特許第6168504号(P6168504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6168504
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】サポーター
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/005 20060101AFI20170713BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20170713BHJP
   A41D 13/08 20060101ALI20170713BHJP
   A41D 13/06 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   A41D13/005 108
   A41D13/05 112
   A41D13/08 101
   A41D13/06
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-54315(P2016-54315)
(22)【出願日】2016年3月17日
【審査請求日】2016年11月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593173493
【氏名又は名称】株式会社MOGU
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】石田 喜信
【審査官】 ▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3074069(JP,U)
【文献】 実開昭60−163913(JP,U)
【文献】 特開2001−061882(JP,A)
【文献】 実開平04−011371(JP,U)
【文献】 特開昭60−222053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/00−13/12
A41D19/00−19/04
A41D20/00
A41D27/00−27/28
A41B11/00−11/14
A61F 7/00− 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側生地部分と外側生地部分との二重構造部分を有するサポーター本体と、前記内側生地部分と前記外側生地部分との間のスペースに収納された発泡樹脂粒子と、携帯用加熱または冷却源を収納可能なように前記側生地部分または前記側生地部分に設けられたポケットとを備え
前記サポーター本体が、着用者の体の部位を外部に露出させる3つまたは4つの孔部を有し、前記内側生地部分を外側へ裏返して使用可能にかつ前記内側生地部分を外側へ裏返す前と後の前記サポーター本体の形状が同一となる筒形形状に形成されたことを特徴とするサポーター。
【請求項2】
前記発泡樹脂粒子を袋体内に密封して形成したパッドを備えると共に、前記内側生地部分と前記外側生地部分との間のスペースが前記パッドを出し入れ可能な別のポケットとして形成されている請求項1に記載のサポーター。
【請求項3】
前記内側生地部分と前記外側生地部分とが1枚の生地からなる請求項1または2に記載のサポーター。
【請求項4】
前記内側生地部分の一部に前記外側生地部分全体が縫い付けられ、かつ前記外側生地部分に前記ポケットが設けられている請求項1または2に記載のサポーター。
【請求項5】
前記外側生地部分の一部に前記内側生地部分全体が縫い付けられ、かつ前記内側生地部分に前記ポケットが設けられている請求項1または2に記載のサポーター。
【請求項6】
前記ポケットの開口部に面ファスナーが設けられている請求項1〜5のいずれか1つに記載のサポーター。
【請求項7】
前記サポーター本体は、右または左の脹ら脛、踵およびつま先を外部に露出させる前記3つの孔部を有し、足首をサポートするように構成された請求項1〜6のいずれか1つに記載のサポーター。
【請求項8】
前記サポーター本体は、右または左の腕、手の親指および手の親指を除く四指を外部に露出させる前記3つの孔部を有し、手首をサポートするように構成された請求項1〜6のいずれか1つに記載のサポーター。
【請求項9】
