(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記熱可塑性樹脂組成物層が、ポリ塩化ビニル樹脂組成物、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂組成物、EPDM樹脂組成物およびポリブテン樹脂組成物からなる群より選ばれる少なくとも一つからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の建材用熱膨張性パッキン。
前記熱膨張性耐火樹脂組成物層を形成する熱膨張性耐火樹脂組成物が、樹脂成分100重量部に対して、無機充填材を100〜300重量部の範囲で含む、請求項1〜5のいずれかに記載の建材用熱膨張性パッキン。
前記熱膨張性耐火樹脂組成物層を形成する熱膨張性耐火樹脂組成物が、樹脂成分100重量部に対して、熱膨張開始温度が30℃以上異なる二種以上の熱膨張性黒鉛を5〜200重量部の範囲で含む、請求項1〜6のいずれかに記載の建材用熱膨張性パッキン。
前記熱膨張性耐火樹脂組成物層を形成する熱膨張性耐火樹脂組成物が、樹脂成分100重量部に対して、軟化剤を20〜200重量部の範囲で含む、請求項1〜7のいずれかに記載の建材用熱膨張性パッキン。
前記熱膨張性耐火樹脂組成物層を形成する熱膨張性耐火樹脂組成物が、樹脂成分100重量部に対して、発泡剤を0.1〜20重量部の範囲で含む、請求項1〜8のいずれかに記載の建材用熱膨張性パッキン。
前記熱膨張性耐火樹脂組成物が、熱安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤および架橋促進剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の建材用熱膨張性パッキン。
長手方向に対する垂直面を基準とする前記建材接触部の断面形状が、溝部および中空部の少なくとも一つを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の建材用熱膨張性パッキン。
【発明を実施するための形態】
【0030】
最初に本発明に使用する熱膨張性耐火樹脂組成物について説明する。
本発明に使用する膨張性樹脂組成物は、樹脂成分100重量部、熱膨張性黒鉛5〜200重量部、ホウ素含有化合物20〜200重量部、アンチモン含有化合物10〜70重量部および加硫剤0.1〜10重量部を含有する。
【0031】
本発明に使用する熱膨張性耐火樹脂組成物に含まれる樹脂成分は、EPDM、ポリブテンおよびポリブタジエンからなる群より選ばれる少なくとも一つである。
【0032】
本発明に使用する前記EPDMとしては、例えば、エチレン、プロピレンおよび架橋用ジエンモノマーとの三元共重合体が挙げられる。
前記EPDMに用いられるび架橋用ジエンモノマーとしては特に限定されず、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロピリデン−5−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン等の環状ジエン類、
1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,7−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン類等が挙げられる。
【0033】
前記EPDMは、ムーニー粘度(ML
1+4 100℃)が35〜100の範囲であることが好ましく、40〜70の範囲であればより好ましい。
ムーニー粘度が35以上であると、柔軟性に優れる。またムーニー粘度が100以下の場合は硬くなりすぎるのを防止することができる。
なお、上記ムーニー粘度は、EPDMのムーニー粘度計による粘度の尺度のことをいう。
【0034】
前記EPDMは、架橋用ジエンモノマーの含有量が2.0重量%〜20重量%の範囲であることが好ましく、5.0重量%〜15重量%の範囲であればより好ましい。
2.0重量%以上であれば、分子間の架橋が進むことから柔軟性に優れる、また20重量%以下の場合には耐候性に優れる。
【0035】
また前記ポリブタジエンとしては、市販品を適宜選択して使用することができる。かかるポリブタジエンとしては、例えば、クラプレンLBR−305(クラレ社製)などのホモポリマータイプ、Poly bd(出光興産社製)などの1,2−結合型ブタジエンと1,4−結合型ブタジエンとのコポリマータイプ、クラプレンL−SBR−820(クラレ社製)などのエチレンと1,4−結合型ブタジエンと1,2−結合型ブタジエンとのコポリマータイプ等のものが挙げられる。
【0036】
また前記ポリブテンは、ASTM D 2503に準拠した方法で測定した重量平均分子量が300〜2000であることが好ましい。
前記重量平均分子量が300未満であると、粘度が低いため、成形後、成形品表面に前記ポリブテンがにじみ出る傾向がある。また2000を超えると、粘度が大きくなるため押出成形が困難になる傾向がある。
本発明に使用するポリブテンとしては、例えば、出光石油化学社製「100R」(重量平均分子量:940)、「300R」(重量平均分子量:1450)、日本石油化学社製「HV−100」(重量平均分子量:970)、AMOCO社製「H−100」(重量平均分子量:940)などが挙げられる。
【0037】
本発明に使用する樹脂成分は、EPDMに対してポリブテンおよびポリブタジエンの少なくとも一方を添加したものが、成形性向上の面から好ましい。
前記樹脂成分100重量部に対する前記ポリブテンおよびポリブタジエンの少なくとも一方の添加量は、1〜30重量部の範囲であることが好ましく、3〜25の範囲であればより好ましい。
【0038】
また本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物を成形した際に、前記成形体の内部に気泡を含有させる場合には、発泡剤を使用すればよい。
前記発泡剤としては、例えば、アゾ化合物含有発泡剤、ニトロソ化合物含有発泡剤、スルホニル・ヒドラジド含有発泡剤、重炭酸塩含有発泡剤等が挙げられる。また他に重炭酸ナトリウム、p−トルエン・スルホニルセミカルバジド、マイクロカプセル化発泡剤なども挙げられる。
【0039】
前記アゾ化合物含有発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレートなどが挙げられる。
前記ニトロソ化合物含有発泡剤としてはN,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記スルホニル・ヒドラジド含有発泡剤としては4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ヒドラゾジカルボンアミド、トルエンスルホニルヒドラジドなどが挙げられる。
前記重炭酸塩含有発泡剤としては、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
【0040】
前記発泡剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0041】
前記マイクロカプセル化発泡剤は、先に示した発泡剤の一種もしくは二種以上をマイクロカプセルに封入したものである。前記マイクロカプセル化発泡剤に使用する合成樹脂としては、例えば、一定温度以上になれば溶融する熱可塑性合成樹脂を使用すればよい。
