【文献】
K. L. A. CHAN, at al.,SPECTROSCOPIC IMAGING OF COMPACTED PHARMACEUTICAL TABLETS,Chemical Engineering Research and Design,2005年11月,Vol.83,No.11,p.1303-1310
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術により測定される吸光度の合計値は、医薬品粒子に付着した滑沢剤の展延を直接的にとらえた情報ではない。このため、滑沢剤の展延を正確に測定することが難しい。
【0009】
そこで、本発明は、滑沢剤の展延状態を正確に測定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、錠剤を構成する粒子および滑沢剤が混合されている被測定物における前記滑沢剤の展延状態を解析する装置であって、20GHz以上500THz以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器と、前記電磁波を全反射する全反射面を有し、該全反射面から生じるエバネッセント波を前記被測定物が受ける光学素子と、前記全反射面により全反射された前記電磁波を検出する電磁波検出器と、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記電磁波の前記全反射面による反射率または該反射率に基づく値を、前記電磁波の周波数と、前記粒子または前記被測定物の製造条件とに対応づけて導出するスペクトル導出部と、前記スペクトル導出部の導出結果から、前記製造条件に基づく特徴を抽出する特徴抽出部とを備えるように構成される。
【0011】
上記のように構成された滑沢剤の展延解析装置によれば、錠剤を構成する粒子および滑沢剤が混合されている被測定物における前記滑沢剤の展延状態を解析する装置が提供される。電磁波出力器が、20GHz以上500THz以下の周波数の電磁波を出力する。光学素子が、前記電磁波を全反射する全反射面を有し、該全反射面から生じるエバネッセント波を前記被測定物が受ける。電磁波検出器が、前記全反射面により全反射された前記電磁波を検出する。スペクトル導出部が、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記電磁波の前記全反射面による反射率または該反射率に基づく値を、前記電磁波の周波数と、前記粒子または前記被測定物の製造条件とに対応づけて導出する。特徴抽出部が、前記スペクトル導出部の導出結果から、前記製造条件に基づく特徴を抽出する。
【0012】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記製造条件は、前記粒子および前記滑沢剤が混合される混合時間を含むようにしてもよい。
【0013】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記製造条件は、前記混合を行う混合装置の回転数を含むようにしてもよい。
【0014】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記製造条件に基づく特徴は、所定の周波数領域の部分であり、前記粒子の前記所定の周波数領域における前記電磁波の吸収率が、前記粒子の前記所定の周波数領域以外の周波数領域における前記電磁波の吸収率と比べて変化しているようにしてもよい。
【0015】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記製造条件に基づく特徴は、前記スペクトル導出部の導出結果を主成分分析することにより得られる主成分であるようにしてもよい。
【0016】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記製造条件は、前記粒子および前記滑沢剤が混合される混合時間であり、前記製造条件に基づく特徴は、所定の周波数領域の部分であり、前記粒子の前記所定の周波数領域における前記電磁波の吸収率が、前記粒子の前記所定の周波数領域以外の周波数領域における前記電磁波の吸収率と比べて変化しており、前記特徴抽出部の抽出結果の、前記混合時間の経過に対する変化に基づき、滑沢剤の展延状態を判定する展延判定部を備えるようにしてもよい。
【0017】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記反射率に基づく値は、前記電磁波の前記全反射面における吸収率であるようにしてもよい。
【0018】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記反射率に基づく値は、前記反射率を前記電磁波の周波数に基づく値でn次微分した値、または前記電磁波の前記全反射面における吸収率を前記電磁波の周波数に基づく値でn次微分した値であり、前記nは、1以上の整数であるようにしてもよい。
