【実施例】
【0014】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、複数種類の図柄を変動表示可能な表示装置17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例では、前記表示装置17としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
【0015】
図1に示す如く、前記前枠13には、窓部13aを囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の上部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記表示装置17で行われる各種の表示演出(図柄変動演出)に合わせて光による演出や音による演出を行い得るよう構成されている。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0016】
また、前記前枠13の右下方位置には、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで前記打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を操作することで、前記遊技盤20に形成された第1球流下経路23a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された第2球流下経路23b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るようになっている。
【0017】
(遊技盤20について)
実施例の前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材から所定板厚の略矩形状に形成された平板状の透明板(遊技領域形成部材)であって、該遊技盤20の裏側に前記表示装置17が着脱自在に組み付けられている。遊技盤20の前側には、
図2に示す如く、前面(盤面)に配設された略円形状の案内レール21によりパチンコ球が流下可能(移動可能)な遊技領域23が画成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が当該遊技領域23内に打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、遊技盤20に、
図6,
図7に示す如く、該遊技盤20との間に収容空間38を画成する設置部材(収容空間画成部材)22が配設されており、収容空間38には、発光により演出を行う後述する発光演出装置59や、可動体の動作により演出を行う可動演出装置等の各種演出手段が設置されている。なお、前記表示装置17は、設置部材22の裏側に取り付けられて、後述するように設置部材22に設けた開口部(可視部)22aおよび枠状装飾体34(後述)の開口部34aを介して遊技盤20の前側から視認可能に臨むよう構成される。なお、遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材等の非光透過性の板部材の表面に装飾シール等を貼付したものであってもよい。
【0018】
前記案内レール21は、
図2,
図3に示す如く、前記遊技盤20の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された外レール24と、遊技盤20の右上部、右下部および左上部に至るよう右方向に膨出する円弧状に形成された内レール25,26とから構成されている。前記内レール25,26は、外レール24の右上端部に連接して遊技盤20の右上部から下部に亘って配設され、左端縁が右方に凹む円弧状に形成された盤面飾り部材25と、遊技盤20の下部から左上部に亘って配設されて盤面飾り部材25の下端部に連接し、前記外レール24の右方(内側)に離間して位置するレール部材26とから構成され、該外レール24およびレール部材26により1個のパチンコ球が通過可能な発射通路21aが画成されている。ここで、前記内レールを構成するレール部材26は、前記遊技盤20の左上部に開放端を臨ませて外レール24との間に遊技領域23に開口する打出し口21bを画成するよう構成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が発射通路21aの下方開口から飛翔して、レール部材26の開放端側の打出し口21bから遊技領域23内に打ち出されるようになっている。
【0019】
図2,
図4に示す如く、前記外レール24と盤面飾り部材25との接続位置は、外レール24および盤面飾り部材25の曲率の相違から段差が形成されており、該段差部分に緩衝ゴム27が配設されている。すなわち、前記外レール24の終端位置に臨むように緩衝ゴム27が配設されて、前記打球発射装置から発射されて外レール24に沿って終端位置まで移動して緩衝ゴム27に当接したパチンコ球を減勢し得るようになっている。なお、前記緩衝ゴム27は、前記第2球流下経路23bに位置している。
【0020】
前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口が前記遊技領域23内に複数開設されて、各装着口に対して各種遊技構成部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域23の最下部位置には、該遊技領域23に開口するアウト口28が開設されており、遊技領域23に打ち出されてアウト口28に入球したパチンコ球が機外に排出されるよう構成される。また、前記遊技盤20には、前記遊技領域23内に多数の遊技釘29が設けられると共に、後述する枠状装飾体34の左側方に、遊技領域23(第1球流下経路23a)を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材30が回転自在に支持されており、遊技釘29や回転案内部材30との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材30は、所謂「風車」とも称される部材であって、該回転案内部材30の回転に伴ってパチンコ球を弾くように左右方向へ放出する部材である。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に対して取り付けられる各種遊技構成部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
【0021】
実施例の前記遊技盤20には、
