特許第6167709号(P6167709)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6167709-無線サージカウンタ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6167709
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】無線サージカウンタ
(51)【国際特許分類】
   H01T 1/12 20060101AFI20170713BHJP
【FI】
   H01T1/12
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-146220(P2013-146220)
(22)【出願日】2013年7月12日
(65)【公開番号】特開2015-18736(P2015-18736A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】岸 泰成
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−262013(JP,A)
【文献】 特開2006−158011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
避雷器の接地線に取り付けられサージ電流によって生じる磁界で電圧を誘起させる変成器と、
前記変成器に接続され前記誘起された電圧により蓄電を行う蓄電用キャパシタと、
前記蓄電用キャパシタに接続され前記サージ電流によって前記蓄電用キャパシタに蓄電された際の電力を用いて信号を無線で送信する無線送信部とを備え、
前記無線送信部が、1回の前記サージ電流によって前記信号を少なくとも1回送信し、前記送信が可能な前記蓄電用キャパシタの電力がある限り前記送信を繰り返すことを特徴とする無線サージカウンタ。
【請求項2】
請求項1に記載の無線サージカウンタにおいて、
前記蓄電用キャパシタの電圧値を検出する回路を備え、
前記無線送信部が、前記信号に前記送信前の前記蓄電用キャパシタの電圧値を含めて送信することを特徴とする無線サージカウンタ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の無線サージカウンタにおいて、
前記無線送信部が、前記信号に自己のID情報を含めて送信することを特徴とする無線サージカウンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雷サージなどによって避雷器の動作時に流れるサージ電流を検出しカウントするための無線サージカウンタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、雷サージ等による異常電圧が発生した際に、通信装置や情報処理装置等の機器を保護するために避雷器が接続されているが、雷サージの発生頻度を知るためや耐サージ回数に制限のある避雷器の交換のため、雷サージの回数をカウントするサージカウンタが用いられている。このようなサージカウンタとしては、避雷器が接続されている接地線に
変成器をクランプしてサージ電流を検出し、さらにフォトカプラでサージを検出することでカウントするものや、動作時にブザー等で知らせる装置が知られている。また、カウントのみ表示するものの他に、サージ発生日時、サージ電流量を記録するものがある。
【0003】
これらサージカウンタは、動作のために電池や商用電源が必要であるが、無電源タイプ(バッテリレス)のサージカウンタも提案されている。例えば、特許文献1には、サージ電流が通るラインに変成器をクランプさせ、2次側回路のソレノイドコイルのコアが記録ピンになっており、サージ発生時に記録媒体に記録ペンを押し付けてカウントするサージカウンタが提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、避雷器の接地線に流れるサージ電流を変成器で検出し、そのサージ電流に基づく避雷器の動作回数を電磁カウンタにより計数するサージカウンタが提案されている。このサージカウンタでは、電磁石の励磁及び消磁を行うことで文字車を動作させて計数を行っている。さらに、特許文献3には、変成器をアース線にクランプし、2次回路の整流器でコンデンサに充電し、ラッチリレーで外部接点信号を発生させる雷サージカウンタが提案されている。なお、この雷サージカウンタでは、表示器を使う場合に別途電源が必要である。
さらに、特許文献4にも、サージの過剰電流をコンバータを介して電力として利用する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−80129号公報
【特許文献2】特開2011−187218号公報
【特許文献3】特開2004−146148号公報
【特許文献4】特開2012−105459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
