特許第6167251号(P6167251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6167251
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】パネルの固定装置及びパネルの設置方法
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/00 20060101AFI20170710BHJP
   E04D 13/18 20140101ALI20170710BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20170710BHJP
【FI】
   E04D13/00 K
   E04D13/18ETD
   H02S20/23 A
【請求項の数】5
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-574016(P2016-574016)
(86)(22)【出願日】2016年9月2日
(86)【国際出願番号】JP2016075876
【審査請求日】2016年12月16日
(31)【優先権主張番号】特願2015-172887(P2015-172887)
(32)【優先日】2015年9月2日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591135794
【氏名又は名称】高島株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】神原 崇之
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−180668(JP,A)
【文献】 特開2011−223032(JP,A)
【文献】 特開2014−163080(JP,A)
【文献】 特開2011−196029(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0179606(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0070368(US,A1)
【文献】 特開2016−098605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00
E04D 13/18
H02S 20/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って延びるスリット状の開口部を上面部に有する中空棒状のラック部材の前記上面部に配置されるパネルの周縁部の一部と当接する押さえ具と、
前記開口部に挿入可能に構成され、前記開口部の長手方向と直交する方向の幅よりも大きい幅を一方向に有する前記上面部の裏面に当接する固定具と、
前記パネルの前記周縁部の一部及び前記ラック部材の前記上面部の裏面にそれぞれ当接した前記押さえ具及び前記固定具を一体に固定する締結部材と、
を備え
前記押さえ具は、一方向に長い板状の第1延出部、前記第1延出部の端部であって、前記第1延出部の厚さ方向に延設され、前記パネルの前記周縁部の一部と当接する押圧部、及び、前記第1延出部の他端から前記第1延出部の厚さ方向に延出され、前記締結部材を挿通可能な第1ボルト孔を有する第2延出部を具備し、
前記固定具は、前記第2延出部の前記第1ボルト孔に対向する前記締結部材を挿通可能な第2ボルト孔を有し、前記第2延出部と対向する板状のベース部、前記開口部の幅よりも大きく、且つ、前記ラック部材の対向する一対の側板部の内面間の幅よりも小さい幅で離間して前記ベース部に配置され、前記上面部の裏面に当接可能な一対の圧接部、及び、前記ベース部の前記固定具と接続される前記押さえ具の前記第2延出部側と反対側の端部に設けられ、前記圧接部が延びる方向へ延びるアース部を備えている固定装置。
【請求項2】
前記固定具は、前記一対の圧接部の外側に設けられる4つの角の対角を結ぶ2本の対角線の一方の対角線の長さが、他方の対角線の長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載の固定装置。
【請求項3】
前記押圧部は、前記第2延出部が延びる方向とは反対方向に延びる第1押圧部及び前記第2延出部が延びる方向に延びる第2押圧部を具備し、
前記第2押圧部の接触面から前記第2延出部の表面までの間の距離が、前記第1押圧部の接触面から前記第2延出部の表面までの間の距離よりも長く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固定装置。
【請求項4】
前記固定具は、前記アース部及び前記ベース部の接続部分に、貫通する水抜き孔を有することを特徴とする請求項1に記載の固定装置。
【請求項5】
長手方向に沿って延びるスリット状の開口部を上面部に有する中空棒状のラック部材の前記上面部に配置されるパネルの周縁部の一部と当接する押さえ具と、前記開口部に挿入可能に構成され、前記開口部の長手方向と直交する方向の幅よりも大きい幅を一方向に有する前記上面部の裏面に当接する固定具と、前記パネルの前記周縁部の一部及び前記ラック部材の前記上面部の裏面にそれぞれ当接した前記押さえ具及び前記固定具を一体に固定する締結部材と、を備え、前記押さえ具は、一方向に長い板状の第1延出部、前記第1延出部の端部であって、前記第1延出部の厚さ方向に延設され、前記パネルの前記周縁部の一部と当接する押圧部、及び、前記第1延出部の他端から前記第1延出部の厚さ方向に延出され、前記締結部材を挿通可能な第1ボルト孔を有する第2延出部を具備し、前記固定具は、前記第2延出部の前記第1ボルト孔に対向する前記締結部材を挿通可能な第2ボルト孔を有し、前記第2延出部と対向する板状のベース部、前記開口部の幅よりも大きく、且つ、前記ラック部材の対向する一対の側板部の内面間の幅よりも小さい幅で離間して前記ベース部に配置され、前記上面部の裏面に当接可能な一対の圧接部、及び、前記ベース部の前記固定具と接続される前記押さえ具の前記第2延出部側と反対側の端部に設けられ、前記圧接部が延びる方向へ延びるアース部を備えている固定装置の前記固定具を、前記開口部から前記ラック部材に挿入し、
前記固定具を前記固定具の前記一方向が前記ラック部材の長手方向と直交する方向に沿う方向に回転し、
前記押さえ具及び前記ラック部材の前記上面部の間に前記パネルの前記周縁部の一部を配置し、
前記押さえ具及び前記固定具を前記締結部材により一体に接続することを特徴とするパネルの設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルの固定装置及びこの固定装置を用いたパネルの設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、太陽光モジュール等の板状のパネルを屋根に設置する場合、先ず、架台となるレール状のラック部材を、屋根の傾斜に沿って棟及び軒の間に固定する。ここで、ラック部材は、例えば、中空棒状であって、長手方向に沿って延びるスリット状の開口部を上面部に有する。
【0003】
次に、屋根上に固定したラック部材の上にパネルを順番に配置し、パネルを固定装置によりラック部材に固定する。このパネルをラック部材に固定する固定装置は、ラック部材の端から挿入し、固定するパネルの位置までスライドさせて、パネルを固定する。このため、パネル及び固定装置を交互にラック部材に配置する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国特開2013−87579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の固定装置は、上述のように、ラック部材の端から挿入し、固定するパネルの位置まで固定装置をスライドさせる必要があった。このため、従来の固定装置は、パネルの取り付けや付け替えをする場合に作業性が悪く問題となっていた。
