特許第6168229号(P6168229)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6168229
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】落雷状況監視システム
(51)【国際特許分類】
   H05F 3/04 20060101AFI20170713BHJP
   H02G 13/00 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   H05F3/04 G
   H02G13/00 060
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-228755(P2016-228755)
(22)【出願日】2016年11月25日
【審査請求日】2017年2月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511019144
【氏名又は名称】株式会社落雷抑制システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】松本 敏男
【審査官】 澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−189774(JP,A)
【文献】 特開平10−197652(JP,A)
【文献】 特開2007−121110(JP,A)
【文献】 特公昭63−41298(JP,B2)
【文献】 特開2010−205687(JP,A)
【文献】 特開2008−10241(JP,A)
【文献】 特許第5780552(JP,B2)
【文献】 特開2014−36570(JP,A)
【文献】 特開2015−167437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05F 3/04
H02G 13/00
G01W 1/18
G01R 19/00 − 19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地理的に離散した保護対象箇所における被保護体の外部高所に配置される落雷抑制型避雷針への落雷により生じる雷電流を入力するコイルと;
前記コイルから入力される雷電流の大きさに応じた複数ビット表現の雷電流測定データを生成する測定器と;
前記測定器により生成される前記雷電流測定データを無線周波数信号として送信する第1の無線通信機と;
前記コイルから入力される雷電流で充電され、充電容量の存続期間においては、前記測定器及び前記第1の無線通信機を稼働する電源と;
前記第1の無線通信機との直接無線通信により前記複数ビット表現の雷電流測定データを受信する第2の無線通信機と;
前記第2の無線通信機により受信される前記雷電流測定データに少なくとも保護対象箇所を示す識別情報を付加して生成された落雷状況監視信号を通信ネットワークを介して集中管理箇所宛に送信する有線通信機と、を備え;
前記コイル、前記測定器、前記第1の無線通信機及び前記電源は、前記落雷抑制型避雷針に配置され、前記第2の無線通信機及び前記有線通信機は、前記被保護体の内部に配置される、落雷状況監視装置。
【請求項2】
前記電源は、雷電流で充電されるキャパシタを含むキャパシタ電源である、請求項1記載の落雷状況監視装置。
【請求項3】
前記キャパシタ電源が雷電流による充電容量の存続期間外においては、外部電源に切り替えるための切替スイッチを更に備える、請求項2記載の落雷状況監視装置。
【請求項4】
前記コイル、前記測定器、前記第1の無線通信機及び前記電源は、前記落雷抑制型避雷針を構成する支持部材に後付け可能に配置される、請求項1記載の落雷状況監視装置。
【請求項5】
前記コイルは、前記落雷抑制型避雷針を構成する支持部材を流れる雷電流を前記測定器及び前記電源に入力するロゴスキーコイルである、請求項1記載の落雷状況監視装置。
【請求項6】
前記通信ネットワークは、IoT技術の適用を可能にするインターネットである、請求項1記載の落雷状況監視装置。
【請求項7】
前記測定器は、前記第1の無線通信機が前記集中管理箇所から送信された生存確認のためのヘルスチェック問合信号を前記有線通信機及び前記第2の無線通信機を介して受信したときは、前記複数ビット表現のヘルスチェック応答データを生成する、請求項1記載の落雷状況監視装置。
【請求項8】
前記第1の無線通信機は、前記測定器により生成される前記ヘルスチェック応答データを無線周波数信号として送信し、
前記第2の無線通信機は、前記第1の無線通信機との直接無線通信により前記複数ビット表現のヘルスチェック応答データを受信し、
前記有線通信機は、前記第2の無線通信機により受信される前記ヘルスチェック応答データに少なくとも保護対象箇所を示す識別情報を付加したヘルスチェック応答信号を生成し、前記通信ネットワークを介して前記集中管理箇所宛に送信する、請求項7記載の落雷状況監視装置。
