(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6168562
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】ハイブリッド電力システムを制御する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H02J 1/12 20060101AFI20170713BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
H02J1/12
H02J7/34 B
H02J7/34 J
H02J7/34 E
【請求項の数】16
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-521699(P2014-521699)
(86)(22)【出願日】2012年7月17日
(65)【公表番号】特表2014-527791(P2014-527791A)
(43)【公表日】2014年10月16日
(86)【国際出願番号】US2012046996
(87)【国際公開番号】WO2013012831
(87)【国際公開日】20130124
【審査請求日】2015年7月2日
(31)【優先権主張番号】13/185,862
(32)【優先日】2011年7月19日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514016876
【氏名又は名称】エンシンク,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】デニス ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ラーシュ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル
【審査官】
竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/162025(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0181837(US,A1)
【文献】
特開2006−129585(JP,A)
【文献】
特開2011−109783(JP,A)
【文献】
特開2003−339118(JP,A)
【文献】
特開2011−083089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00−7/12
7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通直流(Direct Current;DC)バスと、
複数のエネルギーストレージデバイスと、
複数のエネルギー調整器であって、前記複数のエネルギー調整器の各エネルギー調整器が、前記複数のエネルギーストレージデバイスのうち少なくとも1つに電気的に接続された第1コネクション及び前記共通DCバスに電気的に接続された第2コネクションを含む複数のエネルギー調整器と、を備え、
前記各エネルギー調整器は、
複数のスイッチであって、前記複数のスイッチの各スイッチが、スイッチング信号により選択的にエネルギーが供給され、前記複数のスイッチは前記第1コネクションと前記第2コネクションとの間のエネルギー移動を制御する複数のスイッチと、
前記共通DCバス上に存在するDC電圧の振幅に対応する電圧信号と、
制御プログラム、低電圧設定値及び高電圧設定値を少なくとも格納するメモリデバイスと、
前記電圧信号、前記低電圧設定値及び前記高電圧設定値の関数として前記複数のスイッチそれぞれに対する前記スイッチング信号を生成する前記制御プログラムを実行するプロセッサと、
をさらに含み、
前記電圧信号が前記高電圧設定値よりも大きければ、エネルギーは前記共通DCバスから前記複数のエネルギーストレージデバイスに移動し、前記電圧信号が前記低電圧設定値よりも小さければ、エネルギーは前記複数のエネルギーストレージデバイスから前記共通DCバスに移動し、
前記複数のエネルギーストレージデバイスは、少なくとも第1エネルギーストレージデバイス及び第2エネルギーストレージデバイスを含み、
前記複数のエネルギー調整器は、前記第1エネルギーストレージデバイス及び前記第2エネルギーストレージデバイスにそれぞれ対応する少なくとも第1エネルギー調整器及び第2エネルギー調整器を含み、
前記第2エネルギー調整器の前記低電圧設定値は、前記第1エネルギー調整器の前記低電圧設定値より小さく、
前記第2エネルギー調整器の前記高電圧設定値は、前記第1エネルギー調整器の前記高電圧設定値より大きい、
エネルギー移動を管理する電力制御システム。
【請求項2】
前記第1エネルギーストレージデバイスは前記第2エネルギーストレージデバイスと異なる構造であり、前記第1エネルギー調整器及び前記第2エネルギー調整器の両方に対する前記低電圧設定値及び前記高電圧設定値のそれぞれは、前記第1エネルギーストレージデバイス及び前記第2エネルギーストレージデバイスそれぞれの前記構造の関数である
請求項1に記載の電力制御システム。
【請求項3】
格納されたプログラムを実行するように構成されたプロセッサ及び少なくとも前記プログラム及び前記複数のエネルギー調整器に対する前記電圧設定値それぞれのコピーを格納するメモリデバイスを有する前記複数のエネルギー調整器のそれぞれと通信する中央コントローラをさらに備える
請求項1に記載の電力制御システム。
【請求項4】
前記中央コントローラは、第1エネルギー調整器の前記低電圧設定値及び前記高電圧設定値を、第2エネルギー調整器の前記低電圧設定値及び前記高電圧設定値と交換するために、前記格納されたプログラムを前記プロセッサ上で周期的に実行するように構成される
請求項3に記載の電力制御システム。
【請求項5】
前記中央コントローラは、
前記第2エネルギー調整器の前記高電圧設定値よりも大きい新しい値を、前記第1エネルギー調整器の前記低電圧設定値及び前記高電圧設定値のそれぞれにロードし、
前記第1エネルギー調整器に接続された第1エネルギーストレージデバイスが放電されたことに対応する信号を受信し、
前記第1エネルギー調整器の前記低電圧設定値及び前記高電圧設定値それぞれの前記値をそれらの本来の動作値にリセットするように、
前記格納されたプログラムを前記プロセッサ上で周期的に実行するよう構成される
請求項3に記載の電力制御システム。
【請求項6】
発電源に電気的に接続された入力及び前記共通DCバスに電気的に接続された出力を有する少なくとも1つのエネルギーコンバータをさらに備え、
各エネルギーコンバータは、
複数のスイッチであって、前記複数のスイッチの各スイッチが、スイッチング信号により選択的にエネルギーが供給され、前記複数のスイッチは前記入力と前記出力との間のエネルギー移動を制御する複数のスイッチと、
前記共通DCバス上に存在する前記DC電圧の前記振幅に対応する電圧信号と、
少なくとも制御プログラム及びモード選択設定値を格納するメモリデバイスと、
前記電圧信号及び前記モード選択設定値の関数として前記入力から前記出力にエネルギーを移動させる前記スイッチング信号を生成する前記制御プログラムを実行するプロセッサと、
を含む
請求項1に記載の電力制御システム。
【請求項7】
