特許第6168298号(P6168298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6168298
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】物品受け渡し装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/53 20060101AFI20170713BHJP
   B65G 47/84 20060101ALI20170713BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   B65G47/53 B
   B65G47/84 E
   B65G47/90 B
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-167668(P2013-167668)
(22)【出願日】2013年8月12日
(65)【公開番号】特開2015-36318(P2015-36318A)
(43)【公開日】2015年2月23日
【審査請求日】2016年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082108
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】西納 幸伸
(72)【発明者】
【氏名】出口 直也
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−300075(JP,A)
【文献】 特開昭49−132769(JP,A)
【文献】 特開昭62−237980(JP,A)
【文献】 特開2009−120318(JP,A)
【文献】 特開2000−118607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/53−47/54
B65G 47/80;47/84−47/86;47/90−47/96B25J 13/00
B65G 54/00−54/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送コンベヤと、それぞれ保持した物品を受け渡す複数のロボットと、上記各ロボットと搬送コンベヤとの間に設けたリニア搬送手段とを備え、各ロボットからの物品を各リニア搬送手段に受け渡すとともに、各リニア搬送手段から上記搬送コンベヤに物品を受け渡すように構成し、
各リニア搬送手段は、上記ロボットからの物品を受け取って搬送する物品供給手段と、各物品供給手段を案内する案内通路と、上記各物品供給手段に設けた永久磁石と電磁コイルとのいずれか一方と、上記案内通路に沿って配置した上記永久磁石と電磁コイルとのいずれか他方と、上記電磁コイルに電流を供給して各物品供給手段の移動を制御する制御装置と、上記搬送コンベヤによって搬送される物品の位置を検出する位置検出手段とを備え、
上記制御装置は、上記位置検出手段からの信号により物品を搬送していない搬送コンベヤの空位置が検出されたら、上記物品供給手段の移動を搬送コンベヤの移動に同期させて該物品供給手段の物品を上記空位置に供給することを特徴とする物品受け渡し装置。
【請求項2】
上記案内通路は、上記物品供給手段を無端状の移動軌跡に沿って循環案内する循環通路であることを特徴とする請求項1に記載の物品受け渡し装置。
【請求項3】
それぞれ平行に配置した2台の供給コンベヤが設けられるとともに、上記物品を搬送する搬送コンベヤは2台の供給コンベヤの中間位置に設けられ、上記各供給コンベヤ毎に上記複数のロボットが設けられるとともに、各ロボットと搬送コンベヤとの間にそれぞれリニア搬送手段が設けられ、
各ロボットは各供給コンベヤによって搬送されてきた物品をそれぞれ保持するとともに、それぞれ保持した物品を各リニア搬送手段に受け渡すように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の物品受け渡し装置。
【請求項4】
上記搬送コンベヤはバケットコンベヤであって、上記制御装置はバケットコンベヤの各バケットに物品が存在するか否かによって上記空位置を検出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の物品受け渡し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品受け渡し装置に関し、より詳しくは、物品を搬送する搬送コンベヤと、それぞれ保持した物品を上記搬送コンベヤに受け渡す複数のロボットとを備えた物品受け渡し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を搬送する搬送コンベヤと、それぞれ保持した物品を上記搬送コンベヤに受け渡す複数のロボットとを備えた物品受け渡し装置は、既に周知である(特許文献1)。
