(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
室外機から延びる高圧ガス管、低圧ガス管、液管を含む冷媒系統に複数台の冷媒切替ユニットが設けられ、上記各冷媒切替ユニットごとに所定台数の室内機が配管接続されており、上記各冷媒切替ユニットは、第1通信部、第2通信部と上記各通信部を制御するユニット制御部とを含み、上記各室内機は、室内機通信部と上記室内機通信部を制御する室内機制御部とを含み、上記第1通信部は、第1通信線を介して上記室外機に備えられている室外機制御部および他の上記冷媒切替ユニットが備える上記第1通信部との間で通信を行い、上記第2通信部は、第2通信線を介して上記室内機通信部との間で通信を行うように、上記室外機と上記冷媒切替ユニットと上記室内機とが配線接続されている空気調和機において、
上記各室内機には、室内機アドレス番号y(個々の室内機に割り当てられた重複しない任意の0を含む正の整数)があらかじめ付与されており、上記空気調和機は、上記室内機アドレス番号yに基づいて上記冷媒切替ユニットのユニットアドレスを設定するユニットアドレス設定モードを有し、
上記ユニットアドレス設定モードは、所定の管理機器から上記第1通信線を介して上記冷媒切替ユニットのユニット制御部に送信される自動アドレス設定開始の指示により実行され、
上記ユニット制御部は、上記自動アドレス設定開始の指示により、上記第2通信線を介して上記第2通信部と上記室内機通信部との間で通信を行って、上記室内機から上記室内機アドレス番号yを取得して、上記室内機アドレス番号yに所定の定数値α(正の整数)を加算した値(y+α)を自機冷媒切替ユニットのユニットアドレスとして設定し、そのユニットアドレス(y+α)を上記第1通信線を介して上記管理機器に送信し、
上記管理機器は表示部を有し、上記管理機器には、上記冷媒系統に接続される上記冷媒切替ユニットの台数があらかじめ設定されており、上記管理機器は、上記ユニット制御部から上記ユニットアドレス(y+α)が送信された上記冷媒切替ユニットの台数が、上記あらかじめ設定された台数と異なる場合には、上記表示部にエラー表示することを特徴とする空気調和機。
上記ユニット制御部は、複数台の上記室内機から、それらの室内機アドレス番号yを取得した場合、そのうちの最小番号の室内機アドレス番号yを選択して上記定数値αを加算して、自機冷媒切替ユニットのユニットアドレス(y+α)とすることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
上記室内機アドレス番号yには、所属する上記冷媒系統のアドレスx(個々の冷媒系統に割り当てられた重複しない任意の0を含む正の整数)が組み合わせられており、上記ユニット制御部は、上記室内機より取得した室内機アドレス番号yの上記冷媒系統アドレスxが自冷媒切替ユニットが所属する冷媒系統アドレスと異なる場合には、上記管理機器に配線接続エラーを送信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気調和機。
【背景技術】
【0002】
室外機と複数台の室内機とを有し、冷媒切替ユニットにより、各室内機側で個別に冷房運転と暖房運転とを選択できるようにしたヒートリカバリー方式の空気調和機は、例えば特許文献1に記載されているが、その構成の一例を
図12に模式的に示し、これについて説明する。
【0003】
図12に示すように、この例では、1台の室外機10と、2台の冷媒切替ユニット20(20A,20B)と、3台の室内機30(30A,30B,30C)とを有し、室外機10からは、その冷媒系統として、高圧ガス管41a、低圧ガス管41b、液管41cを含む3管式の冷媒配管路41が引き出されている。なお、冷媒切替ユニット、室内機ともに区別する必要がない場合には、総称として冷媒切替ユニット20、室内機30という。
【0004】
この例においては、3台の室内機30のうちの2台の室内機30A,30Bが、第1冷媒切替ユニット20Aを介して冷媒配管路41に接続され、残りの1台の室内機30Cが、第2冷媒切替ユニット20Bを介して冷媒配管路41に接続されている。
【0005】