前記電圧信号が前記モード選択設定値よりも小さければ、前記エネルギーコンバータの前記プロセッサは前記発電源によって生成されたエネルギーの最大量を前記共通DCバスに移動させる第1動作モードで前記エネルギーコンバータの前記制御プログラムを実行し、
前記電圧信号が前記モード選択設定値よりも大きければ、前記エネルギーコンバータの前記プロセッサは前記発電源によって生成されたエネルギーを前記共通DCバスに減少した送信率に移動させる第2動作モードで前記エネルギーコンバータの前記制御プログラムを実行する
請求項6に記載の電力制御システム。
【請求項8】
前記発電源によって生成された前記エネルギーが前記共通DCバスに移動する前記送信率は、前記電圧信号と前記モード選択設定値との間の差の関数である
請求項7に記載の電力制御システム。
【請求項9】
複数のエネルギーストレージデバイスのうち少なくとも1つに電気的に接続された第1コネクション及び前記共通DCバスに電気的に接続された第2コネクションをそれぞれ有する前記第1及び第2エネルギー調整器を前記共通DCバスに接続するステップと、
前記共通DCバス上に存在するDC電圧の振幅に対応するDC電圧信号を、各前記第1及び第2エネルギー調整器で実行するプロセッサで、受信するステップと、
各前記第1及び第2エネルギー調整器で、前記DC電圧信号を、前記複数のエネルギー調整器内のメモリデバイス内に格納されている低電圧設定値及び高電圧設定値と比較するステップと、
一方の前記第1及び第2エネルギー調整器と前記共通DCバスとの間でもう一方の前記第1及び第2エネルギー調整器に独立的にエネルギーを移動させるステップと、
を含み、
前記DC電圧信号が前記高電圧設定値よりも大きければ、各前記第1及び第2エネルギー調整器は、前記共通DCバスから接続された前記エネルギーストレージデバイスにエネルギーを移動させ、
前記DC電圧信号が前記低電圧設定値よりも小さければ、各前記第1及び第2エネルギー調整器は、接続された前記エネルギーストレージデバイスから前記共通DCバスにエネルギーを移動させ、
前記複数のエネルギーストレージデバイスは、少なくとも第1エネルギーストレージデバイス及び第2エネルギーストレージデバイスを含み、
前記複数のエネルギー調整器は、前記第1エネルギーストレージデバイス及び前記第2エネルギーストレージデバイスにそれぞれ対応する少なくとも第1エネルギー調整器及び第2エネルギー調整器を含み、
前記第2エネルギー調整器の前記低電圧設定値は、前記第1エネルギー調整器の前記低電圧設定値より小さく、
前記第2エネルギー調整器の前記高電圧設定値は、前記第1エネルギー調整器の前記高電圧設定値より大きい、
共通DCバスに接続された複数のエネルギーストレージデバイス間のエネルギー移動を管理する方法。
【請求項10】
周期的な間隔に、前記第1エネルギー調整器の前記低電圧設定値及び前記高電圧設定値を前記第2エネルギー調整器の前記低電圧設定値及び前記高電圧設定値と交換するステップをさらに含む
請求項9に記載のエネルギー移動を管理する方法。
【請求項11】
周期的な間隔に、前記第2エネルギー調整器の前記高電圧設定値よりも大きい新しい値を、前記第1エネルギー調整器の前記低電圧設定値及び前記高電圧設定値のそれぞれにロードするステップと、
前記第1エネルギー調整器に接続された第1エネルギーストレージデバイスの放電に対応する信号を受信するステップと、
前記第1エネルギー調整器の前記低電圧設定値及び前記高電圧設定値のそれぞれの前記値をそれらの本来の動作値にリセットするステップと、
をさらに含む
請求項9に記載のエネルギー移動を管理する方法。
【請求項12】
請求項11に記載の複数のステップを周期的に実行するよう前記第1及び第2エネルギー調整器のそれぞれをスケジューリングする初期ステップをさらに含み、一回の実行につき前記第1及び第2エネルギー調整器のうち1つのみが請求項11に記載の前記複数のステップを実行する
請求項11に記載のエネルギー移動を管理する方法。
【請求項13】
発電源に電気的に接続された入力及び前記共通DCバスに電気的に接続された出力を有する少なくとも1つのエネルギーコンバータを、前記共通DCバスに接続するステップと、
各エネルギーコンバータで実行するプロセッサで前記共通DCバス上に存在する前記DC電圧の前記振幅に対応する信号を受信するステップと、
少なくとも1つの前記エネルギーコンバータから選択される他の前記各エネルギーコンバータに独立的に、及び前記第1及び第2エネルギー調整器に独立的に、少なくとも1つの前記エネルギーコンバータから選択される第1エネルギーコンバータと前記共通DCバスとの間でエネルギーを移動させるステップと、
をさらに含む
請求項9に記載のエネルギー移動を管理する方法。
【請求項14】
前記DC電圧信号がモード選択設定値よりも小さければ、前記各エネルギーコンバータは、前記発電源によって生成されたエネルギーの最大量を前記共通DCバスに移動させる第1動作モードで前記発電源と前記共通DCバスとの間でエネルギーを移動させ、
前記DC電圧信号が前記モード選択設定値よりも大きければ、前記各エネルギーコンバータは、前記発電源によって生成されたエネルギーを前記共通DCバスに減少した効率に移動させる第2動作モードで前記発電源と前記共通DCバスとの間でエネルギーを移動させる
請求項13に記載のエネルギー移動を管理する方法。
【請求項15】
共通DCバスと、
少なくとも1つのエネルギーコンバータと、
インバータと、
複数のエネルギーストレージデバイスと、
複数のエネルギー調整器と、
を含み、
前記少なくとも1つのエネルギーコンバータは、
複数のエネルギー源の少なくとも1つに電気的に接続された入力と、
前記共通DCバスに電気的に接続された出力と、
前記共通DCバス上に存在する電圧の振幅に対応する電圧信号と、
をさらに含み、
前記少なくとも1つのエネルギーコンバータの各エネルギーコンバータは、前記電圧信号の関数として前記エネルギー源から前記共通DCバスにエネルギーを移動させるように構成され、
前記インバータは、
前記共通DCバスに電気的に接続された第1コネクションと、
ユーティリティグリッドに接続された第2コネクションと、
前記共通DCバス上に存在する電圧の振幅に対応する電圧信号と、
をさらに含み、
前記インバータは、前記電圧信号、高電圧設定値及び低電圧設定値の関数として選択的に前記共通DCバス及び前記ユーティリティグリッド間で双方向にエネルギーを移動させるように設定され、
前記複数のエネルギー調整器は、
前記複数のエネルギーストレージデバイスのうちの1つに電気的に接続された第1コネクションと、
前記共通DCバスに電気的に接続された第2コネクションと、
前記共通DCバス上に存在する電圧の振幅に対応する電圧信号と、
をさらに含み、
前記複数のエネルギー調整器は、前記電圧信号、低電圧設定値及び高電圧設定値の関数として前記共通DCバスと前記複数のエネルギーストレージデバイスとの間で双方向にエネルギーを選択的に移動させるよう構成され、
前記電圧信号が前記高電圧設定値よりも大きければ、エネルギーは前記共通DCバスから前記複数のエネルギーストレージデバイスに移動し、前記電圧信号が前記低電圧設定値よりも小さければ、エネルギーは前記複数のエネルギーストレージデバイスから前記共通DCバスに移動し、
前記複数のエネルギーストレージデバイスは、少なくとも第1エネルギーストレージデバイス及び第2エネルギーストレージデバイスを含み、
