(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態におけるPOSシステムのシステム構成を示す図である。本発明のPOSシステムは、買上商品を登録する登録処理と該登録処理によって登録された商品について精算する精算処理とを実行するN台(Nは1以上の整数)の登録精算装置100、及び、登録精算装置における登録処理によって登録された商品について精算する精算処理を実行するM台(Mは1以上の整数)の精算装置200を含む商品登録精算システムである。また、登録精算装置100と、精算装置200とは、LAN(Local Area Network)により接続されており、互いに通信可能である。
【0017】
登録精算装置100は、店員の操作により、顧客が購入する商品(以下、「買上商品」という。)の登録及び精算を行う。登録精算装置100は、一取引の精算時に、顧客の精算方法に応じて、買上商品の情報(以下、「明細情報」という。)が印字されたレシート(第1の様式のシート)、又は、明細情報が印字されていないレシート(第2の様式のシート)を発行する。
精算装置200は、顧客の操作により、買上商品の精算を行う。顧客は、店員による商品の登録後、登録精算装置100から発行された明細情報が印字されていないレシートを用いて、精算装置200において自ら精算を行う。精算装置200は、精算処理後、その精算処理に関する情報(例えば、合計金額、つり銭など)が印字されたシート(以下、「買上レシート」という。)を発行する。また、精算装置200は、顧客の指示に応じて領収書(領収証)を発行する。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態における登録精算装置100の構成を示すブロック図である。登録精算装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、スキャナ部104と、店員用表示部105と、客用表示部106と、操作部107と、通信部108と、ブザー109と、レシート発行口110と、印字部111と、電子マネー読取部112と、クレジットカード読取部113とを備える。上記の登録精算装置100の各機能部は、バス1を介して互いに接続されている。
【0019】
CPU101は、中央演算処理装置であり、ROM102に記憶されているプログラムを読み出してRAM103に展開する。CPU101は、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、登録精算装置100全体の動作を制御する。
また、CPU101(精算方法特定手段)は、顧客の精算方法を特定する。CPU301は、例えば操作部107から入力された「現金」、「クレジットカード」、「電子マネー(例えば、suica(登録商標)など)」、「商品券」などの精算方法に関する情報(精算方法情報)に基づいて精算方法を特定する。
【0020】
また、CPU101(印字発行制御手段)は、精算方法に応じた様式のレシートを印字、発行するように制御する。より具体的には、CPU101(印字発行制御手段)は、特定された精算方法が現金以外での精算方法である場合には、少なくとも自装置(登録精算装置100)にて精算処理を実行した後の明細情報が印字される第1の様式のシートを発行するように制御し、特定された前記精算方法が現金での精算方法である場合には、少なくとも精算装置200にて精算処理を実行するための会計情報が印字される第2の様式のシートを発行するように制御する。
【0021】
即ち、操作部107から入力された精算方法情報が「現金」を示す場合、CPU101(印字発行制御手段)は、精算装置200にて精算処理を実行させるための情報が印字された会計券を発行するように印字部111に指示する。また、操作部107から入力された精算方法情報が「クレジットカード」、「電子マネー」、「商品券」を示す場合、CPU101は、自装置(登録精算装置100)にて精算処理を実行した後の明細情報が印字されたレシートを発行するように印字部111に指示する。
【0022】
ROM102は、読み出し専用のメモリであり、登録精算装置100を動作させるためのプログラムを予め記憶する。
RAM103は、種々の情報を記憶する読み出し書き込みメモリである。RAM103には、ROM102から読み出されたプログラムが展開される。また、RAM103は、プログラムが実行されることによって生成された各種データを記憶する。
【0023】
スキャナ部104は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。