【0019】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記粒子および前記滑沢剤が混合されている混合物から、複数の前記被測定物が取得され、前記反射率に基づく値は、複数の前記被測定物についての前記反射率の標準偏差、複数の前記被測定物についての前記電磁波の前記全反射面における吸収率の標準偏差、前記反射率を前記電磁波の周波数に基づく値でn次微分した値の標準偏差、または、前記吸収率を前記電磁波の周波数に基づく値でn次微分した値の標準偏差であり、前記nは、1以上の整数であるようにしてもよい。
【0020】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記粒子が賦形剤であるようにしてもよい。
【0021】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記粒子の前記所定の周波数領域における前記電磁波の吸収率が、前記粒子の前記所定の周波数領域以外の周波数領域における前記電磁波の吸収率よりも高いようにしてもよい。
【0022】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記光学素子は、前記電磁波出力器から前記電磁波を受ける入射面と、前記全反射面により全反射された前記電磁波が空気へ出射される出射面と、を有し、前記光学素子の屈折率は、前記空気の屈折率よりも高く、前記光学素子の内部で全反射が生じ、前記被測定物が前記光学素子の外部に配置され、かつ、前記全反射面に接するようにしてもよい。
【0023】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記被測定物が前記全反射面に押しつけられているようにしてもよい。
【0024】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記粒子および前記滑沢剤が混合されている混合物から、前記被測定物を取得する被測定物取得部と、前記被測定物を前記全反射面に配置する被測定物配置部と、前記電磁波の検出を終えた前記被測定物を前記全反射面から排出する被測定物排出部とを備えるようにしてもよい。
【0025】
なお、本発明にかかる滑沢剤の展延解析装置は、前記展延判定部による前記展延状態の判定結果に基づき、前記粒子および前記滑沢剤の混合を停止させるようにしてもよい。
【0026】
本発明は、錠剤を構成する粒子および滑沢剤が混合されている被測定物における前記滑沢剤の展延状態を判定する装置であって、20GHz以上500THz以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器と、前記電磁波を全反射する全反射面を有し、該全反射面から生じるエバネッセント波を前記被測定物が受ける光学素子と、前記全反射面により全反射された前記電磁波を検出する電磁波検出器とを有する滑沢剤の展延解析装置を用いて滑沢剤の展延状態を判定する方法であって、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記電磁波の前記全反射面による反射率または該反射率に基づく値を、前記電磁波の周波数と、前記粒子または前記被測定物の製造条件とに対応づけて導出するスペクトル導出工程と、前記スペクトル導出工程の導出結果から、前記製造条件に基づく特徴を抽出する特徴抽出工程と、を備えた滑沢剤の展延判定方法である。
【0027】
本発明は、錠剤を構成する粒子および滑沢剤が混合されている被測定物における前記滑沢剤の展延状態を判定する装置であって、20GHz以上500THz以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器と、前記電磁波を全反射する全反射面を有し、該全反射面から生じるエバネッセント波を前記被測定物が受ける光学素子と、前記全反射面により全反射された前記電磁波を検出する電磁波検出器とを有する滑沢剤の展延解析装置を用いて滑沢剤の展延状態を判定する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記滑沢剤の展延状態を判定する処理が、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記電磁波の前記全反射面による反射率または該反射率に基づく値を、前記電磁波の周波数と、前記粒子または前記被測定物の製造条件とに対応づけて導出するスペクトル導出工程と、前記スペクトル導出工程の導出結果から、前記製造条件に基づく特徴を抽出する特徴抽出工程と、を備えたプログラムである。
【0028】
本発明は、錠剤を構成する粒子および滑沢剤が混合されている被測定物における前記滑沢剤の展延状態を判定する装置であって、20GHz以上500THz以下の周波数の電磁波を出力する電磁波出力器と、前記電磁波を全反射する全反射面を有し、該全反射面から生じるエバネッセント波を前記被測定物が受ける光学素子と、前記全反射面により全反射された前記電磁波を検出する電磁波検出器とを有する滑沢剤の展延解析装置を用いて滑沢剤の展延状態を判定する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、前記滑沢剤の展延状態を判定する処理が、前記電磁波検出器の検出結果に基づき、前記電磁波の前記全反射面による反射率または該反射率に基づく値を、前記電磁波の周波数と、前記粒子または前記被測定物の製造条件とに対応づけて導出するスペクトル導出工程と、前記スペクトル導出工程の導出結果から、前記製造条件に基づく特徴を抽出する特徴抽出工程と、を備えた記録媒体である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1の構成を示す図である。滑沢剤の展延解析装置1は、電磁波検出装置10、展延判定装置20、粉末混合装置30を備える。
