(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2はいずれも操作部材の操作速度や操作量に基づいてレンズ駆動を制御しているが、いずれもレンズ駆動量の分解能について考慮されてはいないので、レンズを所定位置に設定する際の迅速性、精確性を満足するものにはなっていない。すなわち、
図8はカメラのレンズ鏡筒に内装されたフォーカスレンズにおける分解能の一例を示す図であり、横軸は撮像素子CCDに対するフォーカスレンズFLのレンズ位置であり、縦軸は被写体距離(レンズ合焦(フォーカス)位置に対応)である。フォーカスレンズ駆動装置は駆動パルスによりステップ回転するステッピングモータを備えており、したがって横軸のレンズ位置はレンズを駆動するためにステッピングモータに供給する駆動パルスのパルス数に対応する。縦軸は下方が近距離側、上方が遠距離側を示している。
【0005】
図8から分かるように、フォーカスレンズFLの近距離側では合焦位置変化に対する駆動パルスのパルス数が多く、遠距離側ではパルス数が少ない。前記した分解能は1つの駆動パルスに対する合焦位置の変化量であるとも言え、合焦位置変化に対する分解能が均等でないことが分かる。このことからフォーカスレンズの近距離側では1つの駆動パルスによる合焦位置変化が小さいので、つまり分解能が細かいので精確な焦点合わせが可能になるが、合焦位置を大きく変化させる際には多数のパルス数が必要になり迅速な焦点合わせが難しくなる。一方、遠距離側では1つの駆動パルスによる合焦位置変化が大きいので、つまり分解能が粗いので合焦位置を大きく変化させる際には迅速に行うことができるが、精確な焦点合わせを行うことは難しくなる。特許文献1,2はいずれも操作部材の操作速度に応じてレンズ駆動の速度や駆動量を制御しているのに過ぎないため、これらの速度や駆動量を合焦位置の変化に追従して制御することはできず、前記したような近距離側と遠距離側のそれぞれにおける焦点合わせの迅速性と精確性を共に満足させることが難しいものになっている。このようなレンズ駆動量における分解能の不均等が要因となるレンズ位置設定に際しての迅速性と精確性の問題はフォーカスレンズに限られるものではなく、ズームレンズにおいて望遠側と広角側との間でレンズ駆動する場合にも言えることである。
【0006】
本発明の目的
は、レンズを所定位置に対して迅速にかつ精確に位置設定することが可能なレンズ駆動装置およびレンズ駆動方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレンズ駆動装置にかかる第1の発明は、操作部材の操作
に応じて操作信号を出力する
操作信号出力手段と、
駆動信号に
応じてレンズを駆動するレンズ駆動手段と、
前記操作信号に応じて前記レンズ駆動手段に出力する駆動信号を制御するレンズ駆動制御手段を備え、前記レンズ駆動制御手段は、
前記操作信号を計数し、当該計数に基づいて設定された初期期間内と当該初期期間を過ぎた期間とで、前記操作信号に対応するレンズ駆動量が相違するように、前記駆動信号を制御する構成とする。
【0008】
第1の発明では、
前記レンズ駆動制御手段は、前記操作信号のレベル変化数に基づいて当該操作信号を計数することが好ましい。
【0009】
本発明の第1の発明を具体化した第2の発明として、操作部材の操作に応じて
操作パルス信号を出力する操作パルス信号出力手段と、駆動パルス
信号のパルス数に対応してレンズを駆動させるレンズ駆動手段と、
前記操作パルス信号のパルス数を計数するとともに、当該操作パルス信号に対応して前記レンズ駆動手段に
出力する駆動パルス
信号のパルス数を制御するレンズ駆動制御手段を備え、前記レンズ駆動制御手段は、前記
操作パルス信号のパルス数に基づいて設定された初期期間内と当該初期期間を過ぎた期間とで
、前記操作パルス信号に対応する前記駆動パルス
信号のパルス数を相違させる構成とする。
【0010】
この第2の発明では、
前記操作部材はレンズ鏡筒に設けられた回転操作部材であり、
前記レンズは当該レンズ鏡筒内に内装されており、前記レンズ駆動手段は当該レンズを前記レンズ鏡筒の光軸方向に沿って移動させる移動手段とて構成することが好ましい。
【0011】
また、第2の発明では、
前記レンズはフォーカスレンズであり、前記初期期間を過ぎた期間において、前記操作パルス信号に対応する前記駆動パルス信号のパルス数は、前記フォーカスレンズのレンズ位置に応じて相違する構成とする。また、
前記初期期間を設定する前記操作パルス信号のパルス数は、前記フォーカスレンズのレンズ位置に応じて相違する構成とする。
【0012】
本発明のレンズ駆動方法にかかる第3の発明は、操作部材が操作されたときに
操作信号出力手段から操作信号を出力し、この操作信号に基づいてレンズ駆動手段に
出力する駆動信号をレンズ駆動制御手段において制御し、レンズ駆動手段は入力される駆動信号に基づいてレンズを駆動するレンズ駆動方法であって前記レンズ駆動制御手段は、
