特許第6167247号(P6167247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6167247
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】積み木及び積み木ユニット
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/08 20060101AFI20170710BHJP
   A63H 33/12 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   A63H33/08 B
   A63H33/12
【請求項の数】25
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-558259(P2016-558259)
(86)(22)【出願日】2015年3月4日
(65)【公表番号】特表2016-540620(P2016-540620A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】CN2015073632
(87)【国際公開番号】WO2016015470
(87)【国際公開日】20160204
【審査請求日】2016年6月13日
(31)【優先権主張番号】201410368610.7
(32)【優先日】2014年7月30日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520024124.3
(32)【優先日】2015年1月14日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520024153.X
(32)【優先日】2015年1月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516176305
【氏名又は名称】厦▲門▼吉信▲徳▼▲寵▼物用品有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】▲る▼ 孔知
【審査官】 古川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公告第371638(GB,A)
【文献】 実開昭55−175148(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3122924(JP,U)
【文献】 特開2004−337202(JP,A)
【文献】 実公昭49−41435(JP,Y1)
【文献】 特表2009−509112(JP,A)
【文献】 西独国特許出願公開第2604821(DE,A)
【文献】 登録実用新案第3146766(JP,U)
【文献】 特開平2−161973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 − 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み木であって、
六面体のベースユニットと2つの前記ベースユニットを接続する接続部品とを含み、
前記ベースユニットの各面にそれぞれ4つの接続孔が均等に設置され、前記ベースユニットの各面にさらにスロットが設けられ、
対向する2つの面の前記接続孔がその他の4つの面の前記スロットを介して一対一に連通し、
前記接続部品は、前記ベースユニットの1つの面の接続孔から挿入され、かつ前記スロットを通って対向する別の面の接続孔から突出して、別のベースユニットに接続されることを特徴とする、積み木。
【請求項2】
前記ベースユニットは正方体であり、前記正方体の各面の各側辺の内側に対応して1つの前記接続孔が設けられ、前記スロットが前記ベースユニットの各面の中心から当該面の各接続孔へ延伸して設置されることを特徴とする、請求項1に記載の積み木。
【請求項3】
前記接続部品は薄い長方体であり、前記接続孔の横断面は長辺がその対応する側辺と平行する長方形であり、前記接続孔の前記スロットに近い内側壁と前記スロットが繋がっており、前記各スロットの底面によって小正方体が形成されることを特徴とする、請求項2に記載の積み木。
【請求項4】