図3に示す如く、前記案内レール21で囲まれた遊技領域23の略中央の大部分が開口する装着口33に、前後に開口する開口部34aが形成された枠状装飾体34が取り付けられ、該枠状装飾体34の開口部34aを介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。また、遊技盤20には、枠状装飾体34の外側における遊技領域23に臨む位置に、該遊技領域23を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞部31が配設されており、始動入賞部31の始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機として、所定数のパチンコ球が賞球として前記上下の球受け皿14,15に払い出されると共に前記表示装置17の表示部17aにおいて図柄変動演出が開始されるようになっている。また、枠状装飾体34に、特別入賞部32が配設されている。そして、表示装置17での図柄変動演出の結果、該表示装置17の表示部17aに所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより特別入賞部32へのパチンコ球の入賞が許容されて多数の賞球を獲得し得るようになっている。
【0022】
(枠状装飾体34について)
前記遊技盤20に配設される前記枠状装飾体34は、
図2,
図3,
図4に示す如く、前記遊技盤20に開設された前記装着口33の内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部35と、該枠状基部35に設けられて前記遊技盤20の前面より前方に突出し、前記遊技領域23と表示装置17の表示部17aを区切って該遊技領域23の内周を画成する庇状部36と、該庇状部36の後縁から外方に延出する薄板状の台板部37とを備える。そして、前記枠状基部35を装着口33に挿入すると共に台板部37を遊技盤20の前面に当接した状態で、該台板部37をネジ等の固定手段で遊技盤20に固定することで、枠状装飾体34が遊技盤20に取り付けられる。ここで、前記庇状部36は、
図2,
図4に示す如く、前記枠状装飾体34(枠状基部35)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するように設けられており、開口部34a側、すなわち表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。
【0023】
前記枠状装飾体34には、
図2〜
図4に示す如く、前記開口部34aの下側に、ステージ39が配設されると共に、開口部34aの左側に、遊技領域23(第1球流下経路23a)に開口して該遊技領域23を流下するパチンコ球を取り込んでステージ39に案内する球導入部40が設けられ、該球導入部40からステージ39に通出されたパチンコ球は、ステージ39上を左右に転動した後に、前記始動入賞部31が配設されている遊技領域23に排出される。またステージ39の後端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる透明壁41が設けられ、ステージ39上を転動するパチンコ球が表示装置17の表示部17a側に移動するのを該透明壁41で防止している。実施例では、枠状装飾体34の開口部34aの略全体を塞ぐ透明パネル42が、該開口部34aの内側に配設されて、該透明パネル42を介して表示装置17の表示部17aが前側に臨むよう構成される。なお、透明パネル42として、凹凸により文字等の図柄が形成された乱反射領域を有し、該透明パネル42の端面から発光体の光をパネル内に導入することで、該光が乱反射領域で乱反射して図柄が発光表示されるものが採用されている。
【0024】
(庇状部36について)
前記庇状部36は、
図2,
図4に示す如く、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域23に打ち出されたパチンコ球が庇状部36上で滞ることなく前記枠状装飾体34の左側方または右側方へ誘導されるよう形成されている。前記開口部34aの上方に臨む庇状部36は、左右方向の所定領域が上側に凸となる略弧状に形成された右転動面36aを有しており、該右転動面36aの頂部は遊技盤20の左右方向の略中央に位置している。また、庇状部36には、右転動面36aにおける左端部(第1球流下経路23a側の端部)に接続して、該右転動面36aから所定高さで下がる段部36bが設けられている。更に、庇状部36には、段部36bの下端に接続して左方に向かうにつれて下方に変位する左転動面70が設けられている。そして、実施例では、庇状部36と案内レール21とで画成される遊技領域23において、前記右転動面36aの左端部を境界として、該左端部より左側が第1球流下経路23aとされ、該左端部より右側が第2球流下経路23bとされ、前記案内レール21の打出し口21bは、第1球流下経路23aの上方で開口している。また、右転動面36aは、前記外レール24から下方(内側)に離間して対向するように位置し、第2球流下経路23bを画成する右転動面36aと外レール24との間は、パチンコ球1個分の幅寸法より大きく、かつ遊技球2個分の幅寸法より小さな幅寸法に設定されている。
【0025】
すなわち、前記遊技盤20に画成された遊技領域23には、前記枠状装飾体34における庇状部36の左側方をパチンコ球が流下する第1球流下経路23a、および該枠状装飾体34における庇状部36の上方から右側方をパチンコ球が流下する第2球流下経路23bが設けられており、前記庇状部36の段部36bに当ったパチンコ球は第1球流下経路23aを流下し、該庇状部36の右転動面36aに到来したパチンコ球は第2球流下経路23bを流下するようになっている。換言すると、前記打球発射装置により遊技領域23内に発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて前記枠状装飾体34の庇状部36およびレール部材26(内レール26)の間に形成される第1球流下経路23aか、或いは枠状装飾体34の庇状部36、外レール24および盤面飾り部材25(内レール25)の間に形成される第2球流下経路23bの何れかを流下する。そして、実施例に係るパチンコ機10では、前記第1球流下経路23aをパチンコ球が流下する場合(左打ちした場合)に、パチンコ球が第2球流下経路23bを流下する場合に較べて前記始動入賞部31にパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されると共に、該第2球流下経路23bをパチンコ球が流下する場合(右打ちの場合)に、パチンコ球が第1球流下経路23aを流下する場合に較べて前記特別入賞部32へパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されている。
【0026】
前記庇状部36に設けた段部36bは、
図2,
図4に示す如く、前記案内レール21に設けた打出し口21bの右上方に位置して、該打出し口21bから遊技領域23に打ち出されたパチンコ球が当り得るよう構成される。そして、一般的に「左打ち」を行う遊技者は、打球発射装置から打ち出されたパチンコ球が段部36bに当るように、前記操作ハンドル16の操作レバー16aの回動量を調節している。
【0027】
(遊技領域形成部43について)
前記枠状装飾体34には、
図2,