【0032】
粉末混合装置30は、粒子および滑沢剤を混合する装置である。粒子は、錠剤を構成し、例えば賦形剤(ラクトース等)である。ラクトースは、医薬品の賦形剤としてよく用いられる。滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウムである。粉末混合装置30により混合された粉末は、打錠され、錠剤となる。粉末混合装置30には、粒子(賦形剤)および滑沢剤が混合されている混合物が収容されている。混合は、ある程度の時間(例えば、30分または60分)をかけて行う。粒子(賦形剤)および滑沢剤が混合される時間を、混合時間という。なお、混合物は、重量比において、賦形剤を滑沢剤よりも極めて大量に含むものとする。例えば、混合物は、重量比で98%のラクトースと2%の滑沢剤を含むものとする。ただし、混合物が、主薬や添加物を含んでいてもよい。
【0033】
電磁波検出装置10は、被測定物取得部11、被測定物配置部13、被測定物排出部15、電磁波出力器12、光学素子14、加圧器16、電磁波検出器18を有する。
【0034】
被測定物取得部11は、粉末混合装置30に収容された、粒子(賦形剤)および滑沢剤が混合されている混合物から、被測定物2を取得する。被測定物2も混合物の一部であり、粒子および滑沢剤が混合されているものである。滑沢剤の展延解析装置1は、被測定物2における滑沢剤の展延状態を判定する装置である。
【0035】
なお、被測定物2の取得は、被測定物取得部11によらずに、人手によって行われてもよい。また、被測定物2は、混合物から、複数個(例えば、10個)取得してもよい。被測定物2の取得は、所定の混合時間ごと(例えば、0分、5分、10分、15分、30分、…)に行われる。
【0036】
なお、混合物を打錠して錠剤としたものを、被測定物2としてもよいが、混合物を粉体のままの状態で被測定物2とすることが望ましい。
【0037】
被測定物配置部13は、被測定物取得部11により取得された被測定物2を全反射面14aに配置する。なお、被測定物2の全反射面14aへの配置は、人手によって行われてもよい。
【0038】
被測定物排出部15は、電磁波検出器18による電磁波(テラヘルツ波)の検出を終えた被測定物2を、全反射面14aから排出する。なお、被測定物2の排出は、人手によって行われてもよい。
【0039】
電磁波出力器12は、20GHz以上500THz以下の周波数の電磁波を出力する。なお、電磁波出力器12の出力する電磁波の周波数は、被測定物2の表面状態の変化を、被測定物2の吸収の変化として測定するために適した0.02THz〜12THzのテラヘルツ領域であることが望ましい。そこで、本実施の形態においては、電磁波出力器12が出力する電磁波がテラヘルツ波であるものとして説明する。
【0040】
光学素子14は、例えばATRプリズムである。ただし、ATRは、全反射減衰(Attenuated
Total Reflection)を意味する。光学素子14は、全反射面14a、入射面14b、出射面14cを有する。
【0041】
入射面14bは、電磁波出力器12からテラヘルツ波を受ける。光学素子14の屈折率は、光学素子14の周囲にある空気の屈折率よりも高く、テラヘルツ波は屈折して全反射面14aに向かう。
【0042】
全反射面14aは、入射面14bを通過したテラヘルツ波を全反射する。すなわち、光学素子14の内部で全反射が生じる。なお、光学素子14内を伝搬する電磁波(テラヘルツ波)は、全反射面14aに対し臨界角以上で入射すると、光学素子14内部で全反射される。
【0043】
なお、被測定物2は光学素子14の外部に配置され、かつ、全反射面14aに接している。これにより、全反射面14aから生じるエバネッセント波を被測定物2が受けることとなる。また、光学素子14の屈折率は、被測定物2の屈折率より大きいことが望ましい。
【0044】
光学素子14内で電磁波(テラヘルツ波)が全反射されている全反射面14aの領域では、その裏面(光学素子14の外側)にエバネッセント波がしみ出す。エバネッセント波のしみ出し長Dpは、電磁波の波長λ、光学素子14の屈折率n
1、被測定物2の屈折率n
2、光学素子14内の全反射面14aへの入射角θを用いて以下の式で表すことができる。
【0045】
【数1】
このエバネッセント波がしみ出した領域に被測定物2を配置すると、被測定物2の特徴的な吸収に関する分光情報が得られる。
【0046】
ATR分光法ではエバネッセント波のしみ出し長に相当する波長オーダーあるいはそれ以下の領域の被測定物2に関する情報が得られるため、被測定物2の表面のわずかな変化を感度良くセンシング可能である。
【0047】
出射面14cは、全反射面14aにより全反射されたテラヘルツ波が空気へ出射される面である。
【0048】
加圧器16は、被測定物2を全反射面14に押しつけている。これにより、被測定物2は全反射面14に密着する。