本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物に対し、前記マイクロカプセル化発泡剤を添加しておくことにより、前記熱膨張性耐火樹脂組成物が一定温度以上に加熱された場合には、前記合成樹脂が溶融するため、前記熱膨張性耐火樹脂組成物を発泡させることができる。
【0042】
前記樹脂成分に対する発泡剤の使用量は、例えば、前記樹脂成分100重量部に対して、通常0.1〜20重量部の範囲であり、1.0〜10重量部の範囲であれば好ましい。
【0043】
さらに前記発泡剤を使用する際には発泡助剤を使用することもできる。
前記発泡助剤を使用することにより発泡剤の分解温度が低下し、より効率的に発泡させることが可能となる。
前記発泡助剤としては有機アミン、ジ-n-ブチルアミン、硫酸アルミニウム、ジエタノールアミン、尿素、尿素化合物、サリチル酸、無水フタル酸、安息香酸、ジエチレングリコールなどが挙げられる。
前記EPDMに対する発泡助剤の使用量は、例えば、前記樹脂成分100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲であれば好ましい。
【0044】
前記発泡助剤はそれぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0045】
次に本発明に使用する熱膨張性黒鉛について説明する。
前記熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とにより処理してグラファイト層間化合物を生成させたものである。生成された熱膨張性黒鉛は炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
【0046】
本発明に使用する熱膨張性黒鉛は、前記酸処理して得られた熱膨張性黒鉛に対してアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等により中和することもできる。
前記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
前記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
本発明に使用する熱膨張性黒鉛の具体例としては、例えば、日本化成社製「CA−60S」等が挙げられる。
【0047】
前記熱膨張性黒鉛の粒度は、細かくなりすぎると黒鉛の膨張度が小さく、発泡性が低下する傾向がある。また大きくなりすぎると膨張度が大きいという点では効果があるが、樹脂と混練する際に、分散性が悪く成形性が低下し、得られた押出成形体の機械的物性が低下する傾向がある。
このため前記熱膨張性黒鉛の粒度は20〜200メッシュの範囲のものが好ましい。
【0048】
前記熱膨張性黒鉛の添加量は、少なくなると耐火性能及び発泡性が低下する傾向がある。また多くなると押出成形しにくくなり、得られた成形体の表面性が悪くなり、機械的物性が低下する傾向がある。このため前記樹脂成分100重量部に対する前記熱膨張性黒鉛の添加量は、5〜200重量部の範囲である。
前記熱膨張性黒鉛の添加量は、10〜150重量部の範囲であれば好ましい。
【0049】
また本発明においては、膨張開始温度が30℃以上異なる二種以上の熱膨張性黒鉛を使用することが好ましい。
ここで膨張開始温度とは熱膨張性黒鉛を加熱した際に熱膨張性黒鉛の膨張を観測できる際の温度を意味し、機械熱分析(TMA)により測定することができる。
本発明に使用する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度は、150℃〜400℃の範囲のものを適宜選択して使用することができるが、二種以上の熱膨張性黒鉛を使用する際は、この温度範囲内で、30℃以上異なる膨張開始温度のものを選択して使用することができる。
【0050】
実際に建材用熱膨張性パッキンが使用される際の取付位置は使用される建材に依存して変化する。このため直接火災等の炎にさらされる建材用熱膨張性パッキンもあれば、他の建材を介して間接的に加熱される建材用熱膨張性パッキンもある。
間接的に加熱される前記建材用熱膨張性パッキンは温度が十分に上昇しない場合があるが、このような建材用熱膨張性パッキンに膨張開始温度の高い熱膨張性黒鉛を使用すると十分な体積の膨張残渣が形成されないことがあり、前記建材用熱膨張性パッキンに期待される耐火性能が発揮されない場合がある。
膨張開始温度の低い熱膨張性黒鉛を使用すれば前記建材用熱膨張性パッキンに期待される耐火性能が発揮することができる。
【0051】
しかし膨張開始温度の低い熱膨張性黒鉛を使用した場合にも問題は生じる。
膨張開始温度の低い熱膨張性黒鉛を使用した建材用熱膨張性パッキンの場合は、比較的低い温度で膨張残渣が形成される。この膨張残渣の形成が完了した後の段階で火災等の熱により、前記膨張残渣近傍の金属製の建材、壁等に変形が生じて前記膨張残渣の周囲に隙間が生じた場合には、その隙間から炎や煙が漏出することとなる。
【0052】
30℃以上異なる膨張開始温度の二種以上の熱膨張性黒鉛を採用することにより、火災等の熱が伝わりにくく前記建材用熱膨張性パッキンが十分加熱されない段階でも比較的低い膨張開始温度の熱膨張性黒鉛が膨張残渣を形成して建材周囲の隙間を閉塞することができる。
そしてさらに前記膨張残渣の温度が上昇した場合には比較的高い膨張開始温度の熱膨張性黒鉛が膨張残渣を追加的に形成することができるから、より確実に建材に生じる隙間を追加的に形成された膨張残渣により閉塞することができる。
【0053】
次に本発明に使用するホウ素含有化合物について説明する。
本発明に使用するホウ素含有化合物としては、例えば、ホウ酸、メタホウ酸、オルトホウ酸、次ホウ酸、ボロン酸、ボリン酸、三酸化二ホウ素等のホウ素化合物、
ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、オルトホウ酸亜鉛、次ホウ酸亜鉛、ボロン酸亜鉛、ボリン酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、メタホウ酸カルシウム、オルトホウ酸カルシウム、次ホウ酸カルシウム、ボロン酸カルシウム、ボリン酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、オルトホウ酸ナトリウム、次ホウ酸ナトリウム、ボロン酸ナトリウム、ボリン酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、オルトホウ酸カリウム、次ホウ酸カリウム、ボロン酸カリウム、ボリン酸カリウム、メタホウ酸コバルト、メタホウ酸バリウム、メタホウ酸アンモニウム等のホウ素含有塩等が挙げられる。
【0054】
取扱性の面から、本発明に使用するホウ素含有化合物は、ホウ酸含有塩が好ましい。
前記ホウ素含有化合物は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0055】
前記ホウ素含有化合物の添加量は、少なくなると加熱時の膨張が低下する傾向がある。また多くなると成形しにくくなる傾向がある。このため前記樹脂成分100重量部に対する前記ホウ素含有化合物の添加量は、20〜200重量部の範囲である。