前記接続部品の底面にはその長さ方向に沿って延伸する第一線形溝が設けられ、前記接続部品の底面の両端には前記第一線形溝に垂直な第二線形溝が設けられ、前記小正方体の各面には前記第一線形溝及び第二線形溝とマッチする十字形隆線が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の積み木。
【請求項5】
前記小正方体の各面にそれぞれピン孔が設けられ、前記接続部品の両端にそれぞれ位置決め孔が設けられ、
前記接続部品は、2つの位置決めピンが前記位置決め孔及び前記ピン孔を貫通することにより前記ベースユニットに固定接続されることを特徴とする、請求項3に記載の積み木。
【請求項6】
前記接続部品の底面にはその長さ方向に沿って延伸する隆線が設けられ、前記小正方体の各面には前記隆線とマッチする線形溝が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の積み木。
【請求項7】
前記隆線に凹部が形成され、前記線形溝には前記凹部とマッチして前記接続部品の位置を決める突起が設けられていることを特徴とする、請求項6に記載の積み木。
【請求項8】
前記接続部品の両端にそれぞれ積み木を分解し易くするための貫通孔が設けられていることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に前記の積み木。
【請求項9】
前記接続部品の長さは前記ベースユニットの前記正方体の辺長の二倍であることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか一項に記載の積み木。
【請求項10】
積み木ユニットであって、
不完全な正方体ユニットと接続部品とを含み、
前記不完全な正方体ユニットは切削部を有し、
前記切削部は、正方体ユニットの一つの側面の角の両側辺からその対向する側面の対応する角の側辺へ延伸して切削することで得られ、
前記不完全な正方体ユニットにおいて、前記切削部が設けられた対向する2つの面にそれぞれ2つの接続孔が設けられ、前記切削部が設けられた隣接する2つの面にそれぞれ1つの接続孔が設けられ、残りの2つの隣接面にそれぞれ4つの接続孔が設けられ、前記対向する2つの面の接続孔がそれぞれ連通し、前記接続部品の一端が連通する2つの接続孔の中に挿入され、他端が不完全な正方体ユニットの側面に露出する、積み木ユニット。
【請求項11】
前記切削部は直角三角柱体であり、前記直角三角柱体は前記不完全な正方体ユニットの互いに垂直な2つの側面の一部を2つの矩形面とし、
前記直角三角柱体の端面の三角形斜辺は、前記不完全な正方体ユニットの一側辺の端点を除く任意の一つの点とその隣接する側辺の端点を除く任意の一つの点との接続線であることを特徴とする、請求項10に記載の積み木ユニット。
【請求項12】
前記直角三角柱体の端面の三角形斜辺は、前記不完全な正方体ユニットの一側辺の中点とその隣接する側辺の中点との接続線であることを特徴とする、請求項11に記載の積み木ユニット。
【請求項13】
前記切削部は切削面を含み、前記切削面は弧面であり、前記弧面の縁辺の弧形は前記不完全な正方体ユニットにおける一側辺の端点を除く任意の点及びその隣接する側辺の端点を除く任意の点によって形成される曲線であることを特徴とする、請求項10に記載の積み木ユニット。
【請求項14】
前記弧面の縁辺の弧形は、前記不完全な正方体ユニットの一側辺の中点及びその隣接する側辺の中点によって形成される曲線であることを特徴とする、請求項13に記載の組み合わせる積み木ユニット。
【請求項15】
前記接続孔の横断面はいずれも長辺がその対応する側辺と平行する長方形であることを特徴とする、請求項10に記載の積み木ユニット。
【請求項16】
4つの接続孔が設けられている2つの側面はいずれもその中部にスロットが形成され、前記側面の接続孔がそれぞれ前記スロットの側面に沿って設けられ、かつ、前記接続孔の前記スロットに近い内側壁と前記スロットとが連通して十字形のスロットを形成することを特徴とする、請求項10に記載の積み木ユニット。
【請求項17】
積み木ユニットであって、
不完全な正方体ユニットと接続部品とを含み、
前記不完全な正方体ユニットに角欠け構造が設けられ、前記角欠け構造は正方体の3つの隣接する側面を切削して形成され、かつ前記3つの隣接する側面の共同頂点を含み、前記不完全な正方体ユニットのその他の3つの側面の何れにも4つの第一接続孔が均等に配置され、前記角欠け構造を有する3つの側面にそれぞれ少なくとも2つの第二接続孔が設けられ、前記第二接続孔とその対向する側面の前記第一接続孔とがそれぞれ連通し、前記接続部品の一端が連通している前記第一接続孔と前記第二接続孔の中に挿入され、他端が前記不完全な正方体ユニットの側面に露出することを特徴とする、積み木ユニット。