【0006】
そこで、本発明は、パネルの取り付け作業性が良いパネルの固定装置及びこの固定装置を用いたパネルの設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る固定装置は、長手方向に沿って延びるスリット状の開口部を上面部に有する中空棒状のラック部材の前記上面部に配置されるパネルの周縁部の一部と当接する押さえ具と、前記開口部に挿入可能に構成され、前記開口部の長手方向と直交する方向の幅よりも大きい幅を一方向に有する前記上面部の裏面に当接する固定具と、前記パネルの前記周縁部の一部及び前記ラック部材の前記上面部の裏面にそれぞれ当接した前記押さえ具及び前記固定具を一体に固定する締結部材と、を備え、前記押さえ具は、一方向に長い板状の第1延出部、前記第1延出部の端部であって、前記第1延出部の厚さ方向に延設され、前記パネルの前記周縁部の一部と当接する押圧部、及び、前記第1延出部の他端から前記第1延出部の厚さ方向に延出され、前記締結部材を挿通可能な第1ボルト孔を有する第2延出部を具備し、前記固定具は、前記第2延出部の前記第1ボルト孔に対向する前記締結部材を挿通可能な第2ボルト孔を有し、前記第2延出部と対向する板状のベース部、前記開口部の幅よりも大きく、且つ、前記ラック部材の対向する一対の側板部の内面間の幅よりも小さい幅で離間して前記ベース部に配置され、前記上面部の裏面に当接可能な一対の圧接部、及び、前記ベース部の端部の前記固定具と接続される前記押さえ具の前記第2延出部側と反対側の端部に設けられ、前記圧接部が延びる方向へ延びるアース部を備えている
【0008】
また、本発明に係るパネルの設置方法は、 長手方向に沿って延びるスリット状の開口部を上面部に有する中空棒状のラック部材の前記上面部に配置されるパネルの周縁部の一部と当接する押さえ具と、前記開口部に挿入可能に構成され、前記開口部の長手方向と直交する方向の幅よりも大きい幅を一方向に有する前記上面部の裏面に当接する固定具と、前記パネルの前記周縁部の一部及び前記ラック部材の前記上面部の裏面にそれぞれ当接した前記押さえ具及び前記固定具を一体に固定する締結部材と、を備え、前記押さえ具は、一方向に長い板状の第1延出部、前記第1延出部の端部であって、前記第1延出部の厚さ方向に延設され、前記パネルの前記周縁部の一部と当接する押圧部、及び、前記第1延出部の他端から前記第1延出部の厚さ方向に延出され、前記締結部材を挿通可能な第1ボルト孔を有する第2延出部を具備し、前記固定具は、前記第2延出部の前記第1ボルト孔に対向する前記締結部材を挿通可能な第2ボルト孔を有し、前記第2延出部と対向する板状のベース部、前記開口部の幅よりも大きく、且つ、前記ラック部材の対向する一対の側板部の内面間の幅よりも小さい幅で離間して前記ベース部に配置され、前記上面部の裏面に当接可能な一対の圧接部、及び、前記ベース部の前記固定具と接続される前記押さえ具の前記第2延出部側と反対側の端部に設けられ、前記圧接部が延びる方向へ延びるアース部を備えている固定装置の前記固定具を、前記開口部から前記ラック部材に挿入し、
前記固定具を前記固定具の前記一方向が前記ラック部材の長手方向と直交する方向に沿う方向に回転し、
前記押さえ具及び前記ラック部材の前記上面部の間に前記パネルの前記周縁部の一部を配置し、
前記押さえ具及び前記固定具を前記締結部材により一体に接続する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パネルの取り付け作業性が良いパネルの固定装置及びこの固定装置を用いたパネルの設置方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、太陽光モジュールを屋根に固定するための本実施形態に係る固定装置を示した分解斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る固定装置、太陽光モジュール及びラック部材の構成を、図1中のII−II線断面で示す部分断面図である。
図3図3は、本実施形態に係る固定装置、太陽光モジュール及びラック部材の構成を、図2中のIII−III線断面で示す部分断面図である。
図4図4は、本実施形態に係る固定装置を示す分解斜視図である。
図5図5は、本実施形態に係る固定装置をラック部材に斜めの姿勢で挿入した状態を示す平面図である。
図6図6は、図5に示す固定装置を図6中のVI−VI線断面で示す断面図である。
図7図7は、本実施形態に係る固定装置がラック部材の内側へ挿入された状態を示す平面図である。
図8図8は、図7に示す固定装置を図7中のVIII−VIII線断面で示す断面図である。
図9図9は、図7の位置にあった固定装置を矢印Y1の方向へ移動させた状態を示す平面図である。
図10図10は、図9の固定装置を図9中のX−X線断面で示す断面図である。
図11図11は、図10の固定装置を矢印Y2の方向に回転している途中の状態を示す平面図である。
図12図12は、図10の固定装置を矢印Y2の方向に略90度回転した状態を示す平面図である。
図13図13は、図12の固定装置を図12中のXIII−XIII断面線で示す断面図である。
図14図14は、図12の固定装置を矢印Y3の方向にさらに回転した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る固定装置1、及び、固定装置1が用いられる太陽光発電ユニット600について説明する。
【0012】
図1は、太陽光モジュール100を建物の屋根500に固定する状態を示した分解斜視図である。図2は、固定装置1、太陽光モジュール100及びラック部材200の構成を、図1中のII−II線断面示す断面図である。図3は、固定装置1、太陽光モジュール100及びラック部材200の構成を、図2中のIII−III線断面で示す部分断面図である。図4は、固定装置1の構成を示す分解斜視図である。
【0013】
固定装置1は、太陽光発電ユニット600を屋根500に設置するときに、ラック部材200に太陽光モジュール100を固定可能に構成される。ここで、太陽光発電ユニット600は、図1に示すように、複数の太陽光モジュール100と、複数のラック部材200と、複数の固定装置1と、複数の化粧板300と、複数の固定金具400と、を備えている。本実施形態においては、複数の太陽光モジュール100を屋根500の傾斜に沿って、屋根500の棟及び軒の間に設置する太陽光発電ユニット600を用いて説明する。屋根500の軒は、例えば、図1中で屋根500の化粧板300が設けられる側である。
【0014】
なお、太陽光モジュール100は、パネル状の形状を有している。また、ラック部材200に最初に固定する太陽光モジュール100を第1の太陽光モジュール100Aと称し、次にラック部材200に配置される太陽光モジュールを第2の太陽光モジュール100Bと称する。あるいは、これら2枚の第1の太陽光モジュール100A及び第2の太陽光モジュール100Bを総称して太陽光モジュール100と称する。なお、太陽光モジュール100には、太陽光発電用のいわゆるソーラパネルや、太陽の熱を利用して給湯を行う太陽熱温水器用のモジュールを含む。
【0015】
