特許第6168429号(P6168429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6168429動物用糞袋装着具、糞キャッチャーポケット、及び固定部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6168429
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】動物用糞袋装着具、糞キャッチャーポケット、及び固定部材
(51)【国際特許分類】
   A01K 23/00 20060101AFI20170713BHJP
【FI】
   A01K23/00 B
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-84004(P2016-84004)
(22)【出願日】2016年4月4日
【審査請求日】2016年7月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516116644
【氏名又は名称】荒井 麻里
(72)【発明者】
【氏名】荒井 麻里
【審査官】 門 良成
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−066470(JP,A)
【文献】 特開平06−062698(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0284898(US,A1)
【文献】 特開2007−181423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物が排泄する糞を収容する糞袋が取り付けられる内部空間を備え、前記動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと、
前記動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材と、
前記糞キャッチャーポケットと前記固定部材とを連結する連結部材であって、前記糞キャッチャーポケットに連結される紐体と、前記固定部材に設けられ、前記紐体の巻き取りとその巻き取られた前記紐体の引き出しが可能なリール本体と、を備えた少なくとも1つの連結部材と、を備える動物用糞袋装着具。
【請求項2】
動物が排泄する糞を収容する糞袋が取り付けられる内部空間を備え、前記動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと、
前記動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材と、
前記糞キャッチャーポケットと前記固定部材とを連結する連結部材であって、前記固定部材に連結される紐体と、前記糞キャッチャーポケットに設けられ、前記紐体の巻き取りとその巻き取られた前記紐体の引き出しが可能なリール本体と、を備えた少なくとも1つの連結部材と、を備える動物用糞袋装着具。
【請求項3】
前記糞キャッチャーポケットは、その上部開口が前記動物の肛門より下方に位置した状態で前記動物の臀部に装着される請求項1又は2に記載の動物用糞袋装着具。
【請求項4】
前記糞袋は、前記糞キャッチャーポケットの内部空間に沿った形態で取り付けられる請求項3に記載の動物用糞袋装着具。
【請求項5】
前記固定部材は、前記動物に装着される首輪、胴輪、又は衣服に設けられる請求項1から4のいずれか1項に記載の動物用糞袋装着具。
【請求項6】
動物が排泄する糞を収容する糞袋が取り付けられる内部空間を備え、前記動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと組み合わせて用いられる固定部材であって、
前記糞キャッチャーポケットに連結される紐体と、前記紐体の巻き取りとその巻き取られた前記紐体の引き出しが可能なリール本体と、を含む少なくとも1つの連結部材を備え、前記動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材。
【請求項7】
動物の臀部より前方の部位に装着される固定部材と組み合わせて用いられる糞キャッチャーポケットであって、
紐体と、前記紐体の巻き取りとその巻き取られた前記紐体の引き出しが可能なリール本体と、を含む少なくとも1つの連結部材と、前記動物が排泄する糞を収容する糞袋が取り付けられる内部空間と、を備え、前記動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物用糞袋装着具、糞キャッチャーポケット、及び固定部材に関し、特に、動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材とを連結する連結部材(紐体)が他の部分に絡まらない(その結果、手間なく装着できる)動物用糞袋装着具、糞キャッチャーポケット、及び固定部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物(例えば、犬)が排泄する糞を回収する動物用糞袋装着具(動物用排泄物回収装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の動物用糞袋装着具は、動物の胴後部