【請求項9】
前記落雷状況監視信号及び前記ヘルスチェック応答信号には、現在時刻情報が更に付加されている、請求項1または8記載の落雷状況監視装置。
【請求項10】
地理的に離散した保護対象箇所における被保護体の外部高所に配置される落雷抑制型避雷針への落雷により生じる雷電流をコイルから入力し;
前記コイルから入力される雷電流の大きさに応じた複数ビット表現の雷電流測定データを測定器により生成し;
前記測定器により生成される前記雷電流測定データを無線周波数信号として第1の無線通信機から送信し;
前記コイルから入力される雷電流で充電される電源により、充電容量の存続期間においては、前記測定器及び前記第1の無線通信機を稼働し;
前記第1の無線通信機との直接無線通信により前記複数ビット表現の雷電流測定データを第2の無線通信機によって受信し;
前記第2の無線通信機により受信される前記雷電流測定データに少なくとも保護対象箇所を示す識別情報を付加して生成された落雷状況監視信号を通信ネットワークを介して集中管理箇所宛に有線通信機から送信する;
前記コイル、前記測定器、前記第1の無線通信機及び前記電源は、前記落雷抑制型避雷針に配置され、前記第2の無線通信機及び前記有線通信機は、前記被保護体の内部に配置される落雷状況監視装置による、落雷状況監視方法。
【請求項11】
前記電源は、雷電流で充電されるキャパシタを含むキャパシタ電源である、請求項10記載の落雷状況監視方法。
【請求項12】
前記キャパシタ電源が雷電流による充電容量の存続期間外においては、切替スイッチにより外部電源に切り替える、請求項11記載の落雷状況監視方法。
【請求項13】
前記コイル、前記測定器、前記第1の無線通信機及び前記電源は、前記落雷抑制型避雷針を構成する支持部材に後付け可能に配置される、請求項10記載の落雷状況監視方法。
【請求項14】
前記コイルは、前記落雷抑制型避雷針を構成する支持部材を流れる雷電流を前記測定器及び前記電源に入力するロゴスキーコイルである、請求項10記載の落雷状況監視方法。
【請求項15】
前記通信ネットワークは、IoT技術の適用を可能にするインターネットである、請求項10記載の落雷状況監視方法。
【請求項16】
前記測定器は、前記第1の無線通信機が前記集中管理箇所から送信された生存確認のためのヘルスチェック問合信号を前記有線通信機及び前記第2の無線通信機を介して受信したときは、前記複数ビット表現のヘルスチェック応答データを生成する、請求項10記載の落雷状況監視方法。
【請求項17】
前記第1の無線通信機は、前記測定器により生成される前記ヘルスチェック応答データを無線周波数信号として送信し、
前記第2の無線通信機は、前記第1の無線通信機との直接無線通信により前記複数ビット表現のヘルスチェック応答データを受信し、
前記有線通信機は、前記第2の無線通信機により受信される前記ヘルスチェック応答データに少なくとも保護対象箇所を示す識別情報を付加したヘルスチェック応答信号を生成し、前記通信ネットワークを介して前記集中管理箇所宛に送信する、請求項16記載の落雷状況監視方法。
【請求項18】
前記落雷状況監視信号及び前記ヘルスチェック応答信号には、現在時刻情報が更に付加されている、請求項10または17記載の落雷状況監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、落雷状況監視システムに関し、特に、落雷状況監視装置及び落雷状況監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
雷保護概念の変遷に伴い、落雷を突針形避雷針(フランクリンロッドとも称される)に受けて大地に流す受雷針の形態から、落雷を抑制することで、雷害から建築物、建造物、及び設備機器などの被保護体を保護する落雷抑制型避雷針の形態に変化している。
【0003】
落雷を抑制する技術として、消イオン容量型避雷針(PDCE:Pararrayos Desionnizador Carge Electrostatica)が実現され、その効果を発揮している。つまり、この消イオン容量型避雷針(単に、PDCEと記載することもある)は、雷雲からのステップトリーダに向かう上向きストリーマ(お迎え放電)の発生を起こりにくくしたものであるので、PDCEを外部高所に取り付けた建築物などの被保護体には、落雷現象が起き難い。
【0004】
このPDCEの更なる詳細については、出願人が数々提案した落雷抑制型避雷装置、例えば特許文献1を参照可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5,780,552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そして、現状では、地理的に離散する多数の保護対象箇所(例えば、日本全国)にそれぞれ配置されているPDCE、つまり落雷抑制型避雷針への落雷状況を監視し、落雷状況を集中管理箇所に収集可能にすることが更に要求されている。
