(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
給電エリア内の給電位置に止まった車両に対して給電装置が非接触給電する時に、この車両と給電装置との間における電磁界発生空間を外部に対して遮蔽するシールド装置であって、
車両が給電エリアに進入して給電位置まで走行する時に、車両のタイヤが通過する位置に配置された踏み部材と、
前記電磁界発生空間を外部に対して遮蔽するためのシールド部材と、
前記踏み部材を前記シールド部材に固定して両者を一体化させる固定機構と、を備え、
前記踏み部材は、前記固定機構により前記シールド部材に固定された状態と、前記シールド部材に固定されていない状態との間で切り替えられ、
前記シールド部材は、前記電磁界発生空間を外部に開放する収納位置と、前記電磁界発生空間を外部に対して遮蔽する展開位置との間で動作するように構成されており、
前記踏み部材は、起立位置と転倒位置との間で動作するように構成されており、
前記シールド部材が前記収納位置にあり、前記踏み部材が前記起立位置にある状態で、前記踏み部材が、前記固定機構により前記シールド部材に固定されて前記シールド部材と一体化され、
その後、前記給電エリアに進入して来た車両が前記給電位置まで走行することにより、前記踏み部材がこの車両のタイヤに踏み倒されて前記起立位置から前記転倒位置へ動作すると同時に、前記シールド部材が、前記踏み部材と一体的に前記収納位置から前記展開位置へ動作する、ことを特徴とするシールド装置。
前記進入検出器は、給電エリアへの車両の進入を検出したら、当該車両の識別情報を取得し、この識別情報に基づいて、当該車両が特定の車両であると判断した場合に、前記検出信号を前記制御装置へ出力する、ことを特徴とする請求項2に記載のシールド装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような非接触給電は、給電エリアにおける給電位置に止まった車両に対して行われる。そのため、例えば、給電位置に止まった車両の車体の下面よりも下方に給電装置の給電コイルを配置する。この給電コイルから、給電位置に止まった車両の受電コイルへ電力を非接触で供給する時に、車両の受電コイルと給電装置の給電コイルとの間の空間には、電磁界が生じる。
【0006】
この空間(以下、電磁界発生空間Sという)を、
図1に示すように、シールド部材31で、外部に対して遮蔽することにより、外部への放射電磁界、または電界、磁界を低減することが可能となる。なお、
図1(A)は、平面図であり、
図1(B)は、
図1(A)の1B−1B線矢視図である。
図1において、給電コイル2が、走行面4側に設けられている。
図1(A)において、車両1のうち、そのタイヤ1aのみを図示している。
【0007】
図1のように、シールド部材31は、車両1の走行面4から上方に突出している。したがって、シールド部材31がある部分を人が通りにくかったり、シールド部材31により美観が損なわれたりする場合がある。そのため、非接触給電を行わない時には、シールド部材31を、収納位置(例えば、走行面4よりも下方の位置)に維持しておき、非接触給電を行う時に、シールド部材31を、収納位置から
図1のような展開位置に動作させることが望ましい。
【0008】
このように、シールド部材31を、収納位置から展開位置に動作させるには、シールド部材31を駆動する駆動装置が必要となる。これについて、駆動装置を省略すれば、駆動装置の消費エネルギー(例えば、消費電力)を節約できる。
【0009】
そこで、本発明は、車両に非接触給電を行わない時には、シールド部材を、収納位置に維持しておき、車両に非接触給電を行う時に、シールド部材を、収納位置から展開位置へ自動的に動作させる場合に、シールド部材を収納位置から展開位置へ駆動する駆動装置を省略できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明によると、給電エリア内の給電位置に止まった車両に対して給電装置が非接触給電する時に、この車両と給電装置との間における電磁界発生空間を外部に対して遮蔽するシールド装置であって、
車両が給電エリアに進入して給電位置まで走行する時に、車両のタイヤが通過する位置に配置された踏み部材と、
前記電磁界発生空間を外部に対して遮蔽するためのシールド部材と、
前記踏み部材を前記シールド部材に固定して両者を一体化させる固定機構と、を備え、
前記踏み部材は、前記固定機構により前記シールド部材に固定された状態と、前記シールド部材に固定されていない状態との間で切り替えられ、
前記シールド部材は、前記電磁界発生空間を外部に開放する収納位置と、前記電磁界発生空間を外部に対して遮蔽する展開位置との間で動作するように構成されており、
前記踏み部材は、起立位置と転倒位置との間で動作するように構成されており、
前記シールド部材が前記収納位置にあり、前記踏み部材が前記起立位置にある状態で、前記踏み部材が、前記固定機構により前記シールド部材に固定されて前記シールド部材と一体化され、
