特許第6168171号(P6168171)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6168171
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】光モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/03 20060101AFI20170713BHJP
【FI】
   G02F1/03 505
【請求項の数】7
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-11913(P2016-11913)
(22)【出願日】2016年1月25日
【審査請求日】2016年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】309015134
【氏名又は名称】富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 晃
(72)【発明者】
【氏名】丸山 眞示
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】土居 正治
(72)【発明者】
【氏名】尾山 修
(72)【発明者】
【氏名】上岡 正美
【審査官】 奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−048121(JP,A)
【文献】 特開2015−172683(JP,A)
【文献】 特開2000−331755(JP,A)
【文献】 特開平06−140109(JP,A)
【文献】 特開2005−085819(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0227666(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00− 1/125
G02F 1/21− 7/00
G02B 6/12− 6/14
H01S 5/00− 5/50
H04B 10/00−10/28
H04J 14/00−14/08
H05K 1/14
H05K 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を生成するドライバと、
前記ドライバの少なくとも一部が収容される切欠部を有し、前記ドライバによって生成される電気信号を用いて光変調を行う光変調器と、
前記光変調器の切欠部において前記ドライバと電気的に接続する第1のコネクタと、
前記光変調器の切欠部における前記第1のコネクタが設けられた面と対向する面に設けられ、前記光変調器と電気的に接続する第2のコネクタと、
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタに接続し、前記ドライバによって生成される電気信号を前記光変調器へ伝送する同軸ピンと
を有することを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記第1のコネクタは、
前記光変調器の切欠部において挿入口が基板の厚み方向に向けられた状態で前記基板に固定され、前記基板上の第1の電極パターンを介して前記ドライバと電気的に接続し、
前記第2のコネクタは、
挿入口が前記基板の厚み方向に向けられた状態で前記光変調器の切欠部の前記第1のコネクタに対向する面に設けられ、前記光変調器と電気的に接続し、
前記同軸ピンは、
前記第1のコネクタの挿入口及び前記第2のコネクタの挿入口に挿入されることによって、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタに接続することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記第1のコネクタは、
複数の前記第1のコネクタがアレイ状に配置されるベース部材を介して、前記基板に固定されることを特徴とする請求項2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記第1のコネクタは、
前記光変調器の切欠部において挿入口が基板の厚み方向と交差する方向に向けられた状態で前記ドライバに固定され、かつ、前記ドライバと電気的に接続し、
前記第2のコネクタは、
挿入口が前記基板の厚み方向と交差する方向に向けられた状態で前記光変調器の切欠部の前記第1のコネクタに対向する面に設けられ、前記光変調器と電気的に接続し、
前記同軸ピンは、
前記第1のコネクタの挿入口及び前記第2のコネクタの挿入口に挿入されることによって、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタに接続することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記光変調器は、
前記切欠部とは異なる他の切欠部と、前記電気信号とは異なる信号の入力用の端子であって、前記他の切欠部へ突出する前記端子とをさらに有し、
前記端子は、
前記光変調器の前記他の切欠部において前記基板上の第2の電極パターンに電気的に接続することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の光モジュール。
【請求項6】
前記第1のコネクタと前記同軸ピンとは一体的に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光モジュール。
【請求項7】
前記第2のコネクタと前記同軸ピンとは一体的に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源において発生する光を変調する光変調器には、マッハツェンダ干渉計が用いられることがある。このような光変調器においては、平行な光導波路に沿って信号電極及び接地電極が設けられる。近年では、光変調方式が多様化しているため、光変調器は、複数のマッハツェンダ干渉計を備えることが多くなっている。この場合、複数のマッハツェンダ干渉計を1チップに集積することにより、光変調器のサイズを小さくすることが可能である。
