(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
商品提示媒体上で販売促進のために商品提示領域に付与した販売促進態様による商品の販売促進効果の度合いを示す包括販売促進強度を、前記販売促進態様を付与したことによって得られた売上実績であって売上実績情報記憶部に記憶された売上実績と予め定めた標準売上実績との比率として算出し、算出された包括販売促進強度を包括販売促進強度情報記憶部に記憶させる包括販売促進強度算出部と、
商品提示媒体への商品の掲載ごとに対応して算出され、前記包括販売促進強度情報記憶部に記憶された複数の包括販売促進強度に基づいて、前記商品に付与された販売促進態様を形成する1以上の販売促進要素の異なる組合せごとの個別販売促進強度を算出する販売促進強度集計部と
を備える販売促進効果分析装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[販売促進効果分析装置の構成例]
図1は、本実施形態における販売促進効果分析装置100の構成例を示している。本実施形態の販売促進効果分析装置100は、通信販売用に顧客に対して配布したカタログ(商品提示媒体の一例)に掲載された商品に付与した販売促進(プロモーション)態様を形成する販売促進要素の販売促進効果を数値化して分析する装置である。
また、本実施形態における販売促進効果分析装置100は、カタログ編集者の操作に応じてカタログの内容を編集するカタログ編集機能も備えた場合の構成を例に挙げる。
同図に示す販売促進効果分析装置100は、情報処理部101、記憶部102、表示部103及び操作部104を備える。
【0018】
情報処理部101は、販売促進効果分析装置100においてカタログ編集と販売促進効果の分析のための情報処理を実行する。情報処理部101としての機能は、例えば販売促進効果分析装置100が備えるCPU(Central Processing Unit)にカタログ編集と販売促進効果分析のためのプログラムを実行させることにより実現できる。
【0019】
情報処理部101は、カタログ編集部111、販売促進要素抽出部112、包括販売促進強度算出部113、販売促進強度集計部114及び集計情報出力部115を備える。
【0020】
カタログ編集部111は、編集者が操作部104に対して行ったカタログ編集操作に応じて、カタログの内容を編集する。
カタログ編集部111は、カタログの内容の編集にあたり、記憶部102における商品情報記憶部122が記憶する商品情報と、販売促進要素データベース記憶部123が記憶する販売促進要素データベースとを利用する。
【0021】
具体的に、編集者は、商品情報記憶部122が記憶する商品情報が示す商品のリストのうちから、カタログに掲載すべき商品を選択する。商品情報には、商品名、商品規格や特徴などのテキストデータ、商品の画像、販売価格、注文番号、販売促進計画内容などが含まれている。
【0022】
また、編集者は、編集操作によって、選択した商品についてのカタログ上でのページ、コマ(商品提示領域の一例)のサイズなどの基本的レイアウトを決定し、販売促進要素データベースに基づいて提示される販売促進要素のリストのうちから、例えば販売促進計画内容に合致する販売促進要素を選択する。
【0023】
このような編集操作に応じて、カタログ編集部111は、カタログにおけるページごとに掲載する商品のレイアウトの基本内容を決定する。このようなレイアウトの内容は、例えば表示部103にて表示される。そのうえで、編集者は、例えば販売促進(売上)計画内容に従って、必要に応じて、商品が掲載されるコマにキャッチコピーなどのテキストを入力することができる。カタログ編集部111は、このように入力されたキャッチコピーなどのテキストを編集内容に反映させる。このようにしてカタログ内容の編集が行われる。
【0024】
例えば、カタログにおいては、先頭ページあるいは最後のページなどにレイアウトされることにより売上げが増加し、また先頭に近いページほど売上げが増加する傾向にある。また、コマに関しては、サイズが大きいほど売上げが増加する傾向にある。
また、商品によっては時節柄や行事に合わせたキャッチコピーなどを入れることによって売上げが増加する。一具体例として、例えば餅などの商品は、年末の時期において「正月に向けて・・・・」などのような正月に関連したキャッチコピーを付与することで売上が大きく増加する。また、食料品の場合には、生産者の写真付きのメッセージや、他の客からのコメントなどを掲載することによって売上げが増加する。
【0025】
カタログ編集部111は、カタログの編集内容を示すカタログ編集情報を、記憶部102におけるカタログ編集情報記憶部124に記憶させる。カタログとしての紙面の内容は、カタログ編集情報を利用して得ることができる。
【0026】
図2は、カタログにおける1ページ分のレイアウト例を模式的に示している。同図においては、1ページ上で1番〜24番の24のコマFLMが配列された例を示している。
カタログ上では、商品はコマFLMのいずれかに収まるように掲載される。つまり、カタログに掲載される商品は、カタログにおけるコマFLMのいずれかに対応付けられる。従って、コマFLMは、カタログに掲載された商品に対応する。
但し、1つのコマFLMには、1つの商品が掲載される場合もあれば複数の商品が掲載される場合もある。従って、1つのコマFLMは、1つの商品が対応する場合があれば、複数の商品が対応する場合もある。
カタログ編集情報記憶部124が記憶するカタログ編集情報は、カタログにおけるコマFLMごとに掲載される商品の画像、規格などの説明文のレイアウトの情報と、付与された販売促進要素を示す情報などを含んで形成される。
なお、ここでは、コマFLMのそれぞれが四角形である場合を例に挙げているが、例えば円形、楕円形、四角形以外の多角形などをはじめ、形状は特に限定されない。
【0027】
なお、ページにおけるレイアウトの設定手順に関しては、例えば先にコマFLMごとの枠をページとしての紙面に対して配置し、配置したコマFLMごとに対応の商品のオブジェクト(商品の写真、テキストなど)を配置していけばよい。
あるいは、ページとしての白紙の紙面上に先にオブジェクトを配置したうえで、この後に、1または複数のオブジェクトを指定することにより、指定されたオブジェクトを含むコマFLMを設定するようにしてもよい。