太陽光モジュール100は、図1に示すように、矩形枠状のフレーム130と、複数の太陽電池セル150と、を備えている。太陽光モジュール100は、平板状の外観を有している。フレーム130は、図2に示すように、複数並べられた太陽電池セル150の周縁部と表裏面の一部を覆う。太陽電池セル150は、複数並べられてパネル状に固定され、フレーム130に支持される。太陽光モジュール100は、フレーム130の内側であって、太陽電池セル150の裏面側には空間140を有する。また、フレーム130には、メッキ加工が施されている。
【0016】
ラック部材200は、図1に示すように、太陽光モジュール100が配置される屋根500の棟から軒に沿わせて屋根500に固定される金属性の棒状部材である。ラック部材200は、一列に太陽光モジュール100を並べる場合に、例えば2本用いられる。換言すると、例えば、図1に示すように、太陽光モジュール100は、略並行に屋根500に固定された2本のラック部材200で支持される。複数のラック部材200は、屋根500上に略並行に配置される。ラック部材200は、例えば、2枚の太陽光モジュール100を長手方向に沿って、複数取付け可能な長さに構成される。
【0017】
ラック部材200は、上面部に太陽光モジュール100のフレーム130の裏面120と接し、太陽光モジュール100の並び方向に沿って延びる一対の支持板部210を有している。ラック部材200は、長手方向に沿って延びる一対の支持板部210の間にスリット状の開口部230を備えている。ラック部材200は、支持板部210が開口部230と反対側で連続する形状の中空棒状である。即ち、ラック部材200は、ラック部材200の長手方向に沿って延びるスリット状の開口部230を上面部に有する矩形筒状に構成される。
【0018】
具体的には、図3に示すように、ラック部材200は、帯状の一対の支持板部210と、支持板部210と離間して略平行に設けられる底板部270と、一対の支持板部210及び底板部270を一体に接続する一対の側板部である第1側板部290及び第2側板部291と、を備える。換言すると、ラック部材200は、図3に示すように、底板部270の互いに対向する2辺から略垂直に延び一対の支持板部210とそれぞれ繋がる第1側板部290及び第2側板部291を有している。ラック部材200の材料としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄等の金属材料又は樹脂材料を用いることができる。なお、本実施形態においては、ラック部材200は、一方向に長い金属性の矩形の板を長手方向に沿った複数個所で折り曲げて作製されている。
【0019】
固定装置1は、図1及び図2に示すように、例えば、ラック部材200の第1の太陽光モジュール100A及び第2の太陽光モジュール100Bの間に配置され、ラック部材200に第1の太陽光モジュール100Aを固定する。また、固定装置1は、図1及び図2に示すように、ラック部材200の第2の太陽光モジュール100Bの棟側に配置され、ラック部材200に第2の太陽光モジュール100Bを固定する。
【0020】
このような固定装置1は、図2に示すように、押さえ具10と、固定具20と、ボルト30(締結部材)と、を備えている。
【0021】
押さえ具10は、図2に示すように、第1延出部11と、押圧部15と、第2延出部13と、突起部19と、を備える。押さえ具10は、第1延出部11、押圧部15、第2延出部13及び突起部19が一体に成形される。
【0022】
第1延出部11は、矩形板状に構成される。第1延出部11は、押さえ具10をラック部材200に配置したときに太陽光モジュール100のフレーム130の厚み方向、換言すると、屋根500の上面に直交する方向に沿って延びる矩形板状の押さえ具10の部位である。具体的には、第1延出部11は、長手方向の長さが太陽光モジュール100の裏面120側のフレーム130の端部から表面110側のフレーム130の端部までの高さよりも長く構成される。具体的には、第1延出部11の長手方向の長さは、太陽光モジュール100の厚さよりも長く、その一部がラック部材200の開口部230から、ラック部材200の内側に挿通されている。第1延出部11の長さについては、本実施形態に示したものに限られない。すなわち、第1延出部11の長さは、太陽光モジュール100の厚さ、並びに、第2延出部13及び突起部19の形状に合わせて設定される。
【0023】
第1延出部11は、フレーム130の側面と対向する面の、第1延出部11の長手方向と直交する幅方向の長さがラック部材200の長手方向と直交する開口部230の幅方向の長さよりも短く形成されている。また、第1延出部11は、長手方向及び幅方向に直交する厚さが、押さえ具10の材料や形状に応じて、太陽光モジュール100を支持可能な強度に設定される。
【0024】
図2に示すように、押圧部15は、第1延出部11の一端であって、且つ、第1延出部11の厚さ方向に沿って延設される。押圧部15は、図2に示すように、第1延出部11の図示上端に第1延出部11と一体に設けられ、第1延出部11の長手方向と略直交する面に沿って配置される部位である。押圧部15は、第1押圧部12及び第2押圧部14を含む。第1押圧部12は、第1の太陽光モジュール100Aの周縁部の一部と当接する。具体的には、第1押圧部12は、第1の太陽光モジュール100Aの表面110側のフレーム130の上面に係合する。第2押圧部14は、第2の太陽光モジュール100Bの周縁部の一部と当接する。具体的には、第2押圧部14は、第2の太陽光モジュール100Bの表面110側のフレーム130の上面に対向し、第2の太陽光モジュール100Bが固定装置1から外れることを防ぐ。第1押圧部12は、第2押圧部14よりも若干厚く作られている。言い換えれば、押さえ具10の第2押圧部14の接触面18から支持板部210の表面(外面)までの距離は、第1押圧部12の接触面16から支持板部210の表面までの距離よりも若干長く構成されている。
【0025】
換言すると、第2押圧部14の接触面18から第2延出部13の表面13aまでの間の距離は、第1押圧部12の接触面16から第2延出部13の表面13aまでの間の距離よりも長く構成されている。
【0026】
これにより、軒側に位置する第1の太陽光モジュール100Aは、第1押圧部12により強固に固定される。一方、棟側に配置される第2の太陽光モジュール100Bを第2押圧部14の下へ挿入し易くなる。
【0027】
すなわち、固定装置1を用いて第1の太陽光モジュール100Aを固定後に第2の太陽光モジュール100Bを第2押圧部14の接触面18と支持板部210の間にはめ込むときに、第2の太陽光モジュール100Bを斜め上方から固定装置1に嵌め込むことが可能である。このため、第2の太陽光モジュール100Bを支持板部210に沿ってスライドさせる必要がなく作業性が良い。
【0028】
第2延出部13は、第1延出部11の押圧部15が設けられた端部と反対側の端部に設けられ、第1延出部11の厚さ方向に延びる。第2延出部13の幅は、例えば、第1延出部11と同じ幅に構成される。第2延出部13は、第1延出部11の押圧部15と反対側の端部から、ラック部材200の支持板部210と略並行に一体に延びる板状の部分である。言い換えれば、第2延出部13は、第1延出部11とほぼ直交し、第1延出部11の他方の端部から第2押圧部14と略並行に延出される部分である。
【0029】
第2延出部13は、例えば、図2及び図3に示すように、第2押圧部14と重ならない位置に第1ボルト孔17を有する。第1ボルト孔17は、第2延出部13を貫通する。第1ボルト孔17の軸心方向は、第2延出部13と直交する。第1ボルト孔17は、押さえ具10及び固定具20を接続するボルト30を挿入できる内径を有する。
【0030】
