特許第6167975号(P6167975)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6167975車両のシーラー塗布装置及びそのティーチング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6167975
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】車両のシーラー塗布装置及びそのティーチング方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/02 20060101AFI20170713BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20170713BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20170713BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20170713BHJP
   B25J 9/22 20060101ALI20170713BHJP
   B62D 65/06 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   B05C5/02
   B05C11/00
   B05D1/26 Z
   B05D7/24 301N
   B25J9/22 A
   B62D65/06 A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-79493(P2014-79493)
(22)【出願日】2014年4月8日
(65)【公開番号】特開2015-199034(P2015-199034A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2016年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木崎 遼
【審査官】 鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−149841(JP,A)
【文献】 実開平5−56275(JP,U)
【文献】 特開平5−49997(JP,A)
【文献】 米国特許第3918162(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00−21/00
B05D 1/00− 7/26
B25J 1/00−21/02
B62D 41/00−67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットと、当該ロボットに取り付けたシーラーガンとを備え、アウターパネルの外縁に立設する外周フランジ先端をインナーパネルの外縁を挟んでアウターパネル裏面側に折り返して閉じるヘミング加工の重ね合わせ部に、前記シーラーガンに形成したシーラーノズルの吐出口からシーラーを塗布する車両のシーラー塗布装置であって、
前記シーラーノズルの吐出口は、前記シーラーガンと対峙する方向に向けて開口され、当該吐出口に向けてスポット状の可視光線を放射する光放射装置を前記シーラーガンに装着したことを特徴とする車両のシーラー塗布装置。
【請求項2】
請求項1に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、前記アウターパネルの車両外方から目視できる表面上に線状に写し取る転写手段を備えたことを特徴とする車両のシーラー塗布装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記光放射装置は、前記ヘミング加工の重ね合わせ部に塗布されたシーラーの幅方向端縁に向けた他のスポット状の可視光線を放射することを特徴とする車両のシーラー塗布装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記シーラーノズルの外周面には、前記吐出口と前記重ね合わせ部との隙間が所定の寸法である時に、前記アウターパネルの車両外方から目視できる表面位置と一致する指示線を形成したことを特徴とする車両のシーラー塗布装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された車両のシーラー塗布装置のティーチング方法であって、
前記ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、当該アウターパネルの車両外方から目視できる表面上に線状に写し取る第1工程と、
前記シーラーノズルの吐出口に向けて放射するスポット状の可視光線を、前記アウターパネルの前記表面上に投光する第2工程と、
