(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記蓋部側内カールおよび前記蓋部側外カールの少なくとも1つは、1周以上巻かれたカール形状または平坦な面を有するフランジ形状に形成される、請求項3〜5のいずれかに記載の包装容器。
前記底部側内カールおよび前記底部側外カールの少なくとも1つは、1周以上巻かれたカール形状または平坦な面を有するフランジ形状に形成される、請求項1〜6のいずれかに記載の包装容器。
前記開口予定部を形成する工程は、前記天面部に孔を形成し、スパウトを前記孔に嵌めて、前記天面部に超音波溶着により接着する工程を含む、請求項13に記載の包装容器の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
胴部の端部で底部の周縁部を挟む場合、複雑な加工が必要であるため金型等のコストが高い。また、スパイラル紙管を用いる場合、シート材をロール供給する設備が必要となる。そのため、いずれの場合も、製造コストが高い。したがって筒形状の包装容器として、紙を主材料とするものは大ロットでの製造に限定されており、多様な口径、高さのものがある小ロットでの製造向けでは安価に対応しやすい金属缶やプラスチック製のものが主流となっている。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、製造コストを低減した、紙を主材料とする筒形状の包装容器とその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面は、
筒状に平巻きされた第1のシート材
の重なり
合った両側縁が接着されている第1の胴部と、
筒状に平巻きされた第2のシート材
の重なり
合った両側縁が接着されており、第1の胴部の内部に挿入された第2の胴部と、第2の胴部の2つの開放端をそれぞれ封止する底部および蓋部とを備え、第1の胴部の底部側の開放端を内側に折って底部側内カールが形成され、第2の胴部の底部側の開放端を外側に折って底部側外カールが形成され、底部は、一面の周縁部において、底部側外カールの全周に接着され、他面の周縁部において、底部側内カールの少なくとも一部に接着される包装容器である。
【0007】
蓋部は、第1の胴部および第2の胴部の各蓋部側の開放端に嵌合し、第2の胴部の蓋部側の開放端の全周に少なくとも接着されるリングと、周縁部がリングの全周に接着されてリングを覆うシール蓋とを含むことが好ましい。
【0008】
あるいは、第1の胴部の蓋部側の開放端を内側に折って蓋部側内カールが形成され、第2の胴部の蓋部側の開放端を外側に折って蓋部側外カールが形成され、蓋部は、周縁部が少なくとも蓋部側外カールの全周に接着され、蓋部側外カールと蓋部側内カールとに挟まれた天面部を含むことが好ましい。
【0009】
また、天面部は、包装容器の開封時に開口される開口予定部を有することが好ましい。
【0010】
天面部は、孔を有し、開口予定部は、孔に嵌められ、天面部に接着されたスパウトであることが好ましい。
【0011】
蓋部側内カール、蓋部側外カール、底部側内カールおよび底部側外カールの少なくとも1つは、1周以上巻かれたカール形状または平坦な面を有するフランジ形状に形成されることが好ましい。
【0012】
少なくとも蓋部と第1の胴部の蓋部側の端部を含む部分とを覆う保護蓋をさらに備えることが好ましい。
【0013】
本発明の他の局面は、矩形の第1のシート材を筒状に丸めて一側縁とこれに対向する側縁とを互いに重ね、重なり部分を接着剤、熱溶着または超音波溶着により接着して第1の胴部を形成する工程と、第1の胴部の一方の開放端を加熱しながら金型で押圧して内側に折り底部側内カールを形成する工程と、矩形の第2のシート材の一側縁を端面保護処理し、第1の胴部の内径より小さい外径を有する筒状に丸めて一側縁とこれに対向する側縁とを互いに重ね、重なり部分を接着剤、熱溶着または超音波溶着により接着して、第2の胴部を形成する工程と、第2の胴部の一開放端を加熱しながら金型で押圧して外側に折り底部側外カールを形成する工程と、第2の胴部の一方の開放端を底部で封止する工程と、第2の胴部の他方の開放端を蓋部で封止する工程とを含む、包装容器の製造方法である。
【0014】
底部で封止する工程は、底シート材を型抜きして底部を形成し、底部の一面の周縁部を第2の胴部の底部側外カールの全周に熱溶着または超音波により接着する工程と、底部を接着した第2の胴部を、第1の胴部に挿入する工程と、底部の他面の周縁部を第1の胴部の底部側内カールの少なくとも一部に接着剤により接着する工程とを含むことが好ましい。