前記ホウ素化合物の添加量は、30〜180重量部の範囲であれば好ましい。
【0056】
次に本発明に使用するアンチモン含有化合物について説明する。
本発明に使用するアンチモン含有化合物としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等が挙げられる。
前記酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
前記アンチモン酸塩としては、例えば、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等が挙げられる。
前記ピロアンチモン酸塩としては、例えば、ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチ
モン酸カリウム等が挙げられる。
【0057】
本発明に使用するアンチモン含有化合物は、三酸化アンチモンであることが好ましい。
【0058】
前記アンチモン含有化合物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0059】
前記アンチモン含有化合物の添加量は、少なくなると難燃性が低下する傾向がある。また多くなると成形しにくくなる傾向がある。このため前記樹脂成分100重量部に対する前記アンチモン含有化合物の添加量は、10〜70重量部の範囲である。
前記アンチモン含有化合物の添加量は、15〜60重量部の範囲であることが好ましい。
【0060】
次に本発明に使用する加硫剤について説明する。
前記加硫剤としては、例えば、硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレン等が挙げられる。
前記加硫剤は、硫黄およびテトラメチルチウラムジスルフィド等が好ましい。
【0061】
前記加硫剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0062】
前記加硫剤の添加量は、少なくなると熱時の安定性が低下する傾向がある。また多くなると成形しにくくなる傾向がある。このため前記樹脂成分100重量部に対する前記加硫剤の添加量は、0.1〜10重量部の範囲である。
前記加硫剤の添加量は、0.5〜5重量部の範囲であれば好ましい。
【0063】
また前記加硫剤を用いる場合には、加硫促進剤を併用することができる。
前記加硫促進剤としては、チアゾール含有加硫促進剤、グアニジン含有加硫促進剤、アルデヒドアミン含有加硫促進剤、イミダゾリン含有加硫促進剤、チオウレア含有加硫促進剤、チウラム含有加硫促進剤、ジチオ酸塩含有加硫促進剤、チオウレア含有加硫促進剤、ザンテート含有加硫促進剤等が挙げられる。
【0064】
前記チアゾール含有加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等が挙げられる。
【0065】
前記グアニジン含有加硫促進剤としては、例えば、ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン等が挙げられる。
【0066】
前記アルデヒドアミン含有加硫促進剤としては、例えば、アセトアルデヒド・アニリン縮合物等が挙げられる。
【0067】
前記イミダゾリン含有加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトイミダゾリン等が挙げられる。
【0068】
前記チオウレア含有加硫促進剤としては、例えば、ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア等が挙げられる。
【0069】
前記チウラム含有加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。
【0070】
前記ジチオ酸塩含有加硫促進剤としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛等が挙げられる。
【0071】
前記チオウレア含有加硫促進剤としては、例えば、エチレンチオ尿素、N,N'−ジエ
チルチオ尿素等が挙げられる。
【0072】
前記ザンテート含有加硫促進剤としては、例えば、ジブチルキサトゲン酸亜鉛等が挙げられる。
【0073】
前記加硫促進剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0074】
前記樹脂成分100重量部に対する前記加硫促進剤の添加量は、0.1〜20重量部の範囲であることが好ましい。前記加硫促進剤を使用することにより、加硫を効率よく進行させることができる。
前記加硫促進剤の添加量は、0.1〜10重量部の範囲であれば好ましい。
【0075】
また前記加硫剤を使用する場合には、加硫助剤を併用することができる。
前記加硫助剤としては、例えば、p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系加硫助剤、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル含有加硫助剤、
ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル含有加硫助剤、マレイミド含有加硫助剤、
ジビニルベンゼン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、亜鉛華が挙げらる。
【0076】
前記樹脂成分100重量部に対する前記加硫助剤の添加量は、1〜50重量部の範囲であることが好ましい。前記加硫助剤を使用することにより、加硫を効率よく進行させることができる。
【0077】
次に本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物は、無機充填材を含むことができる。
前記無機充填材としては、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類などの金属酸化物、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの含水無機物、 塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウムなどの金属炭酸塩、
硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウムなどのカルシウム塩、
シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュなどが挙げられる。
本発明に使用する無機充填材は、金属酸化物、含水無機物、金属炭酸塩が好ましい。
【0078】
前記含水無機物は、加熱時の脱水反応によって水が生成し、この水によって吸熱が生じ温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、加熱残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで、耐火性樹脂組成物を膨張、炭化させて得られる発泡耐火物の強度が向上する点から好ましい。
【0079】