図4に示す如く、前記段部36bの形成位置から前記球導入部40の形成位置より上側(打出し口21bより下側)までの領域において、前記第1球流下経路23aを流下するパチンコ球が前面を転動可動な遊技領域形成部43が設けられている。この遊技領域形成部43の外縁は、前記外レール24およびレール部材26の内周面に近接するように位置している。具体的には、遊技領域形成部43の外縁と打出し口21bより右側における外レール24の内周面との間は、パチンコ球1個分の幅寸法より大きく、かつ遊技球2個分の幅寸法より小さな幅寸設に設定されており、前記段部36bに当って左側に戻るパチンコ球は、枠状装飾体34に設けられた遊技領域形成部43の前面を転動(流下)するよう構成される。そして、遊技領域形成部43の下端を通過したパチンコ球は、遊技盤20の前面を転動(流下)するようになっている。遊技領域形成部43の前側に画成される領域は、前記遊技領域23の一部を構成するものであって、実施例では、該遊技領域形成部43の前側に画成されるパチンコ球が転動(流下)する領域を、枠側遊技領域Sと指称するものとする。
【0028】
実施例の遊技領域形成部43は、庇状部36の後縁に接続して外方に延出する部分であって、遊技領域形成部43の外縁部が遊技盤20における装着口33の開口縁前面に当接しており、該外縁部が、前記台板部37の一部を構成している(
図6参照)。また、遊技領域形成部43の裏面に、該遊技領域形成部43の外周縁に沿って前記枠状基部35の一部が後方に向けて突設されており、該遊技領域形成部43に設けられている枠状基部35が装着口33の内周縁に沿って延在している。すなわち、遊技領域形成部43の裏側には、
図7に示す如く、前記遊技盤20の前面に重ならない領域が形成されて、前記設置部材22に配設されている後述する発光演出装置59の前側に遊技領域形成部43が直に対向するよう構成されている。また、遊技領域形成部43は、光透過性(透光性で、実施例では透明)に構成されており、後方に位置する発光演出装置59によって該遊技領域形成部43が後方から照明されるよう構成される。なお、実施例では、枠状装飾体34の全体が光透過性に構成されているが、該遊技領域形成部43のみを光透過性に構成したものであってもよい。
【0029】
(突出部44,45,46について)
前記遊技領域形成部43の前面に、
図2,
図4,
図5に示す如く、複数(実施例では3つ)の突出部44,45,46が突設されており、該遊技領域形成部43の前面(枠側遊技領域S)を流下(移動)するパチンコ球が該突出部44,45,46に接触することで、該パチンコ球の流下方向(移動方向)が変更されるよう構成される。すなわち、遊技領域形成部43に設けられる突出部44,45,46は、前記遊技盤20の前面より前方に突出して遊技領域23の一部を構成する枠側遊技領域Sに位置して、遊技釘29と同様に該遊技領域S(23)を流下するパチンコ球の流路を変更する部材として機能するようになっている。実施例では、後述する電飾役物47における装飾板(装飾部材)52の支持部として兼用される第1突出部44,45と、専らパチンコ球の流路変更に用いられる第2突出部46とが設けられる。また、実施例では、前記段部36bに近接する側に2つの第1突出部44,45が設けられると共に、段部36bから最も離間する位置の突出部が第2突出部46とされている。なお、2つの第1突出部44,45について、段部36bに近接する側を上第1突出部44と指称すると共に、段部36bから離間する側を下第1突出部45と区別する場合もある。
【0030】
前記各突出部44,45,46は、
図7に示す如く、遊技領域形成部43の前面から前方に突出する筒状の壁部の前端に前壁を設けて前部を塞いだ、後方に開口する中空形状に形成された部分であって、該突出部44,45,46は、全体が光透過性に構成されて、後述する発光体61aからの光によって明輝して光演出可能に構成されている。また、第1突出部44,45における前壁の後面には、光拡散処理が施された光拡散部64が設けられており、前記発光体61aからの光を該光拡散部64で拡散して効果的に明輝し得るよう構成される。なお、第1突出部44,45の光拡散部64に施される光拡散処理の形態は、後述する遊技領域形成部43の光拡散部43aに施される光拡散処理の形態と同じに設定されている。実施例では、第2突出部46における前壁の後面に光拡散処理が施されておらず、前記発光体61aからの光で明輝した明輝形態が第1突出部44,45とは異るよう構成されている。
【0031】
前記3つの突出部44,45,46は、前記庇状部36(具体的には左転動面70)から遊技領域23側にパチンコ球が通過可能な間隔で離間して遊技領域形成部43に突設されている。更に、3つの突出部44,45,46の相互の間隔も、パチンコ球が通過可能な寸法に設定されて、前記遊技領域形成部43の前側の枠側遊技領域Sにおいてパチンコ球は、庇状部36と突出部44,45,46との間および各突出部44,45,46の間を通過(移動)可能に構成されている。具体的には、突出部44,45,46は、前記庇状部36の左転動面70に対してパチンコ球の直径以上かつ該直径の2倍以下の間隔をあけて対向するよう設けられている。そして、前記遊技領域形成部43の前側において、前記庇状部36の左転動面70と、該左転動面70に離間して対向する突出部44,45,46の各対向面44a,45a,46aとの間には、パチンコ球が一列で転動可能な庇側流路71が画成されている。また、突出部44,45,46は、遊技釘29の外形よりも大きなブロック状に形成され、前記庇状部36の延在方向に(左転動面70に)隣接する突出部44,45,46同士がパチンコ球の直径以上離間するよう相互に間隔をあけて設けられている。これら複数の突出部44,45,46は、前記遊技領域形成部43の前側において前記打出し口21bより上側(右側)に位置して、該打出し口21bから遊技領域23に打ち出されたパチンコ球の飛翔経路を前記外レール24との間に画成している。また、上第1突出部44と下第1突出部45との間、下第1突出部45と第2突出部46との間には、パチンコ球を庇側流路71へ向けて流下させるための突出部間流路72が夫々画成され、各突出部間流路72の下端が庇側流路71に接続している。
【0032】
(突出部44,45,46と左転動面70との関係について)
前記各突出部44,45,46と前記左転動面70との関係について具体的に説明する。前記庇側流路71を画成する左転動面70は、
図5に示すように、傾斜角度(遊技盤20の左右方向の中央を上下方向に通る基準線と交差する下側の角度)が異なる複数の面部70a,70b,70c,70dが連続する階段状に形成されている。すなわち、左転動面70は、段部36bの下端を傾斜上端として上第1突出部44に次第に接近するよう下方傾斜する第1面部70aと、該第1面部70aの傾斜下端部より急勾配で下方傾斜するよう該第1面部70aの傾斜下端に連続し、上第1突出部44の右端の下方から該上第1突出部44の左端の下方にかけて延在する第2面部70bと、該第2面部70bの傾斜下端部より緩勾配で下方傾斜するよう該第2面部70bの傾斜下端に連続し、上第1突出部44の左端の下方から下第1突出部45の左端の下方より下流にかけて延在する第3面部70cと、該第3面部70cの傾斜下端部より急勾配で下方傾斜するよう該第3面部70aの傾斜下端に連続し、前記第2突出部46の右端の下方より上流から該第2突出部46の左端の下方より下流にかけて延在する第4面部70dとを有している。前記第2面部70bは、上第1突出部44の前記対向面44aと対向すると共に下流側に向かうにつれて対向間隔が離間するように延在している。また、前記第3面部70cは、下第1突出部45の前記対向面45aと対向すると共に下流側に向かうにつれて対向間隔が近接するように延在している。これに対し、前記第4面部70dは、第2突出部46の前記対向面46aと略平行に延在している。そして、庇側流路71は、左転動面70を転動するパチンコ球を上下の第1突出部44,45および第2突出部46に衝突させて当該パチンコ球を減速し得るよう構成されている。
