特許第6168334号(P6168334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 豊丸産業株式会社の特許一覧

特許6168334釘状態判定装置および釘状態判定プログラム
<>
  • 特許6168334-釘状態判定装置および釘状態判定プログラム 図000002
  • 特許6168334-釘状態判定装置および釘状態判定プログラム 図000003
  • 特許6168334-釘状態判定装置および釘状態判定プログラム 図000004
  • 特許6168334-釘状態判定装置および釘状態判定プログラム 図000005
  • 特許6168334-釘状態判定装置および釘状態判定プログラム 図000006
  • 特許6168334-釘状態判定装置および釘状態判定プログラム 図000007
  • 特許6168334-釘状態判定装置および釘状態判定プログラム 図000008
  • 特許6168334-釘状態判定装置および釘状態判定プログラム 図000009
  • 特許6168334-釘状態判定装置および釘状態判定プログラム 図000010
  • 特許6168334-釘状態判定装置および釘状態判定プログラム 図000011
  • 特許6168334-釘状態判定装置および釘状態判定プログラム 図000012
  • 特許6168334-釘状態判定装置および釘状態判定プログラム 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6168334
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】釘状態判定装置および釘状態判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170713BHJP
【FI】
   A63F7/02 312C
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-275857(P2012-275857)
(22)【出願日】2012年12月18日
(65)【公開番号】特開2014-117510(P2014-117510A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241234
【氏名又は名称】豊丸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】船橋 秀彰
(72)【発明者】
【氏名】西垣 勝太
(72)【発明者】
【氏名】小堀 将人
【審査官】 三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−285313(JP,A)
【文献】 特開2003−071083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機種毎に固有のパターンで遊技釘が配設されたパチンコ機の遊技領域を前記パチンコ機の正面側から撮影可能な撮像手段と、
前記撮像手段によって前記遊技領域が撮影されている場合、撮影中の前記撮像手段から取得される前記遊技領域の画像に基づいて、前記遊技釘の状態を数値で示す釘状態データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段によって取得された前記釘状態データを、前記パチンコ機の機種と対応付けて記憶装置に記憶するデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段に記憶されている前記釘状態データに基づいて、前記遊技釘の状態を判定する釘判定手段と
前記釘判定手段の判定結果に基づいて、判定対象となる前記パチンコ機である対象台が遊技者にとって有利または不利であるかに関する評価値を報知する評価報知手段と、
前記撮像手段によって撮影されている前記パチンコ機自体の傾斜角度を計測する計測手段とを備え
前記評価報知手段は、前記釘判定手段の判定結果と、前記計測手段によって計測された前記傾斜角度とに基づいて、前記評価値を報知することを特徴とする釘状態判定装置。
【請求項2】
機種毎に固有のパターンで遊技釘が配設されたパチンコ機の遊技領域を前記パチンコ機の正面側から撮影可能な撮像手段と、データを記憶可能なデータ記憶手段とを備えた携帯端末であるコンピュータに、
前記撮像手段によって前記遊技領域が撮影されている場合、撮影中の前記撮像手段から取得される前記遊技領域の画像に基づいて、前記遊技釘の状態を数値で示す釘状態データを取得するステップと、
取得された前記釘状態データを、前記パチンコ機の機種と対応付けて前記データ記憶手段に記憶させるステップと、
前記データ記憶手段に記憶されている前記釘状態データに基づいて、前記遊技釘の状態を判定するステップと
前記判定するステップの判定結果に基づいて、判定対象となる前記パチンコ機である対象台が遊技者にとって有利または不利であるかに関する評価値を報知するステップと、