【0028】
また、
図3は、本実施形態において定義される販売促進要素の内容の一例を示している。なお、同図は、説明を簡単なものとする便宜から、食料品としての商品種別に対応する販売促進要素の例のみを示している。販売促進要素の定義内容は、商品種別によって異なる。
【0029】
販売促進要素としては、例えば同図に示すように、大きくは「販売促進テーマ」と「販売促進手法」とに分けられる。
「販売促進テーマ」は、販売促進効果を与えることのできるテーマを示す。「販売促進テーマ」は、例えば「生活行動テーマ」、「生活動機テーマ」、「セール・レコメンドテーマ」の3つの項目に分類される。
「生活行動テーマ」は、さらに、「イベント」、「メニュー/シーン」、「ルーティン」の3つの項目に分類される。
「イベント」の項目は、階層下において、例えば「正月」、「雛祭り」、「お祝い」、「ホームパーティ」、「父の日」などの項目を含む。同様に、「メニュー/シーン」、「ルーティン」の各項目も、図示するように、それぞれ複数の項目を含む。
また、「生活動機テーマ」も同様に、「お楽しみ」と「課題解決」の項目に分類され、「お楽しみ」と「課題解決」のそれぞれは、図示するように複数の項目を含む。
「セール・レコメンドテーマ」についても、図示するように「商品レコメンド」と「セール」の項目に分類され、「商品レコメンド」と「セール」の各項目はそれぞれ図示するように複数の項目を含む。
【0030】
また、「販売促進手法」は、販売促進テーマにおける1つの項目に従った販売促進要素を付与するにあたって取るべき手法を示す。
「販売促進手法」は「アピールツール」、「スペース」、「価格」、「インセンティブ」の項目に分類される。また、「アピールツール」、「スペース」、「価格」、「インセンティブ」の各項目は、それぞれ図示するように複数の項目を含む。
【0031】
このように、本実施形態における販売促進要素は、階層化されている。そのうえで、本実施形態では、このように階層化された販売促進要素のそれぞれに対応するタグ(販売促進要素タグ)を定義する。
従って、販売促進要素タグも、
図3に従った階層構造を有する。つまり、例えば「販売促進テーマ」の販売促進要素タグは、その直下の階層において、「生活行動テーマ」、「生活動機テーマ」、「セール・レコメンドテーマ」の3つの販売促進要素タグが定義される。さらに、「生活行動テーマ」の販売促進要素タグについては、その直下の階層において「イベント」、「メニュー/シーン」、「ルーティン」の販売促進要素タグが定義される。さらに、「イベント」のタグについては、その直下の階層において「正月」、「雛祭り」、「お祝い」、「ホームパーティ」、「父の日」の販売促進要素タグが定義される。
【0032】
例えば、販売促進要素データベース記憶部123が記憶する販売促進要素データベースは、販売促進要素ごとに該当の販売促進要素タグを対応付けて格納している。
カタログ編集部111による編集結果を示すカタログ編集情報において、コマFLMごとに付与した販売促進要素のうち販売促進要素データベースから選択したものについては、既に販売促進要素タグが対応付けられている。
【0033】
なお、商品については、上記の販売促進テーマ以外に、商品投入経過時期についても考慮し、商品投入経過時期に応じた販売促進要素を定義してもよい。一例として、商品の投入経過時期としては、導入期、成長期、成熟期に分けて定義できる。
導入期は、新商品としてカタログに掲載を開始したばかりで、未だ顧客に認知されておらず、売上が低い時期である。
成長期は、導入期を経過して顧客の認知度が高まり、売上が増加傾向にある時期である。
成熟期は、成長期を経過して顧客の間での商品の認知が定着し、売上が或る水準で安定している時期である。
これらの商品投入経過時期に応じた販売促進要素を定義し、商品が掲載されたコマに付与することによっても販売促進効果を高めることができる。具体的には、導入期においては、新商品としての目新しさをアピールするようなキャッチコピーなどを販売促進要素として付与することができる。成長期においては、商品の人気が上昇中であることをアピールする販売促進要素を付与することができる。成熟期においては、定番として定着したことによる信頼の高さなどをアピールする販売促進要素を付与することができる。
【0034】
説明を
図1に戻す。
販売促進要素抽出部112は、カタログの編集結果を示す編集情報(カタログ編集情報)から、カタログにおけるコマに提示される商品に付与された販売促進要素の種別を抽出する。ここで、カタログに掲載される商品は、いずれか1つのコマに割り振られる。そこで、販売促進要素抽出部112は、カタログにおいて割り振られたコマごとに付与された販売促進要素の種別を、商品に付与された販売促進要素の種別として抽出する。また、販売促進要素抽出部112は、販売促進要素の種別ごとに対応して定義された販売促進要素タグを抽出する。
そのうえで、テキストとしての販売促進要素については、当該テキストを解析した結果に基づいて販売促進要素タグを抽出する。
【0035】
図4は、1つのカタログに対応するコマタグ対応情報の内容の一例を示している。同図に示すように、コマタグ対応情報は、コマテーブルと商品テーブルと販売促進要素タグテーブルの3つのテーブルを関連付けたリレーションデータベースである。
【0036】
コマテーブルは、カタログにおけるコマに関する情報を格納する。同図に示すコマテーブルは、カタログにおけるコマごとに、コマ識別子、媒体識別子、ページ、ページ内位置、サイズの情報を有する。
コマ識別子は、対応のコマを一意に示す識別子である。
媒体識別子は、対応のコマが掲載されたカタログを一意に示す識別子である。
ページは、カタログにおいて対応のコマが掲載されたページを示す。
【0037】
ページ内位置は、対応のコマについてのページにおける位置を示す。同図では、ページ内の座標によりページ内位置を示す例を示している。ページ内位置における「X」、「Y」は、それぞれ、対応のコマFLMが掲載されたページにおいて対応のコマFLMが位置するX座標とY座標を示す。X座標とY座標とによっては、例えば対応のコマFLMの中心位置が示される。
【0038】