【0003】
複数のマッハツェンダ干渉計を備える光変調器は、複数の異なる電気信号が入力されることで多値変調信号を生成することができる。すなわち、それぞれのマッハツェンダ干渉計に対応する信号電極に、異なる電気信号が外部から入力されることにより、例えばDQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)方式などの多値変調方式による光変調が可能となる。
【0004】
光変調器への電気信号の入力部と、光変調器への電気信号を生成するドライバとは、可撓性を有するフレキシブルプリント回路板(FPC:Flexible Printed Circuits)を用いて接続されることがある。
【0005】
具体的には、FPCには、光変調器の複数の信号電極に対応する複数の配線パターンがプリントされており、ドライバから出力される電気信号が、FPCにプリントされた配線パターンを介して光変調器へ入力される。FPCのドライバ側の一端は、各配線パターンが例えばドライバからの電気信号を出力する電極パターンにはんだ付けされることにより、ドライバと電気的に接続される。また、FPCの光変調器側の一端は、光変調器のパッケージに形成される切欠部に挿入され、各配線パターンが例えば切欠部の上面から下方へ突出する同軸端子にはんだ付けされることにより、光変調器と電気的に接続される。
【0006】
ところで、装置の小型化の観点から、異なる基板を用いて光変調器とドライバとを階層状に配置し、階層状に配置された光変調器とドライバとをFPCによって接続する構造が用いられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−128440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、階層状に配置された光変調器とドライバとをFPCによって接続する構造では、光変調器の配置スペースとドライバの配置スペースとが分離されるため、装置全体の実装面積が増大する恐れがある。このため、光変調器とドライバとを階層状に配置する構造は、実用的ではない。
【0009】
そこで、光変調器のパッケージに形成される切欠部へドライバの一部を収容することにより、ドライバに対応する実装面積を削減することも考えられる。しかし、この場合には、切欠部へ突出する同軸端子と、ドライバとが近接することになり、同軸端子とドライバから延伸する電極パターンとを接続するFPCに急な屈曲が生じる。FPCに屈曲が生じると、屈曲を吸収するためにFPCの長さが増大する。
【0010】
ドライバからFPCを介して光変調器に供給される電気信号は、高周波信号であるため、電気信号がFPCによって伝送される場合、FPCの長さが増大するほど、電気信号の減衰が大きくなることが知られている。すなわち、光変調器のパッケージに形成される切欠部へドライバの一部を収容する場合、FPCを用いて光変調器とドライバとを接続すると、実装面積が削減されるものの、光変調器へ供給される電気信号の高周波特性が劣化するという問題がある。
【0011】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、実装面積を削減しつつ、高周波特性を向上することができる光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願の開示する光モジュールは、一つの態様において、電気信号を生成するドライバと、前記ドライバの少なくとも一部が収容される切欠部を有し、前記ドライバによって生成される電気信号を用いて光変調を行う光変調器を有する。また、光モジュールは、前記光変調器の切欠部において前記ドライバと電気的に接続する第1のコネクタを有する。また、光モジュールは、前記光変調器の切欠部の前記第1のコネクタに対向する面に設けられ、前記光変調器と電気的に接続する第2のコネクタを有する。また、光モジュールは、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタに接続し、前記ドライバによって生成される電気信号を前記光変調器へ伝送する同軸ピンを有する。
【発明の効果】
【0013】
本願の開示する光モジュールの一つの態様によれば、実装面積を削減しつつ、高周波特性を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施例1に係る光モジュールの構成を示す平面模式図である。
図2図2は、実施例1に係る光モジュールの構成を示す側断面模式図である。
図3図3は、コネクタと光変調器との接続部の一例を示す側断面模式図である。
図4図4は、コネクタと光変調器との接続部の一例を示す平面模式図である。
図5図5は、コネクタと光変調器との接続部の別の一例を示す側断面模式図である。
図6図6は、コネクタと光変調器との接続部の別の一例を示す平面模式図である。
図7図7は、実施例2に係る光モジュールの構成を示す側断面模式図である。
図8図8は、実施例3に係る光モジュールの構成を示す平面模式図である。
図9図9は、実施例3に係る光モジュールの構成を示す側断面模式図である。
図10図10は、一対のコネクタの接続の変形例を示す図である。
図11図11は、ベース部材の一例を示す図である。
図12図12は、光変調器とドライバとの接続の変形例1を示す図である。
図13図13は、光変調器とドライバとの接続の変形例2を示す図である。
図14図14は、光ファイバの配置の変形例1を示す図である。
図15図15は、光ファイバの配置の変形例2を示す図である。
図16図16は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例1を示す図である。
図17図17は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例2を示す図である。
図18図18は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例3を示す図である。
図19図19は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例4を示す図である。
