(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光学部材は、光が透過する光学部と、前記光学部に一体形成され、前記光学部の長手方向の両端部及び中間部からそれぞれ張り出す張出部とを備えており、前記張出部において前記拘束手段により前記支持面と直交方向の移動が拘束される、請求項1または2に記載の光学部材の支持構造。
前記拘束手段は、前記支持部材に取り付けられ、前記光学部材の長手方向の両端部を前記支持面に対して押圧する端部押圧部材を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部材の支持構造。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る光学部材の支持構造、照射装置及び画像形成装置の一例を詳細に説明する。
【0025】
(全体構成)
本実施形態に係る画像形成装置10は、フルカラー画像又は白黒画像を形成するものであり、
図1に示されるように、水平方向一側(
図1における左側)部分を構成する第1処理部が収容された第1筐体10Aと、第1筐体10Aと分割可能に接続され、水平方向+側(
図1における右側)部分を構成する第2処理部が収容された第2筐体10Bとを備えている。
【0026】
第2筐体10Bの上部には、コンピュータ等の外部装置から送られてくる画像データに画像処理を施す画像信号処理部13が設けられている。
【0027】
一方、第1筐体10Aの上部には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが水平方向に沿って交換可能に設けられている。
【0028】
なお、第1特別色及び第2特別色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色(透明を含む)から適宜選択される。また、以後の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、数字の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかの英字を付して説明し、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
【0029】
さらに、トナーカートリッジ14の下側には、各色のトナーに対応する6つの画像形成ユニット16が、各トナーカートリッジ14と対応するように水平方向に沿って設けられている。
【0030】
画像形成ユニット16毎に設けられた露光装置40は、前述した画像信号処理部13によって画像処理を施された画像データを画像信号処理部13から受け取り、この画像データに応じて変調した光ビームLを後述の像保持体18へ照射するように構成されている(
図2参照)。
【0031】
各画像形成ユニット16は、
図2に示されるように、一方向(
図2における時計回り方向)に回転駆動される像保持体18を備えている。各露光装置40から各像保持体18へ光ビームLが照射されることにより、各像保持体18には静電潜像が形成される。
【0032】
各像保持体18の周囲には、像保持体18を帯電するコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器20と、露光装置40によって像保持体18に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置22と、転写後の像保持体18に残留する現像剤を除去する除去部材としてのブレード24と、転写後の像保持体18に光を照射して除電を行う除電装置26とが設けられている。
【0033】
スコロトロン帯電器20、現像装置22、ブレード24、除電装置26は、像保持体18の表面と対向して、像保持体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
【0034】
現像装置22は、トナーを含んだ現像剤Gを収容する現像剤収容部材22Aと、現像剤収容部材22Aに収容された現像剤Gを像保持体18に供給する現像ロール22Bとを含んで構成されている。現像剤収容部材22Aは、トナーカートリッジ14(
図1参照)とトナー供給路(図示省略)を通して接続されており、トナーカートリッジ14からトナーが供給されるようになっている。
【0035】
図1に示されるように、各画像形成ユニット16の下側には、転写部32が設けられている。転写部32は、各像保持体18と接触する環状の中間転写ベルト34と、各像保持体18に形成されたトナー画像を中間転写ベルト34に多重転写させる一次転写ロール36とを含んで構成されている。
【0036】
中間転写ベルト34は、図示しないモータで駆動される駆動ロール38と、中間転写ベルト34に張力を付与する張力付与ロール41と、後述する二次転写ロール62に対向する対向ロール42と、複数の巻掛ロール44とに巻き掛けられており、駆動ロール38により、一方向(
図1における反時計回り方向)に循環移動されるようになっている。
【0037】
