特許第6167613号(P6167613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6167613画像表示装置、画像表示方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6167613
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】画像表示装置、画像表示方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20170713BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20170713BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20170713BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   G09G5/00 510B
   G09G5/00 510V
   G09G5/10 B
   G09G5/00 550C
   G09G5/36 520P
   H04N5/74 Z
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-72361(P2013-72361)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-197113(P2014-197113A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2016年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(72)【発明者】
【氏名】南野 正
【審査官】 中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−168402(JP,A)
【文献】 特開2012−014010(JP,A)
【文献】 特開2012−234515(JP,A)
【文献】 特開2009−237210(JP,A)
【文献】 特開2007−256961(JP,A)
【文献】 特開2006−178155(JP,A)
【文献】 特開2003−216134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 5/42
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが出入りできるように構成され、内部に入ったユーザの周囲を取り囲むようにスクリーンが設けられたゲーム機に適用される画像表示装置であって、
所定の画像を複数の部分画像に分割して前記ゲーム機の内面側から前記スクリーン上にそれぞれ投影するように設けられ、かつ前記複数の部分画像の明るさをそれぞれ調整可能な複数の表示ユニットとしての複数のプロジェクタと、
前記複数の部分画像の中から表示に際して優先されるべき部分画像である優先部分画像を判別する優先部分判別手段と、
前記優先部分判別手段の判別結果に基づいて、前記優先部分画像の明るさと、前記優先部分画像以外の非優先部分画像の明るさと、を差別化するように前記複数のプロジェクタの明るさを制御する明るさ制御手段と、
を備え
前記明るさ制御手段は、前記優先部分画像を投影するプロジェクタの明るさを、前記非優先部分画像を投影するプロジェクタの明るさよりも相対的に高くなるように制御する画像表示装置。
【請求項2】
前記優先部分判別手段は、前記所定の画像内でユーザが注目しているユーザ注目領域を判別することで、前記ユーザ注目領域を含む部分画像を前記優先部分画像として判別する請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記ユーザの動作を検出する動作検出手段をさらに備え、
前記優先部分判別手段は、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記ユーザ注目領域を判別する請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記優先部分判別手段は、前記動作検出手段が検出する前記ユーザの顔が向けられている注目方向に基づいて、前記優先部分画像を判別する請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記優先部分判別手段は、前記動作検出手段が検出する前記ユーザが向ける視線の注目方向に基づいて、前記優先部分画像を判別する請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記優先部分判別手段は、前記注目方向に対応する前記画像内の位置に基づく所定範囲の領域を前記ユーザ注目領域として判別する請求項4又は5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記優先部分判別手段は、前記所定の画像内でユーザに注目されるべき特別領域を判別することで、前記特別領域を含む部分画像を前記優先部分画像として判別する請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項8】
ユーザが出入りできるように構成され、内部に入ったユーザの周囲を取り囲むようにスクリーンが設けられたゲーム機に適用され、所定の画像を複数の部分画像に分割して前記ゲーム機の内面側から前記スクリーン上にそれぞれ投影するように設けられ、かつ前記複数の部分画像の明るさをそれぞれ調整可能な複数の表示ユニットとしての複数のプロジェクタを備えた画像表示装置の画像表示方法であって、