前記操作信号を計数し、当該計数に基づいて設定された初期期間内と当該初期期間を過ぎた期間とで、前記操作信号に対応する前記レンズの駆動量が相違するよう制御する。
【0013】
第3の発明のレンズ駆動方法を具体化した第4の発明では、操作部材が操作されたときに
操作パルス信号出力手段から操作パルス信号を出力し、レンズ駆動制御手段は入力された操作パルス信号に基づいてレンズ駆動手段に出力する駆動パルスのパルス数を制御し、
レンズ駆動手段は入力される駆動パルス
信号のパルス数に対応してレンズを駆動させるレンズ駆動方法であって、前記レンズ駆動制御手段は、
前記操作パルス信号のパルス数を計数し、そのパルス数に応じて設定された初期期間内と当該初期期間を過ぎた期間とで、前記操作パルス信号に対応する前記駆動パルス信号の
パルス数を相違させるよう制御する。
【発明の効果】
【0014】
本発
明によれば、操作部材の操作初期の期間と、それ以降の期間とで
操作信号に対する駆動信号によるレンズ駆動量を相違させるので、操作の初期とそれ以降とで操作部材に対するレンズの移動量、すなわち操作部材に対するレンズ移動量の感度を相違させることができ、任意のレンズ操作性のレンズ駆動装置を得ることができる。特に、操作初期の期間ではレンズ移動量を小さくし、それ以降ではレンズ移動量を大きくすることで、操作初期の期間でのレンズ駆動制御特性によって精確なレンズ位置設定が可能になり、それ以降では迅速なレンズ位置設定が可能になる。
【0015】
本発
明によれば、操作部材の操作により検出する
操作パルス信号に対応する駆動パルス
信号にてレンズを駆動する具体的な構成としたときには、レンズ駆動制御手段では
操作パルス信号の初期期間とそれ以降の期間においては
操作パルス信号に対応する駆動パルス
信号のパルス数を制御することで、操作初期の期間ではレンズ移動量を小さくし、それ以降ではレンズ移動量を大きくすることで、操作初期の期間でのレンズ駆動制御特性によって精確なレンズ位置設定が可能になり、それ以降では迅速なレンズ位置設定が可能になる。特に、操作部材としてレンズ鏡筒に設けられた回転操作部材で構成し、レンズとしてレンズ鏡筒内に内装されたフォーカスレンズで構成することにより、フォーカスレンズによる合焦を迅速かつ精確に行うことが可能になる。
【0016】
さらに、操作初期の期間である
初期期間内におけるレンズ駆動制御手段による駆動パルス数よりも、それ以降の駆動パルス数の方を
多くすることで、操作初期期間でのレンズ駆動制御を利用してフォーカスレンズの合焦位置への設定を精確に行うことができ、操作初期期間以降でのレンズ駆動制御を利用してフォーカスレンズの合焦位置への設定を迅速に行うことができる。また、フォーカスレンズの合焦位置変化に対する駆動パルス
信号による分解能が均等でない場合でも、
初期期間以降における駆動パルス数をフォーカスレンズのレンズ位置に応じて相違する構成とすることにより、さらなる迅速なフォーカスレンズの位置設定が可能になる。
【0017】
本発明の第2の発明、およびこれを具体化した発明では、第1の発明によるレンズの所定位置への設定、特にフォーカスレンズによる合焦位置への設定を迅速かつ精確に行うことが可能になる。第3の発明および第4の発明においても第1の発明および第2の発明と同様の作用効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明をフォーカス装置に適用したディジタルカメラの一部を透視した外観図である。カメラボディ1はレリーズボタン2とファインダ窓3とレンズ鏡筒4とストロボ発光部5とLCDモニタ6を備えており、レンズ鏡筒4内にはフォーカス光学系4−2を含む撮影光学系が内装されている。このフォーカス光学系4−2はフォーカスレンズ4−2aがレンズ鏡筒4内において筒軸方向、すなわち光軸方向に移動されることによって被写体に対する焦点合わせ(フォーカシング)が行われる。前記フォーカス光学系4−2は焦点合わせを自動的に行うことが可能なAF(オートフォーカス)装置が内装されているが、ここでは手操作によっても焦点合わせを行うことができるようにレンズ鏡筒4の外周にMF(マニュアルフォーカス)リング4−6、すなわち本発明における操作部材ないしは回転操作部材が配設されている。撮影者はカメラボディ1に設けられている図示しないモード設定ボタンを操作して撮影モードをMFモードに設定することにより、当該MFリング4−6を手で回転操作すればフォーカス光学系4−2による焦点合わせを行うことが可能とされている。
【0020】