に装着される胴後部当て部材と、前記動物の前記胴後部より前方の部位に装着される前部締め帯部と、前記胴後部当て部材と前記前部締め帯部とを連結する連結部材であって、動物の背骨に沿って配置される連結部材(伸縮性のあるゴム部材からなる背骨伸縮帯部)と、動物が排泄する糞を収容する糞袋(袋体)を備え、前記胴後部当て部材に取り付けられる糞キャッチャーポケット(尻当て支持体)と、を備えて構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−142594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の動物用糞袋装着具においては、胴後部当て部材と前部締め帯部とを連結する連結部材(伸縮性のあるゴム部材からなる背骨伸縮帯部)が他の部分(例えば、胴後部当て部材を装着する際に用いられる紐体(バックル体、及び受穴片)や前部締め帯部を装着する際に用いられる紐体(締帯))に絡まりやすく、動物用糞袋装着具の装着に手間がかかるという課題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材とを連結する連結部材(紐体)が他の部分に絡まらない(その結果、手間なく装着できる)動物用糞袋装着具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一つの側面は、動物が排泄する糞を収容する糞袋が取り付けられる内部空間を備え、前記動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと、前記動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材と、前記糞キャッチャーポケットと前記固定部材とを連結する連結部材であって、前記糞キャッチャーポケットに連結される紐体と、前記固定部材に設けられ、前記紐体の巻き取りとその巻き取られた前記紐体の引き出しが可能なリール本体と、を備えた少なくとも1つの連結部材と、を備える動物用糞袋装着具であることを特徴とする。
【0008】
この側面によれば、動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材とを連結する連結部材(紐体)が他の部分に絡まらない(その結果、手間なく装着できる)動物用糞袋装着具を提供することができる。
【0009】
これは、動物用糞袋装着具を動物に装着する際に、連結部材の紐体がリール本体に収納された状態から直線的に引き出されて糞キャッチャーポケットに連結されることによるものである。また、動物用糞袋装着具を動物から取り外す際に、連結部材の紐体が巻き取られてリール本体に収納されることによるものである。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の別の側面は、動物が排泄する糞を収容する糞袋が取り付けられる内部空間を備え、前記動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと、前記動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材と、前記糞キャッチャーポケットと前記固定部材とを連結する連結部材であって、前記固定部材に連結される紐体と、前記糞キャッチャーポケットに設けられ、前記紐体の巻き取りとその巻き取られた前記紐体の引き出しが可能なリール本体と、を備えた少なくとも1つの連結部材と、を備える動物用糞袋装着具であることを特徴とする。
【0011】
この側面によれば、動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材とを連結する連結部材(紐体)が他の部分に絡まらない(その結果、手間なく装着できる)動物用糞袋装着具を提供することができる。
【0012】
これは、動物用糞袋装着具を動物に装着する際に、連結部材の紐体がリール本体に収納された状態から直線的に引き出されて糞キャッチャーポケットに連結されることによるものである。また、動物用糞袋装着具を動物から取り外す際に、連結部材の紐体が巻き取られてリール本体に収納されることによるものである。
【0013】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記糞キャッチャーポケットは、その上部開口が前記動物の肛門より下方に位置した状態で前記動物の臀部に装着されることを特徴とする。
【0014】
この態様によれば、犬が排泄し、自然落下する糞を糞袋内に確実に収容することができる。
【0015】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記糞袋は、前記糞キャッチャーポケットの内部空間に沿った形態で取り付けられることを特徴とする。
【0016】
この態様によれば、犬が排泄し、自然落下する糞を、糞袋によって阻害されることなく、糞袋内に確実に収容することができる。
【0017】
これは、糞キャッチャーポケットが、その上部開口が動物の肛門より下方に位置した状態で動物の臀部に装着されること、そして、糞袋が、糞キャッチャーポケットの内部空間に沿った形態で取り付けられること、によるものである。