前記複数の部分画像の中から表示に際して優先されるべき部分画像である優先部分画像を判別する優先部分判別手順と、
前記優先部分判別手順の判別結果に基づいて、前記優先部分画像の明るさと、前記優先部分画像以外の非優先部分画像の明るさと、を差別化するように前記複数のプロジェクタの明るさを制御する明るさ制御手順と、
を備え
前記明るさ制御手順では、前記優先部分画像を投影するプロジェクタの明るさを、前記非優先部分画像を投影するプロジェクタの明るさよりも相対的に高くなるように制御する画像表示方法。
【請求項9】
ユーザが出入りできるように構成され、内部に入ったユーザの周囲を取り囲むようにスクリーンが設けられたゲーム機に適用され、所定の画像を複数の部分画像に分割して前記ゲーム機の内面側から前記スクリーン上にそれぞれ投影するように設けられ、かつ前記複数の部分画像の明るさをそれぞれ調整可能な複数の表示ユニットとしての複数のプロジェクタを備えた画像表示装置のコンピュータ装置に実行させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータ装置を、
前記複数の部分画像の中から表示に際して優先されるべき部分画像である優先部分画像を判別する優先部分判別手段、及び前記優先部分判別手段の判別結果に基づいて、前記優先部分画像の明るさと、前記優先部分画像以外の非優先部分画像の明るさと、を差別化するように前記複数のプロジェクタの明るさを制御する明るさ制御手段、として機能させ
前記明るさ制御手段は、前記優先部分画像を投影するプロジェクタの明るさを、前記非優先部分画像を投影するプロジェクタの明るさよりも相対的に高くなるように制御するように構成されたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の画像を表示する表示手段を備えた画像表示装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
大画面で画像を表示する画像表示装置が周知である。一例として、複数のプロジェクタを用いて重畳的に画像を投射するマルチプロジェクションシステム(例えば特許文献1参照)や、複数の液晶ディスプレイ装置を並べて大画面で画像を表示する装置が知られている。また、ユーザの周囲にスクリーンを配置し、複数のプロジェクタで画像を投射する装置が知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−15502号公報
【特許文献2】特開平11−313983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大画面で画像を表示する画像表示装置では、表示面が大きくなる程、画像を表示させるための光量も多くなる。このため、表示面が明るくなりすぎると画面が見にくくなりがちである。
【0005】
そこで、ユーザの視認性を妨げることなく画面の明るさを抑えることが可能な画面表示装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像表示装置は、所定の画像(101A)を複数の部分画像(P1〜P6)に分割してそれぞれ表示する、前記複数の部分画像の明るさをそれぞれ調整可能な複数の表示ユニット(12a〜12f)と、前記複数の部分画像の中から表示に際して優先されるべき部分画像である優先部分画像(AA2)を判別する優先部分判別手段(44)と、前記優先部分判別手段の判別結果に基づいて、前記優先部分画像の明るさと、前記優先部分画像以外の非優先部分画像(NA2)の明るさと、を差別化するように前記複数の表示ユニットの明るさを制御する明るさ制御手段(45)と、を備えたものである。
【0007】
本発明の画像表示方法は、所定の画像(101A)を複数の部分画像(P1〜P6)に分割してそれぞれ表示する、前記複数の部分画像の明るさをそれぞれ調整可能な複数の表示ユニット(12a〜12f)を備えた画像表示装置(2)の画像表示方法であって、前記複数の部分画像の中から表示に際して優先されるべき部分画像である優先部分画像(AA2)を判別する優先部分判別手順(S24)と、前記優先部分判別手順の判別結果に基づいて、前記優先部分画像の明るさと、前記優先部分画像以外の非優先部分画像(NA2)の明るさと、を差別化するように前記複数の表示ユニットの明るさを制御する明るさ制御手順(S25)と、を備えたものである。
【0008】
本発明のコンピュータプログラムは、所定の画像(101A)を複数の部分画像(P1〜P6)に分割してそれぞれ表示する、前記複数の部分画像の明るさをそれぞれ調整可能な複数の表示ユニット(12a〜12f)を備えた画像表示装置(2)のコンピュータ装置(41)に実行させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ装置を、前記複数の部分画像の中から表示に際して優先されるべき部分画像である優先部分画像(AA2)を判別する優先部分判別手段(44)、及び前記優先部分判別手段の判別結果に基づいて、前記優先部分画像の明るさと、前記優先部分画像以外の非優先部分画像(NA2)の明るさと、を差別化するように前記複数の表示ユニットの明るさを制御する明るさ制御手段(45)、として機能させるように構成されたものである。
【0009】