前記撮像手段によって撮影されている前記パチンコ機自体の傾斜角度を計測するステップとを実行させ
前記報知するステップは、前記判定するステップの判定結果と、前記計測するステップによって計測された前記傾斜角度とに基づいて、前記評価値を報知することを特徴とする釘状態判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技釘の状態を判定するための釘状態判定装置および釘状態判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機の盤面に植設された遊技釘の状態を、遊技者が認識可能にする技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1に開示の遊技機障害釘の位置ずれ表示装置では、基準盤面の釘配置画像データと、比較盤面の釘配置画像データとから、それぞれ釘頭位置座標が解析される。さらに、基準盤面の釘頭位置座標に対する比較盤面の釘頭位置座標の差異が演算される。基準盤面の釘頭位置と比較盤面の釘頭位置とが表示されるとともに、釘頭位置座標の差異が位置ずれ距離に応じて色分け表示される。
【0003】
特許文献2に開示の弾球遊技機では、盤面に設けられた非接触センサによって、2つの釘の頭部の位置が検出される。検出された2つの釘位置から、2つの釘の距離(釘位置距離)が算出される。算出された釘位置距離と基準となる釘位置距離との差に基づいて、算出された釘位置距離の階級が特定される。特定された階級は、遊技者に報知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−43382号公報
【特許文献2】特開2006−239166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の遊技機障害釘の位置ずれ表示装置では、装置内に釘配置画像データを保存しておく必要がある。比較盤面の釘配置画像データは、撮影された条件等によって誤差を生じやすく、また画像データの処理負担が大きい。特許文献2に開示の弾球遊技機では、釘位置距離を特定するために非接触センサを設ける必要があるため、パチンコ機の製造コストが高くなることに加え、他のパチンコ機では釘状態を特定できない。
【0006】
本発明は、遊技釘の状態を正確且つ迅速に判定可能な釘状態判定装置および釘状態判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係る釘状態判定装置は、機種毎に固有のパターンで遊技釘が配設されたパチンコ機の遊技領域を前記パチンコ機の正面側から撮影可能な撮像手段と、前記撮像手段によって前記遊技領域が撮影されている場合、撮影中の前記撮像手段から取得される前記遊技領域の画像に基づいて、前記遊技釘の状態を数値で示す釘状態データを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段によって取得された前記釘状態データを、前記パチンコ機の機種と対応付けて記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段に記憶されている前記釘状態データに基づいて、前記遊技釘の状態を判定する釘判定手段と、前記釘判定手段の判定結果に基づいて、判定対象となる前記パチンコ機である対象台が遊技者にとって有利または不利であるかに関する評価値を報知する評価報知手段と、前記撮像手段によって撮影されている前記パチンコ機自体の傾斜角度を計測する計測手段とを備え、前記評価報知手段は、前記釘判定手段の判定結果と、前記計測手段によって計測された前記傾斜角度とに基づいて、前記評価値を報知する
【0008】
上記構成によれば、パチンコ機の正面側から撮影されている遊技領域の画像に基づいて、遊技釘の状態を数値で示す釘状態データが取得され、パチンコ機の機種と対応付けて記憶される。記憶されている釘状態データに基づいて、現在の遊技釘の状態が判定される。これによれば、釘状態データは撮影された条件等の影響を受けにくい数値データであるため、釘状態データに基づく電算処理が容易となり、遊技釘の状態を正確且つ迅速に判定できる。報知される評価値を参照することで、遊技者は対象台が有利または不利であるかを把握できる。遊技結果への影響が大きいパチンコ機自体の傾斜角度も考慮して、より正確な評価値を遊技者に報知できる。
【0009】
前記釘判定手段は、判定対象となるパチンコ機である対象台の前記釘状態データである対象データと、前記対象台と同一の前記機種に対応付けられている過去の前記釘状態データとを比較することで、前記対象台の前記遊技釘の状態を判定してもよい。この場合、対象台の遊技釘の状態を、対象台と同一の機種に関する過去の遊技釘の状態と比較することで、釘状態をより正確に判定できる。
【0010】