各一次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んでそれぞれの各画像形成ユニット16の像保持体18と対向配置されている。また、一次転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、像保持体18に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。
【0038】
中間転写ベルト34を挟んで駆動ロール38の反対側には、ブレードを中間転写ベルト34に接触させて、中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去する除去装置46が設けられている。
【0039】
転写部32の下方には、用紙等の媒体の一例としての記録媒体Pが収容される記録媒体収容部48が水平方向に沿って2個設けられている。
【0040】
各記録媒体収容部48は、第1筐体10Aから引き出し自在とされている。各記録媒体収容部48の一端側(
図1における右側)の上方には、各記録媒体収容部48から記録媒体Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
【0041】
各記録媒体収容部48内には、記録媒体Pが載せられる底板50が設けられている。この底板50は、記録媒体収容部48が第1筐体10Aから引き出されると、図示せぬ制御手段の指示によって下降するようになっている。底板50が下降することで、ユーザーが記録媒体Pを補充する空間が記録媒体収容部48に形成される。
【0042】
第1筐体10Aから引き出された記録媒体収容部48を第1筐体10Aに装着すると、底板50が、制御手段の指示によって上昇するようになっている。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の記録媒体Pと送出ロール52とが当るようになっている。
【0043】
送出ロール52の記録媒体搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という場合がある)には、記録媒体収容部48から重なって送り出された記録媒体Pを1枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、記録媒体Pを搬送方向下流側に搬送する複数の搬送ロール54及び搬送ロール64が設けられている。
【0044】
記録媒体収容部48と転写部32との間に設けられる搬送経路60は、記録媒体収容部48から送り出された記録媒体Pを第1折返部60Aで
図1における左側に折り返し、さらに、第2折返部60Bで
図1における右側に折り返すように、二次転写ロール62と対向ロール42との間の転写位置Tへ延びている。
【0045】
二次転写ロール62は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像が、二次転写ロール62によって、搬送経路60に沿って搬送されてきた記録媒体Pに二次転写される構成となっている。
【0046】
搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、第1筐体10Aの側面から延びる予備経路66が設けられている。第1筐体10Aに隣接して配置される別の記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込めるようになっている。
【0047】
転写位置Tの下流側には、トナー画像が転写された記録媒体Pを第2筐体10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が第1筐体10Aに設けられ、搬送ベルト70に搬送された記録媒体Pを下流側に搬送する搬送ベルト80が第2筐体10Bに設けられている。
【0048】
複数の搬送ベルト70及び搬送ベルト80のそれぞれは、環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、記録媒体Pの搬送方向上流側と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70(搬送ベルト80)を一方向(
図1における時計回り方向)に循環移動させる。
【0049】
搬送ベルト80の下流側には、記録媒体Pの表面に転写されたトナー画像を記録媒体Pに熱と圧力で定着させる定着ユニット82が設けられている。
【0050】
定着ユニット82は、定着ベルト84と、定着ベルト84に対して下側から接触するように配置された加圧ロール88と、を備えている。定着ベルト84と加圧ロール88との間には、記録媒体Pを加圧加熱してトナー画像を定着させる定着部Nが形成されている。
【0051】
定着ベルト84は、環状に形成されており、駆動ロール89及び従動ロール90に巻き掛けられている。駆動ロール89は、加圧ロール88に対して上側から対向しており、従動ロール90は、駆動ロール89よりも上側に配置されている。
【0052】