図2は前記ディジタルカメラの全体構成を示したブロック構成図である。前記レンズ鏡筒4は、ズーム光学系4−1と、フォーカス光学系4−2と、絞りユニット4−3と、メカ(メカニカル)シャッタユニット4−4を備えている。ズーム光学系4−1は、被写体の光学画像を取り込むズームレンズ4−1aと、ズーム駆動モータ4−1bを備える。フォーカス光学系4−2は、フォーカスレンズ4−2aと、フォーカス駆動モータ4−2bを備える。絞りユニット4−3は、絞り4−3aと、絞りモータ4−3bを備える。メカシャッタユニット4−4は、メカシャッタ4−4aと、メカシャッタモータ4−4bを備える。さらに、これら各モータを駆動するモータドライバ4−5を備えている。また、詳細は後述するが、前記MFリング406が回転操作されたときにカウントパルス信号を出力するリング検出センサー4−7を備えている。
【0021】
前記カメラボディ1の内部には、前記レンズ鏡筒4で結像された被写体の光学画像を光電変換するための固体撮像素子としてCCD101が配設されており、F/E(フロントエンド)−IC102に接続されている。このF/E−IC102は、画像ノイズ除去用相関二重サンプリングを行うCDS102−1と、利得調整を行うAGC102−2と、ディジタル信号変換を行うA/D102−3と、駆動タイミング信号を発生するTG102−4を備えている。このTG102−4はディジタルスチルカメラプロセッサ104のCCD1信号処理ブロック104−1より垂直同期信号、水平同期信号が供給される。前記CCD101はCPUブロック104−3によって制御され、TG102−4の駆動タイミング信号に基づいて撮像した被写体像の光電画像を出力する。
【0022】
ディジタルスチルカメラプロセッサ104は、F/E―IC102の出力データにホワイトバランス設定やガンマ設定を行うとともに、前記した垂直同期信号、水平同期信号を供給するCCD1制御ブロック104−1と、フィルタリング処理により、輝度データ・色差データへの変換を行うCCD2制御ブロック104−2と、前記レンズ鏡筒4やF/E―IC102の各部の動作を制御するCPUブロック104−3と、この制御に必要なデータ等を一時的に、保存するLocal
SRAM104−4を備える。また、パソコンなどの外部機器とUSB通信を行うUSBブロック104−5と、パソコンなどの外部機器とシリアル通信を行うシリアルブロック104−6を備える。さらに、JPEG圧縮・伸張を行うJPEG
CODECブロック104−7と、画像データのサイズを補間処理により拡大/縮小するRESIZEブロック104−8と、画像データを液晶モニタやTVなどの外部表示機器に表示するためのビデオ信号に変換するTV信号表示ブロック104−9と、撮影された画像データを記録するメモリカードの制御を行うメモリカードブロック104−10を備えている。
【0023】
前記ディジタルスチルカメラプロセッサ104にはデータ記録手段として、SDRAM103と内蔵メモリ107が接続されている。このSDRAM103は前記ディジタルスチルカメラプロセッサ104で画像データに各種処理を施す際に、画像データを一時的に保存する。保存される画像データは、例えば、CCD101からF/E−IC102を経由して取りこんで、CCD1信号処理ブロック104−1でホワイトバランス設定、ガンマ設定が行われた状態の「RAW−RGB画像データ」やCCD2制御ブロック104−2で輝度データ・色差データ変換が行われた状態の「YUV画像データ」、JPEG
CODECブロック104−7で、JPEG圧縮された「JPEG画像データ」などである。また、内蔵メモリ107は、撮影した画像データを記憶できるようにするためのメモリである。
【0024】
また、前記ディジタルスチルカメラプロセッサ104にはさらにLCDドライバ108、ビデオAMP109、音声CODEC112が接続されている。LCDドライバ108は前記LCDモニタ6を駆動するドライブ回路であり、TV信号表示ブロック104−9から出力されたビデオ信号をLCDモニタ6に表示するための信号に変換する機能も有している。このLCDモニタ6は、撮影前に被写体の状態を監視する、撮影した画像を確認する、メモリカードや前記内蔵メモリ107に記録した画像データを表示する、などを行うためのモニタである。ビデオAMP109は、TV信号表示ブロック104−9から出力されたビデオ信号を75Ωインピーダンス変換するためのアンプであり、ビデオジャック110は、TVなどの外部表示機器と接続するためのジャックである。音声CODEC112は、音声ブロック104−12から出力された音声データをスピーカ113から出力できる信号に変換する。
【0025】
一方、前記CPUブロック104−3には、前記ストロボ発光部5を発光させるためのストロボ回路106、被写体までの距離を測距する測距ユニット114、SUB−CPU105、操作KEYユニットSW1−15が接続されている。操作KEYユニットSW1−15は、ユーザが操作するKEY回路であり、SUB−CPU105は、ROM・RAMをワンチップに内蔵したCPUであり、操作KEYユニットSW1−15などの出力信号をユーザの操作情報として、前述したCPUブロック104−3に出力する。
【0026】