図20図20は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例5を示す図である。
図21図21は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例6を示す図である。
図22図22は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例7を示す図である。
図23図23は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例8を示す図である。
図24図24は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例9を示す図である。
図25図25は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例10を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本願の開示する光モジュールの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により開示技術が限定されるものではない。
【実施例1】
【0016】
図1は、実施例1に係る光モジュールの構成を示す平面模式図である。図1に示す光モジュール100は、プリント回路板(PCB:Printed Circuits Board)110、光変調器120、ドライバ130、電極パターン140、コネクタ150、コネクタ160及び同軸ピン170を有する。
【0017】
PCB110は、例えばガラスエポキシ基板などであり、光モジュール100を構成する各種の部品を搭載する。
【0018】
光変調器120は、図示しない光源において発生する光を変調して光信号を出力する。このとき、光変調器120は、ドライバ130から出力される高周波の電気信号に基づいて光変調を行う。また、光変調器120は、図示しないLSI(Large Scale Integration)から出力される直流の電気信号に基づいて光信号の位相制御を行う。具体的には、光変調器120は、パッケージ125、変調器チップ121、偏波ビームコンバイナ(Polarization Beam Combiner:PBC)124、中継基板122、DC(Direct Current)端子123及び終端基板126を有する。
【0019】
パッケージ125は、光変調器120を構成する各種の部品を収容する。
【0020】
変調器チップ121は、平行な光導波路と信号電極及び接地電極とから構成され、光源からの光を光導波路によって伝搬しつつ、光変調を行って光信号を生成する。変調器チップ121は、信号電極として、ドライバ130から出力される高周波の電気信号の入力用のRF(Radio Frequency)電極と、LSIから出力される直流の電気信号の入力用のDC電極とを有する。そして、変調器チップ121は、RF電極に入力される電気信号に基づいて光変調を行う。また、変調器チップ121は、DC電極に入力される電気信号に基づいて光信号の位相制御を行う。
【0021】
光導波路は、例えばニオブ酸リチウム(LiNbO3(LN))やタンタル酸リチウム(LiTaO2)などの電気光学結晶を用いた結晶基板上の一部に、チタン(Ti)などの金属膜を形成し熱拡散することによって形成される。また、光導波路は、パターニング後に安息香酸中でプロトン交換することによって形成されても良い。一方、信号電極及び接地電極は、平行な光導波路に沿って形成されるコプレーナ電極である。図1においては、変調器チップ121に4組の平行な光導波路が形成されているため、それぞれの光導波路の組に対応する信号電極及び接地電極が形成されている。信号電極及び接地電極は、例えばそれぞれの光導波路の上にパターニングされる。そして、光導波路中を伝搬する光が信号電極及び接地電極によって吸収されるのを防ぐために、結晶基板と信号電極及び接地電極との間にバッファ層が設けられる。バッファ層としては、例えば厚さ0.2〜2μm程度の二酸化ケイ素(SiO2)等を用いることができる。
【0022】
PBC124は、変調器チップ121から出力される2つの光信号を合成し、偏波方向が直交する2つの偏波を含む光信号を出力する。すなわち、PBC124は、変調器チップ121から出力される一方の光信号の偏波方向を回転させた後、他方の光信号と合成する。
【0023】
中継基板122は、ドライバ130から出力された電気信号を変調器チップ121へ中継し、変調器チップ121の信号電極(つまり、RF電極)へ入力する。図1においては、中継基板122は、変調器チップ121に形成される4つの信号電極に対応する4つの配線パターンを有する。変調器チップ121に形成された複数の信号電極に電気信号を入力する場合、すべての電気信号の入力部が光変調器120の片側に並んでいれば、実装が容易となり、実装面積が小さくてすむ。そこで、本実施例においては、光変調器120に中継基板122を配置し、光変調器120の片側から入力される電気信号を中継基板122が変調器チップ121へ中継する構成としている。
【0024】
DC端子123は、LSIから出力される直流の電気信号が入力される端子である。光変調器120の側面には、変調器チップ121のDC電極の数に応じて、複数のDC端子123が設けられる。DC端子123に入力される電気信号が変調器チップ121の信号電極(つまり、DC電極)へ入力されることによって、変調器チップ121において得られる光信号の位相制御が行われる。
【0025】
終端基板126は、変調器チップ121のRF電極の終端に接続され、RF電極に入力される高周波の電気信号(つまり、RF信号)を電気的に終端することでRF信号の反射を抑える機能を有する。終端基板126は、バイアスティ(Bias Tee)とも呼ばれる。終端基板126には、図示しない抵抗部品とキャパシタ部品が搭載され、これらの部品によってRF信号の反射が抑えられる。光変調器120がDP−QPSK(Dual Polarization-Quadrature Phase Shift Keying)変調器である場合、終端基板126は複数必要である。この場合、複数の終端基板126が変調器チップ121の片側に配置されると、長手方向に沿った光変調器120のサイズが増大してしまう。そこで、図1に示す例では、終端基板126は、変調器チップ121の両側に配置される。これにより、長手方向に沿った光変調器120のサイズの増大が抑制される。