駆動ロール89及び従動ロール90は、それぞれに、ハロゲンヒータ等の加熱部が内蔵されている。これにより、定着ベルト84が加熱される。
【0053】
図1に示されるように、定着ユニット82の下流側には、定着ユニット82から送り出された記録媒体Pを下流側へ搬送する搬送ベルト108が設けられている。搬送ベルト108は、搬送ベルト70と同様に形成されている。
【0054】
搬送ベルト108の下流側には、定着ユニット82によって加熱された記録媒体Pを冷却する冷却ユニット110が設けられている。
【0055】
冷却ユニット110は、記録媒体Pの熱を吸収する吸収装置112と、記録媒体Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114とを備えている。吸収装置112は、搬送経路60に対する一方側(
図1における上側)に配置され、押付装置114は、他方側(
図1における下側)に配置されている。
【0056】
吸収装置112は、記録媒体Pと接触し、記録媒体Pの熱を吸収する環状の吸収ベルト116を備えている。吸収ベルト116は、吸収ベルト116へ駆動力を伝達する駆動ロール120と、複数の巻掛ロール118とに巻き掛けられている。
【0057】
吸収ベルト116の内周側には、吸収ベルト116と面状に接触して吸収ベルト116が吸収した熱を放熱させるアルミニウム材料で形成されたヒートシンク122が設けられている。
【0058】
さらに、ヒートシンク122から熱を奪い熱気を外部へ排出させるためのファン128が、第2筐体10Bの裏側(
図1に示す紙面奥側)に配置されている。
【0059】
記録媒体Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114は、記録媒体Pを吸収ベルト116へ押し付けながら記録媒体Pを搬送する環状の押付ベルト130を備えている。押付ベルト130は、複数の巻掛ロール132に巻き掛けられている。
冷却ユニット110の下流側には、記録媒体Pを挟んで搬送し、記録媒体Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置140が設けられている。
【0060】
矯正装置140の下流側には、記録媒体Pに定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥、及び記録媒体Pの位置や形状等を検知する検知装置の一例としてのインラインセンサ200が設けられている。なお、インラインセンサ200については、詳細を後述する。
【0061】
インラインセンサ200の下流側には、片面に画像が形成された記録媒体Pを第2筐体10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
【0062】
一方、両面に画像を形成させる場合は、インラインセンサ200から送出された記録媒体Pは、インラインセンサ200の下流側に設けられた反転経路194に搬送されるようになっている。
【0063】
反転経路194には、搬送経路60から分岐する分岐パス194Aと、分岐パス194Aに沿って搬送される記録媒体Pを第1筐体10A側に向けて搬送する用紙搬送パス194Bと、用紙搬送パス194Bに沿って搬送される記録媒体Pを逆方向に向けて折返してスイッチバック搬送させて表裏を反転させる反転パス194Cが設けられている。
【0064】
この構成により、反転パス194Cでスイッチバック搬送された記録媒体Pは、第1筐体10Aに向けて搬送され、さらに、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、転写位置Tへ再度送り込まれるようになっている。
【0065】
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
画像信号処理部13で画像処理が施された画像データが、各露光装置40に送られる。各露光装置40では、画像データに応じて各光ビームLを出射して、スコロトロン帯電器20によって帯電した各像保持体18に露光し、静電潜像が形成される。
【0066】
図2に示されるように、像保持体18に形成された静電潜像は、現像装置22によって現像され、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が形成される。
【0067】
図1に示されるように、各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの感光体28に形成された各色のトナー画像は、6つの一次転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。
【0068】
中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール62によって、記録媒体収容部48から搬送されてきた記録媒体P上に二次転写される。トナー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト70によって第2筐体10Bの内部に設けられた定着ユニット82に向けて搬送される。
