(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一対の電線収容溝の間は連結部により連結されるとともに、前記カバー連結部は前記連結部と異なる位置に設けられており、前記連結部の上面および前記カバー連結部の上面が面一とされている請求項1に記載の配線モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0016】
配線モジュール10を
図1ないし
図11によって説明する。以下の説明においては、
図2における左右方向をX方向とし、上下方向をY方向とする。また、
図2において紙面と直交する方向をZ軸方向とする。さらに、
図1における上側を上方とし、下側を下方として説明する。
【0017】
配線モジュール10は、電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両に搭載されて、車両を駆動するための電源として使用される電池モジュールMの一部を構成するものであり、正極および負極の電極端子(図示せず)を備えた単電池61(蓄電素子の一例)を複数個並べてなる単電池群60(蓄電素子群の一例)に取り付けられて、隣り合う単電池同士を電気的に接続するものである(
図11参照)。
【0018】
(単電池61)
単電池61は扁平な略直方体形状をなしており、その上面に、図示しない正極および負極の一対の電極端子が、長手方向に一列に並んで設けられている。単電池61は、隣り合う電極端子が異なる極性となるように配置されて単電池群60を構成している。
【0019】
(配線モジュール10)
配線モジュール10は、単電池群60の上面(電極面)に取り付けられるものであって、
図1および
図2に示すように、隣り合う単電池61の電極端子を接続する複数のバスバー30と、バスバー30に電気的に接続され、単電池61の電圧を検知する電圧検知用の検知電線Wと、バスバー30を収容するバスバー収容部12および検知電線Wを収容する電線収容溝22を有する樹脂プロテクタ11(絶縁保持部材の一例)と、を備える。
【0020】
(バスバー30)
バスバー30は、例えばアルミニウム製またはアルミニウム合金製の板材を所定の形状にプレス加工することにより形成され、全体として略長方形状をなしている。バスバー30の表面には、スズ、ニッケル等の金属がメッキされていてもよい。
【0021】
バスバー30には、電極端子と接続するための円形状をなす一対の貫通孔31が、バスバー30を貫通して形成されている。
【0022】
バスバー30の一対の長辺のうち一方側の縁部の中央からは、検知電線Wを接続するための電線接続部32が、縁部の延び方向(X方向)に対して斜め方向に延出されている。電線接続部32の基部側は、検知電線Wの芯線に接続される芯線接続部32Aとされており、先端側は、電線接続部32の幅方向の両側に張り出して検知電線Wの絶縁被覆に覆われた部分の周囲に圧着される圧着部32Bとされている(
図2参照)。
【0023】
なお、
図2において上下2列に並べられた複数のバスバー30の、下側の列の両端部には、単電池61の電極端子と外部機器(図示せず)とを接続する外部接続バスバー33が配されている。
【0024】
外部接続バスバー33は、
図1および
図2に示すように、その長辺方向(X方向)における約半分の領域が単電池61の電極端子と接続される端子接続部35とされ、残り半分の領域が、後述する樹脂プロテクタ11から外側にはみ出すように配置されて外部機器と接続される外部機器接続部36とされている。端子接続部35および外部機器接続部36には、それぞれ接続用の貫通孔37が、外部接続バスバー33を貫通して形成されている。
【0025】
また、外部接続バスバー33には、一対の短辺のうち端子接続部35側の短辺に沿って、電線接続部38が延出されている。電線接続部38は先端側に向けて拡径しつつ開口した筒状をなしており、その内側には検知電線Wの芯線が接続されている。
【0026】
(検知電線W)
電圧検知用の検知電線Wは、例えば、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の芯線を絶縁樹脂製の絶縁被覆で被覆してなる。検知電線Wの一方側の端末において絶縁被覆の剥離除去により露出する芯線は、バスバー30の芯線接続部32Aに載置され例えばレーザー溶接によりバスバー30に電気的に接続される。また、検知電線Wの絶縁被覆に覆われた部分は、圧着部32Bにより圧着保持される。
【0027】
また、検知電線Wの他方側の端末は、後述するコネクタ部Cに接続されている。
なお、
図1および