前記第1工程で前記アウターパネルの前記表面上に線状に写し取った前記ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置と、前記第2工程で前記アウターパネルの前記表面上に投光したスポット状の可視光線の投光マークとが、一致した時における前記シーラーガンの軌跡を前記ロボットにティーチングする第3工程とを備えることを特徴とする車両のシーラー塗布装置のティーチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両用ドアのヘミング加工による重ね合わせ部にシーラーを塗布する車両のシーラー塗布装置及びそのティーチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用ドアの外周縁は、アウターパネルの外周縁とインナーパネルの外周縁とを重ね合わせた上で、アウターパネルの外周縁に立設する外周フランジ先端を、インナーパネルの外周縁を挟んでアウターパネル裏面側に折り返して閉じるヘミング加工が行われている。図9に示すように、先端にシーラーノズル103を形成したシーラーガン101を、ロボット102のアーム先端に取り付けたシーラー塗布装置100を備え、車両用ドア(ワークW)のヘミング加工された重ね合わせ部に、防水性や防錆性等を高めるべく、自動でシーラーを塗布している。そのため、シーラーガン101におけるシーラーノズル103の位置を、ワークWのヘミング加工された重ね合わせ部に対応するように、ロボット102に対して正確に教示(ティーチング)する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたシーラー塗布装置200は、図10に示すように、ロボット202にフローティング機構203を介して取り付けられたシーラーガン201と、シーラーガン201に取り付けられたシーラーノズル204と、シーラーノズル204の位置決めをするための位置決めガイド205と、シーラーノズル204の高さを調節するためのアジャストボルト206とを備えてなり、位置決めガイド205がアウターパネルW0の外周フランジ先端W1に沿って当接されながら移動し、シーラーノズル204のセンター部が常に外周フランジ先端W1に位置するように、位置決めガイド205とシーラーノズル204とが配置されている。このシーラー塗布装置200によれば、外周フランジ先端W1の形状が変化しても、位置決めガイド205が外周フランジ先端W1に沿って当接されながら移動するので、シーラーノズル204の位置をいちいち変更する必要がなく、ロボット202のティーチング工数を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−172455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたシーラー塗布装置200には、シーラーノズル204と位置決めガイド205とアジャストボルト206とが、互いに隣接して配置されているので、ワークWを車両のボディーに取り付けた場合、ワークWとボディーとの狭い隙間を通して、シーラーノズル204と位置決めガイド205とアジャストボルト206とを、アウターパネルW0の裏面側に配置することは困難である。そのため、特許文献1に記載されたシーラー塗布装置200は、ワークWをボディーに取り付ける前の工程において、アウターパネルW0の裏面側にシーラー塗布装置200を配置して、アウターパネルW0の裏面側からシーラーを塗布する場合に限られるという問題があった。
【0006】
これに対して、図11に示すように、ワークWをボディーBに取り付けた場合、シーラー塗布装置300のシーラーノズル301を略L字状に形成して、ワークWとボディーBとの狭い隙間を通して、アウターパネルW0の裏面側にシーラーノズル301を配置することは可能である。ところが、この場合においても、シーラーノズル301におけるシーラーSを吐出する吐出口302の位置が、アウターパネルW0に隠れて車両外方から見えにくいので、シーラーガンの軌跡をロボットへティーチングすることは容易ではない。その結果、シーラーノズル301の吐出口302の位置が車両外方から見えにくい箇所において、シーラーガンの軌跡をロボットへティーチングすることは、ロボットのティーチング作業員のかんこつに頼ることになり、ティーチングポイントの設定工数及びその修正工数が大幅に増加する問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ワークをボディーに取り付けた状態で、ヘミング加工の重ね合わせ部にシーラー塗布が可能であり、かつ、車両外方からシーラーガンの軌跡を簡単にティーチングできる車両のシーラー塗布装置及びそのティーチング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両のシーラー塗布装置及びそのティーチング方法は、次のような構成を有している。