前記遊技釘の状態を前記機種毎に定めた基本データを記憶する基本データ記憶手段を備え、前記釘判定手段は、判定対象となるパチンコ機である対象台の前記釘状態データである対象データと、前記対象台と同一の前記機種に対応付けられている前記基本データとを比較することで、記対象台の前記遊技釘の状態を判定してもよい。この場合、対象台の遊技釘の状態を、対象台と同一の機種に関する基本データと比較することで、釘状態をより正確に判定できる。
【0011】
前記データ取得手段は、前記遊技領域の画像から所定の基準点および前記遊技釘を特定し、特定した前記基準点から前記遊技釘までの距離および角度を算出することで、前記遊技釘の位置を数値で示す前記釘状態データを取得してもよい。この場合、遊技領域の画像から、遊技釘の位置が正確な数値で特定された釘状態データを取得できる。
【0012】
【0013】
【0014】
前記データ記憶手段は、前記データ取得手段によって取得された前記釘状態データを、遊技者から指定された前記機種、または、前記遊技領域の画像から特定された前記機種と対応付けて記憶してもよい。この場合、取得された釘状態データに対して機種を手動で又は自動的に対応付けて、釘状態判定装置内に記憶することができる。
【0015】
本発明の第二態様に係る釘状態判定プログラムは、機種毎に固有のパターンで遊技釘が配設されたパチンコ機の遊技領域を前記パチンコ機の正面側から撮影可能な撮像手段と、データを記憶可能なデータ記憶手段とを備えた携帯端末であるコンピュータに、前記撮像手段によって前記遊技領域が撮影されている場合、撮影中の前記撮像手段から取得される前記遊技領域の画像に基づいて、前記遊技釘の状態を数値で示す釘状態データを取得するステップと、取得された前記釘状態データを、前記パチンコ機の機種と対応付けて前記データ記憶手段に記憶させるステップと、前記データ記憶手段に記憶されている前記釘状態データに基づいて、前記遊技釘の状態を判定するステップと、前記判定するステップの判定結果に基づいて、判定対象となる前記パチンコ機である対象台が遊技者にとって有利または不利であるかに関する評価値を報知するステップと、前記撮像手段によって撮影されている前記パチンコ機自体の傾斜角度を計測するステップとを実行させ、前記報知するステップは、前記判定するステップの判定結果と、前記計測するステップによって計測された前記傾斜角度とに基づいて、前記評価値を報知する
【0016】
上記構成によれば、パチンコ機の正面側から撮影されている遊技領域の画像に基づいて、遊技釘の状態を数値で示す釘状態データが取得され、パチンコ機の機種と対応付けて記憶される。記憶されている釘状態データに基づいて、現在の遊技釘の状態が判定される。これによれば、釘状態データは撮影された条件等の影響を受けにくい数値データであるため、釘状態データに基づく電算処理が容易となり、遊技釘の状態を正確且つ迅速に判定できる。報知される評価値を参照することで、遊技者は対象台が有利または不利であるかを把握できる。遊技結果への影響が大きいパチンコ機自体の傾斜角度も考慮して、より正確な評価値を遊技者に報知できる。
【0017】
前記判定するステップは、判定対象となるパチンコ機である対象台の前記釘状態データである対象データと、前記対象台と同一の前記機種に対応付けられている過去の前記釘状態データとを比較することで、前記対象台の前記遊技釘の状態を判定してもよい。この場合、対象台の遊技釘の状態を、対象台と同一の機種に関する過去の遊技釘の状態と比較することで、釘状態をより正確に判定できる。
【0018】
前記携帯端末は、前記遊技釘の状態を前記機種毎に定めた基本データを記憶する基本データ記憶手段を備え、前記判定するステップは、判定対象となるパチンコ機である対象台の前記釘状態データである対象データと、前記対象台と同一の前記機種に対応付けられている前記基本データとを比較することで、記対象台の前記遊技釘の状態を判定してもよい。この場合、対象台の遊技釘の状態を、対象台と同一の機種に関する基本データと比較することで、釘状態をより正確に判定できる。
【0019】
前記釘状態データを取得するステップは、前記遊技領域の画像から所定の基準点および前記遊技釘を特定し、特定した前記基準点から前記遊技釘までの距離および角度を算出することで、前記遊技釘の位置を数値で示す前記釘状態データを取得してもよい。この場合、遊技領域の画像から、遊技釘の位置が正確な数値で特定された釘状態データを取得できる。
【0020】
【0021】
【0022】
前記記憶させるステップは、取得された前記釘状態データを、遊技者から指定された前記機種、または、前記遊技領域の画像から特定された前記機種と対応付けて、前記データ記憶手段に記憶させてもよい。この場合、取得された釘状態データに対して機種を手動で又は自動的に対応付けて、携帯端末内に記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】遊技機島が設けられているホールの概要図である。
図2】パチンコ機1の正面図である。