店員用表示部105は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。また、店員用表示部105は、モード切替、設定、登録等の操作の受付と表示とを行う。店員用表示部105の表示面には、透明な接点スイッチであるタッチキー(ソフトキー)が設けられているタッチパネルが備えられており、商品登録が行われた商品情報や買上商品の合計金額などが表示される。商品情報とは、商品に関する情報である。
【0024】
客用表示部106は、商品登録を行った商品情報や買上商品の合計金額などを顧客に対して表示する。また、客用表示部106は、液晶ディスプレイ等を用いた発光型の表示デバイスであり、例えば、7セグメント表示やドット表示(フルドット表示)によって数字などをその表面に発光して表示する。
【0025】
操作部107は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。操作部107は、登録精算装置100を動作させるための操作手段を備える。操作手段は、例えば、商品登録の完了を宣言する完了キー(例えば、小計キーなど)、訂正キー、プリセットキー、数字キー、品券キー、クレジットキー、電子マネーキーなどである。また、例えば、操作部107は、店員が操作キー(プリセットキー)を押下すると、そのキーに対応して予め設定登録された商品コード等について、操作入力を受け付ける。なお、これら操作部107の操作手段は、メカキー(ハードキー)などのボタンとして配置されていてもよいし、店員用表示部105の表示面上に設けられたタッチパネルに配置されてもよい。
【0026】
通信部108は、ネットワークを介して、不図示の外部装置または精算装置200と通信する。ネットワークは、どのように構成されたネットワークでもよい。例えば、LANを用いて構成されてもよい。また、外部装置とは、例えば、ストアコントローラ(上位管理装置)である。
ブザー109は、CPU101の指示に従って、ブザー音を発生させる。
【0027】
レシート発行口110は、登録精算装置100に内蔵された印字部111によって印刷される各種シートを排出する。各種シートとは、例えば、クレジットレシート、電子マネーレシート、品券レシート、会計券などである。クレジットレシートは、クレジットキーが押下されて精算処理が完了した後に発行されるレシートである。電子マネーレシートは、電子マネーキーが押下されて精算処理が完了した後に発行されるレシートである。品券レシートは、品券キーが押下され、かつ、商品券に印字された金額(以下、「品券額」という。)が一取引における買上商品の合計金額よりも高い場合や、品券額と買上商品の合計金額とが同じ場合に発行されるレシートである。会計券は、現計キーが押下された場合や買上商品の合計金額が品券額より高い場合に発行されるレシートである。会計券には、少なくとも一取引における商品の合計金額が印字される。また、レシート発行口110は、店員の操作に応じて領収書(領収証)を発行する。
【0028】
印字部111は、不図示のサーマルヘッドと、該サーマルヘッドへ押圧されてセットされるプラテンローラからなり、該プラテンローラはステッピングモータで駆動される。そして、シートはサーマルヘッドとプラテンローラ間を搬送され、該ステッピングモータは、CPU101からの信号により所定パルス分だけ駆動することでシートが所定量だけ発行されるようになる。シートには、例えば、クレジットレシート、電子マネーレシート、品券レシート、会計券などが印刷され、レシート発行口110から発行される。
【0029】
電子マネー読取部112は、電子マネーカード(媒体)を挿入可能な構造を有しており、挿入された電子マネーカードに記憶されている金額情報を無線により読み取り、読み取った金額情報をCPU101に出力する。電子マネー読取部112は、CPU101から入力された精算金額と等しい額が差し引かれた金額情報を電子マネーカードに記憶させる。
クレジットカード読取部113は、クレジットカード(媒体)を挿入可能な構造を有しており、挿入されたクレジットカードに記憶されている顧客情報を、磁気を用いて読み取り、読み取った情報をCPU101に出力する。顧客情報とは、顧客に関する情報である。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態における精算装置200の構成を示すブロック図である。精算装置200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、スキャナ部204と、表示部205と、操作部206と、撮像部(カメラ)207と、通信部208と、ブザー209と、レシート発行口210と、印字部211と、釣銭釣札部212、ハードディスク213とを備える。上記の精算装置200の各機能部は、バス2を介して互いに接続されている。なお、スキャナ部204、撮像部207は、精算装置200と一体ではなく、精算装置200に着脱可能な別体(外付)であってもよい。