その後、前記給電エリアに進入して来た車両が前記給電位置まで走行することにより、前記踏み部材がこの車両のタイヤに踏み倒されて前記起立位置から前記転倒位置へ動作すると同時に、前記シールド部材が、前記踏み部材と一体的に前記収納位置から前記展開位置へ動作する、ことを特徴とするシールド装置が提供される。
【0011】
本発明のシールド装置は、例えば以下のように構成される。
【0012】
上述のシールド装置は、給電エリアへの車両の進入を検出したら、検出信号を出力する進入検出器と、
前記踏み部材を前記転倒位置から前記起立位置に駆動する駆動装置と、
前記駆動装置と前記固定機構を制御する制御装置と、を備え、
(A)車両が前記給電エリアへ進入する前においては、前記踏み部材は、前記シールド部材に固定されておらず、
(B)給電エリアへ車両が進入することにより前記検出信号が前記進入検出器から出力されると、前記制御装置は、前記駆動装置を制御し、これにより、前記駆動装置は、前記シールド部材を前記収納位置に保ったまま、前記踏み部材を前記転倒位置から前記起立位置へ動作させ、
(C)前記制御装置が前記固定機構を制御し、これにより、前記固定機構が、前記起立位置にある前記踏み部材を、前記収納位置にある前記シールド部材に固定し、
(D)前記給電エリアに進入して来た車両が前記給電位置まで走行することにより、前記踏み部材がこの車両のタイヤに踏み倒されて前記起立位置から前記転倒位置へ動作すると同時に、前記シールド部材が、前記踏み部材と一体的に前記収納位置から前記展開位置へ動作する。
【0013】
このように、給電エリアへの車両の進入を検出することに基づいて、制御装置が、駆動装置と固定機構を制御することにより、前記シールド部材を、自動で、収納位置から展開位置へ動作させることができる。
【0014】
前記進入検出器は、給電エリアへの車両の進入を検出したら、当該車両の識別情報を取得し、この識別情報に基づいて、当該車両が特定の車両であると判断した場合に、前記検出信号を前記制御装置へ出力する。
【0015】
これにより、予め定めた特定の車両が給電エリアへ進入した場合にのみ、シールド部材が展開されるようになる。
【0016】
前記(D)では、車両が進入方向へ走行して前記給電位置まで移動し、
前記踏み部材を第1の踏み部材として、上述のシールド装置は、前記シールド部材に固定された第2の踏み部材を備え、
前記第2の踏み部材は、車両が前記給電位置から、前記進入方向と反対方向に前記給電エリアの外へ走行する時に、この車両のタイヤが通過する位置に配置されており、
前記第2の踏み部材は、前記シールド部材が前記収納位置にある状態では、転倒位置にあり、前記シールド部材が前記展開位置にある状態では、起立位置にあり、
前記(D)の後、
(E)前記給電位置にある車両に非接触給電が行われ、
(F)この車両が前記進入方向と反対方向に、前記給電位置から前記給電エリアの外へ走行する時に、車両のタイヤが、前記第2の踏み部材を踏み倒すことにより、前記第2の踏み部材は、前記転倒位置へ動作させられるとともに、前記シールド部材は前記第2の踏み部材と一体で動作することにより前記収納位置に動作させられる。
【0017】
これにより、車両が給電エリアから退出する時に、シールド部材が自動で収納位置へ移動する。
【発明の効果】
【0018】
上述した本発明によると、車両のタイヤが踏み部材を踏み倒すことにより、シールド部材が収納位置から展開位置へ動作する。このように、車両が、シールド部材を収納位置から展開位置へ動作させるので、シールド部材を展開するための駆動装置を省略できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0021】
図2は、本発明の実施形態によるシールド装置10を示す平面図である。本発明の実施形態によるシールド装置10は、給電エリアQ(
図2において一点鎖線で囲んだエリア)内の給電位置に止まった車両1(一例では、電気自動車)に対して給電装置の給電コイル2が非接触給電する時に、この車両1と給電装置との間における電磁界発生空間Sを外部に対して遮蔽する。
【0022】
図3と
図4は、給電エリアQ内を示す。
図3(A)は、シールド装置10の平面図であり、
図3(B)は、
図3(A)の3B−3B線矢視図である。
図4(A)は、シールド装置10の平面図であり、
図4(B)は、
図4(A)の4B−4B線矢視図である。
図3では、給電位置へ車両1が進入してくる前の状態を示す。
図4は、給電位置に車両1が止まっている状態を示す。なお、
図4(A)において、車両1のうちタイヤ1aのみを図示している。
【0023】
シールド装置10は、第1構造3aと第2構造3bとを有する。例えば、第1構造3aは、給電位置にある車両1の前輪側に位置し、第2構造3bは、給電位置にある車両1の後輪側に位置する。最初に、第1構造3aについて説明する。
【0024】
第1構造3aは、踏み部材5と、シールド部材7と、駆動装置9と、固定機構11(後述の
図5(B)を参照)とを備える。
【0025】