以上の構成において、前記フォーカス光学系4−2のフォーカスレンズ4−2aは本発明におけるレンズないしはフォーカスレンズである。また、前記フォーカスモータ4−2bおよびモータドライバ4−5は本発明におけるレンズ駆動手段である。さらに、前記リング検出センサー4−7は操作部材の操作に伴ってカウントパルス信号を発生するカウントパルス発生手段であり、これは本発明における
操作信号ないし操作パルス信号を出力する手段である。
なお、この操作信号は操作部材の操作に伴って検出される検出信号であっても良いので、以降においては検出信号と称している。また、操作パルス信号は実施形態の記載においてはカウントパルス信号と称している。そして、前記ディジタルスチルカメラプロセッサ104の特にCPUブロック104−3は、
前記操作信号ないしは操作パルス信号を出力する操作信号出力手段または操作パルス信号出力手段であるとともに、本発明におけるレンズ駆動制御手段である。
【0027】
図3は前記MFリング4−6の回転を検出して検出信号、ここではカウントパルス信号を出力する前記リング検出センサー4−7を説明する図である。
図3(a)はその概念構成を示す一部の概略斜視図であり、前記MFリング4−6と一体の筒部の一方の側縁に円周方向に沿って一定のピッチ寸法(周期寸法)で矩形櫛歯4−6bが断続的に形成された櫛歯部4−6aが一体に形成されている。また、この櫛歯部4−6aに対向するレンズ鏡筒4の図示しない固定部には円周方向に微小距離だけ離して第1センサーS1および第2センサーS2が固定支持されている。これら第1センサーS1および第2センサーS2は、それぞれ投光部と受光部を持つ投受光素子、すなわちフォトインタラプタで構成されており、矩形櫛歯4−6bの表面での反射光を受光したときとそうでない時で出力信号の状態が変化するものである。前記第1センサーS1と第2センサーS2の円周方向の微小距離は、
図3(b)の平面図に示すように、前記櫛歯4−6bのピッチ寸法pの1p+1/4pの寸法に設定されている。
【0028】
このリング検出センサー4−7では、MFリング4−6を回転させると第1センサーS1と第2センサーS2で検出する検出信号は、それぞれ操作方向により
図3(c)に示すように変化するカウントパルス信号CP1,CP2となる。すなわち、各センサーS1,S2が矩形櫛歯4−6bに対向位置するときには反射光を受光して高レベル信号が出力され、矩形櫛歯4−6bの間では反射光を受光しないため低レベルの出力が出力される。これにより、MFリング4−6の回転に伴って矩形のカウントパルス信号CP1,CP2が周期的に出力される。第1センサーS1と第2センサーS2は前記のようにピッチ寸法pの(1+1/4)pであるので、各センサーS1,S2から検出される2つのカウントパルス信号CP1,CP2の位相は90°ずれることになる。
【0029】
したがって、これら2つのカウントパルス信号CP1,CP2を用いることにより、ディジタルスチルカメラプロセッサ104のCPUブロック104−3はMFリング4−6の回転量、回転方向、さらには回転速度を検出することが可能になる。
図3(c)において第1センサーS1と第2センサーS2のカウントパルス信号のうち、いずれか一方のカウントパルス信号、例えばカウントパルス信号CP1を参照すると、このカウントパルス信号CP1はMFリング4−6の矩形櫛歯4−6bに対応して出力されるのでそのカウント周期TはMFリング4−6が1つの矩形櫛歯4−6bだけ回転された回転量になる。したがって、カウントパルス信号CP1のパルス数はそのままMFリング4−6の回転量になるので、このカウントパルス信号CP1の立ち上がり時、あるいは立ち下がり時ごとにカウントを行うことにより、そのカウント数によって回転量を検出することができる。また、このカウントパルス信号CP1のカウント周期TはMFリング4−6の回転速度に相関するので、このカウント周期TからMFリング4−6の回転速度を検出することができる。
【0030】
MFリング4−6の回転方向については、両方のカウントパルス信号CP1,CP2を参照する。例えば、MFリング4−6を正方向に操作した場合には、第1センサーS1と第2センサーS2のカウントパルス信号CP1,CP2は
図3(c)に示すようになり、カウントパルス信号CP1の立ち上がり時にカウントパルス信号CP2はLレベルとなり、立ち下がり時にHレベルとなる。一方、MFリング4−6を負方向に操作した場合には、カウントパルス信号CP1,CP2は
図3(d)に示すようになり、カウントパルス信号CP1の立ち上がり時にカウントパルス信号CP2はHレベルとなり、立ち下がり時にLレベルとなる。すなわち、カウントパルス信号CP1の立ち上がり時、立ち下がり時のカウントパルス信号CP2の出力レベルを判別することにより、MFリング4−6の回転方向を検出することができる。
【0031】