【0015】
蓋部で封止する工程は、第1の胴部および第2の胴部の蓋部側の各開放端にリングを嵌合し、少なくとも第2の胴部の蓋部側の開放端の全周に、リングを超音波溶着により接着する工程と、シール蓋の周縁部をリングの全周に熱溶着によって接着し、シール蓋でリングを覆う工程とを含むことが好ましい。
【0016】
あるいは、蓋部で封止する工程は、天面シート材を型抜きして天面部を形成する工程と、第2の胴部の他の開放端を加熱しながら金型で押圧して外側に折り蓋部側外カールを形成し、天面部の周縁部を蓋部側外カールの全周に熱溶着により接着する工程と、第2の胴部を第1の胴部に挿入した後に、第1の胴部の他の開放端を加熱しながら金型で押圧して内側に折り、天面部の周縁部をおさえる位置に蓋部側内カールを形成する工程とを含むことが好ましい。
【0017】
また、天面部に、包装容器の開封時に開口される開口予定部を形成する工程をさらに含むことが好ましい。
【0018】
開口予定部を形成する工程は、天面部に孔を形成し、スパウトを孔に嵌めて、天面部に超音波溶着により接着する工程を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、製造コストを低減した、紙を主材料とする筒形状の包装容器とその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
図1は本実施形態に係る包装容器100の斜視図である。
図2は、包装容器100の縦断面を模式的に示す図である。包装容器100は、第1の胴部110と、第2の胴部120と、底部130と、蓋部140とを備える。第2の胴部120は第1の胴部110の内部に挿入されている。底部130と蓋部140とは、それぞれ、第2の胴部120の下方および上方の各開放端を封止する。第2の胴部120と底部130と蓋部140とに囲まれた空間が、内容物を収容する収容部150となる。
【0022】
第1の胴部110の底部130側の開放端は、第1の胴部110の内側に折られ底部側内カール111が形成されている。また、第2の胴部120の底部130側の開放端は、第2の胴部120の外側に折られ底部側外カール121が形成されている。
図2に示す例では、底部側内カール111は、第1の胴部110の開放端を1周以上巻き込んで形成されている。また、底部側外カール121は、第2の胴部120の開放端を巻き込まず、単に折ることにより形成されている。底部130は、収容部150側の面の周縁部において、底部側外カール121の全周に接着されている。また、底部130は、他方の面の周縁部において、底部側内カール111に接着される。底部130は、底部側内カール111の全周に接着されてもよいし、部分的に接着されてもよい。これにより、第2の胴部120が第1の胴部110から抜け出ないように第1の胴部110に固定されるとともに、底部130の周縁部を底部側内カール111によって保護することができる。
【0023】
蓋部140は、環状のリング141と、シール蓋142とを有する。リング141は、第1の胴部110および第2の胴部120の各蓋部側の開放端に嵌合し、各胴部の位置関係を固定する。リング141は、第1の胴部110の外面に接触する外リング部と、第2の胴部120の内面に接触する内リング部とを有する。内リング部は、第1の胴部110の内面と第2の胴部120の外面に接触してもよい。また、リング141は、第2の胴部120の蓋部側の開放端の全周に接着されており、シール蓋142は、周縁部がリング141の全周に接着されてリング141を覆っている。リング141は、第1の胴部110の蓋部側の開放端にさらに接着されていてもよい。包装容器100の開封は、シール蓋142をリング141から剥離する、あるいは、シール蓋142に孔を開けることによって行う。シール蓋142はタブ143を有してもよい。
【0024】
第2の胴部120、底部130および蓋部140は、バリア性を有するシート材で形成することが好ましい。例えば第2の胴部120は、包装容器100の外側から内側にかけてPE(ポリエチレン)/紙/PE/GL(透明蒸着フィルム)/PEの層構成を有することが好ましい。最外層のPEはなくてもよい。また、底部130は、包装容器100の外側から内側にかけてPE/紙/PE/GL/PEの層構成を有するシート材で形成されることが好ましい。最外層のPEはなくてもよい。あるいは、底部130はシート材を2枚以上重ねて補強してもよい。また、リング141は、例えば、プラスチックで成形する。シール蓋142は、例えば、バリア性を有する樹脂またはアルミニウム箔を含む積層体を用いる。第1の胴部110は、バリア性を有するシート材を用いなくてもよい。シート材として例えば紙を用いることができる。シート材は、あるいは、包装容器100の外側から内側にかけてPE/紙の層を有してもよい。