冷媒切替ユニット20は、冷媒配管路41内の高圧ガス管41a、低圧ガス管41bのいずれか一方を室内機30に接続し、他方を室内機30に対して非接続とする図示しない切替弁を備えている。
【0006】
室内機30は、ガス側配管42aと液側配管42bとを含む通常の2管式配管42を介して冷媒切替ユニット20に接続されるが、室内機30の図示しない室内熱交換器の一端側は、上記2管式配管42内の液管42bを介して冷媒配管路41内の液管41cと常時接続される。
【0007】
これに対して、室内熱交換器の他端側は、上記2管式配管42内のガス管42aおよび冷媒切替ユニット20の上記切替弁を介して冷媒配管路41内の高圧ガス管41a、低圧ガス管41bいずれか一方に選択的に接続される。
【0008】
通信系としては、室外機10と第1,第2冷媒切替ユニット20A,20Bは、第1通信線51を介して相互に接続され、室内機30は、第2通信線61を介して冷媒切替ユニット20と接続される。
【0009】
第2通信線61は、誤配線が生じないように配管42に沿って配線されるが、この例のように、第1冷媒切替ユニット20Aに対して2台(複数台)の室内機30A,30Bが配管接続されている場合、室内機30A,30Bを第1冷媒切替ユニット20Aに接続する第2通信線61Aはシリアル配線である。
【0010】
冷房運転、暖房運転の切り替えは、冷媒切替ユニット20単位で個別に行われ、例えば室内機30Aに付属するリモコン31Aより暖房運転信号が出されると、その暖房運転信号が第2通信線61Aにより第1冷媒切替ユニット20Aに送信され、これにより、第1冷媒切替ユニット20Aの切替弁のうちの高圧ガス管41a側が「開」、低圧ガス管41b側が「閉」となり、室内機30A,30Bがともに暖房運転状態となる。
【0011】
一方、室内機30Cに付属するリモコン31Cより冷房運転信号が出されると、その冷房運転信号が第2通信線61Bにより第2冷媒切替ユニット20Bに送信され、これにより、第2冷媒切替ユニット20Bの切替弁のうちの低圧ガス管41b側が「開」となり、高圧ガス管41a側が「閉」となり、室内機30Cが冷房運転状態となる。
【0012】
このようにして、冷媒切替ユニット20により、各室内機30側で個別に冷房運転と暖房運転とを選択することができるが、その運転情報は第1通信線51を介して室外機10に送信され、室外機10は、上記運転情報に基づいて、要求される冷凍サクイルの能力を算出して、圧縮機や室外機膨張弁等を制御する。
【0013】
ところで、この種のヒートリカバリー方式の空気調和機をオフィスビル等に設置する場合、通常、室外機と室内機とを設置した後、空調設計の仕様に応じて室内機をグループ分けし、そのグループごとに冷媒切替ユニットを設置して、配管接続と配線接続とを行うようにしている。
【0014】
その場合、各室内機には、通常のヒートポンプ機種で行われている室外機から各室内機に対してアドレス設定を指示するアドレス設定方式で、固有の室内機アドレスを付与することができるが、状況に応じた最適な空調制御をはかるうえで、室外機−冷媒切替ユニット間、冷媒切替ユニット−冷媒切替ユニット間、冷媒切替ユニット−室内機間での通信を行うため、冷媒切替ユニットにもアドレス(ユニットアドレス)を設定する必要がある。
【0015】
しかしながら、冷媒切替ユニットは、ヒートリカバリー方式の空気調和機のみに適用されるため、室外機と各室内機に対するアドレス付与とは別の方法でユニットアドレスを設定しなければならない。
【0016】
古典的なアドレス設定手法として、ディップスイッチ等による手動設定があるが、特に空調設備が大規模で冷媒切替ユニットの台数が多い場合には、1台ずつアドレスを設定するにはかなりの手間がかかる。また、設定し忘れが生ずるという問題もある。
【0017】
アドレスの自動設定について、特許文献2には、1台の分流ユニットに対して複数台の室内機が接続されている空気調和機において、まず、分流ユニットからの仮アドレス設定コマンドにより各室内機側で乱数計算を実施して仮アドレスを設定し、次に、分流ユニット側で仮アドレスを確認して各室内機に確定アドレスを設定するようにしたことが記載されている。
【0018】