【0069】
記録媒体P上の各色のトナー画像が定着ユニット82により加熱・加圧されることで記録媒体Pに定着する。さらに、トナー画像が定着された記録媒体Pは、冷却ユニット110を通過して冷却された後、矯正装置140に送り込まれ、記録媒体Pに生じた湾曲が矯正される。
【0070】
湾曲が矯正された記録媒体Pは、インラインセンサ200によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
【0071】
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、インラインセンサ200を通過後に、記録媒体Pが反転経路194で反転され、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー画像が形成される。
【0072】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品(画像形成ユニット16V・16W、露光装置40V・40W、トナーカートリッジ14V・14W、一次転写ロール36V・36W)は、ユーザーの選択により、追加部品として第1筐体10Aに装着可能に構成されている。従って、画像形成装置10としては、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品を有さない構成、第1特別色及び第2特別色のうちいずれか1色の画像を形成するための部品のみを有する構成としてもよい。
【0073】
次に、インラインセンサ200について説明する。
以下の説明では、画像形成装置10の長さ方向(記録媒体Pの搬送方向である副走査方向)をX方向、装置の高さ方向をY方向、装置の奥行き方向(主走査方向)をZ方向ということとする。X方向、Y方向、Z方向は互いに直交する。また、以下において「正面」とは、
図1に示す装置の面を指し、「背面」とは正面とは逆側の装置の面を指す。
【0074】
(インラインセンサの基本構成、機能)
図3に示されるように、インラインセンサ200は、画像が記録された記録媒体Pに向けて光を照射する照射部202と、照射部202から照射されて記録媒体Pで反射された光を受光する受光装置の一例としてのCCDセンサ204に結像する結像光学系206を備えた結像部208と、インラインセンサ200の使用時やキャリブレーション時の各種基準等が設定された設定部210とを備えている。CCDセンサ204は、記録媒体Pで反射された光を受光すると共に、光の強度に基づいて画像(像)を検知する構成となっている。
【0075】
なお、記録媒体Pからの光とは、記録媒体Pで反射された反射光および記録媒体Pを透過した透過光を含み、より広くは、記録媒体P上に形成された像や記録媒体Pの位置や形状に関する情報を検知することができる光である。また、透過とは、光がウインドウガラス等を通り抜けることのほか、結像レンズ等を光が通り抜けることも含む。さらに、記録媒体Pの検知とは、記録媒体Pの位置、形状を検知することを含む。
【0076】
照射部202は、記録媒体Pの搬送経路60の上側に配置されている。この照射部202の内部には、光を照射する照射装置212が記録媒体Pの搬送方向の上流側及び下流側にそれぞれ配置されている。これらの照射装置212は、搬送経路60上の照射位置Dに光が照射されるように位置及び光の照射の向きが調整されている。なお、本実施形態では、2つの照射装置212は、照射した光が記録媒体Pにて反射されて結像部208に向かう光軸OA(設計上の光軸)を挟んで略対称に配置されている。なお、照射装置212の詳細な構成については後述する。
【0077】
結像光学系206は、光軸OAに沿って導かれた光をX方向(この実施形態では記録媒体Pの搬送方向下流側)に反射する第1ミラー214と、第1ミラー214が反射した光を上向きに反射する第2ミラー216と、第2ミラー216が反射した光を記録媒体Pの搬送方向上流側に反射する第3ミラー218と、第3ミラー218が反射した光をCCDセンサ204に集光(結像)するレンズ220とを主要部として構成されている。CCDセンサ204は、光軸OAに対し記録媒体Pの搬送方向上流側に配置されている。
【0078】
第1ミラー214のZ方向の長さは、最大の記録媒体Pの幅よりも大とされている。そして、第1ミラー214、第2ミラー216、及び第3ミラー218は、結像光学系206に入射された記録媒体Pの反射光をそれぞれZ方向(主走査方向)に絞りながら(集光しつつ)反射するようになっている。これにより、略円柱状のレンズ220に対し、記録媒体Pの幅方向各部からの反射光を入射させる構成である。
【0079】
上記構成により、インラインセンサ200では、CCDセンサ204が、結像された光すなわち画像濃度に応じた信号を、画像形成装置10の制御装置192(
図1参照)に出力(フィードバック)するようになっている。制御装置192は、インラインセンサ200からの信号に基づいて、画像形成ユニット16において形成される画像を補正するようになっている。画像形成装置10では、一例として、露光装置40による照射光の強度、画像の形成位置などがインラインセンサ200からの信号に基づいて補正される。