【0025】
このように、包装容器100は、底部130および蓋部140によって封止された第2の胴部120が、第1の胴部110に収納されて保護され、中空部を有する二重構造となっており、さらに、底部130において、周縁部が底部側外カール121に保護されるため、保形性、保温性、保冷性に優れる。また、バリア性を有する材質を用いることで、収容部150の密封性が高まり、とくに食品や飲料の容器として優れる。また、包装容器100を、電子レンジで加熱する容器とした場合、二重構造により、第1の胴部110が熱くなりにくく安全性を向上できる。また、第1の胴部110は、第2の胴部120に保護されるため、内容物を適切に収容できる限り、従来の紙製容器より薄い紙を用いることができる。
【0026】
図3は、包装容器100の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図3〜
図8を参照して包装容器100の製造方法の一例を説明する。
【0027】
(ステップS1)矩形の第1のシート材を用意する。
図4の(a)にその断面図および平面図を示す。第1のシート材は、上述のように、例えば、紙あるいはPE/紙の層構成を有するシート材である。第1のシート材を筒状に丸めて一側縁とこれに対向する側縁とを互いに重ね、重なり部分を接着し、第1の胴部110を形成する。
図4の(b)に示すように、第1のシート材は、コーナー部のうち、底部130側となる少なくとも1箇所を切り欠いて、切欠きを形成しておいてもよい。切欠きを形成することによって、後述する底部側内カール111の形成の際、切欠きの位置が、折り曲げのきっかけとなって、形成が容易になる。
図4の(c)に第1の胴部110の上面図および側面図を示す。接着は、ホットメルト接着剤のような接着剤によって行うこともできるし、第1のシート材の表面にPE等の樹脂が積層されている場合、熱溶着または超音波溶着によって行うこともできる。
【0028】
(ステップS2)矩形の第2のシート材を用意する。第2のシート材は、上述のように、例えば、紙/PE/GL(透明蒸着フィルム)/PEを含む層構成のシート材である。第2のシート材の一側縁または両側縁を、スカイブヘミング加工、エッジプロテクトテープ等により端面保護する。第2のシート材の一側縁をスカイブヘミング加工によりエッジプロテクトした第2のシート材の平面図および側面図を
図5の(a)に示す。また、
図5の(b)に示すように、ロール紙の端面にPEテープ等のエッジプロテクトテープを貼ったものを矩形状にカットして第2のシート材としても良い。また、第2のシート材において、第1のシート材と同様、コーナー部のうち、底部130側となる少なくとも1箇所に切欠きを形成しておき、後述する底部側外カール121の形成の際、切欠きの位置を折り曲げのきっかけとすることで、底部側外カール121の形成を容易にしてもよい。
【0029】
(ステップS3)端面保護した第2のシート材を、第1の胴部110の内径より小さい外径を有する筒状に丸めて一側縁とこれに対向する側縁とを互いに重ね、重なり部分を接着剤、熱溶着または超音波溶着により接着して、
図5の(c)に上面図および側面図を示すように、第2の胴部120を形成する。第2の胴部120の外径は、第1の胴部110の内径より小さく形成される。
【0030】
(ステップS4)第2の胴部120の開放端のうち、底部130側となるほうの開放端を加熱しながら金型で押圧して外側に折り曲げ、
図6の(a)に示す縦断面図のように、底部側外カール121を形成する。底部側外カール121は、例えば、第2のシート材を巻かずに折ることで形成する。
図7の(a)に底部側外カール121の拡大断面図を示す。底部側外カール121の形状はこれに限定されない。
図7の(b)に示す他の例では、底部側外カール121は、カールを1周以上巻き込んで形成することで強度を向上している。また、
図7の(c)に示すさらに他の例では、平坦な面を有するフランジ形状となるようにカールを押し潰して形成することで底部130との密着度を高くして、底部130の保護効果を高めてもよい。