特許文献2に記載された発明おいて、分流ユニットを室外機、室内機を冷媒切替ユニットに見立てれば、自動で冷媒切替ユニットに固有のユニットアドレスを設定することは可能と思われる。
【0019】
しかしながら、このアドレスの自動設定では、分流ユニットと室内機との間で数回にわたる通信を行う必要があるため、通信負荷が重くなり好ましくない。また、乱数計算等を行わせるためのソフト処理等を必要とする。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、
図1ないし
図11により、本発明のいくつかの実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、この実施形態の説明において、先の
図12で説明した従来例と同一もしくは同一と見なされてよい構成要素には、それと同じ参照符号を用いている。
【0032】
図1に示すように、この実施形態に係る空気調和機は、1台の室外機10と、4台の冷媒切替ユニット20(20A〜20D)と、7台の室内機30(30A〜30G)とを備えている。なお、冷媒切替ユニット、室内機ともに区別する必要がない場合には、総称として冷媒切替ユニット20、室内機30という。また、図面に表記されている「RB」は冷媒切替ユニットである。
【0033】
図1(a)に示すように、室外機10と、7台の室内機30には、先に説明したところにしたがい、例えば、通常のヒートポンプ機種で行われているアドレス付与方式で固有のアドレスがあらかじめ付与されている。
【0034】
そのアドレスとして、この実施形態では、室外機10には冷媒系統のアドレスとして「1」が付与され、室内機30A〜30Gには、冷媒系統「1」に所属する室内機アドレスとして、それぞれ、「1−1」〜「1−7」が付与されている。
【0035】
すなわち、室内機アドレスは、「x−y」の組み合わせにより構成され、このうち「x」は所属する冷媒系統のアドレス番号を示し、「y」は室内機30に対して、例えば設置箇所順に付けられた識別用のアドレス番号である。いずれにしても、これらのアドレスは設置現場で付与される。
【0036】
なお、この設置当初の室内機アドレスの設定は、室外機10から各室内機30に対してアドレス設定の指示により行われるが、このとき、冷媒切替ユニット20は、室外機10からのアドレス設定指示をそのままスルーして各室内機30に伝達する。
【0037】
この実施形態によると、7台の室内機30のうち、室内機30A,30Bの2台に冷媒切替ユニット20Aが割り当てられ、室内機30C,30Dの各1台ごとにそれぞれ冷媒切替ユニット20B,20Cが割り当てられ、残りの室内機30E,30F,30Gの3台に対して冷媒切替ユニット20Dが割り当てられているが、この時点では、各冷媒切替ユニット20には、その固有のユニットアドレスは設定されていない。
【0038】
図1(a)の配管の接続状態を参照して、冷媒切替ユニット20A〜20Dは、それぞれ、室外機10から引き出されている冷媒系統としての高圧ガス管41a、低圧ガス管41bおよび液管41cを含む3管式の冷媒配管路41に配管接続されている。
【0039】
また、冷媒切替ユニット20と室内機30は、ガス側配管42aと液側配管42bとを含む通常の2管式配管42を介して配管接続されている。
【0040】
具体的には、第1の冷媒切替ユニット20Aには、室内機30A,30Bの2台が2管式配管42を介して並列に接続され、第2の冷媒切替ユニット20Bには、1台の室内機30Cが2管式配管42を介して接続されている。
【0041】
また、第3の冷媒切替ユニット20Cには、1台の室内機30Dが2管式配管42を介して接続され、第4の冷媒切替ユニット20Dには、室内機30E,30F,30Gの3台が2管式配管42を介して並列に接続されている。
【0042】
また、配線接続については、
図1(b)に示すように、室外機10と冷媒切替ユニット20および冷媒切替ユニット20間は、第1通信線51を介して双方向通信可能に接続され、冷媒切替ユニット20と室内機30は、第2通信線61を介して双方向通信可能に接続されている。
【0043】
第2通信線61について、具体的には、第1の冷媒切替ユニット20Aには、室内機30A,30Bの2台が第2通信線61を介してシリアル接続され、第2の冷媒切替ユニット20Bには、1台の室内機30Cが第2通信線61を介して接続されている。
