(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物品を水平方向に沿う移載方向に移動させて物品を移載対象箇所と自己との間で移載する移載装置と、複数の前記移載対象箇所の夫々に対応する位置に前記移載装置を移動させる移動装置と、を備えている物品搬送設備であって、
前記移載対象箇所に、前記移載装置にて移載される物品を滑動自在に支持する第1支持部材が備えられ、
前記移載装置に、当該移載装置にて移載される物品を滑動自在に支持する第2支持部材が備えられ、
前記第1支持部材及び前記第2支持部材の夫々が樹脂材にて構成され、
前記第2支持部材が、前記第1支持部材に比べて耐摩耗性が高い樹脂材にて構成され、
前記第1支持部材が、前記移載対象箇所に前記移載方向に沿って互いに間隔を空けた状態で複数設けられ、
前記第2支持部材が、前記移載装置に前記移載方向に沿って互いに間隔を空けた状態で複数設けられ、
前記第1支持部材の上部が、先細り形状で上方に突出する形状に形成され、
前記第2支持部材の上面が、水平な平坦面とされている物品搬送設備。
物品を水平方向に沿う移載方向に移動させて物品を移載対象箇所と自己との間で移載する移載装置と、複数の前記移載対象箇所の夫々に対応する位置に前記移載装置を移動させる移動装置と、を備えている物品搬送設備であって、
前記移載対象箇所に、前記移載装置にて移載される物品を滑動自在に支持する第1支持部材が備えられ、
前記移載装置に、当該移載装置にて移載される物品を滑動自在に支持する第2支持部材が備えられ、
前記第1支持部材及び前記第2支持部材の夫々が樹脂材にて構成され、
前記第2支持部材が、前記第1支持部材に比べて耐摩耗性が高い樹脂材にて構成され、
前記第1支持部材が、前記移載対象箇所に前記移載方向に沿って互いに間隔を空けた状態で複数設けられ、
前記第2支持部材が、前記移載装置に前記移載方向に沿って互いに間隔を空けた状態で複数設けられ、
前記第2支持部材の夫々が、前記第1支持部材に比べて前記移載方向に長く形成されている物品搬送設備。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移載対象箇所についてのみパレット支持ローラを支持部材に代えると、移載対象箇所では物品をパレット支持ローラに支持するのに対して、移載装置では物品を支持部材にて支持することになるため、移載対象箇所において物品を移載方向に移動させるために必要な操作力と、移載装置上において物品を移載方向に移動させるために必要な操作力とが大きく異なる。このように操作力が大きく異なると、移載対象箇所と移載装置との間で物品を安定よく移載し難い。そのため、移載対象箇所において物品を移載方向に移動させるために必要な操作力と、移載装置上において物品を移載方向に移動させるために必要な操作力とを揃えるために、移載装置に備えたパレット支持ローラも、移載対象箇所と同様の支持部材に代えることが考えられる。
【0006】
しかしながら、移載対象箇所と移載装置との双方に、物品を滑動自在に支持する支持部材を備えた場合、次のような問題が生じる。
つまり、移載装置は、多数の移載対象箇所との間で物品を移載するため、移載装置の支持部材上を物品が滑動する回数は、移載対象箇所の支持部材上を物品が滑動する回数より多くなる。そのため、支持部材として耐摩耗性の低い比較的安価な樹脂材を用いると、移載装置に備えた支持部材を交換する頻度が高く、支持部材を交換するメンテナンス作業が煩わしいものとなり、また、支持部材は、移載対象箇所の数に応じた数量が必要となるため、支持部材として耐摩耗性が高い比較的高価な樹脂材を用いると、設備の製造コストが高くなる。
【0007】
そこで、メンテナンス作業の回数を抑えながら製造コストを抑えることができる物品搬送設備が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る物品搬送設備の特徴構成は、物品を水平方向に沿う移載方向に移動させて物品を移載対象箇所と自己との間で移載する移載装置と、複数の前記移載対象箇所の夫々に対応する位置に前記移載装置を移動させる移動装置と、を備えている物品搬送設備において、