【0007】
ところで、近年、IoT(Internet of Things)と称される技術が注目されている。このIoTは、あらゆる物体(モノ)がOPEN特性を有するインターネットにアクセス可能な状態になることにより、物体から発生されるデータを利活用することを実現するための一技術である。
【0008】
出願人は、落雷に対する有効性が確認されている落雷抑制型避雷針を活用し、好ましくはIoT技術と連携させることにより、上述した更なる要求に対処することに着目した。
【0009】
本発明の課題は、地理的に離散配置の落雷抑制型避雷針への落雷状況を監視し、落雷状況を集中管理箇所にリアルタイムにかつ自律的に通知可能にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の一態様の落雷状況監視装置は、地理的に離散した保護対象箇所における被保護体の外部高所に配置される落雷抑制型避雷針への落雷により生じる雷電流を入力するコイルと;前記コイルから入力される雷電流の大きさに応じた複数ビット表現の雷電流測定データを生成する測定器と;前記測定器により生成される前記雷電流測定データを無線周波数信号として送信する第1の無線通信機と;前記コイルから入力される雷電流で充電され、充電容量の存続期間においては、前記測定器及び前記第1の無線通信機を稼働する電源と、を備える。また、落雷状況監視装置は、前記第1の無線通信機との直接無線通信により前記複数ビット表現の雷電流測定データを受信する第2の無線通信機と;前記第2の無線通信機により受信される前記雷電流測定データに少なくとも保護対象箇所を示す識別情報を付加して生成された落雷状況監視信号を、通信ネットワークを介して集中管理箇所宛に送信する有線通信機とを備え;前記コイル、前記測定器、前記第1の無線通信機及び前記電源は、前記落雷抑制型避雷針に配置され、前記第2の無線通信機及び前記有線通信機は、前記被保護体の内部に配置される。
【0011】
本発明の他の態様の落雷状況監視方法は、地理的に離散した保護対象箇所における被保護体の外部高所に配置される落雷抑制型避雷針への落雷により生じる雷電流をコイルから入力し;前記コイルから入力される雷電流の大きさに応じた複数ビット表現の雷電流測定データを測定器により生成し;前記測定器により生成される前記雷電流測定データを無線周波数信号として第1の無線通信機から送信し;前記コイルから入力される雷電流で充電される電源により、充電容量の存続期間においては、前記測定器及び前記第1の無線通信機を稼働する。また、落雷状況監視方法は、前記第1の無線通信機との直接無線通信により前記複数ビット表現の雷電流測定データを第2の無線通信機によって受信し;前記第2の無線通信機により受信される前記雷電流測定データに少なくとも保護対象箇所を示す識別情報を付加して生成された落雷状況監視信号を、通信ネットワークを介して集中管理箇所宛に有線通信機から送信する;前記コイル、前記測定器、前記第1の無線通信機及び前記電源は、前記落雷抑制型避雷針に配置され、前記第2の無線通信機及び前記有線通信機は、前記被保護体の内部に配置される落雷状況監視装置による落雷状況監視方法である。
【0012】
各態様において、前記電源は、雷電流で充電されるキャパシタを含むキャパシタ電源である。前記キャパシタ電源が雷電流による充電容量の存続期間外においては、外部電源に切り替えるための切替スイッチを更に備える。
【0013】
各態様において、前記コイル、前記測定器、前記第1の無線通信機及び前記電源は、前記落雷抑制型避雷針を構成する支持部材に後付け可能に配置される。前記コイルは、前記落雷抑制型避雷針を構成する支持部材を流れる雷電流を前記測定器及び前記電源に入力するロゴスキーコイルである。前記通信ネットワークは、IoT技術の適用を可能にするインターネットである。
【0014】
各態様において、前記測定器は、前記第1の無線通信機が前記集中管理箇所から送信された生存確認のためのヘルスチェック問合信号を前記有線通信機及び前記第2の無線通信機を介して受信したときは、前記複数ビット表現のヘルスチェック応答データを生成する。
【0015】
各態様において、前記第1の無線通信機は、前記測定器により生成される前記ヘルスチェック応答データを無線周波数信号として送信し、前記第2の無線通信機は、前記第1の無線通信機との直接無線通信により前記複数ビット表現のヘルスチェック応答データを受信し、前記有線通信機は、前記第2の無線通信機により受信される前記ヘルスチェック応答データに少なくとも保護対象箇所を示す識別情報を付加したヘルスチェック応答信号を生成し、前記通信ネットワークを介して前記集中管理箇所宛に送信する。
【0016】
各態様において、前記落雷状況監視信号及び前記ヘルスチェック応答信号には、現在時刻情報が更に付加されている。
【発明の効果】
【0017】
開示した技術によれば、地理的に離散配置の落雷抑制型避雷針への落雷状況を監視し、落雷状況を集中管理箇所においてリアルタイムに収集可能にすることができる。