前記サポーター本体は、首、右腕、左腕および胴体を外部に露出させる前記4つの孔部を有し、左右両肩をサポートするように構成された請求項1〜6のいずれか1つに記載のサポーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサポーターに関し、詳しくは身体の装着部分の加温と冷却を選択的に行えるサポーターに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、手袋内の手の甲側に市販の使い捨てカイロを収納するポケットを設け、寒中時の戸外における作業やレジャー等を行う際に手の甲および指に使い捨てカイロの熱を加えて血行不良やしもやけ等を抑制する防寒用手袋が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60−105615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
市販の使い捨てカイロは平均温度50〜55℃で8時間以上持続するものが多く、最高温度が70℃に達するものもある。
一方、低温やけどは、低温でも長時間同じ箇所を加温し続けると細胞が壊死してしまう症状であり、ある研究機関によると、低温やけどになる温度と時間の関係は、43℃で10時間以上、44℃で3〜4時間以上、45℃で1〜3時間以上、46℃で30分〜1時間程度、50℃で2〜3分であると報告されている。
【0005】
よって、特許文献1の防寒用手袋を使用者が手に装着した使用状態において、ポケットに収納した使い捨てカイロと手の甲との間は1枚の生地で隔てられているが、1枚の生地では使い捨てカイロの熱を十分に緩和することができず、手の甲が低温やけどする可能性が高い。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、使い捨てカイロによる低温やけどを防止できることに加え、身体を部分的に冷却する際にも使用することができるサポーターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かくして、本発明によれば、内側生地部分と外側生地部分との二重構造部分を有するサポーター本体と、前記内側生地部分と前記外側生地部分との間のスペースに収納された発泡樹脂粒子と、携帯用加熱または冷却源を収納可能なように前記側生地部分または前記側生地部分に設けられたポケットとを備え
前記サポーター本体が、着用者の体の部位を外部に露出させる3つまたは4つの孔部を有し、前記内側生地部分を外側へ裏返して使用可能にかつ前記内側生地部分を外側へ裏返す前と後の前記サポーター本体の形状が同一となる筒形形状に形成されたサポーターが提供される。
【発明の効果】
【0008】
携帯用加熱源として使い捨てカイロを使用する場合、本発明のサポーターは外側生地部分にポケットが設けられる。これにより、本発明のサポーターを直に着用した使用者の身体と使い捨てカイロとの間は外側生地部分と発泡樹脂粒子と内側生地部分とによって隔てられることとなる。特に、外側生地部分と内側生地部分の間のスペースに設けられた発泡樹脂粒子の内部構造は無数の気泡を有するものであるため、使い捨てカイロの熱を十分に緩和して使用者の身体に伝達することができる。よって、例えば、このサポーターを使用者の腰に装着した場合には、低温やけどを防止しながら腰を温めて慢性的な腰痛や生理痛等を緩和することができる。
【0009】
また、本発明のサポーターは、携帯用冷却源として保冷剤を保持することも可能である。この場合、本発明のサポーターは内側生地部分にポケットが設けられる。これにより、本発明のサポーターを直に着用した使用者の身体と保冷剤との間はポケットの生地によってのみ隔てられることとなるため、保冷剤によって使用者の身体を効果的に冷却することができる。よって、例えば、このサポーターを使用者の腰に装着した場合には、ぎっくり腰といった急性の腰痛に対処することができる。
【0010】
また、使い捨てカイロを使用する場合と保冷剤を使用する場合において、本発明のサポーターは同じものを用いることができる。つまり、ポケットを有する外側生地部分を内側へ反転させれば使い捨てカイロ収納用ポケットを保冷剤収納用ポケットに変えることができ、この逆も可能である。よって、本発明のサポーターは、使い捨てカイロによる低温やけどを防止できることに加え、身体を冷却する際にも使用することができる。
【0011】
