【文献】
平下 治,実践!GISマーケティング(第一回),日経情報ストラテジー,日本,日経BP社,1999年 6月24日,第8巻 第6号,pp.212−217
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記評価対象地域の居住者における支払状況と、前記取引場所の居住者における支払状況とを比較した結果を前記ユーザ端末に出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の地域評価システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1〜
図3に従って、地域評価システム、地域評価方法及び地域評価プログラムを具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、評価対象地域の居住者(金融機関の顧客)における取引状況に基づいて地域を評価し、この評価情報を提供する場合を想定する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態では、ネットワークを介して接続されたユーザ端末10、管理サーバ20、ホストシステム30を用いる。
ユーザ端末10は、ユーザが利用するコンピュータ端末である。本実施形態では、ユーザとしては、自治体等の地域の状況の評価者(例えば、自治体の施策担当者等)を想定する。ユーザ端末10は、制御部、記憶部、キーボードやポインティングデバイス等を含む入力部、ディスプレイを含む出力部を備える。
【0015】
管理サーバ20は、地域の評価情報を提供するコンピュータシステムである。この管理サーバ20は、制御部21、地域情報記憶部22を備えている。
制御部21は、図示しないCPU等の制御手段、RAM及びROM等のメモリを備え、地域評価プログラムに基づいて後述する処理(地域情報取得段階、利用状況取得段階、マップ作成段階、セグメント化段階、現状評価段階、将来予測段階等の各処理等)を行なう。そして、地域評価プログラムを実行することにより、制御部21は、地域情報取得部211、利用状況取得部212、マップ作成部213、セグメント化部215、現状評価部216、将来予測部217として機能する。
【0016】
地域情報取得部211は、評価対象の地域(評価対象地域)を特定するための情報を取得する処理を実行する。
利用状況取得部212は、評価対象地域の居住者の取引状況(例えば、口座の入出金状況等)に関する情報を取得する処理を実行する。
【0017】
マップ作成部213は、評価対象地域の居住者が取引を行なった場所を視覚化するためのマップを作成する処理を実行する。
セグメント化部215は、評価対象地域が属するセグメントを特定する処理を実行する。
【0018】
現状評価部216は、評価対象地域の居住者の「お金の使い方」を評価する処理を実行する。ここでは、同じセグメントに属する他の地域の居住者の「お金の使い方」との比較結果を出力する。
【0019】
将来予測部217は、現在の「お金の使い方」に基づいて、この評価対象地域の居住者の状況に関する将来予測を行なう処理を実行する。ここでは、過去に同じ「お金の使い方」の居住者が居住した他の地域の現在の状況を特定し、これを将来予測として出力する。
【0020】
地域情報記憶部22には、評価対象となる地域についての地域管理レコード220が記録されている。地域管理レコード220は、地域情報が登録された場合に記録される。地域管理レコード220には、自治体ID、登録日、地域属性に関するデータが記録されている。
【0021】
自治体IDデータ領域には、各自治体を特定するための識別子に関するデータが記録されている。本実施形態では、自治体IDとして、都道府県や市町村を特定する名称を用いる。
【0022】
登録日データ領域には、この地域管理レコード220が記録された年月日に関するデータが記録される。
地域属性データ領域には、この自治体の属性に関するデータが記録されている。属性としては、人口(昼間人口・夜間人口、昼間流入人口)、面積、年齢構成、用途地域(住居、商業、工業等)の区分、病院や学校なども公共設備数、税金、行政政策の項目等を用いる。
【0023】
ホストシステム30は、金融機関の顧客情報や取引情報を管理するコンピュータシステムである。このホストシステム30は、顧客情報記憶部32、取引情報記憶部33、店舗情報記憶部34を備えている。
【0024】
顧客情報記憶部32には、金融機関の顧客についての顧客管理レコード320が記録されている。顧客管理レコード320は、顧客が金融機関に口座を開設した場合に記録される。顧客管理レコード320には、顧客ID、氏名、口座識別子、連絡先、住所、顧客属性、手続履歴に関するデータが記録されている。
【0025】
顧客IDデータ領域には、金融機関の各顧客を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
氏名データ領域には、この顧客の氏名に関するデータが記録されている。
口座識別子データ領域には、この顧客が保有する口座を特定するための識別子(本支店コード、種別コード、口座番号等)に関するデータが記録されている。
【0026】