前記フォーカス光学系4−2は、ここでは前記したようにAFモードでのフォーカス制御、すなわちAF制御が可能とされており、カメラボディ1においてAF制御とMF制御の各モードを切り替えることが可能とされている。また、フォーカス制御を行うために前記したフォーカスモータ4−2bが設けられている。
図1に示したように、このフォーカスモータ4−2bは駆動パルスにより回転駆動されるステッピングモータで構成されており、回転出力軸にはレンズ光軸方向に延びるスクリュー4−2dが連結されている。このスクリュー4−2dには前記フォーカスレンズ4−2aのレンズ枠4−2cが一部において螺合されている。これにより、フォーカスモータ4−2bが回転駆動されたときにスクリュー4−2dが軸転されると、これに螺合されているレンズ枠4−2cがスクリュー4−2dに沿って移動され、フォーカスレンズ4−2aが光軸方向に移動されて焦点合わせが行われる。なお、フォーカスレンズ4−2aの焦点合わせに際しては他のレンズを同時に移動させることがあり、この場合にはいわゆるカム筒を利用してレンズを駆動する構成が採用されるが、ここでは説明を簡略化するためにスクリューによるレンズ駆動の例を示している。
【0032】
このフォーカス光学系4−2においては、AF制御時には前記測距ユニット114の出力
に基づいて前記CPUブロック104−3がモータドライバ4−5を制御してフォーカスモータ4−2bに駆動パルスを供給することによって当該フォーカスモータ4−2bを駆動し、フォーカスレンズ4−2aを移動させる。また、手動で焦点合わせを行うMF制御時には、前記したようにMFリング4−6を手操作することよって発生するカウントパルス信号に基づいて前記CPUブロック104−3がモータドライバ4−5を制御してフォーカスモータ4−2bに駆動パルスを供給して駆動することになる。このフォーカスモータ4−2bの駆動制御を行うために、フォーカスレンズ位置に対応するフォーカスモータ4−2bの駆動パルス数が内蔵メモリ107に記憶されている。すなわち、
図8に示したように、フォーカスレンズ4−2aを無限遠位置から最近接位置まで移動させる際にフォーカスモータに供給する駆動パルス数として、無限遠位置の駆動パルス数「0」から最近接位置の駆動パルス数「158」までの間における駆動パルス数とフォーカス位置の相関が記憶される。これにより、CPUブロック104−3はフォーカスモータ4−2bにそれまでに供給された駆動パルス数を検出し、これを内蔵メモリ107に記憶されている駆動パルス数と対比することによって現在のフォーカスレンズ4−2aのフォーカス位置を認識することが可能である。
【0033】
次に、MFモードに設定されたときのマニュアルフォーカス動作について説明する。
図4はMFモードにおける動作の概略を示すフロー図である。CPUブロック104−3はカメラにおける設定状態を検出し、MFモード判定を行う。MFモード設定時(OFFからONへ切替えたとき)の場合は(S11)、MFリング検出用の開始処理を行う(S13)。ここでは、リング検出センサー407を構成しているフォトインタラプタの電源をONすることで、MFリング4−6の回転操作に伴うカウントパルス信号を検出できるようにする。一方、MFモード解除時(ONからOFFへ
切替えたとき)の場合は(S12)、MFリング検出処理の終了処理を行う(S14)。ここでは、リング検出センサー4−7の電源をOFFすることで無駄な消費電流を抑えることが可能となる。
【0034】
MFリング開始処理(S13)の実行後またはMFモード中の場合は、リング検出センサー4−7からのカウントパルス信号検出を行う(S15)。カウントパルス信号の検出が無い場合は、再度MFモード判定(S11)に戻る。カウントパルス信号を検出した場合は、MFリング情報取得処理を行う(S16)。MFリング情報取得処理では、前記したようにMFリング4−6の回転量(カウント数)、回転速度(カウント周期)、回転方向を取得する。次いで、レンズ駆動許可判定(S17)を行う、このレンズ駆動許可判定では、検出したカウントパルス信号のカウント数が2カウント以上か未満かを判断している。2カウント以上の場合はレンズ駆動を許可するが、2カウント未満の場合はレンズ駆動を不許可とし、MFモード判定(S11)に戻る。これは、振動等によってMFリング4−6が移動したことをマニュアル操作によるMFリングの移動と区別し、MFリング4−6の微小回転に敏感に反応して不要なレンズ駆動が行われることを未然に防止するためである。
【0035】
レンズ駆動が許可されたときにはレンズ駆動制御値の設定を行ない(S18)、この設定したレンズ駆動制御値に基づいてモータドライバ4−5によりフォーカスモータ4−2bを制御して前記したようにフォーカスレンズ4−2aを駆動し(S19)、焦点合わせを実行する。このレンズ駆動制御値設定では、MFリング4−6の回動操作に伴って出力されるカウントパルス信号に対してフォーカスモータ4−2bを回転駆動するための駆動パルスのパルス数を何個割り当てるかを設定する。同時にフォーカスモータ4−2bを正方向と負方向、例えば、遠距離方向と近距離方向のいずれの方向に回転するかを決定するための駆動パルスの正負方向の設定を行う。