【0018】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記固定部材は、前記動物に装着される首輪、胴輪、又は衣服に設けられることを特徴とする。
【0019】
この態様によれば、首輪、胴輪、又は衣服を動物に装着するだけで、固定部材を動物の臀部より前方の部位に装着することができる。
【0020】
また、上記目的を達成するため、本発明の別の側面は、紐体と、前記紐体の巻き取りとその巻き取られた前記紐体の引き出しが可能なリール本体と、を含む少なくとも1つの連結部材を備え、動物の臀部より前方の部位に装着される固定部材と組み合わせて用いられる糞キャッチャーポケットであって、前記動物が排泄する糞を収容する糞袋が取り付けられる内部空間と、前記リール本体から引き出された前記紐体が連結される紐体連結部と、を備え、前記動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットであることを特徴とする。
【0021】
この側面によれば、連結部材(紐体)を連結することで手間なく、動物の臀部に装着することができる糞キャッチャーポケットを提供することができる。
【0022】
また、上記目的を達成するため、本発明の別の側面は、動物が排泄する糞を収容する糞袋が取り付けられる内部空間を備え、前記動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと組み合わせて用いられる固定部材であって、前記糞キャッチャーポケットに連結される紐体と、前記紐体の巻き取りとその巻き取られた前記紐体の引き出しが可能なリール本体と、を含む少なくとも1つの連結部材を備え、前記動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材であることを特徴とする。
【0023】
この側面によれば、連結部材(紐体)を連結することで手間なく、糞キャッチャーポケットを動物の臀部に装着することができる固定部材を提供することができる。
【0024】
また、上記目的を達成するため、本発明の別の側面は、動物の臀部より前方の部位に装着される固定部材と組み合わせて用いられる糞キャッチャーポケットであって、紐体と、前記紐体の巻き取りとその巻き取られた前記紐体の引き出しが可能なリール本体と、を含む少なくとも1つの連結部材と、前記動物が排泄する糞を収容する糞袋が取り付けられる内部空間と、を備え、前記動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットであることを特徴とする。
【0025】
この側面によれば、連結部材(紐体)を連結することで手間なく、動物の臀部に装着することができる糞キャッチャーポケットを提供することができる。
【0026】
また、上記目的を達成するため、本発明の別の側面は、紐体と、前記紐体の巻き取りとその巻き取られた前記紐体の引き出しが可能なリール本体と、を含む少なくとも1つの連結部材と、動物が排泄する糞を収容する糞袋が取り付けられる内部空間と、を備え、前記動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと組み合わせて用いられる固定部材であって、前記リール本体から引き出された前記紐体が連結される紐体連結部を備え、前記動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材であることを特徴とする。
【0027】
この側面によれば、連結部材(紐体)を連結することで手間なく、糞キャッチャーポケットを動物の臀部に装着することができる固定部材を提供することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材とを連結する連結部材(紐体)が他の部分に絡まらない(その結果、手間なく装着できる)動物用糞袋装着具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】 動物用糞袋装着具10の構成図である。
図2】 固定部材20の斜視図である。
図3】 各連結部材30A〜30C(リール本体34)から紐体32を引き出した状態の固定部材20の斜視図である。
図4】 糞キャッチャーポケット40の斜視図である。
図5】 糞キャッチャーポケット40の斜視図である。
図6】 糞袋60が取り付けられた状態の糞キャッチャーポケット40の斜視図である。
図7】 糞袋60が取り付けられた状態の糞キャッチャーポケット40の斜視図である。
図8】 犬の排便時の動物用糞袋装着具10の作用について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態である動物用糞袋装着具10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0031】
図1は、動物用糞袋装着具10の構成図である。以下、動物用糞袋装着具10が装着される動物が犬である例について説明する。
【0032】
図1に示すように、動物用糞袋装着具10は、犬用糞袋装着具で、固定部材20と、連結部材30(30A〜30C)と、糞キャッチャーポケット40と、を備える。
【0033】
図2は固定部材20の斜視図、図3は各連結部材30A〜30C(リール本体34)から紐体32を引き出した状態の固定部材20の斜視図である。
【0034】