踏み部材5は、車両1が給電エリアQに進入して給電位置まで走行する時に、車両1のタイヤ1aが通過する位置に配置されている。車両1は、予め定められた給電エリアQの入口を通して、給電エリアQに進入し、給電エリアQにおいて、予め定められた通過経路上を、そのタイヤ1aが通過するようになっている。この通過経路は、目印により示される。代わりに、給電エリアQにおいて、車両1のタイヤ1aは、限られたスペースやガイド部材などにより、この通過経路しか通過できないようになっていてもよい。
【0026】
なお、好ましくは、転倒位置の踏み部材5が収容される窪み(図示せず)が走行面4に形成されている。走行面4は、車両1のタイヤ1aが走行する面である。また、転倒位置の踏み部材5の平らな上面は、走行面4とほぼ同じ高さに位置する。この状態で、踏み部材5の上面を、車両1のタイヤ1aが、走行できるようになっていてもよい。
【0027】
シールド部材7は、電磁界発生空間S(
図3(A)において、一点鎖線で囲んだ空間)を外部に対して遮蔽するために設けられる。シールド部材7は、電磁界発生空間Sを外部に開放する収納位置(
図3の状態)と、電磁界発生空間Sを外部に対して遮蔽する展開位置(
図4の状態)との間で動作するように構成されている。本実施形態では、シールド部材7は、回転シャフト13(例えば、
図3を参照)に固定されている。シールド部材7は、電磁界を遮蔽する適宜の材料(例えば、磁性材、非磁性の導電材、または、これらの複合材)で形成される。
【0028】
シールド部材7は、
図3と
図4の例では、第1シールド部7aと、第2シールド部7bと、第3シールド部7cとを含む。車両1が給電位置にあり、シールド部材7が展開位置にある状態で、第1シールド部7aは、車両1の前後方向一方側(
図4の右側)に位置し、第2シールド部7bは、車両1の左右方向一方側(
図4(A)の下側)に位置し、第3シールド部7cは、車両1の左右方向他方側(
図4(A)の上側)に位置している。また、車両1が給電位置にあり、シールド部材7が展開位置にある状態で、第1シールド部7aは、車両1の左右方向(
図4(A)の上下方向)に延びて、電磁界発生空間Sを、車両1の前後方向一方側(
図4の右側)から外部に対して遮蔽し、第2シールド部7bは、車両1の前後方向(
図4の左右方向)に延びて、電磁界発生空間Sを、車両1の左右方向一方側(
図4(A)の下側)から外部に対して遮蔽し、第3シールド部7cは、車両1の前後方向(
図4の左右方向)に延びて、電磁界発生空間Sを、車両1の左右方向他方側(
図4(A)の上側)から外部に対して遮蔽する。
【0029】
なお、第1シールド部7aは、収納位置にある時には、走行面4の窪み4b(
図4(A)を参照)内に収まっている。第2シールド部7bと第3シールド部7cは、それぞれ、収納位置から展開位置へ動作する時に、走行面4の細長い開口4a(
図3(A)において、細線で囲まれた部分)を通して、走行面4の下方から走行面4の上方へ移動する。また、第2シールド部7bと第3シールド部7cは、一例では、第1シールド部7aに固定されている。
【0030】
駆動装置9は、踏み部材5を転倒位置から起立位置に駆動する。
図5を参照して、駆動装置9を説明する。
図5(A)は、
図3(A)の5A−5A線矢視図であり、
図5(B)は、
図3(A)の5B−5B線断面図である。
図5(A)に示すように、駆動装置9は、シールド部材7が固定された回転シャフト13と、回転シャフト13に固定されたモータ15と、モータ15の出力シャフト15aに固定された第1ギア17と、踏み部材5の回転軸Cと同軸に踏み部材5に固定された第2ギア19とを含む。モータ15は、そのステータ側の構造体15b(例えばケーシング)が、回転シャフト13に固定されている。
図5(A)の例では、モータ15(すなわち、ステータ側の構造体15b)は、回転シャフト13に固定された断面拡大部13aに固定されている。第2ギア19は、第1ギア17に噛み合っている。したがって、モータ15の出力シャフト15aが回転することにより、第2ギア19が回転し、かつ、第2ギア19が固定されている踏み部材5も、その回転軸C回りに回転する。
【0031】
このような構成の駆動装置9によると、モータ15が回転することにより、踏み部材5が、その回転軸C回りに、(
図2〜
図5の例では、90度だけ)回転する。その結果、踏み部材5は、転倒位置から起立位置に動作させられ、または、起立位置から転倒位置へ動作させられる。
【0032】
なお、第1ギア17と第2ギア19との間に他のギアが介在していてもよい。すなわち、モータ15は、第1ギア17、他のギア、および第2ギア19を介して踏み部材5を、その回転軸C回りに回転させてもよい。
【0033】
回転シャフト13は、静止構造体に取り付けられた複数の軸受21により、その中心軸Cに対する半径方向に回転可能に支持されている。なお、静止構造体は、車両1のタイヤ1aが走行する走行面4に対して固定されているものを意味する(以下、同様)。
【0034】
固定機構11は、踏み部材5をシールド部材7に固定して両者を一体化させる。固定機構11は、