【0033】
(上第1突出部44について)
図5,
図9に示すように、前記上第1突出部44は、前記外レール24からパチンコ球の直径以上に離間するよう設けられ、打出し口21bから打ち出されたパチンコ球が外レール24との間を通過して第2球流下領域23b側に飛翔したり、外レール24の途中で飛翔する勢いを失って上第1突出部44の上に落下したりするのを許容するよう設けられている。そして、上第1突出部44における庇状部36の左転動面70との対向面44aaが、当該左転動面70から1個のパチンコ球が通過可能な間隔で離間するよう構成されて、当該対向面44aと庇状部70との間にパチンコ球が一列で流下可能な前記庇側流路71の一部を画成するようになっている。
【0034】
前記上第1突出部44は、打出し口21bに近接する側(左側)の端部から離間する側(右側)の端部にかけて次第に外レール24に近接するよう延在する受け面44bが設けられており、当該受け面44bが外レール24に対向するようになっている。このように、上第1突出部44の受け面44bは、当該受け面44bに直交する垂線が打出し口21b側に傾くよう形成されている。すなわち、打出し口21bから遊技領域23に打ち出されて上第1突出部44の受け面44bにパチンコ球が接触した際に、当該受け面44bの傾斜により減勢してパチンコ球が庇状部36に接触する際の衝撃を緩和すると共に、打出し口21bから離間する方向(庇状部36の段部36b側)へパチンコ球を受け流し得るよう構成されている。このように、上第1突出部44の受け面44bに接触したパチンコ球を、打出し口21bから離間する方向に受け流すことで、外レール24に沿って打ち出される次のパチンコ球との接触を回避して、当該次のパチンコ球の飛翔を阻害するのを防ぐようになっている。
【0035】
また、
図5に示すように、前記上第1突出部44は、前記受け面44bの傾斜上端部に、打出し口21bから離間する側(右側)に下方傾斜する傾斜面44cが連続するように設けられており、当該傾斜面44cが前記外レール24に対向するようになっている。前記上第1突出部44の傾斜面44cは、当該傾斜面44cに直交する垂線が打出し口21bから離間する側に傾くよう形成されている。すなわち、打出し口21bから遊技領域23に打ち出されて上第1突出部44の傾斜面44cに接触したパチンコ球を、当該傾斜面44cの傾斜により減勢してパチンコ球が庇状部36に接触する際の衝撃を緩和すると共に、打出し口21bから離間する方向(庇状部36の段部36b側)へパチンコ球を受け流し得るよう構成されている。また、上第1突出部44の傾斜面44cは、その傾斜により当該傾斜面44c上のパチンコ球を外レール24から離間する方向へ転動させるよう構成されており、前記遊技領域形成部43の前側に画成された枠側遊技領域Sから外レール24側へのパチンコ球の移動を制限する移動制限手段として機能するようになっている。すなわち、上第1突出部44の傾斜面44cに接触するパチンコ球を、打出し口21bから離間する方向に受け流すことで、外レール24に沿って打ち出される次のパチンコ球との接触を回避して、当該次のパチンコ球の飛翔を阻害するのを防ぐようになっている。なお、前記上第1突出部44の傾斜面44cの傾斜下端部は、当該上第1突出部44の前記対向面44aの上端部に連続するよう構成されている。
【0036】
更に、上第1突出部44には、前記受け面44bの傾斜下端と対向面44aの傾斜下端部の夫々に連設する側面44dを有している。上第1突出部44の側面44dは、
図5に示す如く、下第1突出部45から離間する方向に凹となる曲面状に形成されており、打出し口21bから放出されたパチンコ球を受けて庇側流路71側(前記第3面部70c)に落下させるようになっている。すなわち、上第1突出部44の側面44dに接触するパチンコ球を庇側流路71側に落下させるように弾くことで、外レール24に沿って打ち出される次のパチンコ球との接触を回避して、当該次のパチンコ球の飛翔を阻害するのを防ぐようになっている。
【0037】
(下第1突出部45について)
前記下第1突出部45は、
図5に示すように、前記外レール24からパチンコ球の直径以上に離間するように設けられ、打出し口21bから遊技領域23に打ち込まれたパチンコ球が外レール24との間を通過して第2球流下領域23b側に飛翔したり、外レール24の途中で飛翔する勢いを失って第1突出部44,45の上に落下したりするのを許容するよう設けられている。そして、下第1突出部45における庇状部36の左転動面70との対向面45aが、当該左転動面70から1個のパチンコ球が通過可能な間隔で離間するよう構成されて、当該対向面45aと庇状部36(左転動面70)との間にパチンコ球が一列で流下可能な前記庇側流路71の一部を画成するようになっている。
【0038】
前記下第1突出部45は、打出し口21bに近接する側(左側)の端部から離間する側(右側)の端部にかけて次第に外レール24に近接するよう延在する受け面45bが設けられており、当該受け面45bが外レール24に対向するようになっている。このように、下第1突出部45の受け面45bは、当該受け面45bに直交する垂線が打出し口21b側に傾くよう形成されている。すなわち、打出し口21bから遊技領域23に打ち出されて下第1突出部45の受け面45bにパチンコ球が接触した際に、当該受け面45bの傾斜により減勢してパチンコ球が庇状部36に接触する際の衝撃を緩和するようになっている。また、下第1突出部45の受け面45bの水平面に対する傾斜角度は、前記上第1突出部44の受け面44bの水平面に対する傾斜角度と比べて大きくなるよう形成されている。すなわち、打出し口21bから遊技領域23に打ち出されて下第1突出部45の受け面45bに接触したパチンコ球を、第2突出部46側に跳ね返し得るよう構成されている。
【0039】
また、