図2に示すように、固定部材20は、犬に装着される胴輪70に設けられており、当該胴輪70を犬に装着することで(図1参照)、犬の臀部より前方の部位(図1中、犬の背中前部を例示)に装着される。固定部材20は、糞キャッチャーポケット40と組み合わせて用いられる。固定部材20の材質や形状は特に限定されないが、軽量で柔軟な素材が望ましい。
【0035】
固定部材20には、図2に示すように、左右に配置された連結部材30A、30B(リール本体34)と、連結部材30A、30Bの間に配置された連結部材30C(リール本体34)と、が設けられる。各連結部材30A〜30C(リール本体34)は、例えば、二つ折りされた固定部材20としての布状部材の間に、その二つ折りされた折り目部20aに設けられた開口20bから紐体32が引き出された状態で設けられる。もちろん、これに限らず、各連結部材30A〜30C(リール本体34)は、ネジや接着剤等の他の手段で固定部材20に設けてもよい。
【0036】
各連結部材30A〜30Cは、糞キャッチャーポケット40と固定部材20とを連結するための手段で、糞キャッチャーポケット40に連結される紐体32と、紐体32の巻き取りとその巻き取られた紐体32の引き出しが可能なリール本体34と、を含む。
【0037】
具体的には、各連結部材30A〜30Cは、リール本体34と、支軸回りで回転するリール(図示せず)と、このリールを巻き取り方向に付勢するばね手段(図示せず)と、一端がリール本体34側に固定されるとともに他端がリール本体34に設けられた開口から外部に引き出される紐体32と、を備える。
【0038】
左右に配置された連結部材30A、30Bの紐体32の他端には、糞キャッチャーポケット40(各紐体46A、46Bに設けられた紐体連結部44)に連結(係合)される係合部材36が設けられ、また、連結部材30A、30Bの間に配置された連結部材30Cの紐体32の他端には、糞キャッチャーポケット40(各カバー部50A、50Bに設けられた紐体連結部48)に連結(係合)される係合部材38が設けられる。
【0039】
各連結部材30A〜30Cの紐体32は、固定部材20(リール本体34)に対して係合部材36、38を引くことで、ばね手段に抗してリール本体34から引き出され(図3参照)、また、ばね手段の復元力により、その巻き取りが実現される(図2参照)。なお、紐体32の材質や形状(断面形状)は特に問わず、帯状の紐であってもよい。
【0040】
図4図5は糞キャッチャーポケット40の斜視図、図6図7は糞袋60が取り付けられた状態の糞キャッチャーポケット40の斜視図である。
【0041】
図4図7に示すように、糞キャッチャーポケット40は、糞キャッチャーポケット本体42と、紐体46A、46Bと、カバー部50と、糞袋取付部52と、を備える。糞キャッチャーポケット40は、固定部材20と組み合わせて用いられる。糞キャッチャーポケット40の材質や形状は特に限定されないが、軽量で柔軟な素材が望ましい。
【0042】
糞キャッチャーポケット本体42は、犬が排泄する糞を収容する糞袋60が上部開口42aを介して取り付けられる内部空間42bを備えた容器である(図5等参照)。
【0043】
紐体46A、46Bは、一端が糞キャッチャーポケット本体42に固定されるとともに他端に、左右に配置された連結部材30A、30B(リール本体34)から引き出された紐体32(係合部材36)が連結される紐体連結部44が設けられる。なお、紐体46A、46Bの材質や形状(断面形状)は特に問わず、帯状の紐であってもよい。
【0044】
カバー部50は、下端縁が糞キャッチャーポケット本体42(上部開口42aのうち後側縁部)に固定される(図5等参照)とともに、犬の臀部中央から腰左側にかけての範囲を覆う左カバー部50Aと、犬の臀部中央から腰右側にかけての範囲を覆う右カバー部50Bと、左カバー部50Aと右カバー部50Bとの間に設けられたU字状の凹部50Cと、を含む。
【0045】
各カバー部50A、50Bには、連結部材30A、30Bの間に配置された連結部材30C(リール本体34)から引き出された紐体32(係合部材38)が連結される紐体連結部48が設けられる。紐体連結部48は、各カバー部50A、50Bの上部、かつ、凹部50C寄りの位置に設けられる。
【0046】
糞袋取付部52は、糞袋60を糞キャッチャーポケット本体42に取り付けるための手段で、例えば、糞キャッチャーポケット本体42、及びカバー部50(内側面及び外側面)に設けられたクリップ部によって構成される。
【0047】
糞袋60は、図6図7に示すように、糞袋取付部52によって、糞キャッチャーポケット40(糞キャッチャーポケット本体42)の内部空間42b(内壁)に沿った形態で取り付けられる。糞袋60の材質や形状は特に限定されないが、例えば、ビニール袋や紙袋を用いることができる。
【0048】
次に、動物用糞袋装着具10の使用方法の一例について説明する。
【0049】
まず、胴輪70を犬に装着することで(図1参照)、固定部材20を、犬の臀部より前方の部位(図1中、背中前部を例示)に装着する。
【0050】
次に、犬の尻尾がカバー部50の凹部50C内に位置するとともに、カバー部50(各カバー部50A、50B)が犬の臀部中央から腰左右両側にかけての範囲を覆うように糞キャッチャーポケット40を犬の臀部にあてがい、この状態で、左カバー部50Aに設けられた紐体連結部48と右カバー部50Bに設けられた紐体連結部48とを近づける。