前記複数のエネルギー調整器は、前記第1エネルギーストレージデバイス及び前記第2エネルギーストレージデバイスにそれぞれ対応する少なくとも第1エネルギー調整器及び第2エネルギー調整器を含み、
前記第2エネルギー調整器の前記低電圧設定値は、前記第1エネルギー調整器の前記低電圧設定値より小さく、
前記第2エネルギー調整器の前記高電圧設定値は、前記第1エネルギー調整器の前記高電圧設定値より大きい、
少なくとも1つのエネルギー源及び少なくとも1つのロード間のエネルギー移動を管理する電力制御システム。
【請求項16】
前記設定値それぞれのコピーを格納して運用者が前記設定値のそれぞれを構成するように許容するユーザインタフェースを有する中央インタフェースをさらに含み、
前記中央インタフェースは、前記設定値のうち少なくとも1つを周期的に再構成する格納されたプログラムを実行するように構成されたプロセッサをさらに含む
請求項15に記載の電力制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、ハイブリッド電力システムを制御する方法及び装置に関する。具体的に、本発明は、それぞれが共通DCバスに接続される1つ以上の発電源、ストレージデバイス、ロード、ユーティリティグリッド、オフグリッドの電力システムまたはその組合せ間のエネルギー移動及び電力の流れを管理する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギーに関する増加した需要や化石燃料の供給、及びそれに伴う汚染への高まった懸念は、再生可能なエネルギー源への関心につながっている。一般的に、最も開発されている再生可能なエネルギー源の二種類は光電池(photovoltaic)エネルギー及び風力エネルギーである。他の再生可能なエネルギー源は、燃料電池、水力発電エネルギー、潮汐エネルギー、及びバイオ燃料またはバイオマス発電機であってもよい。しかし、電気エネルギーを生成するために再生可能なエネルギー源を使用することは一連の新しい課題を引き起こすことがある。
【0003】
再生可能なエネルギー源を既存の交流(Alternating Current;AC)グリッドに接続することに関する最も大きい課題の1つは、ユーティリティグリッド又はオフグリッドシステムであっても再生可能なエネルギー源が可変的なエネルギー供給を提供することにある。前記供給は、例えば、風、雲量、または時刻によって変わり得る。さらに、異なるエネルギー源は、異なるタイプの電気エネルギーを提供してもよい。例えば、風力タービンは、可変的な電圧及び周波数を有する交流エネルギーの提供に最も適する一方、光電池は直流(Direct Current;DC)エネルギーの提供に最も適する。結果的に、再生可能なエネルギーの複数ソースをユーティリティグリッド、独立的なマイクロタービン、及び発電機または燃料電池のような異なる発展システムと組み合わせてAC及び/またはDC出力を有する単一システムにすることは、このような異なるエネルギー源それぞれの統合を求める。
【0004】
いずれかの再生可能なソースによって供給されたエネルギーの可変的な本質は、電力システム内のエネルギーストレージデバイスの統合を好ましくする。エネルギーストレージデバイスは、再生可能なソースによって、あるいはユーティリティグリッドまたは他の生成ソースによって最大の生産期間中に充電される。エネルギーストレージデバイスは、その次に再生可能なソースがシステム内のロードによって要求されるものよりも少ないエネルギーを生成しているときには再生可能なソースの補充のために格納されたエネルギーを伝達してもよい。
【0005】
再生可能なエネルギーの複数のソースを統合しようとする試みは、典型的にストレージデバイスのみならず各エネルギー源をグリッドに個別的に接続することを求める。グリッドは、独立型(stand−alone)グリッドまたはユーティリティグリッドであってもよい。生成ソース、例えば、風力タービンまたは光電池アレイ、またはロードの各製造者は、ソースまたはロードをグリッドに接続するために電力コンバータを提供してもよい。このようなアクセス法は、典型的に希望しない2回の電力変換、先に生成ソースをユーティリティグリッドと互換されるAC電圧への変換と、その後にストレージデバイスと互換される電圧に戻す変換とを引き起こす。
【0006】
加えて、複数のソースを統合しようとする試みは、各デバイスによるエネルギーの流れを管理する上位レベル(high−level)コントローラを典型的に要求することがある。コントローラは、複数の通信プロトコルを管理しなければならず、様々なデバイス間の有効電力制御及び無効電力制御を調整しなければならない。例えば、グリッド−独立的なシステムで並列的に動作する複数のACソースは、所望する生成ソースを選択、出力を同期化及び/またはロードの均衡を保持するために移動スイッチ及び制御スキームを典型的に要求することがある。このような統合システムは、典型的に各システムに対してカスタマイズされた複雑なソフトウェアを要求することがある。他の生成ソースまたはロードをシステムに追加することは、統合ソフトウェア及びコネクションハードウェアが後で変更することを要求することがある。したがって、このような複雑な制御スキームは、未来の生成ソース統合の柔軟性または電力システムの変更を制限することになる。
【発明の概要】
【0007】
前述の内容と一貫して具体化して幅広く記述された発明に係るハイブリッド電力システムを制御する方法及び装置は、当該技術で一般的な技術を有する者が発明を考案して使用できるようにするための適する細部事項として記述されてもよい。
【0008】
提示される発明は、電力システム内の様々なソースとロードとの間で電力及びエネルギーを制御する単純化された方法を提供する。発電源は、コンバータを介して共通DCバスにそれぞれ接続されてもよい。コンバータは、選択的にDCバスへの最大エネルギー移動を伝達したり、またはDCバス上に存在するDC電圧のレベルにより減少した送信率でエネルギーを移動してもよい。少なくとも1つのストレージデバイスは、電力調整器によって共通DCバスに可能であれば接続されてもよい。電力調整器は、DCバス上に存在するDC電圧レベルの関数としてDCバスに、またはDCバスからエネルギーを選択的に移動させてもよい。DC to DCコンバータは、DCバスのDC電圧レベルと異なる電圧レベルにDC電圧をロードへ供給するために提供されてもよい。さらに、インバータは、DC電圧を顧客(customer)ロードまたはユーティリティグリッドへの接続のためのAC電圧に変換するため提供されてもよい。電力変換デバイスそれぞれは、アプリケーションの要求事項により多い構成に提供されてもよく、モジュール式(modular)及び単純化された電力制御システムを提供するため独立的に制御されてもよい。
【0009】