連絡先、住所データ領域には、それぞれ、この顧客の連絡先(電話番号等)、住所に関するデータが記録されている。
顧客属性データ領域には、この顧客の属性(年齢や性別、職種等)に関するデータが記録される。
【0027】
手続履歴データ領域には、この顧客との手続状況に関するデータが記録される。例えば、住所変更、家族カードの発行、住宅ローンの利用等の取引状況(手続年月日、手続種別)が記録される。
【0028】
取引情報記憶部33には、顧客が開設した口座を利用しての取引を管理するための取引管理レコード330が記録される。取引管理レコード330は、金融機関において口座が開設された場合に登録される。この取引管理レコード330は、口座識別子、口座残高、取引履歴に関するデータが記録されている。
【0029】
口座識別子データ領域には、各口座を特定するための識別子に関するデータが記録される。
口座残高データ領域には、この口座の残高に関するデータが記録される。
取引履歴データ領域には、この口座における入金や出金との取引について、取引日時や金額、摘要、場所に関するデータが記録される。ここで、場所として、現金自動預払機(ATM)を用いて、現金の入出金等が行なわれた場合には、利用された現金自動預払機の設置場所に関する情報(店舗ID)が記録される。また、デビットカード決済可能な加盟店での決済に利用された場合には、利用された加盟店に関する情報(店舗ID)が記録される。
【0030】
店舗情報記憶部34には、キャッシュカード(デビットカード)等のカード利用可能な店舗に関する店舗管理レコード340が記録されている。店舗管理レコード340は、店舗が登録された場合に記録される。店舗管理レコード340には、店舗ID、連絡先、住所に関するデータが記録されている。
【0031】
店舗IDデータ領域には、各店舗を特定するための識別子に関するデータが記録されている。本実施形態では、デビットカード決済可能な加盟店の店舗、現金自動預払機が設置された店舗等、決済のためのカードが利用可能な場所を店舗として登録する。
連絡先、住所データ領域には、それぞれ、この店舗の連絡先(電話番号等)、住所に関するデータが記録されている。
【0032】
次に、上記のシステムを用いて行なわれる処理を、
図2〜
図3を用いて説明する。
(マップ作成処理)
まず、
図2(a)を用いて、マップ作成処理を説明する。マップ作成を希望するユーザは、ユーザ端末10を用いて、管理サーバ20にアクセスする。
【0033】
まず、管理サーバ20の制御部21は、評価対象の自治体の特定処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の地域情報取得部211は、ユーザ端末10に評価対象地域(自治体)を指定するための評価対象指定画面を出力する。そして、地域情報取得部211は、評価対象指定画面において入力された自治体の自治体IDを取得する。
【0034】
次に、管理サーバ20の制御部21は、自治体の居住者の特定処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の地域情報取得部211は、指定された自治体が住所として記録されている居住者の顧客管理レコード320を顧客情報記憶部32から抽出する。
【0035】
そして、管理サーバ20の制御部21は、顧客情報記憶部32から抽出した居住者を処理対象として、順次、特定し、以下の処理を繰り返す。
ここでは、管理サーバ20の制御部21は、取引管理レコードの特定処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の利用状況取得部212は、顧客情報記憶部32から、処理対象の居住者の顧客IDが記録された顧客管理レコード320を取得し、この顧客管理レコード320に記録されている口座識別子を特定する。次に、利用状況取得部212は、取引情報記憶部33から、所定期間について、この口座識別子が記録された取引管理レコード330を取得する。そして、利用状況取得部212は、取得した取引管理レコード330において、出金が記録されたレコードを特定する。
【0036】
そして、管理サーバ20の制御部21は、出金が記録された取引管理レコード330を処理対象として、順次、特定し、以下の処理を繰り返す。
まず、管理サーバ20の制御部21は、取引場所の取得処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21の利用状況取得部212は、処理対象の取引管理レコード330において、取引場所(店舗ID)を特定する。そして、利用状況取得部212は、店舗情報記憶部34から、この店舗IDに関連付けられた住所を取引場所として特定する。
【0037】
次に、管理サーバ20の制御部21は、取引場所毎に累計処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部21の利用状況取得部212は、店舗IDに関連付けられた住所に対して、この取引管理レコード330に記録された取引金額を加算し、取引場所に関連付けてメモリに仮記憶する。
【0038】
以上の処理を、すべての取引管理レコード330について処理を終了するまで繰り返す。