1つの搬送コンベヤに対して複数のロボットを設けるのは、より多くの物品を搬送コンベヤに受け渡すためであって、ロボットの台数を多くすればする程、単位時間当たりの搬送コンベヤへの物品供給量を多くすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−138181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実際にはロボットの台数を多くすることに一定の限界があった。
すなわち、例えば4台のロボットを設けて各ロボットから1つの搬送コンベヤに物品を供給する場合には、搬送コンベヤの物品搬送能力は各ロボットからの物品供給能力の4倍以上の高速に設定する必要がある。仮に搬送コンベヤの物品搬送能力が4倍未満だと、全ロボットから搬送コンベヤに物品を隙間なく供給しても、ロボットに搬送コンベヤへ物品を受け渡すことができない余剰の物品が発生してしまうからである。
ところで、各ロボットから搬送コンベヤへ物品を安定して受け渡すには、ロボットが保持した物品の移動速度を搬送コンベヤの移動速度にほぼ一致させてから受け渡す必要がある。しかるにロボットが保持した物品の移動速度はロボットの能力により一定の限界があるので、搬送コンベヤによる物品の搬送速度があまり高速となると各ロボットによる物品の移動速度が搬送コンベヤの搬送速度に追いつかなくなる。その結果、現状のロボットの能力では、1つの搬送コンベヤに4台のロボットを設置することは、搬送コンベヤの搬送速度が早くなりすぎるために困難となっていた。
本発明はそのような事情に鑑み、搬送コンベヤの物品搬送能力を高速に設定しても円滑に物品を該搬送コンベヤに受け渡すことができるようにした物品受け渡し装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明は、物品を搬送する搬送コンベヤと、それぞれ保持した物品を受け渡す複数のロボットと、上記各ロボットと搬送コンベヤとの間に設けたリニア搬送手段とを備え、各ロボットからの物品を各リニア搬送手段に受け渡すとともに、各リニア搬送手段から上記搬送コンベヤに物品を受け渡すように構成し、
各リニア搬送手段は、上記ロボットからの物品を受け取って搬送する物品供給手段と、各物品供給手段を案内する案内通路と、上記各物品供給手段に設けた永久磁石と電磁コイルとのいずれか一方と、上記案内通路に沿って配置した上記永久磁石と電磁コイルとのいずれか他方と、上記電磁コイルに電流を供給して各物品供給手段の移動を制御する制御装置と、上記搬送コンベヤによって搬送される物品の位置を検出する位置検出手段とを備え、
上記制御装置は、上記位置検出手段からの信号により物品を搬送していない搬送コンベヤの空位置が検出されたら、上記物品供給手段の移動を搬送コンベヤの移動に同期させて該物品供給手段の物品を上記空位置に供給することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、各ロボットからの物品はそれぞれのリニア搬送手段に受け渡されるようになる。
このとき、上記ロボットからの物品を受け取って搬送するリニア搬送手段の物品供給手段は、制御手段によってその移動が制御されるので、該制御手段により物品供給手段を停止させた状態でロボットから物品を受け渡したり、或は低速で移動させた状態でロボットからの物品を受け渡すことができる。したがって、ロボットの設置台数を多くしても、それぞれ安定した状態で各ロボットから各物品供給手段に物品を受け渡すことができる。
そして上記制御装置は、上記搬送コンベヤによって搬送される物品の位置を検出する位置検出手段からの信号により物品を搬送していない搬送コンベヤの空位置が検出されたら、上記物品供給手段の移動を搬送コンベヤの移動に同期させて該物品供給手段の物品を上記空位置に供給することができる。この際、リニア搬送手段による物品供給手段の移動速度は、ロボットによる物品の移動速度よりも遥かに高速に設定することができるので、例えばロボットを4台設置したとしても、物品供給手段から搬送コンベヤへ物品を安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施例を示す平面図。