発明の一実施形態に係る電力変換デバイスは、各生成ソースと共通DCバスとの間で提供されてもよい。各電力変換デバイスは、生成ソースによって生成された電気エネルギーを他のソースまたはロードと独立的な特定の生成ソースに対して最適化された制御アルゴリズムにより変換してもよい。例えば、最大電力点(Maximum Power Point;MPP)の追跡は、当該技術で公知のように、生成ソースから共通DCバスに最大電力またはエネルギー移動を提供するため光電池アレイに接続されたコンバータ上で用いられる。ストレージデバイス及び前記ストレージデバイスを共通DCバスに接続する電力調整器を提供してもよい。システムに接続されたロードにより要求されたものを超過する電力が生成すると、ストレージデバイスはそれが最大容量に達するまで充電してもよい。ロードによる電力需要がシステムで生成される電力を超過すると、ストレージデバイスは追加需要を充足させるために放電してもよい。電力調整器は供給が需要を超過するか、または需要が供給を超過するかを決定する指標(indicator)としてDCバス上の電圧レベルを監視する。加えて、もし、電力システムがグリッド−独立的なACロードを含んだり、またはユーティリティグリッドに接続されれば、インバータが共通DCバス及びACシステム間で提供されてもよい。インバータコントローラは、生成された電力が要求された電力を超過すると、ソースによって生成された超過エネルギーはユーティリティグリッドに供給されるようにして双方向の電力の流れを提供する。類似に、ソースによって生成された電力が電力システムによって要求された電力を充足させないときには、エネルギーはユーティリティグリッドから移動(drawn)されてもよい。
【0010】
発明の更なる実施形態に係るハイブリッド電力システムに対するコントローラは、少なくとも1つのエネルギーコンバータを含んでもよい。各エネルギーコンバータは、電気エネルギー生成デバイスに電気的に接続されてもよい。装置は、少なくとも1つのエネルギーストレージデバイスを含んでもよい。エネルギー調整器は、エネルギーストレージデバイスに電気的に接続されてもよい。DCバスは、エネルギーコンバータ及びエネルギーコンバータのそれぞれ及びエネルギー調整器に電気的に接続されてもよい。エネルギー調整器は、DCバス上に存在するDC電圧の値を表示する第1電圧信号、低電圧設定値及び高電圧設定値を有する予め決定した範囲内でDC電圧を保持する第1制御ユニットを含んでもよい。
【0011】
発明の更なる側面に係る電力コントローラは、DCバス上に存在するDC電圧の値を表示する電圧信号及びDC電圧が予め決定された最大値に達したときに電気エネルギー生成デバイスからの電力の流れを不可能にするため構成された第2制御ユニットをさらに活用してもよい。インバータは、DC電圧をAC電圧に変換するため電気的にDCバスに接続されてもよい。インバータは、ユーティリティグリッドに独立的またはユーティリティグリッドと協力するACロードに電力を供給してもよい。インバータから生成されたAC電圧は、ユーティリティグリッド、ACロードまたはグリッド及びACロードの組合せで接続されてもよい。インバータは、DCバス及びユーティリティグリッドまたはACロード間で双方向の電力の流れをさらに提供してもよい。場合に応じて、ACロード及びユーティリティグリッドを別に接続する複数のコンバータを提供してもよい。
【0012】
本発明の更なる側面は、電力コンバータ及び調整器がモジュール式である。電力変換デバイスの独立的な本質は、他のコンバータまたは調整器の制御ユニットに対する変更を要求することなくコンバータが追加されたり除去されることを許容する。例えば、DCロードは、電力システムがDCまたはACロードに電力を供給できるように共通DCバスに接続されてもよい。DCロードは、もし、DCバス電圧の他に電圧を希望すると、直接的またはDC to DCコンバータを用いて接続されてもよい。追加的な電気エネルギー生成デバイスに接続された少なくとも1つの追加的なエネルギーコンバータが存在するエネルギーコンバータまたはエネルギー調整器のいずれの変更なしで共通DCバスに接続されてもよい。
【0013】
本発明の他の実施形態に係るエネルギー移動を管理する電力制御システムは、共通DCバス、複数のエネルギーストレージデバイス、及び複数のエネルギー調整器を含んでもよい。各エネルギー調整器は、エネルギーデバイスのうち少なくとも1つに電気的に接続された第1コネクション及び共通DCバスに電気的に接続された第2コネクションを有してもよい。各エネルギー調整器は、複数のスイッチ、DCバス上に存在するDC電圧の振幅に対応する電圧信号、メモリデバイス及びプロセッサをさらに含んでもよい。各スイッチは、第1コネクションと第2コネクションとの間でエネルギー移動を制御するスイッチング信号により選択的にエネルギーを供給してもよい。メモリデバイスは、少なくとも制御プログラム、低電圧設定値及び高電圧設定値を格納してもよい。プロセッサは、電圧信号、低電圧設定値及び高電圧設定値の関数として複数のスイッチのそれぞれに対するスイッチング信号を生成するために制御プログラムを実行してもよい。もし、電圧信号が高電圧設定値よりも大きければ、エネルギーは共通DCバスからエネルギーストレージデバイスに移動してもよく、もし、電圧信号が低電圧設定値よりも小さければ、エネルギーはエネルギーストレージデバイスから共通DCバスに移動してもよい。
【0014】
更なる発明の側面に係る電力制御システムは、少なくとも第1及び第2エネルギーストレージデバイス及び前記第1及び前記の第2エネルギーストレージデバイスそれぞれに対応する第1及び第2エネルギー調整器を含んでもよい。第1エネルギー調整器の低電圧設定値及び高電圧設定値のうちの1つは、第2エネルギー調整器それぞれの低電圧設定値または高電圧設定値と異なる値に設定されてもよい。第1エネルギーストレージデバイスは、第2エネルギーストレージデバイスと異なる構造であり、第1エネルギー調整器及び第2エネルギー調整器の両方に対する低電圧設定値及び高電圧設定値のそれぞれは、第1エネルギーストレージデバイス及び第2エネルギーストレージデバイスそれぞれの構造の関数であってもよい。
【0015】
発明の更なる側面によって中央コントローラが各エネルギー調整器と通信してもよい。中央コントローラは、格納されたプログラムを実行するために構成されたプロセッサ及び少なくとも前記のプログラム及びエネルギー調整器に対する各電圧設定値のコピーを格納するメモリデバイスを有してもよい。中央コントローラは、第1エネルギー調整器の低電圧設定値及び高電圧設定値を第2エネルギー調整器の低電圧設定値及び高電圧設定値と交換するために、プロセッサ上で格納されたプログラムを周期的に実行するよう構成してもよい。中央コントローラは、1つ以上のエネルギーストレージデバイスを放電するためにプロセッサ上で格納されたプログラムを周期的に実行するようさらに構成してもよい。新しい値がエネルギー調整器の最初の低電圧設定値及び高電圧設定値のそれぞれにロードしてもよく、新しい値のそれぞれは他のエネルギー調整器のそれぞれの高電圧設定値よりも大きくてもよい。中央コントローラはエネルギーストレージデバイスの放電に対応する信号を受信してもよく、第1エネルギー調整器の低電圧設定値及び高電圧設定値のそれぞれの値を本来の動作値にリセットしてもよい。さらに、ローテーション方式(rotation basis)でエネルギーストレージデバイスのそれぞれを周期的に放電するためのスケジュールを設立してもよい。したがって、ただ1つのエネルギーストレージデバイスが放電されてもよく、残りのデバイスはDCバスまたはDCバスからエネルギーを移動させることを継続してもよい。
【0016】