図5(B)の例では、モータ15の出力シャフト15aに固定された被係合部11aと、この被係合部11aに係合する係合部11b(
図5(B)の例では、係合ピン)と、この係合部11bを往復動作させる駆動装置11cとを含む。
図5(B)の例では、被係合部11aには、被係合穴11a1が形成されている。被係合穴11a1は、出力シャフト15aの中心軸Cに対して半径方向に延びていて、半径方向外端において半径方向外側に開口している。被係合穴11a1の位置は、踏み部材5が起立位置にある時に、係合部11bに対向する位置に設定されている。駆動装置11cは、係合部11bを、係合位置と係合解除位置との間で往復動作させる。したがって、踏み部材5が起立位置にある状態で、係合部11bが、係合解除位置から係合位置へ移動させられると、係合部11bは被係合穴11a1に挿入される。係合部11bと駆動装置11cは、モータ15のステータ側の構造体15bに取り付けられている。
図5(B)の例では、駆動装置11cは、モータ15のステータ側の構造体15bに固定されたモータ11c1と、モータ11c1の出力シャフトに螺合している螺合部材(例えば、ナット)11c2とを有する。螺合部材11c2には、係合部11bが固定されている。螺合部材11c2は、ステータ側の構造体15bに固定されたガイド部材12(
図5(B)において破線で示す部材)により、回転できないようになっているが、係合部11bの往復動作の方向には移動できるようになっている。したがって、モータ11c1の出力シャフトが回転すると、螺合部材11c2と係合部11bが、上述の往復動作の方向に移動する。
【0035】
なお、駆動装置11cは、係合部11bを係合位置と係合解除位置との間で往復動作させる他の構成を有していてもよい。
【0036】
踏み部材5は、固定機構11によりシールド部材7に固定された状態と、シールド部材7に固定されていない状態との間で切り替えられる。踏み部材5は、起立位置と転倒位置との間で動作するように構成されている。この動作は、踏み部材5が、その回転軸C回りに回転する動作である。踏み部材5と第2ギア19には、回転シャフト13が貫通しており、踏み部材5と第2ギア19は、回転シャフト13の中心軸C回りに回転シャフト13に対して回転可能になっている。踏み部材5と第2ギア19の回転軸Cは、回転シャフト13の中心軸Cに一致している。踏み部材5は、シールド部材7に固定された状態では、その回転軸C回りに、回転シャフト13とシールド部材7と一体的に回転する。一方、踏み部材5は、シールド部材7に固定されていない状態では、その回転軸C回りに、回転シャフト13とシールド部材7に対して回転する。
【0037】
第2構造3bは、第1構造3aと同様に、踏み部材5と、シールド部材7と、駆動装置9と固定機構11と、を備える。
第2構造3bにおいて、踏み部材5と駆動装置9と固定機構11の構成は、それぞれ、第1構造3aの踏み部材5と駆動装置9と固定機構11の構成と同じである。
第2構造3bのシールド部材7は、
図3と
図4の例では、第4シールド部7dを含む。車両1が給電位置にあり、シールド部材7が展開位置にある状態で、第4シールド部7dは、車両1の前後方向他方側(
図4の左側)に位置する。また、車両1が給電位置にあり、シールド部材7が展開位置にある状態で、第4シールド部7dは、車両1の左右方向(
図4(A)の上下方向)に延びて、電磁界発生空間Sを、車両1の前後方向他方側(
図4の左側)から外部に対して遮蔽する。
【0038】
なお、第4シールド部7dは、収納位置にある時には、走行面4の窪み4c(
図4(A)を参照)内に収まっている。
【0039】
また、本実施形態によるシールド装置10は、進入検出器23と制御装置25(
図2を参照)とを備える。
【0040】
進入検出器23は、給電エリアQへの車両1の進入を検出したら、検出信号を出力する。本実施形態では、進入検出器23は、検出領域R(
図2の二点鎖線で囲んだ領域)に車両1が進入したことを検出したら検出信号を出力する。検出領域Rは、給電エリアQへ車両1が進入する時に、車両1が通過する領域である。検出領域Rは、例えば、給電エリアQの入口である。
【0041】
進入検出器23は、例えば、発光部23aと、受光部23bとを含む。発光部23aは、給電エリアQへ車両1が進入する時に、車両1が通過する検出領域Rを横切る光を発し続ける。好ましくは、発光部23aは、車両1が給電エリアQへ進入する方向と直交する方向に検出領域Rを通過する光を発し続ける。受光部23bは、発光部23aに発せられ検出領域Rを通過した光を受光する。車両1が検出領域Rを通過している時に、発光部23aからの光は車両1に遮られる。その結果、受光部23bは、発光部23aからの光を受けなくなる。したがって、進入検出器23は、受光部23bが光を検出しなくなることにより、給電エリアQへの車両1の進入を検出する。
【0042】
なお、進入検出器23は、他の適宜の構成によって、給電エリアQへの車両1の進入を検出してもよい。
【0043】