【請求項18】
前記角欠け構造は、前記3つの隣接する側面のうちの2つ毎に対応する3つの頂点によって形成される弧面を含むことを特徴とする、請求項17に記載の積み木ユニット。
【請求項19】
前記弧面が前記不完全な正方体ユニットの一部の球形面に内接することを特徴とする、請求項18に記載の積み木ユニット。
【請求項20】
前記第一接続孔と前記第二接続孔の横断面はいずれも長辺がその対応する側辺と平行する長方形であることを特徴とする、請求項18に記載の積み木ユニット。
【請求項21】
前記不完全な正方体ユニットの各側面の中部にスロットが形成され、前記第一接続孔及び前記第二接続孔がそれぞれ前記スロットの側面に沿って設けられ、かつ前記第一接続孔の前記スロットに近い内側壁と前記スロットが連通して十字形スロットを形成し、前記第二接続孔の前記スロットに近い内側壁と前記スロットが連通してL形スロットを形成し、各スロットの底面によって小正方体が形成されることを特徴とする、請求項20に記載の積み木ユニット。
【請求項22】
各スロットの底面に十字形隆線が形成され、これに応じて前記接続部品には前記十字形隆線とマッチする十字形スロットが形成されていることを特徴とする、請求項21に記載の積み木ユニット。
【請求項23】
前記角欠け構造は、3つの隣接する側面のうち2つ毎に対応する3つの頂点によって形成される三角形斜面を含むことを特徴とする、請求項17に記載の積み木ユニット。
【請求項24】
前記不完全な正方体ユニットの角欠け構造が形成されていないその他の3つの面にそれぞれスロットが設けられ、前記第一接続孔がそれぞれ前記スロットの側面にそって均等に配置され、かつ、前記第一接続孔の前記スロットに近い内側壁と前記スロットが連通して十字形スロットを形成することを特徴とする、請求項23に記載の積み木ユニット。
【請求項25】
各スロットの底面に十字形隆線が設けられ、これに応じて前記接続部品には前記十字形隆線とマッチする十字形スロットが設けられていることを特徴とする、請求項24に記載の積み木ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は玩具分野に関し、具体的には積み木及び積み木を組み立てるための積み木ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
幼児期は人間の脳の成長が最も速い時期であり、また、手を動かす能力が乳幼児の脳の発育を促進する効果がある。現在、マーケットには既に一部の児童知育玩具、例えばパズル、ルービックキューブ及び積み木などが提供されており、特に積み木は自由に組み立てたり、分解したりできるため、子供に広く愛されている。
【0003】
公布番号CN103505887Aの中国発明特許が開示した原子積み木(atomic building blocks)は、積み木の幾つかの面に幾つかの接続口があって、接続口のタイプによって積み木を2種類の素子に分類し、一種類が凸型接続口のみを有する積み木素子であり、もう一種類が凹型接続口のみを有する積み木素子であり、2種類の積み木素子の凹凸接続口を接合させることにより積み木の空間的な三次元組み合わせを実現し、任意の形状と構造を作り出すことができる。しかし、2種類の積み木があるため、組み立てる時に積み木を見分ける必要があり、多くの乳幼児はこの2種類の積み木を見分けることができないため、三次元組み合わせもできない。
【0004】
登録公告番号CN203208698Uの中国発明特許が開示した積み木は、ベースと接続部品を含み、前記ベースが六面体であり、かつ前記ベースの天井面に固定孔が設けられ、前記ベースの底面、左右側面及び前後側面の何れにも接続部品に対応する接続孔が設けられている。このような構造の積み木は、積み木の分類問題を解決したものの、積み木が瓶缶の組み立てに用いられるため、組み立てる時に、積み木ベースにおいて瓶缶を接続するための固定孔を予め確保する必要がある。従って、ベースを各側面方向へ任意に延伸させることができず、ベースの延伸に一定の制限がある。また、ベースの左右、前後側面及び底面の何れにも接続孔が一つのみ設けられているため、5つの面を同時に接続した時に衝突し易い。また、比較的に短い接続部品を用いた場合、接続が不安定で脱離現象が起こり易く、また、接続孔への捻じ込みが深すぎると、その他の接続孔が接続できなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が提供する積み木及び積み木を組み立てるための積み木ユニットは、従来の積み木の延伸組立てに一定の制限があって、ベースの接続が不安定で、接続が難しく、及び接続部品が衝突し易いなどの問題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下の技術方案を用いるものである。