【0031】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出してRAM203に展開する。CPU201は、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、精算装置200全体の動作を制御する。
また、CPU201(認識手段)は、所定のシートに印字されている印字内容を認識する。CPU201(認識手段)は、例えば一取引において、登録精算装置100での登録処理を実行し、精算処理が完了していない商品について発行されるシートに印字されている印字内容を認識する。より具体的には、CPU201は、撮像部207によって撮像された画像データからOCR(Optical Character Reader)により、会計券に印字されている印字内容を読み取り、印字内容を認識する。
【0032】
また、CPU201(精算手段)は、認識された印字内容に基づいて精算処理を行う。CPU201(精算手段)は、例えば認識された印字内容に応じて、登録精算装置100における登録処理によって登録された商品について精算を行う。
【0033】
ROM202は、読み出し専用のメモリであり、精算装置200を動作させるためのプログラムを予め記憶する。
RAM203は、種々の情報を記憶する読み出し書き込みメモリである。RAM203には、ROM202から読み出されたプログラムが展開される。また、RAM203は、プログラムが実行されることによって生成された各種データを記憶する。
【0034】
スキャナ部204は、会計券に付されているバーコードを光学的に読み取る。
表示部205は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置である。また、表示部205は、モード切替、設定、登録等の操作の受付と表示とを行う。表示部205の表示面には、透明な接点スイッチであるタッチキー(ソフトキー)が設けられているタッチパネルが備えられており、CPU201によって認識された買上商品の合計金額などが表示される。
【0035】
操作部206は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。操作部206は、精算装置200を動作させるための操作手段を備える。操作手段は、例えば、精算実行キーなどである。精算実行キーは、精算装置200に対して精算処理を開始させる際に顧客によって使用されるキーである。操作部206の操作手段は、メカキー(ハードキー)などのボタンとして配置されていてもよいし、表示部205の表示面上に設けられたタッチパネルに配置されてもよい。
撮像部207は、撮影を行い、画像データを生成する。撮像部207は、生成した画像データをCPU201に出力する。
【0036】
通信部208は、ネットワークを介して、不図示の外部装置または登録精算装置100と通信する。ネットワークは、どのように構成されたネットワークでもよい。例えば、LANを用いて構成されてもよい。また、外部装置とは、例えば、ストアコントローラ(上位管理装置)である。
ブザー209は、CPU201の指示に従って、ブザー音を発生させる。
【0037】
レシート発行口210は、精算装置200に内蔵された印字部211によって印刷される買上シートを発行する。また、レシート発行口210は、CPU201の指示に従い、領収書を発行する。
印字部211は、不図示のサーマルヘッドと、該サーマルヘッドへ押圧されてセットされるプラテンローラからなり、該プラテンローラはステッピングモータで駆動される。そして、シートはサーマルヘッドとプラテンローラ間を搬送され、該ステッピングモータは、CPU201からの信号により所定パルス分だけ駆動することで買上シートが印字されるようになる。
【0038】
釣銭釣札部212は、現金投入口と現金払出口を有する。釣銭釣札部212は、現金投入口に現金が投入された場合、投入された現金の種別情報及び数量情報をCPU201に出力する。また、釣銭釣札部212は、CPU201から入力された差額情報に応じた金額の釣銭又は釣札を現金払出口から払い出す。
ハードディスク213は、例えば、磁気記録装置などの記録装置である。ハードディスク213は、種々の情報を記憶する。ハードディスク213は、例えばシートに印字されている印字内容を特定する文字情報が格納されているリストを複数記憶している。ハードディスク213は、例えば品券を表す文字情報(第2の情報)が格納されているリスト(以下、「品券リスト」という。)を記憶している。品券を表す文字情報とは、例えば「品券」、「クーポン」などの文字情報である。
【0039】