【0031】
(ステップS5)底シート材を用意する。底シート材は、上述のように、例えば、紙/PE/GL/PEの層構成を有するシート材である。底シート材を第2の胴部120の底部側外カール121の外形に合わせて型抜きし、
図6の(b)に平面図を示すように、底部130を形成する。
【0032】
(ステップS6)底部130の一方の面の周縁部を底部側外カール121の全周に接着する。接着は、熱溶着または超音波溶着により行う。
図6の(c)に底部130を接着した第2の胴部120の縦断面図を示す。
【0033】
(ステップS7)底部130の他方の面の周縁部にホットメルト接着剤を塗布する。その後、底部130を接着した第2の胴部120を、
図8に示す縦断面図のように、第1の胴部110に挿入する。
【0034】
(ステップS8)リング141を用意する。
図9の(a)にリング141の平面図を示す。第1の胴部110および第2の胴部120の蓋部140側の各開放端に、
図9の(b)に示す縦断面図のように、リング141を嵌合する。リング141を各胴部の開放端に嵌合した後、内リング部と第2の胴部120の開放端の全周とを、超音波溶着により接着する。この際、リング141および各胴部の他の部分がさらに接着されてもよい。なお、収容部150への内容物の封入は、例えば、このステップS8と次のステップS9との間に行う。
【0035】
(ステップS9)シール蓋142を用意する。シール蓋142は、バリア性を有するフィルムであり、樹脂またはアルミニウム箔等で形成される。シール蓋142の周縁部をリング141の天面に全周にわたって熱溶着によって接着し、シール蓋142でリング141の孔を覆う。これにより、蓋部140が形成される。
【0036】
(ステップS10)第1の胴部110の開放端のうち、底部130側の開放端を加熱しながら金型で押圧して内側に折り曲げ、
図2に示す縦断面のように、底部側内カール111を形成する。底部側内カール111は、カールを1周以上巻き込んで形成される。しかし、底部側内カール111の形状はこれに限定されず、第1のシート材を巻かずに折ることで形成してもよく、平坦な面を有するフランジ形状となるようにカールを押し潰して形成してもよい。その後、ステップS7でホットメルト接着剤が塗布された底部130の他方の面の周縁部を、第1の胴部110の底部側内カール111に圧着して接着する。底部130は、底部側内カール111の全周に接着してもよいし、部分的に接着してもよい。
【0037】
以上の工程により、
図1および
図2に示す包装容器100を製造することができる。各ステップは、適宜変更したり順序を交換したりしてもよい。
【0038】
以上のような製造方法により、従来のような胴部の端部で底部の周縁部を挟むような複雑な加工が不要となり、また、スパイラル紙管を作成しないのでロール供給が不要となる。そのため、製造コストを従来より低くすることができ、小ロットであっても多様な口径、高さの包装容器を安価に提供することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
図11は本実施形態に係る包装容器200の斜視図である。
図12は、包装容器200の縦断面を模式的に示す図である。本実施形態と第1の実施形態との差異を中心に説明する。また、同一の構成要素には同一の参照符号を付与する。
【0040】
包装容器200は、蓋部240が包装容器100の蓋部140と異なる。また、第1の胴部110には、蓋部240側の開放端を内側に折って蓋部側内カール112が形成されている。また、第2の胴部120には、蓋部140側の開放端を外側に折って蓋部側外カール122が形成されている。蓋部240は、一方の面の周縁部が蓋部側外カール122の全周に接着された天面部241を含む。天面部241は他方の面において周縁部が第1の胴部110の蓋部側内カール112によって保護される。
図12に示す例では、蓋部側内カール112は、第1の胴部110の開放端を1周以上巻き込んで形成されている。また、蓋部側外カール122は、第2の胴部120の開放端を巻き込まず、単に折ることで形成されている。また、第1の胴部110には、線状に凹んだ罫線が形成されている。包装容器200の使用後に、罫線に沿って折ることで、容易に折り畳んで廃棄することができる。罫線は折り畳みのきっかけとなればよく、形状は特に限定されない。罫線は、第2の胴部120に形成されてもよい。なお、第1の実施形態の包装容器100にも同様の罫線を設けてもよい。