このように用いることができる本発明のサポーターには発泡樹脂粒子が用いられているため、使用者はサポーターを装着したときの異物感を受けることなくフィット感を得ることができ、通気性も良好である。また、サポーターを装着したときの着圧によって発泡樹脂粒子の分散度合いが変わるため、着圧の調整によって部分的に発泡樹脂粒子の層厚を調整することができる。
なお、発泡樹脂粒子の代わりに発泡樹脂プレートを用いた場合、異物感を受ける、フィット感および通気性が得られない、厚み調整ができず過剰保温となりやすい等の不具合が生じる。
【0012】
なお、本発明のサポーターは、前記のように外側生地部分のポケットに使い捨てカイロを収納し、内側生地部分のポケットに保冷剤を収納することができるものであるが、この使用方法に限定されるものではない。例えば、厚手の下着の上から本発明のサポーターを装着する場合は、内側生地部分のポケットに使い捨てカイロを収納してもよい。また、外側生地部分のポケットに保冷剤を収納したサポーターを装着することにより身体への冷却温度を緩和するようにしてもよい。また、携帯用加熱または冷却源をポケットに収納することなく本発明のサポーターを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1(A)】本発明のサポーターの実施形態1を示す斜視図である。
図1(B)】実施形態1のサポーターの使用状態での側断面図である。
図2(A)】本発明のサポーターの実施形態2を示す斜視図である。
図2(B)】実施形態2のサポーターの使用状態での側断面図である。
図3(A)】本発明のサポーターの実施形態3を示す斜視図である。
図3(B)】実施形態3のサポーターの使用状態での側断面図である。
図4(A)】本発明のサポーターの実施形態4を示す斜視図である。
図4(B)】実施形態4のサポーターの使用状態での側断面図である。
図5(A)】本発明のサポーターの実施形態5を示す斜視図である。
図5(B)】実施形態5のサポーターの使用状態での側断面図である。
図6(A)】本発明のサポーターの実施形態6を示す斜視図である。
図6(B)】実施形態6のサポーターの使用状態での側断面図である。
図7】実施形態7のサポーターの使用状態を示す説明図である。
図8】実施形態8のサポーターの使用状態を示す説明図である。
図9】実施形態9のサポーターを示す斜視図である。
図10(A)】実施形態9のサポーターのパッドの一部断面側面図である。
図10(B)】実施形態9のサポーターの他のパッドの一部断面側面図である。
図10(C)】実施形態9のサポーターの別のパッドの一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のサポーターは、内側生地部分と外側生地部分との二重構造部分を有するサポーター本体と、前記内側生地部分と前記外側生地部分との間のスペースに収納された発泡樹脂粒子と、携帯用加熱または冷却源を収納可能なように前記側生地部分または前記側生地部分に設けられたポケットとを備え
前記サポーター本体が、着用者の体の部位を外部に露出させる3つまたは4つの孔部を有し、前記内側生地部分を外側へ裏返して使用可能にかつ前記内側生地部分を外側へ裏返す前と後の前記サポーター本体の形状が同一となる筒形形状に形成されている
ここで、本発明のサポーターは、具体的には、人の肩、手首、手の甲、足首、足の甲等をサポート可能に構成されたものとすることができる。
【0015】
本発明のサポーターは次のように構成されてもよく、それらが適宜組み合わされてもよい。
(1)前記発泡樹脂粒子を袋体内に密封して形成したパッドを備えると共に、前記内側生地部分と前記外側生地部分との間のスペースが前記パッドを出し入れ可能な別のポケットとして形成されていてもよい。
このようにすれば、発泡樹脂粒子の充填量を異ならせた複数種類のパッドを用意することにより、次のように体感温度を調整することができる。つまり、使い捨てカイロをサポーターのポケットに収納して身体を温める際に、内側生地部分と外側生地部分との間の別のポケットに収めるパッドを充填量の多いものにすると使い捨てカイロの熱の身体への伝導性が低くなるため、使い捨てカイロの温度が高いと感じる使用者に好適である。また、使い捨てカイロの温度が徐々に低下すれば、充填量の低いパッドに交換して好みの体感温度が維持されるようにすることができる。
【0016】
