(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水平方向に沿って延びて冷媒配管に接続される第1接続部(71b、71c)、第2接続部(72b、72c)、第3接続部(73b、73c)及び第4接続部(74b、74c)を含む切換弁(27、28)と、
前記第1接続部に接続される第1冷媒配管(P8、P11)と、
前記第2接続部に接続される第2冷媒配管(P10、P15)と、
前記第3接続部に接続される第3冷媒配管(P1、P13)と、
を備え、
前記第4接続部は、冷媒流出口(742、743)を閉鎖されるか、又は一端が閉鎖された第4冷媒配管(P9、P12)に接続され、前記冷媒流出口が上方になるように水平面に対して傾斜して延びる、
冷凍装置(100)。
前記切換弁は、内部に冷媒流路を形成される本体部(45b、45c)と、切換えの際に通電される電磁コイルを有するパイロット弁(46b、46c)と、をさらに含み、
前記パイロット弁は、前記本体部よりも上方に位置する、
請求項1又は2に記載の冷凍装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る空調システム100について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、以下の実施形態において、上、下、左、右、前(正面)及び後(背面)といった方向は、
図5から
図7に示す方向を意味する。
【0024】
(1)空調システム100
図1は、本発明の一実施形態に係る空調システム100の全体構成図である。空調システム100は、ビルや工場等の建築物等に設置されて、対象空間の冷房や暖房等を行って空気調和を実現する。空調システム100は、冷媒配管方式の空調システムであって、冷媒回路内に封入された冷媒が、圧縮され、冷却又は凝縮され、減圧され、加熱又は蒸発された後に、再び圧縮される、という蒸気圧縮方式の冷凍サイクル運転が行われるようになっている。
【0025】
空調システム100は、主として、熱源ユニットとしての1台の室外ユニット110と、利用ユニットとしての複数の室内ユニット120と、各室内ユニット120への冷媒の流れを切り換える中間ユニット130と、室外ユニット110と中間ユニット130とを接続する液連絡管11、ガス連絡管12及び高低圧ガス連絡管13と、中間ユニット130と室内ユニット120とを接続する液管LP及びガス管GPと、を備えている。
【0026】
なお、空調システム100は、室内ユニット120毎に冷房運転及び暖房運転を自由に選択可能ないわゆる冷暖フリータイプである。
【0027】
以下、空調システム100の詳細について説明する。
【0028】
(2)空調システム100の詳細
(2−1)室外ユニット110
図2は、室外ユニット110内の冷媒回路図である。室外ユニット110は、例えば建物の屋上やベランダ等の屋外や、地下室に設置される。室外ユニット110は、液連絡管11、ガス連絡管12及び高低圧ガス連絡管13を介して、中間ユニット130と接続されている。室外ユニット110内では、各種の機器が配設され、これらの機器が冷媒配管を介して接続されることで、熱源側冷媒回路RC1が構成されている。
【0029】
熱源側冷媒回路RC1は、主として、ガス側第1閉鎖弁21と、ガス側第2閉鎖弁22と、液側閉鎖弁23と、アキュームレータ24と、圧縮機25と、第1切換弁26と、第2切換弁27と、第3切換弁28(以下、第1切換弁26、第2切換弁27及び第3切換弁28を併せて、流路切換弁SVと称する)と、室外熱交換器30と、第1室外膨張弁34と、第2室外膨張弁35とが、複数の冷媒配管を介して接続されることで構成されている。また、室外ユニット110内には、室外ファン33や図示しない室外制御部等が配設されている。
【0030】
以下、室外ユニット110内に配設される冷媒配管及び機器について説明する。
【0031】
(2−1−1)冷媒配管
室外ユニット110内には、冷媒配管として第1配管P1から第17配管P17が配設されている。第1配管P1から第17配管P17は、例えば銅製の配管であり、直線的に延びる直線部やU字状やL字状に湾曲する湾曲部分等を含んでいる。
【0032】
具体的に、第1配管P1(特許請求の範囲記載の「第3冷媒配管」に相当)は、一端がガス側第1閉鎖弁21に接続され、他端がアキュームレータ24の冷媒流入口に接続されている。また、第1配管P1は、一端から他端に至るまでの途中で分岐しており、分岐先において第2切換弁27の第3接続部73b(後述)に接続されている。第1配管P1は、上下方向(鉛直方向)に沿って延びる第1鉛直部81を有している(
図5及び
図7を参照)。
【0033】
第2配管P2は、一端がアキュームレータ24の冷媒流出口に接続され、他端が圧縮機25の吸入口に接続されている。第3配管P3は、一端が圧縮機25の吐出口に接続され、他端が第1切換弁26の第1接続部71a(後述)に接続されている。第4配管P4は、一端が第1切換弁26の第4接続部74a(後述)に接続され、他端が閉鎖されて第1閉鎖部CP1を構成している。第5配管P5は、一端が第1切換弁26の第2接続部72a(後述)に接続され、他端が室外熱交換器30の第2熱交換部32(後述)に接続されている。
【0034】
第6配管P6は、一端が室外熱交換器30の第2熱交換部32に接続され、他端が第2室外膨張弁35に接続されている。第7配管P7は、一端が第2室外膨張弁35に接続され、他端が液側閉鎖弁23に接続されている。
【0035】
第8配管P8(特許請求の範囲記載の「第1冷媒配管」に相当)は、一端が第3配管P3に接続されている。より詳細には、第8配管P8は、第3配管P3の分岐管である。第8配管P8は、他端が第2切換弁27の第1接続部71b(後述)に接続されている。また、第8配管P8は、上下方向(鉛直方向)に沿って延びる第2鉛直部82を有している(