【0007】
技術方案1:積み木は六面体のベースユニットと2つの前記ベースユニットを接続する接続部品とを含み、ベースユニットの各面にそれぞれ4つの接続孔が均等に設置され、ベースユニットの各面にさらにスロットが設けられ、対向する2つの面の接続孔がその他の4つの面のスロットを介して一対一に連通し、接続部品はベースユニットの1つの面の接続孔から挿入され、かつスロットを通って対向する別の面の接続孔から突出して、別のベースユニットに接続される。
【0008】
好ましくは、上記ベースユニットは正方体であり、正方体の各面の各側辺の内側に対応して1つの上記接続孔が設けられ、上記スロットがベースユニットの各面の中心から当該面の各接続孔へ延伸して設置される。
【0009】
さらに、上記接続部品は薄い長方体であり、接続孔の横断面は長辺がその対応する側辺と平行する長方形であり、該接続孔の上記スロットに近い内側壁とスロットが繋がっており、上記各スロットの底面によって小正方体が形成される。
【0010】
上記積み木の接続部品とベースユニットとの接続方法の好ましい実施方案一:接続部品の底面にはその長さ方向に沿って延伸する第一線形溝が設けられ、接続部品の底面の両端には第一線形溝に垂直な第二線形溝が設けられ、小正方体の各面には第一線形溝及び第二線形溝とマッチする十字形隆線が設けられている。
【0011】
上記積み木の接続部品とベースユニットとの接続方法の好ましい実施方案二:小正方体の各面にそれぞれピン孔が設けられ、接続部品の両端にそれぞれ位置決め孔が設けられ、接続部品は2つの位置決めピンが位置決め孔及びピン孔を貫通することによりベースユニットに固定接続される。
【0012】
上記積み木の接続部品とベースユニットとの接続方法の好ましい実施方案三:接続部品の底面にはその長さ方向に沿って延伸する隆線が設けられ、小正方体の各面には隆線とマッチする線形溝が設けられ、上記隆線にさらに凹部が形成され、線形溝には該凹部とマッチして接続部品の位置を決める突起が設けられている。
【0013】
さらに、上記接続部品の両端にそれぞれ積み木を分解し易くするための貫通孔が設けられ、積み木を簡単かつ素早く解体することができる。上記接続部品の長さはベースユニットの正方体の辺長の二倍である。
【0014】
技術方案2:積み木を組み立てるための積み木ユニットは不完全な正方体ユニットと接続部品とを含み、該不完全な正方体ユニットは切削部を有し、該切削部は正方体ユニットの一つの側面の角の両側辺からその対向する側面の対応する角の側辺へ延伸して切削することで得られ、上記不完全な正方体ユニットにおいて、切削部が設けられた対向する2つの面にそれぞれ2つの接続孔が設けられ、切削部が設けられた隣接する2つの面にそれぞれ1つの接続孔が設けられ、残りの2つの隣接面にそれぞれ4つの接続孔が設けられ、対向する2つの面の接続孔がそれぞれ連通し、上記接続部品の一端が連通する2つの接続孔の中に挿入され、他端が不完全な正方体ユニットの側面に露出する。
【0015】
好ましい実施方案として、上記切削部は直角三角柱体であり、該直角三角柱体は不完全な正方体ユニットの互いに垂直な2つの側面の一部を2つの矩形面とし、該直角三角柱体の端面の三角形斜辺は不完全な正方体ユニットの一側辺の端点を除く任意の1つの点とその隣接する側辺の端点を除く任意の一つの点との接続線である。
【0016】
さらに、上記直角三角柱体の端面の三角形斜辺は、不完全な正方体ユニットの一側辺の中点とその隣接する側辺の中点との接続線である。
【0017】
別の好ましい実施方案として、上記切削部は切削面を含み、該切削面は弧面であり、該弧面の縁辺の弧形は不完全な正方体ユニットにおける一側辺の端点を除く任意の点及びその隣接する側辺の端点を除く任意の点によって形成される曲線である。
【0018】
さらに、上記弧面の縁辺の弧形は、不完全な正方体ユニットの一側辺の中点及びその隣接する側辺の中点によって形成される曲線である。
