に支持部124を設け、回転可動体130の回転に伴って回転軸線Lの交差方向に作用する力を支持部124で受けることで回転軸131の先端部に固定される回転可動体130が回転に伴って回転軸線Lの交差方向にがたつくのを防ぎ、当該回転可動体130の回転に伴って回転軸線Lの交差方向へ作用する力による回転接続ユニット70への負担を軽減している。また、可動演出装置100は、回転接続ユニット70を挟む前後(支持部124と、軸受け部材107)で回転軸131を支持することで、回転可動体130の回転に伴う回転軸線Lの交差方向への力が回転接続ユニット70に作用するのを抑制している。なお、実施例の回転可動体130には、支持カバー120のカバー基部121の前面と対向する可動体ベース132の後面に、後方へ突出する円環状の環状壁部135が設けられ、この円環状の環状壁部135と、環状の支持部124とが回転軸線Lの交差方向に重なるように設けられている。そして、支持カバー120は、環状壁部135から回転軸線Lの交差方向に作用する力を支持部124で受けるように構成されている。なお、環状壁部135と支持カバー120の支持部124との関係において、支持部124の内周面の径寸法は、環状壁部135の外周面の径寸法よりも僅かに大きく設けられて、支持部124および環状壁部135の間に、摺動性の高い素材(例えば、POM)からなる環状の介挿部材150が介挿されている。
【0044】
(回転接続ユニット70について)
図8に示すように、前記回転接続ユニット70は、前記演出制御装置に対して電気的に接続されたベース基板79を有するケース体72と、回転可動体130の発光基板141に対して電気的に接続された回転基板87を有する回転部材82とを備えている。回転接続ユニット70は、ケース体72に回転部材82が回転可能に支持されている。この回転接続ユニット70は、ベース基板79の導通片80と、回転基板87の導通面部90とが相互に接触して、演出制御装置および発光基板141の電気的な接続を中継するように構成されている。
【0045】
図8に示すように、前記ケース体72は、ベース基板79が前面に載置される矩形板状の後ケース72aと、後方に開口する箱状であって後端開口が後ケース72aの外縁形状に整合するよう設けられた前ケース72bとにより構成され、後ケース72aと前ケース72bとの一方に設けた図示しない係止爪が他方の部材に設けた係止孔に係止することにより相互に固定されて、ベース基板79および回転部材82を収容可能なユニット内空間72cを内側に画成している。後ケース72aおよび前ケース72bが構成するケース体72の上面には、上方に開口する上接続用開口78が形成され、当該上接続用開口78によって、ベース基板79に設けた上コネクタ接続部79aの接続口がケース体72の上方に露出するようになっている。上接続用開口78は、取付部101に形成された開放部101a(第1凹部110dおよび第2凹部125d)と対応する位置に設けられている。すなわち、演出制御装置と電気的に接続される図示しない配線のコネクタは、取付部101の開放部101a(第1凹部110dおよび第2凹部125d)を介して取付部101の内部に挿入されると共に、上接続用開口78を介して回転接続ユニット70のケース体72の内部に挿入されて、ベース基板79の上コネクタ接続部79aに接続される。また、ケース体72の四隅には、支持カバー120に設けられた位置決めピン123に対応する位置決め孔73(
図4および
図5参照)が、前ケース72bおよび後ケース72aを前後に貫通するよう形成されている。回転接続ユニット70は、ケース体72に設けた位置決め孔73に対して支持カバー120の位置決めピン123を前側から挿入することで、支持カバー120に対して位置決めされるようになっている。すなわち、回転接続ユニット70(ケース体72)は、回転可動体130の回転時に支持カバー120に追従して、前記ユニット収容部126内で移動し得るようになっており、回転軸線Lの交差方向での回転接続ユニット70および回転可動体130の相対位置のずれを防止している。
【0046】
図8に示すように、前記後ケース72aには、回転軸131が挿通する軸挿通孔74と、前方に開口すると共に底部に軸挿通孔74が開口する円筒状の後側規制部75とが設けられている。軸挿通孔74は、回転軸131の挿通位置に対応して設けられ、回転軸131と干渉しないよう当該回転軸131の外径よりやや大径の円形状に形成されている。後側規制部75は、内周形状が回転部材82の後述する軸係合筒85の突出端部の外周形状と整合する形状とされると共に、当該後側規制部75の外周形状がベース基板79に回転軸131の挿通位置に対応して設けられた基板通孔79bの内周形状と整合する形状とされている。そして、ベース基板79は、基板通孔79bを後側規制部75に嵌合させて位置合わせした際に状態で後ケース72aの前面に接着されることで、ベース基板79と、回転基板87との相対位置のずれが防止されている。また、後ケース72aは、回転部材82の軸係合筒85が後側規制部75の内側に嵌合して底面に当接することで、回転部材82がケース体72に対してそれ以上後方へ移動するのを規制すると共に、回転部材82における回転軸線Lの交差方向への変位を規制している。
【0047】