(1)ロボットと、当該ロボットに取り付けたシーラーガンとを備え、アウターパネルの外縁に立設する外周フランジ先端をインナーパネルの外縁を挟んでアウターパネル裏面側に折り返して閉じるヘミング加工の重ね合わせ部に、前記シーラーガンに形成したシーラーノズルの吐出口からシーラーを塗布する車両のシーラー塗布装置であって、
前記シーラーノズルの吐出口は、前記シーラーガンと対峙する方向に向けて開口され、当該吐出口に向けてスポット状の可視光線を放射する光放射装置を前記シーラーガンに装着したことを特徴とする。
【0009】
本発明においては、シーラーノズルの吐出口は、シーラーガンに対峙する方向に向けて開口されているので、ワークをボディーに取り付けた状態で、アウターパネル表面側にシーラーガンを配置して、アウターパネル裏面側からヘミング加工の重ね合わせ部にシーラーを塗布することが可能である。
また、シーラーノズルの吐出口に向けてスポット状の可視光線を放射する光放射装置をシーラーガンに装着したので、光放射装置から放射するスポット状の可視光線は、アウターパネル表面に当たり車両外方へ反射する。そして、アウターパネル表面上に当たる可視光線の投光マークは、車両外方から目視でき、シーラーノズルの吐出口の位置に対応する。また、シーラーを塗布するヘミング加工の重ね合わせ部は、アウターパネルの外縁に沿って略一定の幅で形成されている。
そのため、アウターパネルの表面上に当たる可視光線の投光マークを目安にして、アウターパネルの外縁に沿って略一定の幅で形成されているヘミング加工の重ね合わせ部の位置と、シーラーノズルの吐出口の位置とを、車両外方から一致させながら、ロボットにシーラーガンの軌跡をティーチングすることができる。
よって、ワークをボディーに取り付けた状態で、ヘミング加工の重ね合わせ部にシーラー塗布が可能であり、かつ、車両外方からシーラーガンのティーチングが簡単にできる車両のシーラー塗布装置を提供することができる。
【0010】
なお、光放射装置から放射するスポット状の可視光線の光軸上に、シーラーノズルの吐出口を形成する場合に限らない。シーラーノズルの吐出口が、スポット状の可視光線の光軸から所定の距離だけ離間している場合でもよい。離間する量を補完した位置データをロボットに入力すればよいからである。
また、光放射装置は、シーラーガンに着脱可能に装着してもよい。また、スポット状の可視光線の光軸断面は、円形でも多角形でもよい。
【0011】
(2)(1)に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、前記アウターパネル表面上に線状に写し取る転写手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明においては、ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、アウターパネル表面上に線状に写し取る転写手段を備えたので、光放射装置から放射するスポット状の可視光線の投光マークを、転写手段でアウターパネル表面上に線状に写し取った外周フランジ先端の位置に簡単に一致させることができる。そのため、シーラーノズルの吐出口の位置を、ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置に一致させた状態を車両外方から目視で確認しながら、シーラーガンの軌跡をロボットにティーチングすることができる。その結果、ティーチング作業員の熟練を要することなく、より一層正確かつ迅速にロボットのティーチングができる。また、シーラー塗布の位置精度が向上し、シーラーによる防水性や防錆性等をより一層高めることができる。
【0013】
なお、転写手段は、デジタル的に転写する手段でも、アナログ的に転写する手段でもよい。
例えば、デジタル的に転写する手段には、ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置データをロボットに入力し、その位置データに基づいてロボットによってアウターパネルの表面上に画線する手段、又はヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置データを映像装置に入力し、その位置データに基づいて映像装置によってアウターパネルの表面上に線状に投影する手段などが考えられる。
また、例えば、アナログ的に転写する手段には、一端に倣い針が形成され、他端に倣い針の針先に筆記具の芯が対向して把持される罫書き工具が考えられる。この罫書き工具によれば、ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端に倣い針の針先を倣わせて、当該アウターパネルの表面上に筆記具の芯によって罫書き線を形成することができる。このような簡素な罫書き工具を備えるだけでも、ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、アウターパネルの表面上に簡単に写し取ることができる。
【0014】