また、ハードディスク213は、例えば合計金額を表す文字情報(第1の情報)が格納されているリスト(以下、「合計金額リスト」という。)を記憶している。合計金額を表す文字情報とは、例えば「合計金額」、「合計」などの文字情報である。また、ハードディスク213は、例えば不足金額を表す文字情報が格納されているリスト(以下、「不足金額リスト」という。)を記憶している。不足金額を表す文字情報とは、例えば「不足金額」、「支払金額」などの文字情報である。また、ハードディスク213は、例えばお釣りを表す文字情報が格納されているリスト(以下、「釣銭リスト」という。)を記憶している。お釣りを表す文字情報とは、例えば「お釣り」、「つり銭」などの文字情報である。CPU201は、RAM203に記憶されている顧客の買上商品の情報をハードディスク213に記憶させる。なお、ROM203に代えて、ハードディスク213が、上記プログラムを記憶してもよい。
【0040】
次に、
図4及び
図5を用いて、登録精算装置100が発行するレシートについて具体的に説明する。
図4は、登録精算装置100が発行した明細情報が印字されているレシートの具体例を示す図である。
図4(A)は、クレジットレシートの一例を示す図である。
図4(A)に示すクレジットレシートには、買上商品(
図4(A)では、乾電池)や顧客の精算方法に関する情報(
図4(A)では、クレジットカード情報)などの明細情報が印字されている。
【0041】
図4(B)は、電子マネーレシートの一例を示す図である。
図4(B)に示す電子マネーレシートには、買上商品(
図4(B)では、乾電池)や顧客の精算方法に関する情報(
図4(B)では、電子マネーの情報)などの明細情報が印字されている。
図4(C)は、品券レシートの一例を示す図である。
図4(C)に示す品券レシートには、買上商品(
図4(C)では、乾電池)や顧客の精算方法に関する情報(
図4(C)では、品券の情報)などの明細情報が印字されている。
【0042】
図5は、登録精算装置100が発行した明細情報が印字されていないレシート(会計券)の具体例を示す図である。顧客は、この明細情報が印字されていない会計券を精算装置200の撮像部207に撮像させることによって精算を行う。
図5(A)は、品券額が合計金額よりも大きい場合に発行される払出有の会計券を示す図である。
図5(A)に示す会計券には、領域10内に「品券額」、「合計金額」、「お釣り」の各文字情報が印字されている。また、領域20内に「¥1000」、「¥950」、「¥50」の各金額情報が印字されている。会計券には、各文字情報と各金額情報とが対応付けられて印字されている。例えば、
図5(A)に示す例では、文字情報「品券額」に対応付けられて印字されている金額情報が「¥1000」であり、文字情報「合計金額」に対応付けられて印字されている金額情報が「¥950」であり、文字情報「お釣り」に対応付けられて印字されている金額情報が「¥50」であることが表されている。即ち、
図5(A)に示す払出有の会計券は、精算装置200にて50円のお釣りが払い出されることが分かる。
【0043】
図5(B)は、合計金額が品券額よりも大きい場合に発行される会計券を示す図である。
図5(B)に示す例では、文字情報「合計金額」に対応付けられて印字されている金額情報が「¥1000」であり、文字情報「品券額」に対応付けられて印字されている金額情報が「¥500」であり、文字情報「支払金額」に対応付けられて印字されている金額情報が「¥500」であることが表されている。即ち、
図5(B)に示す会計券は、精算装置200にて500円の支払いが発生することが分かる。
図5(C)は、支払方法が現金である場合に発行される会計券を示す図である。
図5(C)に示す例では、文字情報「支払金額」に対応付けられて印字されている金額情報が「¥980」であることが表されている。即ち、
図5(C)に示す会計券は、精算装置200にて980円の支払いが発生することが分かる。
【0044】
図6は、本実施形態における登録精算装置100のレシート発行処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
ステップS10:CPU101は、商品の登録を受け付ける。その後、ステップS12の処理に進む。
ステップS12:CPU101は、商品の登録が完了したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、操作部107の小計キーが押下されたか否かを判定する。商品の登録が完了した場合、ステップS14の処理に進む。商品の登録が完了していない場合、ステップS10の処理に戻る。
【0045】
ステップS14:次に、CPU101は、店員の操作に応じてクレジットキーが押下されたか否かを判定する。クレジットキーが押下された場合、ステップS16の処理に進む。クレジットキーが押下されていない場合、ステップS18の処理に進む。
ステップS16:CPU101は、印字部111にクレジットレシートの印字、発行を指示する。印字部111は、CPU101の指示に従い、クレジットレシート(