図2図1の要部の拡大平面図。
図3図2の断面図。
図4】本発明の第2実施例を示す要部の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、物品としての容器1は転倒したランダムの状態で供給コンベヤ2によって連続的に搬送されるようになっている。図実施例では2つの供給コンベヤ2、2が所要の間隔をあけて平行に設けられており、各供給コンベヤ2、2にそれぞれ2台の従来公知のパラレルリンク型ロボット3が設けられている。
各2台のロボット3の上流側には供給コンベヤ2によって搬送されてきた容器1を撮影するカメラ4が設けられており、カメラ4によって撮影された各容器1の画像は制御装置5に入力されるようになっている。この制御装置5は図示しないセンサからの信号により各供給コンベヤ2、2の移動速度(移動位置)を検出しており、該センサからの信号と上記カメラ4からの各容器1の画像とから、各容器1の姿勢と位置とを監視することができるようになっている。
上記各2台のロボット3は、1つの供給コンベヤ2の上流側と下流側とに配置され、それぞれ制御装置5によって制御されて、供給コンベヤ2によって搬送されてきた転倒状態の容器1の胴部を吸着保持することができるようになっている。このとき制御装置5は、例えば、上流側のロボット3が供給コンベヤ2によって搬送されてきた容器1の約半分を吸着保持し、下流側のロボット3が残りの約半分の容器1を吸着保持するように制御するようになっている。
【0009】
上記2つの供給コンベヤ2、2の中央位置には、それらと平行に1つのバケット式の搬送コンベヤ6が設けてあり、また上記各ロボット3と搬送コンベヤ6との間にそれぞれリニア搬送手段7を設けてある。
上記各ロボット3は、供給コンベヤ2によって搬送されてきた転倒状態の容器1の胴部を吸着保持したら、後に詳述するように容器1を正立させてからリニア搬送手段7に受け渡すようになっており、さらに各リニア搬送手段7は、受け取った容器1を上記搬送コンベヤ6の空のバケット6’(空位置)に供給するようになっている。
そして本実施例では、搬送コンベヤ6の単位時間当たりの容器搬送能力は、各ロボット3の容器処理能力の合計の能力よりも大きくなるように設定してある。
【0010】
上記リニア搬送手段7は、図2に拡大して示すように楕円形状の案内通路11と、後述するリニアモータにより該案内通路11に沿って走行される複数の物品供給手段12と、さらに各物品供給手段12によって搬送される容器1の外周側を案内する円弧状のガイド部材13とを備えている。本実施例では、上記案内通路11は各物品供給手段12を無端状の移動軌跡に沿って循環案内する循環通路として構成してある。
上記各物品供給手段12は、図2図3に示すように、断面楕円状の容器1の胴部の半分を内側から囲む楕円状の保持部材14を備えており、この楕円状の保持部材14と上記円弧状のガイド部材13との間に挿入された容器1をガイド部材13に沿って搬送することができるようになっている。
このとき、上記保持部材14とガイド部材13との間に挿入された容器1の底部は、上記案内通路11の外側に設けた楕円状の支持プレート15によって支持されるようになっている。
上記物品供給手段12は、本実施例では案内通路11上の第1受け渡し位置Aでは停止するように制御され、この第1受け渡し位置Aにおいて、ロボット3からの容器1を正立状態で受け入れるようになっている。この第1受け渡し位置Aにはロボット3によって転倒状態で保持された容器1を正立状態に起立させる起立手段18を設けてある。
【0011】
上記起立手段18は、楕円形状の案内通路11の内側と外側とにそれぞれ回転部材19A、19Bを備えており、図3に示すように、ロボット3の吸着ヘッド3aによって吸着保持された容器1の口部が楕円形状の案内通路11の内側に向いた状態では、当該ロボット3は容器1の口部側が内側の回転部材19Aに当接するようにして容器1の吸着を解放するようになっている。これにより、容器1は内側の回転部材19Aに当接して図3における時計方向に回転され、それによって容器1は正立状態で保持部材14とガイド部材13との間に挿入されるようになる。
他方、ロボット3の吸着ヘッド3aによって吸着保持された容器1の口部が楕円形状の案内通路11の外側に向いた状態では、当該ロボット3は容器1の口部側が外側の回転部材19Bに当接するようにして容器1の吸着を解放し、それによって容器1は外側の回転部材19Bに当接して図3における反時計方向に回転されて正立状態で保持部材14とガイド部材13との間に挿入されるようになる。