図5及び
図7を参照)。
【0036】
第9配管P9(特許請求の範囲記載の「第4冷媒配管」に相当)は、一端が第2切換弁27の第4接続部74b(後述)に接続され、他端が閉鎖されて第2閉鎖部CP2を構成している。
【0037】
第10配管P10(特許請求の範囲記載の「第2冷媒配管」に相当)は、一端が第2切換弁27の第2接続部72b(後述)に接続され、他端がガス側第2閉鎖弁22に接続されている。第10配管P10は、上下方向(鉛直方向)に沿って延びる第3鉛直部83を有している(
図5及び
図7を参照)。ここで、第3鉛直部83は、第1配管P1の第1鉛直部81及び第8配管P8の第2鉛直部82と同一方向(上下方向)に沿って延びている。すなわち、第1配管P1、第8配管P8及び第10配管P10は、少なくとも一部において、同一方向(上下方向)に沿って延びている。
【0038】
第11配管P11(特許請求の範囲記載の「第1冷媒配管」に相当)は、一端が第3配管P3に接続されている。より詳細には、第11配管P11は、第3配管P3の分岐管である。第11配管P11は、他端が第3切換弁28の第1接続部71c(後述)に接続されている。第11配管P11は、上下方向(鉛直方向)に沿って延びる第4鉛直部84を有している(
図5及び
図7を参照)。
【0039】
第12配管P12(特許請求の範囲記載の「第4冷媒配管」に相当)は、一端が第3切換弁28の第4接続部74c(後述)に接続され、他端が閉鎖されて第3閉鎖部CP3を構成している。
【0040】
第13配管P13(特許請求の範囲記載の「第3冷媒配管」に相当)は、一端が第3切換弁28の第3接続部73c(後述)に接続され、他端が第1配管P1に接続されている。第13配管P13は、上下方向(鉛直方向)に沿って延びる第5鉛直部85を有している(
図5を参照)。
【0041】
第14配管P14は、一端が第13配管P13に接続され、他端が第1切換弁26の第3接続部73a(後述)に接続されている。
【0042】
第15配管P15(特許請求の範囲記載の「第2冷媒配管」に相当)は、一端が第3切換弁28の第2接続部72c(後述)に接続され、他端が室外熱交換器30の第1熱交換部31(後述)に接続されている。第15配管P15は、上下方向(鉛直方向)に沿って延びる第6鉛直部86を有している(
図5及び
図7を参照)。ここで、第6鉛直部86は、第11配管P11の第4鉛直部84及び第13配管P13の第5鉛直部85と同一方向(上下方向)に沿って延びている。すなわち、第11配管P11、第13配管P13及び第15配管P15は、少なくとも一部において、同一方向(上下方向)に沿って延びている。
【0043】
第16配管P16は、一端が室外熱交換器30の第1熱交換部31に接続され、他端が第1室外膨張弁34に接続されている。第17配管P17は、一端が第1室外膨張弁34に接続され、他端が第7配管P7に接続されている。
【0044】
(2−1−2)ガス側第1閉鎖弁21、ガス側第2閉鎖弁22、液側閉鎖弁23
ガス側第1閉鎖弁21、ガス側第2閉鎖弁22及び液側閉鎖弁23は、冷媒の充填やポンプダウン等の際に開閉される手動の弁である。ガス側第1閉鎖弁21は、一端がガス連絡管12に接続され、他端が第1配管P1に接続されている。ガス側第2閉鎖弁22は、一端が高低圧ガス連絡管13に接続され、他端が第10配管P10に接続されている。液側閉鎖弁23は、一端が液連絡管11に接続され、他端が第7配管P7に接続されている。
【0045】
(2−1−3)アキュームレータ24
アキュームレータ24は、圧縮機25に吸入される低圧冷媒を一時的に貯留し気液分離するための容器である。アキュームレータ24の内部では、気液二相状態の冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離される。アキュームレータ24は、ガス側第1閉鎖弁21と圧縮機25との間に配置されている。アキュームレータ24の冷媒流入口には第1配管P1が接続されており、第1配管P1を通過した低圧冷媒はアキュームレータ24内に流入する。アキュームレータ24の冷媒流出口には第2配管P2が接続されており、アキュームレータ24から流出する冷媒は、第2配管P2を流れる。
【0046】
(2−1−4)圧縮機25
圧縮機25は、圧縮機用モータを内蔵する密閉式の構造を有しており、例えばスクロール方式やロータリ方式などの容積式の圧縮機である。なお、圧縮機25は、本実施形態において1台のみであるが、これに限定されず、2台以上の圧縮機25が並列に接続されていてもよい。圧縮機25の吸入口には第2配管P2が接続されており、第2配管P2を介して圧縮機25内部に低圧冷媒が吸入される。圧縮機25は、吸入した低圧冷媒を圧縮する。圧縮機25の吐出口には第3配管P3が接続されており、圧縮後に圧縮機25から吐出される高温高圧のガス冷媒は第3配管P3内を流れる。
【0047】
(2−1−5)流路切換弁SV(第1切換弁26、第2切換弁27、第3切換弁28)
図3は、流路切換弁SVの外観図である。流路切換弁SVは、冷媒回路用の切換弁として一般的なパイロット式の四路切換弁であり、本体部45と、パイロット部46(特許請求の範囲記載の「パイロット弁」に相当)と、配管47と、を有している。
【0048】
本体部45は、その内部にスライド弁が配設されており(図示省略)、当該スライド弁によって冷媒流路を形成され、切り換えられる。また、本体部45は、冷媒配管に接続される接続部として、第1接続部71と、第2接続部72と、第3接続部73と、第4接続部74と、を含んでいる。第1接続部71と、第2接続部72、第3接続部73及び第4接続部74とは、本体部45を挟むように位置しており、本体部45から延びている。第2接続部72、第3接続部73及び第4接続部74は、第1接続部71が延びる方向とは反対方向に向かって略平行に延びている。すなわち、第1接続部71は、第2接続部72、第3接続部73及び第4接続部74が延びる方向に対して反対の方向に延びている。
