特許第6168394号(P6168394)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6168394
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/38 20060101AFI20170713BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20170713BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20170713BHJP
   H04B 1/38 20150101ALI20170713BHJP
【FI】
   H01Q1/38
   H01Q1/24 Z
   H04M1/02 C
   H04B1/38
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-97144(P2013-97144)
(22)【出願日】2013年5月2日
(65)【公開番号】特開2014-220601(P2014-220601A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】行本 真介
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 嶺
【審査官】 佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−038113(JP,U)
【文献】 実開昭63−115282(JP,U)
【文献】 実開昭57−010779(JP,U)
【文献】 実開昭59−096879(JP,U)
【文献】 米国特許第07958622(US,B1)
【文献】 独国特許出願公開第19500925(DE,A1)
【文献】 実開平05−059932(JP,U)
【文献】 特開2001−101372(JP,A)
【文献】 特開2011−055306(JP,A)
【文献】 特開2003−051711(JP,A)
【文献】 特開2004−274259(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0116634(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/38
H01Q 1/24
H04B 1/38
H04M 1/02
H05K 5/03
H05K 7/00
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の基板本体と、前記基板本体の表面に金属箔でパターン形成されたアンテナエレメントと、前記アンテナエレメントに接続された実装部品と、前記基板本体を支持する絶縁性の補強板とを備え、
前記基板本体の表面に前記補強板が貼り付けられていると共に、前記基板本体が貼り付けられた前記補強板の面に前記実装部品を収納する凹部が形成され
前記基板本体が、フレキシブル基板又はプリント基板であり、
前記補強板が、波長短縮効果を有する誘電体、磁性体材料又はこれらを混合した複合材料で形成され、
前記アンテナエレメントが、前記補強板に接触していることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記凹部の底面に、前記実装部品に接触する凸部が形成されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
前記凹部の底面に、前記実装部品に接触する部品保護シートが設置されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記基板本体の裏面に、裏面保護シートが貼り付けられていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記実装部品が、誘電体,磁性体材料又はこれらを混合した複合材料で形成され前記アンテナエレメントに接触した状態で前記凹部内に設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄い基板に設けられた実装部品を保護して高い信頼性が得られるアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信機器において、誘電体に導体が形成されたアンテナ素子やインダクタ等の受動素子が基板に実装されたアンテナ装置が採用されている。例えば、特許文献1には、回路基板を有した筐体にアンテナ素子が実装されたアンテナ装置が記載されている。また、特許文献2には、フレキシブル基板と、該フレキシブル基板の表面上に設けられたアンテナ素子及びインピーダンス整合用のインダクタとを備えたアンテナが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−86418号公報
【特許文献2】特開2002−151928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術においても、以下の課題が残されている。
すなわち、特許文献2に記載のアンテナのように、アンテナ素子や受動素子(インダクタやコンデンサ等)の実装部品をフレキシブル基板等の薄い基板に設置したアンテナの場合、基板が薄いために基板自体を支持又は補強する必要が生じることがある。例えば、図11に示すように、薄い基板本体2に台座となる樹脂等の補強板105を貼り付ける方法が用いられているが、アンテナ素子や受動素子の実装部品4A,4Bを基板本体2に実装すると、全体がさらに厚くなってしまい、薄型化が困難になってしまう不都合があった。