【0041】
天面部241は孔を有し、孔には開封時に開口する開口予定部として、スパウト242が挿入され、スパウト242のフランジが全周にわたって天面部241に接着されている。スパウトには外ネジが形成され、内ネジが形成されたキャップ243と螺合する。包装容器200の開封は、キャップ243を回して開栓することで行う。また、開封後、キャップ243を再び取り付けることで、包装容器200の再封止が可能である。
【0042】
天面部241は、バリア性を有するシート材で形成することが好ましい。例えば、包装容器200の外側から内側にかけて紙/PE/GL/PEの層構成を有することが好ましい。また、スパウト242はPEなどの樹脂で形成することが好ましい。
【0043】
なお、蓋部側内カール112は、天面部241からみて蓋部側外カール122の反対側ではなく、同じ側に位置していてもよい。
【0044】
図13は、包装容器200の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図13〜
図16を参照して包装容器200の製造方法の一例を説明する。
(ステップS11)上述のステップS1と同様に、第1の胴部110を形成する。なお、本実施形態では、第1のシート材の、蓋部240側となる少なくとも1箇所のコーナー部に、切欠きを形成したものを用いてもよい。これによって、後述する蓋部側内カール112の形成の際、切欠きの位置が、折り曲げのきっかけとなって、形成が容易になる。また、第1のシート材には、罫線を形成しておく。
【0045】
(ステップS12)上述のステップS2、S3、S4と同様に、底部側外カール121を有する第2の胴部120を形成する。ただし、本実施形態では、リング141は用いない。なお、本実施形態では、第2のシート材の、蓋部240側となる少なくとも1箇所のコーナー部に、切欠きを形成したものを用いてもよい。これによって、後述する蓋部側外カール122の形成の際、切欠きの位置が、折り曲げのきっかけとなって、形成が容易になる。また、第2のシート材にも、第1のシート材同様に罫線を形成してもよい。
【0046】
(ステップS13)上述のステップS5、S6と同様に、底シート材を型抜きして形成した底部130を第2の胴部120の底部側外カール121に接着する。
【0047】
(ステップS14)第2の胴部120の開放端のうち、蓋部240側となるほうの開放端を加熱しながら金型で押圧して外側に折り曲げ、蓋部側外カール122を形成する。本実施形態では、蓋部側外カール122は、第2のシート材を巻き込まずに単に1回折ることで形成する。蓋部側外カール122の形状は、底部側の各カールと同様、限定されず、カールを1周以上巻き込んで形成してもよく、平坦な面を有するフランジ形状となるようにカールを押し潰して形成してもよい。
図14の(a)にこの状態における第2の胴部120の縦断面図を示す。
【0048】
(ステップS15)天面シート材を用意する。天面シート材は、上述のように、例えば、紙/PE/GL/PEの層構成を有するシート材である。天面シート材を第2の胴部120の蓋部側外カール122の外形に合わせて型抜きする。また、天面シート材に孔を形成する。このようにして天面部241を形成する。
図14の(b)に天面部241の平面図を示す。
【0049】
(ステップS16)スパウト242、キャップ243を用意する。スパウト242は例えばPEで形成される。キャップ243は、例えばPEまたはポリプロピレン等で形成される。
図14の(c)にキャップ243が取り付けられたスパウト242の平面図および側面図を示す。天面シート材の孔に、スパウト242を挿入し、スパウト242に形成されたフランジを全周にわたって、天面部241に超音波溶着により接着する。
図15にスパウト242を接着した天面部241の平面図および側面図を示す。
【0050】
(ステップS17)天面部241の周縁部を第2の胴部120の蓋部側外カール122の全周に熱溶着により接着する。ステップS16、S17に示すように、スパウト242を第2の胴部120に直接接着せず、天面部241に接着することで、スパウト242の直径を第2の胴部120の直径より小さくすることができ、超音波溶着による接着をしやすくすることができる。なお、収容部150への内容物の封入は、例えば、このステップS17の直前に行う。
【0051】