【0018】
他の課題、特徴及び利点は、図面及び特許請求の範囲とともに取り上げられる際に、以下に記載される発明を実施するための形態を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施の形態の落雷状況監視システムの概要を説明するための図。
図2】一実施の形態の落雷状況監視システムの詳細を説明するための図。
図3】雷電流測定データを説明するための図。
図4】落雷状況監視信号を説明するための図。
図5】ヘルスチェック応答信号を説明するための図。
図6】ヘルスチェック問合信号を説明するための図。
図7】一実施の形態の落雷状況監視システムにおける落雷状況監視処理を説明するためのシーケンスチャート。
図8】一実施の形態の落雷状況監視システムにおけるヘルスチェック処理を説明するためのシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、さらに詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0021】
[落雷状況監視システムの概要]
一実施の形態におけるシステムを示す図1を参照すると、落雷状況監視システム1は、落雷に対する有効性が確認されている落雷抑制型避雷針を活用し、IoT技術と連携することにより、例えば、日本全国の地理的に離散した保護対象箇所からの落雷状況をリアルタイムに収集することを可能にするシステムである。
【0022】
この落雷状況監視システム1は、落雷抑制型避雷針2、落雷状況監視装置3、中継器4、通信ネットワーク5、及び落雷状況遠隔監視センタ6を備える。落雷状況監視システム1においては、落雷抑制型避雷針2、落雷状況監視装置3、及び中継器4は、地理的に離散した保護対象箇所にそれぞれ配置される。
【0023】
落雷抑制型避雷針2は、雷害から建築物、建造物、及び設備機器などの被保護体を保護する避雷針であり、上記特許文献1に開示の落雷抑制型避雷装置などの消イオン容量型避雷針(PDCE)を適用可能である。この落雷抑制型避雷針2は、通常、地理的に離散した保護対象箇所における被保護体の外部高所に配置される。
【0024】
落雷状況監視装置3は、落雷抑制型避雷針2を構成する支持部材(支持管)21に後付け可能に配置され、円筒または角筒などの筒形形状である。この落雷状況監視装置3は、落雷抑制型避雷針2への落雷状況を監視し、落雷状況を集中管理箇所としての落雷状況遠隔監視センタ6にリアルタイムにかつ自律的に通知するために、後に詳述するように、雷電流測定機能、無線通信機能、及び制御機能を遂行するための構成要素を有する。
【0025】
中継器4は保護対象箇所における被保護体(例えば、建築物)の内部に配置される。この中継器4は、被保護体の外部高所に配置された落雷状況監視装置3と連携動作することにより、落雷状況を通信ネットワーク5を介して落雷状況遠隔監視センタ6に通知する。また、中継器4は、後に詳述するように、落雷状況監視装置3との無線通信機能、通信ネットワーク5を介した落雷状況遠隔監視センタ6との有線通信機能、及び制御機能を遂行するための構成要素を有する。なお、中継器4は落雷状況監視装置3の一構成要素でもある。
【0026】
通信ネットワーク5は、落雷状況監視システム1がIoT技術の適用を前提にしているので、ここではOPEN特性を有するインターネットである。この通信ネットワーク5には、図示を省略しているが、地理的に離散する多数の保護対象箇所における複数の中継器4が接続される。
【0027】
落雷状況遠隔監視センタ6は、集中管理箇所に配置され、通信ネットワーク5を介して、地理的に離散する多数の保護対象箇所における複数の中継器4から落雷状況を収集する。そして、落雷状況遠隔監視センタ6は落雷(特に、雲・大地間放電)に伴う被害抑制を図るなどのための予め定められた処理を実行する。また、落雷状況遠隔監視センタ6は、配下の落雷状況監視装置3及び中継器4とヘルスチェックを予め定められた周期で実施することにより、中継器4と共に落雷状況監視装置3の正常性を確認する。
【0028】
[落雷状況監視システムの詳細]
次に、図1に示す一実施の形態の落雷状況監視システム1の詳細について、図1及び図2、更に関連図を併せ参照して説明する。
【0029】
(落雷状況監視装置)
落雷状況監視システム1における落雷状況監視装置3は、ロゴスキーコイル(Rogowskii coil)31、雷電流測定器32、無線通信機33、アンテナ34、制御装置35、及びキャパシタ電源36を含む。また、落雷状況監視装置3は補助電源(外部電源)37を有する。
【0030】
落雷状況監視装置3におけるロゴスキーコイル31は、導体を流れる大電流を非接触で測定するための環状コイルであり、落雷(雲・大地間放電)により落雷抑制型避雷針2の支持部材21を流れる雷電流を雷電流測定器32に入力する。なお、雷電流測定器32に入力される雷電流は、厳密には雷電流に応じてロゴスキーコイル31中に発生される誘導電流である。