図8に示すように、前記前ケース72bは、前記後ケース72aと対向するケース前壁76を前後に貫通するようケース連通口76aが形成されて矩形枠状に構成されている。前ケース72bにおけるケース前壁76の前面には、前記ケース連通口76aの開口縁に沿って延在すると共に前方(回転可動体130の可動体ベース132側)へ向けて突出する前側規制部77が設けられている。前側規制部77の内周面は、回転部材82の後述する軸筒部83の外周面と略同形状(実際には、軸筒部83の外周面より僅かに大径)となるように形成され、回転部材82の回転に伴って当該軸筒部83の外周面が前側規制部77の内周面に摺接するよう形成されている。また、前側規制部77の内周面の径寸法は、回転部材82の後述する板状部86の外周面の径寸法より小さく設けられ、当該板状部86の前面が前ケース72bの後面に当接して回転部材82がケース体72から前方に抜け出ないようになっている。なお、前側規制部77の突出寸法は、回転部材82の軸筒部83の前後寸法と略同一とされており、前ケース72bの後面に回転部材82の板状部86の前面を当接させた状態で、前側規制部77の前端位置と回転部材82の軸筒部83の前端位置とが揃うように構成されている。
【0048】
図8に示すように、ベース基板79には、回転軸131が挿通する位置に、回転軸131より大径の基板通孔79bが前後に貫通するよう形成されている。そして、ベース基板79は、基板通孔79bが後ケース72aの後側規制部75の外周面に嵌合して、後ケース72aの前面に位置合わせした状態で固定されている。また、ベース基板79における基板通孔79bから離間する(回転部材82の配設位置から外れた)上端部の前面には、演出制御装置と電気的に接続される配線のコネクタが接続される上コネクタ接続部79aが設けられている。上コネクタ接続部79aは、接続口が上方を向くようにベース基板79の前面に設けられ、当該接続口が前記上接続用開口78および前記開放部101a(第1凹部110dおよび第2凹部125d)を通じて取付部101の上方へ向けて露出するように構成されている。
【0049】
図8に示すように、前記ベース基板79の前面における基板通孔79bより外縁側には、回転基板87の後面に形成された後述する導通面部90に摺接する複数の導通片80が設けられている。導通片80は、金属の板バネにより構成され、一端側がベース基板79の前面に固定されてベース基板79に形成された回路(上コネクタ接続部79aが配設された回路)と接続されると共に、基板通孔79bに近接する他端側が常にはベース基板79から前方に離間するよう設けられて、ベース基板79側に弾性変形可能に設けられている。導通片80は、回転基板87の導通面部90に対して押し付けられるように付勢された状態で当接している。そして、回転部材82の回転に伴って回転基板87が回転すると、導通片80が導通面部90と相互に摺接するようになっている。なお、導通片80における導通面部90に当接する側の端部は、導通面部90との近接側が凸となる曲状に形成されており、曲面で導通面部90と当接するようになっている。これにより、導通片80が導通面部90と安定的に接触するように構成されている。
【0050】
図8に示すように、前記回転部材82は、回転基板87の前面が当接する板状部86と、ケース体72のケース連通口76aに嵌合する軸筒部83とを備え、回転基板87の後面を後方に露出した状態で内側に保持するよう構成されている。この回転部材82は、回転基板87の前面を覆う円形板状の基材82aと、基材82aの外周縁部との間に回転基板87の外周縁部を挟持する円環状の基材保持部材82bとにより構成されている。基材保持部材82bは、回転基板87の外周縁部を後側から支持して、基材82aとの間に回転基板87の外周縁部を挟持するように構成されている。回転基板87の前面に設けられた前コネクタ接続部87aは、前記軸筒部83の内側に収容されると共に、該軸筒部83の前面を形成する前面板83aを前後に貫通するよう形成された前接続用開口84を通じて回転接続ユニット70の前方に露出している。回転基板87の後面には、回転軸線Lを中心とした同心円をなす複数の円形帯状の導通面部90が設けられている。導通面部90は、ベース基板79に設けられた複数の導通片80が接触する位置に夫々設けられており、回転基板87が回転すると、ベース基板79から前方に離間するよう付勢された導通片80の端部が導通面部90に沿って相対的に移動して導通面部90と摺接することで、導通面部90と導通片80との接触状態が維持されるようになっている。
【0051】
図8に示すように、軸筒部83の前面板83aには、後方へ向けて突出する筒状の軸係合筒85が設けられており、当該軸係合筒85には、前後に開口すると共に回転軸131が挿通される軸係合孔85aが形成されている。ここで、回転軸131の外周面は、一部が回転軸線Lの延在方向全体に亘って平面状に切り欠かれた断面視D字形状とされ、軸係合孔85aは、回転軸131の外周形状と整合する断面視D字形状とされている。これにより、回転部材82が回転軸131と共に回転軸線Lを中心として回転するようになっている。軸係合筒85は、後方に突出して回転軸131の外周面との接触面積が大きく確保されているから、回転部材82の回転に伴って回転基板87がベース基板79に対してずれるの防止して、導通片80および導通面部90の接触状態を維持し得るようになっている。なお、軸係合筒85の外周面は、回転基板87に形成された基板通孔87bに嵌合して、回転部材82が回転する際に当該回転部材82がケース体72に対してがたつくのを防止するよう機能している。また、軸係合筒85は、ケース体72を構成する後ケース72aの前面に設けた後側規制部75の内側に挿嵌され、回転部材82が回転する際に軸係合筒85の外周面が後側規制部75の内周面に摺接するように構成されている。また、軸筒部83は、外周面が前記ケース体72を構成する前ケース72bに設けられた前側規制部77の内周面と整合する形状とされており、回転部材82が回転する際に軸筒部83の外周面が前側規制部77の内周面に摺接するように構成されている。すなわち、回転部材82は、回転軸131を軸係合筒85に挿通させた状態で、ケース体72の前端部および後端部に位置する前側規制部77および後側規制部75に摺接しながら回転するよう構成されている。これにより、回転部材82が回転軸131に対してがたつくことが規制されて安定的に回転し得るようになっている。