(3)(1)又は(2)に記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記光放射装置は、前記ヘミング加工の重ね合わせ部に塗布されたシーラーの幅方向端縁に向けた他のスポット状の可視光線を放射することを特徴とする。
【0015】
本発明においては、光放射装置は、ヘミング加工の重ね合わせ部に塗布されたシーラーの幅方向端縁に向けた他のスポット状の可視光線を放射するので、他のスポット状の可視光線が、アウターパネルの表面上に当たる投光マークを目安に、シーラーノズルの吐出口の位置を補正しながらロボットにティーチングすることができる。例えば、シーラーの幅方向端縁に向けた他のスポット状の可視光線の投光マークが、アウターパネルの表面上からはみ出している場合には、シーラーがアウターパネルからはみ出す恐れがあるので、アウターパネルの表面上からはみ出ない方向へ、シーラーノズルの吐出口の位置を補正することができる。その結果、シーラーがアウターパネルからはみ出すようなシーラー塗布不良を未然に防止することができる。
【0016】
なお、シーラーノズルの吐出口に向けたスポット状の可視光線と、ヘミング加工の重ね合わせ部に塗布されたシーラーの幅方向端縁に向けた他のスポット状の可視光線とが、互いに異なる色の光線であることが好ましい。ロボットのティーチング作業員の過誤を回避して、迅速にティーチングできるからである。
【0017】
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載された車両のシーラー塗布装置において、
前記シーラーノズルの外周面には、前記吐出口と前記重ね合わせ部との隙間が所定の寸法である時に、前記アウターパネルの表面位置と一致する指示線を形成したことを特徴とする。
【0018】
本発明においては、シーラーノズルの外周面には、吐出口と重ね合わせ部との隙間が所定の寸法である時に、アウターパネルの表面位置と一致する指示線を形成したので、当該指示線にアウターパネルの表面位置を一致させてシーラー塗布することによって、シーラーノズルの吐出口とヘミング加工の重ね合わせ部との隙間を所定の寸法で略一定に保持することができる。その結果、塗布されたシーラーの幅、高さ等を、所定の基準値に簡単に適合させることができる。また、シーラーノズルの指示線は、車両外方から簡単に目視することができる。そのため、シーラーノズルの吐出口とヘミング加工の重ね合わせ部との隙間を所定の寸法に適合させた状態で、ロボットのティーチングを迅速に行うことができる。
【0019】
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載された車両のシーラー塗布装置のティーチング方法であって、
前記ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、当該アウターパネルの表面上に線状に写し取る第1工程と、
前記シーラーノズルの吐出口に向けて放射するスポット状の可視光線を、前記アウターパネルの表面上に投光する第2工程と、
第1工程で前記アウターパネルの表面上に線状に写し取った前記ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置と、第2工程で前記アウターパネルの表面上に投光したスポット状の可視光線の投光マークとが、一致した時における前記シーラーガンの軌跡を前記ロボットにティーチングする第3工程とを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明においては、ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、当該アウターパネルの表面上に線状に写し取る第1工程を備えるので、ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置を、アウターパネルの表面上に写し取られた線によって、車両外方から目視することができる。
また、シーラーノズルの吐出口に向けて放射するスポット状の可視光線を、アウターパネルの表面上に投光する第2工程を備えるので、シーラーノズルの吐出口の位置を、アウターパネルの表面上に投光するスポット状の可視光線の投光マークによって表示することができる。
また、第1工程でアウターパネルの表面上に線状に写し取ったヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置と、第2工程でアウターパネルの表面上に投光したスポット状の可視光線の投光マークとが、一致した時におけるシーラーガンの軌跡をロボットにティーチングする第3工程とを備えるので、ヘミング加工されたアウターパネルの外周フランジ先端の位置とシーラーノズルの吐出口の位置とが一致していることを車両外方から目視しながら、シーラーガンの軌跡をロボットにティーチングすることができる。