【0049】
第1接続部71、第2接続部72、第3接続部73及び第4接続部74は、先端部分において、冷媒配管を差し込まれる差込口をそれぞれ形成されている。具体的には、第1接続部71には第1差込口710が形成され、第2接続部72には第2差込口720が形成され、第3接続部73には第3差込口730が形成され、第4接続部74には第4差込口740が形成されている。なお、各差込口は、流路切換弁SVの冷媒流入口又は冷媒流出口として機能する。
【0050】
パイロット部46は、その内部に、電磁コイル及びプランジャを含んでいる(図示省略)。パイロット部46は、配管47を介して本体部45と接続されている。
【0051】
流路切換弁SVでは、冷媒の流れを切り換える際、パイロット部46の電磁コイルに通電される。具体的に、通電されていない場合には、第1接続部71と第2接続部72とが連通し、第3接続部73と第4接続部74とが連通する。一方で、リード線を介して電磁コイルに通電されると、パイロット部46内のプランジャが移動して、配管47を流れる冷媒によって本体部45内における圧力が切り換わる。その結果、本体部45内において、スライド弁が移動して流路が切り換わり、第1接続部71と第4接続部74とが連通し、第2接続部72と第3接続部73とが連通する状態となる。流路切換弁SVに通電するか否かは、室内ユニット120の運転状態に応じて、室外制御ユニット(後述)によって制御される。
【0052】
なお、第1切換弁26、第2切換弁27及び第3切換弁28の詳細については、後述の「(3)第1切換弁26、第2切換弁27及び第3切換弁28の詳細」において説明する。
【0053】
(2−1−6)室外熱交換器30、室外ファン33
室外熱交換器30は、クロスフィン型式やマイクロチャネル型式の熱交換器である。室外熱交換器30は、第1熱交換部31と、第2熱交換部32とを有している。第1熱交換部31は室外熱交換器30の上部に設けられており、第2熱交換部32は第1熱交換部31よりも下部に設けられている。
【0054】
具体的に、第1熱交換部31及び第2熱交換部32は、冷媒が通過する伝熱管(図示省略)をそれぞれ含んでいる。第1熱交換部31は、一端が第15配管P15に接続され、他端が第16配管P16に接続されている。第2熱交換部32は、一端が第5配管P5に接続され、他端が第6配管P6に接続されている。第1熱交換部31及び第2熱交換部32を通過する冷媒は、室外ファン33が生成する空気流と熱交換する。
【0055】
なお、上述のように、室外熱交換器30は、冷媒流路が相異なる2つの熱交換部(第1熱交換部31及び第2熱交換部32)を有しているが、その理由の1つとして、空調システム100がいわゆる冷暖フリータイプであることが挙げられる。すなわち、空調システム100が冷暖フリータイプであるが故に、例えば、いずれかの室内ユニット120で冷房運転を行うと同時に他の室内ユニット120で暖房運転を行うような場合には、室外ユニット110において冷媒の蒸発器と凝縮器とが同時に必要となる。これを踏まえて、本実施形態における空調システム100では、室外熱交換器30において第1熱交換部31及び第2熱交換部32が配設されており、状況に応じて一方が蒸発器として機能し、他方が凝縮器として機能するように構成されている。
【0056】
室外ファン33は、例えばプロペラファンであり、室外ファン用モータ(図示省略)に連動して駆動する。室外ファン33が駆動すると、室外ユニット110内に流入し室外熱交換器30を通過して室外ユニット110外へ流出する空気流が生成される。
【0057】
(2−1−7)第1室外膨張弁34、第2室外膨張弁35
第1室外膨張弁34及び第2室外膨張弁35は、例えば開度調整が可能な電動弁である。第1室外膨張弁34は、一端が第16配管P16に接続され、他端が第17配管P17に接続されている。第1室外膨張弁34は、状況に応じて開度が調整され、内部を通過する冷媒をその開度に応じて減圧するとともに、第1熱交換部31に流入又は第1熱交換部31から流出する冷媒の流量を調整している。第2室外膨張弁35は、一端が第6配管P6に接続され、他端が第7配管P7に接続されている。第2室外膨張弁35は、状況に応じて開度が調整され、内部を通過する冷媒をその開度に応じて減圧するとともに、第2熱交換部32に流入又は第2熱交換部32から流出する冷媒の流量を調整している。
【0058】
(2−1−8)室外制御部
室外制御部は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータである。室外制御部は、通信線(図示省略)を介して、室内制御部(後述)及びBSユニット制御部(後述)と信号の送受信を行う。室外制御部は、受信した信号等に応じて、圧縮機25及び室外ファン33の発停や回転数を制御している。また、室外制御部は、第1切換弁26、第2切換弁27及び第3切換弁28に通電するか否かを制御し、各種の弁の開閉や開度調整を制御している。
【0059】
(2−2)室内ユニット120
図4は、室内ユニット120及び中間ユニット130内の冷媒回路図である。室内ユニット120は、天井裏等に設置されるいわゆる天井埋込み形若しくは天井吊下げ型、又は室内の内壁等に設置される壁掛け型である。本実施形態の空調システム100は、複数の室内ユニット120を備えており、具体的には、16台の室内ユニット120aから120pが配設されている。ただし、室内ユニット120の台数については特に制限はなく、任意の台数を接続可能である。