【0019】
上記接続孔の横断面はいずれも長辺がその対応する側辺と平行する長方形である。
【0020】
上記4つの接続孔が設けられている2つの側面は、いずれもその中部にスロットが形成され、該側面の接続孔がそれぞれスロットの側面に沿って設けられ、かつ、接続孔のスロットに近い内側壁とスロットとが繋がって十字形スロットを形成する。
【0021】
技術方案3:積み木を組み立てるための積み木ユニットは不完全な正方体ユニットと接続部品とを含み、該不完全な正方体ユニットに角欠け構造が設けられ、該角欠け構造は正方体の3つの隣接する側面を切削して形成され、かつ該3つの隣接する側面の共同頂点を含み、上記不完全な正方体ユニットのその他の3つの側面の何れにも4つの第一接続孔が均等に配置され、かつ角欠け構造を有する3つの側面にそれぞれ少なくとも2つの第二接続孔が設けられ、上記第二接続孔とその対向する側面の上記第一接続孔とがそれぞれ連通し、上記接続部品の一端が連通している第一接続孔と第二接続孔の中に挿入され、他端が不完全な正方体ユニットの側面に露出する。
【0022】
好ましい実施方式として、上記角欠け構造は、3つの隣接する側面のうちの2つ毎に対応する3つの頂点によって形成される弧面を含み、該弧面が該不完全な正方体ユニットの一部の球形面に内接する。
【0023】
上記第一接続孔と第二接続孔の横断面はいずれも長辺がその対応する側辺と平行する長方形である。
【0024】
上記不完全な正方体ユニットの各側面の中部にスロットが形成され、上記第一接続孔及び第二接続孔がそれぞれ上記スロットの側面に沿って設けられ、かつ第一接続孔のスロットに近い内側壁とスロットが繋がって十字形スロットを形成し、第二接続孔のスロットに近い内側壁とスロットが繋がってL形スロットを形成し、各スロットの底面によって小正方体が形成される。
【0025】
別の好ましい実施方式として、上記角欠け構造は、3つの隣接する側面のうち2つ毎に対応する3つの頂点によって形成される三角形斜面を含む。
【0026】
上記不完全な正方体ユニットにおいて角欠け構造が形成されていないその他の3つの面にそれぞれスロットが設けられ、第一接続孔がそれぞれ上記スロットの側面にそって均等に配置され、かつ、第一接続孔のスロットに近い内側壁とスロットが繋がって十字形スロットを形成する
以上二つの実施例において、各スロットの底面に十字形隆線が設けられ、上記接続部品に十字形隆線とマッチする十字形スロットが設けられている。
【0027】
[発明の効果]
(有利な効果)
1.上記構造の積み木のベースユニットの各面に4つの接続孔が均等に設けられ、かつ対向する2つの面の接続孔がスロットを介して一対一に連通し、接続部品がベースユニットの1つの面の任意の接続孔から別のベースユニットの対応する接続孔に挿入されて接続することができるため、2つのベースユニットを接続する選択可能性が広げるとともに、1つのベースユニットにおいて少なくとも1つの接続孔が別のベースユニットと接続することが保証され、かつ各接続部品が接続孔に挿入される時に衝突することなく、児童の多角度から問題を考える思考力を培い、及び三次元空間の想像能力を鍛えるに有利である。
【0028】
2.正方体構造を用いたベースユニットは、各面の形状が同一であり、分類する必要がなく、ベースユニットを別のベースユニットの6つの側面方向にそって延伸させて、さまざまな積み木を組み立てることが可能であり、児童の好奇心を満たすとともに、組立て時間を大幅に節約できる。
【0029】
3.ベースユニットの各面にスロットが設けられ、スロットによって対向する2つの接続孔を連通させるチャンネルが形成され、かつ6つの面のスロットの底面が小正方体を形成し、接続部品を支持する効果を有するほか、接続部品の挿入をガイドする効果も有し、接続部品とベースユニットの接続がし易くなる。
【0030】
4.上記構造の積み木の接続部品に隆線及び凹部が形成され、隆線は接続部品の強度を高めるだけではなく、接続ガイドの効果もあり、さらに、凹部とベースユニット内の突起を合わせて接続させることにより、接続部品とベースユニットの接続を堅固にして、互いに対しスライドする現象が起こらない。
【0031】
5.上記構造の積み木は、多様な積み木組み合わせが得られるため、かつ積み木の側面に弧度又は複数の角を有する構造を設けることができるため、児童に異なる体験をさせることが可能であり、児童の好奇心を一層満たし、児童の多角度から問題を考える思考能力を培い、及び三次元空間の想像力を鍛えるに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の好ましい実施の形態の構造概略図である。