【0049】
電磁波検出器18は、全反射面14aにより全反射されたテラヘルツ波の強度を検出する。
【0050】
図2は、本発明の実施形態にかかる展延判定装置20の構成を示す機能ブロック図である。
【0051】
展延判定装置20は、AD変換器20a、参照スペクトル記録部20b、混合時間入力部20c、スペクトル導出部20d、スペクトル記録部20e、特徴周波数記録部20f、特徴スペクトル抽出部20g、特徴スペクトル記録部20h、展延判定部20i、展延記録部20j、表示器20kを有する。
【0052】
AD変換器20aは、電磁波検出器18により検出されたテラヘルツ波の強度(アナログ信号である)を、デジタル信号に変換して出力する。
【0053】
参照スペクトル記録部20bは、光学素子14に被測定物2を配置しない状態で測定される全反射減衰量スペクトル(電磁波出力器12の出力する電磁波の周波数に対応づけられた全反射面14aの反射率)を、参照スペクトルとして記録する。
【0054】
参照スペクトルを利用することで、電磁波出力器12から出射される電磁波の揺らぎ等を含んだシステムの測定揺らぎを抑えた全反射減衰量スペクトルを得ることができる。
【0055】
混合時間入力部20cは、被測定物2の取得が行われた混合時間(例えば、0分、5分、10分、…)を、スペクトル導出部20dに入力するものである。例えば、人手により入力してもよい。
【0056】
展延判定装置20のスペクトル導出部20dなどが、下記の各々の実施形態において異なる。
【0057】
第一の実施形態
スペクトル導出部20dは、電磁波検出器18の検出結果を、AD変換器20aを介して受ける。スペクトル導出部20dは、電磁波検出器18の検出結果に基づき、テラヘルツ波の全反射面14aによる反射率(または、反射率に基づく値)を、テラヘルツ波の周波数と、混合時間とに対応づけて導出する。なお、被測定物2は複数個取得した場合は、各々の被測定物2について測定された反射率の平均を、スペクトル導出部20dによる導出結果とする。
【0058】
また、全反射面14aによる反射率は、原理的には、(電磁波検出器18の検出したテラヘルツ波の強度)/(電磁波出力器12の出力したテラヘルツ波の強度)である。ただし、参照スペクトル記録部20bの記録内容に基づき、反射率を校正することで、電磁波出力器12から出射される電磁波の揺らぎ等を含んだシステムの測定揺らぎを抑えた全反射減衰量スペクトルを得ることができる。
【0059】
なお、反射率に基づく値は、例えば、テラヘルツ波の全反射面14aにおける吸収率(「100%−反射率」または「−log
10(反射率)」)である。
【0060】
スペクトル記録部20eは、スペクトル導出部20dの導出結果(スペクトル)を記録する。スペクトル記録部20eの記録内容の一例は、
図4を参照されたい。
【0061】
図3は、ラクトース(賦形剤)とステアリン酸マグネシウム(滑沢剤)のATRスペクトルを示す。
図3を参照して、およそ0.3THz〜2THzのテラヘルツ波の全反射面14aによる反射率(ATR(%))を測定した結果、ラクトースには測定した周波数領域に特徴的な吸収が現れ(0.53THzおよび1.37THzにおいておおむね93%)、ステアリン酸マグネシウムには特徴的な吸収が見られないことがわかる。
【0062】
全反射面14a上にしみ出すエバネッセント波の強さは、全反射面14a上が最も強く、全反射面14aから離れるにしたがって指数関数的に減衰することが知られている。また、全反射面14a上にある被測定物2の屈折率が高いとしみ出し長が長くなることも知られている。
【0063】
よって、充分な混合時間をかけて混合された混合物から取得された被測定物2においては、滑沢剤の展延により、被測定物2の表面の浅い部分(エバネッセント波がかかる部分)における空気層の分布が少なくなり、ラクトースが多く分布する。よって、ラクトースにより、0.53THzおよび1.37THzの近傍において、エバネッセント波が吸収されやすくなる。よって、テラヘルツ波の全反射面14aによる反射率は低い。
【0064】
すなわち、滑沢剤の展延により、個々のラクトース粒子が被膜された状態となり、粒子の流動性が増したことで、全反射面14a直上ではラクトース粒子が滑らかに密着し、空気層の分布が少なくなったものである。また、滑沢剤が展延したラクトース粒子が滑らかに密着することで、エバネッセント波の強い領域にラクトースがかかる割合が高くなり、吸収率の平均値が高くなる。さらに、空気層が、薄い滑沢剤の被膜とラクトースの層に置き換わったため、エバネッセント波のしみ出し長が長くなり、吸収がさらに強められている。
【0065】
一方、充分ではない混合時間をかけて混合された混合物から取得された被測定物2においては、滑沢剤が充分には展延せず、被測定物2の表面の浅い部分(エバネッセント波がかかる部分)における空気層の分布が多くなる。よって、0.53THzおよび1.37THzの近傍においても、テラヘルツ波が反射されやすくなる。よって、テラヘルツ波の全反射面14aによる反射率は高い。
【0066】
図4は、混合時間ごとの、テラヘルツ波の全反射面14aによる反射率の概念図である。なお、
図4は概念図なので、図示されている反射率はおおまかな値であり、おおよその傾向を示すに過ぎないものである。