本発明によれば、表示に際して優先される優先部分画像を判別し、この判別結果に基づいて、表示された画像内の明るさを制御する。優先部分画像は、例えば、表示させる画像に応じて予め指定された画像としてもよいし、ユーザの操作に基づく指示や、ユーザの動作を検出することにより自動で指定される画像としてもよい。何らかの設定により優先されることが指定されていればよい。優先部分画像及び非優先部分画像の区別により画像内で明るさを制御するので、ユーザの視認性に影響を与えにくい画像を暗くして画面の明るさを抑えることができる。表示ユニット毎に明るさを制御するので、比較的簡単な制御で画面の明るさを抑えることができる。
【0010】
本発明の画像表示装置の一形態において、前記優先部分判別手段は、前記所定の画像内でユーザが注目しているユーザ注目領域(AA2)を判別することで、前記ユーザ注目領域を含む部分画像を前記優先部分画像として判別してもよい。これによれば、所定の画像内のユーザ注目領域を含む画像が優先部分画像として判別されるので、ユーザが注目する部分とその他の部分とで明るさを制御することができる。
【0011】
この形態において、前記ユーザの動作を検出する動作検出手段(13)をさらに備え、前記優先部分判別手段は、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、前記ユーザ注目領域を判別してもよい。これによれば、ユーザの動作に応じて画像内の明るさを制御できるので、視認性を妨げることなく画面の明るさを抑えることができる。
【0012】
上述した形態において、前記優先部分判別手段は、前記動作検出手段が検出する前記ユーザが向いている顔の注目方向に基づいて、前記優先部分画像を判別してもよい。また、前記優先部分判別手段は、前記動作検出手段が検出する前記ユーザが向ける視線の注目方向に基づいて、前記優先部分画像を判別してもよい。
【0013】
ユーザの注目方向に基づいて優先部分画像を判別する形態において、前記優先部分判別手段は、前記注目方向に対応する前記画像内の位置(C)に基づく所定範囲の領域を前記ユーザ注目領域として判別してもよい。これによれば、ユーザの動作から画像内で注目している位置を判別し、この位置に基づいてユーザ注目領域を判別する。ユーザの動作に応じて画像内の明るさを制御できるので、視認性を妨げることなく画面の明るさを抑えることができる。
【0014】
本発明の画像表示装置の一形態において、前記優先部分判別手段は、前記所定の画像内でユーザに注目されるべき特別領域(AA2)を判別することで、前記特別領域を含む部分画像を前記優先部分画像として判別してもよい。特別領域は、予めユーザに注目してほしい領域を指定しておけばよい。優先部分判別手段は、特別領域を判別し、その結果に応じて優先部分画像を判別するので、ユーザに注目させたい領域を明るくすることができる。
【0015】
本発明の画像表示装置の一形態において、前記明るさ制御手段は、前記優先部分画像を表示する表示ユニットの明るさを、前記非優先部分画像を表示する表示ユニットの明るさよりも相対的に高くなるように制御してもよい。これによれば、優先部分画像を表示するユニットを明るくするので、ユーザが見たい領域、あるいはユーザに見せたい領域が明るくなり、視認性を妨げない。
【0016】
本発明の画像表示装置の一形態において、前記複数の表示ユニットが、前記ユーザの周囲を取り囲むようにして前記画像を表示してもよい。これによれば、表示ユニットにより表示された画像をユーザが見たときに、ユーザの視野外に位置する部分が生じる。このような画像に対して、優先部分画像を判別し、この判別結果に基づいて、表示された画像内の明るさを制御する。優先部分画像及び非優先部分画像の区別により画像内で明るさを制御するので、ユーザの視認性に影響を与えにくい画像を暗くして画面の明るさを抑えることができる。この形態において、前記複数の表示ユニットが、前記ユーザの周囲を取り囲むようにして設けられたスクリーン(11)にそれぞれの部分画像を投影する複数のプロジェクタ(12a〜12f)であってもよい。
【0017】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0018】
以上、説明したように、本発明によれば、表示に際して優先される優先部分画像を判別し、この判別結果に基づいて、表示された画像内の明るさを制御する。優先部分画像は、例えば、表示させる画像に応じて予め指定された画像としてもよいし、ユーザの操作に基づく指示や、ユーザの動作を検出することにより自動で指定される画像としてもよい。何らかの設定により優先されることが指定されていればよい。優先部分画像及び非優先部分画像の区別により画像内で明るさを制御するので、ユーザの視認性に影響を与えにくい画像を暗くして画面の明るさを抑えることができる。表示ユニット毎に明るさを制御するので、比較的簡単な制御で画面の明るさを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の形態に係る画像表示装置を適用したゲーム機の正面図。
図2図1のII‐II線に沿った断面図。
図3図2のIII‐III線に沿った断面図。
図4】各プロジェクタによって投射される画面を説明する図。
図5】ゲーム画面の一例を示した図。
図6】ユーザ注目領域を説明するゲーム画像の一例を示した図。
図7】ゲーム機の制御系における機能ブロック図。
図8】ゲーム制御部が実行する画像生成処理を示すフローチャート。
図9】ゲーム制御部が実行する明るさ制御処理を示すフローチャート。
図10】ゲーム画像の他の例を示した図。
図11】第2の形態におけるユーザ注目領域を説明するゲーム画像の一例を示した図。
図12】本発明の第2の形態に係るゲーム機の制御系における機能ブロック図。
図13】ゲーム制御部が実行する明るさ制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(本発明の参考例)