よって、ワークをボディーに取り付けた状態で、ヘミング加工の重ね合わせ部にシーラー塗布が可能であり、かつ、車両外方からシーラーガンの軌跡を簡単にティーチングできる車両のシーラー塗布装置のティーチング方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ワークをボディーに取り付けた状態で、ヘミング加工の重ね合わせ部にシーラー塗布が可能であり、かつ、車両外方からシーラーガンの軌跡を簡単にティーチングできる車両のシーラー塗布装置及びそのティーチング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る車両のシーラー塗布装置の斜視図である。
図2図1に示すシーラーノズルと光放射装置の詳細平面図である。
図3図2に示すA視側面図である。
図4図1に示すシーラーノズルにおける吐出口の詳細図である。
図5図1に示す車両のシーラー塗布装置に用いる罫書き工具の平面図である。
図6図1に示す車両のシーラー塗布装置によって塗布されたシーラーの詳細図である。
図7図6に示す罫書き工具の使用方法を説明する斜視図である。
図8図6に示す罫書き工具の使用方法を説明する斜視図である。
図9】従来の車両のシーラー塗布装置の模式的斜視図である。
図10】特許文献1に記載されたシーラー塗布装置の断面図である。
図11】車両外方からシーラー塗布するシーラー塗布装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態に係る車両のシーラー塗布装置及びそのティーチング方法について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本実施形態に係る車両のシーラー塗布装置の構造を説明し、その後、当該シーラー塗布装置のティーチング方法を説明する。最後に、本実施形態に係る車両のシーラー塗布装置及びそのティーチング方法における作用効果を説明する。
【0024】
<シーラー塗布装置の構造>
まず、本実施形態に係る車両のシーラー塗布装置の構造を、図1図5を用いて説明する。図1に、本発明の実施形態に係る車両のシーラー塗布装置の斜視図を示す。図2に、図1に示すシーラーノズルと光放射装置の詳細平面図を示す。図3に、図2に示すA視側面図を示す。図4に、図1に示すシーラーノズルにおける吐出口の詳細図を示す。図5に、図1に示す車両のシーラー塗布装置に用いる罫書き工具の平面図を示す。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る車両のシーラー塗布装置10は、ワーク(車両用ドア)Wが車両VのボディーBに取り付けられた状態で、アウターパネルW0の表面側にシーラーガン2を配置して、アウターパネルW0の裏面側からヘミング加工の重ね合わせ部W3にシーラーSを塗布する装置である。なお、ワークWは、車両用ドアに限らない。例えば、ボンネットやトランクなど、ボディーBに取り付けられる各種蓋物が該当する。
車両のシーラー塗布装置10は、車両外方に設置したロボット1と、当該ロボット1のアーム先端に取り付けたシーラーガン2と、シーラーガン2の先端部21に形成したシーラーノズル3と、シーラーガン2に着脱可能に装着した光放射装置5とを備えている。
【0026】
図1図2に示すように、シーラーガン2の先端部21には、略L字状に形成された筒状のシーラーノズル3が形成されている。シーラーノズル3の外径は、2〜3mm程度である。シーラーノズル3の先端には、筒軸線に沿ってスリット状の吐出口31が形成されている。この吐出口31は、シーラーガン2に対峙する方向に向けて開口されている。シーラーノズル3の吐出口31とヘミング加工された重ね合わせ部W3との隙間d1は、4〜5mm程度である。また、シーラーノズル3の外周面には、吐出口31とワークWの重ね合わせ部W3との隙間d1が所定の寸法である時に、アウターパネルW0の表面位置と一致する指示線32が形成されている。この指示線32は、アウターパネルW0の表面位置を表示できればよいので、各種形状に形成することができる。なお、図4に示すように、シーラーノズル3の吐出口31は、円形31Aに形成してもよい(図4(a))が、長円形又は長方形31Bに形成してもよい(図4(b))。
【0027】
光放射装置5は、ケース先端からスポット状の可視光線L(L1、L2、L3)を前方
へ放射し、ワークWに当たるとワーク上でスポット状の投光マークP(P1、P2、P
3)を表示する装置である。光放射装置5は、ケース先端の中央部からシーラーノズル3の吐出口31の中央部に向けてスポット状の可視光線L1を放射する。光放射装置5から放射するスポット状の可視光線L1は、アウターパネルW0表面に当たり車両外方へ反射する。そして、アウターパネルW0表面上に当たる可視光線の投光マークP1は、車両外方から目視でき、シーラーノズル3の吐出口31の位置に対応する。
【0028】