(2)前記内側生地部分と前記外側生地部分とが1枚の生地からなってもよい。
この場合、例えば、手首、手の甲、足首、足の甲といった部位に装着する単純な筒形構造のサポーターを製造するのに適している。なお、内側生地部分と前記外側生地部分とを2枚の生地で構成してもよい。
【0017】
(3)前記内側生地部分の一部に前記外側生地部分全体が縫い付けられ、かつ前記外側生地部分に前記ポケットが設けられてもよい。あるいは、前記外側生地部分の一部に前記内側生地部分全体が縫い付けられ、かつ前記内側生地部分に前記ポケットが設けられてもよい。
このようにすれば、サポーター本体におけるポケットが配置された部分のみを二重構造部分とし、発泡樹脂粒子の使用量を必要最小限に抑えることができる。
【0018】
(4)前記ポケットの開口部に面ファスナーが設けられていてもよい。
このようにすれば、サポーターを装着した使用者が身体を動かしてもポケットに収納した携帯用加熱または冷却源が不意に飛び出すことがない。
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明のサポーターの実施形態について詳説する。
【0020】
(実施形態1:参考例1
図1(A)は本発明のサポーターの実施形態1を示す斜視図であり、図1(B)は実施形態1のサポーターの使用状態での側断面図である。
このサポーター100は、腰用のサポーターであって、内側生地部分101aと外側生地部分101bとの二重構造部分101xを有するサポーター本体101と、内側生地部分101aと外側生地部分101bとの間に収納された発泡樹脂粒子102と、携帯用熱源を収納可能なように外側生地部分101bに設けられたポケット103とを備える。
【0021】
内側生地部分101aは、使用者の腰をサポートできる長さおよび幅を有する帯形生地からなる。この内側生地部分101aには、例えば、ストレッチ試験で30〜300%の伸縮性を有する生地、具体的には、弾性を有するスパンデックス(ポリウレタン弾性糸)を用いることができる。
【0022】
また、内側生地部分101aの長手方向の両端部には面ファスナー104が設けられており、内側生地部分101aの一端部と他端部とを連結分離可能としている。実施形態1の場合、内側生地部分101aの一端部の一面側に面ファスナー104のループ状繊維面部104aが設けられ、内側生地部分101aの他端部の他面側に面ファスナー104のフック状繊維面部104bが設けられた場合を例示している。なお、面ファスナー104の代わりにファスナーを用いてもよい。
【0023】
外側生地部分101bは、内側生地部分101aの片面であって長手方向の中間部に全周囲を縫い付けられた矩形の生地からなる。この外側生地部分101bには内側生地部分101aと同じ生地を用いることができる。なお、内側生地部分101aに外側生地部分101bを縫い付ける際、内側生地部分101aと外側生地部分101bとの間に発泡樹脂粒子102を充填するための充填口を形成しておき、充填後に充填口を縫製により封止する。
【0024】
発泡樹脂粒子102としては、例えば、平均粒子径0.3〜3.0mm程度の微小な発泡ポリスチレン系樹脂粒子を用いることができる。
【0025】
ポケット103は、上方開口部103aを形成するよう外側生地部分101bに縫い付けられた矩形の生地からなる。このポケット103も内側生地部分101aと同じ生地を用いることができる。
【0026】
このように構成された実施形態1のサポーター100を使用する際は、ポケット103に携帯用加熱源としての使い捨てカイロKを収納し、使い捨てカイロK側とは反対の発泡樹脂粒子102側の内側生地部分101aを使用者の腰Wに直に当てるようにサポーター100を巻き、腹側でループ状繊維面部104aとフック状繊維面部104bとを面接触させて結合させて装着する。なお、下着の上からサポーター100を巻いてもよい。
【0027】
このように装着したサポーター100によれば、使い捨てカイロKの熱が発泡樹脂粒子102を介して使用者の腰Wに伝わるため、腰Wに伝わる熱の温度は、サポーター100を長時間(例えば、8時間以上)着用しても低温やけどを発症しない程度の温度(例えば、38〜42℃程度)となる。したがって、使い捨てカイロKを保持したサポーター100によって、例えば、慢性的な腰痛や生理痛等の緩和効果が期待でき、低温やけどを発症する心配もない。
【0028】
(実施形態2:参考例2