図2】本発明の好ましい実施の形態の分解概略図である。
図3】本発明の実施例一の組立て構造概略図である。
図4】本発明の実施例二の分解概略図である。
図5】本発明の実施例三の構造概略図である。
図6】本発明の実施例三の組み立て構造概略図である。
図7】本発明の実施例三と正方体ユニットの組み立て構造概略図である。
図8】本発明の実施例四の構造概略図である。
図9】本発明の実施例四の組み立て構造概略図である。
図10】本発明の実施例四と正方体ユニットの組み立て構造概略図である。
図11】本発明の実施例五の構造概略図である。
図12】本発明の実施例五の背面図である。
図13】本発明の実施例五の組み立て構造概略図である。
図14】本発明の実施例五と正方体ユニットの組み立て構造概略図である。
図15】本発明の実施例六の構造概略図である。
図16】本発明の実施例六の背面図である。
図17】本発明の実施例六の組み立て構造概略図である。
図18】本発明の実施例六と正方体ユニットの組み立て構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1図2が示すように、積み木はベースユニット10と、2つの前記ベースユニット10を接続する接続部品20とを含み、ベースユニット10は六面体であり、本実施例では正方体構造であり、正方体の各面の各側辺の内側に対応して接続孔11が形成され、接続孔11の横断面が長方形であり、その長辺が対応する側辺と平行である。ベースユニット10の各面にさらにスロット12が形成され、かつ、対向する2つの面における接続孔11がその他の4つの面におけるスロット12を介して一対一に連通する。上記スロット12は、ベースユニット10の各面の中心から当該面の各接続孔11へ延伸して形成され、接続孔11のスロット12に近い内側壁とスロット12とが繋がっており、各スロット12の底面によって小正方体13が形成される。スロット12の底面は、接続部品20を支持する機能を有するだけではなく、接続部品20の挿入をガイドする機能も有し、接続部品20とベースユニット10を接続し易くなる。
【0034】
図2が示すように、接続部品20は薄い長方体であり、接続部品20の底面にはその長さ方向に沿って延伸する第一線形溝21が形成され、接続部品20の底面の両端には第一線形溝21に垂直な第二線形溝22が形成され、小正方体13の各面には第一線形溝21及び第二線形溝22にマッチする十字形隆線23が形成されている。接続部品はベースユニット10の一つの面における任意の接続孔11から別のベースユニット10の対応する接続孔11に挿入されて接続し、かつスロット12を介して対向する別の面における接続孔11から突出して別のベースユニット10と接続する。これにより、2つのベースユニット10の接続の選択可能性を広げるだけではなく、一つのベースユニット10において少なくとも1つの接続孔11が別のベースユニット10と接続ことを保証できる。
【0035】
[本発明の実施の形態]
(実施例一)
図3が示すように、本実施例は上記好ましい実施の形態と基本的に同じであり、その異なる点は、接続部品20とベースユニット10との接続方法にある。本実施例の小正方体13の各面にピン孔130が設けられ、接続部品20の両端にそれぞれ位置決め孔200が形成され、接続部品20は2つの位置決めピン201が位置決め孔200及びピン孔130を貫通することによりベースユニット10に固定接続される。この実施例では位置決めピン200、位置決め孔300及びピン孔130を用いた位置決め方法により、主にベースユニット10間の接続をより堅固にするものである。
【0036】
(実施例二)
図4が示すように、本実施例が上記好ましい実施の形態、実施例一との異なる点は、接続部品20とベースユニット10との接続方法にある。本実施例の接続部品20の底面(又は天井面)にはその長さ方向に沿って延伸する隆線201が形成され、小正方体13の各面には隆線201に対応する線形溝131が形成されている。上記隆線201にはさらに凹部202が形成され、線形溝131には前記凹部202とマッチして接続部品20の位置を決める突起132が形成されている。該実施例の接続部品20に隆線201及び凹部202が形成された、隆線201は接続部品20の強度を高めるだけではなく、接続ガイドの機能も有し、さらに、凹部202と突起132を合わせて接続させることにより、接続部品20とベースユニット10を堅固に接続させて、互いに対しスライドする現象が起こらない。