更に、以上の処理を、評価対象の自治体のすべての居住者について処理を終了するまで繰り返す。
【0039】
次に、管理サーバ20の制御部21は、マップ上で取引場所の特定処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21のマップ作成部213は、ユーザ端末10のディスプレイに、評価対象の自治体を中心として所定領域のマップを出力する。そして、マップ作成部213は、このマップに表示された地域範囲に含まれ、メモリに仮記憶された取引場所を特定する。
【0040】
次に、管理サーバ20の制御部21は、累計額に応じたサイズのアイコン表示処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21のマップ作成部213は、取引場所における取引金額の合計額に応じて、取引アイコンのサイズを決定する。そして、マップ作成部213は、取引アイコンを表示したマップを、ユーザ端末10のディスプレイに出力する。
【0041】
(支払状況評価処理)
次に、
図2(b)を用いて、支払状況評価処理を説明する。この処理は、上述したマップ作成処理に引き続いて行なわれる。
【0042】
まず、管理サーバ20の制御部21は、支払地の特定処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の利用状況取得部212は、ステップS1−4において特定した取引場所が含まれる自治体を支払地として特定する。そして、利用状況取得部212は、評価対象地域の居住者が支払を行なった支払地毎に、支払った金額を合計する。
【0043】
次に、管理サーバ20の制御部21は、支払地の居住者の支払状況を特定する。具体的には、支払を行なった支払地の自治体を処理対象として、順次、特定し、以下の処理を繰り返す。
【0044】
ここでは、管理サーバ20の制御部21は、支払状況の特定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21の利用状況取得部212は、処理対象の自治体毎に、自治体の居住者の特定処理(ステップS1−2)〜取引場所毎に累計処理(ステップS1−5)を実行する。これにより、支払地の居住者が、他の自治体に所在する店舗における支払状況を特定することができる。
【0045】
次に、管理サーバ20の制御部21は、支払地の評価処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21の利用状況取得部212は、処理対象の自治体の居住者が支払った支払金額を、以下のカテゴリで分類した取引回数、取引金額(合計額)を算出する。
・居住する自治体地域で支払った金額。
・評価対象地域で支払った金額。
・居住する自治体地域以外かつ評価対象自治体以外で支払った金額。
以上の処理を、すべての支払地について処理を終了するまで繰り返す。
【0046】
次に、管理サーバ20の制御部21は、参考地区との比較処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21の利用状況取得部212は、店舗情報記憶部34から、店舗住所が評価対象地域内となっている店舗を特定する。そして、利用状況取得部212は、店舗毎に、この店舗IDが記録されている取引管理レコード330を取引情報記憶部33から取得する。次に、利用状況取得部212は、取引管理レコード330に記録されている口座識別子の顧客管理レコード320を顧客情報記憶部32から抽出する。そして、利用状況取得部212は、顧客管理レコード320を用いて、この顧客の住所が含まれる自治体であって、評価対象地域外の自治体(参考地区)を特定する。そして、利用状況取得部212は、参考地区に関連付けて、取引回数、取引金額をメモリに記録する。
そして、利用状況取得部212は、評価対象地域の居住者の支払状況と、支払地の居住者の支払状況、評価対象地域における参考地区の居住者の支払状況とを含む比較表を作成する。この比較表には、支払状況として、取引回数や取引金額を含める。
【0047】
次に、管理サーバ20の制御部21は、評価結果の出力処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21の利用状況取得部212は、評価結果をユーザ端末10のディスプレイに出力する。この評価結果には、ステップS2−3において作成した支払金額の分類、ステップS2−4において作成した比較表を含める。
【0048】
(街の価値診断)
図3を用いて、街の価値診断処理を説明する。街の価値診断を希望するユーザは、ユーザ端末10を用いて、管理サーバ20にアクセスする。
【0049】
この場合、管理サーバ20の制御部21は、セグメント分け処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21のセグメント化部215は、ユーザ端末10から評価対象地域の自治体IDを取得する。次に、セグメント化部215は、予め定められたセグメント要素を用いて、評価対象地域のセグメントを特定する。このセグメント要素としては、評価対象の自治体の地域属性や、この自治体の居住者の共通性を用いることができる。自治体の地域属性は、地域情報記憶部22の地域管理レコード220から取得することができる。この居住者の共通性は、顧客情報記憶部32に記録されている顧客管理レコード320、取引情報記憶部33に記録されている取引管理レコード330を用いて特定することができる。例えば、以下の共通性を用いることが可能である。