【0052】
図8に示すように、前記前接続用開口84は、前記軸筒部83の前面板83aにおける軸係合筒85を避けた位置に形成されると共に、前記支持カバー120に形成された連通口121aに後方から臨んでいる。すなわち、回転可動体130の発光基板141に設けた可動側コネクタ接続部141b(後述)と電気的に接続される配線のコネクタは、連通口121aを介して取付部101の内部に挿入されると共に、前接続用開口84を介して回転接続ユニット70の回転部材82の内部に挿入されて、回転基板87の前コネクタ接続部87aに接続される。前コネクタ接続部87aと可動側コネクタ接続部141b(後述)とを接続する配線は、回転軸131の回転に伴って同時に回転する回転可動体130および回転部材82に追従して、連通口121aの開口縁と回転軸131との間を移動するようになっている。ここで、回転可動体130の可動体ベース132には、円環状の環状壁部135(後述)が連通口121aの内側に位置するように設けられており、前コネクタ接続部87aと可動側コネクタ接続部141b(後述)とを接続する配線が当該環状壁部135の内側に挿通されることで、当該配線が連通口121aと接触しないようになっている。なお、支持カバー120に形成された連通口121aの径寸法は、軸筒部83における前面板83aの径寸法よりも大きく設けられ、前面板83aの前面の全体が連通口121aの後方に位置するようになっている。
【0053】
(回転可動体130について)
図3および
図9に示すように、前記回転可動体130は、前記駆動機構115,116,117に連動して回転する回転軸131(
図5参照)の前端部が固定された可動体ベース132と、可動体ベース132に取り付けられる装飾カバー137と、装飾カバー137および可動体ベース132の内側に配置されて発光演出を行う発光ユニット140とにより構成されている。回転可動体130は、演出制御装置からの制御信号に応じて、回転軸131に沿う回転軸線Lを中心として一方向に複数回転したり、一回転に満たない回転角度で正逆方向に複数回転する揺動動作(正逆回転動作)を行うようになっている。また、可動体ベース132は、駆動取付部材102,103との間に回転接続ユニット70が位置して、回転軸131の中心を通る回転軸線Lの延在方向において当該可動体ベース132と駆動取付部材102,103とが回転接続ユニット70を挟んで離間するようになっている。発光ユニット140は、前方に光を照射する発光体142(LED)を有する発光基板141を備えると共に、発光基板141の発光体142から前方へ向けて照射される光を装飾カバー137の開口部138a,138b,138cに入射させ得るようになっている。
【0054】
(可動体ベース132について)
図9に示すように、前記可動体ベース132は、回転可動体130の回転原位置(
図2に示す姿勢)において横長矩形状を基本とする形状に形成された板状部材であり、外縁形状が発光基板141の外縁形状に略整合すると共に装飾カバー137の後方開口を塞ぐように形成されている。
図5、
図6および
図7に示すように、可動体ベース132には、回転軸131の前端部を固定する軸固定部133が設けられている。軸固定部133は、回転軸線の延在方向に沿って後方に突出する筒状に設けられ、回転軸131の前端部が挿入される軸嵌合孔133aが後方に開口するよう形成されている。軸固定部133の軸嵌合孔133aは、回転軸131の外周面の形状と整合する断面視D字状に形成されている。これにより、可動体ベース132が回転軸131と一体的に回転するようになっている。
【0055】
図5および
図7に示すように、前記可動体ベース132には、軸固定部133との隣接位置に、前後に開口する可動側接続用開口132aが形成されており、該可動側接続用開口132aを介して、発光基板141に設けた可動側コネクタ接続部141bを回転可動体130の後方に露出させるようになっている。なお、発光基板141の後面には、可動側コネクタ接続部141bが接続口を後方へ向けて設けられると共に、可動側コネクタ接続部141bの接続口が可動側接続用開口132aに前側から臨むようになっている。
【0056】
(環状壁部135について)
図5、
図6および
図7に示すように、前記可動体ベース132の後面には、軸固定部133および可動側接続用開口132aの形成位置より外側に、後方に突出する環状壁部135が回転軸線Lを中心とする円環状をなすよう設けられている。すなわち、回転可動体130の発光基板141に接続されて可動側接続用開口132aを介して回転可動体130の後側に引き出された配線は、可動体ベース132の環状壁部135の内側を通って回転接続ユニット70の回転基板87に接続されるようになっている。ここで、環状壁部135は、支持カバー120に設けた支持部124の開口の内側に前側から挿し込まれるよう構成されて、環状壁部135と支持部124とが回転軸線Lの交差方向に重なるようになっている。また、環状壁部135は、可動体ベース132の後面から回転接続ユニット70の前面へ向けて後方(回転接続ユニット70側)へ向かって突出すると共に、当該軸筒部83の前面板83aの前面位置よりも後方まで突出するように設けられている。これにより、配線が外側に露出したりする不具合が防止されている。環状壁部135と支持部124との間には、円環状の介挿部材150が介挿されており、当該介挿部材150を介して回転可動体130が、前記支持カバー120に設けた支持部124に支持されるようになっている。
【0057】
(突部136について)
図6および