サイズは、対応のコマのサイズを示す。同図におけるサイズは、予め定められたコマの基準サイズに対する倍率によって示す場合を例に挙げている。具体的に、同図のように「×2」と示されている場合には縦及び横の各サイズが基準サイズに対して2倍であることを示している。このようにコマのサイズを倍率により示すことで、コマ間でのサイズの比較処理が容易になる。
なお、コマのサイズについては、基準に対する倍率以外によって示してもよい。例えばコマの形状が四角形である場合には、縦及び横の長さによって示してもよい。あるいは、四角形のコマにおいて対角に対応する2点の座標で示してもよい。このように2点の座標で示す場合には、同時にコマの位置も示されるので、ページ内位置の情報については省略されてもよい。
【0039】
商品テーブルは、カタログに掲載されている商品ごとの情報を格納する。同図に示す商品テーブルは、カタログに掲載されている商品ごとに、商品識別子、コマ識別子などの情報を有する。
商品識別子は、対応の商品を一意に示す識別子である。
コマ識別子は、カタログにおいて対応の商品が掲載されたコマを示す。
コマテーブルが格納するコマ識別子と商品テーブルが格納するコマ識別子とにより、コマと、コマに掲載されていた商品との対応付けが行われる。
【0040】
販売促進要素タグテーブルは、対応のカタログにおいて使用された販売促進要素ごとに、コマ識別子と販売促進要素タグとを対応付けた構造である。
販売促進要素タグテーブルにおけるコマ識別子は、対応の販売促進要素が付与されたコマを示す。
販売促進要素タグは、対応の販売促進要素について定義された販売促進要素タグを示す。
【0041】
このような構造により、コマタグ対応情報は、1つのカタログにおいてコマごとにどの商品が掲載され、コマごとにどのような販売促進要素が付与されていたのかを示すことができる。
【0042】
説明を
図1に戻す。
包括販売促進強度算出部113は、包括販売促進強度を算出する。包括販売促進強度は、カタログ上でコマに付与した販売促進態様による商品の販売促進効果の度合いを示す。販売促進態様とは、コマに付与された1以上の販売促進要素により得られるコマの全体的な態様である。
包括販売促進強度算出部113は、販売促進態様を付与したことによって得られた売上実績(現売上実績:対象のカタログを利用した購入申込に応じた売上実績である)と予め定めた標準売上実績とに基づいて包括販売促進強度を算出する。
【0043】
包括販売促進強度を算出するにあたり、包括販売促進強度算出部113は、標準売上実績を算出する。包括販売促進強度算出部113は、例えば、直近の所定回数において同じ商品について今回のカタログと同じ価格帯で販売したときの売上実績の移動平均を標準売上実績として算出する。
あるいは、包括販売促進強度算出部113は、過去において同じ商品についての標準の販売促進態様を付与したときの売上実績の平均値などを標準売上実績としてもよい。この場合の標準の販売促進態様としては、例えば、割引などを行わない通常価格、標準サイズのコマ、商品種別に対応して定番化されたその他販売促進要素の組合せによるものとすればよい。
【0044】
包括販売促進強度算出部113は、現売上実績と標準売上実績とを利用して、例えば、以下の式1により包括販売促進強度を求めることができる。
包括販売促進強度=現売上実績/標準売上実績・・・(式1)
【0045】
現売上実績と標準売上実績のそれぞれにおいて使用される売上実績の具体例として、例えば1つは売上金額PI(Purchase Index)である。売上金額PIは、対象商品の売上金額をA、同じ対象商品が掲載されたカタログを使用して購入した総客数をBとして、A/B×1000で求められる。つまり、売上金額PIは、算出対象の商品について、購買客1000人あたりどれだけの金額を購入したのかを示す。
【0046】
また、売上実績としては、人数PIあるいは点数PIであってもよい。人数PIは、対象商品を1000人あたり何人が購入したのかを示し、対象商品を購入した人数をC、同じ対象商品が掲載されたカタログを使用して購入した総客数をBとして、C/B×1000で求められる。
点数PIは、対象商品を1000人あたり何点購入されたのかを示し、対象商品が購入された数をD、同じ対象商品が掲載されたカタログを使用して購入した総客数をBとして、D/B×1000で求められる。
【0047】
包括販売促進強度算出部113は、上記のように売上実績としての売上金額PI、人数PI、あるいは点数PIを求めるにあたり、売上実績情報記憶部126が記憶する売上実績情報を利用すればよい。図示は省略するが、売上実績情報は、カタログにより販売した商品についての売上に関する実績(販売個数、販売額、購入客数など)の情報を格納している。
あるいは、売上実績情報記憶部126は、売上金額PI、人数PI、あるいは点数PIを記憶しておくようにしてもよい。
【0048】
包括販売促進強度算出部113は、上記のように算出した商品ごとの包括販売促進強度を含む包括販売促進強度情報を記憶部102に記憶させる。
図5は、包括販売促進強度情報記憶部127が記憶する包括販売促進強度情報の構造例を示している。同図に示すように、包括販売促進強度情報は、包括販売促進強度ごとに商品識別子と媒体識別子とが対応付けられた構造である。
包括販売促進強度情報における包括販売促進強度は、包括販売促進強度算出部113が求めた包括販売促進強度の値である。
商品識別子は、対応の対象商品を示す識別子である。
媒体識別子は、対応の対象商品が掲載されたカタログを示す識別子である。
【0049】
説明を
図1に戻す。
販売促進強度集計部114は、カタログへの商品の掲載ごとに対応して算出された複数の包括販売促進強度に基づいて、その商品に付与された販売促進態様を形成する1以上の販売促進要素の異なる組合せ(販売促進要素パターン)ごとの個別販売促進強度を算出する。そのうえで、販売促進強度集計部114は、算出した個別販売促進強度を含む集計情報を生成する。
【0050】
販売促進強度集計部114による個別販売促進強度の算出手法例について、
図6を参照して説明する。
同図においては、カタログ1における1つのコマFLMに掲載された商品A(商品識別子=00012)に付与された販売促進態様が、「特価A」、「表紙」、「節約」、「低カロリー」の4つの販売促進要素の組合せによるものであったことが示されている。このときの商品Aの包括販売促進強度はPMK1として示されている。
【0051】