第2延出部13は、端部13cに一体に形成され、第2延出部13の裏面13b側から第1延出部11の長手方向に沿って延びる脚部13dを有する。具体的には、図2に示すように、第2延出部13の第1延出部11と繋がる側と反対側の端部13cには、ラック部材200の底板部270へ向かって延びる脚部13dが一体に設けられている。
【0031】
突起部19は、第2延出部13と一体に形成される。突起部19は、図2に示すように、第2延出部13の第1延出部11側の裏面13bからラック部材200の底板部270へ向かって延びる矩形の板状部分である。突起部19は、後述する固定具20の連結孔27に挿通されている。本実施形態においては、突起部19の形状は、板状とし、スリット状の連結孔27に挿通される。突起部19が連結孔27に挿通することにより、例えば、図11の矢印Y2方向へ押さえ具10が回転したときに、押さえ具10と固定具20との連結が外れることがない。すなわち、突起部19及び連結孔27は、固定具20の押さえ具10に対する矢印Y2方向の移動を規制する。言い換えれば、突起部19の突出方向に沿った軸を中心に押さえ具10を回転させたときに、固定具20が押さえ具10とともに回転する。
【0032】
なお、本実施形態においては、突起部19の形状は、板状としているが、突起部19の形状はこれに限られず、押さえ具10の移動に伴わずに固定具20が押さえ具10に対して矢印Y2方向に移動することを規制することが可能であれば、他の形状を用いることも可能である。
【0033】
また、突起部19は、例えば、棟側から軒側へ向かって太陽光モジュール100に力が掛かったときにラック部材200と当接し、太陽光モジュール100を支持する支持部材としても機能する。
【0034】
脚部13dは、第2延出部13の端部13cから第2延出部13の長手方向と直交する方向に延びる。脚部13dは、第2押圧部14から離間する方向に延びて形成される。言い換えれば、脚部13dは、第2延出部13の端部において、突起部19と同じ方向に延設される。脚部13dは、突起部19の突出方向の長さよりも長く形成される。脚部13dは、固定装置1が太陽光モジュール100をラック部材200に固定した際に、ラック部材200の底板部270に当接する長さに構成されている。
【0035】
本実施形態において、脚部13dは、突起部19と略平行に設けられ、第2延出部13と略直交する板状部分である。脚部13dは、突起部19と離間する側の面に複数の凸部13eを有している。言い換えれば、脚部13dは、第2延出部13の表面13aと連続する面に凸部13eを備える。
【0036】
このような脚部13dを備えることにより、ラック部材200の底板部270と脚部13dの先端が当接することから、固定装置1は、軒側から棟側へ向かう力が太陽光モジュール100に作用したときに、軒側から棟側へ向かう力に対抗することができる。
【0037】
例えば、軒側から棟側へ強風が吹いたときに、図2に示す第1の太陽光モジュール100Aは、第2の太陽光モジュール100Bへ向かって押圧される。このときに、脚部13dは、ラック部材200の底板部270と当接することにより、固定装置1の破損防ぐとともに、第1の太陽光モジュール100Aを支持する。
【0038】
また、押さえ具10は、脚部13dと突起部19を備えることにより、自立可能に構成されている。このため、作業者は、固定装置1をラック部材200の内側に立てて仮置きすることができるため作業性がよい。
【0039】
また、脚部13dに設けられた複数の凸部13eは、識別マークとして機能する。例えば、凸部13eは、第1延出部11の長さの異なる複数の種類の押さえ具10を製造した場合、凸部13eの数を第1延出部11の長さにより変えることで、第1延出部11の長さが異なるそれぞれの押さえ具10の区別を容易することができる。
【0040】
なお、本実施形態において、押さえ具10を構成する押圧部15、第1延出部11、第2延出部13、突起部19及び脚部13dは、押し出し成形により一体に形成されている。
【0041】
続いて、固定具20について図2図4を用いて説明する。固定具20は、図4に示すように、ベース部26と、第1圧接部25aと、第2圧接部25bと、アース部22と、を備えている。
【0042】
ベース部26は、図3及び図4に示すように、例えば、4角形の板状の部分であり、第1辺26a、第2辺26b、第3辺26c及び第4辺26dを有する略台形の部分である。ベース部26は、第1辺26a及び第3辺26cにおいて、それぞれ第1圧接部25a及び第2圧接部25bと一体に接続される。ベース部26は、第2辺26bにおいてアース部22と一体に接続される。
【0043】
ベース部26は、上述した連結孔27と第2ボルト孔28とを備えている。連結孔27は、例えば、押さえ具10の突起部19と嵌合するスリット状の貫通孔である。連結孔27の形状は、突起部19の形状に合わせて適宜変更される。第2ボルト孔28は、押さえ具10の第1ボルト孔17と同軸に配置される貫通孔である。第2ボルト孔28は、ボルト30を挿通可能に構成される。
【0044】
第1圧接部25aは、図3および図4に示すように、ベース部26の第1辺26aから支持板部210へ向かってベース部26と略直交する方向に一体に延びる壁部分である。言い換えれば、第1圧接部25aは、ベース部26の第1辺26aからラック部材200の第1側板部290に沿って設けられる壁部分である。第1圧接部25aは、先端に支持板部210の裏面と当接可能に形成された第1端面24aを有する。また、図11に示すように、第1圧接部25aの先端には、第1角C1及び第2角C2を備えている。ここで、第1角C1及び第2角C2は、第1圧接部25aの外側に構成される2つの稜部である。
【0045】
第2圧接部25bは、図3および図4に示すように、ベース部26の第3辺26cから支持板部210へ向かってベース部26と略直交する方向に一体に延びる壁部分である。言い換えれば、第2圧接部25bは、ベース部26の第3辺26cを有する端部からラック部材200の第2側板部291に沿って設けられる壁部分である。第2圧接部25bは、先端に支持板部210の裏面と当接可能に形成された第2端面24bを有する。第2圧接部25bは、第1圧接部25aと対向して平行に設けられる。また、図11に示すように、第2圧接部25bの先端には、第3角C3及び第4角C4を備えている。ここで、第3角C3及び第4角C4は、第2圧接部25bの外側に構成される2つの稜部である。
【0046】
第1圧接部25a及び第2圧接部25bは、押さえ具10と固定具20をボルト30により締め付けるにつれて、ラック部材200の支持板部210に向けて上方へ移動される。これにより第1圧接部25a及び第2圧接部25bの先端が支持板部210の裏面と当接する。具体的には、第1圧接部25aの第1端面24a及び第2圧接部25bの第2端面24bが支持板部210の裏面と当接する。
【0047】
第1圧接部25aと第2圧接部25bは、所定の距離だけ離間してベース部26に設けられている。具体的には、図3に示すように、固定具20の第1圧接部25aの外面と第2圧接部25bの外面との間の距離K1は、ラック部材200の開口部230の短手方向の距離K2よりも長い。また、距離K1は、ラック部材200の第1側板部290の内面と第2側板部291の内面との間の距離L3よりも短い。このため、ラック部材200の内側に配置された固定具20は、第1圧接部25a及び第2圧接部25bが支持板部210の裏面と当接可能な位置にあるときは、開口部230から固定具20がラック部材200の外側に外れることがない。このため、一対の支持板部210と第1圧接部25a及び第2圧接部25bとが接触可能な部位の幅を大きくとれる。すなわち、固定具20とラック部材200との接触面積を大きくすることにより、摩擦を増大させより強く固定することができる。また、距離K1は、第2側板部291の内面と第1側板部290側の支持板部210の端部(開口部230の縁)との間の距離L4よりも長い。このため、固定具20の位置が図示左右にずれた場合であっても、固定具20がラック部材200から外れることがない。なお、距離L4は、第1側板部290の内面と第2側板部291側の支持板部210の端部との間の距離と同じ距離である。