図7に示すように、前記回転可動体130の後面には、後方に突出する突部136が回転可動体の回転軸線を中心として設けられている。突部136は、環状壁部135に対する外周側に、回転可動体の回転軸線を中心とする円環状に連続するように設けられている。また、突部136は、支持カバー120に設けられた支持部124の径寸法と略同径となるように設けられており、当該突部136の突出端部と、支持部124の突出端部との間には、円環状の介挿部材150が介挿されている。そして、介挿部材150に設けられた第2介在部152を挟んで、突部136の突出端部と、支持部124の突出端部とが対向するように構成されている。
【0058】
(連結壁部134について)
図6および
図7に示すように、前記可動体ベース132の後面には、環状壁部135および軸固定部133を補強するための連結壁部134が設けられている。連結壁部134は、環状壁部135の内側で後方に突出するように設けられ、一端側が環状壁部135と連結すると共に、他端側が軸固定部133と連結されている。連結壁部134は、軸固定部133を中心として放射状に延在するよう複数(実施例では3つ)設けられている。これにより、回転軸線Lの交差方向に支持部124を押圧する力が加わる環状壁部135の基端部の強度を連結壁部134が高めるように作用すると共に、回転軸131から回転力が直接伝えられる軸固定部133の基端部の強度を連結壁部134が高めるように作用する。このように、連結壁部134により環状壁部135および軸固定部133を同時に補強することができることで、可動体ベース132の形状の複雑化が防止されている。なお、連結壁部134は、
図6および
図7に示すように、環状壁部135と連結する一端部および軸固定部133と連結する他端部の突出寸法が、当該一端部および他端部の間に位置する部位よりも大きく形成されており、これにより、連結壁部134の一端部と連結する環状壁部135の基端部および連結壁部134の他端部と連結する軸固定部133の基端部の強度がより一層高められている。
【0059】
(介挿部材150と環状壁部135および支持部124との関係について)
前記介挿部材150は、自己潤滑性の高いポリアセタール(POM)等の合成樹脂により形成されている。また、介挿部材150は、
図4、
図6および
図7に示すように、支持部124に内挿されると共に前後に開口する筒状の第1介在部151と、第1介在部151の前端部から回転軸線Lの交差方向に延出する円環板状の第2介在部152とにより構成されている。第1介在部151は、第2介在部152が支持部124の突出端部と当接した状態で回転接続ユニット70に当接しない前後寸法に設けられている。
【0060】
前記第1介在部151は、外周面の径寸法が支持部124の内周面の径寸法と略等しくなるように形成されると共に、内周面の径寸法が環状壁部135の外周面の径寸法と略等しくなるように形成されている。これにより、回転可動体130が介挿部材150の第1介在部151を介して支持部124に支持されるように構成されている。そして、回転可動体130の回転に伴って当該回転可動体130が遠心力により回転軸線Lの交差方向に振れると、回転可動体130の環状壁部135から回転軸線の交差方向に作用する力が介挿部材150の径方向に作用し、当該介挿部材150の第1介在部151に対し径方向に作用した力が、第1介在部151の外周面と摺接する支持部124の内周面に伝わるようになっている。すなわち、支持カバー120の支持部124に対して回転軸線Lの交差方向に重なる環状壁部135を可動体ベース132に設けたことで、回転可動体130の環状壁部135から回転軸線の交差方向に作用する力を、支持カバー120に設けた支持部124の内周面で受けるようになっている。また、回転可動体130において配線の経路を画成する環状壁部135が支持部124による支持対象としても兼用されていることで、回転可動体130の形状の複雑化を防止している。そして、可動演出装置100は、支持部124が回転接続ユニット70とは別体に設けられていることで、回転可動体130から回転軸線の交差方向に作用する力が回転接続ユニット70に対する負荷とならないように構成されている。また、回転可動体130が回転する際に、環状壁部135が第1介在部151の内周面と摺接すると共に、第1介在部151の外周面が支持部124の内周面と摺接することとなり、回転可動体130の回転に伴って支持部124および環状壁部135の間に生じ得る摩擦抵抗を低減している。
【0061】
図6および
図7に示すように、前記第2介在部152は、内周面の径寸法が支持部124および突部136の内周面の径寸法より小さく、外周面の径寸法が支持部124および突部136の外周面の径寸法より大きくなるように形成されている。また、第2介在部152は、支持部124の突出端部と当接して当該突出端部を前側から覆うように構成されている。これにより、回転可動体130の突部136から取付部101側に作用する力が介挿部材150を介して支持部124の突出端部に伝わるようになっている。すなわち、支持カバー120の支持部124の突出端部に対して前方から突出端部が対向するように突部136を可動体ベース132に設けたことで、回転可動体130が回転に伴って回転軸線Lの交差方向に振れた際に、回転可動体130の環状壁部135から取付部101側に作用する力を、支持カバー120に設けた支持部124の突出端部で受けることができる。そして、支持部124が回転接続ユニット70とは別体に設けられていることで、回転可動体130から取付部101側に作用する力が回転接続ユニット70に対する負荷とならないように構成されている。また、回転可動体130が回転する際に当該回転可動体130が遠心力により回転軸線Lの交差方向にがたつくと、突部136の突出端部が第2介在部152の前面と摺接すると共に、第2介在部152の後面が支持部124の突出端部と摺接することとなり、回転可動体130の回転に伴って支持部124および突部136の間に生じ得る摩擦抵抗を低減している。