図2において、検知電線Wは図を簡略化するために省略している。
【0028】
(樹脂プロテクタ11)
樹脂プロテクタ11は、バスバー30を収容するバスバー収容部12および検知電線Wを収容する電線収容溝22を備えており、例えば
図10に示すように、全体として細長く薄い直方体状をなしている。
【0029】
樹脂プロテクタ11には、
図1および
図2に示すように、一面側(
図1の上方)に開口すると共にバスバー30を収容保持する、仕切壁13に囲まれた複数のバスバー収容部12が、その長手方向(X方向)に沿って両端部に並んで設けられており、2列のバスバー収容部列12A,12Bを構成している。
【0030】
各バスバー収容部12の仕切壁13のうち樹脂プロテクタ11の外側に配される外側壁14は、平板状をなしており、その長手方向(X方向)の中央部には、バスバー30を抜け止めする抜け止め突部17が、バスバー収容部12内に向けて突出して設けられている。
【0031】
一方、仕切壁13のうち外側壁14と対向して配される内側壁15には、バスバー30を係止する一対の板状の弾性係止片18が、バスバー収容部12の底部に向けて斜めに延びるように設けられている。また、一対の弾性係止片18の間には、バスバー30の電線接続部32が導出される導出口19が、内側壁15を切り欠いて形成されている。
【0032】
この内側に配される内側壁15は、外側壁14と比較して板厚が厚く設定されており、その一部は、上面から下方に向けて窪んで、後述するバスバー収容部用カバー40のロック片43または電線収容溝用カバー50のロック片53を受け入れてロックするロック片受け部20とされている。
【0033】
図2に示す複数のロック片受け部20のうち、左右両端に配された4つが、後述する電線収容溝用カバー50のロック片53を受けるロック片受け部20Aであり、その他の8つは、後述するバスバー収容部用カバー40のロック片43を受けるロック片受け部20Bである。
【0034】
2列に並んだバスバー収容部列12A,12Bの間には、これらの各バスバー収容部列12A,12Bと隣り合って、検知電線Wを収容するための一対の電線収容溝22が設けられている。換言すると、一対の電線収容溝22は、2列に並んだ複数のバスバー収容部12の内側に、複数のバスバー収容部12の並び方向(X軸方向)に沿って、設けられている。これら一対の電線収容溝22は、上述した内側壁15の導出口19により、各バスバー収容部12と連なっている。
【0035】
電線収容溝22のうち、
図2における右側の端部は、各バスバー30から導出された複数本の検知電線Wを樹脂プロテクタ11の右端に設けられたコネクタ部Cへ案内するべく、コネクタ部Cに向けて斜め方向に折れ曲がった電線案内部22Aとされている。
【0036】
また、内側壁15のうち、ロック片受け部20が形成されていない部分の、電線収容溝22および導出口19の間の角部は、面取りされている。
【0037】
互いに隔てて配された一対の電線収容溝22の間には、連結部24が設けられている。連結部24は、一対の電線収容溝22の溝壁23の互いに対向する外面同士を連結している。
【0038】
連結部24は、電線収容溝22の延び方向(X方向)において断続的に3箇所設けられており、
図2における左側から順に、第1連結部24A、第2連結部24B、第3連結部24Cとよぶこととする。第1連結部24Aおよび第3連結部24Cは、電線収容溝22の端部同士を連結しており、第2連結部24Bは、第1連結部24Aおよび第3連結部24Cの間の領域の一部分を連結している。
【0039】
なお、第1連結部24Aおよび第2連結部24Bの互いに対向する側縁部と、互いに対向する一対の溝壁23とにより囲まれた空隙を、第1空隙部26Aとよぶこととし、第2連結部24Bおよび第3連結部24Cの互いに対向する側縁部と、互いに対向する一対の溝壁23とにより囲まれた空隙を、第2空隙部26Bとよぶこととする。
【0040】
第1連結部24A、第2連結部24B、および、第3連結部24Cの各上面は、
図1に示すように、Y方向における中央部がその両側よりも一段低くなるように、X方向の全域にわたって下方に凹んでおり、その凹んだ領域に、図示しない他の部品を載置できるようになっている。これら第1連結部24A、第2連結部24B、および、第3連結部24Cには、載置された部品を係止するための複数の凸状や凹状の取付部25が、載置される部品の位置や形状に合わせて設けられている。また、これら第1連結部24A、第2連結部24B、および、第3連結部24Cの上面のうち、取付部25を除いた領域は、面一となるように設定されている。
【0041】