【0051】
そして、連結部材30A、30Bの間に配置された連結部材30C(リール本体34)から紐体32を引き出し、その紐体32(係合部材38)を糞キャッチャーポケット40(各カバー部50A、50Bに設けられた紐体連結部48)に連結する(図1参照)。これにより、凹部50C、及び係合部材38が犬の尻尾を取り囲んだ状態となる。その際、連結部材30A、30Bの間に配置された連結部材30Cの紐体32がリール本体34に収納された状態から直線的に引き出されて糞キャッチャーポケット40に連結されるため、当該紐体32が他の部分に絡まることがない。
【0052】
次に、糞キャッチャーポケット40の紐体46A、46Bを、犬の後脚の内側を通して脇腹辺りまで引き寄せるとともに、左右に配置された連結部材30A、30B(リール本体34)から紐体32を引き出し、その紐体32(係合部材36)を糞キャッチャーポケット40(各紐体46A、46Bに設けられた紐体連結部44)に連結する(図1参照)。その際、左右に配置された連結部材30A、30Bの紐体32がリール本体34に収納された状態から直線的に引き出されて糞キャッチャーポケット40に連結されるため、当該紐体32が他の部分に絡まることがない。
【0053】
以上のようにして、糞キャッチャーポケット40は、犬の臀部に装着される。その際、ばね手段の復元力によって各連結部材30A〜30Cの紐体32に張力が作用し、この張力によって糞キャッチャーポケット40が犬側に引き寄せられるため、犬の姿勢にかかわらず、糞キャッチャーポケット40は、犬の臀部に密着した状態でしっかりと装着される。これにより、糞キャッチャーポケット40の位置ズレが防止される。
【0054】
なお、犬の動きに追従して、各連結部材30A〜30Cの紐体32がリール本体34から引き出され、あるいは、巻き取られるため、各連結部材30A〜30Cが犬の動きを拘束することがない。
【0055】
図8は、犬の排便時の動物用糞袋装着具10の作用について説明するための図である。
【0056】
図8に示すように、動物用糞袋装着具10を装着した犬が排便時の姿勢をとった場合、糞キャッチャーポケット40(糞キャッチャーポケット本体42)の上部開口42aは犬の肛門より下方に位置する。そして、糞袋60は、糞袋取付部52によって、糞キャッチャーポケット40(糞キャッチャーポケット本体42)の内部空間42b(内壁)に沿った形態で取り付けられているため(図6図7参照)、犬が排泄する糞は、糞袋60によって阻害されることなく、自然落下して糞袋60内に確実に収容される。
【0057】
なお、糞キャッチャーポケット40は、排便後、犬の臀部に装着したままであってもよいが、取り外してもよい。糞キャッチャーポケット40は、その装着時と逆の手順で取り外すことができる。その際、糞キャッチャーポケット40から取り外された各連結部材30A〜30Cの紐体32がばね手段の復元力により、自動的に直線的に巻き取られてリール本体34に収納されるため、当該紐体32が他の部分に絡まることがない。
【0058】
以上説明したように、本実施形態によれば、犬の臀部に装着される糞キャッチャーポケット40と犬の臀部より前方の部位(図1中、犬の背中前部を例示)に装着される固定部材20とを連結する連結部材30(紐体32)が他の部分に絡まらない(その結果、手間なく装着できる)動物用糞袋装着具10を提供することができる。
【0059】
これは、動物用糞袋装着具10を犬に装着する際に、各連結部材30A〜30Cの紐体32がリール本体34に収納された状態から直線的に引き出されて糞キャッチャーポケット40に連結されることによるものである。また、動物用糞袋装着具10を犬から取り外す際に、各連結部材30A〜30Cの紐体32がばね手段の復元力により、自動的に直線的に巻き取られてリール本体34に収納されることによるものである。
【0060】
また、本実施形態によれば、各連結部材30A〜30Cの紐体32をリール本体34に収納された状態から直線的に引き出して糞キャッチャーポケット40に連結するだけで、動物用糞袋装着具10を犬に装着できるため、犬がじっとせず、激しく動く場合であっても、動物用糞袋装着具10を手間なく装着することができる
【0061】
また、本実施形態によれば、犬が排泄し、自然落下する糞を、糞袋60によって阻害されることなく、糞袋60内に確実に収容することができる。
【0062】
これは、糞キャッチャーポケット40(糞キャッチャーポケット本体42)が、その上部開口42aが(排便時の姿勢をとった)犬の肛門より下方に位置した状態で犬の臀部に装着されること、そして、糞袋60が、糞キャッチャーポケット40(糞キャッチャーポケット本体42)の内部空間42b(内壁)に沿った形態で取り付けられること、によるものである。
【0063】