【0067】
混合時間が0分であれば、被測定物2の表面の浅い部分には空気層が多く分布し、テラヘルツ波が全反射される(反射率100%)。
【0068】
混合時間が10分であれば、被測定物2の表面の浅い部分には、ラクトースがやや多く分布し、ラクトースにより、0.53THzおよび1.37THzの近傍において、エバネッセント波が吸収されやすくなる。よって、0.53THzおよび1.37THzの近傍において、テラヘルツ波の反射率が低くなる。被測定物2の表面の浅い部分には、空気層も分布しているので、93%までは低くならない。
【0069】
混合時間が30分であれば、被測定物2の表面の浅い部分には、ラクトースが多く分布し、ラクトースにより、0.53THzおよび1.37THzの近傍において、エバネッセント波が吸収されやすくなる。よって、0.53THzおよび1.37THzの近傍において、テラヘルツ波の反射率が低くなる。被測定物2の表面の浅い部分には、ほとんど空気層が分布しないので、93%程度まで低くなる。
【0070】
特徴周波数記録部20fは、所定の周波数領域を記録する。ただし、粒子(賦形剤:ラクトース)の所定の周波数領域におけるテラヘルツ波の吸収率が、粒子の所定の周波数領域以外の周波数領域におけるテラヘルツ波の吸収率と比べて変化している(例えば、高くなっている)。
【0071】
粒子としてラクトースを用いる場合、所定の周波数領域は、
図3を参照して、0.53THzおよび1.37THzの一方または双方の近傍である。ここでは、0.53THzの近傍を、所定の周波数領域とする。
【0072】
特徴スペクトル抽出部20gは、スペクトル導出部20dの導出結果から、所定の周波数領域の部分を抽出する。なお、特徴スペクトル抽出部20gは、所定の周波数領域を、特徴周波数記録部20fから読み出す。特徴スペクトル記録部20hは、特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果を記録する。
【0073】
図5は、第一の実施形態にかかる特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果の概念図である。なお、
図5は概念図なので、図示されている反射率はおおまかな値であり、おおよその傾向を示すに過ぎないものである。
【0074】
混合時間が0分の場合は、0.53THzの近傍のテラヘルツ波の反射率が100%であるが、混合時間5分、10分、15分と経過していくにつれて、反射率が小さくなり、混合時間が30分以降は、反射率93%で一定となる。
【0075】
展延判定部20iは、特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果の、混合時間の経過に対する変化に基づき、滑沢剤の展延状態を判定する。
【0076】
第一の実施形態においては、特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果が、混合時間の経過に対して、一定の値に、または所定の範囲内での変動を見せた場合に、滑沢剤が充分に展延したものと判定する。
図5の例では、混合時間=30分の時点で、滑沢剤が充分に展延したものと判定する。混合時間が30分未満の場合は、滑沢剤が充分に展延していないものと判定する。
【0077】
展延判定部20iによる展延状態の判定結果が、滑沢剤が充分に展延したという場合、展延判定部20iは粉末混合装置30を制御し、粒子および滑沢剤の混合を停止させる。
【0078】
展延記録部20jは、展延判定部20iの判定結果を記録する。なお、展延記録部20jの記録内容は、滑沢剤が充分に展延したという判定であれば「混合の停止」、滑沢剤が充分に展延していないという判定であれば「混合の継続」といったものでもよい。
【0079】
表示器20kは、スペクトル記録部20e、特徴スペクトル記録部20hおよび展延記録部20jの記録内容を表示する。
【0080】
次に、第一の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1の動作を説明する。
【0081】
まず、被測定物取得部11により、粉末混合装置30に収容されている混合物から、所定の混合時間ごとに(例えば、0分、5分、10分、15分、30分、…)、複数個の被測定物2を取得する。
【0082】
取得された被測定物2は、一個ずつ、被測定物配置部13により、全反射面14aに配置していく。全反射面14aに配置された被測定物2は、加圧器16により、全反射面14aに押し付けられる。
【0083】
電磁波出力器12から出力されたテラヘルツ波は、入射面14bから光学素子(ATRプリズム)14に入射され、光学素子14内を伝搬し、全反射面14aに向かう。テラヘルツ波は、全反射面14aにより全反射されるが、その際、全反射面14aからエバネッセント波がしみ出す。エバネッセント波を、被測定物2の表面の浅い部分が受ける。
【0084】
被測定物2の表面の浅い部分のラクトース(賦形剤)が、周波数0.53THzおよび1.37THzの成分を吸収する一方で、空気はテラヘルツ波を反射する。
【0085】
全反射面14aにより全反射されたテラヘルツ波は、出射面14cから空気へ出射され、電磁波検出器18により強度が検出される。