前記移載対象箇所に、前記移載装置にて移載される物品を滑動自在に支持する第1支持部材が備えられ、前記移載装置に、当該移載装置にて移載される物品を滑動自在に支持する第2支持部材が備えられ、前記第1支持部材及び前記第2支持部材の夫々が樹脂材にて構成され、前記第2支持部材が、前記第1支持部材に比べて耐摩耗性が高い樹脂材にて構成され
、前記第1支持部材が、前記移載対象箇所に前記移載方向に沿って互いに間隔を空けた状態で複数設けられ、前記第2支持部材が、前記移載装置に前記移載方向に沿って互いに間隔を空けた状態で複数設けられ、前記第1支持部材の上部が、先細り形状で上方に突出する形状に形成され、前記第2支持部材の上面が、水平な平坦面とされている点にある。
【0009】
この特徴構成によれば、移載対象箇所に、物品を滑動自在に支持する第1支持部材が備えられ、移載装置に、物品を滑動自在に支持する第2支持部材が備えられているため、移載対象箇所や移載装置に、物品を回転自在に支持する支持ローラを設ける場合に比べて製造コストを抑えることができる。
【0010】
第2支持部材は、第1支持部材に比べて耐摩耗性が高い樹脂材にて構成することで、第2支持部材が摩耗し難くなり第2支持部材を交換する頻度を抑えられる。そして、このような耐摩耗性が高い第2支持部材を、使用頻度が高い移載装置に備える支持部材として用いることで、移載装置における支持部材の交換頻度を下げることができ、もって、メンテナンス作業を行う回数を抑えることができる。
また、第1支持部材は、第2支持部材に比べて耐摩耗性が低い樹脂材にて構成することで、第2支持部材と同じ樹脂材にて構成した場合に比べて安価に構成できる。そして、このような安価な第1支持部材を、多数存在する移載対象箇所に備える支持部材として用いることで、物品搬送設備の製造コストを抑えることができる。
【0012】
また、この構成によれば、第1支持部材及び第2支持部材は、移載方向に沿って互いに間隔を空けた状態で複数設けられているため、これら第1支持部材や第2支持部材を移載方向に沿う長尺状に形成した単一の支持部材にて構成した場合に比べて、支持部材が小型となり支持部材を設置し易くなるとともに支持部材の製造コストを抑えることができる。
【0014】
また、この構成によれば、第1支持部材の上部が、先細り形状で上方に突出する形状に形成されているため、第1支持部材の上端が摩耗によって低くなって物品の支持高さが変わり易い。そのため、移載対象箇所に設けられた複数の第1支持部材の高さに設置誤差があった場合でも、設置高さが高い第1支持部材が摩耗して低くなることで、移載対象箇所に設けられた複数の第1支持部材の高さのばらつきの解消を図ることができる。
また、第2支持部材の上面が、水平な平坦面
とされているため、物品を支持する面積が広く単位面積当たりの荷重を下げることができるため、第2支持部材が摩耗し難くできる。そのため、移載装置に設けられた複数の第2支持部材を適切な高さに設置することで、その適切な高さを長期にわたって維持することができる。
【0015】
本発明に係る物品搬送設備の特徴構成は、物品を水平方向に沿う移載方向に移動させて物品を移載対象箇所と自己との間で移載する移載装置と、複数の前記移載対象箇所の夫々に対応する位置に前記移載装置を移動させる移動装置と、を備えている物品搬送設備において、
前記移載対象箇所に、前記移載装置にて移載される物品を滑動自在に支持する第1支持部材が備えられ、前記移載装置に、当該移載装置にて移載される物品を滑動自在に支持する第2支持部材が備えられ、前記第1支持部材及び前記第2支持部材の夫々が樹脂材にて構成され、前記第2支持部材が、前記第1支持部材に比べて耐摩耗性が高い樹脂材にて構成され