図5に示すように、前記下第1突出部45は、前記受け面45bの傾斜上端部に、打出し口21bから離間する側(右側)に下方傾斜する上傾斜面45cが連続するように設けられており、当該上傾斜面45cが前記外レール24に対向するようになっている。前記下第1突出部45の上傾斜面45cは、当該上傾斜面45cに直交する垂線が打出し口21bから離間する側に傾くよう形成されている。すなわち、打出し口21bから遊技領域23に打ち出されて下第1突出部45の上傾斜面45cに接触したパチンコ球を、当該上傾斜面45cの傾斜により減勢してパチンコ球が庇状部36に接触する際の衝撃を緩和すると共に、打出し口21bから離間する方向(上第1突出部44側)へパチンコ球を受け流し得るよう構成されている。また、下第1突出部45の上傾斜面45cは、その傾斜により上傾斜面45c上のパチンコ球を外レール24から離間する方向へ転動させるよう構成されており、前記遊技領域形成部43の前側に画成された枠側遊技領域Sから外レール24側へのパチンコ球の移動を制限する移動制限手段として機能するようになっている。すなわち、下第1突出部45の上傾斜面45cに接触するパチンコ球を、打出し口21bから離間する方向に受け流すことで、外レール24に沿って打ち出される次のパチンコ球との接触を回避して、当該次のパチンコ球の飛翔を阻害するのを防ぐようになっている。更に、下第1突出部45には、前記上傾斜面45cの傾斜下端と対向面45aの傾斜上端の夫々に連設する下傾斜面45dを有している。この下傾斜面45dは、前記上第1突出部44の側面44dと対向しており、該側面44dに当って跳ね返ったパチンコ球を庇側流路71側に落下させるように弾くことで、上第1突出部44と下第1突出部45との間の突出部間流路72でパチンコ球のスムーズな流れが阻害されるのを防止するようになっている。
【0040】
また、前記下第1突出部45には、前記受け面45bの傾斜下端と対向面45aの傾斜下端部の夫々に連設する側面45eを有している。下第1突出部45の側面45eは、前記第2突出部46の下部側に対向すると共に、上端から下端に向けて右側に傾斜しており、打出し口21bから放出されたパチンコ球を受けて庇側流路71側に落下させるようになっている。すなわち、下第1突出部45の側面45eに接触するパチンコ球を庇側流路71側に落下させるように弾くことで、外レール24に沿って打ち出される次のパチンコ球との接触を回避して、当該次のパチンコ球の飛翔を阻害するのを防ぐようになっている。
【0041】
(第2突出部46について)
前記第2突出部46は、
図5に示すように、前記外レール24に対してパチンコ球の直径以上に離間するよう設けられ、打出し口21bから前記遊技領域23に打ち出されたパチンコ球が外レール24との間を通過して第2球流下経路23b側に飛翔したり、外レール24の途中で飛翔する勢いを失って突出部44,45,46の上に落下したりするのを許容するよう設けられている。そして、第2突出部46における庇状部36の左転動面70との対向面46aが、当該左転動面70から1個のパチンコ球が通過可能な間隔で離間するよう構成されて、当該対向面46aと庇状部36との間にパチンコ球が一列で流下可能な前記庇側流路71の一部を画成するようになっている。
【0042】
また、
図5に示すように、前記第2突出部46は、打出し口21bに近接する側(左側)の端部から離間する側(右側)の端部にかけて次第に外レール24に近接するよう延在する受け面46bが設けられており、当該受け面46bが外レール24に対向するようになっている。このように、第2突出部46の受け面46bは、当該受け面46bに直交する垂線が打出し口21b側に傾くよう形成されている。すなわち、打出し口21bから遊技領域23に打ち出されて第2突出部46の受け面46bにパチンコ球が接触した際に、当該受け面46bの傾斜により減勢してパチンコ球が庇状部36に接触する際の衝撃を緩和すると共に、打出し口21bから離間する方向(下第1突出部45側)へパチンコ球を受け流し得るよう構成されている。このように、第2突出部46の受け面46bに接触したパチンコ球を、打出し口21bから離間する方向に受け流すことで、外レール24に沿って打ち出される次のパチンコ球との接触を回避して、当該次のパチンコ球の飛翔を阻害するのを防ぐようになっている。
【0043】
また、
図5に示すように、前記第2突出部46は、前記受け面46bの傾斜上端部に、打出し口21bから離間する側(右側)に下方傾斜する傾斜面46cが設けられており、当該傾斜面46cが前記外レール24に対向するようになっている。前記第2突出部46の傾斜面46cは、当該傾斜面46cに直交する垂線が打出し口21bから離間する側に傾くよう形成されている。すなわち、打出し口21bから遊技領域23に打ち出されて第2突出部46の傾斜面46cに接触したパチンコ球を、当該傾斜面46cの傾斜により減勢してパチンコ球が庇状部36に接触する際の衝撃を緩和すると共に、打出し口21bから離間する方向(下第1突出部45側)へパチンコ球を受け流し得るよう構成されている。また、第2突出部46の傾斜面46cは、その傾斜により当該傾斜面46c上のパチンコ球を外レール24から離間する方向へ転動させるよう構成されており、前記遊技領域23において遊技領域形成部43の前側に画成された枠側遊技領域Sから外レール24側へのパチンコ球の移動を制限する移動制限手段として機能するようになっている。すなわち、第2突出部46の傾斜面46cに接触するパチンコ球を、打出し口21bから離間する方向に受け流すことで、外レール24に沿って打ち出される次のパチンコ球との接触を回避して、当該次のパチンコ球の飛翔を阻害するのを防ぐようになっている。なお、前記第2突出部46の傾斜面46cの傾斜下端部は、当該第2突出部46の前記対向面46aの上端部に連続するよう構成されている。
【0044】
更に、第2突出部46には、前記受け面46bの傾斜下端と対向面46aの傾斜下端部の夫々に連設する側面46dを有している。第2突出部46の側面46dは、上端から下端に向けて右側に傾斜しており、打出し口21bから放出されたパチンコ球を受けて庇側流路71側に落下させるようになっている。すなわち、第2突出部46の側面46dに接触するパチンコ球を庇側流路71側に落下させるように弾くことで、外レール24に沿って打ち出される次のパチンコ球との接触を回避して、当該次のパチンコ球の飛翔を阻害するのを防ぐようになっている。
【0045】
図5および
図8に示すように、前記第2突出部46には、傾斜面46cにおける前記打出し口21bに近接する傾斜上端部から上方へ突出する球止め部46eが設けられている。この球止め部46eは、傾斜面46cの面方向に突出し、先端に向かうにつれて当該傾斜面46c側に窄まる突起状に設けられている。また、球止め部46eは、第2突出部46(傾斜面46c)において外レール24に最も近接する部位に設けられ、遊技領域形成部43の外縁近くに位置している。すなわち、球止め部46eは、第1突出部44,45よりも打出し口21bに近接する第2突出部46に設けられると共に、前記遊技領域23において遊技領域形成部43の前側に画成された前記枠側遊技領域Sから外レール24側(打出し口21b側)へのパチンコ球の移動を制限する移動制限手段として機能している。
【0046】
(電飾役物47について)
前記枠状装飾体34には、
図2,
図3に示す如く、パチンコ機10のモチーフとなるロゴやキャラクタ等の意匠が施された電飾役物47が、該枠状装飾体34における前記庇状部36の内側および外側に亘って設けられている。本実施例では、左右方向に横長の電飾役物47が枠状装飾体34の上部側に配置されて、該電飾役物47によって、前記表示装置17の表示部17aを前側に臨ませる開口部34aの上端縁が画成されるようになっている。
【0047】
前記電飾役物47は、
図9,
