特許第6167641号(P6167641)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6167641
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】シリンダ錠
(51)【国際特許分類】
   E05B 27/02 20060101AFI20170713BHJP
   E05B 29/02 20060101ALI20170713BHJP
   E05B 15/00 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   E05B27/02
   E05B29/02
   E05B15/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-91440(P2013-91440)
(22)【出願日】2013年4月24日
(65)【公開番号】特開2014-214464(P2014-214464A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 亮志
(72)【発明者】
【氏名】森 俊二
【審査官】 佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭51−27694(JP,U)
【文献】 特開2005−163288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00− 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ錠であって、
外筒と、
前記外筒内に前記外筒の軸線を中心に回転可能に配置され、鍵が挿入される鍵穴が形成された内筒と、
前記鍵が前記鍵穴に挿入されるときに前記鍵と接触可能な位置まで前記鍵穴の内壁から突出し、前記鍵との接触による摩耗量によって、前記シリンダ錠の使用頻度を示す突出部と
を備え
前記鍵は、前記鍵穴に挿入される挿入部を有し、
前記挿入部は、前記鍵のキーコードを規定する凹部が形成されていない面を含み、
前記突出部は、前記鍵が挿入されるときに前記面に接触する、シリンダ錠。
【請求項2】
前記突出部は、前記軸線に沿って前記鍵穴の前記内壁上に形成されている、請求項1記載のシリンダ錠。
【請求項3】
前記突出部は、前記鍵穴の前記内壁から突出した突起部分と、前記突起部分の表面上の樹脂部分とを含む、請求項1または請求項2に記載のシリンダ錠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ錠に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、キーコードを変更することが可能なシリンダ錠が開示されている。
特許文献1 特開2007−77648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
シリンダ錠は、使用を繰り返すことで、内部の部品が摩耗する可能性がある。しかしながら、シリンダ錠の内部の部品の摩耗量を把握することは困難な場合が多い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係るシリンダ錠は、外筒と、外筒内に外筒の軸線を中心に回転可能に配置され、鍵が挿入される鍵穴が形成された内筒と、鍵が鍵穴に挿入されるときに鍵と接触可能な位置まで鍵穴の内壁から突出し、鍵との接触による摩耗量によって、シリンダ錠の使用頻度を示す突出部とを備える。
【0005】
上記シリンダ錠において、鍵は、鍵穴に挿入される挿入部を有し、突出部は、鍵の挿入部の最大断面の形状に沿った断面形状を有する鍵穴の内壁から突出していてもよい。
【0006】
上記シリンダ錠において、挿入部は、鍵のキーコードを規定する凹部が形成されていない面を含み、突出部は、鍵が挿入されるときに面に接触してもよい。
【0007】
上記シリンダ錠において、突出部は、軸線に沿って鍵穴の内壁上に形成されていてもよい。
【0008】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る遊技機の外観斜視図の一例を示す図である。
図2】鍵をシリンダ錠に対して反時計回りに回した場合の遊技機の正面側の様子を示す図である。
図3】鍵をシリンダ錠に対して時計回りに回した場合の遊技機の正面側の様子を示す図である。
図4】鍵をシリンダ錠に対して時計回りに回した場合の遊技機の背面側の様子を示す図である。
図5】施錠ユニットの背面側から見た分解斜視図の一例を示す図である。
図6】施錠ユニットの正面側から見た分解斜視図の一例を示す図である。
図7】施錠状態にある施錠ユニットの背面側から見た断面図の一例を示す図である。
図8】施錠状態にある施錠ユニットの側面側から見た断面図の一例を示す図である。
図9】シリンダ錠が第1の開錠状態にある場合の施錠ユニットの背面側から見た断面図の一例を示す図である。
図10】シリンダ錠が第1の開錠状態にある場合の施錠ユニットの側面側から見た断面図の一例を示す図である。