発明の更なる側面に係る電力制御システムは、発電源に電気的に接続された入力及び共通DCバスに電気的に接続された出力を有する少なくとも1つのエネルギーコンバータをさらに含んでもよい。各エネルギーコンバータは、複数のスイッチ、DCバス上に存在するDC電圧の振幅に対応する電圧信号、メモリデバイス及びプロセッサを含んでもよい。各スイッチは、入力と出力との間でエネルギー移動を制御するためのスイッチング信号により選択的にエネルギーを供給してもよい。メモリデバイスは少なくとも制御プログラム及びモード選択設定値を格納してもよく、プロセッサは電圧信号及びモード選択設定値の関数としてスイッチング信号を生成するために前記制御プログラムを実行してもよい。第1動作モードで、DC電圧信号はモード選択設定値よりも小さくてもよく、ソースによって生成されたエネルギーの最大量がDCバスに移動してもよい。第2動作モードで、DC電圧信号はモード選択設定値よりも大きくてもよく、ソースによって生成されたエネルギーは減少した送信率でDCバスに移動してもよい。エネルギーがDCバスに移動する送信率は電圧信号及びモード選択設定値間の差の関数であってもよい。
【0017】
発明の更なる実施形態に係る共通DCバスによって接続された複数のエネルギーストレージデバイス間のエネルギー移動を管理する方法は、複数のエネルギー調整器を共通DCバスに接続するステップを含んでもよい。各エネルギー調整器は、エネルギーストレージデバイスのうち少なくとも1つに電気的に接続された第1コネクション及び共通DCバスに電気的に接続された第2コネクションを有してもよい。共通DCバス上に存在するDC電圧の振幅に対応する信号は、各エネルギー調整器で実行するプロセッサで受信されてもよく、DC電圧信号はエネルギー調整器内にあるメモリデバイスに格納された低電圧設定値及び高電圧設定値と比較されてもよい。エネルギーは他のエネルギー調整器に独立的に各エネルギー調整器とDCバスとの間で移動してもよい。もし、DC電圧信号が高電圧設定値よりも大きければ、各エネルギー調整器は共通DCバスから接続されたエネルギーストレージデバイスに、もし、電圧信号が低電圧設定値よりも小さければ、接続されたエネルギーストレージデバイスから共通DCバスにエネルギーを移動させてもよい。
【0018】
発明の更なる実施形態に係る少なくとも1つのエネルギー源及び少なくとも1つのロード間のエネルギー移動を管理する電力制御システムは、共通DCバス及び少なくとも1つのエネルギーコンバータを含んでもよい。エネルギーコンバータは、エネルギー源に電気的に接続された入力、共通DCバスに電気的に接続された出力、及び共通DCバス上に存在する電圧の振幅に対応する電圧信号を含んでもよい。各エネルギーコンバータは、電圧信号の関数としてエネルギー源から共通DCバスにエネルギーを移動させるために構成してもよい。電力制御システムはインバータを含んでもよく、インバータは共通DCバスに電気的に接続された第1コネクション、ユーティリティグリッドに接続された第2コネクション、及び共通DCバス上に存在する電圧の振幅に対応する電圧信号を含んでもよい。インバータは、電圧信号、高電圧設定値及び低電圧設定値の関数として共通DCバス及びユーティリティグリッド間で双方向にエネルギーを選択的に移動させるために構成してもよい。
【0019】
発明の更なる側面に係る電力制御システムは、少なくとも1つのエネルギーストレージデバイス及び少なくとも1つのエネルギー調整器を含んでもよい。エネルギー調整器は、エネルギーストレージデバイスのうち少なくとも1つに電気的に接続された第1コネクション、共通DCバスに電気的に接続された第2コネクション、及び共通DCバス上に存在する電圧の振幅に対応する電圧信号を含んでもよい。エネルギー調整器は、電圧信号、低電圧設定値及び高電圧設定値の関数として共通DCバス及びエネルギーストレージデバイス間で双方向にエネルギーを選択的に移動させるために構成してもよい。電力制御システムは、設定値それぞれのコピーを格納する中央インタフェースを含んでもよく、中央インタフェースは、運用者が設定値のそれぞれを構成することを許容するためのユーザインタフェースを有してもよい。中央インタフェースは、設定値のうち少なくとも1つを周期的に再構成するための格納されたプログラムを実行するために構成されたプロセッサを含んでもよい。
【0020】
発明のこのような目的、利点及び特性は、詳細な説明及び添付の図面から当該技術の当業者によって明白になる。提示された発明の範囲内でその精神から外れることなく多くの変化及び変更が可能であり、本発明はそのような全ての変更を含んでもよい。
【0021】
発明の好ましい例示的な実施形態は添付の図面で示し、参照符号が同一な部分は同一部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】例示的な生成ソース及びロードを示す提示された発明の第1実施形態の概要図である。
【
図2】例示的な生成ソース及びロードを図示し、AC顧客ロードまたはユーティリティグリッドへのコネクションをさらに示す提示された発明の更なる実施形態の概要図である。
【
図3】例示的な生成ソース及びロードを図示し、DCバスと異なるDC電圧からDC顧客ロードへのコネクションをさらに示す提示された発明の更なる概要図である。
【
図9】提示された発明のモジュール式のラック(rack)実現を示す概要図である。
【
図10】単一のポテンシャルDCバスに接続された例示的な生成ソース及びロードを示す提示された発明の更なる実施形態の概要図である。
【
図11】分割されたポテンシャルDCバスに接続された例示的な生成ソース及びロードを示す提示された発明の更なる実施形態の概要図である。
【
図12】DCバスにより分配された例示的な生成ソース及びロードを示す提示された発明の更なる実施形態の概要図である。
【
図13】ACロード及びユーティリティグリッドに接続された例示的な生成ソース及びロードを示す提示された発明の更なる実施形態の概要図である。
【
図14】提示された発明の一実施形態に係る動作間のコンバータ及び調整器制御設定値の図示である。
【
図15】
図14で提示された発明の実施形態に係る放電サイクル間のコンバータ及び調整器制御設定値の図示である。
【
図16】
図14で提示された発明の実施形態に係るコンバータフォールドバック(foldback)を示すコンバータ及び調整器制御設定値の図示である。
【
図17】提示された発明の更なる実施形態に係る動作の間のコンバータ及び調整器制御設定値の図示である。
【
図18】提示された発明の更なる実施形態に係る動作間のコンバータ及び調整器制御設定値の図示である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面に示す発明の好ましい実施形態の記述において、特定の専門用語は明確性のために利用されることがある。しかし、発明が選択した特定の用語に制限されることは意図されることなく、各特定の用語は類似の目的を達成するために類似の方式により動作する全ての技術的な均等を含むものと理解される。例えば、単語の「接続された(connected)」、「添付された(attached)」またはそれに類似する用語が用いられてもよい。それは直接的なコネクションとして制限されなくてもよく、他の構成要素を通したコネクションを含んでもよい。そのようなコネクションは当該技術の当業者によって均等なものとして認識されてもよい。
【0024】