【0060】
各室内ユニット120内では、利用側冷媒回路RC2が構成されている。利用側冷媒回路RC2においては、室内膨張弁51と、室内熱交換器52と、が配設されており、冷媒配管によって接続されている。また、各室内ユニット120内には、室内ファン53及び室内制御部(図示省略)が配設されている。
【0061】
室内膨張弁51は、開度調整が可能な電動弁である。室内膨張弁51は、その一端が液管LPに接続され、他端が室内熱交換器52まで延びる冷媒配管に接続されている。室内膨張弁51は、その開度に応じて、通過する冷媒を減圧する。
【0062】
室内熱交換器52は、例えば、クロスフィン型式やマイクロチャネル型式の熱交換器であり、伝熱管(図示省略)を有している。室内熱交換器52は、その一端が室内膨張弁51から延びる冷媒配管に接続され、他端がガス管GPに接続されている。室内熱交換器52に流入した冷媒は、伝熱管を通過する際、室内ファン53が生成する空気流と熱交換する。
【0063】
室内ファン53は、例えばクロスフローファンやシロッコファンである。室内ファン53は、室内ファン用モータ(図示省略)に連動して駆動する。室内ファン53が駆動すると、室内空間から室内ユニット120内部に流入して室内熱交換器52を通過してから室内空間へ流出する空気流が生成される。
【0064】
室内制御部は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータである。室内制御部は、リモートコントローラ(図示省略)を介して、ユーザの指示を入力され、当該指示に応じて、室内ファン53や室内膨張弁51を駆動させる。また、室内制御部は、通信線(図示省略)を介して室外制御部及びBSユニット制御部(後述)と接続されており、相互に信号の送受信を行っている。
【0065】
(2−3)中間ユニット130
中間ユニット130は、室外ユニット110と室内ユニット120との間に配設されて、冷媒の流れを切り換えている。中間ユニット130は、ケーシング(図示省略)を有しており、ケーシング内において、複数のヘッダ(具体的には、第1ヘッダ55、第2ヘッダ56、第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58)と、室内ユニット120に対応する数のBSユニット140(具体的にはBSユニット140a〜140p)と、を収容されている。なお、本実施形態において、BSユニット140は室内ユニット120の数と同数であり、例えば、BSユニット140aは室内ユニット120aに対応し、BSユニット140bは室内ユニット120bに対応し、BSユニット140pは室内ユニット120pに対応する。
【0066】
(2−3−1)第1ヘッダ55、第2ヘッダ56、第3ヘッダ57、第4ヘッダ58
第1ヘッダ55は、液連絡管11と接続されている。第2ヘッダ56は、高低圧ガス連絡管13と接続されている。第3ヘッダ57は、ガス連絡管12と接続されている。第4ヘッダ58は、連結部581を介して第3ヘッダ57に接続されており、第3ヘッダ57と連通している。
【0067】
(2−3−2)BSユニット140
各BSユニット140内では、中間冷媒回路RC3が構成されている。中間冷媒回路RC3においては、複数の冷媒配管(具体的には第30配管P30から第36配管P36)と、熱交換部59と、複数の電動弁(具体的には第1電動弁Ev1から第3電動弁Ev3)と、BSユニット制御部(図示省略)と、が配設されている。
【0068】
(2−3−2−1)冷媒配管
第30配管P30は、一端が第1ヘッダ55に接続され、他端が液管LPに接続されている。第30配管P30は、一端から他端に至るまでに熱交換部59を通過している。第31配管P31は、一端がガス管GPに接続され、他端が第1電動弁Ev1に接続されている。第32配管P32は、一端が第1電動弁Ev1に接続され、他端が第2ヘッダ56に接続されている。第33配管P33は、一端が第31配管P31に接続され、他端が第2電動弁Ev2に接続されている。
【0069】
第34配管P34は、一端が第2電動弁Ev2に接続され、他端が第3ヘッダ57に接続されている。第35配管P35は、一端が第4ヘッダ58に接続され、他端が第3電動弁Ev3に接続されている。第35配管P35は、一端から他端に至るまでに熱交換部59を通過している。第36配管P36は、一端が第3電動弁Ev3に接続され、他端が第30配管P30に接続されている。
【0070】
(2−3−2−2)熱交換部59
熱交換部59は、例えば二重管式熱交換器である。熱交換部59は、第30配管P30及び第35配管P35上に配設されており、その内部において、第30配管P30内を通過する冷媒と、第35配管P35内を通過する冷媒と、が熱交換するようになっている。
【0071】
(2−3−2−3)第1電動弁Ev1、第2電動弁Ev2及び第3電動弁Ev3
第1電動弁Ev1、第2電動弁Ev2及び第3電動弁Ev3は、例えば開度調整が可能な電動弁である。第1電動弁Ev1は、一端が第31配管P31に接続され、他端が第32配管P32に接続されている。第2電動弁Ev2は、一端が第33配管P33に接続され、他端が第34配管P34に接続されている。第3電動弁Ev3は、一端が第35配管P35に接続され、他端が第36配管P36に接続されている。
【0072】
(2−3−2−4)BSユニット制御部
BSユニット制御部は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータである。BSユニット制御部は、通信線を介して室内制御部又は室外制御部からの信号を受信し、当該信号に応じて、第1電動弁Ev1、第2電動弁Ev2及び第3電動弁Ev3の開閉を制御している。
【0073】