図3】遊技盤2の正面図である。
図4】携帯端末50の電気的構成を示すブロック図である。
図5】アプリケーション処理のフローチャートである。
図6】撮影用画面60の一例を示す図である。
図7】撮影画像70の一例を示す図である。
図8】台評価データ100の一例を示す図である。
図9】第一実施形態に係る台評価処理のフローチャートである。
図10】評価結果画面80の一例を示す図である。
図11】評価結果画面90の一例を示す図である。
図12】第二実施形態に係る台評価処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成などは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0025】
本発明の第一実施形態について説明する。図1を参照して、遊技場(ホール)の全体構成を説明する。一般に遊技場では、複数のパチンコ機1が所定数ごとに遊技島を形成している。例えば遊技島では、同一機種のパチンコ機1が並んで配置されており、各パチンコ機1には固有の台番号が付与されている。図1に示す例では、4台の機種名「CRトヨマル」のパチンコ機1が並んでおり、各パチンコ機1の台番号は「1001」〜「1004」である。
【0026】
本実施形態では、遊技場のパチンコ機1で遊技を行う者(遊技者)が、携帯端末50を携行している。携帯端末50は、遊技者が後述の台評価データを収集管理するために用いる小型のコンピュータ端末である。一例として携帯端末50は、後述の遊技機用アプリケーションを実行可能な汎用のコンピュータ端末(例えば、スマートフォン)である。
【0027】
図2および図3を参照して、パチンコ機1の概略構成を説明する。以下説明において、図2の紙面手前側、紙面奥行き側を、夫々、パチンコ機1の前面側、背面側とする。パチンコ機1の上半分の部分には、遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形であり、透明なガラス板を保持したガラス枠11によって前面を保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機(図示外)に遊技球を供給し、且つ賞球を受ける上皿5が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。ガラス枠11の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。さらに、ガラス枠11の上部には、左右方向の略全長に亘って照明装置35が形成されている。
【0028】
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4には、遊技球の流下方向を変化させる複数の遊技釘10や風車等が、パチンコ機1の機種に固有のパターンで設けられている。遊技領域4の略中央には、図柄表示装置8が配設されている。図柄表示装置8の左方には、普通図柄始動ゲート12が設けられている。図柄表示装置8の下方には、特別図柄始動入賞口15が設けられている。特別図柄始動入賞口15の下方には普通電動役物13が設けられており、さらにその下方には大入賞口18が配設されている。
【0029】
大入賞口18には第一開閉部材19が設けられており、第一開閉部材19が開放された場合(大入賞口18が開放された場合)のみ、遊技球は大入賞口18に入賞できる。同様に、普通電動役物13には第二開閉部材14が設けられており、第二開閉部材14が開放された場合(普通電動役物13が開放された場合)のみ、遊技球は普通電動役物13に入賞できる。
【0030】
図柄表示装置8は、表示画面28、各種ランプ、LED等を備える。表示画面28は、図柄表示装置8の中央に配置されたLCDであり、動画、メッセージ等の様々な映像を表示する。特に、表示画面28は、大当たり判定の結果を報知するための3つのデモ図柄を表示する。表示画面28の上側には、装飾用に設けられた円柱状の突起部材24が設けられている。本実施形態では、突起部材24は複数の遊技釘10の位置を特定するための基準として機能する。
【0031】
図4を参照して、携帯端末50の電気的構成を説明する。携帯端末50は、CPU51、ROM52、RAM53、HDD54、通信部55、タッチパネル56、撮像部57、発光部58、および加速度センサ59と電気的に接続している。ROM52には、ブートプログラムやBIOS等が記憶される。RAM53には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。HDD54には、各種のアプリケーションプログラムやOSが記憶される。後述のアプリケーション処理(図5参照)を実行するためのアプリケーションプログラム(以下、遊技機用アプリケーション)も、HDD54に記憶されている。
【0032】