図4(A)参照)を印字し、レシート発行口110から発行する。その後、レシート発行処理が終了する。
【0046】
ステップS18:次に、CPU101は、店員の操作に応じて電子マネーキーが押下されたか否かを判定する。電子マネーキーが押下された場合、ステップS20の処理に進む。電子マネーキーが押下されていない場合、ステップS22の処理に進む。
ステップS20:CPU101は、印字部111に電子マネーレシートの印字、発行を指示する。印字部111は、CPU101の指示に従い、電子マネーレシート(
図4(B)参照)を印字し、レシート発行口110から発行する。その後、レシート発行処理が終了する。
【0047】
ステップS22:次に、CPU101は、店員の操作に応じて品券キーが押下されたか否かを判定する。品券キーが押下された場合、ステップS24の処理に進む。品券キーが押下されていない場合、ステップS38の処理に進む。
ステップS24:CPU101は、品券額と買上商品の合計金額とが同じであるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、一取引の精算時に使用された商品券などの品券の金額と買上商品の合計金額とが同じであるか否かを判定する。品券額と合計金額とが同じである場合、ステップS26の処理に進む。品券額と合計金額とが異なる場合、ステップS28の処理に進む。
【0048】
ステップS26:CPU101は、印字部111に品券レシートの印字、発行を指示する。印字部111は、CPU101の指示に従い、品券レシート(
図4(C)参照)を印字し、レシート発行口110から発行する。その後、レシート発行処理が終了する。
ステップS28:次に、CPU101は、自装置(登録精算装置100)が釣銭払い無し仕様であるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、自装置の仕様が、品券額が合計金額よりも大きい場合に品券額と合計金額との差分をお釣りとしてレシートに印字する仕様であるか否かを判定する。釣銭払い無し仕様である場合、ステップS30の処理に進む。釣銭払い無し仕様ではない場合、ステップS36の処理に進む。
【0049】
ステップS30:次に、CPU101は、品券額が合計金額よりも大きいか否かを判定する。品券額が合計金額よりも大きい場合、ステップS32の処理に進む。品券額が合計金額よりも大きくない場合、ステップS34の処理に進む。
ステップS32:CPU101は、印字部111に釣銭無しの品券レシートの印字、発行を指示する。印字部111は、CPU101の指示に従い、釣銭無しの品券レシートを印字し、レシート発行口110から発行する。その後、レシート発行処理が終了する。
ステップS34:CPU101は、印字部111に会計券の印字、発行を指示する。印字部111は、CPU101の指示に従い、会計券(
図5(B)参照)を印字し、レシート発行口110から発行する。その後、レシート発行処理が終了する。
【0050】
ステップS36:CPU101は、品券額が合計金額よりも大きいか否かを判定する。品券額が合計金額よりも大きい場合、ステップS38の処理に進む。品券額が合計金額よりも大きくない場合、ステップS34の処理に進む。
ステップS38:CPU101は、印字部111に会計券の印字、発行を指示する。印字部111は、CPU101の指示に従い、会計券(
図5(A)参照、払出有)を印字し、レシート発行口110から発行する。その後、レシート発行処理が終了する。
【0051】
ステップS40:CPU101は、現計キーが押下されたか否かを判定する。具体的には、CPU101は、精算方法が現金であることを示す情報が入力されたか否かを判定する。現計キーが押下された場合、ステップS42の処理に進む。現計キーが押下されていない場合、ステップS14の処理に戻る。
ステップS42:CPU101は、印字部111に会計券の印字、発行を指示する。印字部111は、CPU101の指示に従い、会計券(例えば、
図5(C)参照)を印字し、レシート発行口110から発行する。その後、レシート発行処理が終了する。
【0052】
図7は、本実施形態における精算装置200での精算処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
ステップS50:CPU201は、精算用キーの入力を受け付ける。顧客の操作に応じて精算用キーが押下されると、ステップS52の処理に進む。
ステップS52:撮像部207は、顧客から近づけられた会計券を撮影し、画像データを生成する。撮像部207は、生成した画像データをCPU201に出力する。その後、ステップS54の処理に進む。
【0053】
ステップS54:CPU201は、撮像部207によって生成された画像データからOCRにより印字内容(文字情報及び金額情報)を取得する。CPU201は、例えば画像データから「合計金額」、「品券」などの文字情報を取得し、文字情報に対応付けられて印字されている金額情報を取得する。その後、ステップS56の処理に進む。