【0048】
また、図4に示すように、固定具20の第1圧接部25aと第2圧接部25bとは、固定具20をラック部材200に取り付けた状態でラック部材200の長手方向に沿って延びる。また、第1圧接部25aと第2圧接部25bは、長手方向にずれた位置で平行に配置されている。言い換えれば、第1圧接部25aの第4辺26d側の一部は切り欠かれ、同様に、第2圧接部25bの第2辺26b側の一部も、切り欠かれている。
【0049】
本実施形態において、図11に示すように、第1角C1と第3角C3との間の距離L1は、第2角C2と第4角C4との間の距離L2よりも長い。ここで、距離L1は、第1角C1及び第3角C3を結ぶ対角線である。距離L2は、第2角C2及び第4角C4を結ぶ対角線である。そして、距離L1は、第1側板部290の内面と第2側板部291の内面との間の距離L3よりも長い。一方、距離L2は、距離L3よりも短い。
【0050】
このような構成を有する固定具20は、ラック部材200の内側で図9に示す状態から図12に示す状態まで図11の矢印Y2に示す方向に90度回転することができる。すなわち、距離L2は、距離L3よりも短い。このため、第2角C2は、第1側板部290に当たることなく矢印Y2方向に90度回転することができる。第4角C4は、第2側板部291に当たることなく矢印Y2方向に90度回転することができる。また、固定具20は、図12に示す状態から、矢印Y2と逆方向に90度回転し、図9に示す状態に戻すことも可能である。一方、矢印Y2方向に90度以上回そうとすると第1角C1及び第3角C3がそれぞれ、第1側板部290及び第2側板部291に当接し回すことができなくなる。
【0051】
アース部22は、図4に示すように、ベース部26の第2辺26bを有する端部からベース部26と略直交するとともに、第1圧接部25a及び第2圧接部25bと交差する向きでラック部材200の開口部230に向かって一体に延びる板状部分である。さらに言えば、アース部22は、ベース部26の面方向と直交する方向に、ベース部26から第1押圧部12へ向かって延びる。また、アース部22は、第1圧接部25aの延設方向に対して交差する方向に延びる。例えば、アース部22は、第1圧接部25aに対して直交方向よりも、第1延出部11側を向くように斜めにベース部26の端部の第2辺26bに沿って設けられている。アース部22は、先端側に2つの突起23を有している。突起23は、第1端面24a及び第2端面24bよりも押圧部15に向かって突出して形成されている。突起23は、固定具20がラック部材200に固定されたときに図2に示すように、太陽光モジュール100のフレーム130の裏面120に突き当てられる。突起23は、フレーム130に施されているメッキ加工による薄膜層を貫通し、フレーム130の金属部分と接触する。これにより、アース部22は、太陽光モジュール100をアースする。
【0052】
本実施形態において、ベース部26の第1辺26aと第3辺26cは、第4辺26dに対して略直交している。第1辺26aと第3辺26cの長さは異なる。第1辺26aと第3辺26cを繋ぐ第2辺26bは、第1辺26a及び第3辺26cと斜めに交差する。このため、第2辺26bに沿って設けられるアース部22は、第4辺26dに対して傾斜して配置される。
【0053】
アース部22は、図4に示すように、第1延出部11の幅方向に対して傾斜して構成されている。太陽光モジュール100は、例えば、ラック部材200に固定され、屋根500の傾斜に沿って屋根500上に傾斜して配置されている。このため、アース部22の方へ流れた水は、軒側に設けられているアース部22の傾斜に沿ってベース部26の外側へ排出される。すなわち、第4辺26dに沿って、水の流れができ、ベース部26に水だまりが出来ることを防ぐ。さらに、アース部22は、ベース部26との接続部分において、水抜き孔21を備えている。換言すると、固定具20は、アース部22及びベース部26の接続部分である角部に、アース部22の厚さ方向、ベース部26の厚さ方向、又は、ラック部材200に固定具20を固定したときの重力方向に貫通する水抜き孔を有する。これにより、さらにアース部22は、排水機能を高め、ベース部26が錆びることを防止することができる。
【0054】
なお、固定具20の材料としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄等の金属材料又は樹脂材料を用いることができる。本実施形態においては、固定具20は、金属性の板をプレス加工により複数個所で折り曲げて一体に作製されている。
【0055】
ボルト30は、図4に示すように、固定具20の図示下側から第2ボルト孔28に挿入される。ボルト30は、第2ボルト孔28と同軸の押さえ具10の第1ボルト孔17を通り、ワッシャ31、33を介してナット34で螺合される。これにより、ボルト30は、押さえ具10と固定具20とを締め付け、第1の太陽光モジュール100A及びラック部材200にそれぞれ当接した押さえ具10及び固定具20を一体に固定する。
【0056】
ボルト30は、図2に示すように、押圧部15と第1圧接部25a及び第2圧接部25bとの間でラック部材200の支持板部210と太陽光モジュール100を挟み込んだ状態の押さえ具10と固定具20とを固定する。すなわち、図示下方に固定具20を設け、この固定具20のベース部26の上に押さえ具10の第2延出部13を積み重ねるように配置する。この状態で押さえ具10及び固定具20は、ボルト30により締め付けられる。
【0057】
また、図2に示すように、第1の太陽光モジュール100Aが第1押圧部12と第1圧接部25a及び第2圧接部25bとによりラック部材200に固定された状態において、第2延出部13とベース部26との間に空間Tが設けられている。すなわち、図2及び図3に示すように、ベース部26の表面と固定具20の第1端面24a及び固定具20の第2端面24bとの間の距離T1は、第2延出部13の裏面13bと支持板部210の裏面との間の距離T2よりも空間Tの厚み分長く設けられている。
【0058】
図2示すように、ボルト30を締めると、押さえ具10の押圧部15は、図示下方へ下がり、太陽光モジュール100を図示下方向へ押圧する。一方、固定具20の第1圧接部25a及び第2圧接部25bは、図示上方へ上がり、支持板部210を介して太陽光モジュール100を図示上方へ押圧する。
【0059】
このとき、距離T1と、距離T2が同じ長さで設計されている場合、ボルト30を完全に締めた状態でも、太陽光モジュール100を固定するために必要な力が作用しにくい。これに対して、いわゆる締め代として、空間Tを設けることにより、固定装置1は、押さえ具10と固定具20を用いて強固に太陽光モジュール100を固定することができる。
【0060】
言い換えれば、固定装置1は、押圧部15の第1押圧部12が太陽光モジュール100に接触し、且つ、支持板部210の裏面と第1圧接部25a及び第2圧接部25bとが当接した状態からさらに空間T分だけボルト30を締めることができる。空間Tの大きさは、特に定められていないが、例えば、1ミリ〜5ミリの範囲で設定することができる。本実施形態においては、空間Tの大きさは、2ミリとした。なお、空間Tの大きさがこれより狭いと、固定装置1の寸法誤差により、締め代としての機能を発揮することができない虞がある。一方、空間Tを広く設けるためには、スペースの問題や、押さえ具10と固定具20との組み付け強度の問題が生じる虞がある。このため、空間Tの大きさは、固定装置1の大きさや、ラック部材200のサイズを考慮して適宜決定される。