制御装置25は、進入検出器23からの検出信号を受ける。制御装置25は、この検出信号を受けると、第1構造3aと第2構造3bの各々において、踏み部材5が転倒位置から起立位置まで動作するように駆動装置9を制御する。すなわち、制御装置25は、予め定められた量だけ、転倒位置から起立位置への方向に対応する方向にモータ15の出力シャフト15aを回転させる。次いで、制御装置25は、固定機構11を作動させることにより、踏み部材5をシールド部材7に固定する。すなわち、制御装置25は、係合部11bを係合解除位置から係合位置へ移動させるように駆動装置11cを制御する。これにより、係合部11bは、被係合穴11a1に挿入された状態となる。この状態では、係合部11bと被係合穴11a1との係合により、モータ15の出力シャフト15aは、ステータ側の構造体15bに対して回転できない。したがって、第1構造3aと第2構造3bの各々において、踏み部材5は、回転シャフト13とシールド部材7に固定された状態となる。
【0044】
図6は、シールド部材展開方法のフローチャートである。この方法は、上述したシールド装置10を用いて行われる。
【0045】
ステップS1において、
図3に示すように、踏み部材5は転倒位置にあり、シールド部材7は収納位置にある。また、ステップS1において、踏み部材5は、シールド部材7に固定されていない。
【0046】
ステップS2において、進入検出器23は、給電エリアQへの車両1の進入を検出して、その旨の検出信号を出力する。
【0047】
ステップS3において、進入検出器23からの検出信号は、制御装置25に受けられる。これにより、制御装置25は、第1構造3aと第2構造3bの各々において、踏み部材5が転倒位置から起立位置まで動作するように駆動装置9を制御する。この時、シールド部材7は、シールド部材7および回転シャフト13の重量により、収納位置に維持されている。
【0048】
なお、ステップS3において、
図2〜
図5の例では、踏み部材5は、その回転軸C回りに、90度だけ回転することにより、転倒位置から起立位置へ動作する。
【0049】
ステップS4において、制御装置25は、第1構造3aと第2構造3bの各々において、踏み部材5が起立位置にあり、シールド部材7が収納位置にある状態で、固定機構11を作動させることにより、踏み部材5をシールド部材7に固定する。
【0050】
ステップS5において、車両1が、自走により、給電エリアQの給電位置へ進入して来て、車両1のタイヤ1aが踏み部材5を通過して、車両1が給電位置に止まる。すなわち、車両1における進入方向側のタイヤ1aが、第1構造3aの踏み部材5を通過し、車両1における進入方向と反対側のタイヤ1aが、第2構造3bの踏み部材5を通過する。この時、それぞれのタイヤ1aが、第1構造3aと第2構造3bの踏み部材5をそれぞれ踏み倒す。その結果、第1構造3aと第2構造3bの各々において、踏み部材5の位置が、転倒位置になる。これと同時に、第1構造3aと第2構造3bの各々において、シールド部材7は、収納位置から展開位置へ動作する。したがって、電磁界発生空間Sが、シールド部材7により外部から遮蔽される。
【0051】
なお、ステップS5において、
図2〜
図5の例では、踏み部材5は、その回転軸C回りに、90度だけ回転することにより、起立位置から転倒位置へ動作し、シールド部材7は、回転シャフト13の中心軸C回りに、90度だけ回転することにより、収納位置から展開位置へ動作する。
【0052】
また、ステップS5で、第1構造3aと第2構造3bの各々において、踏み部材5が転倒位置へ動作したら、踏み部材5を、保持部材27(例えば
図3(A)を参照)により転倒位置に維持する。踏み部材5が転倒位置にあることを、図示しない位置検出器により検出し、この検出がなされると、制御装置25は、保持部材27を、踏み部材5より上方において、
図3(A)の状態から
図4(A)の状態へ、回転シャフト13の中心軸Cの方向に移動させるように保持部材27の駆動装置(図示せず)を制御する。これにより、保持部材27は、踏み部材5と上下方向に重なる。その結果、保持部材27が、転倒位置の踏み部材5の上面と係合して、踏み部材5を転倒位置に保持する。なお、保持部材27は、中心軸Cの方向に移動可能に、静止構造体に取り付けられる。保持部材27は、適宜の手段により回転シャフト13の中心軸Cの方向に往復動作させられる。上述の位置検出器は、例えば、踏み部材5が転倒位置にある時に、踏み部材5に接触するセンサであり、この接触により、踏み部材5が転倒位置にあること検出する。
【0053】
なお、この保持部材27は、ステップS3において、踏み部材5が転倒位置から起立位置まで動作させる時に、踏み部材5に干渉しない位置(
図3(A)に示す位置)へ移動させられている。この移動は、制御装置25が、保持部材27の上述の駆動装置(図示せず)を制御することにより行われる。また、この移動は、ステップS2の後、ステップS3を開始する前に、制御装置25が上述の検出信号を受けることにより行われる。
【0054】