このように、案内通路11の内側と外側とに回転部材19A、19Bを設ければ、ロボット3は吸着ヘッド3aによって吸着保持した容器1を90度以下の範囲で回転させるだけで容器1の口部を案内通路11の内側と外側とのいずれかに向けた状態とすることができ、いずれか一方の回転部材19A又は19Bのみを設けた場合に比較して、迅速に容器1の口部を所要の方向に向けることができる。
【0012】
上記各物品供給手段12の保持部材14は、図2図3に示すように、それぞれ案内通路11の外側に向かって突き出すように台車23に設けられており、各台車23は案内通路11に沿って移動されるようになっている。
上記各台車23にはそれぞれ上述したリニアモータを構成する永久磁石24を設けてあり、他方、上記案内通路11に沿って、各永久磁石24に対向する位置に、多数の電磁コイル25を無端状に配置固定してある。
各電磁コイル25はそれぞれ概略長方形状となっており、その長手方向が案内通路11の長手方向と直交する方向となるように配置してある。他方、各台車23に設けた永久磁石24は、その長手方向が各電磁コイル25の長手方向に一致するように配置してある。
【0013】
上記各電磁コイル25への電流の供給は上述した制御装置5によって制御されるようになっており、この制御装置5は所要の電磁コイル25へ電流を供給することによって、所要の物品供給手段12の移動をそれぞれ制御することができるようになっている。
また上記案内通路11の所要等間隔位置に、各物品供給手段12の位置を検出するために図示しない位置センサを配設固定してあり、この位置センサからの信号も上記制御装置5に入力されるようになっている。
各物品供給手段12の保持部材14によって保持された容器1を上述した搬送コンベヤ6の空のバケット6’(空位置)に供給するために、案内通路11上の第2受け渡し位置Bにガイド部材26を設けてある。このガイド部材26は、保持部材14によって保持された容器1の内側に当接してこれを搬送コンベヤ6上に押し出すことができるように形成されており、この押し出し部分では容器1の外側をガイドする上記ガイド部材13はその押し出しを阻害することがないように省略されている。
他方、搬送コンベヤ6には、上記ガイド部材26を設けた範囲に亘ってガイド部材26とは反対側位置にガイド部材27を設け、高速度で空バケット6’に容器1が供給された際に、上記ガイド部材27によって容器1が搬送コンベヤ6を飛び越えることがないようにしてある。
【0014】
さらに、上記搬送コンベヤ6の空のバケット6’を検出するために、搬送コンベヤ4によって搬送される容器1の位置を検出する位置検出手段を設けている。本実施例では、上記搬送コンベヤの6の移動速度(移動位置)を検出するエンコーダ31を設けてあり、このエンコーダ31からの信号を上記制御装置5に入力させている。
本実施例では、上記搬送コンベヤ6はバケットコンベヤであるため、制御装置5はエンコーダ31からの信号を入力することによりバケットコンベヤの全てのバケットがどの位置に位置しているかを演算検出することができ、また各リニア搬送手段7の物品供給手段12がどの位置のバケットに容器1を供給したかを監視することができる。その結果、バケットコンベヤのどのバケットに容器1が供給され、どのバケットに容器が供給されていないかを監視することができるので、それによって空のバケット6’の位置を検出することができる。
【0015】
以上の構成において、各供給コンベヤ2、2によって容器1が搬送されてくると、4台のロボット3はそれぞれ制御装置5によって制御されて転倒状態の各容器1の胴部を吸着保持するようになる。
各ロボット3が容器1の胴部を吸着保持すると、各ロボット3は吸着した際の容器1の向きに応じて、該容器1の口部を案内通路11の内側又は外側に向いた状態に回転させ、その状態で回転部材19A又は19Bに当接するようにその吸着保持を解放する。この時までには、各リニア搬送手段7の物品供給手段12は第1受け渡し位置Aに位置して停止しており、吸着保持が解放された容器1は回転部材19A又は19Bに当接して、物品供給手段12の保持部材14とガイド部材13との間に正立状態で落下収容されるようになる。この際には、物品供給手段12は第1受け渡し位置Aで停止しているので、ロボット3は円滑かつ確実に物品供給手段12に容器1を受け渡すことができる。