また、カタログ2における1つのコマFLMに掲載された同じ商品A(商品識別子=00012)に付与された販売促進態様が、「特価A」、「中面」、「節約」、「低カロリー」の4つの販売促進要素の組合せによるものであったことが示されている。このときの商品Aの包括販売促進強度はPMK2として示されている。
また、カタログ3における1つのコマFLMに掲載された同じ商品A(商品識別子=00012)に付与された販売促進態様が、「特価A」、「中面」、「簡単」、「低カロリー」の4つの販売促進要素の組合せによるものであったことが示されている。このときの商品Aの包括販売促進強度はPMK3として示されている。
【0052】
ここで、「特価A」のみによる販売促進要素パターンについての個別販売促進強度を求めようとする場合、販売促進強度集計部114は、以下のように処理を実行する。
つまり、販売促進強度集計部114は、カタログ1〜3のそれぞれにおける商品Aの包括販売促進強度のうちで、「特価A」の販売促進要素を含む販売促進態様に対応する包括販売促進強度を選択する。
この場合には、カタログ1〜3に対応する販売促進態様のそれぞれにおいて「特価A」の販売促進要素が含まれているので、販売促進強度集計部114は、カタログ1〜3ごとに対応する商品Aの包括販売促進強度PMK1、PMK2、PMK3を選択する。そして、販売促進強度集計部114は、選択した包括販売促進強度PMK1、PMK2、PMK3の平均値を、「特価A」のみによる販売促進要素パターンについての個別販売促進強度として求める。
【0053】
また、「特価A」と「節約」の組合せによる販売促進要素パターンについての個別販売促進強度を求める場合の販売促進強度集計部114の処理は以下のようになる。
つまり、販売促進強度集計部114は、カタログ1〜3のそれぞれに対応する販売促進態様のうちで、「特価A」と「節約」の販売促進要素をいずれも含む販売促進態様を特定する。この場合には、カタログ1、2の販売促進態様が「特価A」と「節約」の販売促進要素をいずれも含んでいるとして特定される。カタログ3の販売促進態様には、「特価A」の販売促進要素は含んでいるが、「節約」の販売促進要素が含まれていないので除外される。そして、販売促進強度集計部114は、カタログ1、2の販売促進態様に対応する包括販売促進強度PMK1、PMK2を選択し、選択した包括販売促進強度PMK1、PMK2の平均値を、「特価A」と「節約」の組合せによる販売促進要素パターンについての個別販売促進強度として求める。
【0054】
このように、販売促進強度集計部114は、対象商品についての販売促進要素パターンごとの個別販売促進強度について、販売促進要素パターンと同じ販売促進要素を含む販売促進態様に対応した包括販売促進強度の平均として求めることができる。また、包括販売促進強度の平均値を求めるにあたっては、直近の過去における一定数の包括販売促進強度についての平均値を求めればよい。つまり、個別販売促進強度については、包括販売促進強度の移動平均として求められるようにすればよい。
なお、販売促進強度集計部114が包括販売促進強度の移動平均により個別販売促進強度を求めるにあたっては、単純移動平均を求めてもよいし、新しいほうの個別販売促進強度に高い重みつけを与えるなどした移動平均を求めるようにしてもよい。
【0055】
販売促進強度集計部114は、上記のように商品ごとについて求めた販売促進要素パターンごとの個別販売促進強度の情報を含めた集計情報を生成し、生成した集計情報を記憶部102における集計情報記憶部128に記憶させる。
【0056】
図7は、集計情報記憶部128が記憶する集計情報の構造例を示している。同図に示す集計情報の構造例は、
図3に示したように販売促進要素タグが定義されている場合に対応させた例である。
同図に示す集計情報は、販売促進要素タグとして定義された販売促進要素ごとに対応して求められた個別販売促進強度情報P_Dataを格納する。
【0057】
ここで、販売促進強度集計部114は、
図6の説明に従った個別販売促進強度の算出は、
図7における最下層の販売促進要素のみを対象として行えばよい。最下層よりも上層の販売促進要素についての個別販売促進強度の算出は、直下の階層の販売促進要素ごとの個別販売促進強度を利用して求めることができる。
販売促進強度集計部114は、具体的に、「イベント」の直下の階層における「正月」、「雛祭り」、「お祝い」、「ホームパーティ」、「父の日」のそれぞれの個別販売促進強度情報P_Dataは、
図6の説明に従って求めることができる。
そのうえで、販売促進強度集計部114は、「イベント」の個別販売促進強度情報P_Dataについては、例えば、その直下の階層における「正月」、「雛祭り」、「お祝い」、「ホームパーティ」、「父の日」のそれぞれの個別販売促進強度情報P_Dataを統合して生成すればよい。
さらに、販売促進強度集計部114は、「生活行動テーマ」の個別販売促進強度情報P_Dataについては、その直下の階層における「イベント」、「メニュー/シーン」、「ルーティン」のそれぞれの個別販売促進強度情報P_Dataを統合して生成することができる。
【0058】
統合により1つの個別販売促進強度情報P_Dataを生成するにあたり、販売促進強度集計部114は、その下の階層の販売促進要素の個別販売促進強度情報P_Dataを利用して求めた平均値、最頻値、中央値、最小値、最大値などの演算結果を利用することが可能である。そのうえで、販売促進強度集計部114は、実用に応じて、上記の演算結果のうちのいずれを利用するのかを選択してもよい。
あるいは、販売促進強度集計部114は、統合により1つの個別販売促進強度情報P_Dataを生成するにあたり、その階層下にある全ての販売促進要素の個別販売促進強度情報P_Dataを利用して所定の演算を行うようにしてもよい。
【0059】
また、1つの販売促進要素に対応する個別販売促進強度情報P_Dataは、例えば、対象商品を購入した顧客属性(客層)ごとに区分した個別販売促進強度を有するようにしてもよい。
図8は、
図7において示される1つの販売促進要素に対応する個別販売促進強度情報P_Dataについての、顧客属性ごとの個別販売促進強度を格納した場合の構造例を示している。