【0044】
また、第3の冷媒切替ユニット20Cには、1台の室内機30Dが第2通信線61を介して接続され、第4の冷媒切替ユニット20Dには、室内機30E,30F,30Gの3台が第2通信線61を介してシリアル接続されている。
【0045】
次に、
図2および
図3により、室外機10、冷媒切替ユニット20および室内機30の各構成について説明する。
【0046】
室外機10は、冷凍サイクル部110と、通信部(室外機通信部)120と、これらを制御する制御部(室外機制御部)130とを備えている。
【0047】
冷凍サイクル部110には、圧縮機111、室外熱交換器112、室外送風機113および膨張弁114等が含まれている。冷房運転室内機と暖房運転室内機とを同時に混在可能とするため、冷凍サイクル部110から、冷媒系統1として、高圧ガス管41a、低圧ガス管41bおよび液管41cを含む3管式の冷媒配管路41が引き出されている。
【0048】
冷媒切替ユニット20は、ガス管接続切替部210と、通信部220と、これらを制御する制御部(ユニット制御部)230とを備えている。
【0049】
図3に示すように、ガス管接続切替部210は、第1電磁弁211と第2電磁弁212の2つの電磁弁を備えている。第1電磁弁211は、高圧ガス管41aと室内機30との間に接続され、第2電磁弁212は、低圧ガス管41bと室内機30との間に接続されている。
【0050】
室内機30の暖房運転時には、第1電磁弁211が「開」で第2電磁弁212が「閉」、冷房運転時には、第1電磁弁211が「閉」で第2電磁弁212が「開」、また、室内機30の運転停止時には、第1電磁弁211と第2電磁弁212とがともに「閉」となるように、ガス管接続切替部210がユニット制御部230により制御される。
【0051】
通信部220は、第1通信部221と第2通信部222とを備えている。このうち、第1通信部221は、第1通信線51を介して室外機通信部120との間および他の冷媒切替ユニット20の第1通信部221との間で通信を行う。これに対して、第2通信部222は、第2通信線61を介して室内機30との間で通信を行う。
【0052】
室内機30は、冷凍サイクル部310と、通信部(室内機通信部)320と、これらを制御する制御部(室内機制御部)330とを備えている。また、各室内機30(30A〜30G)ごとに、リモコン31(31A〜31G)が設けられている。
【0053】
冷凍サイクル部310には、室内熱交換器311、室内送風機312、膨張弁(室内機膨張弁)313および温度センサ314等が含まれている。
【0054】
室内機30は、ガス側配管42aと液側配管42bとを含む通常の2管式配管42を介して冷媒切替ユニット20に接続されるが、
図3に示すように、室内熱交換器311の一端側は、室内機膨張弁313を含む液側配管42bを介して冷媒配管路41内の液管41cと接続され、室内熱交換器311の他端側は、切替弁(第1電磁弁211もしくは第2電磁弁212)を介して冷媒配管路41内の高圧ガス管41a、低圧ガス管41bいずれか一方に選択的に接続される。
【0055】
なお、上記液側配管42bは、液管41cに直接接続されるため、必ずしも冷媒切替ユニット20内を通して配管される必要はない。この実施形態では、温度センサ314として、室内熱交換器311の温度を検出する熱交温度センサ314aと、室内温度を検知する室温センサ314bの2つの温度センサを備えている。
【0056】
室内機通信部320は、第2通信線61を介して冷媒切替ユニット20の第2通信部222に接続される。
【0057】
室外機制御部130、ユニット制御部230および室内機制御部330には、例えばマイクロコンピュータやCPU(中央演算処理ユニット)が用いられ、各制御部130、230、330は、制御プログラム等が書き込まれたROMと、制御過程で逐次生ずるデータ等を保存する作業用のワークRAMとを含む記憶部131、231,331を備えている。なお、ユニット制御部230には、タイマー232が付設されている。
【0058】
本発明では、