従来、電池又は商用電源が必要なものは、カウントを確認するために現場に行って表示器を見なければならず、確認に手間がかかってしまう不都合があった。また、ランプやブザー等の警報手段で管理者に知らせる装置は常に監視していなければならず、見落とす場合もある。現場に見に行かない方法として、動作状況をネットワーク経由で送信する機器もあるが、これはカウンタの外部出力をモニタリングする別システムが必要であり、コスト的な問題がある。さらに、バッテリ対応のものは電池交換が必要であると共に、交換頻度を少なくする為に大容量バッテリを必要とする。
また、商用電源の場合、避雷器の接地線からサージカウンタにサージ電流が侵入した際に商用電源側へサージ電流が流出する可能性があり、このような現象が発生した場合、サージカウンタに接続された装置に損傷を与える可能性もある。高電圧の場合、カウンタに供給する電源とサージを監視したいラインとの絶縁を確保する必要があるため、想定される電圧に応じた絶縁処理が必要となる。また、商用電源の場合、絶縁トランスを使用する必要があり、狭い場所に設置する場合は困難である。さらに、商用電源の場合、停電に備えてUPS等の無停電電源装置を使用する必要があり、管理コストが高くなる。
【0007】
一方、無電源タイプ(バッテリレス)の特許文献1から3の技術では、いずれもカウントを確認するには現場に行って表示器を見なければならないという不都合がある。また、特許文献2の技術では、電磁カウンタを駆動する為に大きな消費電力が必要であり、弱いサージには対応できないという不都合がある。さらに、特許文献3の技術では、表示器を使う場合は別途、電源が必要であることから、この点で無電源とはいえない。
【0008】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、無電源でありながら、遠隔でカウントを確認可能な無線サージカウンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る無線サージカウンタは、避雷器の接地線に取り付けられサージ電流によって生じる磁界で電圧を誘起させる変成器と、前記変成器に接続され前記誘起された電圧により蓄電を行う蓄電用キャパシタと、前記蓄電用キャパシタに接続され前記サージ電流によって前記蓄電用キャパシタに蓄電された際の電力を用いて信号を無線で送信する無線送信部とを備え、前記無線送信部が、1回の前記サージ電流によって前記信号を少なくとも1回送信することを特徴とする。
【0010】
この無線サージカウンタでは、蓄電用キャパシタに接続されサージ電流によって蓄電用キャパシタに蓄電された際の電力を用いて信号を無線で送信する無線送信部を備えているので、サージ電流から得た電力を無線送信に利用することで電池や商用電源が不要になると共に、信号を無線送信することで、遠隔で信号を受信してリアルタイムにサージをカウントすることができる。また、無線送信部が、1回のサージ電流によって信号を少なくとも1回送信するので、サージの発生を取りこぼし無く検出することができる。
また、サージ発生直後に送信するので受信器側の通信記録により、サージ発生日時を把握することが可能である。
【0011】
第2の発明に係る無線サージカウンタは、第1の発明において、前記蓄電用キャパシタの電圧値を検出する回路を備え、前記無線送信部が、前記信号に前記送信前の前記蓄電用キャパシタの電圧値を含めて送信することを特徴とする。
すなわち、この無線サージカウンタでは、無線送信部が、信号に送信前の蓄電用キャパシタの電圧値を含めて送信するので、送信前の蓄電用キャパシタの電圧値がサージ電流の大きさに応じた値であることを利用して、サージの大きさも無線による信号から得ることができる。このように、蓄電された電荷が放電する前の蓄電用キャパシタの電圧を測定することで、サージのレベルを識別し、サージのカウントだけでなく、エネルギー量を測定し、故障予知などにも使うことができる。
【0012】
第3の発明に係る無線サージカウンタは、第1又は第2の発明において、前記無線送信部が、前記信号に自己のID情報を含めて送信することを特徴とする。
すなわち、この無線サージカウンタでは、無線送信部が、信号に自己のID情報を含めて送信するので、受信した信号中のID情報によって無線サージカウンタの設置場所、すなわちサージの発生場所を把握することができる。
【0013】
第4の発明に係る無線サージカウンタは、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記無線送信部が、前記送信が可能な前記蓄電用キャパシタの電力がある限り前記送信を繰り返すことを特徴とする。
すなわち、この無線サージカウンタでは、無線送信部が、送信が可能な蓄電用キャパシタの電力がある限り送信を繰り返すので、受信した信号の回数が蓄電用キャパシタの電荷量、すなわち発生したサージ電流の大きさに対応しており、受信回数からサージの大きさを把握することができると共に、繰り返しの送信によって確実に信号を受信することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る無線サージカウンタによれば、蓄電用キャパシタに接続されサージ電流によって蓄電用キャパシタに蓄電された際の電力を用いて信号を無線で送信する無線送信部を備えているので、サージ電流から得た電力を無線送信に利用することで電池や商用電源が不要になると共に、信号を無線送信することで、遠隔で信号を受信してサージをリアルタイムにカウントすることができる。また、無線送信部が、1回のサージ電流によって信号を少なくとも1回送信するので、サージの発生を取りこぼし無く検出することができる。