上記ロボット3による吸着保持が解放されてから所要時間経過することにより容器1が物品供給手段12の保持部材14とガイド部材13との間に収容保持されたことが確認されたら、或は別途設けた図示しないセンサにより容器1が物品供給手段12の保持部材14とガイド部材13との間に収容保持されたことが確認されたら、制御装置5は上記物品受け渡し位置Aで停止している物品供給手段12の永久磁石24に対応する電磁コイル25へ電流を供給して、該物品供給手段12を前進させるようになる。
【0016】
上述したように制御装置5は搬送コンベヤ6における空のバケット6’の位置を検出しているので、該制御装置5は空のバケット6’の移動位置と速度とに同期させて物品供給手段12を前進させるようになり、それによって容器1は保持部材14とガイド部材13との間でガイドされながら、さらに第2受け渡し位置Bにおいてはガイド部材26にガイドされて上記空のバケット6’に受け渡されるようになる。
このとき、搬送コンベヤ6は全ロボット3の容器処理能力の合計の能力よりも大きな容器搬送能力で運転されているが、各リニア搬送手段7は各ロボット3の能力に比較して遥かに高速で容器1を搬送することができる能力を有しているので、各リニア搬送手段7の物品供給手段12は高速で運転されている搬送コンベヤ6における空のバケット6’に円滑に容器1を供給することができる。
上記物品供給手段12は各リニア搬送手段に複数設けられているので、1つの物品供給手段12が上述した第1受け渡し位置Aで容器1を受け取って前進されたら、後続の空の物品供給手段12が直ちに第1受け渡し位置Aに移動されてそこで待機されるようになる。
【0017】
図4は本発明の第2実施例を示したもので、上記第1実施例では案内通路11を無端状の循環通路として構成しているが、本実施例では案内通路11を無端状とはせずに1本の概略S字状の通路から構成し、1つの物品供給手段12をその案内通路11の一方の端部と他方の端部との間で往復作動させるようにしたものである。その他の構成は第1実施例と同様に構成してあり、本実施例でも複数のロボット3を設けてあることは勿論である。
上記案内通路11の一方の端部となる第1受け渡し位置Aには、第1実施例と同様に起立手段18が設けられており、ロボット3からの容器1は、この起立手段18によって正立されながら、その第1受け渡し位置Aで停止している物品供給手段12に受け渡されるようになる。
そして容器1が物品供給手段12の保持部材14とガイド部材13との間に収容保持されると、制御装置5は上記物品受け渡し位置Aで停止している物品供給手段12の永久磁石24に対応する電磁コイル25へ電流を供給して、該物品供給手段12を前進させるようになる。
本実施例においても、制御装置5は搬送コンベヤ6における空のバケット6’の位置を検出しているので、該制御装置5は空のバケット6’の移動位置と速度とに同期させて物品供給手段12を前進させるようになり、それによって容器1は保持部材14とガイド部材13との間でガイドされながら、さらに第2受け渡し位置Bにおいてはガイド部材26にガイドされて上記空のバケット6’に受け渡されるようになる。
このような構成においても、第1実施例と同様な作用効果を得ることができる。
【0018】
なお、上記実施例では搬送コンベヤ6はバケットコンベヤであるが、これに限定されるものではない。制御装置5は搬送コンベヤ6上に供給された容器1の位置を監視することができるので、一般的なフラットコンベヤを用いた場合であっても、隣接する容器1の間隔が1本の容器の間隔以上ある場合に、その間隔を空位置として検出することができる。
また上記実施例では各ロボット3は供給コンベヤ2、2上の容器1を保持するようになっているが、これに限定されるものではない。アンケーサのように箱内に収容された容器を保持してもよいし、或はホッパ内にランダムに集積された物品を保持してもよい。
さらに上記実施例では容器1を正立状態に起立させる起立手段18を設けているが、起立手段18を省略して各ロボット3によって転倒状態で保持された容器1を正立状態に起立させるようにしてもよい。また、上記実施例では制御手段5により物品供給手段12を停止させた状態でロボット3から物品を受け渡しているが、物品供給手段12を低速で移動させた状態でロボット3からの物品を受け渡すことも可能である。
【符号の説明】
【0019】
1 容器(物品) 3 ロボット
5 制御装置 6 搬送コンベヤ
6’ 空位置 7 リニア搬送手段
11 案内通路 12 物品供給手段
13 ガイド部材 14 保持部材
18 起立手段 23 台車
24 永久磁石 25 電磁コイル
26 ガイド部材
図1
図2
図3
図4