図1は、本発明の参考例に係る画像表示装置を適用したゲーム機の正面図である。ゲーム機1は、所定のプレイ料金の支払いと引換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機1は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機1は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の商業施設に設置される。ゲーム機1は、ゲーム画面100を表示するスクリーンユニットSCと、ユーザが着席してゲームを操作するシートユニットSEとを備えている。
【0021】
図2は、図1のII‐II線に沿った断面図である。また、図3は、図2のIII‐III線に沿った断面図である。スクリーンユニットSCには、シートユニットSEの周囲を取り囲むように配置されるスクリーン11と、ゲーム画面100をスクリーン11上に投射する複数のプロジェクタ12と、ユーザの顔を検出する動作検出センサ13と、ユーザが出入りする出入り口部14とが設けられている。スクリーン11は、球面状に形成された複数のパネル11aが出入り口部14を除いたスクリーンユニットSC内に並べられることにより構成される。スクリーン11は、シートユニットSEのユーザが座るシート21の背もたれ部付近まで達している。
【0022】
スクリーンユニットSCには、スクリーン11に対して、ユーザ正面に画像を投射する第1プロジェクタ12a及び第2プロジェクタ12bと、ユーザ左側面に画像を投射する第3プロジェクタ12c及び第4プロジェクタ12dと、ユーザ右側面に画像を投射する第5プロジェクタ12e及び第6プロジェクタ12fとの計6台のプロジェクタ12が設置される。スクリーン11上に投射されるゲーム画像100は、複数の部分画像(本形態では6つ)に分割され、それぞれの単位画像が各プロジェクタ12a〜12fで投射される。各プロジェクタ12a〜12fは、ミラー15を介して投射される。以下、代表して第1プロジェクタ12a及び第2プロジェクタ12bで説明する。なお、複数のプロジェクタ12a〜12fが表示手段、及び複数の表示ユニットに相当する。
【0023】
第1プロジェクタ12aは、スクリーンユニットSCの正面上部に設置され、ミラー15を介してスクリーン正面下部に第1画像P1を投射する。図2に示す網掛けで示した範囲が第1プロジェクタ12aで表示可能な範囲である。同様に、第2プロジェクタ12bは、スクリーンユニットSCの正面下部に設置され、ミラー15を介してスクリーン正面上部に第2画像P2を投射する。第1及び第2プロジェクタ12a、12bがスクリーン11の正面に位置する正面画像を投射する。
【0024】
図4は、各プロジェクタ12a〜12fによって投射される画面を説明する図である。なお、図4では、説明の便宜上、各画面sc1〜sc6を平面状に表現しているが、実際は球面状のスクリーン11に投射される。第1プロジェクタ12aがシートユニットSEの正面下部に第1画像P1を投射することにより、第1画面sc1が形成される。第2プロジェクタ12bがシートユニットSEの正面上部に第2画像P2を投射することにより第2画面sc2が形成される。同様に、第3及び第4プロジェクタ12c、12dがシートユニットSEの左側面に第3画像P3及び第4画像P4を投射することによりそれぞれ第3画面sc3、第4画面sc4が形成され、第5及び第6プロジェクタ12e、12fがシートユニットSEの右側面に第5画像P5及び第6画像P6を投射することによりそれぞれ第5画面sc5、第6画面sc6が形成される。各画面sc1〜sc6は、隣接する画面と画像の一部が重畳されて投射される。図4では、第2画面sc2の範囲が網掛けで示されている。このような、複数のプロジェクタ12を用いて重畳的に画像を投射するマルチプロジェクション方式の表示に関しては各種の周知技術を利用してよい。なお、各画面sc1〜sc6をそれぞれ区別する必要がない場合、画面scということがある。また、各画像P1〜P6をそれぞれ区別する必要がない場合画像Pということがある。
【0025】
動作検出センサ13は、スクリーン11の裏側正面中央に設けられ、スクリーン11に設けられた3つの検出孔13aを介してユーザの顔を認識する。動作検出センサ13には、カラーセンサと、赤外線エミッタと、赤外線深度センサが設けられ、ユーザの顔の向きや視線の向きを認識して、ユーザが注目する注目方向を検出することができる。動作検出センサ13として、例えば、KINECT(登録商標)等の各種周知の検出センサを利用してよい。出入り口部14には、上下にスライド移動可能な扉(不図示)が設けられ、ユーザのゲームプレイ中に扉を閉めることができる。
【0026】
シートユニットSEには、ユーザが着席するシート21と、シート21の位置を調整するシートスライド機構22と、ゲーム操作を入力する操作入力部23と、スピーカーユニット24と、コイン投入部25とが設けられている。シート21には可振器21aが設けられ、ゲーム中の臨場感を向上させている。シートスライド機構22には、シートの位置を調整する前部レバー22a及び後部レバー22bが設けられている。各レバー22a、22bを操作することにより、シート21を前後方向に移動させ、位置を調整することができる。前部レバー22aは、ユーザがシート21に座りながら操作することを想定して設けられている。また、後部レバー22bは、ユーザが出入りするときの移動スペース確保を想定して設けられている。このため、前部レバー22aはレバーの引上げ操作で、後部レバー22bはレバーの押下げ操作で、それぞれシート21のロックを解除し、シート21のスライド移動が可能となる。シート21がスライドする機構については、周知技術を利用してよい。