図10に示す如く、前面に前記意匠が施された本体48と、該本体48の裏側に配設された前部発光基板(発光基板)50と、本体48および前部発光基板50の間に配設された光拡散部材51とを備える。本体48は、板状の装飾板(装飾部材)52の裏側に、後方に向けて側壁53を枠状に延出するように形成されて、後側に開口するトレー状に形成された部材であって、装飾板52の全体が、パチンコ機10のモチーフとなるロゴやキャラクタ等の意匠を象った形状に形成されると共に、その前面には関連する意匠が施されている。実施例では、本体48の全体が光透過性に構成されて、装飾板52に非光透過性の塗料やメッキを施すことで意匠が形成されるようになっている。本体48の装飾板52は、
図7,
図8に示す如く、前記枠状装飾体34における庇状部36の内側に位置する内装飾部52aと、該庇状部36の外側に位置する外装飾部52bとを有し、内装飾部52aの外周縁に沿って前記側壁53が設けられている。すなわち、本体48は、装飾板52における外装飾部52bに対応する位置には側壁53が形成されていない(
図10参照)。また、前記装飾板52に施されている意匠は、内装飾部52aおよび外装飾部52bで一連となるよう形成されて、庇状部36の内側と外側、すなわち枠状装飾体34の内側と外側とに亘る一連の意匠が遊技盤20の前面に位置するよう構成される。
【0048】
前記前部発光基板50は、
図5に示す如く、前記側壁53の内側に収容可能な形状および大きさに形成されており、該前部発光基板50の前面には、前側に向けて光を照射するLED等の複数の内発光体(内装飾部52aに向けて光を照射する発光手段)50aが実装されている。また、前記光拡散部材51は、前記側壁53の内側に収容可能な形状および大きさに形成されており、前記本体48における内装飾部52aと前部発光基板50との間に配置される(
図6,
図7参照)。光拡散部材51は、光透過性(透光性)の板材の前面または後面に、所要の形態で凹凸を形成した光拡散処理を施した部材であって、前記内発光体50aから照射された光を該光拡散部材51によって広範囲に拡散して、内装飾部52aの全体を明輝し得るよう構成される。すなわち、前部発光基板50および光拡散部材51は、前記装飾板52における内装飾部52aの後側に対向するように配置されて、光拡散部材51で拡散された光は装飾板52における内装飾部52aに照射されるようになっている。言い替えると、光拡散部材51で拡散された光は装飾板52における外装飾部52bには照射されないようになっている。なお、実施例では、光拡散部材51の後側に離間してベース部材49が配設されて、該ベース部材49と光拡散部材51との間に前部発光基板50が収容されている。
【0049】
前記枠状装飾体34には、上部側の前記庇状部36から内側に延在する取着部54が設けられており、前記電飾役物47は、該取着部54の前側に取り付けられている。なお、取着部54は光透過性に構成されると共に、該取着部54の下部側に偏倚して電飾役物47が配設されて、
図5,
図6に示す如く、庇状部36の内面と電飾役物47の外面との間に、取着部54が前側に露出する露出領域55が画成されるようになっている。そして、この露出領域55において、前記設置部材22に配設された発光演出装置59が、取着部54を透して前側から見えるよう構成されている。
【0050】
前記外装飾部52bは、
図7,
図8に示す如く、前記庇状部36から外側に、前記第1突出部44,45の前側に重なる位置まで延出して、該第1突出部44,45によって外装飾部52bは遊技盤20の前面に近接する方向への変位を規制するように支持される。実施例では、外装飾部52bの裏面に、各第1突出部44,45と対応する位置に固定ボス56が後方に向けて突出するように設けられると共に、該固定ボス56には後方に開口するネジ孔が形成されている。また、各第1突出部44,45に、対応する固定ボス56と対向する位置に前側に開口する凹部63が設けられると共に、該凹部63の底側には前後に貫通する通孔が形成されており、外装飾部52bの裏面を第1突出部44,45の前面に当接すると共に固定ボス56を凹部63に挿入した状態で、第1突出部44,45の通孔に裏側から挿通したネジを固定ボス56のネジ孔に螺挿することで、外装飾部52bが第1突出部44,45の前側に位置決め固定されるよう構成される。また、第1突出部44,45の前側に外装飾部52bを固定した状態で、該外装飾部52bの裏面と前記遊技領域形成部43の前面との離間間隔は、パチンコ球の1個分より大きく設定されており、外装飾部52bの裏面と遊技領域形成部43の前面との間(外装飾部52bの後側)に、パチンコ球が通過可能(移動可能)な前記庇側流路71の一部が画成されるように構成されている(
図7参照)。実施例では、庇側流路71における第1突出部44,45と庇状部36(左転動面70)との間において外装飾部52bの後側に臨む部分が、該外装飾部52bの後側をパチンコ球が移動可能な通路71となっている。
【0051】
また、前記庇状部36には、
図8に示す如く、前記外装飾部52bが外側に延出する部分に対応して切欠部36cが形成されており、該切欠部36cに外装飾部52bが嵌り込むことで、該外装飾部52bの横方向(遊技盤20の前面に沿う方向)の変位が規制されるようになっている。なお、外装飾部52bは、前記第1突出部44,45の全体を前側から覆う寸法に設定されておらず、該外装飾部52bの外周縁から第1突出部44,45の一部が前側に露出するよう構成されて、該第1突出部44,45における外装飾部52bの外周縁から外方に延出して露出する部分において、前記外発光体61aと光拡散部64とによって明輝するよう構成される。
【0052】
(設置部材22について)
前記設置部材22は、
図3に示す如く、前記遊技盤20の外郭形状より僅かに小さな形状に形成された略矩形状の背面板と、該背面板の外周縁部から前方に突出する画壁部58とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部58の開口前端部を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材22とがネジにより固定される。そして、設置部材22において遊技盤20との間に画成される収容空間38に、各種の発光演出装置59や可動演出装置等の演出手段が設置されて、設置部材22を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また、前記設置部材22の背面板には、前記枠状装飾体34の開口部34aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部22aが前後に開口するよう開設されると共に、該背面板の裏側に前記表示装置17が着脱自在に取り付けられて、該開口部22aを介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。
【0053】
前記設置部材22には、
図6,
図7に示す如く、前記画壁部58の前端近
傍に、前記遊技盤20の裏面から離間する取付部58aが設けられ、該取付部58aの前側に、前記電飾役物47の後側に重なるように発光演出装置59が配設されている。実施例の発光演出装置59は、前記遊技盤20における上部領域の左右幅方向の略全長に亘って後側に重なるような長さ寸法に設定されており、当該発光演出装置59によって前記遊技領域23の幅方向の全体を裏側から照明し得るよう構成されている。