・評価対象地域について、地域情報記憶部22に記録されている人口に対する公共施設の割合や、年齢構成、用途地域の統計値。
・評価対象地域の居住者について、顧客情報記憶部32に記録されている顧客属性の統計値。
・評価対象地域の居住者について、取引情報記憶部33に記録されている口座における貯蓄状況の統計値。
【0050】
次に、管理サーバ20の制御部21は、共通するセグメント要素に属する他の自治体の特定処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21のセグメント化部215は、利用するセグメント要素を用いて、地域管理レコード220や、他の自治体の居住者についての顧客管理レコード320、取引管理レコード330においてセグメント分けを行なう。そして、セグメント化部215は、評価対象の自治体と同じセグメントに属する他の自治体(関連地域)を特定する。
【0051】
次に、管理サーバ20の制御部21は、他の自治体のセグメント要素の統計値の算出処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の現状評価部216は、特定した他の自治体の居住者が記録された取引管理レコード330を、取引情報記憶部33から取得する。そして、現状評価部216は、取得したすべての取引管理レコード330の取引金額、残高を特定し、その統計値を算出する。
【0052】
次に、管理サーバ20の制御部21は、比較結果の出力処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の現状評価部216は、この自治体の居住者の取引金額や残高と、同じセグメントに属する他の自治体の居住者の取引金額や残高とを比較した結果を、ユーザ端末10のディスプレイに出力する。
【0053】
次に、管理サーバ20の制御部21は、共通するセグメントに属していた自治体の特定処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21のセグメント化部215は、利用するセグメント要素を用いて、所定期間前の他の自治体の地域管理レコード220、他の自治体の居住者の顧客管理レコード320、取引管理レコード330においてセグメント分けを行なう。ここでは、予め定められたセグメント要素について、他の自治体の統計値を算出する。更に、セグメント化部215は、他の自治体の居住者の取引管理レコード330の取引金額、残高についても、セグメント要素として統計値を算出する。そして、統計値が所定範囲に含まれる場合には共通性があると判定する。そして、セグメント化部215は、所定期間前に、この自治体と同じセグメントに属していた他の自治体を特定する。
【0054】
次に、管理サーバ20の制御部21は、同じセグメントに属していた自治体の動向取得処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21の将来予測部217は、同じセグメントに属していた他の自治体の居住者が記録された取引管理レコード330を、取引情報記憶部33から取得する。そして、将来予測部217は、取得したすべての取引管理レコード330の取引金額、残高を特定し、その統計値を算出する。
【0055】
次に、管理サーバ20の制御部21は、未来予測処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部21の将来予測部217は、所定期間前に同じセグメントに属する他の自治体について、現在の取引金額や残高の統計値を、将来予測結果として、ユーザ端末10のディスプレイに出力する。
【0056】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、評価対象の自治体の特定処理(ステップS1−1)、自治体の居住者の特定処理(ステップS1−2)、取引管理レコードの特定処理(ステップS1−3)、取引場所の取得処理(ステップS1−4)、取引場所毎に累計処理(ステップS1−5)を実行する。これにより、評価対象の自治体の居住者の取引状況に応じた取引金額についての「お金の使い方」を、マップ上で把握することができる。
【0057】
(2)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、支払地の特定処理(ステップS2−1)、支払状況の特定処理(ステップS2−2)、支払地の評価処理(ステップS2−3)、参考地区との比較処理(ステップS2−4)を実行する。これにより、評価対象の自治体の住民の支払地における居住者の支払状況を把握し、評価対象の自治体と他の自治体との支払状況を比較することができる。
【0058】