また、光放射装置5は、スポット径が一定であり、直進性が優れているレーザー光放射装置が好ましい。また、光放射装置5は、シーラーノズル3の吐出口31からシーラーSを吐出する方向(矢印Jの方向)と、光放射装置5から吐出口31に向けて放射するスポット状の可視光線L1の方向とが、互いに一致するか、又は平行するように装着されていることが好ましい。その場合、シーラーノズル3の吐出口31とワークWの重ね合わせ部W3との距離d1が変化しても、スポット状の可視光線L1は、ほぼ一定の位置でアウターパネルW0表面上へ投光する。その結果、スポット状の可視光線L1の投光マークP
1は、シーラーSを吐出する方向(矢印Jの方向)から見たシーラーノズル3の吐出口31の位置に、正確に対応させることができる。
【0029】
図3に示すように、光放射装置5から放射するスポット状の可視光線L1の光軸と、シーラーノズルの吐出口の中心軸311とが、距離d2だけ平行に離間させてもよい。これは、ワークWが無い状態でシーラーノズル3の吐出口31からシーラーSを吐出した場合でも、光放射装置5の光放射口にシーラーを付着させないためである。この場合、離間する距離d2だけ補完した位置データをロボットに入力すればよい。なお、光放射装置5が放射するスポット状の可視光線L1の光軸断面は、円形でも多角形でもよい。例えば、可視光線L1の光軸断面が真円であれば、アウターパネルW0の表面上に投光された投光マークP1を真円となるように、シーラーガン2のアウターパネルW0に対する角度を補正することで、シーラーノズル3の吐出口31をヘミング加工の重ね合わせ部W3に対して平行に設定できる。
【0030】
また、図1図3に示すように、光放射装置5は、シーラーノズル3の吐出口31に向けたスポット状の可視光線L1と、ヘミング加工の重ね合わせ部W3に塗布されたシーラーSの幅方向端縁S2、S3に向けた他のスポット状の可視光線L2、L3とを放射する。なお、可視光線L1は、シーラーノズル3の吐出口31の中央部に対応する。各可視光線L1、L2、L3は、シーラーガン2の送り方向(矢印Fの方向)に直交する方向で所定の間隔をあけて平行に放射するように配置されている。
ここでは、シーラーノズル3の吐出口31に向けたスポット状の可視光線L1は、赤色の光線であり、ヘミング加工の重ね合わせ部W3に塗布されたシーラーSの幅方向端縁S2、S3に向けた他のスポット状の可視光線L2、L3は、緑色の光線である。互いに異なる色の光線であることによって、ロボット1のティーチング作業員の過誤を回避して、迅速にティーチングできる。
【0031】
また、図5に示すように、本実施形態に係る車両のシーラー塗布装置10には、罫書き工具(転写手段)6を備えている。罫書き工具6は、ヘミング加工されたアウターパネルW0の外周フランジ先端W1の位置を、アウターパネルW0表面上に線状に写し取る工具である。
具体的には、罫書き工具6は、連結部63の一端64に倣い針61が形成され、他端65に倣い針61の針先611に筆記具62の芯621が対向して把持される構造である。筆記具62の把持位置は、ワークの板厚に対応して調節することができる。筆記具62には、例えば、油性ペンや水性ペンなどが該当する。
【0032】
<シーラー塗布装置のティーチング方法>
次に、他の実施形態に係る車両のシーラー塗布装置10のティーチング方法を、図1及び図6図8を用いて説明する。図6に、図1に示す車両のシーラー塗布装置によって塗布されたシーラーの詳細図を示す。図7及び図8に、図6に示す罫書き工具の使用方法を説明する斜視図を示す。
【0033】
図6に示すように、ワーク(車両用ドア)Wの外周縁は、アウターパネルW0の外周縁とインナーパネルW2の外周縁とを重ね合わせた上で、アウターパネルW0の外周縁に立設する外周フランジ先端W1を、インナーパネルW2の外周縁を挟んでアウターパネルW0の裏面側に折り返して閉じるヘミング加工が行われている。ヘミング加工された重ね合わせ部W3には、防水性や防錆性等を高めるべく、所定の幅でシーラーSを塗布する。
シーラーSの幅は、外周フランジ先端W1を略中心にしてアウターパネルW0の外周側とインナーパネルW2の内周側とへ拡張する。前述したように、シーラーノズル3の先端には、筒軸線に沿ってスリット状の吐出口31が形成されている。そのため、シーラーノズル3の吐出口31の中央部を、ヘミング加工されたアウターパネルW0の外周フランジ先端W1の位置S1に一致させる。
【0034】
まず、図7図8に示すように、ヘミング加工されたアウターパネルW0の外周フランジ先端W1の位置S1を、当該アウターパネルW0の表面上に線状に写し取る(第1工程)。具体的には、ヘミング加工されたアウターパネルW0の外周フランジ先端W1に倣い針61の針先611を当接した状態で、矢印の方向に移動して、当該アウターパネルW0の表面上に筆記具62の芯621によって罫書き線K1を形成する。罫書き線K1の太さは、1〜2mm程度がよい。これによって、ヘミング加工されたアウターパネルW0の外周フランジ先端W1の位置S1は、アウターパネルW0の表面上に写し取られた罫書き線K1によって、車両外方から目視することができる。