図11】シリンダ錠が第2の開錠状態にある場合の施錠ユニットの背面側から見た断面図の一例を示す図である。
図12】シリンダ錠が第2の開錠状態にある場合の施錠ユニットの側面側から見た断面図の一例を示す図である。
図13】シリンダ錠および鍵の正面側から見た外観斜視図の一例を示す図である。
図14】内筒の外観斜視図の一例を示す図である。
図15】シリンダ錠を備える他の実施形態に係る遊技機の外観斜視図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
図1は、本実施形態に係る遊技機100の外観斜視図の一例を示す。遊技機100は、枠102、遊技機本体104、カバー106、およびシリンダ錠10を備える。
【0012】
枠102は、矩形の枠体であり、遊技機100は、枠102を介して遊技場の島設備に固定される。枠102は、例えば、4枚の木製の板材を組み合わせることで、矩形状を形成してもよい。遊技機本体104は、枠102の幅方向の一辺にヒンジを介して固定されることで、枠102に開閉可能に支持される。なお、枠102は、遊技機本体104を収容する箱状の枠体でもよい。
【0013】
遊技機本体104は、遊技盤および遊技機100の遊技処理を制御する制御回路を備える。カバー106は、遊技盤を視認可能に覆う。カバー106は、ガラス、透明性を有する樹脂などにより構成されてもよい。カバー106は、遊技機本体104の幅方向の一辺にヒンジを介して固定されることで、遊技機本体104に対して開閉可能に支持される。なお、遊技機本体104が開閉可能に支持される枠102の一辺と、カバー106が開閉可能に支持される遊技機本体104の一辺とは同一方向の一辺である。
【0014】
シリンダ錠10は、遊技機本体104に設けられ、枠102に対する遊技機本体104の施錠を行う。シリンダ錠10は、遊技機本体104に対するカバー106の施錠をさらに行う。シリンダ錠10は、鍵穴32を有し、鍵穴32に鍵50が挿入される。例えば、鍵50がシリンダ錠10に対して時計回りに回転されることで、シリンダ錠10は、枠102に対する遊技機本体104の施錠状態を開錠状態にする。また、鍵50がシリンダ錠10に対して反時計回りに回転されることで、シリンダ錠10は、遊技機本体104に対するカバー106の施錠状態を開錠状態にする。シリンダ錠10は、キーコードを変更可能なシリンダ錠でもよい。
【0015】
図2は、鍵50をシリンダ錠10に対して反時計回りに回した場合の遊技機100の正面側の様子を示す。鍵50をシリンダ錠10に対して反時計回りに回転させることにより、遊技機本体104が枠102に対して施錠された状態で、カバー106が、遊技機本体104に対して開錠状態となる。これにより、ユーザは、遊技機本体104の前面に設けられた遊技盤などに対する保守作業などを行うことができる。
【0016】
図3は、鍵50をシリンダ錠10に対して時計回りに回した場合の遊技機100の正面側の様子を示す。鍵50をシリンダ錠10に対して時計回りに回転させることにより、カバー106が遊技機本体104に対して施錠された状態で、遊技機本体104が、枠102に対して開錠状態になる。これにより、ユーザは、遊技機本体104の裏面に設けられた制御ユニット、遊技球経路などに対する保守作業などを行うことができる。なお、枠102に設けられた本体鉤受けユニット230aおよび230bは、遊技機本体104を枠102に施錠するための部材である。
【0017】
図4は、鍵50をシリンダ錠10に対して時計回りに回した場合の遊技機100の背面側の様子を示す。遊技機本体104の裏面の開放側の一辺には、施錠ユニット200が固定されている。施錠ユニット200が、シリンダ錠10と協働して、枠102に対する遊技機本体104の施錠状態と開錠状態との切り替え、および遊技機本体104に対するカバー106の施錠状態と開錠状態との切り替えを行う。
【0018】
図5は、施錠ユニット200の背面側から見た分解斜視図の一例を示す。施錠ユニット200は、取付フレーム202、鉤連結板204、可動プレート207、可動プレート209、バネ208、およびバネ210を備える。
【0019】
シリンダ錠10は、取付フレーム202に固定される。シリンダ錠10は、外筒20および内筒30を備える。内筒30の背面の出力軸には、カム板12が取り付けられる。
【0020】
取付フレーム202は、遊技機本体104に固定される。取付フレーム202は、取付フレーム202の長手方向に沿って移動可能に鉤連結板204を支持する。鉤連結板204は、長手方向の一端側にカバー鉤205aおよび本体鉤206aを有する。鉤連結板204は、長手方向の他端側にカバー鉤205bおよび本体鉤206bをさらに有する。
【0021】
可動プレート207は、段付きビスによって取付フレーム202の長手方向に移動可能に取り付けられる。バネ208は、一端が可動プレート207に取り付けられ、他端が取付フレーム202に取り付けられる。鉤連結板204が、取付フレーム202の長手方向の上方に移動した場合、可動プレート207は、鉤連結板204に設けられた復元力伝達凸部211に押されて取付フレーム202の長手方向の上方に移動する。この状態では、バネ208が伸びた状態にある。したがって、鉤連結板204に対する上方への力がなくなった段階で、バネ208の復元力により、可動プレート207は、取付フレーム202の長手方向の下方に移動し、元の位置に戻る。