通信部55は、他の電子機器と無線通信を行うためのコントローラであり、例えば無線LANやブルートゥース(登録商標)のコントローラである。タッチパネル56は、携帯端末50の正面に設けられた入力部および表示部であり、例えば画像を表示する表示パネル上に、外部物体の接触を検知する略透明な感圧シートが積層されている。撮像部57は、携帯端末50の背面側を撮影するための撮像素子であり、例えばCCDやCMOSである。発光部58は、携帯端末50の背面側に向けて発光可能なフラッシュライトであり、例えばLEDストロボである。加速度センサ59は、少なくとも携帯端末50の傾きを計測可能なセンサであり、例えば三軸加速度センサである。
【0033】
図5図10を参照して、携帯端末50で実行されるアプリケーション処理について説明する。遊技者が携帯端末50で遊技機用アプリケーションを起動すると、CPU51はアプリケーション処理(図5)を実行する。
【0034】
図5に示すようにアプリケーション処理では、撮影指示ありか否が判断される(S1)。例えば遊技者がタッチパネル56で撮影指示を入力すると、撮影指示ありと判断される(S1:YES)。この場合、撮像部57で撮影されている映像を対象として画像認識が実行される(S3)。
【0035】
具体的にS3では、図6に示すように、遊技者にパチンコ機1を撮影させるための撮影用画面60が、タッチパネル56に表示される。撮影用画面60では、撮像部57で撮影されている映像に重ねて、フレーム61および読取枠62が表示される。フレーム61は、画像認識の対象となる撮影範囲を示す。読取枠62は、撮影対象物をフレーム61内に位置決めするための指標である。
【0036】
遊技者はパチンコ機1の正面側で携帯端末50を構えて、撮像部57の撮影サイズおよび撮影位置を調整しながら、撮像部57によって撮影されているガラス枠11の四隅を読取枠62に略一致させる。そのうえで遊技者は、ガラス枠11がフレーム61内に収まった撮影状態を数秒間(例えば、3〜5秒程度)維持する。このとき、フレーム61内を撮影する映像には、遊技領域4の撮影画像が含まれている。CPU51は、遊技者がガラス枠11をフレーム61内に位置決めしている間に、遊技領域4の撮影画像を対象に画像認識を実行する。
【0037】
図5に戻る。S3で実行された画像認識の結果に基づいて、基準点(本実施形態では、突起部材24)および複数の遊技釘10の位置が特定される(S5)。具体的には、図7に示すように、撮像部57で撮影されているフレーム61内の撮影画像70から、突起部材24および複数の遊技釘10の位置が特定される。
【0038】
さらに、各遊技釘10の位置を数値で示す釘状態データが取得される(S7)。詳細には、S5で特定された基準点から各遊技釘10までの距離Lおよび角度θが算出され、この算出結果に基づいて釘状態データが生成される。図7に示す例では、特別図柄始動入賞口15の直上にある二つの遊技釘10(ヘソ釘10A,10B)の場合、撮影画像70に基づいてヘソ釘10Aの距離L1および角度θ1が算出され、距離L1および角度θ1に基づいてヘソ釘10Aの座標位置が特定される。また、撮影画像70に基づいてヘソ釘10Bの距離L2および角度θ2が算出され、距離L2および角度θ2に基づいてヘソ釘10Aの座標位置が特定される。他の遊技釘10についても同様に、各々の座標位置が特定される。釘状態データでは、上記のように特定された位置座標の数値によって、各遊技釘10の位置が定義されている。
【0039】
図5に戻る。次いで、パチンコ機1の前後方向への傾斜角度である台傾斜角度が特定される(S9)。一例として、遊技者がパチンコ機1の正面側で携帯端末50を構えた状態で、発光部58が発光する。発光部58から発せられた光が、ガラス枠11に保持されたガラス板に照射される。ガラス板に照射された光の一部が、携帯端末50に向けて反射する。この反射光が、撮像部57によって受光される。CPU51は、撮像部57によって受光された反射光の角度と、加速度センサ59で計測されている携帯端末50の傾きとに基づいて、パチンコ機1の台傾斜角度を特定できる。このように特定された台傾斜角度を示す台傾斜データが取得される(S11)。
【0040】
次いで、パチンコ機1を特定するための各種情報である台情報が取得される(S13)。本実施形態では、遊技者が撮影したパチンコ機1の機種名(例えば、「CRトヨマル」)および台番号(例えば、「1001」)を、タッチパネル56から入力する。タッチパネル56から入力された機種名および台番号が、パチンコ機1の台情報として取得される。
【0041】
なお、遊技機用アプリケーションが特定機種に専用のものである場合、S13では特定機種の名称(例えば、「CRトヨマル」)が、機種名として自動的に取得されてもよい。また、S3の画像認識の結果に基づいて、パチンコ機1の特徴部分(遊技領域4内の遊技部材、役物、ゲージ配列、ロゴなど)を特定してもよい。S13では、特定した特徴部分に基づいて、パチンコ機1の機種名が自動的に特定および取得されてもよい。
【0042】