【0054】
前記発光演出装置59は、
図11,
図12に示す如く、光透過性に構成された支持基体60と、該支持基体60の裏側に配設された後部発光基板61と、該支持基体60の前側に配設された光透過性の複数の装飾品62とを備えている。後部発光基板61は、前記枠状装飾体34における前記取着部54、前記遊技領域形成部43および該遊技領域形成部43より外側の遊技盤20の後側に重なる長さおよび形状に形成されている。また、後部発光基板61の前面には、複数のLED等の発光体(発光手段)61aが、前側に向けて光を照射するように実装されている。なお、後部発光基板61に配設される発光体61aについては、前記遊技盤20の後方に対応して配設されるものを遊技盤用発光体61a、取着部54の後方に対応して配設されるものを取着部用発光体61a、遊技領域形成部43の後方に対応して配設されるものを外発光体(遊技領域形成部43に向けて光を照射する発光手段)61aと指称して区別する場合もある。そして、遊技盤用発光体61aを発光することによって、前記枠状装飾体34の外側(遊技領域23)に位置する遊技盤20の裏側に重なる装飾品62を照明することで、透明な遊技盤20を介して前側から視認可能な装飾品62によって発光演出を行い得るよう構成される。また、取着部用発光体61aを発光することによって、前記取着部54の裏側に重なる装飾品62を照明することで、該取着部54を介して前側から視認可能な装飾品62によって発光演出を行い得るよう構成される。更に、外発光体61aを発光することによって、前記遊技領域形成部43の裏側に重なる装飾品62を介して該遊技領域形成部43を裏側から照明し得るよう構成される。また、遊技領域形成部43を透過した光で前記外装飾部52bが裏側から照明されて、該外装飾部52bが明輝し得るよう構成されている。また、外発光体61aを発光することによって、遊技領域形成部43に設けられている前記突出部44,45,46も裏側から照明されるようになっている。
【0055】
ここで、前記遊技領域形成部43における外発光体61aと対向する裏面に、所要の形態で凹凸を形成した光拡散処理が施された光拡散部43aが設けられており(
図12参照)、前記外発光体61aから照射された光を該光拡散部43aによって広範囲に拡散して、外装飾部52bの全体を明輝し得るよう構成される。また、前記電飾役物47に配設された前記光拡散部材51に施される光拡散処理の形態と、遊技領域形成部43の光拡散部43aに施される光拡散処理の形態とが同じに設定されて、前記内装飾部52aおよび外装飾部52bを異なる発光体50a,61aで裏側から照明した際に、両装飾部52a,52bの明輝形態が同じとなり、前記枠状装飾体34の内側と外側とに亘って延在している装飾部52a,52bが一連であることを認識させ得るようになっている。更に、前記外装飾部52bを支持する前記第1突出部44,45の光拡散部64に施される光拡散処理の形態は、遊技領域形成部43の光拡散部43aに施される光拡散処理の形態と同じに設定されており、当該第1突出部44,45における外装飾部52bの外周縁から露出する部分における明輝形態が外装飾部52bの明輝形態と同じとなって一体感が得られるようになっている。
【0056】
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0057】
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤20に設けた案内レール21により画成された発射通路21aを通って打出し口21bから遊技領域23内に打ち出される。このとき、前記操作レバー16aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域23の第1球流下経路23aまたは第2球流下経路23bをパチンコ球が流下する。前記枠状装飾体34に設けた段部36bにめがけてパチンコ球を打ち出す「左打ち」が行われた場合は、打出し口21bから打ち出されて段部36bに当接したパチンコ球は、前記枠状装飾体34に設けられた前記遊技領域形成部43の前側に画成された枠側遊技領域S(庇側流路71,突出部間流路72)を流下する。このとき、遊技領域形成部43に設けられた複数の突出部44,45,46にパチンコ球が接触することで、該パチンコ球の流下方向が変更される。
【0058】
すなわち、
図3に示す如く、前記遊技盤20に形成する装着口33を大きくして大型の枠状装飾体34を採用した場合であっても、装着口33の前側に、パチンコ球が移動可能な枠側遊技領域Sを形成する遊技領域形成部43を設けたので、パチンコ球が移動可能な広い遊技領域23(枠側遊技領域S)を確保することができる。また、遊技領域形成部43にパチンコ球の移動方向を変更可能な複数の突出部44,45,46を設けているので、パチンコ球に興趣のある動きを与えることができ、パチンコ球の挙動が単調となるのを防止して遊技の興趣を向上することができる。
【0059】
前記左転動面70に沿って流下するパチンコ球は、他のパチンコ球との衝突等によって突出部間流路72側に跳ね上がり、外レール24側へ向けて上昇移動することがある。ここで、前記枠側遊技領域Sから前記飛翔経路(外レール24側)へ向けたパチンコ球の移動を制限する移動制限手段(傾斜面44c,45c,46cおよび球止め部46e)が前記第1,第2突出部44,45,46に設けられていることで、外レール24および第1,第2突出部44,45,46の間におけるパチンコ球の飛翔が妨げられるのを防止し得る。従って、前記打出し口21bから遊技領域23に打ち出されたパチンコ球と、新たに打ち出されたパチンコ球との衝突を防いで、意図する位置へのパチンコ球の打ち出しを可能にすることができるから、パチンコ球の挙動に一喜一憂するというパチンコ遊技特有の興趣を損うことがない。また、打出し口21bに近接する側から離間する側に向かって下方傾斜する傾斜面46cと、該傾斜面46cにおける打出し口21bに近接する傾斜上端部から上方へ突出する球止め部46eとを第2突出部46の外周面に設けることで、枠側遊技領域Sから打出し口21b側へ向かうパチンコ球の勢いを第
2突出部46の傾斜面46cによって削ぐことができ、打出し口21bからのパチンコ球の放出が妨げられるのを抑制できる。また、傾斜面46cを傾斜上端側へ向けて移動するパチンコ球を球止め部46eによって該傾斜面46cの下流側に戻すことができるから、傾斜面46cを上り移動するパチンコ球が打出し口21bから放出されるパチンコ球の進行の妨げになることはない。更に、移動制限手段(傾斜面46c、球止め部46e)を、複数の突出部44,45,46の内で最も打出し口21bに近接する第2突出部46に設けることにより、発射球が集中する打出し口21b近傍においてパチンコ球の逆戻りを効果的に防ぎ、打出し口21bからのパチンコ球の放出が妨げられるのを抑制できる。
【0060】