同図に示す個別販売促進強度情報P_Dataは、例えば顧客属性1、2、3として示すように、複数の顧客属性により分類されている。なお、個別販売促進強度情報P_Dataを分類する顧客属性の数は3以外であってもよい。
そのうえで、1つの顧客属性はさらに複数のサブ属性を含むように階層化されており、サブ属性ごとに個別販売促進強度P_Valueとしての値が格納されている。一例として、顧客属性1は顧客の年齢層についての属性であり、顧客属性1におけるサブ属性1は若年層、サブ属性2は中年層、サブ属性3は高齢層を示す。つまり、顧客属性1においては、若年層、中年層、高齢層ごとの個別販売促進強度P_Valueを格納する。
【0060】
なお、このように顧客属性ごとの個別販売促進強度P_Valueを格納した個別販売促進強度情報P_Dataによる集計情報を構築するにあたり、例えば、
図5に示した包括販売促進強度情報としては、顧客属性ごとに包括販売促進強度情報を設ければよい。
そのうえで、包括販売促進強度算出部113は、例えば売上実績情報が示す商品を購入した顧客ごとについての個人情報を、例えば顧客情報記憶部121が記憶する顧客情報から取得する。そして、包括販売促進強度算出部113は、取得した顧客の個人情報を利用して、顧客属性ごとに包括販売促進強度を算出すればよい。
【0061】
説明を
図1に戻す。
集計情報出力部115は、集計情報記憶部128が記憶する集計情報が示す集計結果を所定の態様により出力する。例えば、集計情報出力部115は、集計情報が示す集計結果を反映した集計画面を表示部103に表示させる。あるいは、集計情報出力部115は、集計結果を印刷などにより出力してもよい。
【0062】
記憶部102は、販売促進効果分析装置100における情報処理部101が利用すべき各種の情報を記憶する。
同図における記憶部102は、顧客情報記憶部121、商品情報記憶部122、販売促進要素データベース記憶部123、カタログ編集情報記憶部124、コマタグ対応情報記憶部125、売上実績情報記憶部126、包括販売促進強度情報記憶部127及び集計情報記憶部128を備える。
【0063】
顧客情報記憶部121は、顧客情報を記憶する。顧客情報には例えばカタログを配布してもらうよう申込を行っている顧客ごとに関する個人情報が登録されている。
商品情報記憶部122は、カタログでの販売対象の商品ごとの商品情報を記憶する。
販売促進要素データベース記憶部123は、販売促進要素データベースを記憶する。前述のように、販売促進要素データベースは、カタログを作成する際に、商品を掲載するコマFLMに対して既に定義されている販売促進要素を付与するのに利用される。
【0064】
カタログ編集情報記憶部124は、カタログ編集部111が編集したカタログの編集結果を示すカタログ編集情報を記憶する。
コマタグ対応情報記憶部125は、例えば
図4に示したように、販売促進要素抽出部112により生成されたカタログごとのコマタグ対応情報を記憶する。
売上実績情報記憶部126は、これまでに配布したカタログにより販売した商品についての売上実績を示す売上実績情報を記憶する。
包括販売促進強度情報記憶部127は、例えば
図5に示したように、包括販売促進強度算出部113が算出した商品ごとの包括販売促進強度情報を記憶する。
集計情報記憶部128は、例えば
図7に示したように、販売促進強度集計部114により生成された商品ごとの集計情報を記憶する。
【0065】
表示部103は、情報処理部101の制御に応じて画像を表示する。
操作部104は、販売促進効果分析装置100に対して行われる操作を受け付ける。情報処理部101は、操作部104が受け付けた操作に応じて、カタログの編集、集計結果の表示などの所定の処理を実行する。
【0066】
[集計結果の表示態様例]
上記したように、集計情報出力部115は、集計情報記憶部128が記憶する集計情報が示す集計結果を反映した集計画像を表示部103に表示させることができる。そこで、個別販売促進強度を示す集計画面の表示態様例について説明する。
【0067】
図9は、集計画面の第1例として、1つの商品についての「販売促進テーマ」の分類における販売促進要素単位ごとの販売促進強度を示した集計画面の表示態様例を示している。同図に示す集計画面を見ることによっては、「販売促進テーマ」における「生活行動テーマ」、「生活動機テーマ」、「セール・レコメンドテーマ」の3つの各項目において属する販売促進要素ごとの販売促進強度を示している。また、同図の集計画面においては、直近の過去において求められた所定回分の複数の個別販売促進強度における最小値から最大値までの範囲をバー表示によって示している。
【0068】
図9に示す集計画面を見ることによって、販売促進効果分析装置100のオペレータは、対象商品について過去に付与したことのある販売促進要素ごとについて、どの程度の販売促進効果があったのかを、個別販売促進強度としての数値により的確に把握することができる。
例えば、同図の集計画面によっては、対象商品に付与した販売促進要素のうち、「生活動機テーマ」における要素(販売促進要素)11の個別販売促進強度が800%で最も高いものの最小値は450%で振れ幅も大きいことが分かる。
一方、「生活行動テーマ」における販売促進要素6や「生活動機テーマ」における販売促進要素13は、個別販売促進強度が100%前後にとどまっており、さほどの販売促進効果が得られていないことが分かる。
【0069】
なお、例えば、上記のような集計結果に基づき、カタログ編集部111は、
図9に対応する商品のコマに付与する販売促進要素の候補のリストを表示させるにあたり、個別販売促進強度が一定以下の販売促進要素についてはリストから除外してもよい。
このように集計情報が示す集計結果は、情報処理部101が実行する所定の処理に利用することができる。
【0070】
また、例えば、オペレータは、
図9の集計結果画面において表示されるバーのうちから選択した任意のバーにおける任意の個別販売促進強度の値の位置を指定する操作を行うことができる。同図においては、一具体例として、矢印Aで示すように、「生活動機テーマ」における販売促進要素11のバーにおいて、個別販売促進強度が最大値の位置を指定した例が示されている。このような指定操作は、例えばカーソルなどを矢印Aの位置に移動させた状態で、マウスに対するクリック操作、キーボードに対するエンターキー操作、あるいは画面に対するタッチ操作などであればよい。