【0080】
また、結像光学系206における第3ミラー218とレンズ220との間には、光量絞り部224(224L、224S、224U)が設けられている。光量絞り部224は、光路をZ方向に横切ってCCDセンサ204に結像する光の光量をY方向(主走査方向との交差方向)に絞ると共に、外部から操作することで光量絞り量を調整可能に構成されている。光量絞り部224による光量絞り量は、経時により各照射装置212の発光量が変化してもCCDセンサ204に結像される光量が予め定めた量となるように調整されるようになっている。
【0081】
一方、設定部210は、Z方向に長手の基準ロール226を備えている。基準ロール226は、記録媒体Pの画像検出を行う際に搬送経路60側を向ける検出基準面228と、インラインセンサ200による記録媒体Pの画像検出を行わない場合に搬送経路側を向ける退避面230と、白色基準面232と、多色のパターンが長手方向に沿って形成されたカラー基準面234と、複数の検査パターンが形成された複合検査面236とを有する。この実施形態では、基準ロール226は、周方向に8面以上の面が形成された多角形筒状に形成されている。検出基準面228、退避面230、カラー基準面234、複合検査面236は各一面だけ設けられ、白色基準面232は2面設けられている。
【0082】
基準ロール226は、回転軸226A周りに回転することで、搬送経路60側を向ける面を切り替える構成とされている。この基準ロール226の面の切替は、後述する回路基板262に設けられた制御回路によって行われるようになっている。また、基準ロール226は、八角形以上の多角形筒状に形成されることで、各面の周方向中央と面間の角部との回転中心に対する距離差が小さく抑えられている。これにより、基準ロール226の各面と各照射装置212の照射位置(後述するウインドウガラス286)との距離を小さく抑えながら、基準ロール226の面間の角部が照射部202と干渉しない構成とされている。
【0083】
検出基準面228は、周方向の幅が他の面よりも小とされており、その周方向両側の面は上記した各基準としての機能を有しない案内面238とされている。検出基準面228は、搬送される記録媒体Pの被検出(被読み取り)面(反射面)の位置を設定する設定面(位置基準面)とされている。
【0084】
退避面230は、周方向の幅が他の面よりも大とされている。この退避面230は、インラインセンサ200による記録媒体Pの画像検出を行わない場合に、記録媒体Pを案内する案内面であり、検出基準面228よりも回転軸226Aの軸心からの距離が小とされている。これにより、インラインセンサ200による記録媒体Pの画像検出を行わない場合には、インラインセンサ200による記録媒体Pの画像検出を行う場合よりも、照射部202(ウインドウガラス286)との間隔が広い搬送経路が形成されるようになっている。
【0085】
(インラインセンサの作用)
図3に示されるように、インラインセンサ200は、照射部202と設定部210との間を通過する記録媒体Pに対し、一対の照射装置212により光を照射する。記録媒体Pで反射された光は光軸OAに沿って結像部208に導かれ、該結像部208の結像光学系206によってCCDセンサ204に結像される。CCDセンサ204は、画像の位置毎の画像濃度に応じた信号を画像形成装置10の制御装置192に出力する。制御装置192では、CCDセンサ204からの信号に基づいて画像濃度、画像形成位置などが補正される。
【0086】
次に、本実施形態に係る照射装置212について説明する。
図4に示されるように、照射装置212は、支持部材302(本発明の支持部材の一例)、導光部材304(本発明の光学部材の一例)、光源310(本発明の支持部材の一例)を備える基板306、絶縁シート307(
図8参照)、押さえバネ312(本発明の端部押圧部材の一例)及び押さえバネ314(本発明の中間部押圧部材の一例)を有している。この照射装置212には、本実施形態に係る光学部材の支持構造300が適用されて支持部材302で導光部材304が支持されている。
【0087】
図4に示されるように、支持部材302は、Z方向が長手方向とされた長尺物であり、断面形状(長手方向と直交方向の断面形状)が略L字状とされている。この支持部材302は、導光部材304よりも長手方向の曲げ剛性が高くされている。具体的には、本実施形態の支持部材302は、板金を略L字状に折り曲げて形成されているため、樹脂で形成された導光部材304よりも長手方向の曲げ剛性が高くなっている。なお、支持部材302は、長手方向の曲げ剛性が導光部材304よりも高ければ、例えば、金属以外の材料で形成されてもよく、略L字状以外の断面形状であってもよい。
【0088】
また、
図3に示されるように、支持部材302は、角部302Cを挟んで一方側が筐体202Aに例えばねじ等を用いて取り付けられ、他方側が後述する導光部材304を支持している。以下では、支持部材302の角部302Cを挟んで一方側を取付部302A、他方側を支持部302Bと称する。