【0026】
ドライバ130は、光源からの光を変調するための電気信号を生成する。すなわち、ドライバ130は、送信データに応じた振幅・位相の高周波な電気信号を生成し、この電気信号によって光変調器120を駆動する。ドライバ130の一部は、光変調器120のPCB110近傍に形成された切欠部201に収容される。これにより、ドライバ130に対応する実装面積が削減される。
【0027】
電極パターン140は、PCB110上にプリントされた電極パターンであり、ドライバ130から出力される電気信号をコネクタ150へ伝搬する。
【0028】
コネクタ150は、PCB110に固定され、同軸ピン170の一端を挿抜可能に構成されている。そして、コネクタ150は、光変調器120の切欠部201において、PCB110上の電極パターン140を介してドライバ130に電気的に接続される。コネクタ150とドライバ130とは、例えばはんだ付けされている。また、コネクタ150の内部には、同軸端子が設けられており、同軸ピン170とコネクタ150の同軸端子とが接触することにより、同軸ピン170とドライバ130とが電気的に接続される。コネクタ150としては、例えばプッシュオンコネクタが用いられる。
【0029】
コネクタ160は、光変調器120の切欠部201のコネクタ150に対向する面に設けられ、同軸ピン170の一端を挿抜可能に構成されている。コネクタ160には、光変調器120の内部へ突出する同軸端子が設けられており、光変調器120内の中継基板122とコネクタ160の同軸端子とが電気的に接続されることにより、コネクタ160と光変調器120とが電気的に接続される。さらに、同軸ピン170とコネクタ160の同軸端子とが接触することにより、同軸ピン170と光変調器120とが電気的に接続される。コネクタ160としては、例えばプッシュオンコネクタが用いられる。
【0030】
同軸ピン170は、電気信号用の信号線の周囲を接地用の絶縁部材で被覆することで形成される同軸ピンであり、コネクタ150及びコネクタ160に接続し、ドライバ130から出力される電気信号を光変調器120へ伝搬する。すなわち、同軸ピン170の一端は、コネクタ150及び電極パターン140を介してドライバ130と電気的に接続され、同軸ピン170の他端は、コネクタ160を介して光変調器120の中継基板122と電気的に接続される。
【0031】
次に、図2を参照して光変調器120、ドライバ130、コネクタ150、コネクタ160及び同軸ピン170の電気的な接続について説明する。図2は、実施例1に係る光モジュールの構成を示す側断面模式図である。
【0032】
図2に示すように、光変調器120のパッケージ125のPCB110近傍には、切欠部201が形成されており、ドライバ130の一部が、切欠部201へ収容される。コネクタ150は、光変調器120のパッケージ125の切欠部201において挿入口がPCB110の厚み方向(つまり、PCB110に垂直な方向)に向けられた状態でPCB110に固定される。そして、コネクタ150は、PCB110上の電極パターン140にはんだ付けされることにより、PCB110上の電極パターン140を介してドライバ130と電気的に接続される。
【0033】
ドライバ130と電極パターン140とは、ドライバ130から突出するリードピン202が電極パターン140にはんだ付けされることにより、電気的に接続される。
【0034】
コネクタ160は、挿入口がPCB110の厚み方向(つまり、PCB110に垂直な方向)に向けられた状態で光変調器120のパッケージ125の切欠部201のコネクタ150に対向する面201aに設けられ、光変調器120と電気的に接続される。すなわち、コネクタ160から光変調器120の内部へ突出する同軸端子161と、光変調器120内の中継基板122に形成された配線パターンとがはんだ付けされることにより、コネクタ160と光変調器120とが電気的に接続される。なお、コネクタ160と光変調器120との接続部の詳細は、後述する。
【0035】
同軸ピン170は、コネクタ150の挿入口及びコネクタ160の挿入口に挿入されることによって、コネクタ150及びコネクタ160に接続する。そして、コネクタ150の内部において同軸ピン170とコネクタ150の同軸端子とが接触することによって、同軸ピン170とコネクタ150とが電気的に接続される。また、コネクタ160の内部において同軸ピン170とコネクタ160の同軸端子161とが接触することによって、同軸ピン170とコネクタ160とが電気的に接続される。これにより、コネクタ150、コネクタ160及び同軸ピン170を介して光変調器120とドライバ130とが電気的に接続される。
【0036】
このように、互いに対向するコネクタ150及びコネクタ160が同軸ピン170によって接続されるため、同軸ピン170の長さを最小限とすることができ、同軸ピン170における電気信号の減衰を低減して、電気信号の高周波特性を向上することができる。
【0037】
次いで、コネクタ160と光変調器120との接続部の詳細について説明する。図3は、コネクタと光変調器との接続部の一例を示す側断面模式図であり、図4は、コネクタと光変調器との接続部の一例を示す平面模式図である。
【0038】
図3及び図4に示すように、変調器チップ121上には、RF電極401が形成され、中継基板122上には、RF電極401に対応する配線パターン402が形成され、RF電極401と配線パターン402とは、導電性ワイヤ403によって接続される。本実施例においては、変調器チップ121上の4つのRF電極401の各々と、中継基板122上の4つの配線パターン402の各々とが、導電性ワイヤ403によって接続される。導電性ワイヤ403は、導電性を有し、例えば金、アルミニウム及び銅等の金属により形成される。中継基板122上の4つの配線パターン402は、中継基板122上でピッチ変換されており、変調器チップ121側では配線パターン間のピッチが小さいがコネクタ160側ではピッチが大きくなっている。すなわち、中継基板122上の4つの配線パターン402は、RF電極401間のピッチをコネクタ160間のピッチに変換している。また、変調器チップ121上には、図示しない接地電極が配置され、中継基板122には、接地電極に対応する図示しない接地パターンが配置され、接地電極と接地パターンとは、図示しない導電性ワイヤによって接続される。