また、一対の電線収容溝22の溝壁23のうち、第1空隙部26Aおよび第2空隙部26Bに面している領域は、その他の領域(連結部24が設けられている領域)と比較して、溝壁23の高さが低く設定されている。また、この領域の溝壁23の下端縁からは、第1空隙部26A内および第2空隙部26B内に突出するとともに上方に向けて延びる、断面L字状の受け片27が、それぞれ3つずつ設けられている。
【0042】
(バスバー収容部用カバー40)
樹脂プロテクタ11には、複数のバスバー収容部12の開口全体を各列毎に上方から一括に覆う一対のバスバー収容部用カバー40が設けられている(
図1および
図2参照)。
【0043】
一対のバスバー収容部用カバー40は、バスバー収容部12の外側壁14の上端に設けられた複数のヒンジ41を介して樹脂プロテクタ11に一体的に設けられており、ヒンジ41を中心として回動可能とされている。
【0044】
各バスバー収容部用カバー40は概ね長方形の板状をなしており、一列に並んだ複数のバスバー収容部12(各バスバー収容部列12A,12B)を一括に覆う大きさに設定されている。なお、バスバー収容部用カバー40の一対の長辺(X方向に延びる辺)うち、ヒンジ41が設けられている長辺と対向する長辺の角部は、矩形状に切り欠かれた切欠部47とされている。この切欠部47は、バスバー収容部用カバー40が閉じられた状態において、後述する電線収容溝用カバー50の第1補強リブ56を逃がすためのものである(
図11参照)。
【0045】
図1および
図2に示すように、バスバー収容部用カバー40のうち、バスバー収容部12を覆った状態において隣り合うバスバー収容部12の間を仕切る隔壁16に対応する位置には、これらの隔壁16の上面に突き当たる第1リブ42が、Y方向に延びて設けられている。
【0046】
また、バスバー収容部用カバー40のうち、バスバー収容部12を覆った状態において上述したロック片受け部20Bに対応する位置には、ロック片受け部20Bとロックするロック片43が板面から突出して設けられている。
【0047】
さらに、バスバー収容部用カバー40のうち、バスバー収容部12を覆った状態において、ロック片受け部20が設けられてない内側壁15に対応する位置には、それらの内側壁15の上面に突き当たる第2リブ44が、X方向に延びて設けられている。
【0048】
バスバー収容部用カバー40は、ロック片43とロック片受け部20Bとが弾性的にロックすることにより、バスバー収容部12を覆った状態で保持されるようになっている(
図10および
図11参照)。
【0049】
(連結ユニット28)
本実施形態において上述した樹脂プロテクタ11およびバスバー収容部用カバー40は、
図1および
図2に示すように、複数の連結ユニット28(本実施形態では2つ)を連結することにより構成されている。ここでは、
図2中左側を第1連結ユニット28A、右側を第2連結ユニット28Bとして説明する。
【0050】
第1連結ユニット28Aは、樹脂プロテクタ11の左側約半分を構成する第1本体部11Aと、第1本体部11Aにヒンジ41を介して一体に設けられた第1カバー40Aとを有する。第1本体部11Aは、
図2中右上側が右下側よりも段差状に右側に突出する形状をなしている。
【0051】
また、第2連結ユニット28Bは、樹脂プロテクタ11の右側約半分を構成する第2本体部11Bと、第2本体部11Bにヒンジ41を介して一体に設けられた第2カバー40Bとを有する。第2本体部11Bは、
図2中左下側が左上側よりも段差状に左側に突出する形状をなしている。
【0052】
樹脂プロテクタ11は、第1本体部11Aと第2本体部11Bとが図示しない連結部により連結状態とされることにより、構成されている。これにより、分割された電線収容溝22およびバスバー収容部列12A,12Bが一列に連なった状態となる。
【0053】
また、バスバー収容部用カバー40は、第1カバー40Aと第2カバー40Bとが連結されることにより、一体的に構成されている。
【0054】
より詳細には、第2カバー40Bのうち、第1カバー40Aと対向する側縁部(
図2における左側縁部)には、第1カバー40Aに向けて突出するカバー係合片45が形成されている。
【0055】
一方、第1カバー40Aのうちカバー係合片45と対応する位置には、カバー係合片45の先端部に設けられた係合爪と係合するカバー係合片受け部46が形成されている。カバー係合片受け部46は、第1カバー40Aの板面から略U字形状に立設されている。
【0056】
第2カバー40Bのカバー係合片45を第1カバー40Aのカバー係合片受け部46内に挿入し、係合爪を引っ掛けることにより、第1カバー40Aおよび第2カバー40Bが一体化されたバスバー収容部用カバー40とされる。