【0062】
(装飾カバー137および発光ユニット140について)
前記装飾カバー137は、光遮蔽性を有する合成樹脂により形成されており、
図9に示すように、回転可動体130の前面を構成している。装飾カバー137は、前壁部138と、前壁部138の外縁から後方に延出する周壁部139とにより後方に開口する箱状に設けられ、ネジ等の固定手段によって可動体ベース132に固定されている。装飾カバー137の前壁部138には、発光ユニット140から出力される光を回転可動体130の前方へ向けて出射する開口部138a,138b,138cが形成されている。また、装飾カバー137の周壁部139には、後方へ向けて開放された凹状の切欠き部139aが形成されている。装飾カバー137には、開口部138a,138b,138cとして、回転軸線Lの延在方向に位置する第1開口部138aと、第1開口部138aに対して右上方および左上方に位置するよう設けられた第2開口部138bと、第1開口部138aおよび第2開口部138bより下側で左右に延在するよう設けられた第3開口部138cとが形成されている。因みに、実施例の回転可動体130は、ロボットの顔を表現したものであり、第1開口部138aがロボットの鼻に相当し、一対の第2開口部138bがロボットの目に相当し、第3開口部138cがロボットの口に相当したものとなっている。
【0063】
図9に示すように、前記発光ユニット140は、装飾カバー137の前壁部138と可動体ベース132との間に位置して装飾カバー137の周壁部139により上下および左右が囲われるように回転可動体130の内部に収容されている。この発光ユニット140は、前方へ向けて光を出力可能な発光体(LED)142を前面に備えた発光基板(電気部品)141と、発光基板141の前面に対向して配置されて、発光基板141が備える複数の発光体142の各光照射範囲を区画する光規制部材145と、光規制部材145を前側から覆う有色透明の合成樹脂材からなるカラーフィルム146と、カラーフィルム146および光規制部材145を前側から覆うと共に装飾カバー137の開口部138a,138b,138cを塞ぐように設けられた光透過性素材からなる第1レンズ部材147と、装飾カバー137の周壁部139から上方および左右側方に夫々突出して配設された光透過性素材からなる第2レンズ部材148とを備えている。そして、発光ユニット140は、当該発光ユニット140の最も後側に設けられた発光基板141の後面が可動体ベース132の前面に対向し、当該発光ユニット140の最も前側に設けられた第1レンズ部材147が装飾カバー137の内側に後方から嵌り込むようにして配置されている。可動体ベース132の前面に対向する発光基板141の後面には、可動体ベース132に形成された可動側接続用開口132aに対応する位置に、回転基板87と繋がる配線のコネクタが接続される可動側コネクタ接続部141bが配設されている。
【0064】
図9に示すように、前記発光基板141の前面には、装飾カバー137の各開口部138a,138b,138cに対応して、発光体142(発光体142群)の配設領域である発光領域142a,142b,142cが複数設けられている。具体的には、装飾カバー137の第1開口部138aと前後に重なる位置に、1個の発光体142を有する第1発光領域142aが設けられている。また、発光基板141の前面には、装飾カバー137の第2開口部138bと前後に重なる位置に、複数個の発光体142が縦横に並列して配設された左右一対の第2発光領域142bが設けられている。更に、発光基板141の前面には、装飾カバー137の第3開口部138cと前後に重なる位置に、複数個の発光体142が左右に等間隔で複数個配設された第3発光領域142cが設けられている。光規制部材145には、発光基板141の第2発光領域142bに対応する部位に、第2発光領域142bに配設された各発光体142に対応して前後に貫通する通孔が網目状に形成された区画部145aが形成されている。区画部145aは、第2発光領域142bの各発光体142から照射される光の照射範囲を通孔の範囲に制限することで、回転可動体130の正面から見たときに第2発光領域142bの各発光体142の光が重ならず個別に視認できるように構成されている。また、カラーフィルム146は、発光基板141の第2発光領域142bに対応する区画部145aを前側から覆うように配置されている。カラーフィルム146は、光規制部材145と同系色(実施例では、黒色)のシートであり、回転可動体130を前方から見た場合の光規制部材145に対する視認性を低下させつつ、発光基板141の発光体142の光を回転可動体130の前方に透過させるようになっている。第1レンズ部材147は、装飾カバー137に設けた各開口部138a,138b,138cに後側から嵌まり込む突状の嵌合レンズ部147aが複数設けられている。嵌合レンズ部147aは、各開口部138a,138b,138cから出射される光の進行方向に変化を与えるように構成されている。
【0065】
図9に示すように、装飾カバー137の周壁部139に形成された切欠き部139aには、後側から第2レンズ部材148が嵌め込まれるようになっている。また、発光基板141には、第2レンズ部材148の後側であって切欠き部139aと可動体ベース132の前面との間から外方に突出する基板突出部141aが設けられており、当該基板突出部141aの前面にも発光体142が配置されている。すなわち、基板突出部141aの前面は、第2レンズ部材148に光を照射する発光体142が配設された第4発光領域142dとされている。