また、実装部品4A,4Bが露出しており、落下衝撃等によって脱落するおそれがあるなど信頼性の問題が生じていた。このため、図12の(a)(b)に示すように、露出している実装部品4A,4Bを保護用のテープ102や樹脂103で覆ってケース101に直接接触しないようにする方法も考えられるが、さらに厚みが増大してしまう。また、保護用の部材や材料の追加が必要になると共に、アンテナ性能への影響が大きくなってしまう不都合があった。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、厚みの増大を抑制すると共に実装部品を保護して高い信頼性を有するアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るアンテナ装置は、絶縁性の基板本体と、前記基板本体の表面に金属箔でパターン形成されたアンテナエレメントと、前記アンテナエレメントに接続された実装部品と、前記基板本体を支持する絶縁性の補強板とを備え、前記基板本体の表面に前記補強板が貼り付けられていると共に、前記基板本体が貼り付けられた前記補強板の面に前記実装部品を収納する凹部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
このアンテナ装置では、基板本体が貼り付けられた補強板の面に実装部品を収納する凹部が形成されているので、実装部品が凹部内に収納されて表面に露出しないことで、落下による直接的な衝撃等を実装部品が受け難く、高い信頼性を確保することができる。また、実装部品による厚みの増大がなく、薄型化を図ることができると共に、余分な保護材が不要になり、アンテナ性能の劣化を最小限に抑えることができる。
【0008】
第2の発明に係るアンテナ装置は、第1の発明において、前記凹部の底面に、前記実装部品に接触する凸部が形成されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、凹部の底面に、実装部品に接触する凸部が形成されているので、凸部で実装部品を下方から押さえて安定して支持することができ、信頼性を向上させることができる。
【0009】
第3の発明に係るアンテナ装置は、第1又は第2の発明において、前記凹部の底面に、前記実装部品に接触する部品保護シートが設置されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、凹部の底面に、実装部品に接触する部品保護シートが設置されているので、部品保護シートで実装部品を下方から押さえて安定して支持することができ、信頼性を向上させることができる。なお、部品保護シートを設けても、凹部内だけであるため、全体の厚さが増えず、アンテナ性能への影響も最低限に抑えられる。
【0010】
第4の発明に係るアンテナ装置は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記基板本体の裏面に、裏面保護シートが貼り付けられていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、基板本体の裏面に、裏面保護シートが貼り付けられているので、ケース等に基板本体が直接接触せずに信頼性を向上させることができる。なお、基板本体の裏面には実装部品が無いため、裏面保護シートを薄くすることができると共に、アンテナ性能への影響も最小限に抑えられる。
【0011】
第5の発明に係るアンテナ装置は、第1から第4の発明のいずれかにおいて、前記実装部品が、誘電体,磁性体材料又はこれらを混合した複合材料で形成され前記アンテナエレメントに接触した状態で前記凹部内に設けられていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、実装部品が、誘電体,磁性体材料又はこれらを混合した複合材料で形成されアンテナエレメントに接触した状態で凹部内に設けられているので、アンテナエレメントが凹部内の誘電体,磁性体材料又はこれらを混合した複合材料に接触していることで、波長短縮効果が得られ、小型化や高性能化を図ることが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
本発明のアンテナ装置によれば、補強板が、基板本体の表面に貼り付けられると共に表面に実装部品を収納する凹部が形成されているので、落下による直接的な衝撃等を受け難く、高い信頼性を確保することができると共に、アンテナ性能の劣化を最小限に抑えつつ薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るアンテナ装置の第1実施形態において、補強板の貼り付け前(a)と貼り付け後(b)の状態を示す斜視図である。
図2】第1実施形態において、実装部品が設置された基板本体を示す平面図(a)と、補強板を示す平面図(b)である。
図3】第1実施形態において、アンテナ装置を示す平面図である。
図4】第1実施形態において、補強板の貼り付け前(a)と貼り付け後(b)の状態を断面で示す説明図である。
図5】第1実施形態において、アンテナ素子を示す斜視図(a)、平面図(b)、正面図(c)、底面図(d)及び背面図(e)である。
図6】本発明に係るアンテナ装置の第2実施形態を示す斜視図(a)及び概念的な断面図(b)である。
図7】本発明に係るアンテナ装置の第3実施形態を示す概念的な断面図である。