【0061】
化粧板300は、第1の太陽光モジュール100Aの軒側の端面、ラック部材200の軒側の端部、固定金具400の軒側を覆う。例えば、化粧板300は、その一部を固定金具400にはめ込み可能に構成される。
【0062】
固定金具400は、ラック部材200の軒先の先端部に設けられ、第1の太陽光モジュール100Aの軒側の端縁を固定する。
【0063】
(第1の太陽光モジュールの設置)
次に、本実施形態に係る固定装置1を用いた、第1の太陽光モジュール100A及び第2の太陽光モジュール100Bの設置工程について説明する。
【0064】
まず、作業者は、図1に示すように、太陽光モジュール100を載置するためのラック部材200を屋根500に固定する。そして、作業者は、ラック部材200の軒側の先端部に固定金具400を取り付ける。ここで、作業者は、固定金具400を取り付けるときに化粧板300を固定金具400の軒側にはめ込み固定する。化粧板300を固定金具400の軒側に設けることにより、固定金具400が直接視認されることを防ぎ美観を保持する。なお、固定金具400は、ラック部材200の底板部270に図示しないボルトを用いて固定される。
【0065】
次に、作業者は、第1の太陽光モジュール100Aをラック部材200の上に載置する。本実施形態において、第1の太陽光モジュール100Aは、2本の略平行に配置されたラック部材200の間に架け渡されるように配置される。第1の太陽光モジュール100Aは、固定金具400の押圧部15とラック部材200の支持板部210との間に軒側のフレーム130を挟み込むことで支持される。
【0066】
(第1の太陽光モジュールの固定)
まず初めに、固定装置1の押さえ具10と固定具20をボルト30で連結し、2つの部材を仮留めする。仮留めとは、押さえ具10の突起部19が固定具20の連結孔27に嵌め込まれ、押さえ具10と固定具20とが別々に分離しない程度にボルト30及びナット34で締結されている状態のことをいう。なお、作業者は、予め必要な個数の仮留めされた固定装置1を準備しておくことにより、太陽光モジュール100の設置作業を効率的に進めることができる。
【0067】
次に、第1の太陽光モジュール100Aを固定する固定装置1をラック部材200に取り付ける工程について図5図13を用いて説明する。
図5は、固定装置1を傾けた姿勢でラック部材200に挿入する状態を示す平面図である。図6は、図5に示す固定装置1を図6中のVI−VI線断面で示す断面図である。図7は、固定装置1がラック部材200の空間内へ挿入された状態を示す平面図である。図8は、図7の固定装置1を図7中のVIII−VIII線断面で示す図である。図9は、図7の固定装置1を矢印Y1の方向へ移動させた状態を示す平面図である。図10は、図9の固定装置1を図9中のX−X線断面で示す断面図である。図11は、図10の固定装置1を交点Cを中心に矢印Y2の方向に回転している途中の状態示す平面図である。図12は、図10の固定装置1を略90度回転した状態を示す平面図である。図13は、図12の固定装置1を図12中のXIII−XIII線断面で示す断面図である。
【0068】
固定装置1は、図1に示すように、第1の太陽光モジュール100Aを間に挟んで、ラック部材200に沿って固定金具400と反対側に設けられる。図5及び図6に示すように、作業者は、仮留めされている固定装置1を第1圧接部25a及び第2圧接部25bがラック部材200の長手方向に対して略直交する向きに向ける。
【0069】
この理由は、開口部230の短手方向の幅(距離K2)を通過することができる向きに固定装置1の向きを合わせるためである。言い換えれば、固定装置1の固定具20を開口部230からラック部材200の内側に挿入するためである。すなわち、開口部230の短手方向の幅(距離K2)は、固定具20の第1圧接部25aの外側の面と第2圧接部25bの外側の面との間の距離K1よりも狭く形成されている。このため、第1圧接部25a及び第2圧接部25bが支持板部210と平行になる位置では、開口部230に固定具20を挿入することができない。言い換えれば、第1端面24aの長手方向が支持板部210の長手方向に沿う向きの姿勢の固定具20は、開口部230から挿入することができない。
【0070】
そこで、作業者は、固定具20のアース部22から押さえ具10の脚部13dまでの最大距離が、距離K1よりも短いことを利用する。すなわち、作業者は、図6に示すように、脚部13dが図示下方になる向きにラック部材200の開口部230へ向かって固定装置1を傾ける。例えば、作業者は、仮留めされた固定装置1を斜めの姿勢でラック部材200の開口部230へ挿入する。傾けられた固定装置1の固定具20及び押さえ具10の一部は、ラック部材200の内側に挿入される。挿入された固定装置1の脚部13dは、ラック部材200の底板部270に当接する。
【0071】
ここで、脚部13dとアース部22の外面間の最長距離は、開口部230の距離K2よりも長く構成されている。しかし、固定装置1の姿勢を斜めにすることで、作業者は、固定装置1の脚部13d側の一部を支持板部210の内側に挿入することができる。なお、脚部13dとアース部22の外面間の最長距離が、距離K2よりも短く構成され、固定装置1の姿勢を斜めにすること無く、支持板部210の内側に挿入できる構成であってもよい。
【0072】
作業者は、固定装置1の脚部13dの先端を底板部270に当接させたまま、固定装置1が立つ方向に固定装置1を回動させる。これにより、作業者は、固定具20の全体をラック部材200の内部に挿入することができる。
【0073】
なお、傾けても入りにくい場合には、引っ掛かった所において、作業者は、固定装置1を揺らす。固定装置1の押さえ具10と固定具20とは、仮留めされている状態であるので、押さえ具10と固定具20との連結には若干のいわゆる遊びが存在する。作業者は、固定装置1を揺らして、固定具20と押さえ具10との遊びを利用して、アース部22から脚部13dまで距離を若干縮めることにより、ラック部材200の内側へ固定装置1を挿入することができる。
【0074】
次に、図7及び図8に示すように、固定装置1の固定具20がラック部材200の内側の空間へ挿入されると、作業者は、図9及び図10に示すように、固定装置1を矢印Y1の方向へ移動する。固定装置1は、図10に示すように、ラック部材200の第2側板部291側にアース部22が近接する位置に移動される。なお、矢印Y1へ移動しなくても、固定装置1の回転が可能であれば、この工程は省略することができる。
【0075】
続いて、作業者は、押さえ具10の押圧部15を把持し、図11に示す矢印Y2方向に仮留めされている固定装置1を回転する。
【0076】
作業者は、図11に示すように、例えば固定装置1の交点Cを中心として矢印Y2の方向に固定装置1を略90度回転する。固定装置1の回転が開始されると、固定具20の4つの角である第1角C1、第2角C2、第3角C3及び第4角C4もそれぞれ回転する。すなわち、第2角C2及び第4角C4は、中心を交点Cとする第1側板部290及び第2側板部291の内側に接する円の内側に設けられている。このため、固定装置1は、矢印Y2の方向に略90度回転することができる。
【0077】