図1(a),(b)のように、室外機10、冷媒切替ユニット20および室内機30を配管および配線接続し、各室内機30に室内機アドレスを設定した後、冷媒切替ユニット(RB)20に、そのユニットアドレスを設定するユニットアドレス設定モードを備えている。
【0059】
まず、
図4のブロック図により、その概略を説明すると、このユニットアドレス設定モードは、第1手順として、所定の管理機器100から第1通信線51を介して冷媒切替ユニット20のユニット制御部230に自動アドレス設定開始の指示が出されることにより実行される。
【0060】
第2手順として、ユニット制御部230は、第2通信線61を介して室内機30との間で通信を行って、室内機30から室内機アドレスを取得する。
【0061】
第3手順として、ユニット制御部230は、取得した室内機アドレスに基づいて、自らが自冷媒切替ユニットのユニットアドレスを設定する。
【0062】
第4手順として、ユニット制御部230は、自らが設定したユニットアドレスを第1通信線51を介して管理機器100に通知する。
【0063】
なお、この実施形態において、管理機器100には、室外機10の室外機制御部130もしくは第1通信線51に接続される後述するホストコンピュータ(メインコントローラ)101が用いられる。
【0064】
また、ユニットアドレス設定モードでのユニットアドレスの設定プログラムは、ユニット制御部230に組み込まれている。また、室内機アドレスは、室内機30の記憶部331に格納されている。
【0065】
次に、
図5のフローチャートおよび
図6のタイミングチャートにより、ユニットアドレス設定モードの動作をより詳しく説明する。なお、
図6のタイミングチャートでは、冷媒切替ユニット20を、2台の室内機30A,30Bが接続されている第1の冷媒切替ユニット20Aとしている。
【0066】
まず、冷媒切替ユニット20のユニット制御部230は、ステップST101で、自動アドレス設定開始の入力待ちの状態にあり、管理機器100(室外機制御部130もしくはホストコンピュータ101)から自動アドレス設定開始の指示を受けると、ステップST102で、室内機30に対して、その室内機アドレスをユニット制御部230に送信する要求コマンドを送信する。
【0067】
次に、ステップST103で、タイマー232をスタートさせる。この例において、タイマー232のタイムアウト時間は3分としているが、タイムアウト時間は任意に決められてよい。
【0068】
その後、ステップST104で、室内機30から応答(室内機アドレスの送信)があったかどうかを判断し、応答あり(YES)であれば、ステップST105で、送信された室内機アドレスを記憶部231に保存する。
【0069】
そして、ステップST104で、応答なし(NO)の場合も含めて、ステップST106で、タイムアウトになるまでステップST104に戻る。そして、ステップST106で3分が経過してタイムアウトになると、YESとして次段のステップST107に移行する。
【0070】
ステップST107で、記憶部231に室内機アドレスがあるかどうかを判断し、その結果がYESで、室内機アドレスがあれば、ステップST108で、その室内機アドレスに基づいて、自冷媒切替ユニット20のユニットアドレスを設定する。
【0071】
そして、続くステップST109で、設定したユニットアドレスを管理機器100(室外機制御部130もしくはホストコンピュータ101)に通知して、ユニットアドレス設定モードを終了する。
【0072】
一方、上記ステップST107での判断結果がNOで、記憶部231に室内機アドレスがない場合には、ステップST108,ST109をジャンプして、ユニットアドレス設定モードを終了する。この場合の理由としては、室内機30が電源オフ、第2通信線61が未接続等が考えられる。
【0073】
ここで、上記ステップST108において、室内機アドレスに基づいて、自冷媒切替ユニット20のユニットアドレスを設定する仕方について説明する。
【0074】
上記したように、この実施形態において、室内機アドレスは、所属する冷媒系統のアドレス番号xと、室内機に割り当てられたアドレス番号yとの組み合わせ「x−y」よりなる。
【0075】