前記含水無機物のうち、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異なるため、両者を併用することによって脱水効果を発揮する温度領域が広がり、より効果的な温度上昇の抑制効果が得られるので、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムとを併用することが好ましい。
【0080】
前記金属炭酸塩は、加熱残渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くことで、耐火性樹脂組成物を膨張、炭化させて得られる発泡耐火物の強度が向上する点から好ましい。
【0081】
前記無機充填剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。前記無機充填剤は、前記含水無機物と金属炭酸塩とが併用されることが好ましい。前記含水無機物と金属炭酸塩は、骨材的な働きをするところから、燃焼残渣の強度向上や熱容量の増大に寄与するものと考えられる。
【0082】
前記無機充填剤の平均粒径は、0.5〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましい。無機充填剤の平均粒径が小さいと、無機充填剤の凝集が生じて耐火性樹脂組成物中に均一に分散させることが難しくなる。無機充填剤の平均粒径が大きいと、耐火性樹脂組成物の機械的強度が低下する。
【0083】
なお、前記無機充填剤は、粒径の大きいものと粒径の小さいものを組み合わせて用いられることが好ましく、組み合わせて用いられることによって、熱膨張性耐火樹脂組成物の機械的強度を維持したまま、無機充填剤を熱膨張性耐火樹脂組成物中に高濃度に含有させることができる。
【0084】
前記無機充填剤の添加量は、少なくなると前記熱膨張性耐火樹脂組成物の流動性が向上する傾向がある。また多くなると前記熱膨張性耐火樹脂組成物の成形体の強度が向上する傾向がある。このため前記樹脂成分100重量部に対する前記無機充填材の添加量は、10〜300重量部の範囲であることが好ましく、50〜150重量部の範囲であればより好ましい。
【0085】
また本発明に使用する熱膨張性耐火樹脂組成物には軟化剤を使用することができる。
前記軟化剤は、一般に熱可塑性樹脂成形体を製造する際に使用されている軟化剤であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ジ‐2‐エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル軟化剤、
ジ‐2‐エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等の脂肪酸エステル軟化剤、
エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル軟化剤、
アジピン酸エステル、アジピン酸ポリエステル等のポリエステル軟化剤、
トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル軟化剤、
トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)等の燐酸エステル軟化剤、
鉱油等のプロセスオイルなどが挙げられる。
前記軟化剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0086】
前記軟化剤の添加量は、少なくなると押出成形性が低下する傾向があり、多くなると得られた成形体が柔らかくなり過ぎる傾向がある。このため前記熱膨張性耐火樹脂組成物100重量部に対して、前記軟化剤の添加量は20〜200重量部の範囲である。
【0087】
また本発明に使用する熱膨張性耐火樹脂組成物は燐酸エステル軟化剤を除くリン化合物を含有すると、押出成形性が低下する。このため燐酸エステル軟化剤を除くリン化合物を含有しないことが好ましい。なお、先に説明した軟化剤である燐酸エステル軟化剤を含有することができる。
【0088】
押出成形性を阻害するリン化合物は次の通りである。
赤リン、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、
リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩、
ポリリン酸アンモニウム類、
下記化学式で表される化合物等が挙げられる。
【0089】
上記化学式中、R
1及びR
3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。
【0090】
R
2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
【0091】
前記化学式で表される化合物としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。
【0092】
ポリリン酸アンモニウム類としては、特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。
本発明においては、これらの押出成形を阻害するリン化合物を使用するものではない。
【0093】
また本発明に使用する前記熱膨張性耐火樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、必要に応じて、一般に使用されている、リン化合物以外の熱安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤、架橋促進剤等が添加されてもよい。
【0094】
前記熱安定剤としては、例えば、三塩基性硫酸鉛、三塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛等の鉛熱安定剤、
有機錫メルカプト、有機錫マレート、有機錫ラウレート、ジブチル錫マレート等の有機錫熱安定剤、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸熱安定剤等が挙げられる。
前記熱安定剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0095】
前記滑剤としては、例えば、ポリエチレン、パラフィン、モンタン酸等のワックス類、
各種エステルワックス類、
ステアリン酸、リシノール酸等の有機酸類、
ステアリルアルコール等の有機アルコール類、
ジメチルビスアミド等のアミド化合物類等が挙げられる。
前記滑剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0096】
前記加工助剤としては、例えば、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレートーエチルアクリレート共重合体、高分子量のポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
【0097】
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール化合物等が挙げられる。
【0098】
前記帯電防止剤としては、例えば、アミノ化合物等が挙げられる。
【0099】
前記顔料としては、例えば、アゾ類、フタロシアニン類、スレン類、染料レーキ類等の有機顔料、酸化物類、クロム酸モリブデン類、カーボンブラック、硫化物・セレン化物類、フェロシアニン化物類などの無機顔料等が挙げられる。
【0100】