【0086】
検出された強度は、AD変換器20aにより、デジタル信号に変換されて、スペクトル導出部20dに与えられる。テラヘルツ波の強度を検出し終えれば、被測定物2を、被測定物排出部15により、全反射面14aから排出する。そして、次の被測定物2を全反射面14aに配置し、全反射面14aに押し付け、全反射面14aから排出するという工程を、全ての被測定物2について繰り返す。
【0087】
スペクトル導出部20dは、電磁波検出器18により検出された強度に基づき、テラヘルツ波の周波数に対応づけた全反射面14aの反射率を導出する(
図4参照)。
【0088】
また、スペクトル導出部20dは、混合時間入力部20cから混合時間を取得する。これにより、全反射面14aの反射率を、混合時間に対応づけることができる(
図4参照)。
【0089】
さらに、スペクトル導出部20dは、参照スペクトル記録部20bから、光学素子14に被測定物2を配置しないときの全反射面14aの反射率を取得する。これにより、全反射面14aの反射率を校正することができる。
【0090】
なお、スペクトル導出部20dは、各々の被測定物2について測定された全反射面14aの反射率の平均を、スペクトル導出部20dによる導出結果として出力する。
【0091】
スペクトル導出部20dの導出結果(
図4参照)は、スペクトル記録部20eに記録され、かつ、特徴スペクトル抽出部20gに与えられる。特徴スペクトル抽出部20gは、スペクトル導出部20dの導出結果(
図4参照)から、所定の周波数領域(例えば、0.53THzの近傍)の部分を抽出する(
図5参照)。なお、特徴スペクトル抽出部20gは、所定の周波数領域を、特徴周波数記録部20fから読み出す。特徴スペクトル記録部20hは、特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果を記録する。
【0092】
展延判定部20iは、特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果の、混合時間の経過に対する変化に基づき、滑沢剤の展延状態を判定する。例えば、
図5を参照し、反射率93%で一定となる混合時間=30分で、滑沢剤が充分に展延していると判定する。展延記録部20jは、展延判定部20iの判定結果を記録する。
【0093】
表示器20kは、スペクトル記録部20e、特徴スペクトル記録部20hおよび展延記録部20jの記録内容を表示する。
【0094】
また、展延判定部20iによる展延状態の判定結果が、滑沢剤が充分に展延したという場合、展延判定部20iは粉末混合装置30を制御し、粒子および滑沢剤の混合を停止させる。
【0095】
また、被測定物2を破壊検査手法(錠剤硬度検査、かさ密度検査、排出力検査および接触角検査など)によって測定したデータにより、展延判定部20iの判定の校正を行ってもよい。
【0096】
第一の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1によれば、被測定物2における滑沢剤の展延状態に応じて変化する、所定の周波数領域(ラクトースの吸収率が高い領域(例えば、0.53THzの近傍))における全反射面14aの反射率(ATRスペクトル)を、特徴スペクトル抽出部20gにより抽出するので、滑沢剤の展延状態の正確に測定することができる。
【0097】
第二の実施形態
第二の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1は、スペクトル導出部20dが、全反射面14aによる反射率(または吸収率)をテラヘルツ波の周波数で2次微分した値を導出する点が、第一の実施形態と異なる。
【0098】
第二の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1における電磁波検出装置10および粉末混合装置30は、上記と同様であり説明を省略する。
【0099】
第二の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1における展延判定装置20のうち、AD変換器20a、参照スペクトル記録部20bおよび混合時間入力部20cは、上記と同様であり説明を省略する。
【0100】
スペクトル導出部20dは、電磁波検出器18の検出結果を、AD変換器20aを介して受ける。スペクトル導出部20dは、電磁波検出器18の検出結果に基づき、テラヘルツ波の全反射面14aによる反射率に基づく値を、テラヘルツ波の周波数と、混合時間とに対応づけて導出する。なお、被測定物2は複数個取得した場合は、各々の被測定物2について測定された反射率に基づく値の平均を、スペクトル導出部20dによる導出結果とする。
【0101】
なお、反射率に基づく値は、反射率をテラヘルツ波の周波数で2次微分した値、または吸収率をテラヘルツ波の周波数で2次微分した値である。
【0102】
図6は、第二の実施形態にかかる、混合時間ごとの、テラヘルツ波の全反射面14aによる反射率をテラヘルツ波の周波数で2次微分した値を示す図である。なお、
図6中の(a)は、2次微分値の極値(ただし、混合時間が30分または60分)、
図6中の(b)は、2次微分値の極値(ただし、混合時間が10分)、