【0039】
また、コネクタ160の同軸端子161は、中継基板122にはんだ付けされる。すなわち、同軸端子161は、コネクタ160から光変調器120の内部へ突出する。そして、同軸端子161は、はんだ404によって中継基板122上の配線パターン402と接続される。これにより、コネクタ160と、光変調器120(つまり、変調器チップ121及び中継基板122)とが電気的に接続される。
【0040】
なお、図3及び図4に示した例では、コネクタ160の同軸端子161が中継基板122にはんだ付けされる場合を示したが、コネクタ160と中継基板122との電気的な接続手法ははんだ付けに限定されない。例えば、コネクタ160の同軸端子161が中継基板122にろう付けされても良い。
【0041】
また、例えば図5及び図6に示すように、コネクタ160の同軸端子161は、ワイヤボンディング(Wire Bonding)を用いて中継基板122に接続されても良い。図5は、コネクタと光変調器との接続部の別の一例を示す側断面模式図であり、図6は、コネクタと光変調器との接続部の別の一例を示す平面模式図である。
【0042】
図5及び図6に示す例では、光変調器120の内部へ突出する同軸端子161の断面積は、光変調器120の内部において変換されている。すなわち、同軸端子161の光変調器120の内部側の一端の断面積は、コネクタ160の内部側の他端の断面積よりも大きくなっている。そして、同軸端子161は、導電性ワイヤ405によって中継基板122上の配線パターン402と接続される。導電性ワイヤ405は、導電性を有し、例えば金、アルミニウム及び銅等の金属により形成される。このように、コネクタ160の同軸端子161がワイヤボンディングを用いて中継基板122に接続されることにより、コネクタ160と、光変調器120(つまり、変調器チップ121及び中継基板122)とが電気的に接続される。
【0043】
以上のように、本実施例によれば、ドライバの一部を光変調器のパッケージに形成された切欠部へ収容し、切欠部において互いに対向する一対のコネクタに同軸ピンを接続し、ドライバから出力される電気信号を光変調器へ伝送する。このため、同軸ピンの長さを最小限とすることができ、FPCを用いて光変調器とドライバとを接続する場合と比較して、電気信号の減衰を低減することができる。その結果、ドライバに対応する実装面積を削減しつつ、光変調器へ供給される電気信号の高周波特性を向上することができる。
【実施例2】
【0044】
実施例2の特徴は、一対のコネクタの挿入口をPCBの厚み方向と交差する方向に向けた状態で、光変調器の切欠部において一対のコネクタに同軸ピンを接続して電気信号の高周波特性を向上する点である。
【0045】
実施例2に係る光モジュール100の構成は、基本的には実施例1と同様であるため、実施例1と共通する部分の説明を省略する。実施例2では、一対のコネクタの配置と、同軸ピンによる一対のコネクタの接続態様とが実施例1とは異なる。
【0046】
図7は、実施例2に係る光モジュールの構成を示す側断面模式図である。図7において、図1及び図2と同じ部分には同じ符号を付す。
【0047】
図7に示すように、コネクタ250は、光変調器120のパッケージ125の切欠部201において挿入口がPCB110の厚み方向に交差する方向(つまり、PCB110に平行な方向)に向けられた状態でドライバ130に固定され、ドライバ130と電気的に接続される。
【0048】
コネクタ260は、挿入口がPCB110の厚み方向に交差する方向(つまり、PCB110に平行な方向)に向けられた状態で光変調器120のパッケージ125の切欠部201のコネクタ250に対向する面201bに設けられ、光変調器120と電気的に接続される。すなわち、コネクタ260から光変調器120の内部へ突出する同軸端子261と、光変調器120内の中継基板122に形成された配線パターンとがはんだ付けされることにより、コネクタ260と光変調器120とが電気的に接続される。
【0049】
同軸ピン270は、コネクタ250の挿入口及びコネクタ260の挿入口に挿入されることによって、コネクタ250及びコネクタ260に接続する。そして、コネクタ250の内部において同軸ピン270とコネクタ250の同軸端子とが接触することによって、同軸ピン270とコネクタ250とが電気的に接続される。また、コネクタ260の内部において同軸ピン270とコネクタ260の同軸端子261とが接触することによって、同軸ピン270とコネクタ260とが電気的に接続される。これにより、コネクタ250、コネクタ260及び同軸ピン270を介して光変調器120とドライバ130とが電気的に接続される。
【0050】
このように、PCB110に平行な方向に沿って互いに対向するコネクタ250及びコネクタ260が同軸ピン270によって接続されるため、同軸ピン270の長さを最小限とすることができ、同軸ピン270における電気信号の減衰を低減して、電気信号の高周波特性を向上することができる。さらに、コネクタ250がドライバ130に直接固定されるため、コネクタ250とドライバ130との間の電気抵抗を低減することができ、電気信号の高周波特性をより向上することができる。
【0051】
以上のように、本実施例によれば、挿入口がPCBに平行な方向に向けられた状態でドライバに固定された一方のコネクタと、光変調器の切欠部の一方のコネクタに対向する面に固定された他方のコネクタとに同軸ピンを接続する。このため、同軸ピンの長さを最小限とすることができ、FPCを用いて光変調器とドライバとを接続する場合と比較して、電気信号の減衰を低減することができる。その結果、ドライバに対応する実装面積を削減しつつ、光変調器へ供給される電気信号の高周波特性を向上することができる。
【0052】