(3)本実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、セグメント分け処理(ステップS3−1)、共通するセグメント要素に属する他の自治体の特定処理(ステップS3−2)、他の自治体のセグメント要素の統計値の算出処理(ステップS3−3)を実行する。これにより、共通したセグメントに属する自治体の状況を比較することができる。
【0059】
更に、管理サーバ20の制御部21は、共通するセグメントに属していた自治体の特定処理(ステップS3−5)、同じセグメントに属していた自治体の動向取得処理(ステップS3−6)、未来予測処理(ステップS3−7)を実行する。これにより、過去に同じセグメントに属していた他の自治体の現在状況に基づいて、評価対象の自治体の将来予測を行なうことができる。
【0060】
また、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・上記実施形態では、マップ作成処理において、管理サーバ20の制御部21は、マップ上で取引場所の特定処理(ステップS1−6)、累計額に応じたサイズのアイコン表示処理(ステップS1−7)を実行する。ここで、取引時間を考慮したマップを出力するようにしてもよい。この場合には、取引が行なわれた取引場所を特定し、マップ上で取引場所に対応したマップ位置を特定し、取引金額に対応したアイコンを、時間に関連付けてマップ位置に表示する。
【0061】
図4を用いて、具体的なマップ作成処理を説明する。
まず、管理サーバ20の制御部21は、ステップS1−1と同様に、評価対象の自治体の特定処理を実行する(ステップS4−1)。
【0062】
次に、管理サーバ20の制御部21は、ステップS1−2と同様に、自治体の居住者の特定処理を実行する(ステップS4−2)。
そして、管理サーバ20の制御部21は、顧客情報記憶部32から抽出した居住者を処理対象として、順次、特定し、以下の処理を繰り返す。
【0063】
ここでは、管理サーバ20の制御部21は、ステップS1−3と同様に、取引管理レコードの特定処理を実行する(ステップS4−3)。
そして、管理サーバ20の制御部21は、取引が記録された取引管理レコード330を処理対象として、順次、特定し、以下の処理を繰り返す。
【0064】
次に、管理サーバ20の制御部21は、ステップS1−4と同様に、取引場所の取得処理を実行する(ステップS4−4)。
次に、管理サーバ20の制御部21は、取引時間帯の取得処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、制御部21の利用状況取得部212は、取引管理レコード330に記録された取引日時を取得する。
【0065】
次に、管理サーバ20の制御部21は、取引場所毎、取引時間帯毎に累計処理を実行する(ステップS4−6)。具体的には、制御部21の利用状況取得部212は、特定した住所に対して、時間帯毎に取引金額を加算する。
【0066】
以上の処理を、すべての取引管理レコード330について処理を終了するまで繰り返す。
更に、以上の処理を、評価対象の自治体のすべての居住者について処理を終了するまで繰り返す。
【0067】
次に、管理サーバ20の制御部21は、ステップS1−6と同様に、取引時間帯別マップ上で取引場所の特定処理を実行する(ステップS4−7)。なお、ここでは、取引時間帯毎に割り当てられたマップを用いる。
【0068】
次に、管理サーバ20の制御部21は、ステップS1−7と同様に、累計額に応じたサイズのアイコン表示処理を実行する(ステップS4−8)。具体的には、制御部21のマップ作成部213は、時間帯毎に、取引場所における取引金額の合計額に応じて、取引アイコンのサイズを決定する。そして、マップ作成部213は、時間帯毎のマップに表示された地域範囲に含まれ、メモリに仮記憶された取引場所を特定し、サイズを決定した取引アイコンを表示する。
【0069】
次に、管理サーバ20の制御部21は、マップを時系列に並べた動画表示処理を実行する(ステップS4−9)。具体的には、制御部21のマップ作成部213は、取引アイコンを表示したマップを、ユーザ端末10のディスプレイに、時間帯の順番で表示させた動画を出力する。
【0070】
・上記実施形態では、管理サーバ20の制御部21は、共通するセグメントに属していた自治体の特定処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21のセグメント化部215は、利用するセグメント要素を用いて、所定期間前の他の顧客の顧客管理レコード320、取引管理レコード330においてセグメント分けを行なう。ここで、将来予測を行なう予測日を、ユーザ端末10から取得するようにしてもよい。この場合には、将来予測部217は、現在日付から予測日までの期間を特定する。そして、セグメント化部215は、この期間前の取引管理レコード330を取得し、この取引管理レコード330を用いてセグメント分けを行なう。
【0071】
・上記実施形態では、金融機関の口座情報を用いて、取引状況を特定する。取引状況の特定方法は、口座における入出金に限定されるものではない。例えば、クレジットカードの利用状況や、電子マネーの利用状況を入手して評価するようにしてもよい。この場合には、取引情報記憶部33にクレジットカードの利用状況や、電子マネーの利用状況を記憶させておく。