【0037】
なお、上記各実施例において、接続部品20の両端にそれぞれ貫通孔が形成され、分解工具と貫通孔を合わせることにより、簡単かつ速やかに積み木を分解することができる。
【0038】
(実施例三)
図5が示すように、積み木を組み立てるための積み木ユニットは、不完全な正方体ユニット10と接続部品20とを含み、該不完全な正方体ユニット10に切削部11が形成され、この切削部11は、正方体ユニットの1つの側面の角の両側辺からその対向する側面の対応する角の側辺へ延伸して切削することにより得られたものである。本実施例の切削部11は直角三角柱体であり、該直角三角柱体11は不完全な正方体ユニット10の互いに垂直な2つの側面の一部を2つの矩形面とし、該直角三角柱体の端面の三角形斜辺は不完全な正方体ユニット10の一側辺の端点を除く任意の点とその隣接する側辺の端点を除く任意の点との接続線であり、好ましくは、上記直角三角柱体の端面の三角形斜辺は不完全な正方体ユニット10の一側辺の中点とその隣接する側辺の中点との接続線である。不完全な正方体ユニット10において切削部11が形成された対向する2つ面にはそれぞれ2つの接続孔12が設けあれ、切削部11が形成された隣接する2つの面にはそれぞれ1つの接続孔12が設けられ、その他の2つの隣接する面はいずれもその中部にスロット13が設けられ、該スロットの側面の周縁に4つの接続孔12が設けられ、接続孔12の横断面はいずれも長辺がその対応する側辺に平行する長方形である。上記4つの接続孔12のスロット13に近い内側壁とスロット13が繋がって十字形スロットを形成する。上記対向する2つの面の接続孔12がそれぞれ連通して、各不完全な正方体ユニット10の6つの側壁における2つの連通した接続孔12がその他の積み木ユニットと接続することを保証する。上記接続部品20の一端は連通している2つの接続孔12に挿入され、他端が不完全な正方体ユニットの側面に露出する。
【0039】
図6が示すように、4つの同じ積み木ユニットを組み合わせ、4つの接続孔12を有する側面同士を二対二に貼り合わせるように接続させると、各切削部が側面に位置し、組み合わせた後の複数の多角構造による多面体構造の外観がよりよくなる。また、図7が示すように、この構造の積み木ユニットは、6つの面が全く同じ正方体ユニットと組み合わせることも可能であり、さらに多様な組み合わせが可能となり、児童の多角度から問題を考える思考能力を培い、及び三次元空間の想像力を鍛えるに有利である。
【0040】
(実施例四)
図8が示すように、積み木を組み立てるための積み木ユニットは、不完全な正方体ユニット10と接続部品20とを含み、この不完全な正方体ユニット10に切削部11が形成されている。本実施例の切削部11は切削面110を含み、この切削面110は弧面であり、この弧面の縁辺の的弧形は不完全な正方体ユニット10の一側辺の端点を除く任意の点とその隣接する側辺の端点を除く任意の点とによって形成された曲線であり、好ましくは、上記弧面の縁辺の弧形は不完全な正方体ユニットの一側辺の中点とその隣接する側辺の中点によって形成された曲線である。不完全な正方体ユニット10において、切削部11が形成された対向する2つの面にそれぞれ2つの接続孔12が形成され、切削面11が形成された隣接する2つの面にそれぞれ1つの接続孔12が形成され、残りの2つの隣接面の中部にそれぞれ1つのスロット13が形成され、このスロットの側面周縁に4つの接続孔12が形成され、接続孔12の横断面はいずれも長辺がその対応する側辺と平行する長方形である。上記4つの接続孔12のスロット13に近い内側壁とスロット13が繋がって十字形スロットを形成する。上記対向する2つの面における接続孔12がそれぞれ連通して、各不完全な正方体ユニット10の6つの側壁における2つの連通する接続孔12がその他の積み木ユニットと接続することを保証する。上記接続部品の一端が連通している2つの接続孔12の中に挿入され、他端が不完全な正方体ユニットの側面に露出する。
【0041】
図9が示すように、8つの同じ積み木ユニットを組み合わせ、かつ、各切削部11をそれぞれ側面に置くと、組み合わせた後の積み木が略円柱体になる。また、図10が示すように、この構造の積み木ユニットは、6つの面が全く同じ正方体ユニットAと組み合わせることも可能であり、さらに多様な組み合わせが可能になり、児童の多角度からの問題を考える思考能力を培い、及び三次元空間の想像力を鍛えるに有利である。