【0071】
上記の指定操作に応じて、表示部103には、
図9から
図10への遷移として示すように集計画面の表示が変更される。
図10の集計画面においては、指定操作が行われた「生活動機テーマ」における販売促進要素11について800%の最大値の個別販売促進強度が得られたときの「販売促進手法」における販売促進要素の付与の内訳と、付与された販売促進要素ごとの個別販売促進強度が示される。
図10によれば、このときの「販売促進手法」としては、コマサイズが標準に対して4倍のサイズであり、価格が定価の10%引きであることが分かる。また、このときに「販売促進手法」として付与された販売促進要素は、「アピールツール」における販売促進要素a、b、cの3つと、「インセンティブ」における要素g、hの2つであることが分かる。また、販売促進要素a、b、c、g、hごとの個別販売促進強度についての最小値から最大値までの範囲も分かる。
【0072】
このように、
図9及び
図10に示す集計画面に示される集計結果を見ることで、販売者側は、対象商品についてどのような販売促進要素を付与すれば、どの程度の売上金額、販売個数の増加率となるのかを、経験則に頼ることなく数値として的確に把握できる。
これにより、例えば、商品の仕入の際の発注数の誤差を少なくすることが可能となって、商品が余剰在庫となったり品薄になったりする状態を抑制することが可能となる。
【0073】
図11は、第2例としての集計画面の態様例を示している。同図に示す集計画面の左側には、カタログにおいて選択された1つのページが表示される。オペレータは、表示されたページにおいて配置されるコマFLMのうちから任意のコマFLMを指定する操作を行うことができる。同図では、3番のコマFLMを指定する操作が行われたのに応じて、3番のコマFLMの部分が強調表示された状態を示している。
【0074】
上記のように3番のコマFLMが指定されるのに応じて、集計画面におけるページの画像の右側には指定された3番のコマFLMに掲載された商品についての情報画面INFが表示される。
情報画面INFにおいては、指定された3番のコマFLMに掲載された商品についての情報として、例えば、販売促進態様を形成する販売促進要素の内訳、そのとき設定されていた価格帯、販売促進強度などが示される。なお、販売促進強度に関しては、包括販売促進強度が示されてもよいし、販売促進要素ごとの個別販売促進強度が示されてもよい。
同図に示す態様の集計画面によっては、例えば、カタログにおけるページごとの内容に従った販売促進効果を的確に把握でき、例えば今後のページ構成の検討などにあたっての有効な判断材料を得ることができる。
【0075】
図12は、第3例としての集計画面の態様例を示している。同図に示す集計画面においては、検索条件を選択するためのプルダウンメニューPDMが表示されている。
オペレータが、これらのプルダウンメニューPDMから所望の検索条件を選択する操作を行うのに応じて、コマリスト領域ARkには、選択された検索条件の論理和あるいは論理積に合致するコマのリストが表示される。
そして、コマリスト領域ARkに表示されたコマのリストのうちから、オペレータが1つのコマを指定する操作を行うと、指定されたコマが強調表示されるとともに、指定されたコマに掲載された商品についての情報画面INFが表示される。
このような集計画面によっては、例えば検索条件として選択した特定の販売促進要素などの条件における販売促進効果を商品ごとに比較して的確に把握できる。
【0076】
図13は、第4例としての集計画面の態様例を示している。同図に示す集計画面は、商品Aについての個別販売促進強度を、販売促進テーマと販売促進手法の階層に対応させて示している。
つまり、
図13(a)の集計画面における左側には「販売促進テーマ」と「販売促進手法」のそれぞれの階層下における項目(販売促進要素)のリストを示す項目リスト領域AR1が表示されている。また、項目リスト領域AR1の右側には、項目リスト領域AR1において示される項目(販売促進要素)ごとに対応した個別販売促進強度を示す販売促進強度領域AR2が表示されている。
【0077】
ここで、項目リスト領域AR1における各項目の領域においては階層ボタンが配置されている。例えば
図13(a)の項目リスト領域AR1における「生活動機テーマ」の項目の階層ボタンを操作することによっては、
図13(b)に示すように、「生活動機テーマ」の階層が開かれ、「生活動機テーマ」の直下の階層における項目が新たに表示される。そのうえで、例えば、「生活動機テーマ」の階層下における項目のうち、「課題解決」の項目の階層ボタンを操作すれば、「課題解決」の階層下における「節約」、「簡単」等の項目が表示される。
上記のように階層が開かれるのに応じて、販売促進強度領域AR2においては、開かれた階層における個別販売促進要素の個別販売促進強度が示されるようになっている。
このような表示態様によっても、1商品に対して、どのような販売促進要素を付与するとどの程度の販売促進効果があるのかを、販売促進強度としての数値により的確に示すことができる。
【0078】
図14は、第5例としての集計画面の態様例を示している。第5例の集計画面は、例えば1つの商品について、「低価格」、「おいしさ」、「品質」、「健康」、「安全、安心」、「環境配慮」、「産地」、「便利、楽しい」のそれぞれの項目ごとの販売促進強度を示したレーダーチャートである。
ここで、「低価格」、「おいしさ」、「品質」、「健康」、「安全、安心」、「環境配慮」、「産地」、「便利、楽しい」のそれぞれの項目は、
図3に示すように定義された販売促進要素とは個別に、例えば販売側のアピール項目として顧客に提示しているものである。
【0079】
そこで、同図に示す集計画面の表示にあたって、集計情報出力部115は、
図3に例示するように定義された販売促進要素のうちから、異なる分類間で共通の意義を有する販売促進要素を抜き出し、抜き出した販売促進要素の個別販売促進強度を統合する。
一例として、「低価格」の項目は、「課題解決」の項目の階層下の「節約」、「価格」の項目の階層下の「特価A」、「特価B」などの販売促進要素を統合したものになる。そこで、集計情報出力部115は、「低価格」に対応する販売促進強度については、対象商品に付与された「節約」、「特価A」、「特価B」などの販売促進要素の個別販売促進強度に基づいて求めるようにする。具体的には、「節約」、「特価A」、「特価B」などに対応する個別販売促進強度の平均値を求めることで、「低価格」に対応する販売促進強度を求めることができる。