【0027】
操作入力部23には、操作レバー23aと、液晶ディスプレイ23bと、液晶ディスプレイ23bに重ね合わされた透明なタッチパネル23cとが設けられている。操作レバー23aは、ユーザの左右両側に設けられユーザの操作を受け付ける。操作レバー23aは、ゲームの特徴に応じて適宜の形状に構成される。液晶ディスプレイ23bにはゲームの情報等が表示され、タッチパネル23cによりゲームモードの選択等の適宜の操作が受け付けられる。スピーカーユニット24は、シート21の周囲に適宜配置される。
【0028】
図5は、ゲーム画面100の一例を示した図である。ゲーム機1では、一例として、シューティングゲームが提供される。ゲーム画面100には、分割された各画面sc1〜sc6に表示される部分画像がそれぞれのプロジェクタ12a〜12fで投射され、ゲーム画像101として表示される。なお、図5では、各画面sc1〜sc6の表示範囲の例として、第2画面sc2を網掛け表示して区別している。シートユニットSEに対向して設けられた動作検出センサ13がユーザの顔を認識し顔の向きを検出すると、その注目方向からゲーム画像101上の注目座標Cが決定される。ゲーム画像101上には、注目座標Cを中心として同心円状に広がった所定の大きさの攻撃範囲ARが示され、ゲーム進行をサポートする。
【0029】
一方、注目座標Cを中心とした所定範囲がユーザ注目領域AAとして設定される。図6は、ユーザ注目領域AAを説明するゲーム画像101を示した図である。ユーザ注目領域AAは、注目座標Cを中心として左右に所定範囲で拡がる領域である。ユーザ注目領域AAが設定されると、ゲーム画像101のその他の領域は、非注目領域NAとして設定される。ユーザ注目領域AAは、非注目領域NAと比較して相対的に明るくなるようにゲーム画像101内の明るさが制御される。非注目領域NA内の画像の明度を下げるように調整してもよいし、ユーザ注目領域AAの明度を上げるように調整してもよい。ユーザの顔の動きに応じて注目座標Cがゲーム画像101上を移動するので、注目座標Cに応じてユーザ注目領域AAも移動する。非注目領域NAは、注目座標Cから離れ、ユーザの視野から外れた領域とすることで、画像を暗くしてもゲームの進行への影響は少ない。これにより、ゲーム機1内の全体的な明るさが抑えられ、スクリーン11の照り返しによる不鮮明な画像を防止できる。
【0030】
図7は、ゲーム機1の制御系における機能ブロック図である。ゲーム機1には、ゲーム制御部31と、記憶部32とが設けられている。ゲーム制御部31は、ゲーム機1のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置等の周辺装置を含む。)とソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。記憶部32は、ハードディスクアレイ等の記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部32には、各種のデータが記憶されるが、図7ではプレイデータ36、ゲームプログラム37及び画像データ38が示されている。プレイデータ36は、ユーザがゲームを続きからプレイするためにゲームのプレイ内容を保存したデータである。プレイデータ36は、ユーザ毎に作成され、ユーザの識別情報と対応付けて記録される。ゲームプログラム37は、ゲーム機1で提供されるシューティングゲームを実行するためのものである。画像データ38は、ゲーム画像101を生成するために参照するデータで、キャラクタや背景等の画像のデータが記録される。
【0031】
ゲーム制御部31には、ゲーム画像101を生成する画像生成部33と、ゲーム画像101内でユーザ注目領域AAを判別する注目領域判別部34と、ゲーム画像101の明るさを制御する明るさ制御部35とが設けられている。画像生成部33は、ゲームの進行に応じたゲーム画像101を生成する。ゲーム画像101の生成には、画像データ38が参照される。注目領域判別部34は、画像生成部33で生成されたゲーム画像101内でユーザ注目領域AAを判別する。ユーザ注目領域AAが判別されると、残りの領域が非注目領域NAとして設定される。明るさ制御部35は、ユーザ注目領域AAの明るさと非注目領域NAの明るさとを差別化するように制御する。また、ゲーム制御部31には、各プロジェクタ12a〜12f、動作検出センサ13、操作入力部23、スピーカーユニット24及びコイン投入部25が接続されている。なお、画像表示装置2は、ゲーム制御部31と、複数のプロジェクタ12と、動作検出センサ13とを有する装置である。
【0032】
図8は、ゲーム制御部31が実行する画像生成処理を示すフローチャートである。画像生成処理は、ゲーム制御部31の画像生成部33が実行する処理で、ソフトウエア処理によりゲーム画面100に表示するゲーム画像101を生成する。ゲーム制御部31は、操作入力部23からの入力信号に基づくゲーム進行に応じた画像データ38を取得する(ステップS1)。画像データ38から描画に必要なキャラクタや背景の設定が記録されたデータを取得する。ゲーム制御部31は、取得した画像データ38を参照してゲーム画像101を生成する(ステップS2)。ゲーム画像101の生成には、周知技術を利用してよい。そして、ゲーム制御部31は、生成したゲーム画像101を各プロジェクタ12a〜12fに投射させるために分割する(ステップS3)。ゲーム画像101は、各画面sc1〜sc6に対応するように複数に分割される。ゲーム制御部31は、各プロジェクタ12a〜12fに対応する各画像を送信し、ゲーム画像101として表示させ(ステップS4)、今回の処理を終了する。画像生成処理では、ゲーム制御部31の画像生成部33が実行するステップS1〜S4の処理が画像生成手段として機能する。