したがって、電池が不要になることから、電池交換の煩雑さが解消され、ランニングコストの低減も可能になる。また、電源線の接続を必要としないため、絶縁を確保し易く、サージの不要な回り込みを容易に防止することができる。さらに、無線で送信するので、カウンタ装置まで確認しに行かなくて良く、管理コストが低減すると共に、避雷器が動作したことを遠隔で瞬時に管理者が認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る無線サージカウンタの一実施形態を示す回路の全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る無線サージカウンタの一実施形態を、図1を参照しながら説明する。
【0017】
本実施形態の無線サージカウンタ1は、図1に示すように、保護対象機器100に加わる異常電圧を検出するサージカウンタであって、避雷器2A,2Bの接地線3A,3Bに取り付けられサージ電流によって生じる磁界で電圧を誘起させる変成器4A,4Bと、変成器4A,4Bに接続され前記誘起された電圧により蓄電を行う蓄電用キャパシタ5と、蓄電用キャパシタ5に接続されサージ電流によって蓄電用キャパシタ5に蓄電された際の電力を用いて信号を無線で送信する無線送信部6と、無線送信部6から送信される信号を受信する無線受信部7とを備えている。
【0018】
また、この無線サージカウンタ1は、蓄電用キャパシタ5の電圧値を検出する回路を備え、無線送信部6が、信号に送信前の蓄電用キャパシタ5の電圧値を含めて送信する機能を有している。
この無線送信部6は、1回のサージ電流によって信号を少なくとも1回送信するように設定されている。
さらに、無線送信部6は、信号に自己のID情報を含めて送信する機能と、送信が可能な蓄電用キャパシタ5の電力がある限り送信を繰り返す機能も有している。
【0019】
上記保護対象機器100は、交流電源に一対の電源線101で接続されている。
上記避雷器2Aは、一対の電源線101の間に接続された接地線3Aの途中に接続され、避雷器2Bは、一対の電源線101の一方とグランドとの間に接続された接地線3Bの途中に接続されている。
【0020】
上記避雷器2A,2Bは、例えばガス入り放電管、放電ギャップ、バリスタ、ダイオード等が採用可能である。
上記変成器4A,4Bは、接地線3A,3Bにクランプされて取り付けられる鉄心であるコア4aと、コア4aに巻回された二次コイル4bとで構成されている。
変成器4Aは、接地線3Aにコア4aをクランプさせて取り付けられ、変成器4Bは、接地線3Bにコア4aをクランプさせて取り付けられている。
【0021】
二次コイル4bの両端間には、サージ保護用のバリスタ11A,11B及びブリッジ整流回路12A,12Bが並列に接続されている。上記バリスタ11A,11Bは、サージによる生じた電圧をバリスタ電圧まで抑えるために接続され、ブリッジ整流回路12A,12B中のダイオード等を保護するものである。
上記ブリッジ整流回路12A,12Bは、ブリッジ形全波整流回路であって、4つのダイオードで構成されたダイオードブリッジである。これらのブリッジ整流回路12A,12Bは、変成器4A,4Bからの二次電流を全波整流するものである。
【0022】
ブリッジ整流回路12A,12Bは、一対の出力端子である(+)端子と(−)端子との間に蓄電用キャパシタ5が接続されている。すなわち、ブリッジ整流回路12Aの一対の出力配線14A,14B間に蓄電用キャパシタ5が接続されている。また、ブリッジ整流回路12Bの一対の出力配線15A,15Bは、それぞれ対応するブリッジ整流回路12Aの一対の出力配線14A,14Bの途中に接続されており、一対の出力配線14A,14Bを介して蓄電用キャパシタ5に接続されている。なお、ブリッジ整流回路12A,12Bの(+)端子に接続された出力配線14A,15Aは、途中にダイオード13A,13Bが接続されている。
【0023】
上記蓄電用キャパシタ5には、無線送信部6が接続されている。この無線送信部6は、蓄電用キャパシタ5に蓄電された電荷を電源として信号を送信アンテナ6aを介して無線送信するICである。例えば、エネルギーハーベスト(環境発電)分野で採用されている微量な発電量で送信可能な無線送信用ICである。また、この無線送信部6は、電圧計測端子6bが抵抗16を介して蓄電用キャパシタ5の一端に接続されている。すなわち、抵抗値16を介して無線送信部6の電圧計測端子6bに接続される回路が、蓄電用キャパシタ5の電圧値を検出する回路となり、無線送信部6に、蓄電用キャパシタ5の電圧値が入力される。
【0024】