前記架橋剤としては、例えば、硫黄等が挙げられる。また前記架橋促進剤としては、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、N,N,N’,N’−テトラエチルチウラムジスルフィド、ジエチルジチオカルバミン酸ベンジル等が挙げられる。
【0101】
[熱膨張性耐火樹脂組成物の具体例]
本発明に使用される熱膨張性耐火樹脂組成物の具体例は次の通りである。
(a)樹脂成分、熱膨張性黒鉛、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物および加硫剤からなる樹脂組成物
(b)樹脂成分、熱膨張性黒鉛、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物、加硫剤および無機充填材からなる樹脂組成物
(c)樹脂成分、熱膨張性黒鉛、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物、加硫剤、無機充填材および軟化剤からなる樹脂組成物
(d)樹脂成分、熱膨張性黒鉛、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物、加硫剤、無機充填材、軟化剤および発泡剤からなる樹脂組成物
(e)上記(a)〜(d)からなる群より選ばれる少なくとも一つの樹脂組成物に対し、熱安定剤、滑剤、加工助剤、発泡助剤、加硫促進剤、加硫助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤および架橋促進剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを添加してなる樹脂組成物
【0102】
本発明に係る熱膨張性耐火樹脂組成物は、前記樹脂成分、熱膨張性黒鉛、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物および加硫剤、ならびに、必要に応じて含有される他の添加剤を公知の混練装置を用いて溶融混練することにより得ることができる。
なお、混練装置としては、例えば、押出機、ニーダーミキサー、二本ロール、バンバリーミキサーなどが挙げられる。
【0103】
次に本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物について説明する。
本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物としては押出成形ができるものであれば特に限定はないが、前記熱可塑性樹脂組成物に含まれる樹脂成分としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂(CPVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、ポリブテン、クロロプレン(CR)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリル共重合体(ASA)、アクリロニトリル/エチレン−プロピレン−ジエン/スチレン共重合体(AES)等が挙げらる。
前記樹脂成分としては、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂(CPVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン−架橋用ジエンモノマー共重合体(EPDM)、クロロプレン(CR)、ポリブテン等が好ましい。
【0104】
前記EPDMとしては、先の熱膨張性耐火樹脂組成物の樹脂成分として使用するEPDMの場合と同様のものを使用することができる。
前記ポリブテンおよびポリブタジエンについても同様である。
【0105】
前記ポリ塩化ビニル樹脂は特に限定されず、従来公知の任意のポリ塩化ビニル樹脂を使用することができる。
前記ポリ塩化ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニル単独重合体、
塩化ビニルモノマーと前記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体、
塩化ビニルモノマー以外の重合体または塩化ビニルモノマー以外の共重合体に塩化ビニルをグラフト共重合したグラフト共重合体等が挙げられる。
前記ポリ塩化ビニル樹脂は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0106】
前記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては、塩化ビニルモノマーと共重合可能であれば特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα‐オレフィン類、
酢酸ビニル、フロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、
ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、
スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類などが挙げられる。
前記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーは一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0107】
前記塩化ビニルモノマー以外の重合体または塩化ビニルモノマー以外の共重合体としては、塩化ビニルをグラフト重合するものまたはグラフト共重合するものであれば特に限定されず、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられる。
これらは一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0108】
前記ポリ塩化ビニル樹脂の平均重合度は特に限定されるものではないが、小さくなると成形体の機械的物性が低下し、大きくなると溶融粘度が高くなって溶融押出成形が困難になる。このため前記ポリ塩化ビニル樹脂の平均重合度は600〜1500の範囲であることが好ましい。
【0109】
また前記塩素化ポリ塩化ビニル樹脂(CPVC)としては、例えば、先に説明したポリ塩化ビニル樹脂(PVC)を塩素化したもの等が挙げられる。
前記塩素化ポリ塩化ビニル樹脂の塩素含有量は少なくなると溶融押出成形が容易となり、多くなると耐熱性が向上することから60〜72重量%の範囲であることが好ましい。
【0110】
前記熱可塑性樹脂組成物に含まれる樹脂成分に対し、先に説明したホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物、無機充填材、前記軟化剤を添加することにより、本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
前記ホウ素含有化合物、前記アンチモン含有化合物、前記無機充填材、前記軟化剤等の使用量については先に説明した熱膨張性耐火樹脂組成物の場合と同様である。
【0111】