ステップS56:CPU201は、画像データから文字情報を複数取得したか否かを判定する。文字情報を複数取得した場合、ステップS56の処理に進む。文字情報を複数取得していない場合、ステップS66の処理に進む。
【0054】
ステップS58:CPU201は、取得した文字情報に、品券を表す文字情報があるか否かを判定する。具体的には、CPU201は、ハードディスク213に記憶されている品券リストを参照し、取得した文字情報に一致する文字情報が品券リストに格納されているか否かを判定する。品券の文字情報がある場合、ステップS60の処理に進む。品券の文字情報がない場合、ステップS66の処理に進む。
【0055】
ステップS60:次に、CPU201は、品券額が合計金額よりも大きいか否かを判定する。具体的には、以下の通りである。まず、CPU201は、品券リストに格納されている文字情報と一致した文字情報に対応付けられて印字されている金額情報を品券額として取得する。次に、CPU201は、ハードディスク213に記憶されている合計金額リストを参照し、ステップS54の処理で取得した文字情報の中から合計金額を表す文字情報を取得する。次に、CPU201は、取得した合計金額を表す文字情報に対応付けられて印字されている金額情報を合計金額として取得する。その後、CPU201は、品券額と合計金額とを比較して、品券額が合計金額よりも大きいか否かを判定する。品券額が合計金額よりも大きい場合、ステップS62の処理に進む。品券額が合計金額よりも大きくない場合、ステップS66の処理に進む。
【0056】
ステップS62:CPU201は、品券額から合計金額を減算した値をお釣りとして釣銭釣札部212から払い出す。その後、ステップS64の処理に進む。
ステップS64:CPU201は、印字部211に買上レシートの印字、発行を指示する。印字部211は、CPU201の指示に従い、買上レシートを印字し、レシート発行口210から発行する。その後、精算処理が終了する。
【0057】
ステップS66:CPU201は、支払金額を特定して表示部205に表示する。具体的には、ステップS56の処理において、文字情報を複数取得していない場合、CPU201は取得した文字情報に対応付けられて印字されている金額情報を支払金額として表示部205に表示する。また、ステップS58の処理において、品券の文字情報が無かった場合、CPU201はハードディスク213に記憶されている不足金額リストを参照し、ステップS54の処理で取得した文字情報の中から不足金額を表す文字情報を取得する。その後、CPU201は取得した不足金額を表す文字情報に対応付けられて印字されている金額情報を支払金額として表示部205に表示する。また、ステップS60の処理において、品券額が合計金額よりも大きくない場合、CPU201は合計金額から品券額を減算した値を支払金額として表示部205に表示する。その後、ステップS68の処理に進む。
【0058】
ステップS68:釣銭釣札部212の現金投入口は、顧客から支払金額の投入を受け付ける。その後、ステップS70の処理に進む。
ステップS70:現金投入口に現金が投入されると、釣銭釣札部212は投入された現金の種別情報及び数量情報をCPU201に出力する。また、釣銭釣札部212は、CPU201から入力された差額情報に応じた金額の釣銭又は釣札を現金払出口から払い出す。その後、ステップS64の処理に進む。
【0059】
なお、
図7の精算処理が終了すると、精算装置200の通信部208は、取引データを登録精算装置100又は不図示のストアコントローラに送信してもよい。取引データとは、一取引ごとに、精算装置200にて行われた精算処理のデータである。具体的には、取引データは、一取引において、合計金額がいくらであり、預り金がいくらであり、お釣りがいくらであったかを示すデータである。
【0060】
以上のように構成されたPOSシステムによれば、顧客の精算方法に応じてレシートを発行させることができる。具体的には、登録精算装置100は、一取引において、クレジットカード、電子マネー、商品券などの現金以外での精算方法が選択されると、明細情報を印字したレシートを発行する。また、登録精算装置100は、一取引において、クレジットカード、電子マネー、商品券などの現金での精算方法が選択されると、顧客に精算装置200にて精算を実行させるためのレシートを発行する。したがって、登録精算装置100は、精算処理に時間がかかってしまう現金での精算を行わない。それに対して、登録精算装置100は、現金での精算処理に比べて比較的精算処理の時間が短いクレジットカード、電子マネー、商品券などの現金以外での精算処理を行う。そのため、レジ待ち時間を短くすることが可能となる。