【0036】
駆動パルスのパルス数の設定については、フォーカスレンズ位置に応じて変更する制御を行う。例えば、内蔵メモリ107に記憶されている現在の駆動パルス数に基づいてフォーカスレンズ位置を検出し、検出したフォーカスレンズ位置が1mよりも遠距離側か、近距離側かを判定する。ここでは、
図8に示したように、フォーカスレンズ位置が無限位置基準で25パルス未満の場合を遠距離側、25パルス以上の場合を近距離側として判定している。そして、遠距離側と近距離側とでカウントパルス信号における初期カウント検出期間の長さを異なる長さに設定するとともに、初期カウント検出期間後における駆動パルスのパルス数を遠距離側と近距離側とで異なるパルス数に設定している。
【0037】
図5はこのパルス数の設定を説明するためのタイミング図であり、遠距離側と判定した場合は、
図5(a)に示すように、検出したカウントパルス信号に対して最初の4つのカウント周期Tの期間、すなわち4カウントパルス信号の期間を
初期期間として設定する。なお、前記したようにこの実施形態では操作パルス信号はカウントパルス信号であるので、これとの関連を明確にするために、以降においてはこの初期期間のことを初期カウント検出期間と称する。この初期カウント検出期間内においてはフォーカスレンズが最も細かい分解能、すなわち最小寸法単位でレンズが移動されるレンズ駆動量となるように1周期のカウントパルス信号に対して最小パルス数である1つの駆動パルスMPを割り当てる。また、この初期カウント検出期間を越えたときは1周期のカウントパルス信号に対して最小パルス数よりも大きな寸法単位でレンズが移動されるレンズ駆動量となるように2つの駆動パルスMPを割り当てている。
【0038】
一方、近距離側と判定した場合は、
図5(b)に示すように、検出したカウントパルス信号に対して遠距離側よりも短い最初の2つのカウント周期Tの期間、すなわち2カウントパルス信号の期間を初期カウント検出期間として設定し、この初期カウント検出期間内においては最小寸法単位でのレンズ駆動量となるように1周期のカウントパルス信号に対して最小パルス数である1つの駆動パルスMPを割り当てる。また、初期カウント検出期間を越えたときは1つのカウントパルス信号に対して遠距離側の場合よりもレンズ駆動量が大きくなるように最小パルス数よりも大きなパルス数、ここでは3つの駆動パルスMPを割り当てている。なお、この実施形態では
図5(a),(b)からも分かるように、MFリング4−6の回転操作速度が徐々に変化されてカウント周期Tが変化される状態の例を示しているが、このようにMFリング4−6の回転操作速度が変化してカウントパルス信号のカウント周期Tが変化される場合でも、前記した駆動パルスMPの割り当て数が変更されることはない。
【0039】
このようにしてレンズ駆動制御値設定が行われた上で、撮影者がMFリング4−6を操作すると、CPUブロック104−3はカウントパルス信号を検出し、このカウントパルス信号に基づいて駆動パルスをモータドライバ4−5に出力し、フォーカスモータ4−2bを駆動させフォーカスレンズ4−2aを移動させる。このとき、詳細な説明は省略するが、カメラボディ1に設けられているLCDモニタ6の表示画面の一部に表示されている
図6に示すフォーカスバー表示をフォーカスレンズ位置の変化に連動して更新する。
【0040】
このフォーカスレンズ駆動においては、フォーカスレンズ位置が遠距離側と判定されたときには、
図5(a)を再度参照すると、手動操作されるMFリング4−6の回転に応じて発生するカウントパルス信号CPの立ち上がりを検出し、カウント数を計数する。カウント数が初期カウント検出期間である4パルス以内である場合は、1カウント周期のカウントパルス信号CPに対する駆動パルスMPのパルス数を最小数である1パルスとして、カウントパルス信号CPの立ち上がりに同期してフォーカスモータ4−2bに駆動パルスMPを供給し、当該フォーカスモータ4−2bを駆動制御する。計数するカウントパルス信号CPが4パルスを越えて初期カウント検出期間を過ぎると、1カウント周期のカウントパルス信号に対する駆動パルスMPのパルス数を最小数よりも大きな数、ここでは2パルスとして、カウントパルス信号CPの立ち上がりに同期してフォーカスモータ4−2bに駆動パルスMPを供給して駆動制御する。この駆動中にカウントパルス信号CPが継続して検出される場合は、検出されている間は駆動制御を継続する。
【0041】
このようにフォーカスレンズ4−2aをレンズ駆動することにより、MFリング4−6の操作によって迅速かつ精確な焦点合わせが可能になる。すなわち、