提示される発明は、ハイブリッド電力システム10を制御する方法及び装置を提供する。具体的に、このような発明は、それぞれ共通DCバス50に直接的または電力変換デバイスによって接続された1つ以上の発電源、ストレージデバイス、ロード及びユーティリティグリッド間の電力の流れまたはエネルギーの移動を管理する。
【0025】
このような説明により生成ソースまたはロードを共通DCバス50に接続するための電力変換デバイスを説明するために、コンバータ20、調整器30及びインバータ60を含む数個の用語が用いられてもよい。
図4〜
図6を参照して、コンバータ20、調整器30及びインバータ60は、電圧信号26、36、66及び制御ユニット25、35、65の両方を含んでもよい。電圧信号26、36、66はDCバス50上に存在する電圧レベルを表示してもよく、各電力変換デバイス内の個別的な電圧センサによって生成されてもよく、単一の電圧センサが複数の電力変換デバイスに信号を提供したり、または、電圧センサの組合が個別的な電力変換デバイス及び複数の電力変換デバイスに信号を提供してもよい。各電力変換デバイスの制御ユニット25、35、65は、パワーエレクトロニクスデバイス(power electronic devices)28、38、68、パワーエレクトロニクスデバイス28、38、68に制御信号を送信するためのプログラムを実行できるプロセッサ22、32、62、及び前記プロセッサ22、32、62上で実行できる前記プログラムを格納するメモリ24、34、64で構成された電力変換セクションを含んでもよい。電圧信号26、36、66は、プロセッサ22、32、62上で実行するプログラムによって読み出されてもよい。プログラムは下記で詳細に記述するように、デバイスによって電力の流れを調整するためにパワーエレクトロニクスデバイス28、38、68に制御信号を出力してもよい。これに代えて、制御ユニット25、35、65はパワーエレクトロニクスデバイス28、38、68単独で構成されてもよく、デバイスを介して電力の流れを制御するために電圧信号26、36、66に直接接続されたハードウェアを制御してもよい。例えば、ブーストコンバータは当該技術において公知のように、第1DC電圧レベルをさらに高い第2DC電圧レベルに変換するため用いられてもよい。
【0026】
図1を参照して、ハイブリッド電力システムの第1実施形態を図示する。電力システム10は少なくとも1つのコンバータ20を含んでもよく、各コンバータ20は生成ソースに接続されてもよい。電力システム10は少なくとも1つの調整器30をさらに含んでもよく、各調整器30は少なくとも1つのストレージデバイス40に接続されてもよい。共通DCバス50はコンバータ20及び調整器30のそれぞれに接続してもよい。
【0027】
各コンバータ20は、生成ソースと共通DCバス50との間で電気的に接続されてもよい。生成ソースは当該技術で公知のいずれのタイプであってもよく、光電池、水力発電、燃料電池、潮汐、バイオ燃料、またはバイオマス生成ソースを含んでもよいが、それに制限されることはない。このようなソースのそれぞれは、生成ソースのタイプに適合化された振幅を有するACまたはDC電圧として出力される電力を生成してもよい。生成ソースから出力される電圧は、コンバータ20のパワーエレクトロニクス(power electronics)28の入力電圧として提供されてもよい。パワーエレクトロニクス28は、DCバス50への出力電圧としてソースから希望されるDC電圧レベルに電圧を変換するため構成してもよい。例えば、電力システムが450ボルトユーティリティグリッドに接続されると、希望されたDC電圧レベルは650ボルトであってもよい。これに代えて、DC電圧レベルは、特定のDCロードによって要求される48ボルトのような希望のDC電圧であってもよい。DC電圧レベルは、予め定められた範囲内で変わることが許容されてもよく、生成ソース及びDCバス50間で最適のエネルギー変換を提供するために選択されてもよい。
【0028】
図10及び
図11を参照すると、共通DCバス50は単一レベルまたはマルチレベルDCバスであってもよい。単一レベルバスは、第1DCレール52及び第2DCレール54を含んでもよい。各DCレールは制限されることはないが、単一のターミナル、適する電気的コンダクターによって接続された複数のターミナルまたはバスバー(bus bar)であってもよい。単一レベルバスは、第1DCレール52と第2DCレール54との間で1つの電圧ポテンシャルをそれぞれ設立してもよい。マルチレベルDCバスは、第1DCレール52及び第2DCレール54をそれぞれ含んでもよく、少なくとも第3DCレール56をさらに含んでもよい。マルチレベルDCバスは、DCレール間で少なくとも2つの異なる電圧ポテンシャルを設立してもよい。例えば、マルチレベルDCバスは325ボルトのように、ポジティブ電圧ポテンシャルである第1DCレール52、ニュートラル電圧ポテンシャルである第2DCレール54、及び325ボルトのようにネガティブ電圧ポテンシャルである第3DCレール56を含んでもよい。第1DCレール52と第3DCレール56との間でネット(net)電圧ポテンシャルは電圧ポテンシャルの2倍または650ボルトであってもよく、第1DCレール52または第3DCレール56及びニュートラル第2DCレール54間のポテンシャルにも同様である。したがって、3つの異なる電圧ポテンシャルが
図11に示すDCバス50上に存在してもよい。
図11に示すように、各コンバータ20、調整器30及びインバータ60は、各電力変換デバイスに接続されたソース、ストレージデバイス40、またはロードの要求事項に応じて3つの電圧ポテンシャルのいずれにも接続されてもよい。
【0029】
各調整器30は、少なくとも1つのストレージデバイス40と共通DCバス50との間で電気的に接続されてもよい。ハイブリッド電力システム10は、アプリケーションの要求事項により1つ以上のストレージデバイス40を含んでもよい。ストレージデバイス40はエネルギーを格納してもよく、DCまたはAC電圧を提供してもよい。例えば、ストレージデバイス40は制限されることはないが、バッテリ、燃料電池、フローバッテリ、またはフライホイール(flywheel)であってもよい。各ストレージデバイス40は、単一デバイスまたは当該技術で公知のように、シリーズで並列的またはその組合せで接続された複数のデバイスから構成されることが考慮される。各調整器30のパワーエレクトロニクス38は、DCバス50とストレージデバイス40との間で双方向の電力の流れを許容するために構成してもよい。DCバス50は第1DC電圧レベルで動作し、ストレージデバイス40は第2DC電圧レベルで動作してもよい。これに代えて、DCバス50及びストレージデバイス40は同一のDC電圧レベルで動作してもよい。
【0030】
次の
図2及び
図3を参照すると、ハイブリッド電力システム10は出力電力変換デバイス、例えば、インバータ60または更なるDC−to−DCコンバータ45をさらに含んでもよい。また、
図10〜