図6中の(c)は、2次微分値の極値(ただし、混合時間が2分)、
図6中の(d)は、2次微分値の極値(ただし、混合時間が5分)を示す。ただし、混合時間が30分の場合と、60分の場合とでは、0.53THzの近傍において、2次微分値はほとんど差異が無い。
【0103】
図6を参照して、ラクトースの特徴的な吸収周波数(0.53THz)の近傍(所定の周波数領域)では、混合時間が5分、10分と経過していくにつれて、2次微分値が高くなり、30分以降はほぼ一定となることがわかる。なお、2次微分値が正の値をとるということは、反射率を縦軸にとり、周波数を横軸にとって、反射率を図示したグラフが下に凸(谷)であることを意味する。2次微分値が正の値をとり、かつ増大するということは、反射率を図示したグラフの下に凸(谷)の部分がより深くなった(ラクトースの吸収が強くなった)ことを意味する。
【0104】
スペクトル記録部20eは、スペクトル導出部20dの導出結果(スペクトル)を記録する。スペクトル記録部20eの記録内容の一例は、
図6を参照されたい。
【0105】
特徴周波数記録部20fは、第一の実施形態と同様であり、所定の周波数領域(例えば、0.53THzの近傍)を記録する。
【0106】
特徴スペクトル抽出部20gは、スペクトル導出部20dの導出結果から、所定の周波数領域の部分を抽出する。なお、特徴スペクトル抽出部20gは、所定の周波数領域を、特徴周波数記録部20fから読み出す。特徴スペクトル記録部20hは、特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果を記録する。
【0107】
図7は、第二の実施形態にかかる特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果の概念図である。なお、
図7は概念図なので、図示されている2次微分値はおおまかな値であり、おおよその傾向を示すに過ぎないものである。
【0108】
混合時間5分、10分と経過していくにつれて、2次微分値が大きくなり、混合時間が30分以降は、2次微分値が60程度で一定となる。
【0109】
展延判定部20iは、特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果の、混合時間の経過に対する変化に基づき、滑沢剤の展延状態を判定する。
【0110】
第二の実施形態においては、特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果が、混合時間の経過に対して、一定の値に、または所定の範囲内での変動を見せた場合に、滑沢剤が充分に展延したものと判定する。
図7の例では、混合時間=30分の時点で、滑沢剤が充分に展延したものと判定する。混合時間が30分未満の場合は、滑沢剤が充分に展延していないものと判定する。
【0111】
展延記録部20jおよび表示器20kは、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0112】
第二の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1の動作は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。ただし、スペクトル導出部20dの導出結果は、反射率(または吸収率)をテラヘルツ波の周波数で2次微分した値であり(
図6参照)、特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果は
図7を参照されたい。
【0113】
第二の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1によれば、第一の実施形態と同様の効果を奏する。なお、第二の実施形態においては、「2次微分」と記載したが、1次微分でもよく、n次微分(nは1以上の整数)であればよい。また、テラヘルツ波の周波数で2次微分等すると説明したが、テラヘルツ波の周波数に限らず、テラヘルツ波の波長または波数で2次微分等してもよい。すなわち、テラヘルツ波の周波数に基づく値で1次以上の微分を行えばよい。
【0114】
第三の実施形態
第三の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1は、スペクトル導出部20dが、(1)全反射面14aによる反射率、(2)全反射面14aによる吸収率、(3)全反射面14aによる反射率または吸収率をテラヘルツ波の周波数で2次微分した値、のいずれかの標準偏差を導出する点が、第一の実施形態と異なる。なお、第三の実施形態においては、「2次微分」と記載したが、1次微分でもよく、n次微分(nは1以上の整数)であればよい。また、テラヘルツ波の周波数で2次微分等すると説明したが、テラヘルツ波の周波数に限らず、テラヘルツ波の波長または波数で2次微分等してもよい。すなわち、テラヘルツ波の周波数に基づく値で1次以上の微分を行えばよい。
【0115】
第三の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1における電磁波検出装置10および粉末混合装置30は、上記と同様であり説明を省略する。
【0116】