、前記第1支持部材が、前記移載対象箇所に前記移載方向に沿って互いに間隔を空けた状態で複数設けられ、前記第2支持部材が、前記移載装置に前記移載方向に沿って互いに間隔を空けた状態で複数設けられ、前記第2支持部材の夫々が、前記第1支持部材に比べて前記移載方向に長く形成されている点にある。
【0016】
この特徴構成によれば、移載対象箇所に、物品を滑動自在に支持する第1支持部材が備えられ、移載装置に、物品を滑動自在に支持する第2支持部材が備えられているため、移載対象箇所や移載装置に、物品を回転自在に支持する支持ローラを設ける場合に比べて製造コストを抑えることができる。
第2支持部材は、第1支持部材に比べて耐摩耗性が高い樹脂材にて構成することで、第2支持部材が摩耗し難くなり第2支持部材を交換する頻度を抑えられる。そして、このような耐摩耗性が高い第2支持部材を、使用頻度が高い移載装置に備える支持部材として用いることで、移載装置における支持部材の交換頻度を下げることができ、もって、メンテナンス作業を行う回数を抑えることができる。
また、第1支持部材は、第2支持部材に比べて耐摩耗性が低い樹脂材にて構成することで、第2支持部材と同じ樹脂材にて構成した場合に比べて安価に構成できる。そして、このような安価な第1支持部材を、多数存在する移載対象箇所に備える支持部材として用いることで、物品搬送設備の製造コストを抑えることができる。
また、この構成によれば、第1支持部材及び第2支持部材は、移載方向に沿って互いに間隔を空けた状態で複数設けられているため、これら第1支持部材や第2支持部材を移載方向に沿う長尺状に形成した単一の支持部材にて構成した場合に比べて、支持部材が小型となり支持部材を設置し易くなるとともに支持部材の製造コストを抑えることができる。
また、この構成によれば、第2支持部材の夫々が、第1支持部材に比べて移載方向に長く形成されているため、移載装置において複数の第2支持部材にて物品を支持する面積を広くできるため、単位面積当たりの荷重を下げることができる。そのため、第2支持部材が摩耗し難くなり、第2支持部材を交換する頻度を抑えることができる。
【0017】
また、前記移載対象箇所に、前記移載装置にて移載される物品の側面に接触して当該物品を前記移載方向に案内する案内部材が前記移載方向に複数並べられ、前記第1支持部材が、前記移載対象箇所に位置する物品における前記移載方向で前記移載装置が存在する一方側の第1部分の下方とその反対側の第2部分の下方とに設けられ、前記案内部材が、前記移載対象箇所に位置する物品における前記第1部分と前記第2部分とのうちの前記一方側の部分に対応する横側方にのみ設けられていると好適である。
【0018】
この構成によれば、第1支持部材は、移載対象箇所に位置する物品における第1部分の下方と第2部分の下方とに設けられているため、移載方向の両側において物品を支持できるので、物品を適切に支持できる。
また、案内部材は、移載対象箇所に位置する物品における一方側の部分と他方側の部分とのうちの一方側の部分に対応する横側方にのみ設けられている。そのため、移載装置から移載対象箇所に物品を移載するときにおいて、移載対象箇所に移載されるときに物品の先端が案内部材にて案内されることで、物品を移載方向に案内しながら適切な姿勢に修正できる。そして、物品の全体が移載対象箇所への移動が完了する間際では、物品の姿勢は適切な姿勢となっているため、案内部材がなくても適正な姿勢を維持したまま移載対象箇所への移動を完了させることができる。
案内部材を、前記移載対象箇所に位置する物品における他方側の部分に対応する横側方に設けないことで、製造コストを抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明にかかる物品搬送設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び