図13を参照すると、インバータ60はDCバス50及びユーティリティグリッド、ACロードまたはACロード及びユーティリティグリッドの両方への電気的な接続69間で電気的に接続されてもよい。各インバータ60のパワーエレクトロニクス68はDCバス50及びACロードまたはグリッド間で双方向の流れを許容するために構成されてもよい。もし、電力システムに接続されたロードからの需要が生成ソースによって供給された電力を超過すると、生成ソースによって供給された電力を補充するために双方向の電力の流れはDCバス50に電力を供給するため接続された時には、ユーティリティグリッドを許容してもよい。DC−to−DCコンバータ45は、DCバス50及びDCバス上の電圧と異なる電圧レベルで動作するDCロード間で電気的に接続されてもよい。いずれかの数(number)または組合せのロードがシステムに接続されてもよく、ロードは直接的にインバータ60を介してDC−to−DCコンバータ45を介して、または、いずれかの組合せまたは複数(multiple)を介してDCバス50に接続されることが考慮される。
【0031】
図13を参照すると、グリッド遮断スイッチ70は、例えば、電力停電(outage)間にハイブリッド電力システム10をグリッドから遮断するため含んでもよく、ハイブリッド電力システム10が独立型(standalone)モードで動作を継続するように許容してもよい。1つ以上のセンサがユーティリティグリッドの動作を監視し、ユーティリティグリッドの状態に対応するインバータ60に信号67を提供してもよい。信号67は、例えば、ユーティリティグリッドの1つ以上のステップ(phases)上の電圧に符合する。グリッドからの入力信号67を監視することは、グリッド電圧がロスしたり不安定であれば、インバータが第1状態、オンまたはオフに出力信号71を制御することを許容してもよく、グリッド上の電力が復帰して安定化した時には他の状態、オフまたはオンに出力信号71を制御することを許容してもよい。グリッドに再接続した時には、インバータ60は電気的な接続69上の電圧をグリッド上に存在する電圧の振幅(magnitude)及び周波数を有するロードへ次第に同期化してもよく、グリッドに同期化されると遮断スイッチ70を閉じるために信号71を制御してもよい。
【0032】
動作において、電力変換デバイスのそれぞれはシステムレベルコントローラと独立的に動作するため構成される。発明の一実施形態に係る各コンバータ20、調整器30及びインバータ60は、DCバス50上に存在する電圧の振幅及びメモリに格納された1つ以上の設定値の関数として、共通DCバス及び接続されたソース、ストレージデバイス40またはロード間でエネルギー移動を調整することができる。
【0033】
発明の一実施形態に係る
図14に示すように設定値のシリーズは、
図11〜
図13に示されたシステム10のうちの1つと協力して用いられてもよい。電力システム10は、コンバータ20を介してDCバス50に接続された少なくとも1つのエネルギー源、分離した調整器30によってDCバス50に接続された少なくとも2つのストレージデバイス40、DCバス50及び/またはユーティリティグリッドからエネルギーを受信するロードを含んでもよい。参照設定値302は、DCバス50に対する希望された電圧レベルを定義してもよい。調整器30のそれぞれは電圧レベルに対する許容されるバンド304または314を定義する低電圧設定値306または316及び高電圧設定値308または318を含んでもよい。DCバス50上の電圧の振幅がこのようなバンド内に残っていれば、調整器30はDCバス50またはDCバス50からエネルギーを移動させない場合がある。調整器30のうちの1つは第1電圧バンド304を定義する第1低電圧設定値306及び第1高電圧設定値308を含んでもよい。更なる調整器30は、第2電圧バンド314を定義する第2低電圧設定値316及び第2高電圧設定値318を含んでもよい。
【0034】
調整器30のそれぞれはDCバス50上の電圧レベルを参照設定値302に保持するために他の調整器30に独立的に実行してもよい。
図8を参照すると、各調整器30は、ステップ202において、対応するストレージデバイス40の充電レベルを監視する。ステップ204において、調整器30はストレージデバイス40が完全に充電されか否かを決定する。もし、ストレージデバイス40が完全に充電されると、DCバス50からエネルギーをさらに受け入れてもよい。ステップ206、208及び210において、図に示すように、ストレージデバイス40が完全に充電された間、もしDCバス50上の電圧レベルが高電圧設定値を超過すると、パワーエレクトロニクス38はストレージデバイス40への追加的な電力の流れを防止するためにディスエーブル(disable)される。しかし、ステップ208、212及び214において、図示するように、もし、DCバス50上の電圧レベルが高電圧設定値よりも小さくてストレージデバイス40が完全に充電されると、パワーエレクトロニクス38は要求されたように、ストレージデバイス40からDCバス50へのエネルギーの移動を許容するためにイネーブル(enable)される。
【0035】
もし、ストレージデバイス40が完全に充電されなければ、調整器30はステップ216において、ストレージデバイス40が完全に充電されたか否かを決定する。ステップ218、220及び222に示すように、もし、ストレージデバイス40が完全に充電された間にDCバス50上の電圧レベルが低電圧設定値以下になると、ストレージデバイス40はDCバス50にエネルギーを供給することができないためパワーエレクトロニクス38はディスエーブルされる。しかし、ステップ220、212及び214において、図に示すように、もし、DCバス50上の電圧レベルが低電圧設定値よりも大きくてストレージデバイス40が完全に充電されると、要求されたようにDCバス50からエネルギーの移動を許容するためにパワーエレクトロニクス38はイネーブルされる。
【0036】
ステップ212及びステップ214において、図示するようにストレージデバイス40が完全に充電されていないか、完全に放電されなければ、調整器30はストレージデバイス40とDCバス50との間でエネルギー移動を管理するためにイネーブルされる。各調整器30は、DCバス電圧信号36の関数としてメモリ34に格納された電圧バンド内でDC電圧レベルを保持するために実行してもよい。
図14を再び参照すると、第1調整器30は第1電圧バンド304を有してもよく、第2調整器30は第2電圧バンド314を有してもよい。もし、DCバス電圧信号36が調整器30のうち1つの高電圧設定値308または318以上に上昇すると、そして、もし対応するエネルギーストレージデバイス40が容量を有すると、調整器30は共通DCバス50から対応するエネルギーストレージデバイス40にエネルギーを移動させるために実行してもよい。もし、DCバス電圧信号36が調整器30のうち1つの低電圧設定値306または316以下になると、そして、もし対応するエネルギーストレージデバイス40が格納されたエネルギーを有すると、調整器30はエネルギーストレージデバイス40から共通DCバスにエネルギーを移動させるために実行してもよい。電圧バンド304または314のうち1つの大きさを他の電圧バンド304または314の大きさよりも大きく設定することによって、電力システム10は、第1調整器30及びそれに関するストレージデバイス40を用いてDCバス電圧の振幅を第1電圧バンド304内に保持することを試みる。もし、ソースによって生成されたりロードによって移動されたエネルギーが第1ストレージデバイス40の容量を超過すると、第2調整器30及びそれに関するエネルギーストレージデバイス40が活用される。このような方式によって電圧バンド304及び314を設定することは、例えば、異なる充電/放電サイクルを有するエネルギーストレージデバイス40の使用を許容し、または、同一の(identical)エネルギーデバイス40に対して異なるバンドは特定のエネルギーストレージデバイス40が活用されることを保障することができる。周期的に電圧バンド304及び314を調節することは、1次的及び2次的なストレージデバイス40を相異にしてもよい。