図2(A)は本発明のサポーターの実施形態2を示す斜視図であり、図2(B)は実施形態2のサポーターの使用状態での側断面図である。なお、図2(A)および(B)において、図1(A)および(B)中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
【0029】
このサポーター200も、腰用のサポーターであって、内側生地部分201aと外側生地部分201bとの二重構造部分201xを有するサポーター本体201と、内側生地部分201aと外側生地部分201bとの間に収納された発泡樹脂粒子102と、携帯用熱源を収納可能なように内側生地部分201aに設けられたポケット203とを備える。この場合、外側生地部分201bがサポーター本体201の全体的なサイズに構成される。 さらに、外側生地部分201aの長手方向の両端部には面ファスナー104が設けられている。なお、サポーター本体201を構成する生地は実施形態1と同様である。
【0030】
このように構成された実施形態2のサポーター200を使用する際は、ポケット203に携帯用冷却源としての冷却済みの保冷剤C(市販の袋入り保冷剤)を収納し、発泡性樹脂粒子とは反対の保冷剤C側のポケット203を使用者の腰Wに直に当てるようにサポーター200を巻き、腹側でループ状繊維面部104aとフック状繊維面部104bとを面接触させて結合させて装着する。なお、下着の上からサポーター200を巻いてもよい。
【0031】
このように装着したサポーター200によれば、使用者の腰Wの熱がポケット203のみを介して保冷剤Cに吸収されるため、腰Wを効果的に冷却することができる。したがって、保冷剤Cを保持したサポーター200によって、例えば、ぎっくり腰といった急性の腰痛の緩和効果が期待できる。この場合、発泡樹脂粒子102は、外気による保冷剤Cの温度上昇を抑制するために機能する。
【0032】
なお、実施形態2のサポーター200は、実施形態1のサポーター100と同様の構成であり、実施形態1のサポーター100のポケット103を腰に当てるように装着することで、実施形態2のサポーター200として使用することが可能である。
【0033】
(実施形態3)
図3(A)は本発明のサポーターの実施形態3を示す斜視図であり、図3(B)は実施形態3のサポーターの使用状態での側断面図である。
このサポーター300は、右および左足首兼用のサポーターであって、内側生地部分301aと外側生地部分301bとの二重構造部分301xを有するサポーター本体201と、内側生地部分301aと外側生地部分301bとの間に収納された発泡樹脂粒子302と、携帯用加熱または冷却源を収納可能なように外側生地部分301bに設けられたポケット303とを備える。
【0034】
内側生地部分301aは、使用者の足首をサポートできる筒形生地からなり、踵対応部分に穴が形成されている。
外側生地部分301bは、内側生地部分101aの足首対応部分の外面に全周囲を縫い付けられた矩形の生地からなる。
ポケット303は、上方開口部303aを形成するよう外側生地部分301bに縫い付けられた矩形の生地からなる。
なお、サポーター本体301を構成する生地および発泡樹脂粒子302は、実施形態1と同じものを用いることができる。
【0035】
このように構成された実施形態3のサポーター300を足首Aに装着した後、ポケット303に携帯用加熱源としての使い捨てカイロKを収納する。
このように装着したサポーター300によれば、使い捨てカイロKの熱が発泡樹脂粒子302を介して使用者の足首Aに伝わるため、足首Aに伝わる熱の温度は、サポーター300を長時間(例えば、8時間以上)着用しても低温やけどを発症しない程度の温度(例えば、38〜42℃程度)となる。したがって、例えば、寒冷時に戸外で行う作業、フィッシングやスキー等のスポーツ、スポーツ観戦等に際して、使い捨てカイロKを保持したサポーター300を装着することで足首A付近が暖まり、足下の冷えを緩和することができる。
【0036】
(実施形態4)
図4(A)は本発明のサポーターの実施形態4を示す斜視図であり、図4(B)は実施形態4のサポーターの使用状態での側断面図である。なお、図4(A)および(B)において、図2(A)および(B)中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
【0037】