また、コネクタがドライバに直接固定されるため、コネクタとドライバとの間の電気抵抗を低減することができ、電気信号の高周波特性をより向上することができる。
【実施例3】
【0053】
実施例3の特徴は、光変調器のパッケージに他の切欠部を形成するとともに、DC端子を他の切欠部へ突出させ、他の切欠部においてPCB上の電極パターンにDC端子を電気的に接続することである。
【0054】
図8は、実施例3に係る光モジュールの構成を示す平面模式図である。図8において、図1と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
図8に示すように、光変調器120のパッケージ125のPCB110近傍には、切欠部201とは異なる他の切欠部301が形成されており、光変調器120からは、DC端子323が他の切欠部301へ突出している。DC端子323は、LSIから出力される直流の電気信号が入力される端子である。光変調器120には、変調器チップ121のDC電極の数に応じて、複数のDC端子323が設けられる。DC端子323に入力される電気信号が変調器チップ121の信号電極(つまり、DC電極)へ入力されることによって、変調器チップ121において得られる光信号の位相制御が行われる。また、DC端子323は、光変調器120のパッケージ125の他の切欠部301においてPCB110上の電極パターンに電気的に接続される。
【0056】
次いで、図9を参照して光変調器120、DC端子323及びPCB110の電気的な接続について説明する。図9は、実施例3に係る光モジュールの構成を示す側断面模式図である。図9に示すように、PCB110上には、コネクタ302が固定されており、光変調器120のパッケージ125の他の切欠部301へ突出するDC端子323は、他の切欠部301においてコネクタ302に接続される。そして、コネクタ302は、PCB110上の電極パターン303を介して図示しないLSIに接続される。すなわち、DC端子323は、他の切欠部301においてコネクタ302を介してPCB110上の電極パターン303に接続される。これにより、電極パターン303、コネクタ302及びDC端子323を介して、光変調器120とLSIとが電気的に接続される。このように、光変調器120のパッケージ125の下部に形成された他の切欠部301へDC端子323が突出し、DC端子323とPCB110上のコネクタ302とが接続されるため、光変調器120のパッケージ125の側面にDC端子が設けられる構成と比較して、実装面積を削減可能である。
【0057】
また、DC端子323と光変調器120の変調器チップ121とは、ワイヤボンディングを用いて電気的に接続される。すなわち、DC端子323は、導電性ワイヤ601を介して変調器チップ121のDC電極に接続される。
【0058】
以上のように、本実施例によれば、光変調器の下部に他の切欠部を形成するとともに、DC端子を他の切欠部へ突出させ、他の切欠部においてPCB上の電極パターンにDC端子を電気的に接続する。このため、ドライバに対応する実装面積だけでなく、DC端子に対応する実装面積を削減することができ、結果として、光変調器の小型化を促進することができる。
【0059】
なお、上記各実施例においては、挿入口がPCB110に平行な方向又はPCB110に垂直な方向に向けられた状態で一対のコネクタが配置されて同軸ピンによって接続されるものとした。しかし、挿入口がPCB110に平行な方向に向けられた状態で一方のコネクタが配置され、挿入口がPCB110に垂直な方向に向けられた状態で他方のコネクタが配置され、両方のコネクタが同軸ピンによって接続される構成とすることも可能である。すなわち、例えば図10に示すように、一方のコネクタ450は、光変調器120の切欠部201において挿入口がPCB110に平行な方向に向けられた状態でドライバ130に固定される。そして、他方のコネクタ460は、挿入口がPCB110に垂直な方向に向けられた状態で光変調器120の切欠部201の上面に設けられる。この場合、コネクタ450とコネクタ460とはL字状の同軸ピン470によって接続される。このような構成とすることにより、光モジュールの自由な設計が可能となる。なお、図10は、一対のコネクタの接続の変形例を示す図である。
【0060】
また、上記実施例1においては、コネクタ150は、PCB110に直接固定されるものとした。しかし、コネクタ150は、図11に示すように、複数のコネクタ150がアレイ状に配置されるベース部材550を介して、PCB110に固定されても良い。このような構成とすることにより、PCB110に対するコネクタ150の実装を容易にし、光モジュールの組み立て時の作業効率を向上することができる。なお、図11は、ベース部材の一例を示す図である。
【0061】
また、上記実施例1においては、コネクタ150と同軸ピン170とが別個に形成されるものとした。しかし、コネクタ150と同軸ピン170とは一体的に形成されても良い。この場合、例えば図12に示すように、コネクタ150と同軸ピン170とが一体的に形成されて得られる同軸コネクタ151が、PCB110に固定される。また、同軸コネクタ151は、光変調器120のパッケージ125の切欠部201において、PCB110上の電極パターン140を介してドライバ130に電気的に接続される。そして、同軸コネクタ151から上向きに突出する同軸端子151aが、コネクタ160の挿入口に挿入され、同軸コネクタ151とコネクタ160とが電気的に接続される。このような構成とすることにより、光変調器120とドライバ130との電気的な接続を容易にし、光モジュールの組み立て性を向上することができる。なお、図12は、光変調器とドライバとの接続の変形例1を示す図である。
【0062】
また、上記実施例2においては、コネクタ250と同軸ピン270とが別個に形成されるものとした。しかし、コネクタ250と同軸ピン270とは一体的に形成されても良い。この場合、例えば図13に示すように、コネクタ250と同軸ピン270とが一体的に形成されて得られる同軸コネクタ251が、ドライバ130に固定され、ドライバ130と電気的に接続される。そして、同軸コネクタ251から横向きに突出する同軸端子251aが、コネクタ260の挿入口に挿入され、同軸コネクタ251とコネクタ260とが電気的に接続される。このような構成とすることにより、光変調器120とドライバ130との電気的な接続を容易にし、光モジュールの組み立て性を向上することができる。なお、図13は、光変調器とドライバとの接続の変形例2を示す図である。