上記のように取得された各種データ(釘状態データ、台傾斜データ、および台情報データ)は、一つの台評価データ100としてHDD54に保存される(S15)。図8に示すようにHDD54では、複数の台評価データ100が取得日時110に沿って時系列で記憶される。各台評価データ100には、S7で取得された釘状態データ120、S11で取得された台傾斜データ130、S13で取得された台情報データ140などが含まれる。台情報データ140には、機種名141および台番号142が含まれる。
【0043】
図5に戻る。S15の実行後、または撮影指示がない場合(S1:NO)、パチンコ機1の評価指示ありか否が判断される(S17)。例えば遊技者がタッチパネル56で評価指示を入力すると、評価指示ありと判断される(S17:YES)。この場合、対象台が遊技者に有利(または不利)であるか否かを評価する台評価処理が実行される(S19)。
【0044】
図9に示すように台評価処理では、まず対象データと同一機種の履歴データが、HDD54から読み出される(S51)。対象データは、評価対象のパチンコ機1(以下、対象台)の台評価データ100である。本実施形態では、遊技者が携帯端末50で最も新しく撮影したパチンコ機1が対象台であるため、HDD54に記憶されている最新の台評価データ100が対象データとして取得される。履歴データは、対象データとは異なる台評価データ100のうちで、対象台と同じ機種名141を有する台評価データ100である。なお、履歴データは、対象台と同じ台(つまり、台番号142が同じ台)の自機履歴データと、対象台と別の台(つまり、台番号142が異なる台)の他機履歴データとを含む。
【0045】
次いで、S51で取得された履歴データに基づいて、対象台の釘状態が判定される(S53)。本実施形態では、対象データの釘状態データ120に基づいて、ヘソ釘10A,10Bの離間する幅H(図7参照)が算出される。履歴データの釘状態データ120に基づいて、各履歴データの幅Hが算出され、さらに全履歴データに関する幅Hの平均値が算出される。対象データの幅Hを全履歴データの幅Hの平均値と比較することで、対象台の釘状態が判定される。
【0046】
一般には、ヘソ釘10A,10Bの幅Hが大きいほど、特別図柄始動入賞口15に遊技球が入賞しやすい一方、ヘソ釘10A,10Bの幅Hが小さいほど特別図柄始動入賞口15に遊技球が入賞しにくい。したがって、例えば全履歴データの幅Hの平均値が「11.0mm」である場合、対象データの幅Hが「11.0mm」よりも大きいほど、対象台の釘状態に高い評価値が付与される。対象データの幅Hが「11.0mm」よりも大きいほど、対象台の釘状態に低い評価値が付与される。なお、評価値は、対象台が遊技者にとって有利または不利である程度を示す情報であり、その値が高いほど遊技者にとって有利であることを示す一方、その値が低いほど遊技者にとって不利であることを示す。
【0047】
次いで、対象台の傾斜状態が判定される(S55)。一般には、パチンコ機1が後方に傾斜するほど、ステージ上の遊技球が特別図柄始動入賞口15に入賞しやすい一方、パチンコ機1が前方に傾斜するほど、ステージ上の遊技球が特別図柄始動入賞口15に入賞しにくい。したがって、例えば対象データの台傾斜データ130が、標準的な台傾斜角度である「0°」よりも大きい(つまり、後方に傾く)ほど、対象台の傾斜状態に高い評価値が付与される。対象データの台傾斜データ130が「0°」よりも小さい(つまり、前方に傾く)ほど、対象台の傾斜状態に低い評価値が付与される。
【0048】
最後に、S53の判定結果とS55の判定結果とに基づいて、対象台の評価値が決定される(S57)。具体的には、S53、S55で付与された評価値を加算した結果に基づいて、対象台の評価値が五段階のレベルで決定される。S57の実行後、アプリケーション処理(図5)に戻る。
【0049】
図5に戻り、S57で決定された評価値が、タッチパネル56に表示される(S21)。一例としてS21では、図10に示す評価結果画面80が表示される。評価結果画面80は、対象台の評価値と併せて対象台の評価値の履歴を表示する画面であり、台情報81、台履歴情報82、評価値83、および表示切替ボタン84を含む。台情報81は、対象データの台情報データ140を示す。台履歴情報82は、対象台と同じ台に関する過去の評価値の推移(つまり、自機履歴データの評価値の推移)を示す。評価値83は、S57で決定された評価値を、視覚的に把握しやすい図柄(図10では、星の数)で示す。表示切替ボタン84は、タッチパネル56に表示される画面を切り替えるためのボタンである。遊技者が表示切替ボタン84を押すと、後述の評価結果画面90(図11参照)が表示される。
【0050】