【0035】
次に、図1に示すように、シーラーノズル3の吐出口31に向けて放射するスポット状の可視光線L1を、アウターパネルW0の表面上に投光する(第2工程)。アウターパネルW0表面上に当たる可視光線の投光マークP1は、車両外方から目視でき、シーラーノ
ズル3の吐出口31の位置に対応する。これによって、シーラーノズル3の吐出口31の位置を、アウターパネルW0の表面上に投光するスポット状の可視光線L1の投光マークP1によって表示することができる。
【0036】
次に、図1に示すように、第1工程でアウターパネルW0の表面上に線状に写し取った罫書き線K1と、第2工程でアウターパネルW0の表面上に投光したスポット状の可視光線L1の投光マークP1とが、一致した時におけるシーラーガン2の軌跡をロボット1にティーチングする(第3工程)。これによって、ヘミング加工されたアウターパネルW0の外周フランジ先端W1の位置S1とシーラーノズル3の吐出口31の位置とが一致していることを車両外方から目視しながら、シーラーガン2の軌跡をロボット1にティーチングすることができる。
【0037】
なお、シーラーガン2を矢印Hの方向に移動して、シーラーノズル3の外周面に形成した指示線32に、アウターパネルW0の表面位置を一致させる。これによって、シーラーノズル3の吐出口31とヘミング加工の重ね合わせ部W3との隙間d1を所定の寸法で略一定に保持することができる。
さらに、シーラーSの幅方向端縁S2、S3に向けた他のスポット状の可視光線L2、L3が、アウターパネルW0の表面上に当たる投光マークP2、P3を目安に、シーラーノズル3の吐出口31の位置を補正しながらロボットにティーチングする。具体的には、可視光線L2、L3の投光マークP2、P3が、アウターパネルW0の表面上からはみ出している場合には、シーラーSがアウターパネルW0からはみ出す恐れがあるので、アウターパネルW0の表面上からはみ出ない方向へ、シーラーノズル3の吐出口31の位置を補正する。その結果、シーラーSがアウターパネルW0からはみ出すようなシーラー塗布不良を未然に防止することができる。
【0038】
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る車両のシーラー塗布装置10によれば、シーラーノズル3の吐出口31は、シーラーガン2に対峙する方向に向けて開口されているので、ワークWをボディーBに取り付けた状態で、アウターパネルW0表面側にシーラーガン2を配置して、アウターパネルW0裏面側からヘミング加工の重ね合わせ部W3にシーラーSを塗布することが可能である。
また、シーラーノズル3の吐出口31に向けてスポット状の可視光線L1を放射する光放射装置5をシーラーガン2に装着したので、光放射装置5から放射するスポット状の可視光線L1は、アウターパネルW0表面に当たり車両外方へ反射する。そして、アウターパネルW0表面上に当たる可視光線L1の投光マークP1は、車両外方から目視でき、シーラーノズル3の吐出口31の位置に対応する。また、シーラーSを塗布するヘミング加工の重ね合わせ部W3は、アウターパネルW0の外縁に沿って略一定の幅で形成されている。
そのため、アウターパネルW0の表面上に当たる可視光線L1の投光マークP1を目安にして、アウターパネルW0の外縁に沿って略一定の幅で形成されているヘミング加工の重ね合わせ部W3の位置と、シーラーノズル3の吐出口31の位置とを、車両外方から一致させながら、ロボット1にシーラーガン2の軌跡をティーチングすることができる。
よって、ワークWをボディーBに取り付けた状態で、ヘミング加工の重ね合わせ部W3にシーラー塗布が可能であり、かつ、車両外方からシーラーガン2のティーチングが簡単にできる車両のシーラー塗布装置10を提供することができる。
【0039】
また、本実施形態によれば、ヘミング加工されたアウターパネルW0の外周フランジ先端W1の位置S1を、アウターパネルW0表面上に線状に写し取る罫書き工具(転写手段)6を備えたので、光放射装置5から放射するスポット状の可視光線L1の投光マークP1を、罫書き工具6でアウターパネルW0表面上に線状に写し取った罫書き線K1(外周フランジ先端W1の位置S1と同一)に簡単に一致させることができる。そのため、投光マークP1を罫書き線K1に一致させた状態を車両外方から目視で確認しながら、シーラーガン2の軌跡をロボット1にティーチングすることができる。その結果、ティーチング作業員の熟練を要することなく、より一層正確かつ迅速にロボット1のティーチングができる。また、シーラー塗布の位置精度が向上し、シーラーSによるワークWの防水性や防錆性等をより一層高めることができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、光放射装置5は、ヘミング加工の重ね合わせ部W3に塗布されたシーラーSの幅方向端縁S2、S3に向けた他のスポット状の可視光線L2、L3を放射するので、可視光線L2、L3がアウターパネルW0の表面上に当たる投光マークP2、P3を目安に、シーラーノズル3の吐出口31の位置を補正しながらロボット1にティーチングすることができる。