本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、必要に応じて、押出成形の際に一般に使用されている、熱安定剤、滑剤、加工助剤、熱分解型発泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料等が添加されてもよい。
これらの具体例については先の熱膨張性耐火樹脂組成物の場合で例示したものと同様である。
【0112】
[熱可塑性樹脂組成物の具体例]
本発明に使用される熱可塑性樹脂組成物の具体例は次の通りである。
(f)樹脂成分、および無機充填材からなる樹脂組成物
(g)樹脂成分、軟化剤および無機充填材からなる樹脂組成物
(h)樹脂成分、軟化剤、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物、加硫剤および無機充填材からなる樹脂組成物
(i)樹脂成分、軟化剤、ホウ素含有化合物、アンチモン含有化合物、加硫剤、発泡剤および無機充填材からなる樹脂組成物
(j)上記(f)〜(i)からなる群より選ばれる少なくとも一つの樹脂組成物に対し、熱安定剤、滑剤、加工助剤、発泡助剤、加硫促進剤、加硫助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤および架橋促進剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを添加してなる樹脂組成物
【0113】
前記熱可塑性樹脂組成物に使用する樹脂成分を選択することにより、本発明の建材用熱膨張性パッキンに多様な機能を付与することができる。
本発明に使用する熱可塑性樹脂組成物は、樹脂成分として塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、EPDM、ポリブテン、ポリブタジエン等の一種もしくは二種以上を選択することが好ましい。
樹脂成分として塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、EPDM、ポリブテン、ポリブタジエン等の一種もしくは二種以上を選択した場合には、得られる建材用熱膨張性パッキンは柔軟性、気密性、水密性、強度に優れる。
【0114】
前記熱可塑性樹脂組成物に使用するポリ塩化ビニル樹脂組成物は従来公知であり、例えば日本工業規格(JIS)に規定されるものを使用することができる。
前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物には、軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物と硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物がある。
通常軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物は軟化剤を含むものであり、硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物は軟化剤を含まないものである。前記軟化剤としては、先に説明した軟化剤と同じものを使用することができる。
また前記軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物としては、例えば日本工業規格に定める軟質ポリ塩化ビニルコンパウンド(JIS K6723)等を使用することができる。
前記硬質ポリ塩化ビニル樹脂組成物としては、例えば日本工業規格に定める無可塑ポリ塩化ビニル成形用及び押出用材料(JIS K6740−1〜2)等を使用することができる。
【0115】
前記熱可塑性樹脂組成物についても、先の熱膨張性耐火樹脂組成物の場合と同様、公知の混練装置を用いて各成分を溶融混練することにより得ることができる。
【0116】
また本発明に使用する樹脂組成物は、熱膨張性耐火樹脂組成物および熱可塑性樹脂組成物とも押出成形用に好ましく使用することができる。前記樹脂組成物を使用して、常法に従い、一軸押出機、二軸押出機等の押出機で130〜170℃で溶融させて押出成形を行うことにより、熱膨張性耐火樹脂組成物層を少なくとも含む構造の長尺の建材用熱膨張性パッキンを得ることができる。
さらに同時共押出することにより熱膨張性耐火樹脂組成物層と熱可塑性樹脂組成物層とを少なくとも含む多層構造の長尺の建材用熱膨張性パッキンを得ることもできる。
前記長尺の建材用熱膨張性パッキンを用途に応じて適切な長さに切断することにより、本発明の建材用熱膨張性パッキンが得られる。
【0117】
本発明の建材用熱膨張性パッキンとしては、例えば、窓、扉等の建材に使用されるものが挙げられる。前記建材用熱膨張性パッキンの具体例としては、例えば、タイト材等が挙げられる。
【0118】
以下に図面を参照しつつ実施例により本発明を詳細に説明する。なお本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0119】
[参考例1〜8]
表1に示す配合の熱膨張性耐火樹脂組成物をニーダーに供給して溶融、混練してカレンダー成形によって厚みが2mmのシート状の熱膨張性耐火樹脂組成物を得た。
【0120】
[性能比較試験]
1.膨張倍率の試験
得られたシート状の熱膨張性耐火樹脂組成物の厚みT
1を測定した。
次に、シート状の熱膨張性耐火樹脂組成物を電気炉にて600℃で30分間加熱し、燃焼後の残渣を得た。
この燃焼後の残渣の厚みT
2を測定し、下記式に基づいて膨張倍率を算出した。
膨張倍率(%)=100×発泡耐火層の厚みT
2/耐火性樹脂組成物の厚みT
1
結果を表1に示す。
【0121】
2.燃焼後の残渣固さの試験
膨張倍率の測定で得られた燃焼後の残渣に微少圧縮試験機を用いて0.25cm
2の圧子を0.1cm/秒の速度にて押圧して燃焼後の残渣を圧縮させて破断点応力を測定した。
結果を表1に示す。
【0122】
3.耐水性の試験
前記シート状の熱膨張性耐火樹脂組成物を常温で水に浸漬し、溶出物を肉眼で観測することができなかった場合を○、溶出物を肉眼で観測することができた場合を×とした。
結果を表1に示す。
【0123】
4.成形性の試験
前記シート状の熱膨張性耐火樹脂組成物を押出成形機に供給し、常法に従い、一軸押出機、二軸押出機等の押出機で130〜170℃で溶融させて押出成形を実施した。
表1に示す配合の熱膨張性耐火樹脂組成物を作成し、それぞれの熱膨張性耐火樹脂組成物を一軸押出機(池貝機販社製、65mm押出機)に供給し、150tの圧力で押出成形を行うことにより、厚さ2mmおよび厚さ1mmのシート状成形物を1m/hrの速度で押出成形した。
前記シート状成形物の厚み精度について、厚み精度がプラスマイナス0.2mm以下の場合を○、プラスマイナス0.2mmを超えてプラスマイナス0.4mm以下の場合を△、プラスマイナス0.4mmを超えた場合を×とした。結果を併せて表1に示す。
【0124】
参考例2,4,5,6〜8の場合では発泡剤および発泡助剤を使用した。前記発泡剤および発泡助剤を使用することにより、押出成形により得られるシート状成形物内部に気泡を包含させることができる。
気泡を含有するシート状成形物は密度が小さくて柔軟性に優れることから、下記の各実施例に使用する熱膨張性耐火樹脂組成物として参考例2,4,5,6〜8に示した各熱膨張性耐火樹脂組成物が優れる。特に樹脂成分としてEPDMとポリブタジエンとを併用したときに優れた性能を示す。