ユニット制御部230は、室内機のアドレス番号yに所定の定数値αを加算して、自機のユニットアドレスを「x−y+α」として設定する。なお、鉤括弧中の−はマイナス記号ではなくハイフォンである。また、定数値αは、室外機の冷媒系統に接続可能な室内機の最大台数をMとして、Mよりも大きな値(α>M)である。
【0076】
例えば、室外機の冷媒系統に接続可能な室内機の最大台数Mが64台である場合、定数値αは、それよりも大きな値、ここでは例えば70とする。これによれば、室内機30のアドレスと冷媒切替ユニット20のユニットアドレスとが重複することがない。
【0077】
また、複数台の室内機30から室内機アドレスを取得した場合には、各冷媒切替ユニット20に対して、ユニットアドレス設定時に規則性を持たせるため、そのうちの最小番号の室内機アドレス番号yを選択して定数値αを加算することが好ましい。
【0078】
図6のタイミングチャートに示されているように、冷媒切替ユニット20が、2台の室内機30A,30Bが接続されている第1の冷媒切替ユニット20Aである場合、冷媒切替ユニット20Aは、室内機30A,30Bから、室内機アドレス「1−1」,「1−2」を取得する。
【0079】
そこで、ユニット制御部230は、これら室内機アドレスのうち、番号yが小さい方の室内機30A側のアドレス「1−1」の室内機アドレス番号「1」に70を加算してなる「1−71」を自機のユニットアドレスとして設定する。
【0080】
定数値α(この例では70)は、他の第2ないし第4の冷媒切替ユニット20B〜20Dにも共通であり、第2の冷媒切替ユニット20Bでは、室内機30Cから室内機アドレス「1−3」を取得することから、冷媒切替ユニット20Bは、自機のユニットアドレスを「1−73」に設定する。
【0081】
同様に、第3の冷媒切替ユニット20Cでは、室内機30Dから室内機アドレス「1−4」を取得することから、冷媒切替ユニット20Cは、自機のユニットアドレスを「1−74」に設定する。
【0082】
また、第3の冷媒切替ユニット20Dでは、3台の室内機30E,30F,30Gから室内機アドレス「1−5」,「1−6」,「1−7」を取得するが、このうちの番号yが最も小さい室内機30Eの室内機アドレス「1−5」を採用して、冷媒切替ユニット20Dは、自機のユニットアドレスを「1−75」に設定する。
【0083】
なお、複数台の室内機30から室内機アドレスを取得した場合、上記実施形態のように最小番号ではなく、室内機30より送信される室内機アドレスのうち、時間的に最先に送信された室内機アドレスを採用するようにしてもよい。
【0084】
次に、管理機器100を室外機10の室外機制御部130とする場合のユニットアドレス設定モードの対象範囲について説明する。
【0085】
図7に示すように、例えば2台の室外機10A,10Bを備え、室外機10Aの冷媒系統を「1」、室外機10Bの冷媒系統を「2」とした場合、ユニットアドレス設定モードの対象範囲は、同一冷媒系統内とする。
【0086】
すなわち、室外機10Aの室外機制御部130は、冷媒系統「1」に所属している冷媒切替ユニット20に対してユニットアドレス設定モードの開始の指示を与え、冷媒系統「2」に所属している冷媒切替ユニット20は対象外である。
【0087】
同様に、室外機10Bの室外機制御部130は、冷媒系統「2」に所属している冷媒切替ユニット20に対してユニットアドレス設定モードの開始の指示を与え、冷媒系統「1」に所属している冷媒切替ユニット20は対象外である。
【0088】
これに対して、管理機器100をホストコンピュータ101とする場合には、
図8に示すように、ホストコンピュータ101を冷媒系統「1」、「2」の第1通信線51に接続する。この場合には、冷媒系統「1」および「2」に所属するすべての冷媒切替ユニット20を指定することもできるし、冷媒系統「1」、「2」のいずれか一方に所属する冷媒切替ユニット20を指定することもできる。
【0089】
すなわち、冷媒系統「1」、「2」内の冷媒切替ユニット20のユニットアドレスが未設定の場合には、冷媒系統「1」および「2」に所属するすべての冷媒切替ユニット20を指定し、例えば冷媒系統「1」内の冷媒切替ユニット20についてはアドレス設定済みであれば、冷媒系統「2」に所属する冷媒切替ユニット20を指定する。