また、本実施形態によれば、胴輪70を犬に装着するだけで、固定部材20を犬の臀部より前方の部位(図1中、犬の背中前部を例示)に装着することができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、各連結部材30A〜30C(紐体32)を連結することで手間なく、犬の臀部に装着することができる糞キャッチャーポケット40を提供することができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、各連結部材30A〜30C(紐体32)を連結することで手間なく、糞キャッチャーポケット40を犬の臀部に装着することができる固定部材20を提供することができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、犬の体格やサイズに応じて、各連結部材30A〜30Cの紐体32がリール本体34から引き出され、あるいは、巻き取られ、各連結部材30A〜30Cの紐体32が自動的に犬の体格やサイズに適した長さに調整されるため、人がサイズ調整を行うことなく、動物用糞袋装着具10を、体格やサイズの違う犬に装着することができるという利点もある。
【0067】
また、本実施形態によれば、犬から糞キャッチャーポケット40を取り外した場合(すなわち、糞キャッチャーポケット40から各連結部材30A〜30Cの紐体32を取り外した場合)、その紐体32が自動的に巻き取られてリール本体34に収納されて一か所にまとまるため、各連結部材30A〜30Cの紐体32が残された状態とならず、見栄えがよい動物用糞袋装着具10を提供することができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、各連結部材30A〜30Cの紐体32が自動的に巻き取られてリール本体34に収納されて一か所にまとまるため、動物用糞袋装着具10の持ち運びや保管がしやすいという利点もある。
【0069】
次に、変形例について説明する。
【0070】
上記実施形態では、動物用糞袋装着具10が装着される動物が犬である例について説明したが、これに限らず、動物用糞袋装着具10が装着される動物は、犬以外の動物であってもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、連結部材として、3つの連結部材30A〜30Cを用いた例について説明したが、これに限らず、連結部材として、1又は2、あるいは4以上の連結部材を用いてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、固定部材20を、犬に装着される胴輪70に設けた例について説明したが、これに限らず、固定部材20を、犬に装着される胴輪70以外の首輪や衣服等の装着具に設けてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、各連結部材30A〜30Cを固定部材20に設け、各連結部材30A〜30Cから引き出された紐体32を糞キャッチャーポケット40に連結する例について説明したが、これに限らない。例えば、これとは逆に、各連結部材30A〜30Cを糞キャッチャーポケット40に設け、各連結部材30A〜30Cから引き出された紐体32を固定部材20に連結してもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、左右に配置された連結部材30A、30Bの紐体32(係合部材36)を、糞キャッチャーポケット40(紐体46A、46B)に設けられた紐体連結部44に連結し、連結部材30A、30Bの間に配置された連結部材30Cの紐体32(係合部材38)を、糞キャッチャーポケット40(カバー部50)に設けられた紐体連結部48に連結する例について説明したが、これに限らない。すなわち、各連結部材30A〜30Cの紐体32(係合部材36、38)は、糞キャッチャーポケット40の任意の箇所に連結してもよい。
【0075】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0076】
10…動物用糞袋装着具、20…固定部材、20a…折り目部、20b…開口、30(30A〜30C)…連結部材、32…紐体、34…リール本体、36…係合部材、38…係合部材、40…糞キャッチャーポケット、42…糞キャッチャーポケット本体、42a…上部開口、42b…内部空間、44…紐体連結部、46(46A、46B)…紐体、48…紐体連結部、50…カバー部、50A…左カバー部、50B…右カバー部、50C…凹部、52…糞袋取付部、60…糞袋、70…胴輪
【要約】
【課題】動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケットと動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材とを連結する連結部材(紐体)が他の部分に絡まらない(その結果、手間なく装着できる)動物用糞袋装着具を提供する。
【解決手段】動物が排泄する糞を収容する糞袋が取り付けられる内部空間を備え、前記動物の臀部に装着される糞キャッチャーポケット40と、前記動物の前記臀部より前方の部位に装着される固定部材20と、前記糞キャッチャーポケット40と前記固定部材20とを連結する連結部材であって、前記糞キャッチャーポケット40に連結される紐体32と、前記固定部材20に設けられ、前記紐体32の巻き取りとその巻き取られた前記紐体32の引き出しが可能なリール本体34と、を備えた少なくとも1つの連結部材30A〜30Cと、を備える動物用糞袋装着具10であることを特徴とする。
【選択図】図1
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