ステップS6において、電磁界発生空間Sがシールド部材7に遮蔽された状態で、給電コイル2から電磁界発生空間Sの受電コイル8へ非接触で電力が供給される。これにより、車両1のバッテリーが充電される。
【0055】
ステップS7において、車両1のバッテリーの充電が終わった後に、この車両1が、ステップS5での進入方向に、または、この方向と反対方向に、給電エリアQ外へ走行する。
【0056】
ステップS8において、車両1がステップS7で給電エリアQの外部へ移動したら、制御装置25は、固定機構11を制御して、固定機構11による、シールド部材7への踏み部材5の固定を解除する。すなわち、制御装置25は、係合部11bを係合位置から係合解除位置へ移動させるように駆動装置11cを制御する。これにより、シールド部材7は、自重により展開位置から収納位置へ動作する。このような動作が得られるように、シールド部材7の形状と重心を設定しておく。この場合、シールド部材7は、収納位置においては、
図3(B)のように、静止構造体の支持面6に支持されていることにより、その自重により収納位置を越えて回転しないようになっている。
【0057】
ステップS8において、次のように、車両1がステップS7で給電エリアQの外部へ移動したことを検出してよい。例えば、上述の発光部23aおよび受光部23bと同様の発光部および受光部を、給電位置に対して設ける。この場合、給電位置に車両1が止まっている時には、発光部からの光が、この車両に遮られて受光部に到達しない。一方、給電位置から車両1が移動すると、発光部からの光が、受光部に到達し、これにより、その旨の信号が、受光部から制御装置25へ出力される。制御装置25が、この信号を受けたら、上述したステップS8の制御を開始する。
【0058】
ステップS8を終えたら、ステップS1へ戻り、上述のステップS1〜S8を繰り返す。
【0059】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の変更例1〜5のいずれかを単独で採用してもよいし、変更例1〜5を任意に組み合わせて採用してもよい。この場合、以下で述べない点は、上述と同じである。
【0060】
(変更例1)
上述した踏み部材5を第1の踏み部材として、第1構造3aと第2構造3bの各々は、
図7と
図8のように、第2の踏み部材29を有していてよい。
【0061】
図7(A)は、シールド装置10の平面図であり、
図7(B)は、
図7(A)の7B−7B線矢視図である。
図8(A)は、シールド装置10の平面図であり、
図8(B)は、
図8(A)の8B−8B線矢視図である。
図7では、給電位置へ車両1が進入してくる前の状態を示す。
図8は、給電位置に車両1が止まっている状態を示す。
【0062】
この場合、好ましくは、モータ15が回転することにより、踏み部材5が、その回転軸C回りに、90度より小さい角度(例えば、45度)だけ、回転することにより、踏み部材5は、転倒位置から起立位置に動作させられ、または、起立位置から転倒位置へ動作させられる。
【0063】
第2の踏み部材29は、回転シャフト13に固定されている。
シールド部材7が収納位置にある状態で、第2の踏み部材29は、
図7に示すように転倒位置にあり、第2の踏み部材29の平らな上面は、走行面4とほぼ同じ高さに位置する。この状態で、第2の踏み部材29の上面を、車両1のタイヤ1aが、走行できるようになっている。
一方、シールド部材7が展開位置にある状態で、第2の踏み部材29は、
図8に示すように起立位置にある。
【0064】
図9(A)は、
図7(A)の9A−9A線矢視図であり、駆動装置9の構成を示す。
図9(B)は、
図7(A)の9B−9B線矢視図であり、固定機構11の構成を示す。駆動装置9の構成と動作は、上述した
図5(A)の駆動装置9と同じである。固定機構11の構成と動作は、上述した
図5(B)の固定機構11と同じである。
【0065】
この変更例1では、上述の保持部材27と、これに関連する上述の位置検出器、および保持部材27の駆動装置が省略される。代わりに、上述のステップS5において、
図9に示すように、タイヤ1aが踏み部材5に乗っていることにより、踏み部材5は転倒位置に保持され、シールド部材7は展開位置に保持される。
【0066】
ステップS3において、
図8〜
図10の例では、踏み部材5は、その回転軸C回りに、45度だけ回転することにより、転倒位置から起立位置へ動作する。
【0067】
また、ステップS5において、
図8〜
図10の例では、踏み部材5は、その回転軸C回りに、45度だけ回転することにより、起立位置から転倒位置へ動作し、シールド部材7は、その中心軸C回りに、45度だけ回転することにより、収納位置から展開位置へ動作する。
【0068】
ステップS7において、車両1のバッテリーの充電が終わった後に、この車両1が、ステップS5での進入方向と反対方向に、給電エリアQ外へ走行する。この時、車両1のタイヤ1aが、第2の踏み部材29を踏み倒すことにより、第2の踏み部材29は、起立位置から転倒位置へ動作する。これにより、第1の踏み部材5が、転倒位置から起立位置へ動作するとともに、シールド部材7が展開位置から収納位置へ動作する。