図11に示す評価結果画面90は、対象台の評価値と併せて同一機種の異なる台の評価値を表示する画面であり、台情報91、台比較情報92、評価値93、および表示切替ボタン94を含む。台情報91は、対象データの機種名141および取得日時110を示す。台比較情報92は、対象台の評価値と、同一日に取得された同一機種の異なる台の評価値(つまり、同一日に取得された他機履歴データの評価値)とを比較した結果を示す。評価値93は、S57で決定された評価値を、視覚的に把握しやすい図柄(図10では、星の数)で示す。表示切替ボタン94は、タッチパネル56に表示される画面を切り替えるためのボタンである。遊技者が表示切替ボタン94を押すと、図10に示す評価結果画面80に戻る。
【0051】
このように、遊技者は評価結果画面80を参照することで、対象台が遊技者にとって有利であるか否かを把握できるのみならず、対象台の評価値の経時的な変化を把握できる。また、遊技者は評価結果画面90を参照することで、対象台が遊技者にとって有利であるか否かを把握できるのみならず、対象台と同一機種の異なる台との間で評価値を比較できる。なお、S21の実行後、または評価指示がない場合(S17:NO)、処理はS1に戻る。
【0052】
以上説明したように、第一実施形態では、パチンコ機1の正面側から撮影されている遊技領域4の画像に基づいて、遊技釘10の状態を数値で示す釘状態データ120が取得され、機種名141と対応付けて記憶される(S1〜S15)。記憶されている釘状態データ120に基づいて、現在の遊技釘10の状態が判定される(S17〜S21)。これによれば、釘状態データ120は撮影された条件等の影響を受けにくい数値データであるため、釘状態データ120に基づく電算処理が容易となり、遊技釘10の状態を正確且つ迅速に判定できる。
【0053】
対象データを履歴データと比較することで、対象台の遊技釘10の状態が判定される(S51、S53)。このように、対象台の遊技釘10の状態を、対象台と同一の機種に関する過去の遊技釘10の状態と比較することで、釘状態をより正確に判定できる。
【0054】
遊技領域4の画像から所定の基準点(突起部材24)および遊技釘10を特定し、突起部材24から遊技釘10までの距離Lおよび角度θを算出することで、遊技釘10の位置を数値で示す釘状態データが取得される(S3〜S7)。したがって、遊技領域4の画像から、遊技釘10の位置が正確な数値で特定された釘状態データ120を取得できる。
【0055】
対象台の釘状態の判定結果に基づいて、対象台が遊技者にとって有利または不利であるかに関する評価値が報知される(S53、S57、S21)。この場合、報知される評価値83、93(図10図11参照)を参照することで、遊技者は対象台が有利または不利であるかを把握できる。さらに、対象台の釘状態の判定結果に加えて、対象台の傾斜状態の判定結果も踏まえて、対象台の評価値が報知される(S53〜S57、S21)。したがって、遊技結果への影響が大きいパチンコ機1自体の傾斜角度も考慮して、より正確な評価値83、93(図10図11参照)を遊技者に報知できる。
【0056】
釘状態データ120は、遊技者から指定された機種名141、または遊技領域4の画像から特定された機種名141と対応付けて、HDD54に記憶される(S13、S15)。したがって、取得された釘状態データ120に対して機種名141を手動で又は自動的に対応付けて、携帯端末50内に記憶することができる。
【0057】
本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、台評価処理(S19)の詳細が、第一実施形態とは異なる。以下では、第一実施形態と同一構成は説明を省略し、第一実施形態とは異なる点のみを説明する。
【0058】
第二実施形態では、携帯端末50の物理的構成は、第一実施形態と同様である。ただし、携帯端末50のHDD54(図4参照)には、複数の遊技釘10の配設位置とパチンコ機1の評価値との対応を、パチンコ機1の機種毎に定めた基本データが記憶されている。例えば基本データには、複数の遊技釘10の座標位置を示す複数のゲージデータと、各ゲージデータに対応する評価値を示す複数の評価値データが含まれている。複数のゲージデータは、それぞれ複数の遊技釘10の少なくとも一部の座標位置が異なっている。評価値データは、対応するゲージデータが示す座標位置に遊技釘10を配設したパチンコ機1で遊技球を打ち出すシミュレーションを行い、そのシミュレーションの結果に基づく評価値を示す。シミュレーションの結果が遊技者に有利であったゲージデータには、高い評価値を示す評価値データが対応付けられている。逆に、シミュレーションの結果が遊技者に不利であったゲージデータには、低い評価値を示す評価値データが対応付けられている。
【0059】
図12に示すように台評価処理では、まず対象データと同一機種の基本データが、HDD54から読み出される(S71)。次いで、S71で取得された基本データに基づいて、対象台の釘状態が判定される(S73)。本実施形態では、対象データ内の釘状態データ120が基本データ内のゲージデータと比較される。釘状態データ120と最も近似するゲージデータ(つまり、対象データと遊技釘10の位置が最も近似するゲージデータ)が、基本データを参照して特定される。特定されたゲージデータに対応する評価値データが、基本データを参照して特定される。特定された評価値データが示す評価値が、対象台の釘状態に関する評価値として付与される。