【0022】
可動プレート209は、段付きビスによって取付フレーム202の長手方向に移動可能に取り付けられる。バネ210は、一端が可動プレート209に取り付けられ、他端が取付フレーム202に取り付けられる。鉤連結板204が、取付フレーム202の長手方向の下方に移動した場合、可動プレート209は、鉤連結板204に設けられた復元力伝達凸部211に押されて取付フレーム202の長手方向の下方に移動する。この状態では、バネ210が伸びた状態にある。したがって、鉤連結板204に対する下方への力がなくなった段階で、バネ210の復元力により、可動プレート209は、取付フレーム202の長手方向の上方に移動し、元の位置に戻る。
【0023】
図6は、施錠ユニット200の正面側から見た分解斜視図の一例を示す。鉤連結板204は、カム板12の凸部12aおよび凸部12bに対応する位置に、カム孔212aおよびカム孔212bを有する。シリンダ錠10が施錠状態にある場合、カム板12の凸部12aおよび凸部12bは、カム孔212aおよびカム孔212bに挿入された状態にある。
【0024】
図7は、施錠状態にある施錠ユニット200の背面側から見た断面図の一例を示す。上記の通り、シリンダ錠10が施錠状態にある場合、カム板12の凸部12aおよび凸部12bは、鉤連結板204に設けられたカム孔212aおよびカム孔212bに挿入された状態にある。
【0025】
図8は、施錠状態にある施錠ユニット200の側面側から見た断面図の一例を示す。シリンダ錠10が施錠状態にある場合、鉤連結板204に設けられたカバー鉤205aおよびカバー鉤205bは、カバー106に固定されているカバー鉤受けユニット220に係合している。よって、シリンダ錠10が施錠状態にある場合には、カバー106は、遊技機本体104に対して施錠状態にある。また、鉤連結板204に設けられた本体鉤206aおよび本体鉤206bは、枠102に固定されている本体鉤受けユニット230aおよび本体鉤受けユニット230bに係合している。よって、シリンダ錠10が施錠状態にある場合には、遊技機本体104は、枠102に対して施錠状態にある。
【0026】
図9は、鍵50が反時計回りに回されて、シリンダ錠10が第1の開錠状態にある場合の施錠ユニット200の背面側から見た断面図の一例を示す。鍵50が反時計回りに回されると、カム板12が回転し、カム板12の一方の凸部12aがカム孔212aに係合した状態で、カム板12の他方の凸部12bとカム孔212bとの係合が解除される。カム板12の回転に伴いカム板12の凸部12aが下方に移動することにより、鉤連結板204が、取付フレーム202の長手方向に沿って下方に移動する。
【0027】
図10は、鍵50が反時計回りに回されて、シリンダ錠10が第1の開錠状態にある場合の施錠ユニット200の側面側から見た断面図の一例を示す。
【0028】
上記の通り、鍵50が反時計回りに回されると、カム板12の回転に伴い、鉤連結板204が、取付フレーム202の長手方向に沿って下方に移動する。鉤連結板204が下方に移動することによって、カバー鉤205aおよびカバー鉤205bとカバー鉤受けユニット220との間の係合が解除される。一方、本体鉤206aおよび本体鉤206bと本体鉤受けユニット230aおよび本体鉤受けユニット230bとの間の係合は維持される。よって、遊技機本体104が枠102に対して施錠された状態で、カバー106は、遊技機本体104に対して開錠された状態になる。
【0029】
図11は、鍵50が時計回りに回されて、シリンダ錠10が第2の開錠状態にある場合の施錠ユニット200の背面側から見た断面図の一例を示す。鍵50が時計回りに回されると、カム板12が回転し、カム板12の他方の凸部12bがカム孔212bに係合した状態で、カム板12の一方の凸部12aとカム孔212aとの係合が解除される。カム板12の回転に伴いカム板12の凸部12bが上方に移動することにより、鉤連結板204が、取付フレーム202の長手方向に沿って上方に移動する。
【0030】
図12は、鍵50が時計回りに回されて、シリンダ錠10が第2の開錠状態にある場合の施錠ユニット200の側面側から見た断面図の一例を示す。
【0031】
上記の通り、鍵50が時計回りに回されると、カム板12の回転に伴い、鉤連結板204が、取付フレーム202の長手方向に沿って上方に移動する。鉤連結板204が上方に移動することによって、本体鉤206aおよび本体鉤206bと本体鉤受けユニット230aおよび本体鉤受けユニット230bとの間の係合が解除される。一方、カバー鉤205aおよびカバー鉤205bとカバー鉤受けユニット220との間の係合は維持される。よって、カバー106が遊技機本体104に対して施錠された状態で、遊技機本体104は、枠102に対して開錠された状態になる。
【0032】
以上の通り、遊技機100が備えるシリンダ錠10により、枠102に対する遊技機本体104の施錠、および遊技機本体104に対するカバー106に対する施錠が行われる。