このサポーター400も、足首用のサポーターであって、内側生地部分401aと外側生地部分401bとの二重構造部分401xを有するサポーター本体401と、内側生地部分401aと外側生地部分401bとの間に収納された発泡樹脂粒子302と、携帯用加熱または冷却源を収納可能なように外側生地部分401bに設けられたポケット403とを備える。この場合、外側生地部分401bがサポーター本体401の全体的なサイズに構成される。なお、サポーター本体401を構成する生地は実施形態3と同様である。
【0038】
このように構成された実施形態4のサポーター400を使用する際は、ポケット403に携帯用冷却源としての冷却済みの保冷剤Cを収納したサポーター400を足首Aに装着する。
このように装着したサポーター400によれば、使用者の足首Aの熱がポケット403のみを介して保冷剤Cに吸収されるため、例えば、足首Aを効果的に冷却することができる。したがって、保冷剤Cを保持したサポーター400によってねんざした足首Aを効果的に冷却することができる。この場合、発泡樹脂粒子302は、外気による保冷剤Cの温度上昇を抑制するために機能する。
【0039】
なお、実施形態4のサポーター400は、実施形態3のサポーター300を裏返した構成と同じ構成であるため、実施形態3のサポーター300を裏返して装着することで、実施形態4のサポーター400として使用することが可能である。
【0040】
(実施形態5)
図5(A)は本発明のサポーターの実施形態5を示す斜視図であり、図5(B)は実施形態5のサポーターの使用状態での側断面図である。
このサポーター500は、右手首用のサポーターであって、内側生地部分501aと外側生地部分501bとの二重構造部分501xを有するサポーター本体501と、内側生地部分501aと外側生地部分501bとの間に収納された発泡樹脂粒子502と、携帯用加熱または冷却源を収納可能なように外側生地部分501bに設けられたポケット503と、ポケット503の開口部503aに設けられたループ状繊維面部504aおよびフック状繊維面部504bからなる面ファスナー504とを備える。
【0041】
内側生地部分501aは、使用者の右手首をサポートできる筒形生地からなり、親指対応部分に穴が形成されている。
外側生地部分501bは、内側生地部分501aの手の甲から手首に亘る部分の外面に全周囲を縫い付けられた矩形の生地からなる。
ポケット503は、開口部503aを形成するよう外側生地部分501bに縫い付けられた矩形の生地からなる。
なお、サポーター本体501を構成する生地および発泡樹脂粒子502は、実施形態1と同じものを用いることができる。
【0042】
このように構成された実施形態5のサポーター500を右手首Srに装着した後、ポケット503に携帯用加熱源としての使い捨てカイロKを収納し、面ファスナー504で開口部503aを閉じる。
このように装着したサポーター500によれば、使い捨てカイロKの熱が発泡樹脂粒子502を介して使用者の右手首Sr付近に伝わるため、右手首Sr付近に伝わる熱の温度は、サポーター500を長時間(例えば、8時間以上)着用しても低温やけどを発症しない程度の温度(例えば、38〜42℃程度)となる。したがって、例えば、寒冷時に戸外で行う作業、フィッシングやスキー等のスポーツ、スポーツ観戦等に際して、使い捨てカイロKを保持したサポーター500を装着することで右手首Sr付近が暖まって血行が促進し、手先の冷えが緩和される。なお、サポーター500の上から手袋をはめれば効果が持続する。
【0043】
このサポーター500において、ポケット503とは反対側にもポケットを設けてもよい。このようにすれば、手首の内側の血管部分を効果的に温めることができる。
【0044】
(実施形態6)
図6(A)は本発明のサポーターの実施形態6を示す斜視図であり、図6(B)は実施形態6のサポーターの使用状態での側断面図である。なお、図6(A)および(B)において、図5(A)および(B)中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
【0045】
このサポーター600は、左手首用のサポーターであって、内側生地部分601aと外側生地部分601bとの二重構造部分601xを有するサポーター本体601と、内側生地部分601aと外側生地部分601bとの間に収納された発泡樹脂粒子502と、携帯用加熱または冷却源を収納可能なように内側生地部分601aに設けられたポケット603と、ポケット603の開口部に設けられた面ファスナー604とを備える。この場合、外側生地部分601bがサポーター本体601の全体的なサイズに構成される。なお、サポーター本体601を構成する生地は実施形態5と同様である。