図2に示すように、物品搬送設備には、物品Wを収納する複数の収納部1を縦横に備える収納棚2と、図外の搬入出部と収納部1との間で物品Wを搬送する物品搬送装置としてのスタッカークレーン3と、が設けられている。尚、収納棚2の横幅方向Xに対して平面視で直交する方向を移載方向Yと称して説明する。また、物品Wについては、物品Wを収納部1に収納した姿勢に基づいて横幅方向X及び移載方向Yを規定している。
【0021】
〔物品〕
図2〜
図4に示すように、物品Wは、移載方向Yに沿う長尺状に形成されたパレットであり、鋼材等の長尺状の荷を載置する底面部5と、その底面部5から立設されて底面部5に載置された荷が横幅方向Xに移動することを規制する横側部6と、を備えている。
底面部5は、移載方向Yに沿う姿勢の縦枠材と横幅方向Xに沿う姿勢の横枠材とで平面視で梯子状に形成されている。また、底面部5は、その移載方向Yの両端部が上方に剃り上がった形状に形成されている。
横側部6は、底面部5における横幅方向Xの両端部夫々に移載方向Yに複数並べた規制枠材にて構成されており、物品Wは、底面部5と横側部6とで側面視で櫛状に形成されている。
【0022】
〔スタッカークレーン〕
図1に示すように、スタッカークレーン3には、走行用モータ9(
図11参照)の駆動により横幅方向Xに沿って走行移動する走行台車10と、走行台車10に立設されたマスト11と、そのマスト11に昇降自在に案内され且つ昇降用モータ12(
図11参照)の駆動により上下方向に沿って昇降移動する昇降台13と、が設けられている。昇降台13には、物品Wを水平方向に沿う移載方向Yに移動させて物品Wを収納部1及び搬出入部と自己との間で移載する移載装置14が装備されている。
【0023】
そして、スタッカークレーン3は、走行用モータ9の駆動による走行台車10の走行移動と昇降用モータ12の駆動による昇降台13の昇降移動とにより、移載装置14を移載対象の収納部1(移載対象箇所)に対応する位置に移動させるべく、走行用モータ9及び昇降用モータ12の作動を制御装置Hにより制御するように構成されている。走行用モータ9及び昇降用モータ12が、複数の収納部1の夫々に対応する位置に移載装置14を移動させる移動装置に相当する。
【0024】
図4に示すように、移載装置14は、移載用第1モータ16(
図11参照)の駆動により昇降台13に対して移載方向Yに移動し且つ係脱用モータ17(
図11参照)の駆動により昇降台13に対して昇降移動する移動部18と、移動部18に支持されて移載用第2モータ19(
図11参照)の駆動により移動部18に対して移載方向Yに移動する係合部20と、移載する物品Wを移載方向Yに摺動自在に支持する移載側支持体21と、移載方向Yに移動する物品Wに接触して当該物品Wを移載方向Yに案内する移載側案内体22と、を備えて構成されている。係合部20は、角ばったU字状に形成されており、上下方向移動することで物品Wの被係合部5aに対して係脱する形状に形成されている。尚、物品Wの被係合部5aは、物品Wにおける移載方向Yで端部に位置する横枠材にて構成されている。
【0025】
そして、移載装置14にて、収納部1から移載装置14上に物品Wを移載するときは、まず、移動部18を下降させた状態で、移動部18を昇降台13に対して移載方向Yの一方側(移載対象の収納部1が存在する側)に移動させ且つ係合部20を移動部18に対して移載方向Yの一方側に移動させる(
図4(b)参照)。次に、移動部18を上昇させて係合部20を物品Wの被係合部5aに係合させた後、移動部18を昇降台13に対して移載方向Yの他方側に移動させ且つ係合部20を移動部18に対して移載方向Yの他方側に移動させる(
図4(a)参照)。
【0026】
また、移載装置14にて、移載装置14上から収納部1に物品Wを移載するときは、まず、移動部18を下降させた状態で、移動部18を昇降台13に対して移載方向Yの他方側に移動させ且つ係合部20を移動部18に対して移載方向Yの他方側に移動させた後に、移動部18を上昇させて係合部20を物品Wの被係合部5aに係合させる(