図8】本発明に係るアンテナ装置の第4実施形態を示す概念的な断面図である。
図9】本発明に係るアンテナ装置の第5実施形態において、補強板の貼り付けを示す説明図である。
図10】第5実施形態において、補強板の貼り付け前(a)と貼り付け後(b)の状態を断面で示す説明図である。
図11】本発明に係るアンテナ装置の従来例を示す斜視図である。
図12】本発明に係るアンテナ装置の従来例において、保護用のシートを貼り付けた状態(a)と保護用の樹脂で覆った状態(b)とを示す概念的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るアンテナ装置の第1実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために必要に応じて縮尺を適宜変更している。
【0015】
本実施形態におけるアンテナ装置1は、図1から図3に示すように、絶縁性の基板本体2と、基板本体2の表面に銅箔等の金属箔でパターン形成されたアンテナエレメント3と、アンテナエレメント3に接続された実装部品4A,4Bと、基板本体2を支持する絶縁性の補強板5とを備えている。
また、このアンテナ装置1は、基板本体2の表面に補強板5が貼り付けられていると共に、基板本体2が貼り付けられた補強板5の面に実装部品4A,4Bを収納する凹部5a,5bが形成されている。
【0016】
上記基板本体2は、薄い基板であって、本実施形態ではフレキシブル基板を採用している。なお、他の基板として、ガラスエポキシ樹脂等からなる薄いプリント基板を採用しても構わない。
上記アンテナエレメント3は、図2の(a)に示すように、例えば逆L字状にパターン形成されており、途中に誘電体アンテナのアンテナ素子である実装部品4Aと、インダクタ等の受動素子である実装部品4Bとが半田材等で実装されて接続されている。すなわち、実装部品4A,4Bをエレメントの一部として接続している。なお、アンテナエレメント3の形状は、上記パターン形状の他に種々の形状が採用可能であると共に、実装部品4A,4Bの接続位置や実装数も種々のものが採用可能である。
【0017】
なお、実装部品4Aとして実装するアンテナ素子としては、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子であって、例えば図5に示すように、セラミックス等の誘電体121の表面にAg等の導体パターン122が形成されたチップアンテナが採用可能である。このアンテナ素子は、共振周波数等の設定に応じて、その長さ、幅、導体パターン等が異なる素子を選択しても構わない。また、所望の周波数によっては、アンテナ素子に使用している誘電体121を、磁性体、若しくは誘電体と磁性体とを混合した複合材料としても構わない。
【0018】
また、実装部品4Bとして実装する受動素子としては、例えばインダクタ、コンデンサ、抵抗又はジャンパー線が採用される。
なお、アンテナエレメント3への給電方法としては、アンテナエレメント3の一部(給電点)に給電用のパッド部を設け、板状金属等によるバネ接点を介してパッド部と回路基板(図示略)とを電気的に接続して給電したり、ピンプローブによって給電点に接続して給電したり、同軸ケーブルによって給電点に接続して給電したりする方法が採用可能である。
【0019】
上記補強板5は、例えば樹脂材で形成されており、凹部5a,5bは収納する実装部品4A,4Bの形状に対応して形成されている。すなわち、本実施形態では、チップ状の実装部品4A,4Bに対応した断面矩形状の凹部5a,5bが形成されている。
なお、補強板5を構成する材料として、樹脂材の他に、誘電体,磁性体材料又はこれらを混合した複合材料などの絶縁材料を用いても構わない。この場合、アンテナエレメント3が、補強板5の誘電体,磁性体材料又はこれらを混合した複合材料に接触していることで、波長短縮効果などが得られ、小型化や薄型化を図ることが可能になる。
【0020】
本実施形態のアンテナ装置1を作製するには、図4の(a)に示すように、実装部品4A,4Bがアンテナエレメント3に実装された基板本体2をひっくり返して表面側を下側にし、図4の(b)に示すように、補強板5の表面に貼り付ける。なお、図4を含む以下の断面図では、アンテナエレメント3が薄膜であるため、図示を省略している。
上記貼り付けの際、基板本体2の表面(下面)と補強板5の表面(上面)とは、両面テープ又は接着材を用いて接着、固定する。なお、この際の両面テープとしては、弾力性のあるポリウレタン系、ポリエチレン系の基材にアクリル系の粘着剤を塗布したもの等が採用可能である。
【0021】
このように本実施形態のアンテナ装置1では、基板本体2が貼り付けられた補強板5の面に実装部品4A,4Bを収納する凹部5a,5bが形成されているので、実装部品4A,4Bが凹部5a,5b内に収納されて表面に露出しないことで、落下による直接的な衝撃等を実装部品4A,4Bが受け難く、高い信頼性を確保することができる。また、実装部品4A,4Bによる厚みの増大がなく、薄型化を図ることができると共に、余分な保護材が不要になり、アンテナ性能の劣化を最小限に抑えることができる。
【0022】
次に、本発明に係るアンテナ装置の第2から第5実施形態について、図6から図10を参照して以下に説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0023】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、基板本体2の裏面には特に何も設けていないのに対し、第2実施形態のアンテナ装置21は、図6に示すように、基板本体2の裏面に、裏面保護シート22が貼り付けられている点である。