上記のように、固定装置1を矢印Y2に沿って略90度回転すると、図12に示すように、固定装置1の第1圧接部25a及び第2圧接部25bは、ラック部材200の長手方向に沿って支持板部210に重なる位置に配置される。
【0078】
言い換えれば、支持板部210の長手方向に、第1圧接部25aの第1端面24aの長手方向が沿う向きで、一方の支持板部210と対向して配置される。同様に、支持板部210の長手方向に、第2圧接部25bの第2端面24bの長手方向が沿う向きで、他方の支持板部210と対向して配置される。
【0079】
作業者は、図12及び図13に示すように、第1圧接部25a及び第2圧接部25bが支持板部210と重なる位置まで来ていることを確認し、固定装置1の回転を止める。
【0080】
固定装置1の位置が決定したら、作業者は、ボルト30の締め付けを開始する。ボルト30を締めることにより、固定具20の第1圧接部25a及び第2圧接部25bがラック部材200の支持板部210へ向かって引き上げられ、支持板部210の裏側から支持板部210を介して第1の太陽光モジュール100Aを押圧する。同時に、図2に示すように、押さえ具10の第1押圧部12がフレーム130から支持板部210へ向かって第1の太陽光モジュール100Aを押圧する。これにより、第1の太陽光モジュール100Aの棟側の端縁が、第1押圧部12及び支持板部210の間に挟み込まれて固定される。
【0081】
このとき、固定具20のアース部22は、第1の太陽光モジュール100Aのフレーム130を押圧する。アース部22の突起23は、フレーム130に施されているメッキ加工の薄膜を破ってフレーム130の裏面120と電気的に導通される。なお、本実施形態において、突起23は、2つ形成されているが、この中の一つでも導通が得られればよい。
(第2の太陽光モジュールの固定)
まず、第1の太陽光モジュール100Aの棟側を固定している固定装置1の第2押圧部14とラック部材200の支持板部210の間に第2の太陽光モジュール100Bの軒側の端縁を挟み込むように配置する。
【0082】
次に、第2の太陽光モジュール100Bがラック部材200の上に配置される。第1の太陽光モジュール100Aの棟側を固定している固定装置1との間に第2の太陽光モジュール100Bを挟んで対向する位置に次の固定装置1をセットする。すなわち、太陽光モジュール100は、固定装置1と交互に配置される。なお、第2の太陽光モジュール100Bの棟側の端縁を固定する固定装置1の取り付け方法は、第1の太陽光モジュール100Aの棟側の端縁を固定している固定装置1の取り付け方法と同様のため、その詳細な説明は省略する。また、3枚目以降の太陽光モジュール100においても、同様の方法を繰り返すことで屋根に取り付けることができる。
【0083】
このように構成された本実施形態に係る固定装置1によれば、ラック部材200のどの位置からも固定装置1の固定具20を開口部230からラック部材200の内側に挿入することができる。このため、ラック部材200の長手方向の長さが数メータある場合や、ラック部材200の両端が閉塞している構成であっても、ラック部材200の端部から固定具20を挿入する必要がなく、太陽光モジュール100の固定位置の近傍の開口部230から固定装置1を挿入することができる。もちろん当然のことであるが、固定装置1は、ラック部材200のどの位置からも、取り外すことができる。
【0084】
また、固定装置1は、一対の圧接部25a、25b間の距離K1は、距離K2及び距離L4よりも長く、且つ、L3よりも短く構成されている。このため、固定装置1は、図5図11の一連の動作により、固定装置1の第1圧接部25a及び第2圧接部25bをラック部材200の支持板部210の長手方向に沿って配置することができる。
【0085】
すなわち、図3に示す状態から、固定具20の設置位置がラック部材200の長手方向と直交する方向である図示左右方向のどちらかに片寄った場合であっても、第1圧接部25a又は第2圧接部25bが支持板部210から外れて固定装置1がラック部材200から外れることがない。
【0086】
また、本実施形態の固定装置1によれば、押さえ具10と固定具20とが突起部19と連結孔27により組み付けられている。これにより、図11に示す固定装置1の回転操作において、押さえ具10と固定具20が常に一体となって回転する。このため、固定具20のみが回転せずに図9に示す挿入位置で止まることがない。
【0087】
また、本実施形態の固定装置1によれば、図2に示すように突起部19を備えている。突起部19は、例えば、屋根に堆積した雪等により棟側から軒側に向かって太陽光モジュール100に力が作用したときにラック部材200と当接し、太陽光モジュール100を支持する支持部材としても機能する。これにより、太陽光モジュール100に係る圧力による太陽光モジュール100の変形や破損を防ぐことができる。このため、固定装置1は、雪が多い地域においても太陽光モジュール100を設置することができる。
【0088】
また、本実施形態の固定装置1によれば、脚部13dは、太陽光モジュール100の軒側から棟側に向かって力が作用した場合に、ラック部材200の底板部270と脚部13dの先端とが当接する。これにより、脚部13dは、作用する力に抗して太陽光モジュール100を支持することができる。
【0089】
また、本実施形態の固定装置1は、脚部13dと突起部19とを有することにより自立可能な構造を備えている。このため、固定装置1をラック部材200の開口部230から挿入後、ラック部材200の底板部270に沿って固定装置1を太陽光モジュール100に向かって自立した状態でスライドさせるだけで太陽光モジュール100と嵌め合わせることができ作業性がよい。
【0090】
また、脚部13dに設けられた複数の凸部13eは、識別マークとして機能する。例えば、太陽光モジュール100の厚みに合わせて、複数種の押さえ具10を製造した場合、第1延出部11の長さによって凸部13eの数を変えることにより、必要な押さえ具10をすぐに識別することができる。
【0091】
また、本実施形態の固定装置1によれば、固定具20には、アース部22が一体に設けられているため、ラック部材200に沿って別途アース部を取り付ける必要が無い。また、アース部22は、鋭利に尖った少なくとも1つの突起23を有している。突起23は、押さえ具10の押圧部15と太陽光モジュール100の厚み方向に重なる位置に設けられている。突起23は、ボルト30が締められることによりフレーム130の裏面120のメッキを貫通可能である。このため、予めアース部22を接地する位置のフレーム130の裏面120のメッキを剥離してフレーム本体の金属面を露出させる必要が無く作業性に優れている。
【0092】
また、押さえ具10の第2押圧部14の接触面18から支持板部210の表面までの距離は、第1押圧部12の接触面16から支持板部210の表面までの距離よりも若干広く構成されている。このため、第1の太陽光モジュール100Aを固定後に第2の太陽光モジュール100Bを第2押圧部14の接触面18と支持板部210の間にはめ込むときに、第2の太陽光モジュール100Bを斜め上から嵌め込むことが可能であるため、作業性が良い。
【0093】
また、本実施形態の固定装置1によれば、アース部22は、図4に示すように傾斜して構成されている。言い換えれば、アース部22は、突起23の並び方向の一端が第1延出部11に近接する向きに傾斜して設けられている。この傾斜は、ベース部26に流入した水に流れを発生させ、水だまりが出来ることを防ぐ。すなわち、この傾斜は、ベース部26に流入した水をベース部26とアース部22とにより構成される接続部分に沿って排水することができる。さらに、アース部22は、ベース部26との接続部分において、水抜き孔21を備えている。これにより、さらに固定具20は、排水機能を高めることができる。これにより、固定装置1は、錆を防止することができる。