【0042】
上記接続部品20と接続孔12との間の接続方法として、隆線とスリットの係合方法を用いることが可能であり、この接続方法は当該分野の慣用技術であるため、ここで省略する。
【0043】
(実施例五)
図11図12が示すように、積み木を組み立てるための積み木ユニットは、不完全な正方体ユニット10と接続部品20を含み、該不完全な正方体ユニット10に角欠け構造11が形成されており、この角欠け構造11は正方体の隣接する3つの側面を切削して形成される。本実施例の角欠け構造11は、上記隣接する3つの側面の共同頂点110と、隣接する3つの側面のうち2つ毎に対応する3つの頂点によって形成される弧面111とを含み、この弧面111が上記正方体ユニットの一部球形面に内接する。不完全な正方体ユニット10のその他の3つの側面にいずれも4つの第一接続孔12が均等に分布され、角欠け構造を有する3つの側面にそれぞれ2つの第二接続孔13が形成され、第二接続孔13とのその対向する側面の第一接続孔とが連通し、上記接続部品20の一端が連通する第一接続孔12と第二接続孔13の中に接続され、他端が不完全な正方体ユニット10の側面に露出する。不完全な正方体ユニット10の各側面の中部にそれぞれスロット14が形成され、上記第一接続孔12及び第二接続孔13がそれぞれスロット14の側面に沿って設置され、かつ、第一接続孔12のスロット14に近い内側壁とスロット14が繋がって十字形スロットを形成し、第二接続孔13のスロット14に近い内側壁とスロットが繋がってL形スロットを形成し、各スロット14の底面に小正方体15が形成される。小正方体15の6つの側壁の中部にそれぞれ十字形隆線151が形成され、これに応じて、上記接続部品20には十字形隆線151とマッチする十字形線形201が形成されている。
【0044】
図13が示すように、8つの同じ積み木ユニットを組み合わせ、かつ各積み木ユニットの角欠け構造をそれぞれ正六面体の8つの頂点に置くと、組み合わせた後の積み木の各角が一定の弧度を有し、外観がよりよくなる。また、図14が示すように、この構造の積み木ユニットは、6つの面が全く同じ正方体ユニットAと組み合わせることの可能であり、さらに多様な組み合わせが可能となり、児童の多角度から問題を考える思考能力を培い、及び三次元空間の想像力を鍛えるに有利である。
【0045】
(実施例六)
図15図16が示すように、積み木を組み立てるための積み木ユニットは、不完全な正方体ユニット10と接続部品20とを含み、該正方体ユニット10の隣接する3つの側面の間に角欠け構造11が形成されている。本実施例の角欠け構造11は、上記隣接する3つの側面の共同頂点110と、隣接する3つの側面のうち2つ毎に対応する3つの頂点によって形成される三角形斜面111とを含む。不完全な正方体ユニット10のその他の3つの側面のいずれにも4つの第一接続孔12が均等に配置され、角欠け構造を有する3つの側面にそれぞれ2つの第二接続孔13が形成され、第二接続孔13とその対向する側面の第一接続孔とがそれぞれ連通する。上記不完全な正方体ユニット10における角欠け構造が形成されていないその他の3つの面は、いずれにもその中部にスロット14が形成され、第一接続孔12がそれぞれスロット14の側面に沿って均等に配置され、かつ、第一接続孔12のスロット14に近い内側壁とスロット14とが繋がって十字形スロットを形成する。上記スロット14の底面に十字形隆線141が形成され、これに応じて接続部品20には十字形隆線141とマッチする十字形線形21が形成される。
【0046】
図17が示すように、8つの同じ積み木ユニットを組み合わせ、かつ、各積み木ユニットの角欠け構造をそれぞれ正六面体の8つの頂点に置くと、組み合わせた後の多角構造による多面体構造の外観がよりよくなる。また、図18が示すように、上記構造の積み木ユニットは、6つの面が全く同じ正方体ユニットと組み合わせることも可能であるため、さらに多様な組み合わせが可能となり、児童の多角度から問題を考える思考能力を培い、及び三次元空間の想像力を鍛えるに有利である。
【0047】
[産業実用性]
本発明の積み木及び積み木ユニットは簡単に生産できて、良好な産業実用性を有する。
図1
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