【0060】
次いで、S55と同様に対象台の傾斜状態が判定され(S75)、対象台の評価値が決定される(S77)。具体的には、S73、S75で付与された評価値を加算した結果に基づいて、対象台の評価値が五段階のレベルで決定される。S77の実行後、アプリケーション処理(図5)に戻る。以降の処理は、第一実施形態と同様である。
【0061】
以上説明したように、第二実施形態では、第一実施形態と同様に、釘状態データ120は撮影された条件等の影響を受けにくい数値データであるため、釘状態データ120に基づく電算処理が容易となり、遊技釘10の状態を正確且つ迅速に判定できる。さらに、対象データを基本データと比較することで、対象台の遊技釘10の状態が判定される(S71、S73)。このように、対象台の遊技釘10の状態を、対象台と同一の機種に関する基本データと比較することで、釘状態をより正確に判定できる。
【0062】
上記実施形態において、携帯端末50が本発明の「釘状態判定装置」に相当する。撮像部57が、本発明の「撮像手段」に相当する。S3〜S7を実行するCPU51が、本発明の「データ取得手段」に相当する。HDD54が、本発明の「データ記憶手段」および「基本データ記憶手段」に相当する。S19を実行するCPU51が、本発明の「釘判定手段」に相当する。S21を実行するCPU51が、本発明の「評価報知手段」に相当する。S9、S11を実行するCPU51が、本発明の「計測手段」に相当する。S13、S15を実行するCPU51が、本発明の「記憶制御手段」に相当する。
【0063】
遊技機用アプリケーションが、本発明の「釘状態判定プログラム」に相当する。S3〜S7が、本発明の「取得するステップ」に相当する。S13、S15が、本発明の「記憶させるステップ」に相当する。S19が、本発明の「判定するステップ」に相当する。S21が、本発明の「報知するステップ」に相当する。S9、S11が、本発明の「計測するステップ」に相当する。S13、S15が、本発明の「記憶制御手段」に相当する。
【0064】
本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上記実施形態では、釘状態と台傾斜角度に基づいて対象台の評価値が報知されているが、携帯端末50では少なくとも釘状態が判定されればよい。
【0065】
例えば携帯端末50では、釘状態と台傾斜角度に基づいて対象台の評価値を判定するのに代えて、釘状態のみに基づいて対象台の評価値を報知してもよい。釘状態を判定する場合には、ヘソ釘10A,10Bの幅Hのみならず、遊技結果の影響が大きい他の釘(例えば、道釘やステップ釘など)も判定対象としてもよい。判定対象の釘が多いほど、釘状態をより正確に判定することが可能となる。
【0066】
携帯端末50では、対象台の評価値を報知するのに代えて、単に対象データを履歴データまたは基本データと比較した結果を報知してもよい。この場合、遊技者は例えば対象台のヘソ釘10A,10Bの幅Hが、履歴データが示す過去の幅Hよりも広いか狭いかを、報知される比較結果に基づいて把握できる。また、遊技者は例えば対象台のヘソ釘10A,10Bの幅Hが、基本データが示す標準の幅Hよりも広いか狭いかを、報知される比較結果に基づいて把握できる。
【0067】
携帯端末50では、対象台の評価値を報知する場合、星の数以外の態様で報知してもよい。例えば評価値を、具体的な点数や数量によって直接的に表してもよいし、キャラクタの種類、表情、動作等によって間接的に表してもよい。また、報知演出を抽選によって決定することで、実際の評価値よりも期待度が高い報知を行ったり、実際の評価値よりも期待度の低い報知を行ったりしてもよい。
【0068】
なお、釘状態データは、遊技釘10の状態を数値で示すものであればよく、例えば各遊技釘10の位置を基準点からの距離Lおよび角度θで特定する数値データであってもよい。各遊技釘10の位置を特定するための基準点は、突起部材24に限定されず、他の部材であってもよい。例えば基準点は、遊技盤2に配置された演出用役物、始動口、特定の釘、表示画面などでもよい。上記実施形態では、携帯端末50で遊技釘10の状態を読み取る場合は、遊技者がガラス枠11を読み取り枠として対象台を撮影しているが(図6参照)、他の部材(例えば、遊技盤2の四隅)を基準に遊技領域4が撮影されてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 パチンコ機
4 遊技領域
10 遊技釘
24 突起部材
50 携帯端末
51 CPU
54 HDD
57 撮像部
58 発光部
59 加速度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12