【0069】
そのために、第2の踏み部材29は、車両1が給電位置から、進入方向と反対方向に給電エリアQの外へ走行する時に、この車両1のタイヤ1aが通過する位置(すなわち、上述した通過経路上)に配置されている。
【0070】
ステップS8において、車両1がステップS7で給電エリアQの外部へ移動したら、制御装置25は、固定機構11を制御して、固定機構11による、シールド部材7への踏み部材5の固定を解除する。これにより、第1の踏み部材5は、自重により展開位置から収納位置へ動作する。
【0071】
(変更例2)
上述の実施形態において、保持部材27と、これに関連する上述の位置検出器、および保持部材27の駆動装置を省略してもよい。この場合、上述のステップS5において、タイヤ1aが踏み部材5に乗っていることにより、踏み部材5は転倒位置に保持され、シールド部材7は展開位置に保持される。
【0072】
(変更例3)
進入検出器23は、ステップS2において給電エリアQへの車両1の進入を検出したら、当該車両1の識別情報を取得し、この識別情報に基づいて、当該車両1が特定の車両であると判断した場合に、上述の検出信号を制御装置25へ出力する。この処理は、例えば次の方法1または2のように行われてよい。ただし、この処理は、次の方法1または2以外の方法で行われてもよい。
【0073】
方法1は、次のように行う。進入検出器23は、ステップS2において給電エリアQへの車両1の進入を検出したら、狭域通信により、当該車両1の車積器から、当該車両1の識別情報を受信する通信装置を含む。進入検出器23は、この識別情報に基づいて、当該車両1が予め定めた特定の車両であると判断した場合に、上述の検出信号を制御装置25へ出力する。すなわち、進入検出器23は、予め定めた特定の1つまたは複数の車両1を示す識別情報を記憶した記憶部と、この記憶部が記憶した識別情報と、上述の通信装置が受信した識別情報とが一致するかを判断する判断部とを含む。判断部が、上述の記憶部が記憶した識別情報と、上述の通信装置が受信した識別情報とが一致すると判断した場合に、進入検出器23は、ステップS2において上述の検出信号を制御装置25へ出力する。この方法1は、例えば、上述の給電エリアQが、コインパーキングや他の民間駐車場に設けられる場合に行う。
【0074】
方法2は、次のように行う。進入検出器23は、ステップS2において給電エリアQへの車両1の進入を検出したら、当該車両1を撮像して画像データを取得するカメラと、この画像データに含まれる当該車両1の識別情報(例えば、ナンバープレートに示される車両番号)を抽出する画像処理装置と、を含む。進入検出器23は、この識別情報に基づいて、当該車両1が予め定めた特定の車両であるかどうか判断した場合に、上述の検出信号を制御装置25へ出力する。すなわち、進入検出器23は、予め定めた特定の車両1を示す識別情報を記憶した記憶部と、この記憶部が記憶した識別情報が、上述の画像処理装置が抽出した識別情報と一致するかを判断する判断部とを含む。上述の記憶部が記憶した識別情報が、上述の画像処理装置が抽出した識別情報と一致すると判断部により判断した場合に、進入検出器23は、ステップS2において上述の検出信号を制御装置25へ出力する。この方法1は、例えば、上述の給電エリアQが、家庭に設けられる個人的な駐車場である場合に行う。
【0075】
(変更例4)
上述では、ステップS4において、制御装置25が固定機構11を作動させることにより、踏み部材5をシールド部材7に固定したが、この固定を手動で行ってもよい。
【0076】
図10は、踏み部材5をシールド部材7に手動で固定するための固定機構33を示す。
図10(A)は、
図3(A)の5A−5A線矢視図に相当するが、固定機構33を設けた場合を示す。
図10(B)は、
図10(A)の10B−10B線矢視図である。
図10(C)は、
図10(B)の10C−10C線断面図である。なお、
図10(B)は、走行面4の図示を省略して走行面4より下方の構造を透視した図であるが、
図10(B)において、走行面4に形成された後述の開口4dを図示している。
【0077】
固定機構33は、棒状部材33aと、係合部33bと、操作部33cと、ガイド部材33dとを備える。
【0078】
棒状部材33aは、モータ15の出力シャフト15aの軸方向に移動可能である。棒状部材33aの先端には、係合部33bが取り付けられ、棒状部材33aの後端には、操作部33cが取り付けられている。操作部33cは、走行面4よりも下方に位置する棒状部材33aから走行面4の上方まで延びている。走行面4には、操作部33cが通る開口4dが形成されている。この開口4dは、操作部33cが出力シャフト15aの軸方向に移動できるように、この軸方向に長く延びている。走行面4よりも上方で、人が操作部33cを把持して、操作部33cとともに棒状部材33aを出力シャフト15aの軸方向に往復動作させることができる。これにより、係合部33bは、第1ギア17に係合する位置と、第1ギア17に係合しない位置との間で移動する。ガイド部材33dは、このような棒状部材33aの往復動作を案内しつつ棒状部材33aの重量を支持するが、棒状部材33aにその軸回りに接触することにより棒状部材33aがその軸回りに回転しないようにする。ガイド部材33dは、モータ15のステータ側の構造体15bに固定されている。