【0057】
(電線収容溝用カバー50)
本実施形態においては、さらに、電線収容溝22を覆う電線収容溝用カバー50が設けられている。
【0058】
電線収容溝用カバー50は、
図3ないし
図7に示すように、一対の電線収容溝22をそれぞれ個別に上方から覆う一対のカバー本体51と、これら一対のカバー本体51を連結するカバー連結部52とを備えている。
【0059】
一対のカバー本体51は、
図3および
図6に示すように、電線収容溝22の開口を覆う細長い略長方形の板状をなしている。カバー本体51の
図3おける右側の端部は、上述した電線収容溝22の電線案内部22Aを覆うべく、それぞれ相手側のカバー本体51に向けて三角形状に延出された延出部51Aとされている。
【0060】
一対のカバー本体51のうち、長手方向(X方向)に延びて互いに対向する内側の縁部と、
図3における左右両端の縁部には、上方(Z方向)に向けて延びる第1補強リブ56が設けられている。また、カバー本体51の下面には、Y方向に延びる複数の第2補強リブ57が設けられている(
図5参照)。これらの第1補強リブ56および第2補強リブ57により、カバー本体51の剛性が確保されている。
【0061】
また、一対のカバー本体51のうち、長手方向(X方向)に延びる外側の縁部のうち、
図3における左右の両端部には、外側に向けて延びるとともに下方に向けて屈曲したロック片53が設けられている(
図4および
図5参照)。これらのロック片53の先端部には、外側に向けて突出する爪部53Aが設けられており、上述したロック片受け部20Aとロック可能とされている。
【0062】
一対のカバー本体51は、2つのカバー連結部52により連結されている。
図3において左側のカバー連結部52は、第1カバー連結部52A、右側のカバー連結部52は、第2カバー連結部52Bとする。
【0063】
第1カバー連結部52Aおよび第2カバー連結部52Bは、電線収容溝用カバー50が電線収容溝22の開口を覆うように取り付けられた際に、第1空隙部26Aおよび第2空隙部26Bと対応する位置(連結部24と異なる位置)に設けられている(
図6および
図7参照)。
【0064】
第1カバー連結部52Aおよび第2カバー連結部52Bは、
図4および
図5に示すように、平行に配された一対のカバー本体51の内側の縁部から下方に向けて延びる一対の下垂壁54と、一対の下垂壁54の対向する面のうち、下端縁よりやや上方から相手側の下垂壁54に向けて延びる底壁55とから構成されている(
図5参照)。
【0065】
底壁55の上面は、電線収容溝用カバー50が電線収容溝22の開口を覆うように取り付けられた際に、上述した第1連結部24A、第2連結部24B、および、第3連結部24Cの取付部25を除く各上面と面一になるように、段差状とされている(
図6および
図8参照)。すなわち、Y方向における中央部がその両側と比較してX方向の全域にわたって下方に凹んでおり、その上面に、図示しない部品を載置できるようになっている。
【0066】
また底壁55の下面には、Y方向に延びる第3補強リブ58が設けられている。これら第3補強リブ58は、底壁55の両縁部と、中央付近に2本の、合計4本ずつ設けられている(
図8参照)。これらの第3補強リブ58により、底壁55の剛性が確保されている。
【0067】
また、下垂壁54の下端縁は、
図4に示すように、上方に向けて2箇所が凹状に欠かれており、下方まで延びている部分が、上述した受け片27と溝壁23との間の隙間に差し込まれる差込片54Aとされている。
【0068】
この電線収容溝用カバー50は、一対のカバー本体51の間の中心線Lを対称軸とする線対称の形状をなしている(
図3参照)。
【0069】
(配線モジュール10の組み立て方法)
次に、配線モジュール10の組み立て方法について説明する。電圧検知用の検知電線Wの端末の絶縁被覆を剥離除去して芯線を露出させておき、この露出芯線をバスバー30の電線接続部32(芯線接続部32A)に載置し、超音波溶接により溶接して接合する。この検知電線Wの端末において絶縁被覆で覆われている被覆部にバスバー30の圧着部32Bを圧着すると、バスバー30に検知電線Wが接続される。
【0070】
次に、樹脂プロテクタ11のバスバー収容部12内にバスバー30を収容・保持し、検知電線Wを電線収容溝22内に配策する(
図1および
図2参照)。そして、電線収容溝22の上方(開口側)から電線収容溝用カバー50を近づけ、四隅に設けられたロック片53を、ロック片受け部20A内に挿入する。ロック片53は、その先端に設けられた爪部53Aがロック片受け部20A内に設けられた被受け部20Cに係止することにより、樹脂プロテクタ11に対して固定される(