【0031】
雷電流測定器32はロゴスキーコイル31から入力された雷電流の大きさ(雷電流レベルと記載することもある)を測定する。つまり、この雷電流測定器32は、アナログ/デジタル(A/D)変換器321及びデジタルデータ生成器322を含み、制御装置35の制御に基づいて、ロゴスキーコイル31から入力された雷電流の大きさに応じた3ビットのデジタル値を雷電流測定データとして生成する。生成された雷電流測定データは無線通信機33に入力される。
【0032】
更に詳述すると、雷電流測定器32において生成される雷電流測定データは、図3に例示するように、3ビットのデジタル値「000,001,010,・・・110」で雷電流の大きさを表すので、7パターンの形態がある。
【0033】
デジタルデータ生成器322は、雷電流レベルが0A〜1kAであるときはデジタル値「000」、雷電流レベルが1kA超〜2kAであるときはデジタル値「001」、・・・雷電流レベルが5kA超〜6kAであるときはデジタル値「101」、及び雷電流レベルが6kA超であるときはデジタル値「110」の雷電流測定データを生成するように、A/D変換器321と連携動作する。
【0034】
また、デジタルデータ生成器322は、無線通信機33が落雷状況遠隔監視センタ6から送信されたヘルスチェック問合信号(生存確認問合信号)HCQを中継器4を介して受信したときは、ヘルスチェック問合信号HCQを検出する制御装置35からの指示に応じて、3ビットのデジタル値「111」をヘルスチェック応答データ(生存確認応答データ)として生成する。
【0035】
落雷状況監視装置3における無線通信機33は、制御装置35の制御に基づいて、雷電流測定器32により生成された雷電流の大きさを表す雷電流測定データに予め定められた変調処理などを施し、無線周波数信号としてアンテナ34から送信する。ここでは、この無線通信機33はWiFi(Wireless Fidelity)送受信器により構成されている。なお、以下の説明では、不明確にならない限りアンテナ34の介在を省略する。
【0036】
制御装置35は、図示省略のプロセッサ及びメモリを有し、プロセッサがメモリに記憶されている制御プログラムを実行することにより、落雷状況監視装置3の各構成要素を統括的に制御し、落雷状況監視処理またはヘルスチェック処理を遂行する。
【0037】
キャパシタ電源36は、蓄電デバイスとして、ロゴスキーコイル31から入力される雷電流で充電されるキャパシタを含む電源である。キャパシタには、例えば、電気2重層キャパシタ(EDLC:Electric Double Layer Capacitor)を適用することが可能である。
【0038】
このキャパシタ電源36は、雷電流による充電容量の存続期間においては、落雷状況監視装置3における雷電流測定器32、無線通信機33及び制御装置35を稼働させるための主電源となる。したがって、落雷状況監視装置3は、キャパシタ電源36の雷電流による充電容量の存続期間においては、外部電源としての補助電源37を必要にしない。
【0039】
補助電源37には、商用交流電源からAC/DC変換後の直流電源が適用可能である。キャパシタ電源36の所定電圧低下が制御装置35により検出されたときは、制御装置35は補助電源37によりバックアップするための切替スイッチSWを作動させる。この切替スイッチSWは、キャパシタ電源36から雷電流測定器32、無線通信機33及び制御装置35への給電経路に配置される。
【0040】
(中継器)
上述したように落雷状況監視システム1においては、落雷状況監視装置3は、落雷抑制型避雷針2の支持部材21に配置される、つまり保護対象箇所における被保護体(例えば、建築物)の外部高所に配置される。これに対して、中継器4は保護対象箇所における被保護体の内部に配置される。
【0041】
この中継器4は、落雷状況監視装置3の一構成要素として機能し、落雷状況監視装置3と連携動作することにより、落雷状況またはヘルスチェック応答を通信ネットワーク5を介して落雷状況遠隔監視センタ6に通知する。このために中継器4は、無線通信機41、アンテナ42、有線通信機43、及び制御装置44を含む。なお、中継器4の電源(図示省略)には、商用交流電源からAC/DC変換後の直流電源が適用される。
【0042】
中継器4における無線通信機41は、WiFi送受信器により構成され、落雷状況監視装置3における無線通信機33と直接無線通信を行い、無線LAN(Local Area Network)を形成する。ここでは、特定小電力無線(LPWA:Low Power Wide Area)のカバレッジ範囲と共に電波干渉などを考慮し、無線通信機33と無線通信機41との距離(伝送距離)を100m以内に設定している。
【0043】