【0079】
係合部33bは、
図10(A)において、第1ギア17側の端部33b1が尖っている。この先端の角度θ(
図10(A)を参照)は、好ましくは、棒状部材33aの先端に移行するに従って徐々に小さくなっている。これにより、棒状部材33aをその先端側へ移動させる時に、端部33b1における棒状部材33aの先端側(
図10(A)の紙面の手前側)の先端が、第1ギア17における隣接する歯の間に挿入されやすくなる。係合部33bの端部33b1が、第1ギア17における隣接する歯の間に挿入されることにより、係合部33bは、第1ギア17の回転方向に第1ギア17と係合する。
【0080】
この場合、上述のステップS4において、人(例えば、車両1から一時的に降りた人)が、操作部33cを移動させることにより係合部33bを第1ギア17に係合させる。これにより、第1ギア17が、ガイド部材33dに対して回転できなくなる。すなわち、構造体15bと回転シャフト13を介してガイド部材33dが固定されたシールド部材7に対して、第1ギア17が回転できなくなる。したがって、第1ギア17に噛み合う第2ギア19が固定された踏み部材5も回転できなくなる。その結果、踏み部材5がシールド部材7に固定される。
【0081】
また、上述のステップS8において、人(例えば、車両1から一時的に降りた人)が、操作部33cを移動させることにより、係合部33bを、第1ギア17に係合しない位置へ移動させる。これにより、第1ギア17が、ガイド部材33dに対して回転できるようになる。その結果、固定機構33による、シールド部材7への踏み部材5の固定が解除される。
【0082】
このように、シールド装置10は、固定機構11の代わりに固定機構33を備える。ただし、踏み部材5をシールド部材7に手動で固定する機構は、上述の固定機構33に限定されず、他の適宜の構成を有するものであってもよい。例えば、シールド装置10は、固定機構33の代わりに、
図11に示す固定機構35を有していてもよい。
【0083】
図11(A)は、
図7(A)の部分拡大図に相当するが、固定機構35を設けた場合を示す。
図11(B)は、
図11(A)の11B−11B線矢視図である。
図11(B)では、固定機構35を主に示し、第1の踏み部材5と第2の踏み部材29を一点鎖線で示している。
図11(C)(D)は、それぞれ、
図11(A)(B)に対応するが、固定機構33により、踏み部材5をシールド部材7に固定した状態を示す。
【0084】
固定機構35は、フック部材35aと係合部35bとバネ35cとピン35dを備える。
【0085】
フック部材35aの一端部は、第2の踏み部材29にピン36を中心に回転可能に取り付けられている。フック部材35aの他端部には、係合部35bが設けられている。係合部35bは、フック部材35aに対して
図11(B)の矢印Dの方向に往復動作可能であることにより、フック部材35aの内部空間35a1をフック部材35aの回転方向に対して開放または閉鎖する。係合部35bは、フック部材35aに設けられたバネ35cにより、常に内部空間35a1を閉鎖する方向に、すなわち、前進する方向に、押されている。ピン35dは、第1の踏み部材5に設けられている。人が、フック部材35aを
図11(A)の状態から回転させて、係合部35bの面35b1をピン35dに押し付け、これにより、係合部35bは、後退しての内部空間35a1を開放する。その結果、ピン35dが内部空間35a1へ進入したら、係合部35bはバネ35cにより前進して内部空間35a1を閉鎖する。これにより、
図11(C)(D)の状態になる。
図11(C)(D)の状態では、踏み部材5がシールド部材7に固定されている。
【0086】
なお、
図11(B)において、フック部材35aの自重は、適宜の支持部材37に支持されている。また、図示を省略するが、走行面4には、フック部材35aの形状に合わせた開口が形成されており、フック部材35aは、この開口を通過することにより、
図11(A)の状態から
図11(C)の状態へ動作可能である。
【0087】
図11の場合、上述のステップS4において、人が、フック部材35aを回転させることにより、上述のように、踏み部材5をシールド部材7に固定する。その後、ステップS8において、人が、係合部35bを手で押して後退させ、フック部材35aを回転させて、ピン35dをフック部材35aから解除し、例えば、
図11(A)の状態にする。これにより、固定機構33による、シールド部材7への踏み部材5の固定を解除する。
【0088】
(変更例5)
車両1は、外部からの電気供給を必要とする車両であれば、電気以外の駆動方法と組み合わされて駆動される車両、たとえばプラグインハイブリッド車でもよく、冷凍車などの駆動以外の電力供給機器を持つ車両でもよい。