【0046】
このように構成された実施形態6のサポーター600を使用する際は、ポケット603に携帯用冷却源としての冷却済みの保冷剤Cを収納したサポーター600を左手首Slに装着する。
このように装着したサポーター600によれば、使用者の左手首Sl付近の熱がポケット603のみを介して保冷剤Cに吸収されるため、左手首Sl付近を効果的に冷却することができる。したがって、保冷剤Cを保持したサポーター600によって、例えば、ねんざした左手首Slを効果的に冷却することができる。この場合、発泡樹脂粒子502は、外気による保冷剤Cの温度上昇を抑制するために機能する。
【0047】
なお、実施形態6のサポーター600は、実施形態5のサポーター500を裏返した構成と同じ構成であるため、右手首用の実施形態5のサポーター500を裏返して左手首Slに装着することで、実施形態6のサポーター600として使用することが可能である。
【0048】
(実施形態7)
図7は実施形態7のサポーターの使用状態を示す説明図である。
このサポーター700は、両肩用のサポーターであって、内側生地部分701aと外側生地部分701bとの二重構造部分701xを有するサポーター本体701と、内側生地部分701aと外側生地部分701bとの間に収納された図示しない発泡樹脂粒子と、携帯用加熱または冷却源を収納可能なように外側生地部分701bに設けられたポケット703とを備える。
【0049】
内側生地部分701aは、使用者の両肩をサポートする丈の短い半袖形生地からなる。
外側生地部分701bは、内側生地部分701aにおける両肩対応部分の外面に全周囲を縫い付けられた矩形の生地からなる。
ポケット703は、首側に開口部を形成するよう外側生地部分701bに縫い付けられた矩形の生地からなる。
なお、サポーター本体701を構成する生地および発泡樹脂粒子は、実施形態1と同じものを用いることができる。
【0050】
このように構成された実施形態7のサポーター700に頭および両腕を通して装着した後、各ポケット703に携帯用加熱源としての使い捨てカイロKを収納する。
このように装着したサポーター700によれば、使い捨てカイロKの熱が発泡樹脂粒子を介して使用者の両肩に伝わるため、両肩に伝わる熱の温度は、サポーター700を長時間(例えば、8時間以上)着用しても低温やけどを発症しない程度の温度(例えば、38〜42℃程度)となる。したがって、例えば、肩の血行を促進して肩こりによる痛みを緩和することができる。
【0051】
(実施形態8)
図8は実施形態8のサポーターの使用状態を示す説明図である。
このサポーター800も、両肩用のサポーターであって、内側生地部分801aと外側生地部分801bとの二重構造部分を有するサポーター本体801と、内側生地部分801aと外側生地部分801bとの間に収納された図示しない発泡樹脂粒子と、携帯用加熱または冷却源を収納可能なように内側生地部分801aに設けられたポケット803とを備える。この場合、外側生地部分801bがサポーター本体801の全体的なサイズに構成される。なお、サポーター本体801を構成する生地は実施形態7と同様である。
【0052】
このように構成された実施形態7のサポーター700を使用する際は、各ポケット803に携帯用冷却源としての冷却済みの保冷剤Cを収納したサポーター800に頭および両腕を通して装着する。
このように装着したサポーター800によれば、使用者の両肩の熱がポケット803のみを介して保冷剤Cに吸収されるため、両肩を効果的に冷却することができる。したがって、保冷剤Cを保持したサポーター800によって、例えば、練習後のピッチャーの両肩を効果的に冷却することができる。この場合、発泡樹脂粒子は、外気による保冷剤の温度上昇を抑制するために機能する。
【0053】
なお、実施形態8のサポーター800は、実施形態7のサポーター700を裏返した構成と同じ構成であるため、実施形態7のサポーター700を裏返して装着することで、実施形態8のサポーター800として使用することが可能である。
【0054】
(実施形態9:参考例3