本発明に使用する熱膨張性耐火樹脂組成物を成形して得られる熱膨張性耐火樹脂組成物層の密度は、0.1〜0.8g/cm
3の範囲であるものであれば、柔軟性等に優れることから、さらに好ましい。
【0125】
[比較参考例1〜2]
表1に示す配合の熱膨張性耐火樹脂組成物を作成し、参考例1〜8の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
【実施例1】
【0127】
[タイト材100の構造]
図1は、実施例1に係るタイト材を説明するための模式断面図であり、実施例1に係るタイト材の長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状を示したものである。
図2は、実施例1に係るタイト材を説明するための模式部分斜視図である。
また
図3および
図4は、実施例1に係るタイト材と扉との関係を説明するための模式部分断面図である。
実施例1に係るタイト材100は、建材接触部10、固定部20および連結部30からなり、前記建材接触部10および前記固定部20は前記連結部30により連結されている。
実施例1に係るタイト材100は、長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状により示した場合、前記建材接触部10および前記連結部30の断面がそれぞれ正方形であり、前記連結部30の断面が長方形である。
前記連結部30の断面は前記建材接触部10の断面よりも小さい。また前記連結部30の断面は前記固定部20の断面よりも小さい。
前記建材接触部10の断面および前記固定部20の断面のうち、それぞれ対向しあう外面11および21は略平行となっていて、同じ横幅となっている。
なお実施例1に係るタイト材100における横幅は
図1における左右方向を基準とし、縦幅とは
図1における上下方向を基準とするものである。
前記建材接触部10の外面、前記固定部20の外面および前記連結部30の外面により囲まれる部分は二つの溝部40,41を形成している。
【0128】
実施例1に係るタイト材100は、熱膨張性耐火樹脂組成物層からなる。
前記熱膨張性耐火樹脂組成物層は、表1の参考例2に示す配合比を有するEPDM含有熱膨張性耐火樹脂組成物により形成されている。これらの熱膨張性耐火樹脂組成物は軟化剤が含まれていることから柔軟性を有する。
また参考例2に示す発泡剤を使用することにより、前記熱膨張性耐火樹脂組成物層に微細な気泡を内部に含有させることもできる。
前記熱膨張性耐火樹脂組成物層の密度が0.3〜0.8g/cm
3の場合には前記熱膨張性耐火樹脂組成物層が柔軟性を有し、建材用熱膨張性パッキンの建材に対する密着性が向上する。
【0129】
[タイト材100の製造例]
表1に示した参考例2の場合と全く同様の熱膨張性耐火樹脂組成物を使用して押出成形を行った。
前記押出機および金型には樹脂組成物の付着が観察されなかった。
得られる長尺異型成形体を、前記長尺異型成形体の長手方向に対して垂直方向に切断することにより、実施例1に係るタイト材100が得られる。このタイト材100は全て外観に優れる。
【0130】
[タイト材100の作用]
図3および
図4に示す扉300は、枠体310に対して開閉することができる。前記扉300を枠体310に接触させると、前記扉300に設置された前記タイト材100が前記枠体310に接触すると共に、前記枠体310に設置された前記タイト材100が前記扉300に接触する。
また前記タイト材100の前記固定部20は、前記扉300の溝部301の内部と前記枠体310の溝部311の内部とに挿入されている。
前記タイト材100には溝部40,41が設けられていることから、前記扉300の溝部301に前記タイト材100の前記固定部20を挿入することができる。
同様に前記枠体310の溝部311に前記タイト材100の前記固定部20を挿入することができる。
前記タイト材100の前記固定部20を前記扉300の溝部301と前記枠体310の溝部311とにそれぞれ挿入することにより、前記タイト材100を扉300と枠体310とにそれぞれ固定することができる。
前記タイト材100の前記建材接触部10は柔軟性を有する。このため前記扉300を枠体310に対して閉めると、前記建材接触部10,10が変形して、前記扉300と前記枠体310との隙間を閉塞することができる。
【0131】
図4に示すタイト材100を備えた扉300が火災等の熱にさらされた場合、前記熱膨張性耐火樹脂組成物層からなるタイト材100は膨張する。この膨張により生じた膨張残渣が、前記扉300と前記枠体310との隙間を閉塞する。
この膨張残渣により、火災により生じた炎、煙等が前記扉300と前記枠体310との隙間を通って、火災の生じていない側に侵入することを遅延させることができる。
上述の通り、実施例1に係るタイト材100を備えた扉300は耐火性に優れる。
【実施例2】
【0132】
[タイト材110の構造]
実施例2に係るタイト材110は、実施例1に係るタイト材100の変形例である。
図5は実施例2に係るタイト材を説明するための模式断面図であり、実施例2に係るタイト材の長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状を示したものである。
図6は実施例2に係るタイト材を説明するための模式部分斜視図である。
実施例1に係るタイト材100は、熱膨張性耐火樹脂組成物層のみにより形成されていた。
これに対し、実施例2に係るタイト材110は、前記建材接触部10が実施例1とおなじ熱膨張性耐火樹脂組成物層からなる。
また実施例1に使用した前記固定部20および前記連結部30にそれぞれ対応する固定部22および連結部32は、熱可塑性樹脂組成物であるEPDM樹脂組成物から形成されている。
実施例2に使用した熱可塑性樹脂組成物であるEPDM樹脂組成物は、参考例8の場合で熱膨張性黒鉛、ホウ酸亜鉛および三酸化アンチモンを使用しなかった以外は、参考例8の場合と同様である。このEPDM樹脂組成物を、以下、「通常のEPDM樹脂組成物」という。
それ以外は実施例2に係るタイト材110の構造は、実施例1に係るタイト材100の場合と同様である。
【0133】
[タイト材110の製造例]
実施例1の場合は、熱膨張性耐火樹脂組成物のみを使用して押出成形を行った。
これに対して実施例2に係るタイト材110の場合は、参考例2に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物と通常のEPDM樹脂組成物をそれぞれ使用して同時共押出成形による成形を実施した。
同時共押出成形の製造条件は実施例1の場合と同様である。
前記建材接触部10の成形に参考例2に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物を使用し、前記固定部22および前記連結部32の成形に通常のEPDM樹脂組成物を使用した。
実施例2の場合でも、いずれの場合も同時共押出成形により前記タイト材110を製造することができる。
表2に示した通り、得られるタイト材110は外観に優れる。
【0134】
[タイト材110の作用]
図5および
図6に示すタイト材110は、熱可塑性樹脂組成物層からなる建材接触部10と、熱膨張性耐火樹脂組成物層からなる前記固定部22および前記連結部32とを有する。
前記熱膨張性耐火樹脂組成物層は火災等の熱により膨張することから耐火性の機能を担う。