第三の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1における展延判定装置20のうち、AD変換器20a、参照スペクトル記録部20bおよび混合時間入力部20cは、上記と同様であり説明を省略する。
【0117】
スペクトル導出部20dは、電磁波検出器18の検出結果を、AD変換器20aを介して受ける。スペクトル導出部20dは、電磁波検出器18の検出結果に基づき、テラヘルツ波の全反射面14aによる反射率に基づく値を、テラヘルツ波の周波数と、混合時間とに対応づけて導出する。
【0118】
ただし、被測定物2は複数個取得されるものとする。また、反射率に基づく値は、各々の被測定物2について測定された(1)全反射面14aによる反射率、(2)全反射面14aによる吸収率、(3)全反射面14aによる反射率または吸収率をテラヘルツ波の周波数で2次微分した値、のいずれかの標準偏差である。
【0119】
スペクトル記録部20eは、スペクトル導出部20dの導出結果(スペクトル)を記録する。
【0120】
特徴周波数記録部20fは、第一の実施形態と同様であり、所定の周波数領域(例えば、0.53THzの近傍)を記録する。
【0121】
特徴スペクトル抽出部20gは、スペクトル導出部20dの導出結果から、所定の周波数領域の部分を抽出する。なお、特徴スペクトル抽出部20gは、所定の周波数領域を、特徴周波数記録部20fから読み出す。特徴スペクトル記録部20hは、特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果を記録する。
【0122】
図8は、第三の実施形態にかかる、所定の周波数領域における、被測定物2ごとのテラヘルツ波の全反射面14aによる反射率をテラヘルツ波の周波数で2次微分した値の範囲を、混合時間ごとに示す図である。なお、
図8においては、2次微分値の範囲の中央に○印を打ってある。また、所定の周波数領域は、0.53THzの近傍としている。
【0123】
混合時間0分、2分、5分、10分と経過していくにつれて、2次微分値の範囲が狭くなっていき、混合時間が30分以降は、2次微分値の範囲がほぼ一定となる。これは、(1)混合時間が短いうちは、ラクトース粒子表面への滑沢剤の付着状態にばらつきが大きいので、2次微分値の範囲が広くなる、(2)混合時間が長くなると、滑沢剤が充分に展延し、ラクトース粒子表面への滑沢剤の付着状態のばらつきが小さくなるので、2次微分値の範囲が狭くなる、といったことを意味する。ばらつきの大小を、2次微分値の標準偏差の大小として取得する。混合時間が30分以降は、2次微分値の標準偏差も小さく、ほぼ一定となる。
【0124】
展延判定部20iは、特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果の、混合時間の経過に対する変化に基づき、滑沢剤の展延状態を判定する。
【0125】
第三の実施形態においては、特徴スペクトル抽出部20gの抽出結果が、混合時間の経過に対して、一定の値に、または所定の範囲内での変動を見せた場合に、滑沢剤が充分に展延したものと判定する。
図8の例では、混合時間=30分の時点で、滑沢剤が充分に展延したものと判定する。混合時間が30分未満の場合は、滑沢剤が充分に展延していないものと判定する。
【0126】
展延記録部20jおよび表示器20kは、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0127】
第三の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1の動作は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。ただし、スペクトル導出部20dの導出結果は、反射率(または吸収率)の標準偏差、または、反射率(または吸収率)をテラヘルツ波の周波数で2次微分した値の標準偏差である。
【0128】
第三の実施形態にかかる滑沢剤の展延解析装置1によれば、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
【0129】
なお、これまで、混合時間入力部20cにより、混合時間を入力するとして説明をしてきた。しかし、混合時間入力部20cにより、粉末混合装置30の回転数(粒子や滑沢剤を混合する容器を単位時間あたり回転させる回数)を入力するようにしてもよい。混合時間入力部20cにより、混合時間および粉末混合装置30の回転数を入力するようにしてもよい。すなわち、粒子または被測定物の製造条件を入力すればよい。
【0130】
また、特徴スペクトル抽出部20gにかえて、スペクトル導出部20dの導出結果を主成分分析することにより主成分を得るようにしてもよい。
【0131】
また、上記の実施形態は、以下のようにして実現できる。CPU、ハードディスク、メディア(フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータに、上記の各部分、例えば展延判定装置20を実現するプログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールする。このような方法でも、上記の機能を実現できる。