無線通信機41は、制御装置44の制御に基づいて、無線通信機33から送信された雷電流測定データまたはヘルスチェック応答データを無線周波数信号としてアンテナ42を介して受信し、予め定められた復調処理などを施し、ベースバンド信号の雷電流測定データとして有線通信機43に入力する。なお、以下の説明では、不明確にならない限りアンテナ42の介在を省略する。
【0044】
有線通信機43は、制御装置44の制御に基づいて、入力された雷電流測定データを含む落雷状況監視信号SSM、または入力されたヘルスチェック応答データを含むヘルスチェック応答信号(生存確認応答信号)HCRを通信ネットワーク5を介して落雷状況遠隔監視センタ6に通知する。
【0045】
詳述すると、制御装置44は、雷電流測定データが有線通信機43に入力されると、宛先情報(DS)、保護対象箇所を示す識別情報(ID)、及び現在時刻情報(TM)を雷電流の大きさ(雷電流レベル)を表す雷電流測定データ(LV)に付加したパケット形態の落雷状況監視信号SSM(図4参照)を生成し、有線通信機43から送信させる。
【0046】
また、制御装置44は、ヘルスチェック応答データが有線通信機43に入力されると、宛先情報(DS)、保護対象箇所を示す識別情報(ID)、及び現在時刻情報(TM)をヘルスチェック応答データ(HC)に付加したパケット形態のヘルスチェック応答信号HCR(図5参照)を生成し、有線通信機43から送信させる。
【0047】
ここで、落雷状況監視信号SSMまたはヘルスチェック応答信号HCRに含まれる宛先情報(DS)は落雷状況遠隔監視センタ6内の集中管理装置61を特定するためのアドレス(IP(Internet Protocol)アドレス)である。また、保護対象箇所を示す識別情報(ID)は落雷状況監視装置3及び中継器4を特定するためのアドレス(IPアドレス)である。さらに、現在時刻情報(TM)は標準時刻及び通算秒(積算秒)のいずれかを適用可能である。
【0048】
一方、制御装置44は、有線通信機43が落雷状況遠隔監視センタ6から送信されたパケット形態のヘルスチェック問合信号HCQ(図6参照)を受信したことをヘルスチェック問合フラグ(FL)に基づいて検出したときは、このヘルスチェック問合信号HCQを無線通信機41に入力させる。
【0049】
ここで、ヘルスチェック問合信号HCQに含まれる宛先情報としての保護対象箇所を示す識別情報(ID)は落雷状況監視装置3及び中継器4を特定するためのアドレス(IPアドレス)である。また、送信元情報(SA)は落雷状況遠隔監視センタ6内の集中管理装置61を特定するためのアドレス(IPアドレス)である。
【0050】
無線通信機41は、制御装置44の制御に基づいて、有線通信機43から入力されたヘルスチェック問合信号HCQに予め定められた変調処理などを施し、無線周波数信号として落雷状況監視装置3に送信する。なお、制御装置44は、ヘルスチェック問合フラグ(FL)だけを含むヘルスチェック問合信号HCQを再構成し、無線通信機41から落雷状況監視装置3に送信させてもよい。
【0051】
制御装置44は、図示省略のプロセッサ及びメモリを有し、プロセッサがメモリに記憶されている制御プログラムを実行することにより、中継器4の各構成要素を統括的に制御し、落雷状況監視処理またはヘルスチェック処理を遂行する。
【0052】
(集中管理装置)
落雷状況監視システム1における集中管理箇所に配置される落雷状況遠隔監視センタ6は、通信ネットワーク5を介して、地理的に離散する多数の保護対象箇所における複数の中継器4から落雷状況を収集するために、集中管理装置61を備える。
【0053】
この集中管理装置61は、複数の中継器4から収集した落雷状況監視信号SSMに基づいて、地理的に離散する多数の保護対象箇所における落雷状況を分析し、落雷に伴う被害抑制を図るなどのための予め定められた処理を実行する。
【0054】
また、落雷状況遠隔監視センタ6における集中管理装置61は、配下の落雷状況監視装置3及び中継器4とヘルスチェックを予め定められた周期で実施することにより、中継器4と共に落雷状況監視装置3の正常性を確認する。このヘルスチェックのために、集中管理装置61は、配下の落雷状況監視装置3及び中継器4との間でヘルスチェック問合信号HCQ及びヘルスチェック応答信号HCRを送受信する。
【0055】
この集中管理装置61は、例えば、パーソナルコンピュータにより実現することが可能であり、図示省略のプロセッサ及びメモリを有し、プロセッサがメモリに記憶されている制御プログラムを実行することにより、落雷状況収集処理またはヘルスチェック処理を遂行する。他の構成要素、つまり通信機能部、情報表示・入力・指定機能部、及び情報保持機能部などについても、当業者が容易に理解でき、実施可能であるので、ここでは図示を省略している。なお、集中管理装置61の電源(図示省略)には、商用交流電源からAC/DC変換後の直流電源が適用される。
【0056】
集中管理装置61は落雷状況収集処理またはヘルスチェック処理の結果を情報保持機能部に記憶(格納)して利活用に供する。
【0057】
(落雷状況監視処理)
図7は上述した落雷状況監視システム1における落雷状況監視処理のシーケンスの一例を示す。