【0080】
また、
図14においては、実線と破線によるレーダーチャートが示されている。この場合の実線と破線は、顧客の年齢層の相違に対応しており、例えば実線は老年層に対応した集計結果を示し、破線は若年層に対応した集計結果を示す。
なお、このように集計結果を客層ごとに区分する場合、集計情報記憶部128が記憶する集計情報は、
図8に例示したように、販売促進要素ごとにおいて顧客属性ごとに求められた個別販売促進強度を格納する。
また、このように集計結果を客層ごとに区分する場合において、対象となる客層の属性は年齢層だけに限られない。例えば、男性、女性により区分してもよいし、家族構成などにより区分してもよい。
【0081】
このような表示の態様によれば、商品ごとに、販売側の顧客へのアピール項目のうちのどれがその客層に受け入れられているのかを数値により的確に把握することができる。
【0082】
[処理手順例]
図15のフローチャートは、本実施形態における販売促進効果分析装置100の販売促進要素抽出部112が実行する販売促進要素タグの抽出のための処理手順例を示している。なお、同図は、1つのカタログを対象として販売促進要素タグを抽出する場合の処理の例を示している。
【0083】
販売促進要素抽出部112は、カタログ編集情報記憶部124に記憶されている1つの抽出対象のカタログのカタログ編集情報から、1つのコマを選択する(ステップS101)。
販売促進要素抽出部112は、選択したコマに掲載された商品に付与された販売促進要素のうちから1つの販売促進要素についての情報を抽出対象として選択する(ステップS102)。
【0084】
販売促進要素抽出部112は、ステップS102にて抽出対象として選択した販売促進要素に対して販売促進要素タグが付されているか否かについて判定する(ステップS103)。カタログの編集時において、販売促進要素データベースに基づいて提示された販売促進要素リストから選択した販売促進要素については販売促進要素タグが付されている。
【0085】
販売促進要素タグが付されている場合(ステップS103−YES)、販売促進要素抽出部112は、付されていた販売促進要素タグを、抽出対象の販売促進要素についての抽出結果とする(ステップS104)。
【0086】
本実施形態において販売促進要素タグが付されていない販売促進要素は、キャッチコピーなどのテキストとして新規の内容を有するものであって、既存の販売促進要素タグのいずれにも登録されていない。
この場合において、販売促進要素タグが付されていないと判定するのに応じて(ステップS103−YES)、販売促進要素抽出部112は、抽出対象の販売促進要素としてのテキストを解析する(ステップS105)。ステップS105によるテキストの解析は、例えばテキストマイニングによる手法を採用すればよい。テキストマイニングは、形態素解析により、単語や語句の出現頻度、共出現相関、出現傾向、時系列などを解析することで有用な情報を抽出する処理である。
【0087】
販売促進要素抽出部112は、ステップS105による解析結果と、販売促進要素データベース記憶部123に記憶されている既存の販売促進要素タグとを照合する(ステップS106)。
販売促進要素抽出部112は、ステップS106による照合の結果に基づき、ステップS105による解析結果が該当する既存の販売促進要素タグが有るか否かについて判定する(ステップS107)。
【0088】
解析結果が該当する既存の販売促進要素タグが有る場合(ステップS107−YES)、販売促進要素抽出部112は、解析結果が該当した既存の販売促進要素タグを、抽出対象の販売促進要素についての抽出結果とする(ステップS108)。
【0089】
一方、解析結果が既存の販売促進要素タグのいずれにも該当しなかった場合(ステップS107−NO)、販売促進要素抽出部112は、今回のステップS105による解析結果に適合する新規の販売促進要素タグをステップS105による解析結果に基づいて新規に定義する(ステップS109)。
そのうえで、販売促進要素抽出部112は、ステップS109により新規に定義した販売促進要素タグを、抽出対象の販売促進要素についての抽出結果とする(ステップS110)。
また、販売促進要素抽出部112は、ステップS109により新規に定義した販売促進要素タグを、販売促進要素データベース記憶部123が記憶する販売促進要素データベースに新規登録する(ステップS111)。
【0090】
なお、上記ステップS107〜S111による処理では、解析結果に該当する既存の販売促進要素タグが無い場合には新規の販売促進要素タグを定義するようにしている。これに対して、例えば、既存の販売促進要素タグのうちから解析結果に最も近似したものを求め、求められた販売促進要素タグを抽出結果としてもよい。また、この場合において、既存の販売促進要素タグのなかに、例えば「その他」などのように他のいずれの販売促進要素タグにも属しないような販売促進要素タグも定義したうえで、解析結果について一定以上の近似度が得られなかったような場合には、抽出結果として、「その他」の販売促進要素タグに属するものとしてもよい。
【0091】
ステップS104、S108、S111のいずれかの処理を終了した後、販売促進要素抽出部112は、ステップS101にて選択したコマにおいて付与された全ての販売促進要素について販売促進要素タグの抽出を完了したか否かについて判定する(ステップS112)。
全ての販売促進要素について販売促進要素タグの抽出を完了していない場合(ステップS112−NO)、販売促進要素抽出部112は、ステップS102に戻り、次の販売選択要素を抽出対象として選択する。
一方、全ての販売促進要素について販売促進要素タグの抽出を完了した場合(ステップS112−YES)、販売促進要素抽出部112は、さらに、対象のカタログにおける全てのコマを対象として販売促進要素タグの抽出を完了したか否かについて判定する(ステップS113)。
【0092】
未だ販売促進要素タグが抽出されないコマが残っている場合(ステップS113−NO)、販売促進要素抽出部112は、ステップS101に戻り、次の抽出対象のコマを選択する。