【0061】
<変形例>
本実施例では、会計券には買上商品に関する情報として、文字情報が印字される構成を示したが、これに限定される必要はない。例えば、買上商品に関する情報をJANコード(例えば、2次元バーコード)で表し、会計券に印字してもよい。
また、
図6のステップS40の処理において、所定回数以上、現計キーが押下されない場合、CPU101はブザー109にブザー音を発生させて店員にエラーを通知してもよい。
【0062】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本実施形態で示した精算装置200に関し、以下の付記を開示する。
(付記1)
買上商品を登録する登録処理と該登録処理によって登録された商品について精算する精算処理とを実行する登録精算装置、及び、前記登録精算装置における登録処理によって登録された商品について精算する精算処理を実行する精算装置を含む商品登録精算システムにおける精算装置であって、所定のシートに印字されている印字内容を認識する認識手段と、登録処理によって登録された商品について精算する精算手段とを備え、前記認識手段は、一取引において、前記登録精算装置での登録処理を実行し、精算処理が完了していない商品について発行されるシートに印字されている印字内容を認識し、前記精算手段は、前記認識手段によって認識された前記印字内容に応じて、前記登録精算装置における登録処理によって登録された前記商品について精算することを特徴とする精算装置である。
これにより、登録精算装置において商品の登録後、未精算である商品について発行されるシートを読み取って、読み取ったシートに基づいて精算処理が実行される。つまり、精算装置は、登録精算装置(別の装置)によって実行された登録処理に続いて、精算処理を実行する。即ち、登録精算装置の処理の一部(精算処理)が、当該精算装置において実行される。従って、登録精算装置のレジ待ち時間が短くなる。なお、従来の登録精算装置に対し、上述の買上シートを発行する仕組みを組み込めば上述の効果を得ることができるため、従来の登録精算装置を改造等して使用する場合には手間とコストが抑えられる。
(付記2)
前記認識手段は、所定の印字内容を特定する文字情報を予め記憶している記憶部を参照することによって、商品の合計金額を表す文字情報である第1の文字情報、及び、商品券を表す文字情報である第2の文字情報を特定し、前記第1の文字情報に対応付けて印字されている第1の値と、前記第2の文字情報に対応付けて印字されている第2の値とを認識し、前記精算手段は、前記第1の値が第2の値よりも大きい場合には、前記第1の値から前記第2の値を減算した値を支払金額として前記商品について精算し、前記第2の値が前記第1の値よりも大きい場合には、前記第2の値から前記第1の値を減算した値をつり銭として前記商品について精算する。
これにより、精算装置は、登録精算装置で発行された明細情報が印字されていないシートの精算処理を実行することができる。したがって、精算装置は、登録精算装置の一部の精算処理を行うことができる。従って、登録精算装置のレジ待ち時間が短くなる。
(付記3)
前記認識手段は、前記シートに印字されている印字内容を認識することによって、前記印字内容から文字情報を取得し、前記精算手段は、所定の印字内容を特定する文字情報を予め記憶している記憶部を参照することによって、前記認識手段によって取得された前記文字情報と一致する文字情報を検索し、前記記憶部に記憶されている文字情報と前記認識手段によって認識された前記文字情報とが一致する情報が、支払金額を表す文字情報である場合には、前記一致する文字情報に対応付けて印字されている値を支払金額として前記商品について精算し、一致する文字情報が、つり銭を表す文字情報である場合には、前記一致する文字情報に対応付けて印字されている値をつり銭として前記商品について精算する。
これにより、精算装置は、登録精算装置で発行された明細情報が印字されていないシートに印字内容に文字情報が一つしか存在しない場合であっても、精算処理を実行することができる。したがって、精算装置は、登録精算装置の一部の精算処理を行うことができる。従って、登録精算装置のレジ待ち時間が短くなる。
【0063】
なお、本発明の
図6、
図7の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、登録精算装置100及び精算装置200の各処理に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0064】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(DynamicRandomAccessMemory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。