一方、前記熱可塑性樹脂組成物層は前記固定部22および前記連結部32は前記扉300が閉じた状態でも前記建材接触部10を支えることのできる強度を有する。
このため前記固定部20はタイト材110全体の強度を発揮する機能を担う。
この様に実施例2に係るタイト材110は機能の異なる樹脂組成物層を二以上有することから一つのタイト材110に対し全く異なる複数の機能を付与することが可能となる。
【0135】
また実施例1の場合と同様、実施例2に係るタイト材110を備えた扉300は耐火性に優れる。
【実施例3】
【0136】
[タイト材120の構造]
実施例3に係るタイト材120は、実施例2に係るタイト材110の変形例である。
図7は実施例3に係るタイト材を説明するための模式断面図であり、実施例3に係るタイト材の長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状を示したものである。
図8は実施例3に係るタイト材を説明するための模式部分斜視図である。
実施例2に係るタイト材110は、前記固定部22および前記連結部32が通常EPDM樹脂組成物より形成されていた。
これに対し、実施例3に係るタイト材120は、実施例2に係るタイト材110における前記固定部22および前記連結部32にそれぞれ対応する固定部23および連結部33が難燃のEPDM樹脂組成物より形成されている点が異なる。
それ以外は実施例2の場合と同様である。
前記難燃のEPDM樹脂組成物は、表1における参考例1の場合で、熱膨張性黒鉛を使用しなかった場合と全く同様である。
【0137】
[タイト材120の製造例]
実施例2に係るタイト材110の場合と同様、実施例3の場合でも同時共押出成形により前記タイト材120を製造することができる。
得られるタイト材120は外観に優れる。
【0138】
[タイト材120の作用]
実施例3に係るタイト材120は、固定部23および連結部33が難燃のEPDM樹脂組成物より形成されている。
このため、実施例3に係るタイト材120を備えた扉300は耐火性に優れる。
【実施例4】
【0139】
[タイト材130の構造]
実施例4に係るタイト材130は、実施例2に係るタイト材110の変形例である。
図9は実施例3に係るタイト材を説明するための模式断面図であり、実施例3に係るタイト材の長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状を示したものである。
図10は実施例4に係るタイト材を説明するための模式部分斜視図である。
実施例2に係るタイト材110の前記建材接触部10は、長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状が正方形の柱状であった。
これに対し、実施例4に係るタイト材130の前記建材接触部11は、長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状に溝部42を備えている点が異なる。
それ以外は実施例2の場合と同様である。
【0140】
[タイト材130の製造例]
実施例2に係るタイト材110の場合と同様、実施例4の場合でもいずれの場合も同時共押出成形により前記タイト材130を製造することができる。
得られるタイト材130は外観に優れる。
【0141】
[タイト材130の作用]
実施例4に係るタイト材130の前記建材接触部11は前記溝部42を備える。
前記建材接触部10に前記溝部42が存在すると、前記建材接触部11が前記扉300と接触した際により自由に変形することができる。このため前記タイト材130は扉300に対する密着性に優れる。
【実施例5】
【0142】
[タイト材140の構造]
実施例5に係るタイト材140は、実施例2に係るタイト材110の変形例である。
図11は実施例5に係るタイト材を説明するための模式断面図であり、実施例5に係るタイト材の長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状を示したものである。
図12は実施例5に係るタイト材を説明するための模式部分斜視図である。
実施例2に係るタイト材110の前記建材接触部10は、長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状が正方形の柱状であった。
これに対し、実施例5に係るタイト材140の前記建材接触部12は、長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状の内部に断面が正方形の中空部50を備えている点が異なる。
また前記建材接触部12として、参考例1に記載のEPDM含有熱膨張性耐火樹脂組成物を使用した。
それ以外は実施例2の場合と同様である。
【0143】
[タイト材140の製造例]
実施例2に係るタイト材110の場合と同様、表1に示した配合により、実施例5の場合でもいずれの場合も同時共押出成形によりそれぞれ前記タイト材140を製造することができる。
実施例4に係るタイト材130の前記建材接触部11は押出成形の際に発泡剤を使用していないことから、密度が1.0〜1.5g/cm
3の範囲である。
密度が1.0〜1.5g/cm
3の範囲でも内部に空洞を設けることにより使用時の気密性を発揮することができる。
得られるタイト材140は外観に優れる。
【0144】
[タイト材140の作用]
実施例5に係るタイト材140の前記建材接触部12は前記中空部50を備える。
前記建材接触部12に前記中空部50が存在すると、前記建材接触部12が前記扉300と接触した際により自由に変形することができる。このため前記タイト材130は扉300に対する密着性に優れる。
【実施例6】
【0145】
[タイト材150の構造]
実施例6に係るタイト材150は、実施例2に係るタイト材110の変形例である。
図13は実施例6に係るタイト材を説明するための模式断面図であり、実施例6に係るタイト材の長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状を示したものである。
図14は実施例6に係るタイト材を説明するための模式部分斜視図である。
実施例2に係るタイト材110の前記建材接触部10は、長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状が正方形の柱状であった。
これに対し、実施例5に係るタイト材150の前記建材接触部13は、長手方向に対する垂直面を基準とする断面形状の外周が曲線を含む点が異なる。
それ以外は実施例2の場合と同様である。
前記断面形状の外周が曲線を含む場合には、前記曲線は外部に向かって突き出る曲線であることが好ましく、
図13における左右方向を基準として、左右対称の形状であることがより好ましい。
【0146】
[タイト材150の製造例]
実施例2に係るタイト材110の場合と同様、表1に示した配合により、実施例6の場合でもいずれの場合も同時共押出成形によりそれぞれ前記タイト材150を製造することができる。
得られるタイト材150は外観に優れる。
【0147】
[タイト材150の作用]
実施例6に係るタイト材150の前記建材接触部13は曲線を含む断面外周を備える。
前記建材接触部13の断面外周に曲線が存在すると、前記建材接触部13と前記扉300との接触面積を低減させることができることから、接触の摩耗による前記タイト材150の寿命を延長することができる。