【0089】
図8及び
図9に示されるように、支持部302Bの表面は、導光部材304を支持する平坦状の支持面302Dとされている。この支持面302D上には、Z方向が長手方向とされた基板306が絶縁シート307を介して配置されている。この基板306は、ねじ305によって支持部302Bに取り付けられている(
図4〜
図6参照)。また、基板306上には、発光素子の一例としてのLED308が長手方向に沿って等間隔に設けられている。これら複数のLED308により光源310が構成されている。
【0090】
図4に示すように、導光部材304は、樹脂で形成されると共にZ方向が長手方向とされた長尺物である。導光部材304は、
図8及び
図9に示されるように、基板306及び絶縁シート307を介して支持面302Dで支持されている。
【0091】
また、導光部材304は、光源310(LED308)からの光が透過する導光部316と、導光部316から張り出し、支持面302Dで支持される張出部320、322とを有している。なお、導光部材304の長手方向と導光部316の長手方向は、同じ方向を指している。
【0092】
図8及び
図9に示されるように、導光部316は、光源310から出射された光を照射位置Dに向けて導くと共に後述する出射面316Bから出射される光の照度分布を均一に近づけるように構成されている。なお、導光部316は、光源310からの光がすべて入射されるように、長手方向の長さが設定されている。
【0093】
また、導光部316の支持面302D側には、長手方向に延びる溝部318が形成されている。この溝部318内には、基板306上のLED308が収容されている。なお、溝部318の溝底面が導光部の入射面316Aとされている。
【0094】
一方、導光部316の支持面302D側と反対側には、入射面316Aから入射された光が出射される出射面316Bが形成されている。この出射面316Bは、光の透過方向(言い換えれば、光源310から出射された光が照射位置Dに向かう方向)に向けて凸となるように円弧状に湾曲したシリンドリカル面とされている。この構成により、導光部316は、長手方向より短手方向に大きな光学パワーを有している。なお、光の透過方向については、
図8及び
図9において矢印LPで示す。
【0095】
図4〜
図7に示されるように、張出部320は、導光部316の長手方向の両端部からそれぞれ張り出している。一方、張出部322は、導光部316の長手方向の中間部(本実施形態では、長手方向の中央部)から張り出している。具体的には、張出部320及び張出部322は、支持面302Dに沿って導光部316の長手方向と直交する方向にそれぞれ張り出している(
図8及び
図9参照)。また、張出部320及び張出部322は、導光部316と一体形成されている。
【0096】
図8及び
図10に示されるように、張出部320の裏面320Aの中央部には、該裏面320Aから突出する円柱状の突起330が形成されている。この突起330は、支持部302Bに形成された長孔332に挿入されている。この長孔332の開口寸法は、挿入された突起330の支持面302Dの長手方向の移動を許容し、支持面302Dの短手方向の移動を許容範囲内に制限するように設定されている。なお、基板306及び絶縁シート307には、長孔332に対応した位置に該長孔332よりも大きい孔がそれぞれ形成されている。
【0097】
また、裏面320Aの導光部材304の長手方向両縁部には、該裏面320Aから隆起した脚部321がそれぞれ形成されている。この脚部321は、基板306及び絶縁シート307を介して支持面302Dに支持される部位である。なお、脚部321の高さ(裏面320Aからの高さ)は、突起330よりも低くされている。
【0098】
図9及び
図11に示されるように、張出部322の裏面322Aには、該裏面322Aから突出する円柱状の突起336が導光部材304の長手方向に間隔をあけて一対形成されている。一対の突起336のうち、一方の突起336(
図11では、左側の突起336)は、支持部302Bに形成された長孔338に挿入され、他方の突起336(
図11では、右側の突起336)は、支持部302Bに形成された丸孔339に挿入されている。長孔338の開口寸法は、挿入された突起336の支持面302Dの長手方向の移動を許容し、支持面302Dの短手方向の移動を許容範囲内に制限するように設定されている。一方、丸孔339の開口寸法は、挿入された突起336の支持部302Bの長手方向の移動を制限し、支持部302Bの短手方向の移動を制限するように設定されている。すなわち、丸孔339の内径は、突起336の外径と略同じ値とされている。なお、基板306及び絶縁シート307には、長孔338に対応した位置に該長孔338よりも大きい孔が形成され、丸孔339に対応した位置にも該丸孔339よりも大きい孔が形成されている。
【0099】
また、裏面322Aの導光部材304の長手方向両縁部及び中央部には、該裏面320Aから隆起した脚部323がそれぞれ形成されている。この脚部323は、基板306及び絶縁シート307を介して支持面302Dに支持される部位である。なお、脚部323の高さは、突起336よりも低くされている。