【0063】
また、光変調器120の長手方向の長さを短くするために、光変調器120のパッケージ125の側面のうち光変調器120の短手方向に存在する側面に入力側の光ファイバを配置しても良い。この場合、例えば図14に示すように、入力側の光ファイバ611と光変調器120の変調器チップ121とが光路変換部612を介して光学的に接続される。光路変換部612は、入力側の光ファイバ611から出力される光を光変調器120の長手方向へ光路変換し、光路変換後の光を変調器チップ121へ出力する。このような構成とすることにより、光変調器120の長手方向の長さを短くすることができる。なお、図14は、光ファイバの配置の変形例1を示す図である。
【0064】
なお、図14の構成では、出力側の光ファイバが光変調器120の長手方向に存在し、出力側の光ファイバに対応する長さだけ光変調器120の長手方向の長さが増大する。そこで、例えば図15に示すように、光変調器120のパッケージ125の側面のうち入力側の光ファイバ611が配置された側面に出力側の光ファイバ613を配置しても良い。この場合、出力側の光ファイバ613と光変調器120の変調器チップ121とがPBC124及び光路変換部614を介して光学的に接続される。光路変換部614は、PBC124から出力される光(光信号)を光変調器120の短手方向へ光路変換し、光路変換後の光を出力側の光ファイバ613へ出力する。このような構成とすることにより、光変調器120の長手方向の長さをより短くすることができる。なお、図15は、光ファイバの配置の変形例2を示す図である。
【0065】
また、上記実施例3においては、DC端子323が光変調器120のパッケージ125の他の切欠部301へ突出し、他の切欠部301においてコネクタ302を介してPCB110上の電極パターン303に接続するものとした。しかしながら、DC端子323とPCB110上の電極パターン303との接続構造は、これに限定されない。以下では、図16図25を参照して、DC端子323とPCB110上の電極パターン303との接続構造の変形例について説明する。
【0066】
図16は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例1を示す図である。図16に示す変形例1では、PCB110上の電極パターン303にコネクタ701が固定され、コネクタ701にフレキシブルプリント回路板(FPC:Flexible Printed Circuits)702の一端が挿入される。そして、FPC702の他端は、光変調器120のパッケージ125の他の切欠部301において折り曲げられ、光変調器120のDC端子323とはんだ703で接続される。すなわち、光変調器120のDC端子323は、FPC702に形成されたスルーホールを貫通し、FPC702のPCB110側の面において、はんだ703によってFPC702と接続される。このような構成により、DC端子323とPCB110上の電極パターン303とが電気的に接続される。なお、図16に示す例において、FPC702に代えて、リード線等の他の導電部材が用いられても良い。
【0067】
図17は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例2を示す図である。図17に示す変形例2では、FPC702の一端が、はんだ711によってPCB110上の電極パターン303に接続される。そして、FPC702の他端は、光変調器120のパッケージ125の他の切欠部301において折り曲げられ、光変調器120のDC端子323とはんだ703で接続される。すなわち、光変調器120のDC端子323は、FPC702に形成されたスルーホールを貫通し、FPC702のPCB110側の面において、はんだ703によってFPC702と接続される。このような構成により、DC端子323とPCB110上の電極パターン303とが電気的に接続される。なお、図17に示す例において、FPC702に代えて、リード線等の他の導電部材が用いられても良い。
【0068】
図18は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例3を示す図である。図18に示す変形例3では、FPC702の一端が、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film)721によってPCB110上の電極パターン303に接続される。そして、FPC702の他端は、光変調器120のパッケージ125の他の切欠部301において折り曲げられ、光変調器120のDC端子323とはんだ703で接続される。すなわち、光変調器120のDC端子323は、FPC702に形成されたスルーホールを貫通し、FPC702のPCB110側の面において、はんだ703によってFPC702と接続される。このような構成により、DC端子323とPCB110上の電極パターン303とが電気的に接続される。なお、図18に示す例において、FPC702に代えて、リード線等の他の導電部材が用いられても良い。
【0069】
図19は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例4を示す図である。図19に示す変形例4では、光変調器120のDC端子323は、FPC702に形成されたスルーホールを貫通し、FPC702のPCB110側の面において、はんだ703によってFPC702と接続される。そして、FPC702は、光変調器120のパッケージ125の他の切欠部301において折り曲げられる。FPC702の一端には、接点部材722がはんだ付けされており、FPC702の屈曲に伴って接点部材722がPCB110上の電極パターン303に接触する。また、FPC702の屈曲に伴って対向する一対の対向面の間には、弾性部材723が挿入されており、弾性部材723がPCB110上の電極パターン303の向きに接点部材722を押し付ける。このような構成により、DC端子323とPCB110上の電極パターン303とが電気的に接続される。なお、図19に示す例において、FPC702に代えて、リード線等の他の導電部材が用いられても良い。