(ステップS18)底部130の他方の面の周縁部にホットメルト接着剤を塗布する。その後、底部130と天面部241とを接着した第2の胴部120を、
図16に示す縦断面図のように、第1の胴部110に挿入する。その後、底部130の他方の面の周縁部を第1の胴部110の底部側内カール111に圧着して接着する。底部130は、底部側内カール111の全周に接着してもよいし、部分的に接着してもよい。
【0052】
(ステップS19)
上述のステップS10と同様、第1の胴部110に、底部側内カール111を形成し、ステップS18でホットメルト接着剤が塗布された底部130の周縁部を、底部側内カール111に圧着して接着する。
【0053】
(ステップS20)第1の胴部110の開放端のうち、蓋部240側の開放端を加熱しながら金型で押圧して内側に折り曲げ、蓋部側内カール112を形成する。蓋部側内カール112は、天面部241の周縁部をおさえる位置に形成する。本実施形態では、蓋部側内カール112は、第1のシート材を1周以上巻き込んで形成する。蓋部側内カール112の形状は、他の各カールと同様、限定されず、第1のシート材を単に1回折ることで形成してもよく、平坦な面を有するフランジ形状となるようにカールを押し潰して形成してもよい。なお、天面部241と蓋部側内カール112とを接着してもよく、しなくてもよい。
【0054】
以上の工程により、
図11および
図12に示す包装容器200を製造することができる。各ステップは、適宜変更したり順序を交換したりしてもよい。
【0055】
包装容器100、200はさらに、シュリンクフィルムや紙製の筒等を備えてもよい。これらは、例えば、蓋部140、240と第1の胴部110の蓋部側の端部を含む部分を覆い、蓋部を保護する保護蓋として機能する。紙製の保護蓋は、例えば、矩形の紙を丸めて筒状にし、一方の開放端に天面板をホットメルト接着して開放端をふさぐことで製造される。
【0056】
本発明は、上述の実施形態に限られず、例えば、内容物の性質や包装容器の機能、意匠性等の設計に応じて、各構成要素の形状、位置、大きさを適宜変形して実施可能である。
図17の(a)に平面図を示す変形例の蓋部340は、蓋部140において、開口予定部である孔をより小さくし、周縁寄りの位置に形成したものである。
図17の(b)に斜視図を示す蓋部440は、蓋部140において、外ネジを形成した側壁を設け、内ネジが形成されたキャップと螺合する形状とし、キャップの外径を、第1の胴部120の外径とほぼ一致させたものである。
図18の(a)に斜視図を示す変形例の蓋部540は、蓋部140において、中心に形成された孔に向かって徐々に高さが増加する形状としたものである。また、
図18の(b)に斜視図を示す変形例の蓋部640は、蓋部540において、外ネジを形成したスパウトを設け、シール蓋で封止する代わりに、キャップと螺合する形状としたものである。また、
図18の(c)に斜視図を示す変形例の蓋部740は、蓋部540において、シール蓋で封止する代わりに、ヒンジキャップを備える形状としたものである。また、
図18の(d)に斜視図を示す変形例の蓋部840は、蓋部240において、プルリング付きのスパウトを用いたものである。プルリングは、スパウト内部を閉塞する閉塞板に接続され、開封時に引っ張ることで閉塞板を引き剥がし、スパウトを開栓することができる。またキャップを取り付けることにより開栓後の再封止が可能である。
【0057】
図19に本発明のさらに他の変形例に係る包装容器300の縦断面図を示す。包装容器300は、第1の実施形態に係る包装容器100において、リング141を、外リング部が第1の胴部110の内面に接触するように嵌合し、リング141の天面の周縁部をおさえるように第1の胴部110の蓋部側開放端に蓋部側内カール112を形成し、蓋部側内カール112の天面の全周にわたってシール蓋142を接着したものである。包装容器300は、上述の各実施形態における製造方法を適宜変更して製造することができる。例えば、包装容器100の製造方法のステップS8において、第2の胴部120の開放端に、リング141を嵌合した後、第1の胴部110の開放端に蓋部側内カール112を形成し、ステップS9において、シール蓋142を蓋部側内カール112の天面に接着することにより製造することができる。
【0058】
このような変形例以外にも、多様な蓋部、注出口、飲み口等の形状が実施可能である。また、各構成要素の材質や接着方法も上述したものに限定されず、適宜変更可能であり、本発明は、とくに紙を主材料としていなくても適用可能である。