図9は実施形態9のサポーターを示す斜視図である。また、図10(A)〜(C)は実施形態9のサポーターの厚さが異なる3種類のパッドの一部断面側面図である。
このサポーター900は、円筒形の内側生地部分901aおよび外側生地部分901bを有してなる二重構造部分と、二重構造部分の外周(外側生地部分901bの外周)を全面的に覆う複数のポケット903とを有するサポーター本体901を備える。なお、このポケット903には使い捨てカイロが収納される。
サポーター本体901において、二重構造部分は周方向に複数区画されて形成された別の複数のポケット901cになっており、このポケット901cには後述するパッド904が収納される。
【0055】
図10(A)〜(C)に示すように、パッド904は、発泡樹脂粒子902を袋体904a内に密封することにより形成されている。また、パッド904は、発泡樹脂粒子902の充填量が異なる複数タイプが用意されている。例えば、図10(A)に示すパッド904Aは発泡樹脂粒子902の直径の2倍程度の厚さ(1〜2mm程度)を有する薄型であり、図10(B)に示すパッド904Bは発泡樹脂粒子902の直径の6倍程度の厚さ(5〜6mm程度)を有する標準型であり、図10(C)に示すパッド904Cは発泡樹脂粒子902の直径の10倍程度の厚さ(9〜10mm程度)を有する厚型である。
【0056】
実施形態9のサポーター900を腹に巻いた使用者は、通常は標準型のパッド904Bを選択して各ポケット901cに収納した上で、各ポケット903に使い捨てカイロを収納して使用するが、使い捨てカイロの熱を熱いと感じる場合は、一部乃至全てのパッド904Bを厚型のパッド904Cに交換することができる。そして、使い捨てカイロの温度が徐々に低下すれば標準型のパッド904Bに戻し、使い捨てカイロの温度がさらに低下すれば薄型のパッド904Aに交換することができる。このように、使用者は好みの厚さのパッド904を選択して使用することにより、使い捨てカイロから受ける体感温度を調整することができる。
【0057】
なお、このサポーター900は、使用者が腰を冷却したい場合は、内側のポケット901cに保冷剤を収納して使用することもできる。
【0058】
(他の実施形態)
1.実施形態1、2、3、4、7、8および9において、実施形態5および6と同様に、ポケットの開口部に面ファスナーを設けてもよい。
2.二重構造部分に発泡樹脂粒子が充填され、かつ二重構造部分の外面にポケットが設けられた本発明のサポーターは、実施形態1〜8以外にも、額、首、肩、上腕、肘、前腕、手の甲、胸、背中、太股、膝、臑、脹ら脛および足の甲のサポーターとしても応用することができる。
【0059】
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0060】
100、200、300、400、500、600、700、800、900:サポーター
101、201、301、401、501、601、701、801、901:サポーター本体
101a、201a、301a、401a、501a、601a、701a、801a、901a:内側生地部分
101b、201b、301b、401b、501b、601b、701b、801b、901b:外側生地部分
101x、201x、301x、401x、501x、601x、701x:二重構造部分
102、302、502、902:発泡樹脂粒子
103、203、303、403、503、603、703、803、903:ポケット
104、504、604:面ファスナー
901c:ポケット
904:パッド
C:保冷剤(冷却源)
K:使い捨てカイロ(加熱源)
【要約】
【課題】使い捨てカイロによる低温やけどを防止できることに加え、身体を部分的に冷却する際にも使用することができるサポーターを提供すること。
【解決手段】内側生地部分と外側生地部分との二重構造部分を有するサポーター本体と、前記内側生地部分と前記外側生地部分との間のスペースに収納された発泡樹脂粒子と、携帯用加熱または冷却源を収納可能なように前記内側生地部分または前記外側生地部分に設けられたポケットとを備えたことを特徴とするサポーター。
【選択図】図1(B)
図1(A)】
図1(B)】
図2(A)】
図2(B)】
図3(A)】
図3(B)】
図4(A)】
図4(B)】
図5(A)】
図5(B)】
図6(A)】
図6(B)】
図7
図8
図9
図10(A)】
図10(B)】
図10(C)】