図9参照)。これにより、電線収容溝22が電線収容溝用カバー50により覆われた状態の配線モジュール10が完成する(
図6および
図7参照)。
【0071】
この状態において、カバー本体51は、一対の電線収容溝22の溝壁23のうち、内側に配された溝壁23の上面を覆っている。また、外側に配された溝壁23(内側壁15)の上面の一部を覆っており、ロック片受け部20Bは露出した状態としている。
【0072】
また、カバー連結部52の差込片54Aは、受け片27と溝壁23との間の隙間に差し込まれており、これにより、カバー連結部52が所定の位置に安定的に保持されている。
【0073】
この状態において、第1連結部24A,第1カバー連結部52A,第2連結部24B,第2カバー連結部52B,および、第3連結部24Cは、ほぼ隙間のない状態で並んでおり、その各上面は、取付部25を除く領域において、面一な連続面とされている(
図8参照)。
【0074】
なお、この状態において、バスバー収容部用カバー40は未だ閉じられておらず、バスバー収容部12の上面は開放された状態とされている(
図6および
図7参照)。
【0075】
(作用および効果)
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
【0076】
本実施形態の配線モジュール10によれば、樹脂プロテクタ11にバスバー30および検知電線Wを収容した後、電線収容溝22だけを電線収容溝用カバー50により覆って、バスバー収容部12は開放したままの状態とすることができる。したがって、搬送途中に検知電線Wに異物が当たって傷ついたり、配線モジュール10の単電池群60への取り付け作業の際に、検知電線Wが樹脂プロテクタ11からはみ出して作業の邪魔になったり、作業途中にショートを引き起こしたりすることを防止できる。
【0077】
しかも、電線収容溝用カバー50は、一対の電線収容溝22を個別に覆う一対のカバー本体51と、これらの一対のカバー本体51を一体的に連結するカバー連結部52とから構成されているから、電線収容溝22毎に別々のカバーを設ける構成と比較して、部品点数を減らすことができる。
【0078】
また、連結部24の上面とカバー連結部52の上面とは面一とされているから、連結部24およびカバー連結部52の上面に他の部品を安定的に配置したり組み付けたりすることが可能となり、省スペース化を実現することができる。
【0079】
さらに、電線収容溝用カバー50は一対のカバー本体51の間の中心線Lを対称軸とする線対称の形状をなしているから、例えば鏡面対称の樹脂プロテクタ11に対して同じ電線収容溝用カバー50を使用することができる。
【0080】
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
【0081】
(1)上記実施形態では、連結部24の上面とカバー連結部52の上面とは面一とされている構成としたが、異なる高さに配する構成としてもよい。
【0082】
(2)また、連結部24およびカバー連結部52の位置や数は、上記実施形態に限るものではなく、例えば1つずつとする等、適宜変更することができる。
【0083】
(3)上記実施形態では、連結部24だけに取付部25を設ける構成としたが、カバー連結部52にも設ける構成としてもよい。あるいは、取付部25は必ずしも設けなくてもよい。
【0084】
(4)上記実施形態では、連結部24とカバー連結部52とをほぼ隙間なく並べる構成としたが、隙間を介して並べる構成としてもよい。
【0085】
(5)上記実施形態では、電線収容溝用カバー50を、一対のカバー本体51の間の中心線Lを対称軸とする線対称の形状をなす構成としたが、必ずしも線対称としなくてもよい。例えば、
図12および
図13に示すように、電線収容溝用カバー150の一方の第1補強リブ156に、連結部24に向けて突出する電線保持部159を設けて、連結部24およびカバー連結部152に載置された他の部品から導出される電線を保持できる構成としてもよい。
【0086】
(6)電線収容溝用カバー50の樹脂プロテクタ11に対するロック構造は、上記実施形態に限るものではなく、他の態様とすることもできる。
【0087】
(7)検知電線Wとバスバー30との接続構造や、バスバー30と単電池との接続構造は、上記実施形態に限るものではない。例えば、検知電線Wとバスバー30とを、圧着により接続したり、バスバー30と単電池61とを、ボルトとナットの締結により接続してもよい。