【0066】
前記発光ユニット140を構成する各部材141,142,145,146,147,148は、ネジ等の固定手段を用いずに、可動体ベース132および装飾カバー137の間に挟み込まれて回転可動体130に配設されるようになっている。具体的には、第1レンズ部材147は、装飾カバー137の内面により画成される空間に収容可能な大きさに設けられて、装飾カバー137の各開口部138a,138b,138cに対して嵌合レンズ部147aが後方から嵌合することで当該装飾カバー137に位置決めされる。第1レンズ部材147は、後方に開口する箱状に形成されており、内面により画成される空間には、カラーフィルム146および光規制部材145が収容される。第1レンズ部材147の後端部における切欠き部139aと並ぶ位置には、後方に開放された凹状の凹面部147bが形成され、装飾カバー137の切欠き部139aと第1レンズ部材147の凹面部147bとに前面が当接するように第2レンズ部材148が配設される。また、装飾カバー137には、切欠き部139aの内縁中央に、後方へ突出する位置決め突片139bが形成されており、第2レンズ部材148の前面に形成された位置決め溝148aに位置決め突片139bを挿入することで、装飾カバー137に対して第2レンズ部材148が位置決めされる。また、第2レンズ部材148には、装飾カバー137の切欠き部139aの両端部に対して内側から当接する抜出規制片148bが設けられており、当該抜出規制片148bによって切欠き部139aから外側への第2レンズ部材148の離脱が規制されている。そして、装飾カバー137の内側に発光ユニット140を配置した状態で後側から可動体ベース132を装飾カバー137にネジ固定することで、発光ユニット140ががたつきなく回転可動体130の内部に固定されるようになっている。なお、装飾カバー137の第2開口部138bと、第2開口部138bに対応する発光基板141の第2発光領域142bと、第2発光領域142bに対応する光規制部材145の区画部145aと、カラーフィルム146とは、回転可動体130を正面から見た状態で複数の発光体142を点灯および消灯制御することによって発光点の集合によりキャラクタ等の絵柄(図柄)を表示可能な表示部を構成している。
【0067】
(実施例の作用)
次に、前述した実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0068】
実施例のパチンコ機10は、回転動作可能な回転可動体130を有する可動演出装置100を備えるように構成されている。可動演出装置100は、発光基板141を有する回転可動体130が取付部101に対して回転可能に設けられて、取付部101側(遊技盤20)に位置する演出制御装置と回転可動体130の発光基板141とを電気的に接続するよう構成されている。このパチンコ機10には、演出制御装置と、回転可動体130の発光基板141とを電気的に接続するための回転接続ユニット70が取付部101に配設されている。回転接続ユニット70は、回転可動体130の回転に伴って回転する回転部材82がケース体72に収容されており、ケース体72側の導通片80に演出制御装置が電気的に接続されると共に、回転部材82側の導通面部90に回転可動体130の発光基板141が電気的に接続され、当該回転部材82の回転時に導通片80および導通面部90が摺接して電気的に導通するよう構成されている。すなわち、回転接続ユニット70の導通片80および導通面部90が摺接して電気的な接続状態を維持することにより、回転可動体130の一方向への回転数に拘らず発光基板141および演出制御装置の電気的な接続状態を維持することができる。
【0069】
ここで、可動演出装置100は、前後に延在する回転軸131の先端部に回転可動体130の後端部(可動体ベース132)が固定されており、回転軸131には、取付部101に設けた軸受け部材107による支持位置より前側に回転可動体130の荷重が大きく作用することで、回転可動体130を回転させた場合に回転軸131の先端側が回転軸線Lの交差方向に大きく振れる。また、可動演出装置100の回転可動体130は、回転軸線Lから上下の縁部までの寸法と、回転軸線Lから左右の縁部までの寸法とが相違する形状とされており、回転軸131に作用する回転可動体130の荷重は、回転可動体130を回転させた場合に回転軸線Lの交差方向(左右方向)に変化する。これらのことから、回転可動体130の回転に伴い、回転軸線Lの交差方向に力が作用することとなる。そして、当該回転軸線Lの交差方向に作用する力を回転接続ユニット70で支持する場合には、回転接続ユニット70の変形等が生じ、該回転接続ユニット70導通片80と導通面部90との相対位置が変化して、導通片80および導通面部90の導通状態が維持できなくなることが考えられる。これに対して、可動演出装置100は、回転可動体130の回転軸線Lから交差方向に離間するよう支持部124が取付部101に設けられており、回転可動体130の回転に伴って回転軸線Lの交差方向に作用する力を支持部124で受けるように構成されている。すなわち、回転可動体130の取付部101に設けた支持部124によって、回転可動体130から当該回転可動体130の回転軸線Lの交差方向へ作用する力を受けることで、回転接続ユニット70に対する負荷を軽減することができる。これにより、回転接続ユニット70の損傷や変形を防止して導通片80および導通面部90の相対位置を一定に保つことができるから、回転部材82が回転した場合にもベース基板79と回転基板87との導通状態を維持し得る。すなわち、回転可動体130を自由に回転させつつ、発光基板141および演出制御装置の電気的な接続状態を確実に維持することができる。