図4(a)参照)。その後、移動部18を昇降台13に対して移載方向Yの一方側に移動させ且つ係合部20を移動部18に対して移載方向Yの一方側に移動させた後、移動部18を下降させる(
図4(b)参照)。
【0027】
〔収納棚〕
収納棚2は、横幅方向X及び移載方向Yに並ぶ状態で鉛直に立設された複数の支柱24と、横幅方向X又は移載方向Yに隣接する支柱24に亘って架設された梁材と、によりラーメン構造に構成されている。そして、横幅方向Xに並ぶ一対の支柱24の間に、上下方向に複数の収納部1が形成されている。
また、収納棚2における収納部1の夫々には、移載装置14にて移載される物品Wを移載方向Yに摺動自在に支持する収納側支持体26と、移載装置14にて移載される物品Wの側面に接触して当該物品Wを移載方向Yに案内する収納側案内体27と、を備えている。
【0028】
図5及び
図6に示すように、収納側支持体26及び収納側案内体27は、支柱24に連結支持された支持具28に固定具29により連結固定されている。尚、支持具28は、移載方向Y視でL字状に形成されており、支持具28における横幅方向Xに沿う部分に収納側支持体26が連結固定され、支持具28における上下方向に沿う部分に収納側案内体27が連結固定されるようになっている。固定具29は、支持具28に螺合させるボルトにて構成されている。
【0029】
次に、支持体及び案内体について説明する。
上述の如く、移載装置14には、移載装置14にて移載される物品Wを滑動自在に支持する移載側支持体21と、移載装置14にて移載される物品Wを移載方向Yに案内する移載側案内体22と、が備えられている。また、収納部1には、移載装置14にて移載される物品Wを滑動自在に支持する収納側支持体26と、移載装置14にて移載される物品Wの側面に接触して当該物品を移載方向Yに案内する収納側案内体27と、が備えられている。収納側支持体26が、物品Wを水平方向に沿う移載方向Yに移動させて物品Wを移載対象箇所に移載するときに当該物品Wを滑動自在に支持する支持体に相当する。
【0030】
〔収納側支持体〕
図5〜
図7に示すように、収納側支持体26は、固定具29にて収納部1に固定される固定部材31と、固定部材31にて水平方向への移動を規制され且つ物品Wを滑動自在に支持する支持部材32と、を備えて構成されている。固定部材31は、金属材にて構成されている。支持部材32は、樹脂材にて構成されており、収納部1に備えられて移載装置14にて移載される物品Wを滑動自在に支持する第1支持部材に相当する。
【0031】
支持部材32は、収納部1に固定された固定部材31より上方に突出する状態で収納部1に設置されている。この支持部材32は、平面視も形状が矩形状に形成された下部32aと、この下部32aから横幅方向視で上方に膨出する形状に形成された上部32bと、で構成されている。このように、支持部材32は、先細り形状で上方に突出する形状に形成されている。尚、支持部材32は、移載方向視で矩形状に形成されている。
また、支持部材32の下部32aは直方体に形成されており、支持部材32には移載方向Yに向く一対の第1被接触面33と横幅方向Xに向く一対の第2被接触面34とが備えられている。尚、一対の第1被接触面33が、支持部材32の移載方向Yの端部に形成されて移載方向Yの端部に上下方向及び横幅方向Xに沿う平坦な被接触面に相当する。
【0032】
固定部材31は、平面視の形状が矩形状に形成された板状の基部36と、基部36における移載方向Yの両端部から下方に突出した一対の突出部37と、基部36の中央部から上方に突出した四角筒状の筒状部38と、筒状部38の上端から支持部材32が装着される側に水平に延出する延出部39と、を備えて構成されている。
【0033】
一対の突出部37は、上下方向及び移載方向Yに沿う板状に形成されており、支持具28の移載方向Yでの幅と同じ間隔で備えられている。そのため、一対の突出部37の間に支持具28が位置するように、固定部材31を支持具28に対して上方から嵌合することができ、一対の突出部37が支持具28に接触することで固定部材31が移載方向Yに移動することが規制されるようになっている。