(3)第1切換弁26、第2切換弁27及び第3切換弁28の詳細
以下、
図2から
図7を参照して、第1切換弁26、第2切換弁27及び第3切換弁28の詳細について順に説明する。
図5は、
図2のA部分に配設される冷媒配管及び流路切換弁SV等の正面外観図である。
図6は、
図2のA部分に配設される冷媒配管及び流路切換弁SV等の上面外観図である。
図7は、
図2のA部分に配設される冷媒配管及び流路切換弁SV等の右側面外観図である。
【0074】
(3−1)第1切換弁26
第1切換弁26は、本体部45aと、パイロット部46aと、配管47aと、を有している(
図3参照)。本体部45aは、第1接続部71aと、第2接続部72aと、第3接続部73aと、第4接続部74aと、を含んでいる。
【0075】
第1接続部71aには、先端に形成された第1差込口711を介して、第3配管P3が接続されている。第2接続部72aには、先端に形成された第2差込口721を介して、第5配管P5が接続されている。第3接続部73aには、先端に形成された第3差込口731を介して、第14配管P14が接続されている。第4接続部74aには、先端に形成された第4差込口741を介して、第1閉鎖部CP1を有する(すなわち、一端を閉鎖された)第4配管P4が接続されている。このような態様で各冷媒配管と接続されることにより、第1切換弁26は、事実上、三方弁として機能している。
【0076】
ここで、空調システム100においては、各室内ユニット120が、個別に冷房又は暖房を選択可能ないわゆる冷暖フリー型式を採用していることから、状況に応じて、熱源側冷媒回路RC1内における冷媒の流れを細かく切り換える必要がある。かかる要求に対しては、切換弁としての三方弁を熱源側冷媒回路RC1に配設することで容易に解決可能である。しかし、冷媒回路用の切換弁としての三方弁は、市場において広く普及していない。一方で、新たに三方弁を製造するとコストがかかる。そこで、本実施形態では、一般的な流路切換弁SV(四路切換弁)を配設して三方弁として機能させることで、コストを抑制している。
【0077】
具体的に、第1切換弁26に通電されていない場合、第3配管P3と第5配管P5とが連通し、第4配管P4と第14配管P14とが連通する(
図2の第1切換弁26内における実線を参照)。係る場合において、熱源側冷媒回路RC1内を冷媒が循環すると、第4配管P4には第14配管P14から冷媒が流入し、第4配管P4に流入した冷媒は、第1閉鎖部CP1に到達してその流れを遮断される。
【0078】
一方で、第1切換弁26に通電された場合、第3配管P3と第4配管P4とが連通し、第5配管P5と第14配管P14とが連通する(
図2の第1切換弁26内における破線を参照)。係る場合において、熱源側冷媒回路RC1内を冷媒が循環すると、第4配管P4には第3配管P3から冷媒が流入し、第4配管P4に流入した冷媒は、第1閉鎖部CP1に到達してその流れを遮断される。
【0079】
また、第1切換弁26は、
図5から
図7に示すように、第1接続部71aが下に向かって延びるとともに第2接続部72a、第3接続部73a及び第4接続部74aが上に向かって延びるような姿勢で配設される。このような態様で第1切換弁26が配設されることにより、第4接続部74aに接続される第4配管P4は、第1閉鎖部CP1が最上部に位置している。よって、圧縮機25の駆動が停止等されて熱源側冷媒回路RC1において冷媒が循環しなくなった場合に、第1閉鎖部CP1において流れを遮断された冷媒は、重力により下方へ落下し、第4配管P4及び第4接続部74aに滞留しにくいようになっている。
【0080】
(3−2)第2切換弁27
第2切換弁27は、本体部45bと、パイロット部46bと、配管47bと、を有している(
図3参照)。本体部45bは、第1接続部71bと、第2接続部72bと、第3接続部73bと、第4接続部74bと、を含んでいる。
【0081】
第1接続部71bには、先端に形成された第1差込口712を介して、第8配管P8が接続されている。第2接続部72bには、先端に形成された第2差込口722を介して、第10配管P10が接続されている。第3接続部73bには、先端に形成された第3差込口732を介して、第1配管P1が接続されている。第4接続部74bには、先端に形成された第4差込口742(「冷媒流出口」に相当)を介して、一端を閉鎖された第9配管P9が接続されている。
【0082】
このような態様で各冷媒配管と接続されることにより、第2切換弁27は、事実上、三方弁として機能している。なお、四路切換弁である第2切換弁27を三方弁として機能させる理由は、第1切換弁26で説明した理由と同一である。
【0083】
具体的に、第2切換弁27に通電されていない場合、第8配管P8と第10配管P10とが連通し、第9配管P9と第1配管P1とが連通する(
図2の第2切換弁27内における実線を参照)。係る場合において、熱源側冷媒回路RC1内を冷媒が循環すると、第9配管P9には第1配管P1から冷媒が流入し、第9配管P9に流入した冷媒は、第2閉鎖部CP2に到達してその流れを遮断される。
【0084】
一方で、第2切換弁27に通電された場合、第8配管P8と第9配管P9とが連通し、第10配管P10と第1配管P1とが連通する(
図2の第2切換弁27内における破線を参照)。係る場合において、熱源側冷媒回路RC1内を冷媒が循環すると、第9配管P9には第8配管P8から冷媒が流入し、第9配管P9に流入した冷媒は、第2閉鎖部CP2に到達してその流れを遮断される。
【0085】
また、第2切換弁27は、組立時の手間やコストを抑制するために、第1接続部71b、第2接続部72b、第3接続部73b及び第4接続部74bが、水平方向に沿って延びる(換言すると、水平面に対する傾斜角が25度未満の範囲で延びる)ように配設されている。