【0070】
図20は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例5を示す図である。図20に示す変形例5では、光変調器120のDC端子323は、FPC731に形成されたスルーホールを貫通し、FPC731のPCB110側の面において、はんだによってFPC731と接続される。そして、FPC731のPCB110側の面には、バネ接点部材732が固定される。バネ接点部材732は、バネ性を有し、PCB110上の電極パターン303に弾性的に接触する。このような構成により、DC端子323とPCB110上の電極パターン303とが電気的に接続される。なお、図20に示す例において、FPC731に代えて、リジッド基板が用いられても良い。
【0071】
図21は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例6を示す図である。図21に示す変形例6では、光変調器120のDC端子323は、FPC731に形成されたスルーホールを貫通し、FPC731のPCB110側の面において、はんだによってFPC731と接続される。FPC731のPCB110側の面には、電極パターン733が形成される。そして、PCB110上の電極パターン303には、バネ接点部材732が固定される。バネ接点部材732は、バネ性を有し、FPC731の電極パターン733に弾性的に接触する。このような構成により、DC端子323とPCB110上の電極パターン303とが電気的に接続される。なお、図21に示す例において、FPC731に代えて、リジッド基板が用いられても良い。
【0072】
図22は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例7を示す図である。図22に示す変形例7では、光変調器120のDC端子323は、FPC731に形成されたスルーホールを貫通し、FPC731のPCB110側の面において、はんだによってFPC731と接続される。FPC731のPCB110側の面には、コネクタ741がはんだ付けされており、PCB110上の電極パターン303には、コネクタ742がはんだ付けされている。そして、コネクタ741及びコネクタ742には、導電性を有する導電ピン743が接続され、コネクタ741及びコネクタ742は、導電ピン743を介して電気的に接続される。このような構成により、DC端子323とPCB110上の電極パターン303とが電気的に接続される。なお、図22に示す例において、導電ピン743に代えて、同軸ピンが用いられても良い。
【0073】
図23は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例8を示す図である。図23に示す変形例8では、光変調器120のDC端子323は、FPC731に形成されたスルーホールを貫通し、FPC731のPCB110側の面において、はんだによってFPC731と接続される。FPC731のPCB110側の面には、電極パターン751が形成される。そして、FPC731の電極パターン751と、PCB110上の電極パターン303との間には、導電性を有する弾性材料752が介挿される。弾性材料752は、例えば、導電性ゴム、導電性エラストマ及び導電性シリコン等である。このような構成により、DC端子323とPCB110上の電極パターン303とが電気的に接続される。なお、図23に示す例において、FPC731に代えて、リジッド基板が用いられても良い。
【0074】
図24は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例9を示す図である。図24に示す変形例9では、光変調器120のDC端子323の先端に、導電性を有する弾性材料761が配置される。弾性材料761は、例えば、導電性ゴム、導電性エラストマ及び導電性シリコン等である。そして、弾性材料761を介して、DC端子323と電極パターン303が弾性的に接触する。このような構成により、DC端子323とPCB110上の電極パターン303とが電気的に接続される。
【0075】
図25は、DC端子とPCB上の電極パターンとの接続構造の変形例10を示す図である。図25に示す変形例10では、光変調器120のDC端子323の先端が折り曲げられてばね接点が形成され、DC端子323の屈曲部分がPCB110上の電極パターン303に接触する。また、DC端子323の先端と切欠部301の上面との間には、弾性材料771が介挿され、DC端子323の過剰な屈曲を抑制される。このような構成により、DC端子323とPCB110上の電極パターン303とが電気的に接続される。なお、図23に示す例において、弾性材料771が省略されても良い。
【符号の説明】
【0076】
100 光モジュール
110 PCB
120 光変調器
121 変調器チップ
122 中継基板
123、323 DC端子
130 ドライバ
140 電極パターン
150、160、250、260、302 コネクタ
170、270 同軸ピン
201 切欠部
201a、201b 面
301 他の切欠部
550 ベース部材
【要約】
【課題】実装面積を削減しつつ、高周波特性を向上すること。
【解決手段】光モジュールは、電気信号を生成するドライバと、ドライバの少なくとも一部が収容される切欠部を有し、ドライバによって生成される電気信号を用いて光変調を行う光変調器を有する。また、光モジュールは、光変調器の切欠部においてドライバと電気的に接続する第1のコネクタを有する。また、光モジュールは、光変調器の切欠部の第1のコネクタに対向する面に設けられ、光変調器と電気的に接続する第2のコネクタを有する。また、光モジュールは、第1のコネクタ及び第2のコネクタに接続し、ドライバによって生成される電気信号を光変調器へ伝送する同軸ピンを有する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25