【0033】
図9は、ゲーム制御部31が実行する明るさ制御処理を示すフローチャートである。明るさ制御処理は、ゲーム制御部31の注目領域判別部34及び明るさ制御部35が実行する処理で、ゲーム画像101の明るさを制御する。ゲーム制御部31は、まず、画像生成部33で生成されるゲーム画像101のデータを取得する(ステップS11)。そして、ゲーム制御部31は、動作検出センサ13によりユーザの顔を認識する(ステップS12)。顔認識処理において、ユーザの顔の向きや視線の方向が識別される。この顔認識処理については周知技術を利用してよい。そして、ゲーム制御部31は、認識結果に基づいて、ゲーム画像101上に位置する注目座標Cを決定する(ステップS13)。ステップS12でユーザが向いている顔の方向が識別されるので、その顔の方向が示すゲーム画面100上の位置を注目座標Cとして決定する。あるいは、ステップS11でユーザの視線の方向を検出して、その方向が示すゲーム画面100上の位置を注目座標Cとして決定してもよい。
【0034】
ゲーム制御部31は、注目座標Cに基づいて、ゲーム画像101内でのユーザ注目領域AAを判別する(ステップS14)。注目座標Cを中心とした所定範囲がユーザ注目領域AAとして設定される。ユーザ注目領域AAの範囲は、例えば、ユーザの頭の位置を中心として、正面方向を0°とした左右45°や左右90°等の角度で指定してもよいし、注目座標Cからの所定範囲を距離で指定してもよい。ユーザが範囲を設定できるようにしてもよい。ユーザ注目領域AAが判別されると、ゲーム画像101における残りの領域は、非注目領域NAとして設定される。
【0035】
そして、ゲーム制御部31は、非注目領域NAとして設定された画像の明度を下げ(ステップS15)、今回の処理を終了する。ゲーム画像101の明度は、非注目領域NAの全範囲を一律に下げてもよい(図6参照)。あるいは、図10に示すように、非注目領域NAに対して、注目座標Cから遠ざかるにつれて段階的に明度を下げるように明るさを制御してもよい。明度の設定についても、非注目領域NAの全領域を黒に設定して識別不可能な状態としてもよいし、非注目領域NA内の画像の明度に対して均等な下げ幅とし、描かれている像の識別が可能となるように調整してもよい。適宜の設定が可能である。また、ユーザが非注目領域NAで明度の下げ幅を設定できるようにしてもよい。
【0036】
上述した処理によれば、動作検出センサ13によりゲーム中に動かしているユーザの顔が認識され(ステップS12)、認識結果に基づいて注目座標Cが決定される(ステップS13)。注目座標Cに基づき、ユーザ注目領域AAを判別すると(ステップS14)、取得したゲーム画像101のデータからユーザ注目領域AA外の非注目領域NAの明度を下げる(ステップS15)。ゲーム画像101に対してユーザが注目している領域を判別することにより、ユーザが注目していない領域の明度を相対的に下げてゲーム機1内の明るさを低減し、明るすぎることによってゲーム画面100が見にくくなることを防止することができる。明るさが低減されるのは、ユーザが注目していない領域となるので、ゲーム進行にも影響が生じない。なお、上述した処理において、ゲーム制御部31の注目領域判別部34が実行するステップS11〜S14の処理が注目領域判別手段として機能し、明るさ制御部35が実行するステップS15の処理が明るさ制御手段として機能する。
【0037】
上述した参考例に係る画像表示装置は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、動作検出センサ13を利用してユーザの顔を認識することでユーザが注目している注目座標Cを特定したが、ユーザの表情や、手の動き、体全体の動作、さらには特定の動作を検出することで注目座標Cを特定するようにしてもよい。また、動作検出センサ13に代えて、例えば、レーザポインタを利用してゲーム画面100上の位置を特定してもよい。あるいは、ゲーム機1に設けられた操作レバー23aやタッチパネル23dによる操作入力に基づいて特定してもよい。また、加速度センサが設けられたハンディタイプのコントローラによる動きの検出により注目座標Cを決定してもよい。ユーザに加速度センサを装着させて動きを検出してもよい。注目座標Cの決定には適宜の周知技術を利用してよい。
【0038】
上述した形態では、ユーザ注目領域AAが非注目領域NAと比較して相対的に明るくなるようにゲーム画像101の明度を調整することにより、ゲーム画像101内の明るさを制御したが、これに限られない。例えば、ユーザ注目領域AAが非注目領域NAと比較して相対的に暗くなるようにしてもよい。ユーザが操作するキャラクタのステータスに異常がある場合に、非注目領域NAと比較してユーザ注目領域AAを暗くすることで操作しにくくし、ゲームの臨場感を高めることができる。また、ゲーム画像101の明度に限られず、例えば、ゲーム画像101の彩度を調整して明るさを制御してもよい。
【0039】
ユーザ注目領域AAは、注目座標Cを中心とした左右に所定範囲に広がる領域として説明したが、これに限られない。ユーザ注目領域AAとして、攻撃範囲ARに同心円状に広がる領域として設定してもよいし、攻撃範囲ARを設定してもよい。円形に限らず、所定形状の範囲をユーザが視認しやすい範囲として設定してよい。また、ユーザ注目領域AAと非注目領域NAの境界の処理についても、図10に示すようなグラデーションの処理をユーザ注目領域AAと非注目領域NAとの境界線を中心としてそれぞれの領域をまたぐようにして加えてもよいし、一部が見えにくくなるように境界線の一部分のグラデーションを濃くしたりしてもよい。ゲーム表現に応じて適宜の変更が可能である。