前記枠状装飾体34に設けられた遊技領域形成部43は光透過性に構成されており、裏側に配設された前記発光演出装置59における外発光体61aの光によって該遊技領域形成部43を裏側から照明することで、枠側遊技領域Sを流下するパチンコ球の動きと発光演出とによって遊技の興趣を向上し得る。特に、「左打ち」を行う場合に、遊技者が注目する打出し口21bと段部36bとの間の遊技領域23を構成する枠側遊技領域Sを裏側から照明することで、演出効果を高めることができる。
【0061】
実施例のパチンコ機10で、前記枠状装飾体34に配設される電飾役物47における装飾板52を、
図2,
図7,
図8に示す如く、該枠状装飾体34の内側と外側とに亘って延在するよう構成したので、枠状装飾体34の寸法や設置領域が限定される状況であっても大型の電飾役物47(装飾板52)を採用することができ、インパクトを高めて興趣を向上し得る。また、他機種との差別化を図ることができる。しかも、枠状装飾体34の外側に延出する外装飾部52bの後側に画成された庇側流路(通路)71をパチンコ球が通過可能(移動可能)であるので、電飾役物47(装飾板52)を大型化してもパチンコ球に興趣のある動きを与えることができる広さの遊技領域23を確保し得る。また、外装飾部52bは、前記遊技領域形成部43に設けた第1突出部44,45に位置決め固定されているので、遊技領域形成部43と外装飾部52bとの前後方向の位置を一定に保つことができ、外装飾部52bが後側に変位して前記庇側流路71での球詰り等が発生するのを防ぐことができる。更に、庇側流路71を画成する第1突出部44,45や第2突出部46は、前記庇状部36から外側に延在する遊技領域形成部43に設けられているので、庇状部36と突出部44,45,46との離間隔隔を一定に保つことができ、これによっても庇側流路71での球詰り等が発生するのを防ぐことができる。
【0062】
前記枠状装飾体34の外側に延出する外装飾部52bは、前記発光演出装置59の外発光体61aを発光した場合に、前記遊技領域形成部43を透過した光によって明輝し得るよう構成してあるので、演出効果を向上し得る。ここで、外装飾部52bを遊技領域23に延出する場合、該外装飾部52bの後側にパチンコ球が移動可能な庇側流路71を画成する関係から該外装飾部52bに発光基板を直に配設することはできず、外装飾部52bの装飾性が低下するおそれがある。しかるかに、実施例のパチンコ機10では、遊技領域23の一部を画成する遊技領域形成部43の後方に位置する外発光体61aからの光によって外装飾部52bを明輝し得るよう構成したので、外装飾部52bの後側に庇側流路71を画成しても該外装飾部52bの装飾性を向上し得る。
【0063】
前記電飾役物47に設けた内発光体50aを発光することで、前記枠状装飾体34の内側に位置する前記内装飾部52aが明輝されて、前記表示装置17における表示部17aの上側での発光演出によって興趣を向上し得る。また、
図4,
図5に示す如く、電飾役物47の外周と前記庇状部36の内周との間に、前記取着部54が前側に露出する露出領域55が画成されており、前記発光演出装置59の取着部用発光体61aを発光した場合は、該取着部54の裏側において照明された装飾品62が前側から見えるようになり、最も前側に位置する内装飾部52aによる発光演出と、遊技盤20の裏側に位置する装飾品62による発光演出とによって興趣を向上することができる。
【0064】
前記電飾役物47の内装飾部52aを内発光体50aによって裏側から照明すると共に、前記外装飾部52bを外発光体61aによって裏側から照明するので、枠状装飾体34の内側および外側に亘って延在する大型の装飾板52が明輝することで、よりインパクトのある演出ができて遊技の興趣を向上し得る。また、内装飾部52aを照明する光を拡散する前記光拡散部材51に施される光拡散処理の形態と、外装飾部52bを照明する光を拡散する遊技領域形成部43の光拡散部43aに施される光拡散処理の形態とを同じに設定したので、内装飾部52aおよび外装飾部52bを異なる発光体50a,61aで裏側から照明しても、両装飾部52a,52bの明輝形態が同じとなり、枠状装飾体34の内側と外側とに亘って延在している装飾板52が一連の部材であることを認識させることができる。更に、前記外装飾部52bを支持する前記第1突出部44,45の光拡散部64に施される光拡散処理の形態は、遊技領域形成部43の光拡散部43aに施される光拡散処理の形態と同じに設定されているので、当該第1突出部44,45における外装飾部52bの外周縁から露出する部分における明輝形態が外装飾部52bの明輝形態と同じとなって一体感が得られる。言い替えると、パチンコ球の流下方向を変更するように機能する第1突出部44,45における外装飾部52bの外周縁からの露出部分を、該外装飾部52bの一部であるかのように見せ掛けることができ、より大型の装飾板52が配設されていると錯覚させることで演出のインパクトを向上し得る。
【0065】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、枠状装飾体の遊技領域形成部に突出部を設けたが、該突出部を遊技盤に設けるようにしてもよい。
(2) 実施例では、枠状装飾体の上部側に電飾役物を配置したが、該電飾役物を枠状装飾体における左右の一方の側部または両方の側部、あるいは下部側に配置し、その配置位置において枠状装飾体の内側と外側とに亘って装飾板(装飾部材)を延在させるようにしてもよい。
(3) 実施例では、外装飾部を2つの突出部で支持するよう構成したが、該外装飾部の大きさに応じて1つまたは3つ以上の突出部で支持する構成を採用し得る。
(4) 実施例では、装飾板(装飾部材)に1つの外装飾部を設けたが、該装飾板に複数の外装飾部を設けて、各外装飾部を対応する位置に設けた突出部で支持する構成を採用し得る。
【0066】
(5) 実施例では、外装飾部を突出部にネジ止め固定するよう構成したが、外装飾部および突出部の一方に係合部を設けると共に他方に該係合部に対して係脱可能な被係合部を設け、係合部と被係合部とを係合することで突出部に対して外装飾部を位置決めする構成を採用し得る。
(6) 実施例では、発光演出装置の外発光体と枠状装飾体の遊技領域形成部との間に、発光演出装置の装飾品が配置される構成としたが、該外発光体からの光を遊技領域形成部に直接照射する構成を採用し得る。
(7) 実施例では、内装飾部と外装飾部とを異なる発光基板に実装した発光体で裏側から照明するよう構成したが、同じ発光基板に実装した発光体で裏側から照明するようにしてもよい。例えば、実施例において内装飾部の裏側に配置した内発光基板およびベース部材を省略し、発光演出装置の発光体(取着部用発光体)によって内装飾部を裏側から照明するよう構成する。すなわち、実施例では、自身を照明するための発光体(発光手段)を備えた電飾役物を構成する装飾部材を、枠状装飾体の内側と外側とに亘って延在するよう構成したが、該装飾部材は、自身を明輝するための発光手段を備えていない装置を構成するものであってもよい。
(8) 電飾役物の装飾板(装飾部材)を、遊技盤に設けた突出部の前側に配設し、該装飾板(装飾部材)と遊技盤との対向面間に、パチンコ球が移動可能な通路を画成する構成を採用することができる。
(9) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。