【0058】
落雷状況監視装置3においては、電源(補助電源37)投入を契機に制御プログラムが起動され、制御装置35が雷電流測定器32、無線通信機33、キャパシタ電源36、及び切替スイッチSWと連携動作することにより、次に述べる落雷状況監視処理を遂行する。
【0059】
[処理S31]制御装置35は切替スイッチSWをオフ制御する。これにより、補助電源37からの給電経路が再設定される。
【0060】
[処理S32]制御装置35は、キャパシタ電源36の出力電圧を検出することにより、キャパシタ電源36が雷電流による充電容量の存続期間であることを判定する。
【0061】
[処理S33]制御装置35は、キャパシタ電源36が雷電流による充電容量の存続期間であることを判定したときは、切替スイッチSWをオン制御する。これにより、キャパシタ電源36からの給電経路が設定される。
【0062】
[処理S34]雷電流測定器32は雷電流の大きさに応じた複数ビット表現の雷電流測定データを生成する。
【0063】
[処理S35]無線通信機33は生成された雷電流測定データを無線周波数信号として送信する。
【0064】
なお、上記処理S32において、キャパシタ電源36が雷電流による充電容量の存続期間外であることが判定されたときは、補助電源37からの給電により、上記処理S34及び上記処理S35が行われる。
【0065】
また、中継器4においては、電源投入を契機に制御プログラムが起動され、制御装置44が無線通信機41及び有線通信機43と連携動作することにより、次に述べる落雷状況監視処理を遂行する。
【0066】
[処理S41]無線通信機41は複数ビット表現の雷電流測定データを受信する。
【0067】
[処理S42]制御装置44は、宛先情報、保護対象箇所を示す識別情報、及び現在時刻情報を雷電流測定データに付加した落雷状況監視信号を生成する。
【0068】
[処理S43]有線通信機43は生成された落雷状況監視信号を送信する。
【0069】
さらに、集中管理装置61においては、電源投入を契機に制御プログラムが起動され、各構成要素が連携動作することにより、次に述べる落雷状況監視処理を遂行する。
【0070】
[処理S61]各中継器4から送信された落雷状況監視信号を受信する。
【0071】
[処理S62]受信した落雷状況監視信号に基づいて予め定められた処理を行う。
【0072】
(ヘルスチェック処理)
図8は上述した落雷状況監視システム1におけるヘルスチェック処理のシーケンスの一例を示す。
【0073】
集中管理装置61においては、電源投入を契機に制御プログラムが起動され、各構成要素が連携動作することにより、次に述べるヘルスチェック処理を遂行する。
【0074】
[処理S601]予め定められた周期の到来を判定する。
【0075】
[処理S602]予め定められた周期であるとき、ヘルスチェック問合信号を生成する。
【0076】
[処理S603]生成したヘルスチェック問合信号を配下の落雷状況監視装置3及び中継器4宛に送信する。
【0077】
[処理S604]各中継器4から送信されたヘルスチェック応答信号を受信する。
【0078】
[処理S605]受信したヘルスチェック応答信号に基づいて予め定められた処理を行う。
【0079】
また、中継器4においては、電源投入を契機に制御プログラムが起動され、制御装置44が無線通信機41及び有線通信機43と連携動作することにより、次に述べるヘルスチェック処理を遂行する。
【0080】
[処理S401]有線通信機43はヘルスチェック問合信号を受信する。
【0081】
[処理S402]制御装置44は、有線通信機43がヘルスチェック問合信号を受信したことをヘルスチェック問合フラグに基づいて検出したときは、このヘルスチェック問合信号を無線通信機41に入力させる。
【0082】
[処理S403]無線通信機41は入力されたヘルスチェック問合信号を送信する。
【0083】
[処理S404]無線通信機41はヘルスチェック応答データを受信する。
【0084】
[処理S405]制御装置44は、宛先情報、保護対象箇所を示す識別情報、及び現在時刻情報をヘルスチェック応答データに付加したヘルスチェック応答信号を生成する。
【0085】
[処理S406]有線通信機43は生成されたヘルスチェック応答信号を送信する。
【0086】
さらに、落雷状況監視装置3においては、電源(補助電源37)投入を契機に制御プログラムが起動され、制御装置35が雷電流測定器32、無線通信機33、キャパシタ電源36、及び切替スイッチSWと連携動作することにより、次に述べるヘルスチェック処理を遂行する。
【0087】
[処理S301]制御装置35は切替スイッチSWをオフ制御する。これにより、補助電源37からの給電経路が再設定される。
【0088】
[処理S302]制御装置35は、キャパシタ電源36の出力電圧を検出することにより、キャパシタ電源36が雷電流による充電容量の存続期間であることを判定する。
【0089】