【0040】
上述した形態では、表示手段として複数のプロジェクタ12で説明したが、これに限られない。例えば、液晶ディスプレイ装置を利用してもよい。複数の液晶ディスプレイ装置を互いに隣り合うように並べ、大画面を実現させるようにしてもよい。ユーザの周囲を取り囲むように球面状に並べてもよいし、平面状に並べてもよい。ユーザが全体の画像を識別可能であれば、表示手段間に隙間を設けて設置してもよい。画面の形成については、適宜の配置を適用してよい。同様にゲーム画像101の明度を調整することで明るさの調整が可能となる。また、LEDディスプレイや、有機ELディスプレイのような、各画素に発光素子が設けられているディスプレイを利用することもできる。この場合、ゲーム画像101の明度を調整することにより明るさを制御できるが、各画素の輝度を調整することでも明るさを制御できる。非注目領域NA内の発光素子を指定して、それらの発光素子の輝度を下げるように制御すればよい。
【0041】
(本発明の一形態に係る画像表示装置)
次に、本発明の一形態に係る画像表示装置を適用したゲーム機を説明する。本形態において、ゲーム機の参照符号を1Aとし、参考例に係る形態と区別して説明する。ゲーム機1Aのハードウエア構成は、図1図4で説明した構成とほぼ同様であるので説明を省略する。なお、参考例に係る形態と同様の構成については同じ参照符号で説明する。第2の形態においては、プロジェクタ12a〜12fに設けられた画像を投射するための光源(不図示)の出力を制御して、表示輝度を調整することで明るさを制御する。
【0042】
図11は、本形態におけるユーザ注目領域AA2を説明するゲーム画像101Aを示した図である。なお、本形態においても通常の画面構成については、図5で説明した画面と同様であるので説明を省略する。ゲーム機1Aにおいて、ゲーム画面100Aに表示されるゲーム画像101Aには、参考例に係る形態と同様に注目座標Cを中心として同心円状に広がった所定の大きさの攻撃範囲ARが示される。本形態においては、攻撃範囲ARが表示されているいくつかの画面sc1〜sc6に示される画像P1〜P6がユーザ注目領域AA2として設定される。つまり、ユーザ注目領域AA2は、プロジェクタ12a〜12f単位で設定される。図11に示す例では、攻撃範囲ARは、画面sc1、sc2、sc5、sc6に亘って表示されているので、各画面sc1、sc2、sc5、sc6で表示される画像P1、P2、P5、P6の範囲がユーザ注目領域AA2(優先部分画像)となる。残りの画面sc3、sc4で表示される画像P3、P4は、非注目領域NA2(非優先部分画像)と設定される。図11で、注目座標Cがゲーム画面100Aの中央に移動すれば、攻撃範囲ARはプロジェクタ12a、12bにより投影される画面sc1、sc2内に収まり、画面sc1、sc2で表示される画像P1、P2の範囲がユーザ注目領域AA2となり、画面sc3〜sc6で表示される画像P3〜P6の範囲は非注目領域NA2と設定される。
【0043】
非注目領域NA2を表示する第3プロジェクタ12c及び第4プロジェクタ12dの表示輝度は、ユーザ注目領域AA2を表示する第1、第2、第5及び第6プロジェクタ12a、12b、12e、12fよりも相対的に低く設定される。第3及び第4プロジェクタ12c、12dの光源の出力は、オフにしてもよいし、適宜の輝度に調整してよい。非注目領域NA2は、ゲーム機1Aに設けられるプロジェクタ単位で設定される。プロジェクタ12の表示輝度が低く設定されることにより、ゲーム画面100Aには、注目座標Cに応じてユーザ注目領域AA2と非注目領域NA2とが切り換わって表示される。
【0044】
攻撃範囲ARに基づいて設定される例でユーザ注目領域AA2の設定を説明したが、これに限られない。例えば、注目座標Cに基づいて攻撃範囲ARとは異なる所定の範囲を設定し、その範囲の表示を担当するプロジェクタが表示する範囲をユーザ注目領域AA2として設定し、残りのプロジェクタ12が表示する範囲を非注目領域NA2として設定してもよい。ユーザ注目領域AA2を決定するための範囲は、適宜の大きさに設定される。あるいは、注目座標Cの位置に応じて制御対象となるプロジェクタ12を関連付け、注目座標Cの位置に基づいて制御するプロジェクタ12を判別してもよい。適宜の変更が可能である。
【0045】
図12は、ゲーム機1Aの制御系における機能ブロック図である。ゲーム機1Aには、ゲーム制御部41と、記憶部42とが設けられている。ゲーム制御部41は、ゲーム機1のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置等の周辺装置を含む。)とソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。記憶部42は、ハードディスクアレイ等の記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部42の構成は、第1の形態で説明した記憶部32と同様の構成としてよい。
【0046】
ゲーム制御部41には、ゲーム画像101Aを生成する画像生成部33と、ゲーム画像101A内のユーザ注目領域AA2を投影すべきプロジェクタ12を判別するプロジェクタ判別部44と、プロジェクタ判別部44の判別結果に基づき、各プロジェクタ12の光源の出力を制御する明るさ制御部45とが設けられている。プロジェクタ判別部44は、注目座標Cの位置に基づいて、光源を制御すべきプロジェクタ12を判別する。明るさ制御部45は、プロジェクタ判別部44の判別結果に基づいて制御すべきプロジェクタ12の光源の出力を下げ、ゲーム画像101A内の明るさを制御する。なお、画像表示装置2Aは、ゲーム制御部41と、複数のプロジェクタ12と、動作検出センサ13とを有する装置である。