【0070】
また、回転接続ユニット70は、中間部材103の第1保持枠部110および支持カバー120の第2保持枠部125から内側に離間した状態でユニット収容部126に収容されると共に、支持部124を有する支持カバー120に位置決めピン123を介して連結されている。これにより、回転可動体130から回転軸線Lの交差方向への力を受けた支持カバー120が駆動取付部材102,103(中間部材103)に対して相対的にずれた際に、支持カバー120に追従して回転接続ユニット70がユニット収容部126内で変位できる。すなわち、回転接続ユニット70と、支持カバー120の第2保持枠部125との相対的な位置を一定にすることができるから、回転可動体130から回転軸線Lの交差方向への力を受けた支持カバー120が回転接続ユニット70を押圧するように作用するのを防止して、回転接続ユニット70の変形や破損を防止することができる。また、支持カバー120の変位に伴って回転接続ユニット70が変位した際に、ユニット収容部126を画成する中間部材103の第1保持枠部110との干渉が回避されることで、回転接続ユニット70の変形や破損を防止することができる。これにより、回転接続ユニット70の導通片80および導通面部90の相対的な位置関係を維持することができ、回転可動体130の回転中に演出制御装置と発光基板141との電気的な接続状態が途切れてしまうような不具合を防止することができる。
【0071】
また、可動演出装置100の回転接続ユニット70は、導通片80と、演出制御装置側に繋がる配線のコネクタが接続された上コネクタ接続部79aとを有するベース基板79をケース体72に保持すると共に、導通面部90と、発光基板141に繋がる配線のコネクタが接続された前コネクタ接続部87aを有する回転基板87を回転部材82に保持して、当該回転部材82を、ケース体72によって回転可能に保持するように構成されている。ここで、回転接続ユニット70のケース体72には、回転可動体130の回転軸線Lを中心とする環状に突出する前側規制部77が設けられており、回転接続ユニット70の回転部材82の外周面が前側規制部77の内周面に摺接して、回転可動体130の回転に伴って回転部材82が回転するように構成されている。すなわち、ケース体72に設けた前側規制部77の内周面に回転部材82の外周面が摺接するよう構成することで、回転部材82の回転位置のずれを規制して、発光基板141および演出制御装置の電気的な接続状態を確実に維持することができる。
【0072】
また、支持カバー120に設けられた支持部124は、回転可動体130の回転軸線Lを中心とする環状に設けられ、回転可動体130には、回転軸線Lを中心とする環状に延在して当該回転軸線Lの交差方向に支持部124と重なる環状壁部135が設けられている。そして、環状壁部135および支持部124の間に環状の介挿部材150が介挿されており、回転可動体130の回転に伴って回転可動体130の回転軸線Lの交差方向に作用する力を、当該介挿部材150を介して支持部124で支持するように構成されている。すなわち、支持部124および環状壁部135の間に介挿部材150を介挿することで、回転可動体130の回転に伴って支持部124および環状壁部135の間に生じ得る摩擦抵抗を低減させることができるから、回転可動体130をスムーズに回転させることができる。
【0073】
また、回転可動体130には、駆動モータ115の駆動力により回転する回転軸131が設けられ、回転軸131の回転により回転するように構成されると共に、回転軸131を固定するための軸固定部133が設けられている。そして、回転可動体130には、当該回転可動体130に設けた軸固定部133および環状壁部135を連結する連結壁部134が設けられている。すなわち、回転可動体に設けられる軸固定部および環状壁部を連結壁部で連結するよう構成することにより、連結壁部で軸固定部および環状壁部を同時に補強することができる。
【0074】
また、介挿部材150は、回転可動体130の回転軸線Lの延在方向(前後方向)に開口する筒状の第1介在部151と、この第1介在部151の前端部から回転軸線Lの交差方向に延出する第2介在部152とを備えており、環状壁部135および支持部124の間に第1介在部151が介在すると共に、支持部124の突出端部と回転可動体130との間に第2介在部152が介在するよう構成されている。そして、第2介在部152を挟んで支持部124の突出端部と対向する回転可動体130には、第2介在部152へ向けて突出する突部136が設けられており、当該突部136の突出端部が第2介在部152に当接するよう構成されている。すなわち、回転可動体130に設けた突部136が、介挿部材150に設けた第2介在部152に当接するよう構成することにより、支持部124の突出端部と回転可動体130との間に生じ得る摩擦抵抗を低減することができ、回転可動体130をスムーズに回転させることができる。なお、環状壁部135の突出端部と支持カバー120との間に第2介在部152が介在するよう構成し、第2介在部152を挟んで環状壁部135の突出端部と対向する支持カバー120に、第2介在部152へ向けて突出する突部136を設けて、当該突部136の突出端部が第2介在部152に当接するよう構成しても、同様の効果を奏し得る。
【0075】
また、突部136は、支持部124の突出端部または環状壁部135の突出端部に対して回転軸線の延在方向に並ぶように設けられている。これにより、回転可動体130に設けた突部136と、支持カバー120に設けた支持部124の突出端部との間に、第2介在部152を安定して支持することができる。なお、環状壁部135の突出端部と支持カバー120との間に第2介在部152が介在するよう構成して突部136を支持カバー120に設けた構成においては、突部136を環状壁部135の突出端部に対して回転軸線の延在方向に並ぶように設けることで、同様の効果を奏し得る。