【0100】
図8及び
図9に示されるように、導光部316の溝部318を挟んで両側の裏面(支持面302D側の面)316Cには、張出部320に対応した位置に裏面316Cから隆起した脚部326が形成され、張出部322に対応した位置に裏面316Cから隆起した脚部328が形成されている。これらの脚部326、328は、基板306及び絶縁シート307を介して支持面302Dに支持される部位である。
また、脚部321、323、326、328は、出射面316Bからの高さが同じ高さとされている。
【0101】
図11に示されるように、張出部322の導光部材304の長手方向の中央部には、窪み322Bが形成されている。この窪み322Bには、押さえバネ314の後述するねじ受け板部314Aが収容されている。窪み322Bの底部には、押さえバネ314の押圧力を調整するためのねじ315が挿入される丸孔322Cが形成されている。このねじ315は、支持部302Bに形成された雌ねじ302Eに捩じ込まれている。また、基板306及び絶縁シート307には、丸孔322Cに対応した位置に孔がそれぞれ形成されている。
【0102】
導光部材304を形成する樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂が使用される。一例として、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、環状オレフィン樹脂等が使用される。
【0103】
図4に示されるように、押さえバネ312は、支持部材302の長手方向の両端部に取り付けられて導光部材304の長手方向の両端部を支持面302Dに押圧している。具体的に説明すると、
図5及び
図6に示されるように、押さえバネ312は、ねじ(不図示)によって支持面302Dに取り付けられる取付板部312Aと、取付板部312Aから起立した立板部312Bと、立板部312Bの一部を折り曲げて形成された板バネ部312Cと、立板部312Bの他の部分を折り曲げて形成された拘束板部312Dとを有している。
【0104】
板バネ部312Cは、立板部312Bの一部を取付板部312A側と反対側へ折り曲げて形成されおり、導光部材304の長手方向の端部を支持面302Dに向けて(支持面302Dに対して)押圧している。また、板バネ部312Cには、導光部材304の端部に形成された突起304Aが挿入される開口312Eが形成されている。
【0105】
一方、拘束板部312Dは、立板部312Bの他の部分を取付板部312A側と反対側へ折り曲げて形成されおり、端部がねじ305によって支持部材302に取り付けられている。また、拘束板部312Dは、張出部320の表面(裏面320Aと反対側の面)を覆っており、張出部320の支持面302Dに対して直交方向の移動を拘束するようになっている。このため、導光部材304の両端部は、両側の押さえバネ312によって支持面302Dに対して直交方向の移動が拘束されている。
【0106】
図4に示されるように、押さえバネ314は、支持部材302の長手方向の中間部(本実施形態では中央部)に取り付けられて導光部材304の長手方向の中間部(本実施形態では中央部)を支持面302Dに押圧している。具体的に説明すると、
図7及び
図11に示されるように、押さえバネ314は、ねじ受け板部314Aと、ねじ受け板部314Aの両端部から起立した一対の立板部314Bと、立板部314Bを折り曲げて形成された板バネ部314Cとを有している。
【0107】
板バネ部314Cは、立板部314Bをねじ受け板部314A側と反対側へ折り曲げて形成されおり、張出部322を支持面302Dに向けて押圧している。なお、板バネ部314Cの先端部は支持面302Dに対して逆側に折り曲げられている。また、押さえバネ314は、両側の板バネ部314Cで張出部322の窪み322Bを挟んで両側部分を支持面302Dに向けて押圧している、すなわち、押さえバネ314は、張出部322の複数の部位を支持面302Dに向けて押圧している。このため、導光部材304の中間部は、押さえバネ314によって支持面302Dに対して直交方向の移動が拘束されている。
【0108】
次に、本実施形態の光学部材の支持構造300を適用した照射装置212の組み立て手順について説明する。
まず、支持部材302の支持面302Dにねじ305を用いて基板306及び絶縁シート307を取り付ける。
【0109】
続いて、導光部材304を基板306及び絶縁シート307を介して支持面302D上に配置する。この配置作業は、一対の突起336を丸孔339及び長孔338に挿入し、かつ突起330を長孔332に挿入しながら実施する。ここで、一方の突起336が丸孔339に挿入されると導光部材304の長手方向の移動が制限される。また、他方の突起336が丸孔339に挿入され、両側の突起330が各長孔332にそれぞれ挿入されると丸孔319に挿入された突起336を中心とした導光部材304の回転が制限される。そして、突起を対応する各孔に挿入することで、導光部材304の支持面302Dに沿った幅方向の移動が制限される。以上により、導光部材304が位置決めされる。