図8に示したように遠距離側では分解能が粗く、少ない駆動パルス数で焦点距離(合焦される被写体までの距離)が大きく変化されるが、フォーカスレンズ4−2aが遠距離側に位置しているときには、初期カウント検出期間において1カウント周期Tのカウントパルス信号CPの駆動パルスMPを1パルスにしてフォーカスレンズ4−2aの移動を極めてゆっくりしたものとする一方、初期カウント検出期間を越えた場合には1カウント周期のカウントパルス信号に対する駆動パルスMPのパルス数を2パルスとしているので、フォーカスレンズ4−2aを比較的速く移動させる。したがって、遠距離側の広い範囲にわたって迅速な焦点合わせが可能になる。
【0042】
遠距離側に位置しているフォーカスレンズ4−2aを
大きく移動させるときには、
図7に焦点合わせ時間の一例を実線Aで示すように、MFリング4−6の回転操作によって最初の初期カウント検出期間はフォーカスレンズ4−2aは1カウント周期Tごとに1つの駆動パルスMPにより最小寸法単位で移動されるが、初期カウント検出期間の4周期以降は1カウント周期のカウントパルス信号CPに対する駆動パルスMPが2パルスになってフォーカスレンズ4−2aの移動単位寸法は増加され、迅速に合焦位置の近傍にまで移動されることになる。このときMFリング4−6の回転操作速度が速くなれば、これに追従してフォーカスレンズ4−2aの移動速度も速くなる。そして、合焦位置の近傍、この例では合焦位置を越えた位置でMFリング4−6の操作を一旦停止し、続いてMFリング4−6を反対方向に回転操作すると、このMFリング4−6の回転停止または反転操作に伴うカウントパルス信号CPの検出停止に基づいて制御はリセットされ、次の操作では再び初期カウント検出期間の4周期からのレンズ駆動制御が行われることになるのでフォーカスレンズは再び1カウント周期Tごとに1つの駆動パルスMPによって最小単位寸法で細かく移動されることになり、一度の操作で時点Taにおいて合焦位置に精確に設定することが可能になる。
【0043】
因みに、比較のために、仮に本発明における初期カウント検出期間を設けていないレンズ駆動の場合を
図7に示す。例えばMFリング4−6の回転操作により発生するカウントパルス信号CPの1カウント周期に対する駆動パルスMPのパルス数を最小の1パルスに設定すると、
図7の一点鎖線Bに示すようにフォーカスレンズ4−2aの移動速度が遅くなり、移動の単位寸法が小さくなって精確な焦点合わせは可能であるが、時点Tbにおいて合焦位置に設定されることになるので迅速な焦点合わせが難しい。他方、MFリング4−6の回転操作により発生するカウントパルス信号CPの1カウント周期に対する駆動パルスMPのパルス数を最初から大きい2パルスに設定すると、
図7の二点鎖線Cに示すようにフォーカスレンズ4−2aの移動速度が速くなり、フォーカスレンズを迅速に移動させることはできるが、移動の最小単位寸法が大きくなるため合焦位置に対して精確にかつ1回の操作で設定することが難しく、結局複数回の繰り返し操作を行った時点Tcにおいて合焦位置に設定することになるため結局時間がかかることになり迅速な焦点合わせも難しくなる。
【0044】
一方、レンズ位置が近距離側と判定されたときには、
図5(b)を再度参照すると、MFリング4−6の回転に応じて発生するカウントパルス信号CPの立ち上がりを検出し、カウント数が初期カウント検出期間である2パルス以内である場合は駆動パルスMPのパルス数を1パルスとして、カウントパルス信号CPの立ち上がりに同期してフォーカスモータ4−2bを駆動制御する。カウント数が2パルスを越えて初期カウント検出期間を過ぎると駆動パルスMPのパルス数を3パルスとして、カウントパルス信号CPの立ち上がりに同期してフォーカスモータ4−2bを駆動制御する。このときも、駆動中にカウントパルス信号CPが検出された場合は、検出されている間は駆動制御を継続する。
【0045】
特に、フォーカスレンズ4−2aが近距離側に位置しているときには、近距離側では駆動パルスMPによる分解能が細かいため、MFリング4−6を少し移転操作してもフォーカスレンズ4−2aを焦点位置まで迅速に移動することは難しい。ここでは初期カウント検出期間を2カウント周期と短く設定しているので、MFリング4−6の操作を開始すると直ちに初期カウント検出期間を過ぎることになり、しかもこの初期カウント検出期間を過ぎると1カウント周期Tの駆動パルスMPが3パルスに設定されているのでフォーカスレンズ4−2aは高速移動されて合焦位置の近傍にまで移動される。このときMFリング4−6の回転操作速度が速くなれば、これに追従して移動速度も速くなる。そして、図示は省略するが、