例えば、シーラーSの幅方向端縁S2、S3に向けた他のスポット状の可視光線L2、L3の投光マークP2、P3が、アウターパネルW0の表面上からはみ出している場合には、シーラーSがアウターパネルW0からはみ出す恐れがあるので、アウターパネルW0の表面上からはみ出ない方向へ、シーラーノズル3の吐出口31の位置を補正することができる。その結果、シーラーSがアウターパネルW0からはみ出すようなシーラー塗布不良を未然に防止することができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、シーラーノズル3の外周面には、吐出口31と重ね合わせ部W3との隙間d1が所定の寸法である時に、アウターパネルW0の表面位置と一致する指示線32を形成したので、当該指示線32にアウターパネルW0の表面位置を一致させてシーラー塗布することによって、シーラーノズル3の吐出口31とヘミング加工の重ね合わせ部W3との隙間d1を所定の寸法で略一定に保持することができる。その結果、塗布されたシーラーSの幅、高さ等を、所定の基準値に簡単に適合させることができる。また、シーラーノズル3の指示線32は、車両外方から簡単に目視することができる。そのため、シーラーノズル3の吐出口31とヘミング加工の重ね合わせ部W3との隙間d1を所定の寸法に適合させた状態で、ロボット1のティーチングを迅速に行うことができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、ワークWをボディーBに取り付けた状態でシーラーSを塗布するので、電着塗装後で中塗り前の工程にて、シーラー塗布することができる。そのため、電着塗装の直前に行われるシャワー洗浄に先立ち、シーラーを加熱によって予備硬化(プレキュア)する必要がない。したがって、予備硬化(プレキュア)に対応する高価なシーラー(プレキュアシーラー)を用いず、安価なシーラーを用いることができる。また、予備硬化のための加熱設備や、加熱エネルギーを省略できる。その結果、シーラーコストの大幅な低減が可能となる。
【0043】
また、他の実施形態に係る車両のシーラー塗布装置10のティーチング方法によれば、ヘミング加工されたアウターパネルW0の外周フランジ先端W1の位置S1を、当該アウターパネルW0の表面上に線状に写し取る第1工程を備えるので、ヘミング加工されたアウターパネルW0の外周フランジ先端W1の位置S1を、アウターパネルW0の表面上に写し取られた罫書き線K1によって、車両外方から目視することができる。
【0044】
また、シーラーノズル3の吐出口31に向けて放射するスポット状の可視光線L1を、アウターパネルW0の表面上に投光する第2工程を備えるので、シーラーノズル3の吐出口31の位置を、アウターパネルW0の表面上に投光するスポット状の可視光線L1の投光マークP1によって表示することができる。
【0045】
また、第1工程でアウターパネルW0の表面上に線状に写し取った罫書き線K1(ヘミング加工されたアウターパネルW0の外周フランジ先端W1の位置S1と同一)と、第2工程でアウターパネルW0の表面上に投光したスポット状の可視光線L1の投光マークP1とが、一致した時におけるシーラーガン2の軌跡をロボット1にティーチングする第3工程とを備えるので、ヘミング加工されたアウターパネルW0の外周フランジ先端W1の位置S1とシーラーノズル3の吐出口31の位置とが一致していることを車両外方から目視しながら、シーラーガン2の軌跡をロボット1にティーチングすることができる。
【0046】
よって、ワークWをボディーBに取り付けた状態で、ヘミング加工の重ね合わせ部W3にシーラー塗布が可能であり、かつ、車両外方からシーラーガン2の軌跡を簡単にティーチングできる車両のシーラー塗布装置10のティーチング方法を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、例えば、車両用ドアのヘミング加工による重ね合わせ部にシーラーを塗布する車両のシーラー塗布装置及びそのティーチング方法に利用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 ロボット
2 シーラーガン
3 シーラーノズル
5 光放射装置
6 罫書き工具(転写手段)
10 シーラー塗布装置
31 吐出口
32 指示線
61 倣い針
62 筆記具
d1 隙間
K1 罫書き線
L、L1、L2、L3 可視光線
P、P1、P2、P3 投光マーク
S シーラー
S1 外周フランジ先端の位置
S2、S3 シーラー幅方向端縁
W ワーク
W0 アウターパネル
W1 外周フランジ先端
W2 インナーパネル
W3 重ね合わせ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11