つまり、基部36と一対の突出部37とで支持具28に対して上方から嵌合する嵌合部40が構成され、支持具28が収納部1に備えられている被嵌合部に相当し、支持具28における移載方向Yに向く面が、嵌合部40に対して面接触する固定側接触面に相当する。
【0034】
筒状部38は、基部36における設置用孔を形成する部分の内縁から鉛直に立ち上がる形状に形成されている。この筒状部38は、収納側支持体26を収納部1に設置した状態で、支持部材32の側方を囲うように位置している。筒状部38における移載方向Yに並ぶ部分は横幅方向Xに沿う形状に形成されており、その内面は、上下方向及び横幅方向Xに沿う平坦な第1接触面41に形成されている。また、筒状部38における横幅方向Xに並ぶ部分は移載方向Yに沿う形状に形成されており、その内面は、上下方向及び移載方向Yに沿う平坦な第2接触面42に形成されている。
このように筒状部38が形成されていることにより、筒状部38における第1規制部43(第1接触面41)は、支持部材32の移載方向Yの端部(第1被接触面33)に沿う形状に形成されており、筒状部38における第2規制部44(第2接触面42)は、支持部材32の横幅方向Xの端部(第2被接触面34)に沿う形状に形成されている。
【0035】
そのため、収納側支持体26を収納部1に設置した状態では、支持部材32の移載方向Yの一方側への移動は、支持部材32における一対の第1被接触面33のうちの一方が、固定部材31における一対の第1接触面41のうちの一方に面接触することにより規制され、支持部材32の移載方向Yの他方側への移動は、支持部材32における一対の第1被接触面33のうちの他方が、固定部材31における一対の第1接触面41のうちの他方に面接触することにより規制される。
また、収納側支持体26を収納部1に設置した状態では、支持部材32の横幅方向Xの一方側への移動は、支持部材32における一対の第2被接触面34のうちの一方が、固定部材31における一対の第2接触面42のうちの一方に面接触することにより規制され、支持部材32の横幅方向Xの他方側への移動は、支持部材32における一対の第2被接触面34のうちの他方が、固定部材31における一対の第2接触面42のうちの他方に面接触することにより規制される。
【0036】
つまり、固定部材31の筒状部38における移載方向Yに並ぶ部分にて、支持部材32に接触することで支持部材32が移載方向Yに移動することを規制する規制部としての第1規制部43が構成されている。この第1規制部43は、支持部材32の移載方向Yの両端より外側に位置する状態で一対備えられている。そして、一対の第1規制部43における第1接触面41が、筒状部38における移載方向Yに対向する内面にて構成されている。また、同様に、固定部材31の筒状部38における横幅方向Xに並ぶ部分にて第2規制部44が構成されており、この第2規制部44は、支持部材32の横幅方向Xの両端より外側に位置する状態で一対備えられている。
そして、一対の第1規制部43は、その移載方向Yでの間隔が支持部材32の移載方向Yでの長さより数ミリ広い間隔となる状態で備えられており、一対の第2規制部44は、その横幅方向Xでの間隔が支持部材32の移載方向Yでの長さより数ミリ広い間隔となる状態で備えられている。
【0037】
延出部39は、筒状部38における移載方向Yに並ぶ部分の上端から移載方向Yで支持部材32が存在する側に突出し且つ横幅方向Xに沿う板状に形成されている。
この延出部39は、収納側支持体26を収納部1に設置した状態で、支持部材32の下部32aの直上に位置し且つ支持部材32の上部32bに対して移載方向Yの両側に位置している。そのため、収納側支持体26を収納部1に設置した状態では、支持部材32の上方への移動は、延出部39の下面が支持部材32における下部32aの上面に面接触することで規制される。そして、延出部39は、支持部材32における下部32aの上面より数ミリ高く、且つ、支持部材32における上部32bの上端より数ミリ低い位置に備えられている。