【0090】
また、別の例として、
図9に例示するように、冷媒系統が「1」、「3」、「8」の3系統である場合、この3系統に含まれている各冷媒切替ユニット20を指定することもできる。
【0091】
この例では、冷媒系統「1」の冷媒切替ユニット20Pには、2台の室内機30(室内機アドレス「1−1」、「1−2」)が接続されていることから、定数値αを70として、上記した規則にしたがって、そのユニットアドレスは「1−71」に設定される。
【0092】
また、冷媒系統「3」の冷媒切替ユニット20Qには、1台の室内機30(室内機アドレス「3−5」)が接続されていることから、定数値αを70として、そのユニットアドレスは「3−75」に設定される。
【0093】
また、冷媒系統「8」の冷媒切替ユニット20Rには、1台の室内機30(室内機アドレス「8−1」)が接続されていることから、定数値αを70として、そのユニットアドレスは「8−71」に設定される。
【0094】
また、
図10に例示するように、冷媒系統「1」、「3」、「8」のうち、冷媒系統「3」のみを個別的に指定することもできる。この場合、冷媒系統「3」の冷媒切替ユニット20Qには、上記のように、そのユニットアドレスは「3−75」に設定されることになるが、指定されない冷媒系統「1」、「8」の冷媒切替ユニット20P,20Rは、それらの室内機30より室内機アドレスの送信がないため、
図6のステップST106でのタイムアウトによってユニットアドレス設定モードを終了する。
【0095】
冷媒切替ユニット20のユニット制御部230は、自らが設定したユニットアドレスを好ましくは室内機アドレスとともに管理機器100(室外機制御部もしくはホストコンピュータ101)に通知するが、管理機器100は、ユニットアドレスを通知してきた冷媒切替ユニット20の台数をカウントし、図示しない表示部に冷媒切替ユニット20の台数を表示する。
【0096】
例えば、
図1(a)のように、冷媒系統「1」に接続されている冷媒切替ユニット20が4台で、それらすべての冷媒切替ユニット20からユニットアドレスの通知があれば、上記表示部に冷媒系統「1」の冷媒切替ユニット20は4台と表示する。これにより、作業者は、冷媒切替ユニット20の台数を確認することができる。
【0097】
なお、管理機器100に、実際に設置した冷媒切替ユニット20の台数をあらかじめ記憶させておき、その台数とユニットアドレスを通知してきた冷媒切替ユニット20の台数とが一致していれば「正常」と表示し、台数が合わなければ「異常」と表示させるようにすることもできる。
【0098】
また、
図11に例示するように、冷媒切替ユニット20Sに接続されている室内機30のアドレス「1−1」と、冷媒切替ユニット20Tに接続されている室内機30のアドレス「1−1」(本来のアドレスは「1−2」)とが重複している場合、管理機器100には、冷媒切替ユニット20Sと冷媒切替ユニット20Tとから、同じユニットアドレス「1−71」が通知されることになる。
【0099】
このように、ユニットアドレス「1−71」が重複している場合、管理機器100は、その表示部にユニットアドレスに設定ミス有りを意味する表示を行う。
【0100】
また、
図11に例示するように、第2通信線61の配線ミス等により、冷媒切替ユニット20Wに異なる冷媒系統「2」に所属している室内機30x(アドレス「2−6」)が含まれているような場合、冷媒切替ユニット20Wのユニット制御部230は、管理機器100より指定された冷媒系統(この場合、「1」)とは異なる冷媒系統「2」の室内機30xが接続されていると判断し、管理機器100に通知する。この判断は、管理機器100側で行ってもよい。
【0101】
このほか、冷媒切替ユニット20のユニット制御部230は、室内機との通信不良、室内機の電源オフ、記憶部231の不具合等により、ユニットアドレスを設定し得ない場合についても、管理機器100に通知する。
【0102】
なお、上記実施形態では、室内機アドレスを所属する冷媒系統のアドレス番号xと、室内機に割り当てられたアドレス番号yとの組み合わせ「x−y」としているが、冷媒系統が1系統しかない場合には、室内機アドレスを単に「y」としてもよい。