【0076】
(変更例)
本発明は、前述の実施例に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1) 実施例では、回転可動体が電気部品として発光基板を備えるように構成したが、駆動モータや駆動ソレノイド等の駆動源や、センサ等を電気部品として備えるものであってもよい。
(2) 実施例では、回転可動体の回転軸線が前後に延在するように構成したが、これに限らず、回転軸線が左右または上下に延在するように構成してもよい。
(3) 実施例では、支持部の内周側に環状壁部が位置する構成としたが、環状壁部の内周側に支持部が位置して、回転可動体の回転に伴って回転軸線の交差方向に作用する力が回転可動体の環状壁部の内周面から支持部の外周面に付与されるように構成してもよい。
(4) 実施例では、回転可動体が一方向に複数回転するよう構成したが、回転可動体が常に一回転に満たない回転範囲で回転動作するように構成してもよい。
(5) 実施例では、回転軸線上に延在する棒状の回転軸を備えるように構成したが、回転軸線を中心とする円環状の回転軸を採用してもよい。例えば、円環状の回転軸の一端側を回転可動体に固定して設けると共に、当該回転軸の他端側を駆動機構により回転駆動するように構成してもよい。
(6) 実施例では、可動演出装置の取付部を駆動取付部材(中間部材および後側部材)および支持カバーにより構成したが、支持カバーを設けず、駆動取付部材の中間部材および後側部材の内側にユニット収容部を設けると共に該ユニット収容部に回転接続ユニットを収容して、中間部材の前面に支持部を設けるように構成してもよい。
(7) 実施例では、回転可動体に設けた環状壁部と、取付部(支持カバー)に設けた支持部との間に環状の介挿部材を介挿するように構成したが、介挿部材を設けず、環状壁部が支持部に直接的に当接して、環状壁部から回転軸線の交差方向に作用する力を支持部によって直接受ける構成としてもよい。
(8) 実施例では、介挿部材に対し、環状壁部と支持部との間に介在する第1介在部と、支持部の突出端部と突部との間に介在する第2介在部とを設けたが、環状壁部と支持部との間に介在する第1介在部と、支持部の突出端部(または環状壁部の突出端部)と突部との間に介在する第2介在部のうち一方のみを介挿部材に設けるようにしてもよい。
(9) 実施例では、支持部を回転軸線を中心とする環状に設けたが、これに限るものではない。すなわち、支持部は、回転軸線を中心とする同一円周上に並ぶよう複数設けられた突起であってもよいし、回転軸線を囲う楕円形状に設けられるものであってもよいし、円形以外の形状(例えば、矩形状)に沿って複数設けられるものであってもよい。また、支持部は、単に回転軸線に対して一方に離間した位置に設けられるものでもよい。
(10) 実施例では、環状壁部を回転可動体(可動体ベース)から回転接続ユニットへ向けて突出すると共に、回転部材の軸筒部より径方向外側に延在して当該軸筒部の前面板の前後位置よりも後方まで突出するように構成したが、環状壁部の径寸法を軸筒部の径寸法より小さくして、環状壁部が回転可動体から軸筒部の前面板の前面へ向けて突出するように構成してもよい。この場合には、回転可動体の電気部品と回転接続ユニットの回転基板とを電気的に接続する配線が、回転接続ユニットにおける回転部材の軸筒部と、ケース体の前側規制部との間に挟み込まれるのを防止することができる。
(11) 実施例では、回転接続ユニットを、中間部材の第1保持枠部および支持カバーの第2保持枠部から内側に離間した状態でユニット収容部に収容されると共に、支持部を有する支持カバーに位置決めピンを介して連結するように構成したが、ネジ等の固定手段によって回転接続ユニットを支持カバーに連結するようにしてもよい。
(12) 実施例では、回転接続ユニットを、中間部材の第1保持枠部および支持カバーの第2保持枠部から内側に離間した状態でユニット収容部に収容されると共に、支持部を有する支持カバーに位置決めピンを介して連結するように構成したが、中間部材に設けた位置決めピンを介して回転接続ユニットを当該中間部材に連結するように構成してもよい。
(13) 実施例では、枠状装飾体に表示窓口および演出窓口を別個に設け、演出窓口の内側に回転可動体が位置するように構成したが、枠状装飾体の表示窓口の内側に回転可動体が位置して、当該表示窓口内で回転動作したり、発光したりするように構成してもよい。
(14) 実施例では、設置空間に設けられた基台部材に対して可動演出装置の取付部を固定することで可動演出装置を遊技盤に配置したが、可動演出装置の取付部を基台部材に対して移動し得るように配設することで可動演出装置を遊技盤に配置してもよい。
(15) 実施例では、回転可能な回転可動体に備えられる電気部品と、取付部側に備えられる制御部との電気的な接続を回転接続ユニットが中継するよう構成したが、これに限られるものではない。例えば、取付部に対して直線方向に往復動作する可動体に備えられる電気部品と、取付部側に備えられる制御部と、電気部品および制御部の電気的な接続を中継する接続ユニットとを備え、接続ユニットに備えた第1導通部および第2導通部の摺接によって電気部品および制御部を電気的に導通させるように構成すると共に、可動体の往復動作に伴って当該可動体の往復動作方向と交差する方向に作用する力を、取付部に設けた支持部で受けるように構成することもできる。
(16) 実施例では、遊技機の1種であるパチンコ機を例として説明したが、遊技メダルを遊技媒体として用いるスロットマシンに本発明を採用してもよい。