【0038】
基部36の四隅には固定用孔36aが形成されており、固定部材31は、この4か所に形成された固定用孔36aのうちの対角に位置する2箇所の固定用孔36aを用いて固定部材31を収納部1の支持具28に固定されている。
【0039】
このように構成された収納側支持体26は、支持部材32を平坦な支持具28上に載せた状態で固定部材31を上方から被せて支持具28に嵌合させた後、基部36における対角に位置する2箇所の固定用孔36aを用いて、固定具29にて固定部材31を支持具28に固定するように構成されている。尚、収納側支持体26は、移載方向Yに対称に形成されており、収納側支持体26を縦軸心周りに180°回転させた状態でも支持具28に固定できるように構成されている。
【0040】
収納側案内体27は、収納側支持体26と同様に構成されており、移載装置14にて移載方向Yに沿って移動する物品Wの側面に支持部材32が接触することで、物品Wを移載方向Yに案内するように構成されている。つまり、収納側案内体27の固定部材31を収納側支持体26の固定部材31に兼用でき、また、収納側案内体27の支持部材32を収納側支持体26の支持部材32に兼用できるようになっている。尚、収納側案内体27の支持部材32が、収納部1に備えられて移載装置14にて移載される物品Wの側面に接触して当該物品Wを移載方向Yに案内する案内部材に相当する。
【0041】
収納側支持体26及び収納側案内体27の夫々は、収納部1に移載方向Yに沿って互いに間隔を空けた状態で複数設けられている。
収納側支持体26は、収納部1に収納された物品Wにおける移載方向Yで移載装置14が存在する一方側の部分の下方と、収納部1に収納された物品Wにおける移載方向Yで中央部分の下方と、収納部1に収納された物品Wにおける移載方向Yで移載装置14が存在する他方側の部分の下方と、に設けられている。
これに対して、収納側案内体27は、収納部1に収納された物品Wにおける移載方向Yで移載装置14が存在する一方側の部分に対応する横側方と、収納部1に収納された物品Wにおける移載方向Yで中央部分に対応する横側方とにのみ設けられている。つまり、収納側案内体27は、収納部1に収納された物品Wにおける移載方向Yで移載装置14が存在する他方側の部分に対応する横側方には設けられていない。
【0042】
〔移載側支持体〕
図9及び
図10に示すように、移載側支持体21は、固定具29にて移載装置14に固定され且つ物品Wを滑動自在に支持する固定支持部材46にて構成されている。固定支持部材46は、樹脂材にて構成されており、移載装置14に備えられて移載装置14にて移載される物品Wを滑動自在に支持する第2支持部材に相当する。
【0043】
固定支持部材46は、平面視での形状が矩形状に形成されており、固定支持部材46の上面は、水平な平坦面に形成されている。
また、固定支持部材46には、固定孔46aが形成されており、固定支持部材46は、移載装置14における水平枠48の平坦な上面に載置した状態で、4か所に形成された固定孔46aを用いて水平枠48に固定されている。また、このように固定支持部材46を水平枠48に固定したときに、水平枠48を脚枠49に固定するときに用いられた固定具29との干渉を回避するために、固定支持部材46には回避孔46bが形成されている。
【0044】
移載側案内体22は、固定具29にて移載装置14に固定され且つ物品Wの側面に接触して当該物品Wを移載方向Yに案内する固定案内部材47にて構成されている。固定案内部材47は、樹脂材にて構成されている。
固定案内部材47は、立方体から横幅方向Xの一方側に円弧状に膨出する形状に形成されており、先細り形状に横幅方向Xの一方側に突出する形状となっている。また、固定案内部材47には、固定孔47aが形成されており、固定案内部材47は、移載装置14における水平枠48の平坦な側面に位置した状態で、4か所の固定孔47aを用いて水平枠48に固定するようになっている。