【0110】
続いて、押さえバネ312の取付板部312Aを支持部材302の両端部にねじ(不図示)で取り付け、拘束板部312Dの端部をねじ305で支持部材302に取り付ける。また、板バネ部312Cの開口312Eに導光部材304の突起304Aを挿入しつつ、該板バネ部312Cで導光部材304の両端部を支持面302Dに向けて押圧する。これにより、導光部材304の両端部に形成された脚部321、326が基板306に接して該基板6及び絶縁シート307を介して支持面302Dによって支持される。
【0111】
続いて、押さえバネ314のねじ受け板部314Aを張出部322の窪み322Bに収め、ねじ受け板部314A及び丸孔322Cを通してねじ315を支持部302Bの雌ねじ302Eに捩じ込む。そして、ねじ315の捩じ込み量を調整して板バネ部314Cが導光部材304を支持面302Dへ押圧する押圧力を調整する。ここで、導光部材304の中間部に形成された脚部323、328が基板306に接するまで上記押圧力を調整することで、脚部323、328が基板6に接して該基板6及び絶縁シート307を介して支持面302Dによって支持される。
【0112】
上記のように、導光部材304の長手方向の両端部及び中間部にそれぞれ形成された脚部321、323、326、328が押さえバネ312、314によって支持面302Dに向けて押圧されて支持部材302に支持されるため、導光部材304に長手方向の反りがあっても、その反りが矯正される。
【0113】
なお、押さえバネ312と押さえバネ314を取り付ける順序については入れ替えても構わない。
【0114】
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の光学部材の支持構造300を適用した場合、導光部材304に長手方向の反りがあっても、前述したように反りが矯正される。特に、導光部材304の中央部に配置された張出部322が押さえバネ314で押圧されるため、導光部材304の長手方向の反りが効果的に矯正される。これにより、導光部316の光学特性が良好な状態となるため、出射面316Bから出射される光の照度分布が均一に近づく。
【0115】
一方、光の連続照射によって導光部材304の温度が上昇した場合には、導光部材304が支持部材302に対して長手方向に熱膨張する。ここで、導光部材304の両側の突起330は、長孔332に挿入されているので導光部材304の長手方向の熱膨張量が大きくなる(言い換えると、導光部材304の長手方向の熱膨張が妨げられない)。また、導光部材304の両端部では、脚部321、326が基板6に接触するため、接触面積が小さく、熱膨張量が大きくなる。このように導光部材304は、長手方向の熱膨張量を大きくとれる、すなわち、導光部材304において光学パワーに対する影響度が少ない方向(導光部材304の長手方向)への熱膨張が許容されるため、温度上昇した場合にも歪などが生じにくく、光学特性が良好な状態となる。
すなわち、本実施形態の光学部材の支持構造300を適用した照射装置212は、出射される光の照度分布が均一に近づき、かつ、温度上昇があっても照度分布が保持される。このため、照射装置212を用いているインラインセンサ200の検知精度が向上する。
【0116】
また、押さえバネ314の押圧力は、ねじ315の捩じ込み量に応じるため、調整がしやすい。加えて、押さえバネ314の一対の板バネ部314Cで張出部322の表面を押圧する、すなわち、複数の部位で張出部322を押圧するため、張出部322への応力集中が緩和される。
【0117】
前述の実施形態では、本発明の端部押圧部材の一例として押さえバネ312、中間部押圧部材の一例として押さえバネ314を用いているが、本発明はこの構成に限定されず、導光部材304の長手方向の両端部及び中間部を支持面302Dに向けて押圧できれば、端部押圧部材及び中間部押圧部材としてコイル状のスプリングなどを用いてもよい。
【0118】
前述の実施形態では、押さえバネ314の押圧力を調整可能な構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、押さえバネ312の押圧力を調整可能な構成としてもよく、両方のバネの押圧力を調整可能な構成としてもよい。
【0119】
前述の実施形態では、本発明の光学部材の支持構造を適用して導光部材304を支持部材302で支持しているが、本発明はこの構成に限定されない。本発明の光学部材の支持構造は、例えば、インラインセンサ200で用いるミラー214、216、218やレンズ220などの支持構造として用いてもよい。
また、本発明の光学部材の支持構造は、露光装置40で用いるミラーやレンズなどの支持構造としても用いてもよい。
【0120】
前述の実施形態では、本発明の照射装置の一例をインラインセンサ200で用いているが、本発明はこの構成に限定されず、例えば、スキャナなどのラインセンサとして用いてもよい。
【0121】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。