【0033】
ところで、上記のような遊技機100などに設けられるシリンダ錠10は、使用に伴い内部の部品が摩耗することがある。しかし、内部の部品の摩耗量は、シリンダ錠10の外観からは確認することが困難である。
【0034】
シリンダ錠10は、セキュリティを確保するために、鍵50のキーコードを変更可能なタイプも多く用いられる。このようなシリンダ錠10の場合、鍵50のキーコードを変更して、シリンダ錠10を再利用することもある。上記の通り、シリンダ錠10の外観から内部の部品の摩耗量を確認することが困難なので、シリンダ錠10を再利用可能かどうかを、シリンダ錠10の外観から判断することは困難である。
【0035】
そこで、本実施形態に係るシリンダ錠10は、内部の部品の摩耗量をシリンダ錠10の外観を目視することで判断可能な機能を提供する。
【0036】
図13は、本実施形態に係るシリンダ錠10および鍵50の正面側から見た外観斜視図の一例を示す。
【0037】
シリンダ錠10は、外筒20および内筒30を備える。内筒30は、外筒20内に外筒20の軸線を中心に回転可能に配置され、鍵50の挿入部54が挿入される鍵穴32が形成されている。内筒30は、鍵穴32に挿入された鍵50が時計回りまたは反時計回りに回転することに対応して、外筒20の軸線を中心に時計回りまたは反時計回りに回転する。
【0038】
鍵50は、把手部52および挿入部54を備える。挿入部54は、鍵50のキーコードを規定する凹部が形成された2つの面54a、および鍵50のキーコードを規定する凹部が形成されていない2つの面54bを有する。
【0039】
シリンダ錠10は、鍵50の挿入部54が鍵穴32に挿入されるとき、または鍵50の挿入部54が鍵穴32から抜き出されるときに鍵50と接触可能な位置まで鍵穴32の内壁から突出する突出部34をさらに備える。突出部34は、鍵50との接触による摩耗量によって、シリンダ錠10の使用頻度を示す。突出部34は、シリンダ錠10の使用頻度を判断するための指標として機能する。突出部34は、外筒20の軸線に沿って鍵穴32の内壁上に長尺状に形成されてもよい。
【0040】
突出部34は、鍵50の挿入部54の最大断面の形状に沿った断面形状を有する鍵穴32の内壁から突出している。突出部34は、鍵50が鍵穴32に挿入されるとき、または鍵50が鍵穴32から抜き出されるときに2つの面54bのいずれか一方に接触する。鍵50の挿入部54が鍵穴32に挿入された場合、突出部34が、挿入部54の一方の面54bと接触することにより摩耗する。突出部34の摩耗量は、シリンダ錠10の使用回数の増加に伴い増加する。そこで、突出部34の摩耗量を確認することで、ユーザは、シリンダ錠10の使用回数を推定できる。ユーザは、突出部34が擦り減っていた場合には、シリンダ錠10の内部の部品が摩耗している可能性があるので、シリンダ錠10を交換すべきことを把握できる。
【0041】
なお、突出部34は、鍵50が鍵穴32に挿入されるとき、または鍵50が鍵穴32から抜き出されるときに接触する位置に設けられていればよく、突出部34が形成される位置および形状は、上記の位置および形状には限定されない。突出部34は、鍵50の挿入部54が鍵穴32に挿入されるとき、または鍵50の挿入部54が鍵穴32から抜き出されるときに、鍵50のキーコードを規定する凹部が形成されているいずか一方の面54aと接触可能な位置まで突出していてもよい。
【0042】
図14は、内筒30の外観斜視図の一例を示す。突出部34は、内筒30と同一材料により構成されてもよい。内筒30および突出部34は、鋳造により一体的に形成されてもよい。内筒30および突出部34は、異なる材料により構成されてもよい。突出部34は、鍵穴32の内壁に接着剤により接着されることで構成されてもよい。
【0043】
突出部34は、鍵穴32の内壁から突起した突起部分の表面に樹脂等の他の素材を塗布して、多層構造で構成してもよい。これにより、摩耗により突出部34の上層部分が擦り減り内層が露出された時点で、ユーザは、シリンダ錠10を交換すべきことを把握できる。
【0044】
なお、上記では、遊技機100としてパチンコ台を例に説明した。しかしながら、シリンダ錠10は、例えば、図15に示すようなパチスロ台400などの他の遊技機に設けられてもよい。パチスロ台400は、外枠、外枠に収容される遊技機本体、および遊技機本体を覆うカバーを備える。シリンダ錠10は、外枠に対する遊技機本体の施錠、および遊技機本体に対するカバーの施錠を行う。
【0045】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0046】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0047】
10 シリンダ錠
20 外筒
30 内筒
32 鍵穴
34 突出部
50 鍵
52 把手部
54 挿入部
100 遊技機
102 枠
104 遊技機本体
106 カバー
200 施錠ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15