【0045】
移載側支持体21の移載方向Yの長さは、収納側支持体26の移載方向Yの長さより長く、固定支持部材46の移載方向Yの長さは、支持部材32の移載方向Yの長さより長くなっている。そのため、固定支持部材46における物品Wを支持する面積は、支持部材32における物品Wを支持する面積より広くなっている。
【0046】
また、固定支持部材46及び支持部材32とのそれぞれは樹脂材にて構成されているが、固定支持部材46は、支持部材32に比べて耐摩耗性が高く且つ滑り抵抗が低い樹脂材にて構成されている。具体的には、固定支持部材46は、超高分子ポリエチレンにて構成されており、支持部材32は、ナイロンモノマーにて構成されている。
そして、滑り抵抗が低い固定支持部材46を移載方向Yに長く形成し、滑り抵抗が高い支持部材32を移載方向Yに短く形成することで、移載装置14上での滑り抵抗と収納部1での滑り抵抗との均一化が図られている。
【0047】
移載側支持体21及び移載側案内体22の夫々は、移載装置14に移載方向Yに沿って互いに間隔を空けた状態で複数設けられている。
移載側支持体21は、移載装置14に移載された物品Wにおける移載方向Yで一方側の部分の下方と、移載装置14に移載された物品Wにおける移載方向Yで中央部分の下方と、移載装置14に移載された物品Wにおける移載方向Yで他方側の部分の下方と、に設けられている。
また、移載側案内体22は、移載装置14に移載された物品Wにおける移載方向Yで一方側の部分に対応する横側方と、移載装置14に移載された物品Wにおける移載方向Yで中央部分に対応する横側方と、移載装置14に移載された物品Wにおける移載方向Yで他方側の部分に対応する横側方と、に設けられている。
【0048】
上述のような物品搬送設備では、移載装置14に備える支持部材32を構成する樹脂材として、耐摩耗性が高い樹脂材を用いることで、使用頻度が高い移載装置14に備える支持部材32が摩耗し難くなり、メンテナンス作業を行う回数を抑えることができる。
また、収納部1に備える固定支持部材46を構成する樹脂材として、耐摩耗性が低い樹脂材を用いることで固定支持部材46を安価に構成し易くなり、多数存在する移載対象箇所に備える固定支持部材46を比較的安価な樹脂材にて構成することで、物品搬送設備の製造コストを抑えることができる。
【0050】
〔別実施形態〕
(
1)上記実施形態では、第1支持部材の上部32bを、先細り形状で上方に突出する形状に形成して、第1支持部材の上面を、起伏面に形成したが、第1支持部材の上面を、水平な平坦面
としてもよい。
また、第2支持部材の上面を、水平な平坦面
としたが、第2支持部材の上部32bを、先細り形状で上方に突出する形状に形成して、第2支持部材の上面を、起伏面
としてもよい。
【0051】
(
2)上記実施形態では、第2支持部材を、第1支持部材に比べて移載方向Yに長く形成したが、第2支持部材を、第1支持部材と移載方向Yに同じ長さに形成してもよく、第1支持部材に比べて移載方向Yに短く形成してもよい。
【0052】
(
3)上記実施形態では、固定案内部材47を、移載対象箇所に位置する物品Wにおける一方側の部分と他方側の部分とのうちの一方側の部分に対応する横側方にのみ設けたが、固定案内部材47を、移載対象箇所に位置する物品Wにおける一方側の部分に対応する横側方と他方側の部分に対応する横側方との夫々に設けてもよい。
【0053】
(
4)上記実施形態では、スタッカークレーン3を物品搬送装置としたが、収納棚2の横幅方向Xの長さに対応した長尺状の昇降体を昇降移動させ、昇降体上を移載方向Yに移動自在に移載装置14を装備して物品搬送装置を構成する、又は、床面上を走行移動する台車に移載装置14を装備した物品搬送台車にて物品搬送装置を構成する等、物品搬送装置の構成は適宜変更してもよい。
また、収納棚2の収納部1を移載対象箇所としたが、荷受台等を移載対象箇所としてもよい。