【0086】
すなわち、第2切換弁27は、第1鉛直部81を有する第1配管P1、第2鉛直部82を有する第8配管P8、及び第3鉛直部83を有する第10配管P10と接続される。よって、第1接続部71b、第2接続部72b、第3接続部73b及び第4接続部74bが鉛直方向に沿って延びるように第2切換弁27を配設すると、第1配管P1、第8配管P8及び第10配管P10のいずれかにおいてU字状やL字状に湾曲する折返部を設ける必要性が生じて、組立時の手間やコストが増大する。これを踏まえて、第2切換弁27は、第1接続部71b、第2接続部72b、第3接続部73b及び第4接続部74bが水平方向に沿って延びるように配設されている。
【0087】
また、第2切換弁27は、第4接続部74b及び第9配管P9に冷媒及び冷凍機油が溜まることを抑制すべく、第4接続部74bが水平面に対して傾斜して延びるような姿勢で配設されている(
図5から
図7を参照)。
【0088】
すなわち、本実施形態では、第9配管P9はその一端を閉鎖されていることから、第1接続部71b、第2接続部72b、第3接続部73b及び第4接続部74bが水平方向に沿って延びるように第2切換弁27を配設すると、第9配管P9又は第9配管P9に接続された第4接続部74bに、冷媒及び冷凍機油が溜まりやすい。これを踏まえて、第2切換弁27は、第4接続部74bが水平面に対して傾斜して延びるような姿勢で配設されている(
図5から
図7を参照)。
【0089】
より詳細には、
図5におけるθ1は、第4接続部74bが延びる方向の水平面に対する傾斜角であり、第4接続部74bは、第4差込口742が上方になるように水平面に対してθ1(θ1=10度)傾斜して延びている。換言すると、第4接続部74bは、その冷媒流出口が上方になるように、水平面に対して5度以上25度未満の範囲で傾斜して延びている。
【0090】
係る態様で第2切換弁27が配設されることにより、第9配管P9は、第4接続部74bに接続される側の端部よりも、第2閉鎖部CP2のほうが上方に位置するような姿勢となる。よって、圧縮機25の駆動が停止されて熱源側冷媒回路RC1において冷媒が循環しなくなった場合に、第4接続部74b及び第9配管P9に存在する冷媒及び冷凍機油は、重力により落下し、第4接続部74b及び第9配管P9に滞留しにくいようになっている。
【0091】
また、第2切換弁27は、パイロット部46bが、本体部45b、第1接続部71b、第2接続部72b、第3接続部73b及び第4接続部74bよりも上方に位置するように配設されている。このような態様で第2切換弁27が配設されていることにより、第2切換弁27の本体部45b、各接続部及び冷媒配管の外面において結露した結露水が、パイロット部46b内の電磁コイルに浸入することが抑制されている。
【0092】
(3−3)第3切換弁28
第3切換弁28は、本体部45cと、パイロット部46cと、配管47cと、を有している(
図3参照)。本体部45cは、第1接続部71cと、第2接続部72cと、第3接続部73cと、第4接続部74cと、を含んでいる。
【0093】
第1接続部71cには、先端に形成された第1差込口713を介して、第11配管P11が接続されている。第2接続部72cには、先端に形成された第2差込口723を介して、第15配管P15が接続されている。第3接続部73cには、先端に形成された第3差込口733を介して、第13配管P13が接続されている。第4接続部74cには、先端に形成された第4差込口743(「冷媒流出口」に相当)を介して、一端を閉鎖された第12配管P12が接続されている。
【0094】
このような態様で各冷媒配管と接続されることにより、第3切換弁28は、事実上、三方弁として機能している。なお、四路切換弁である第3切換弁28を三方弁として機能させる理由は、第1切換弁26で説明した理由と同一である。
【0095】
具体的に、第3切換弁28に通電されていない場合、第11配管P11と第15配管P15とが連通し、第12配管P12と第13配管P13とが連通する(
図2の第3切換弁28内における実線を参照)。係る場合において、熱源側冷媒回路RC1内を冷媒が循環すると、第12配管P12には第13配管P13から冷媒が流入し、第12配管P12に流入した冷媒は、第3閉鎖部CP3に到達してその流れを遮断される。
【0096】
一方で、第3切換弁28に通電された場合、第11配管P11と第12配管P12とが連通し、第13配管P13と第15配管P15とが連通する(
図2の第2切換弁27内における破線を参照)。係る場合において、熱源側冷媒回路RC1内を冷媒が循環すると、第12配管P12には第11配管P11から冷媒が流入し、第12配管P12に流入した冷媒は、第3閉鎖部CP3に到達してその流れを遮断される。
【0097】
また、第3切換弁28は、室外ユニット110の組立時の手間やコストを抑制するために、第1接続部71c、第2接続部72c、第3接続部73c及び第4接続部74cが、水平方向に沿って延びる(換言すると、水平面に対する傾斜角が25度未満の範囲で延びる)ように配設されている。
【0098】
すなわち、第3切換弁28は、第4鉛直部84を有する第11配管P11、第5鉛直部85を有する第13配管P13、及び第6鉛直部86を有する第15配管P15と接続される。よって、第1接続部71c、第2接続部72c、第3接続部73c及び第4接続部74cが鉛直方向に沿って延びるように第3切換弁28を配設すると、第11配管P11、第13配管P13及び第15配管P15のいずれかにおいてU字状やL字状に湾曲する折返部を設ける必要性が生じて、組立時の手間やコストが増大する。これを踏まえて、第3切換弁28は、第1接続部71c、第2接続部72c、第3接続部73c及び第4接続部74cが水平方向に沿って延びるように配設されている。これにより、室外ユニット110の組立時の手間やコストが抑制されている。