【0094】
また、押さえ具10の第2延出部13は、後から配置される第2の太陽光モジュール100B側に延出されている。つまり、第2延出部13は、第2押圧部14側に設けられている。このため、第1の太陽光モジュール100Aを固定するときに、第2延出部13が第1の太陽光モジュール100Aにより覆われることがない。また、常に作業者は、固定作業を実施している太陽光モジュール100よりも棟側でボルト30の締結作業を行うことができるため、ボルト30の締め付け作業中に作業者が太陽光モジュール100の太陽電池セル150に誤って乗ることがない。
【0095】
また、本実施形態の固定装置1は、ラック部材200への挿入動作においても、押さえ具10と固定具20が分離されない。このため、屋根の上等の不安定な場所においても、仮留めされた固定装置1を用いて簡易な動作によりラック部材200に太陽光モジュール100を取り付けるとともに、アースをすることができるため作業性がよい。
【0096】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、押さえ具10を押し出し成形により形成するものと記載したが、製造方法はこれに限定されない。例えば、溶接により第1延出部11、第2延出部13、押圧部15、脚部13d及び突起部19を接続することも、また、プレス加工により成形することもできる。
【0097】
また、同様に、固定具20についても本実施形態においては、第1圧接部25a、第2圧接部25b及びアース部22を曲げ加工により一体に製造しているが、これに限られない。すなわち、それぞれの部材を別体に形成することもできる。
【0098】
また、押さえ具10の突起部19と固定具20の連結孔27とは、反対に設けることも可能である。すなわち、押さえ具10の第2延出部13に連結孔27を設け、固定具20のベース部26に突起部19を設けることも可能である。
【0099】
また、本実施形態においては、固定装置1は、第1側板部290側へ脚部13dの先端を挿入し、傾斜させることで、開口部230からラック部材200の内側に固定具20を挿入しているが、これに限られない。すなわち、固定装置1は、第2側板部291側へ脚部13dの先端を挿入し、傾斜させることで、開口部230からラック部材200の内側に固定具20を挿入することも可能である。
【0100】
また、本実施形態において、太陽光モジュール100をラック部材200に固定する固定装置1を説明しているが、ラック部材200に固定されるものは、太陽光モジュール100に限定されない。固定装置1で挟み固定することができるパネルであれば、他の部材にも利用することができる。
【0101】
この他、固定装置1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]長手方向に沿って延びるスリット状の開口部を上面部に有する中空棒状のラック部材の前記上面部に配置されるパネルの周縁部の一部と当接する押さえ具と、
前記開口部に挿入可能に構成され、前記開口部の長手方向と直交する方向の幅よりも大きい幅を一方向に有する前記上面部の裏面に当接する固定具と、
前記パネルの前記周縁部の一部及び前記ラック部材の前記上面部の裏面にそれぞれ当接した前記押さえ具及び前記固定具を一体に固定する締結部材と、
を備えることを特徴とする固定装置。
[2]前記押さえ具は、一方向に長い板状の第1延出部、前記第1延出部の端部であって、前記第1延出部の厚さ方向に延設され、前記パネルの前記周縁部の一部と当接する押圧部、及び、前記第1延出部の他端から前記第1延出部の厚さ方向に延出され、前記締結部材を挿通可能な第1ボルト孔を有する第2延出部を具備し、
前記固定具は、前記第2延出部の前記第1ボルト孔に対向する前記締結部材を挿通可能な第2ボルト孔を有し、前記第2延出部と対向する板状のベース部、及び、前記開口部の前記幅よりも大きく、且つ、前記ラック部材の対向する一対の側板部の内面間の幅よりも小さい幅で離間して前記ベース部に配置され、前記上面部の裏面に当接可能な一対の圧接部を具備することを特徴とする[1]に記載の固定装置。
[3]前記固定具は、前記一対の圧接部の外側に設けられる4つの角の対角を結ぶ2本の対角線の一方の対角線の長さが、他方の対角線の長さよりも短いことを特徴とする[2]に記載の固定装置。
[4]前記押圧部は、前記第2延出部が延びる方向とは反対方向に延びる第1押圧部及び前記第2延出部が延びる方向に延びる第2押圧部を具備し、
前記第2押圧部の接触面から前記第2延出部の表面までの間の距離が、前記第1押圧部の接触面から前記第2延出部の表面までの間の距離よりも長く形成されていることを特徴とする[2]に記載の固定装置。
[5]前記固定具は、前記ベース部の端部の前記固定具と接続される前記押さえ具の前記第2延出部側と反対側の端部に設けられ、前記圧接部が延びる方向へ延びるアース部を備えていることを特徴とする[2]に記載の固定装置。
[6]前記固定具は、前記アース部及び前記ベース部の接続部分に、貫通する水抜き孔を有することを特徴とする請求項5に記載の固定装置。
[7]長手方向に沿って延びるスリット状の開口部を上面部に有する中空棒状のラック部材の前記上面部に配置されるパネルの周縁部の一部と当接する押さえ具と締結部材により一体に固定される、前記開口部の長手方向と直交する方向の幅よりも大きい幅を一方向に有する前記上面部の裏面に当接する固定具を前記開口部から挿入し、前記固定具を前記固定具の前記一方向が前記ラック部材の長手方向と直交する方向に沿う方向に回転し、前記押さえ具及び前記ラック部材の前記上面部の間に前記パネルの前記周縁部の一部を配置し、前記押さえ具及び前記固定具を前記締結部材により一体に接続することを特徴とするパネルの設置方法。
【符号の説明】
【0102】
1…固定装置、10…押さえ具、11…第1延出部、12…第1押圧部、13…第2延出部、13b…裏面、13c…端部、13d…脚部、13e…凸部、14…第2押圧部、15…押圧部、16…接触面、17…第1ボルト孔、18…接触面、19…突起部、20…固定具、21…水抜き孔、22…アース部、23…突起、24a…第1端面、24b…第2端面、25a…第1圧接部、25b…第2圧接部、26…ベース部、26a…第1辺、26b…第2辺、26c…第3辺、26d…第4辺、27…連結孔、28…第2ボルト孔、30…締結部材(ボルト)、31…ワッシャ、33…ワッシャ、34…ナット、100…太陽光モジュール、100A…第1の太陽光モジュール、100B…第2の太陽光モジュール、110…表面、120…裏面、130…フレーム、140…空間、150…太陽電池セル、200…ラック部材、210…支持板部、230…開口部、270…底板部、290…第1側板部、291…第2側板部、300…化粧板、400…固定金具、500…屋根、600…太陽光発電ユニット。
【要約】
本発明に係る固定装置は、長手方向に沿って延びるスリット状の開口部を上面部に有する中空棒状のラック部材の上面部に配置されるパネルの周縁部の一部と当接する押さえ具と、開口部に挿入可能に構成され、開口部の長手方向と直交する方向の幅よりも大きい幅を一方向に有する上面部の裏面に当接する固定具と、パネルの周縁部の一部及びラック部材の上面部の裏面にそれぞれ当接した押さえ具及び固定具を一体に固定する締結部材と、を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
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図14