この裏面保護シート22は、絶縁性の柔軟な保護テープであって、例えばテフロン(登録商標)、フッ素樹脂等の粘着テープや、ポリエステルの基材にアクリル系の粘着剤を塗布したテープ等が採用可能である。
【0024】
このように第2実施形態のアンテナ装置21では、基板本体2の裏面に、裏面保護シート22が貼り付けられているので、ケース101に基板本体2が直接接触せずに信頼性を向上させることができる。なお、基板本体2の裏面には実装部品4A,4Bが無いため、裏面保護シート22を薄くすることができると共に、アンテナ性能への影響も最小限に抑えられる。
【0025】
次に、第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、凹部5a,5bの底面が平坦面であるのに対し、第3実施形態のアンテナ装置31は、図7に示すように、補強板35に形成された凹部5a,5bの底面に、実装部品4A,4Bに接触する凸部35aが形成されている点である。
この第3実施形態では、実装部品4A,4Bの高さよりも凸部35aの分だけ深く凹部5a,5bを形成し、実装部品4A,4Bが凹部5a,5b内に収納された状態で、凸部35aの上部が実装部品4A,4Bに当接するように設定されている。
【0026】
上記凸部35aは、凹部5a,5bと共に樹脂の一体成形で形成される。なお、凸部35aは各凹部5a,5bに1つだけに限らず、複数形成しても構わない。
このように第3実施形態のアンテナ装置31では、凹部5a,5bの底面に、実装部品4A,4Bに接触する凸部35aが形成されているので、凸部35aで実装部品4A,4Bを下方から押さえて安定して支持することができ、信頼性を向上させることができる。
【0027】
次に、第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、凹部5a,5b内には実装部品4A,4Bだけが収納されているのに対し、第4実施形態のアンテナ装置41は、図8に示すように、凹部5a,5bの底面に、実装部品4A,4Bに接触する部品保護シート42が設置されている点である。すなわち、第3実施形態では、凹部5a,5bの底面と実装部品4A,4Bとの間に部品保護シート42が介在している。
【0028】
また、実装部品4A,4Bの高さよりも部品保護シート42の厚み分だけ深く凹部5a,5bを形成し、実装部品4A,4Bが凹部5a,5b内に収納された状態で、部品保護シート42の上部が実装部品4A,4Bに当接するように設定されている。
この部品保護シート42は、絶縁性の柔軟な保護テープであって、例えばテフロン(登録商標)、フッ素樹脂等の粘着テープや、ポリエステルの基材にアクリル系の粘着剤を塗布したテープ等が採用可能である。
【0029】
このように、第4実施形態のアンテナ装置41では、凹部5a,5bの底面に、実装部品4A,4Bに接触する部品保護シート42が設置されているので、部品保護シート42で実装部品4A,4Bを下方から押さえて安定して支持することができ、信頼性を向上させることができる。なお、部品保護シート42を設けても、凹部5a,5b内だけであるため、全体の厚さが増えず、アンテナ性能への影響も最低限に抑えられる。
【0030】
次に、第5実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、アンテナエレメント3に固定されたアンテナ素子や受動素子が実装部品4A,4Bとして用いられているのに対し、第5実施形態のアンテナ装置51は、図9及び図10に示すように、実装部品52が、誘電体,磁性体材料又はこれらを混合した複合材料で形成され、アンテナエレメント53に接触した状態で凹部5a,5b内に設けられている点である。
すなわち、第5実施形態では、凹部5a,5b内に誘電体,磁性体材料又はこれらを混合した複合材料で形成されたチップ状の実装部品52が埋め込まれており、その上面がアンテナエレメント53の所定箇所に面接触している。
【0031】
また、第1実施形態のアンテナエレメント3は、途中に実装部品4A,4Bを実装するために、分断されているのに対し、第5実施形態のアンテナエレメント53では、連続した逆L字状に延在している。
上記実装部品52とされる誘電体としては、セラミックス、ガラス等による一般的な誘電体材料が採用可能である。なお、用途に応じて小型化と低コスト化とを両立させるために、比誘電率として4以上の誘電体材料であることが望ましい。
また、実装部品52とされる磁性体材料としては、フェライト等の一般的な磁性体材料が採用可能である。
【0032】
このように第5実施形態のアンテナ装置51では、実装部品52が、誘電体,磁性体材料又はこれらを混合した複合材料で形成されアンテナエレメント53に接触した状態で凹部5a,5b内に設けられているので、アンテナエレメント53が凹部5a,5b内の誘電体,磁性体材料又はこれらを混合した複合材料(実装部品52)に接触していることで、波長短縮効果が得られ、小型化や高性能化を図ることが可能になる。
【符号の説明】
【0033】
1,21,31,41,51…アンテナ装置、2…基板本体、3,53…アンテナエレメント、4A,4B,52…実装部品、5,35,105…補強板、5a,5b…凹部、22…裏面保護シート、35a…凸部、42…部品保護シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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