【0099】
また、第3切換弁28は、第4接続部74c及び第12配管P12に冷媒及び冷凍機油が溜まることを抑制すべく、第4接続部74cが水平面に対して傾斜して延びるような姿勢で配設されている(
図5から
図7を参照)。
【0100】
すなわち、本実施形態では、第12配管P12はその一端を閉鎖されていることから、第1接続部71c、第2接続部72c、第3接続部73c及び第4接続部74cが水平方向に沿って延びるように第3切換弁28を配設すると、第12配管P12又は第12配管P12に接続された第4接続部74cに、冷媒及び冷凍機油が溜まりやすい。これを踏まえて、第3切換弁28は、第4接続部74cが水平面に対して傾斜して延びるような姿勢で配設されている。より詳細には、
図5におけるθ2は、第4接続部74cが延びる方向の水平面に対する傾斜角であり、第4接続部74cは、第4差込口743が上方になるように水平面に対してθ2(θ2=10度)傾斜して延びている。換言すると、第4接続部74cは、その冷媒流出口が上方になるように、水平面に対して5度以上25度未満の範囲で傾斜して延びている。
【0101】
係る態様で第3切換弁28が配設されることにより、第12配管P12は、第4接続部74cに接続される側の端部よりも、第3閉鎖部CP3のほうが上方に位置するような姿勢となる。よって、圧縮機25の駆動が停止されて熱源側冷媒回路RC1において冷媒が循環しなくなった場合に、第4接続部74c及び第12配管P12に存在する冷媒及び冷凍機油は、重力により落下し、第4接続部74c及び第12配管P12に滞留しにくいようになっている。
【0102】
また、第3切換弁28は、パイロット部46cが、本体部45c、第1接続部71c、第2接続部72c、第3接続部73c及び第4接続部74cよりも上方に位置するように配設されている。このような態様で第3切換弁28が配設されていることにより、第3切換弁28の本体部45c、各接続部及び冷媒配管の外面において結露した結露水が、パイロット部46c内の電磁コイルに浸入することが抑制されている。
【0103】
(4)空調システム100の機能
上述のように、空調システム100は、室内ユニット120毎に冷房運転及び暖房運転を自由に選択可能ないわゆる冷暖フリータイプである。このことから、室外熱交換器30において、第1熱交換部31及び第2熱交換部32が配設されており、また、状況に応じて第1熱交換部31及び第2熱交換部32の一方が蒸発器として機能し他方が凝縮器として機能するように、複数の切換弁(第1切換弁26、第2切換弁27及び第3切換弁28)が配設されている。
【0104】
ここで、室外ユニット110内には多くの冷媒配管(P1〜P16)が配設されるため、全ての切換弁(26、27及び28)を、第1接続部71、第2接続部72、第3接続部73及び第4接続部74が上下方向(鉛直方向)に延びるような姿勢で配設することとすれば、各冷媒配管の取り回しが煩雑となって、室外ユニット110内のスペースが足りなくなり、室外ユニット110のコンパクト化の要請に反する結果となる。
【0105】
これを踏まえて、本実施形態においては、第2切換弁27及び第3切換弁28は、第1接続部71b又は71c、第2接続部72b又は72c、第3接続部73b又は73c及び第4接続部74b又は74cが水平方向に沿って延びるような姿勢で配設されている。これによって、空調システム100では、室外ユニット110内の各冷媒配管の取り回しが煩雑となることが抑制され、コンパクト化の要請が満たされている。
【0106】
また、第2切換弁27及び第3切換弁28は汎用的な四路切換弁であるところ、その第4接続部74b又は74cに、その端部が閉鎖された冷媒配管(第9配管P9又は第12配管P12)が接続されることで、事実上の三方弁として機能している。このような態様で使用する第2切換弁27及び第3切換弁28を、上述のように第4接続部74b又は74cが水平方向に沿って延びるような姿勢で配設すると、第4接続部74b、74c又はこれに接続される冷媒配管(第9配管P9又は第12配管P12)に冷媒及び冷凍機油が溜まることが想定される。
【0107】
これを踏まえて、本実施形態においては、第2切換弁27及び第3切換弁28は、第4接続部74b又は74cが水平面に対してθ1またはθ2(θ1、θ2=10度)傾斜して延びるような姿勢で配設されている。これによって、空調システム100では、第4接続部74b、74c又はこれに接続される冷媒配管(第9配管P9又は第12配管P12)に冷凍機油が溜まりこんで圧縮機25に冷凍機油が十分に回収されなくなる事態が生じにくいようになっている。
【0108】
このように、空調システム100では、コンパクト化の要請が満たされるとともに性能低下が抑制されている。
【0109】
(5)特徴
(5−1)
上記実施形態では、第2切換弁27の第4接続部74bは、一端が閉鎖された第9配管P9に接続され、第4差込口742(冷媒流出口)が上方になるように水平面に対して傾斜して延びている。また、第3切換弁28の第4接続部74cは、一端が閉鎖された第12配管P12に接続され、第4差込口743(冷媒流出口)が上方になるように水平面に対して傾斜して延びている。これにより、第4接続部74b、74c、第9配管P9及び第12配管P12に、冷媒及び冷凍機油が溜まりにくいようになっている。よって、圧縮機25に冷凍機油が回収されやすく、性能低下が抑制されている。
【0110】
(5−2)