上記無線受信部7は、受信アンテナ7aを介して無線送信部6から無線送信された信号を受信するICを備えた受信機器であり、信号の受信を知らせる表示や警報を行う機能と、信号の受信数をカウントすると共に信号中の情報を表示する機能とを有している。また、この無線受信部7は、一定時間内に送られた信号の受信回数に応じてサージ量の大きさを算出して表示する機能も有している。
【0025】
本実施形態の無線サージカウンタ1によって雷サージをカウントする方法は、大きく発電、蓄電、送信の3つの過程から構成されている。
まず、避雷器2A,2Bが接続された接地線3A,3Bに変成器4A,4Bをクランプさせて無線サージカウンタ1を取り付けておく。
【0026】
<発電過程>
雷サージが発生し一対の電源線101に進入すると、避雷器2A,2Bが動作し、接地線3A,3Bにサージ電流(インパルス電流)が流れる。接地線3A,3Bが変成器の一次側となって、コア4aに磁界が発生する。コア4aに巻きつけられた二次コイル4bの両端に電圧が誘起され、後段のブリッジ整流回路12A,12Bにより整流される。なお、二次コイル4bのターン数は避雷器2A,2Bが動作すれば1回の送信分の電力を蓄電用キャパシタ5に蓄電できるようにターン数が調整されている。例えば、二次コイル4bは、変流比が800:1や3000:1のものが採用される。
【0027】
<蓄電過程>
次に、整流されたサージ電流によって、後段に接続された蓄電用キャパシタ5が充電される。このとき、上記変成器4A,4Bの設定によって、1回のサージで最低1回送信可能な電荷量が蓄電用キャパシタ5に蓄えられ、無線送信部6の電力は蓄電用キャパシタ5から供給される。なお、蓄電用キャパシタ5は電気二重層キャパシタが好適であり、容量は0.01Fから0.1Fくらいが望ましい。なお、蓄電用キャパシタ5の容量が大きすぎると1回のサージで無線送信部6が動作するまでの電圧に達しないおそれがある。
【0028】
<送信過程>
蓄電用キャパシタ5を電源として接続された無線送信部6が、起動後直ちに自己のID情報と、電圧計測端子6bから得られた蓄電用キャパシタ5の電圧値のデータとを共に親機である無線送信部6へ送信する。なお、無線送信部6の設定は通常は蓄電用キャパシタ5の電圧が低いので休止(スリープ)しているが、一旦、起動電圧以上であり、送信可能な電荷量が溜まれば、起動(ウェイクアップ)と同時に送信するようプログラミングされている。
【0029】
無線受信部7では、無線送信部6から送られてきた信号を受信することにより、避雷器2A,2Bの動作時刻(雷サージ発生時刻)と、ID(無線サージカウンタ1の設置場所情報と紐付けされていることにより発生場所を特定可能)と、蓄電用キャパシタ5の電圧値(サージ電流量の推定値)との各情報が入力され、記録及び表示される。雷サージの発生頻度は低いので、蓄電用キャパシタ5は放電されている状態から蓄電される。よって、サージ電流量と蓄電される電荷量と計測電圧は比例の関係になる。
また、無線送信部6は、蓄電用キャパシタ5の電荷量が残っていれば数秒〜数分間隔で複数回送信を行う。雷サージは短時間に複数回発生することはないので、1回の送信でも複数回の送信でも、一定時間内の一連の送信動作において1回避雷器2A,2Bが動作したとして無線受信部7が認識する。
【0030】
このように本実施形態の無線サージカウンタ1では、蓄電用キャパシタ5に接続されサージ電流によって蓄電用キャパシタ5に蓄電された際の電力を用いて信号を無線で送信する無線送信部6を備えているので、サージ電流から得た電力を無線送信に利用することで電池や商用電源が不要になると共に、信号を無線送信することで、遠隔で信号を受信してリアルタイムにサージをカウントすることができる。
また、無線送信部6が、1回のサージ電流によって信号を少なくとも1回送信するので、サージの発生を取りこぼし無く検出することができる。
さらに、サージ発生直後に送信するので無線受信部7側の通信記録により、サージ発生日時を把握することが可能である。
【0031】
また、無線送信部6が、信号に送信前の蓄電用キャパシタ5の電圧値を含めて送信するので、送信前の蓄電用キャパシタ5の電圧値がサージ電流の大きさに応じた値であることを利用して、サージの大きさも無線による信号から得ることができる。このように、蓄電された電荷が放電する際の蓄電用キャパシタ5の電圧を測定することで、サージのレベルを識別し、サージのカウントだけでなく、エネルギー量を測定、故障予知などにも使うことができる。
【0032】
さらに、無線送信部6が、信号に自己のID情報を含めて送信するので、受信した信号中のID情報によって無線サージカウンタ1の設置場所、すなわちサージの発生場所を把握することができる。
また、無線送信部6が、送信が可能な蓄電用キャパシタ5の電力がある限り送信を繰り返すので、受信した信号の回数が蓄電用キャパシタ5の電荷量、すなわち発生したサージ電流の大きさに対応しており、受信回数からサージの大きさを把握することができると共に、繰り返しの送信によって確実に信号を受信することができる。
【0033】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1…無線サージカウンタ、2A,2B…避雷器、3A,3B…接地線、4A,4B…変成器、5…蓄電用キャパシタ、6…無線送信部、7…無線受信部
図1