[処理S303]制御装置35は、キャパシタ電源36が雷電流による充電容量の存続期間であることを判定したときは、切替スイッチSWをオン制御する。これにより、キャパシタ電源36からの給電経路が設定される。
【0090】
[処理S304]無線通信機33はヘルスチェック問合信号を受信する。
【0091】
[処理S305]雷電流測定器32は、ヘルスチェック問合信号を検出した制御装置35からの指示に応じて、複数ビット表現のヘルスチェック応答データを生成する。
【0092】
[処理S306]無線通信機33は生成されたヘルスチェック応答データを無線周波数信号として送信する。
【0093】
なお、上記処理S302において、キャパシタ電源36が雷電流による充電容量の存続期間外であることが判定されたときは、補助電源37からの給電により、上記処理S304、上記処理S305及び上記処理S306が行われる。
【0094】
[一実施の形態の効果]
上述した一実施の形態の落雷状況監視システム1においては、落雷に対する有効性が確認されている落雷抑制型避雷針を活用し、IoT技術と連携することにより、例えば、日本全国の地理的に離散した保護対象箇所からの落雷状況を集中管理箇所においてリアルタイムに収集することができる。
【0095】
落雷状況監視システム1における落雷状況監視装置3は、中継器4と連携することにより、地理的に離散配置の落雷抑制型避雷針への落雷状況を監視し、落雷状況を集中管理箇所にリアルタイムにかつ自律的に通知することができる。
【0096】
落雷状況監視システム1における落雷状況監視装置3は、ロゴスキーコイル31から入力される雷電流で充電され、充電容量の存続期間においては、雷電流測定器32及び無線通信機33を稼働するキャパシタ電源36を備えることにより、小電力の直接無線通信との相乗効果で更なる省電力化を図ることができる。
【0097】
ロゴスキーコイル31、雷電流測定器32、無線通信機33、制御装置35及びキャパシタ電源36を含む落雷状況監視装置3は、落雷抑制型避雷針2を構成する支持部材21に後付け可能に配置することができる。
【0098】
また、落雷状況監視システム1においては、雷電流測定器32は、無線通信機33が集中管理装置61から送信された生存確認のためのヘルスチェック問合信号を有線通信機43及び無線通信機41を介して受信したときは、複数ビット表現のヘルスチェック応答データ(HC)を生成し、無線通信機33は、雷電流測定器32により生成されるヘルスチェック応答データ(HC)を無線周波数信号として送信し、無線通信機41は、無線通信機33との直接無線通信により複数ビット表現のヘルスチェック応答データ(HC)を受信し、有線通信機43は、無線通信機41により受信されるヘルスチェック応答データ(HC)に少なくとも保護対象箇所を示す識別情報(ID)を付加したヘルスチェック応答信号HCRを生成し、通信ネットワーク5を介して集中管理装置61宛に送信(通知)することにより、落雷状況監視装置3及び中継器4の生存確認を行い、問題発生に対処することができる。
【0099】
[変形例]
上述した一実施の形態における処理はコンピュータで実行可能なプログラムとして提供され、CD−ROMやフレキシブルディスクなどの非一時的コンピュータ可読記録媒体、さらには通信回線を経て提供可能である。
【0100】
また、上述した一実施の形態における各処理はその任意の複数または全てを選択し組合せて実施することもできる。
【符号の説明】
【0101】
1 落雷状況監視システム
2 落雷抑制型避雷針
21 支持部材
3 落雷状況監視装置
31 ロゴスキーコイル
32 雷電流測定器
321 A/D変換器
322 デジタルデータ生成器
33 無線通信機
35 制御装置
36 キャパシタ電源
37 補助電源(外部電源)
4 中継器
41 無線通信機
43 有線通信機
44 制御装置
5 通信ネットワーク
6 落雷状況遠隔監視センタ
61 集中管理装置
【要約】
【課題】落雷状況を集中管理箇所にリアルタイムにかつ自律的に通知する。
【解決手段】落雷状況監視装置は、地理的に離散した保護対象箇所における被保護体の外部高所に配置される落雷抑制型避雷針への落雷により生じる雷電流を入力するコイルと;入力される雷電流の大きさに応じた複数ビット表現の雷電流測定データを生成する測定器と;生成される雷電流測定データを無線周波数信号として送信する第1の無線通信機と;コイルから入力される雷電流で充電され、充電容量の存続期間においては、測定器及び第1の無線通信機を稼働する電源とを備える。また、落雷状況監視装置は、第1の無線通信機との直接無線通信により複数ビット表現の雷電流測定データを受信する第2の無線通信機と;受信される雷電流測定データに少なくとも保護対象箇所を示す識別情報を付加して生成された落雷状況監視信号を通信ネットワークを介して集中管理箇所宛に送信する有線通信機とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8