上記実施形態では、第1配管P1、第8配管P8及び第10配管P10は、鉛直方向に沿って延びる第1鉛直部81第2鉛直部82又は第3鉛直部83を有している。また、第11配管P11、第13配管P13及び第15配管P15は、鉛直方向に沿って延びる第4鉛直部84、第5鉛直部85又は第6鉛直部86を有している。このように、第2切換弁27又は第3切換弁28を、鉛直方向に沿って延びる各鉛直部を有する各冷媒配管に切換弁を接続する場合であっても、第2切換弁27又は第3切換弁28が、第1接続部71b又は71c、第2接続部72b又は72c、第3接続部73b又は73c、及び第4接続部74b又は74cが水平方向に沿って延びるように配設されていることで、必要最小限の配管経路で各冷媒配管と接続することが可能となっている。
【0111】
(5−3)
上記実施形態では、第2切換弁27及び第3切換弁28の、パイロット部46b及び46cは、本体部45b及び45cよりも上方に位置する。これにより、結露水がパイロット部46b及び46c内部に流入することが抑制されている。よって、保安性が確保されている。
【0112】
(5−4)
上記実施形態では、第2切換弁27及び第3切換弁28は、一般的な形状(第1接続部71b及び71cが、第2接続部72b、72c、第3接続部73b、73c、第4接続部74b及び74cが延びる方向に対して反対の方向に向かって延びる)を有する四路切換弁である。このように冷媒回路用の切換弁として一般的な四路切換弁を採用された第2切換弁27及び第3切換弁28は、事実上、三方弁として機能している。これにより、新たに三方弁を製造するコストが削減されており、コスト増大が抑制されている。
【0113】
(5−5)
上記実施形態では、第2切換弁27及び第3切換弁28は、第4接続部74b及び74cが、水平面に対して5度以上25度未満の範囲で傾斜して延びている。これにより、簡単な構成にして、第4接続部74b及び74c、第9配管P9及び第12配管P12に冷媒及び冷凍機油が溜まりにくいようになっている。よって、コスト増大を抑制しつつ冷凍装置の性能低下が抑制されている。
【0114】
(6)変形例
(6−1)変形例A
上記実施形態では、冷凍装置として空調システム100が採用されたが、これに限定されない。例えば、空調システム100に代えて、給湯器や除湿機等が冷凍装置として採用されてもよい。
【0115】
(6−2)変形例B
上記実施形態では、空調システム100は、室内ユニット120を複数備えるものであったが、これに限定されず、室内ユニット120は1つであってもよい。また、空調システム100は、室外ユニット110を1つ備えるものであったが、これに限定されず、室外ユニット110は複数あってもよい。また、空調システム100は、一の室内ユニット120の運転状態(冷房又は暖房)に対して、他の室内ユニット120が異なる運転状態(冷房又は暖房)をとることが可能な冷暖フリー型でなくてもよい。その場合、中間ユニット130は省略される。
【0116】
(6−3)変形例C
上記実施形態では、第1切換弁26は、第1接続部71aが下に向かって延びるとともに第2接続部72a、第3接続部73a及び第4接続部74aが上に向かって延びるような姿勢で配設されていた。しかし、これに限定されず、第1切換弁26は、第2切換弁27及び第3切換弁28と同様に、第1接続部71a、第2接続部72a、第3接続部73a及び第4接続部74aが水平方向に沿って延びるような姿勢で配設されてもよい。係る場合において、第4接続部74aが水平面に対して5度以上25未満の範囲で傾斜して延びるように配設すると、第3配管P3が特許請求の範囲記載の「第1冷媒配管」に相当し、第5配管P5が特許請求の範囲記載の「第2冷媒配管」に相当し、第14配管P14が特許請求の範囲記載の「第3冷媒配管」に相当し、第4配管P4が特許請求の範囲記載の「第4冷媒配管」に相当する。
【0117】
(6−4)変形例D
上記実施形態では、四路切換弁である流路切換弁SVを三方弁として機能させるために、第4接続部74に接続される冷媒配管(具体的には、第4配管P4、第9配管P9及び第12配管P12)は、一端が閉鎖されていた(すなわち、第1閉鎖部CP1、第2閉鎖部CP2又は第3閉鎖部CP3を設けられていた)。しかし、これに限定されず、流路切換弁SVを三方弁として機能させるべく、閉鎖部を、第4接続部74に設けてもよい。例えば、第9配管P9を省略して、第4接続部74bの第4差込口742(冷媒流出口)を閉鎖するように構成して、第2切換弁27を三方弁として機能させるようにしてもよい。また、第12配管P12を省略して、第4接続部74cの第4差込口743(冷媒流出口)を閉鎖するように構成して、第3切換弁28を三方弁として機能させるようにしてもよい。
【0118】
(6−5)変形例E
上記実施形態では、流路切換弁SVは、四路切換弁であったが、特にこれに限定されず、例えば5方弁や6方弁であってもよい。
【0119】
また、流路切換弁SVにおいて、第1接続部71は、第2接続部72、第3接続部73及び第4接続部74が延びる方向に対して反対の方向に延びていた。しかし、これに限定されず、第1接続部71は、第2接続部72、第3接続部73及び第4接続部74が延びる方向と同一の方向に延びていてもよい。
【0120】
また、流路切換弁SVにおいて、第2接続部72、第3接続部73及び第4接続部74は、略平行に延びていたが、特にこれに限定されず、それぞれが異なる方向に延びていてもよい。
【0121】
また、第1接続部71、第2接続部72、第3接続部73及び第4接続部74の位置関係については適宜変更が可能である。
【0122】
(6−6)変形例F
上記実施形態では、第4接続部74b又は74cが延びる方向の水平面に対する傾斜角θ1又はθ2は、10度に設定されていた。しかし、これに限定されず、θ1又はθ2は、5度以上25度未満の範囲であれば、どのような値であってもよい。例えば、θ1又はθ2は、15度や20度に設定されてもよく、5度や8度であってもよい。