図7を参照して遠距離側について説明した場合とほぼ同様に、合焦位置の近傍でMFリング4−6の操作を一旦停止し、続いてMFリング4−6を再度操作すると、再び初期カウント検出期間の2カウント周期内での細かい単位寸法でフォーカスレンズ4−2aの移動が行われることになり、精確な焦点合わせが可能になる。この2カウント周期の初期カウント検出期間を過ぎても焦点合わせが完了しない場合には再度3パルスの駆動パルスでフォーカスレンズ4−2aが移動されるので迅速に合焦位置の近傍に移動される。最終的に焦点合わせを行う際には、再度の初期カウント検出期間の2カウント周期内での焦点合わせが行われるので、精確な焦点合わせが実現できる。初期カウント検出期間を設けていない場合に精確かつ迅速な焦点合わせが難しいことについては遠距離側の場合と同じである。
【0046】
このように、フォーカスレンズ4−2aの移動の最初に初期カウント検出期間を設け、この初期カウント検出期間ではフォーカスレンズ4−2aを移動する際の駆動パルスのパルス数を最小の1、すなわちレンズが移動する際の単位寸法を小さくし、初期カウント検出期間を過ぎた後は駆動パルスのパルス数を大きくしてレンズが移動する際の単位寸法を大きくすることにより、フォーカスレンズ4−2aを迅速にかつ精確に焦点合わせすることができる。また、この初期カウント検出期間を、フォーカスレンズ4−2aの移動の分解能の違いに対応させて、分解能が粗い遠距離側では初期カウント検出期間を長くし、分解能が細かい近距離側では初期カウント検出期間を短くすることで、これら分解能の違いにかかわらず迅速かつ精確な焦点合わせが実現できる。なお、以上の説明では遠距離側または近距離側におけるフォーカスレンズ4−2aの焦点合わせについて説明したが、遠距離側から近距離側に移動される場合、あるいは近距離側から遠距離側に移動される場合についても同じであり、いずれの場合でも迅速かつ精確な焦点合わせが実現できる。
【0047】
本実施形態では、フォーカスレンズ4−2aにおける遠距離側と近距離側の切替えポイントを1箇所(1m)としたが複数の切替えポイントとすることも可能である。また、初期カウント検出期間の長さや、初期カウント検出期間での駆動パルス数、さらには初期カウント検出期間を過ぎた後の駆動パルス数についても実施形態の構成に限定されるものでなく、適宜に設定することができる。例えば、切替えポイントを1mと0.5mとして3つの距離範囲に区分して駆動パルスを変更するようにしてもよい。この場合には、無限位置から1mまでの遠距離のレンズ位置の場合は初期カウント検出期間を4カウント周期とし、初期カウント検出期間後はカウントパルス信号の2カウント周期単位で駆動パルスを供給してフォーカスモータ4−2bを駆動制御する。1mから0.5mまでの中距離のレンズ位置の場合は、初期カウント検出期間を3カウント周期とし、初期カウント検出期間後はカウントパルス信号の1カウント周期単位で駆動パルスを供給してフォーカスモータ4−2bを駆動制御し、0.5mよりも近い近距離のレンズ位置の場合は、初期カウント検出期間を2カウント周期とし、初期カウント検出期間後はカウントパルス信号の半周期単位で駆動パルスを供給してフォーカスモータ4−2bを駆動制御することもできる。
【0048】
本実施形態では、レンズ鏡胴4に設けたMFリング4−6を手動操作することによりフォーカスレンズ4−2aを移動して焦点合わせを行う例を説明したが、本発明における操作部材としてはカメラボディ1に設けたダイアル式の操作円盤等の回転操作部材を操作してフォーカスレンズを移動させる構成に適用することも可能である。また、本実施形態では本発明におけるレンズとしてフォーカスレンズに適用した例を示したが、例えばズームレンズ等の手動操作によって移動されるレンズであれば他のレンズに適用することも可能である。この場合、ズームレンズにおいては焦点距離の変化に対するズームモータの駆動パルスの分解能が均等でないので、ズームレンズの焦点距離位置に応じて初期カウント検出期間の長さや駆動パルス数を設定すればよい。さらには、ズームレンズの焦点距離の変化に追従してフォーカスレンズにおける焦点位置の分解能も均等ではない場合もあるので、この場合にはズームレンズの焦点距離に応じてフォーカスモータにおける初期カウント検出期間の長さ
や駆動パルス数を設定するようにしてもよい。
【0049】
実施形態の説明においては特に例示していないが、本発明においては、操作部材の操作速度に応じて初期カウント検出期間の長さやその際の駆動パルス数を適宜に変更してもよい。また、初期カウト検出期間を過ぎた後の駆動パルス数についても操作部材の操作速度に追従して増減するように設定してもよい。特に、MFリングやその他の回転操作部材のように操作性が異なる操作部材の場合には操作部材における操作速度が相違することがあるので、経験的に求められる平均的な操作速度に基づいて最適な駆動パルス数を設定することが好ましい。
【0050】
また、本発明の操作部材は回転操作部材に限られるものではなく、スライド構造の操作部材や、操作ボタン等の操作部材であってもよい。さらに、操作部材を操作したときに出力される検出信号は、必ずしも実施形態のようなパルス信号でなくてもよく、操作部材の操作量や操作時間に対応した信号であれば電圧信号、電流信号、正弦波信号等の信号であってもよい。