一方、全てのコマにおける販売促進要素タグの抽出を完了している場合(ステップS113−YES)、販売促進要素抽出部112は、これまでの抽出結果を利用して、
図4に例示した構造のコマタグ対応情報を生成する(ステップS114)。
販売促進要素抽出部112は、生成したコマタグ対応情報を、コマタグ対応情報記憶部125に記憶させる(ステップS115)。
【0093】
図16のフローチャートは、販売促進効果分析装置100における包括販売促進強度算出部113が、1つの商品についての包括販売促進強度を算出するための処理手順例を示している。
包括販売促進強度算出部113は、包括販売促進強度の算出の対象商品についての現売上実績を取得する(ステップS201)。包括販売促進強度算出部113は、前述のように、売上実績情報記憶部126が記憶する売上実績情報を利用して現売上実績を取得すればよい。また、現売上実績としては、対象商品についての売上金額PI、人数PI、あるいは点数PIなどとして求めればよい。
また、包括販売促進強度算出部113は、対象商品についての標準売上実績を取得する(ステップS202)。包括販売促進強度算出部113は、前述のように、対象商品について直近の所定回数において今回のカタログと同じ価格帯で販売したときの売上実績(売上金額PI、人数PI、点数PIなど)の移動平均として標準売上実績を求めることができる。
【0094】
包括販売促進強度算出部113は、例えば前述のように、ステップS201により取得した現売上実績をステップS202により取得した標準売上実績で除算することにより、対象商品についての包括販売促進強度を算出する(ステップS203)。
包括販売促進強度算出部113は、算出した包括販売促進強度を、
図5に例示したように、対象商品の商品識別子と、対象商品が掲載されていたカタログの媒体識別子と対応付けた包括販売促進強度情報として、包括販売促進強度情報記憶部127に記憶させる(ステップS204)。
【0095】
なお、
図8に例示したように、顧客属性ごとの個別販売促進強度を格納した構造の個別販売促進強度情報P_Dataによる集計情報を得る場合に対応する場合、包括販売促進強度算出部113は、ステップS203において顧客属性ごとに包括販売促進強度を算出する。
【0096】
図17のフローチャートは、販売促進効果分析装置100における販売促進強度集計部114が、1つの対象商品についての集計結果を得るための処理手順例を示している。
販売促進強度集計部114は、1つの対象商品についての集計結果を得るにあたり、まず、対象商品についての包括販売促進強度情報を、包括販売促進強度情報記憶部127から取得する(ステップS301)。
そのうえで、販売促進強度集計部114は、対象商品に付与された販売促進態様を形成する販売促進要素のうちの1つ、または、1以上の組合せによる販売促進要素パターンを1つ選択する(ステップS302)。
次に、販売促進強度集計部114は、ステップS302により選択した販売促進要素パターンに対応する個別販売促進強度を、例えば
図6により説明した手法により算出する(ステップS303)。
【0097】
販売促進強度集計部114は、対象商品について個別販売促進強度を算出すべき全ての販売促進要素パターンについて、個別販売促進強度の算出を完了したか否かについて判定する(ステップS304)。
未だ個別販売促進強度を算出すべき販売促進要素パターンが残っている場合(ステップS304−NO)、販売促進強度集計部114は、処理をステップS302に戻すことにより、次の販売促進要素パターンについての個別販売促進強度を算出する処理に移行する。
一方、全ての販売促進要素パターンについて個別販売促進強度の算出を完了した場合(ステップS304−YES)、販売促進強度集計部114は、これまでに算出した販売促進要素パターンごとの個別販売促進強度を含む集計情報を生成する。販売促進強度集計部114は、生成した集計情報を集計情報記憶部128に記憶させる(ステップS305)。
【0098】
なお、
図8に例示したように、顧客属性ごとの個別販売促進強度を格納した構造の個別販売促進強度情報P_Dataによる集計情報を生成する場合には、販売促進強度集計部114は、以下のように処理を実行すればよい。つまり、販売促進強度集計部114は、ステップS302において、1つの販売促進要素パターンと1つの顧客属性との組合せを選択する。また、販売促進強度集計部114は、ステップS303において、ステップS302により選択した販売促進要素パターンと顧客属性との組合せに対応する個別販売促進強度を算出する。これにより、ステップS305において生成される集計情報として、例えば販売促進要素(販売促進要素パターン)ごとに
図8に例示した内容を有した構造のものを得ることができる。
【0099】
図18のフローチャートは、販売促進効果分析装置100における集計情報出力部115が、
図9〜
図14に例示した集計画面を表示させるための処理手順例を示している。
集計情報出力部115は、操作部104により集計画面の表示を指示する操作が受け付けられるのを待機している(ステップS401−NO)。
集計画面の表示を指示する操作が受け付けられるのに応じて(ステップS401−YES)、集計情報出力部115は、集計情報記憶部128が記憶する集計情報を利用して、集計画面の表示を指示する操作とともに指定された集計画面(例えば、
図9、
図11〜
図14に示された集計画面の態様のいずれか)を生成する(ステップS402)。
集計情報出力部115は、ステップS402にて生成した集計画面を表示部103に表示させる(ステップS403)。
【0100】
なお、上記の実施形態における販売促進効果分析装置100は、カタログ編集機能を備えているが、カタログ編集機能を備えない構成であってもよい。
また、上記の実施形態における通信販売用のカタログは、例えば製本されて顧客に配布される形態である場合を例に挙げているが、例えば、ウェブサイト上で提供される電子化されたカタログの態様であってもよい。
【0101】
なお、本実施形態における情報処理部101の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の情報処理部101としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。