【0047】
図13は、ゲーム制御部41が実行する明るさ制御処理を示すフローチャートである。ゲーム制御部41が実行するステップS21〜S23の各処理は、図9で説明したステップS11〜S13の各処理と同様であり、説明を省略する。ゲーム制御部41は、ステップS23の後、注目座標Cに基づいて、制御すべきプロジェクタ12を判別する(ステップS24)。例えば、上述したように、攻撃範囲ARを表示しているプロジェクタ12が投影する画像Pをユーザ注目領域AA2とし、かつ残りの画像Pを非注目領域NA2と設定する。非注目領域NA2の表示を割り当てられたプロジェクタが、制御すべきプロジェクタ12として判別される。ゲーム画像101Aにおけるユーザ注目領域AA2及び非注目領域NA2の判別は、周知技術を利用してよい。
【0048】
そして、ゲーム制御部41は、ステップS24で判別したプロジェクタ12の表示輝度を下げる(ステップS25)。図11に示すように、非注目領域NA2として設定された第3画像P3が表示される第3画面sc3及び第4画像P4が表示される第4画面sc4を投影する第3及び第4プロジェクタ12c、12dの表示輝度が他のプロジェクタ12a、12b、12e、12fと比較して相対的に低くなるように設定され、第3画像P3及び第4画像P4が暗く表示される。これにより、ゲーム機1Aでは、注目座標Cの位置に基づいてプロジェクタ単位で表示輝度が調整されるので、ゲーム画像101A内の明るさを制御することができる。
【0049】
上述した処理によれば、ゲーム画像101A内の注目座標Cの位置に基づいて、表示輝度を下げるプロジェクタ12が判別される(ステップS24)。そして、ステップS24で判別されたプロジェクタ12の表示輝度を低く設定する(ステップS25)。参考例に係る形態と比べ、本形態では、プロジェクタ12単位で明るさが制御される。ゲーム制御部41のプロジェクタ判別部44が実行するステップS24の処理が優先部分判別手段として、ゲーム制御部41の明るさ制御部45が実行するステップS25の処理が明るさ制御手段としてそれぞれ機能する。
【0050】
本形態では、表示ユニットとしてプロジェクタ12a〜12fで説明したが、これに限られない。例えば、ゲーム画面100Aを構成する表示手段として、複数の液晶ディスプレイ装置でもよい。プロジェクタ12a〜12fの制御と同様、複数の液晶ディスプレイ装置のそれぞれについて表示輝度を調整することによりゲーム画像101A上で明るさを制御することができる。その他、LEDディスプレイ装置や、有機ELディスプレイ装置等の各種の表示手段を用いてよい。複数の表示手段を組み合わせて画面を構成する画像表示装置に対して本発明を適用することができる。
【0051】
本形態においても、参考例に係る形態で説明したように、ユーザ注目領域AA2が非注目領域NA2と比較して相対的に暗くなるようにしてもよいし、あるいは、図10に示すようなグラデーションの処理を各表示手段の表示輝度を調整することによって実行してもよい。参考例に係る形態では、画像を構成する各画素が明るさを制御する単位であり、本形態では、部分画像を投影するプロジェクタが明るさを制御する単位となる。明るさを制御するために、参考例に係る形態ではソフトウエア処理された画像の明度を調整し、本形態ではゲーム画面100Aを投影する各プロジェクタ12の表示輝度を調整する。本形態においても、参考例に係る形態で説明したような画像の明度の調整を各プロジェクタ12の表示輝度の調整にあてはめて適宜の構成としてよい。また、プロジェクタ12a〜12f毎にゲーム画像101Aの明度や彩度を調整するようにしてもよい。
【0052】
上述した形態においては、優先部分画像をユーザ注目領域AA2として、非優先部分画像を非注目領域NA2として説明したが、これに限られない。優先部分画像は、ゲーム画像101A内でユーザに注目させたい特別領域を含む少なくとも一つの画像P1〜P6としてもよい。特別領域として例えば、特定の敵キャラクタや味方キャラクタ、アイテム等がゲーム画像101A内に出現した領域を含むいずれかの画像Pとする。この場合、予め対象となるキャラクタやアイテムを指定し、プロジェクタ12でそれらのキャラクタ等が表示されるか否かを判別すればよい。また、ネットワークを介して接続される他の画像表示装置2にて他のユーザが注目している領域を含む画像Pとしてもよい。他の画像表示装置2とネットワークを介して接続する場合、サーバ装置を介してもよい。画像表示装置2同士の接続方法は、周知技術を利用してよい。上述した形態において、ユーザ注目領域AA2を優先部分画像として、非注目領域NA2を非優先部分画像として、それぞれ説明したが、ユーザ注目領域AA2が一部に含まれる部分画像を優先部分画像としてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1、1A ゲーム機
2、2A 画像表示装置
12a〜12f 第1プロジェクタ〜第6プロジェクタ(表示手段、複数の表示ユニット)
13 動作検出センサ
31、41 ゲーム制御部
33 画像生成部
34 注目領域判別部
35、45 明るさ制御部
44 プロジェクタ判別部
100、100A ゲーム画面
101、101A ゲーム画像
AA、AA2 ユーザ注目領域
C 注目座標
NA、NA2 非注目領域
P1〜P6 第1画像〜第6画像
sc1〜sc6 第1画面〜第6画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13