【0037】
図8に示すステップは繰り返してもよく、調整器30はDCバス50上の電圧を連続的に監視して適切に応答することができる。このような方式で、調整器30及びストレージデバイス40はDCバス50の振幅を希望されたバンド内に調整するため動作してもよい。ストレージデバイス40は、好ましくは生成された電力がロードからの需要を超過するときにはDCバス50からエネルギーを受信し、ロードが生成ソースによって提供されたさらに多いエネルギーを要求するときには、DCバス50にエネルギーを供給する部分的に充電された状態に一般的に残っているよう、その大きさを決定してもよい。
【0038】
各コンバータ20は、DCバス50に電力を供給するため他のコンバータ20及び調整器30と独立的に動作してもよい。
図7及び
図16を参照すると、発明の一実施形態に係るコンバータ20の動作が図示されている。ステップ102において、コンバータ20はDCバス50上に存在するDC電圧の振幅を決定するために電圧信号26を監視する。ステップ104において、電圧信号26はDCバス電圧に対する参照電圧設定値302の予め決定された最大電圧設定値322、例えば120%と対照して比較してもよい。もし、DCバス50上の電圧が最大電圧設定値322の以上に上昇すると、ステップ106により、入力からシステムへの追加的な電力を防止するためにコンバータ20はパワーエレクトロニクス28をディスエーブルしてもよい。もし、DCバス50上の電圧が最大電圧設定値322未満であれば、コンバータ20は生成ソースからDCバス50にエネルギーを移動させるための準備を行う。ステップ108において、コンバータ20は生成ソースが電力を生成しているかを決定するために生成ソースを監視する。もし、電力が生成されなければ、DCバス50に電力を移動させる必要がないためステップ106によりパワーエレクトロニクス28はディスエーブルされるのであろう。もし、電力が生成されれば、コンバータ20は、ソースからDCバス50にエネルギーを移動させるためにステップ110によってパワーエレクトロニクス28をイネーブルしてもよい。ステップ111において、コンバータ20は、DCバス50上の電圧の振幅をフォールドバックレベル326と比較する。もし、DCバス50上の電圧の振幅がフォールドバックレベル326よりも小さければ、エネルギーはステップ113により最大動作効率に移動する。例えば、最大電力点追跡アルゴリズムは当該技術で公知のように、ソースからDCバス50に最大電力移動を提供するため制御ユニット25内のプロセッサ22によって実行されてもよい。しかし、DCバス50上の電圧の振幅がフォールドバックレベル326よりも大きければ、ステップ115によってエネルギーは減少した効率で移動する。効率は、DCバス50上の電圧の振幅がフォールドバックレベル326よりどれだけ大きいかの関数として減少してもよい。
図7に示すステップは繰り返してもよく、コンバータ20はDCバス50上の電圧の振幅を連続的に監視することができ、また適切に応答することができる。
【0039】
インバータ60は他の電力変換デバイスと類似に動作してもよい。電力システム10がグリッド−独立的なACロードに接続されたときには、インバータ60がACロードの要求事項に応じて定義された電圧及び周波数にDCバス50からACロードへエネルギーを移動させ得る。電力システム10がユーティリティグリッドに接続されたときには、インバータ60がその出力をユーティリティ電圧及び周波数に同期化してもよい。インバータ60は、DCバス50上の電圧レベルに反応してユーティリティグリッドまたはユーティリティグリッドからの電力移動を制御してもよい。
図17を参照すると、インバータ60は、ユーティリティグリッドとDCバス50との間でエネルギー移動をイネーブル及びディスエーブルするための設定値を含んでもよい。例えば、インバータで高電圧設定値332及び低電圧設定値330は、ユーティリティグリッドとのインタラクション(interaction)に対する第3電圧バンドを設立してもよい。もし、DCバス電圧信号66がこのようなバンド内にあれば、ユーティリティグリッドへの、またはユーティリティグリッドからのエネルギー移動は要求されない。もし、DCバス電圧信号66が高電圧設定値332よりも大きければ、インバータ60はDCバス50からユーティリティグリッドにエネルギーを移動させてもよい。もし、DCバス電圧信号66が低電圧設定値330よりも小さければ、インバータ60はユーティリティグリッドからDCバス60にエネルギーを移動させてもよい。これに代えて、インバータ60はイネーブルされて残っていてもよく、参照電圧信号302に対するDCバス電圧信号66の関数としてユーティリティグリッドとDCバス50との間でエネルギーを移動させてもよい。電力システム10は、エネルギーストレージデバイス40なしに動作するために構成されることが考慮される。そのような動作の下で、インバータ電圧バンドはDCバス上の電圧レベルを保持するために用いられてもよい。したがって、グリッドコネクションは希望のDC電圧レベルにDCバス50を保持させることができ、電力システム10で提供されるようなストレージデバイス40を充電するためのエネルギーの更なるソースを提供することができる。
【0040】
依然として他の設定値が電力システム10内で他の機能を行うために活用されてもよい。最小電圧設定値320は、電圧システム10が動作を継続できるDCバス上に存在する電圧の最小振幅を確認してもよい。類似に、最大電圧設定値322は電圧システム10が動作を継続できるDCバス上に存在する電圧の最大振幅を確認してもよい。もし、電圧の振幅が最小電圧設定値320よりも小さいか最大電圧設定値322よりも大きければ、電力変換デバイスはディスエーブルされて動作を中断してもよい。高電圧設定値324は、例えば、超過すれば警告メッセージが掲示される電圧レベルを確認してもよい。設定値の多くの組合が発明の範囲から外れることがなく構成され得る。例えば、電力システム10で異なる電力変換デバイスが異なる最小電圧設定値320または最大電圧設定値322を有してもよい。コンバータ20のそれぞれはさらに低い最大電圧設定値322を有してもよく、それらはDCバス50に生成された電気の供給を中断してもよく、調整器30がエネルギーを継続して移動させることを許容してもよく、DCバス50上の電圧レベルを減少させてもよい。場合に応じて、1つのコンバータ20は他のコンバータ20よりも低い最大電圧設定値322を有してもよく、コンバータのうちの1つは第1レベルからDCバス50へのエネルギー移動を中断してもよく、DCバス50上の電圧の振幅の追加的な増加を防止することができる。
図18を参照すると、発電機開始設定値(generator start setpoint)334は、燃料−供給型の発電機に接続されたコンバータ20で提供されてもよい。もし、DCバス電圧信号26が発電機開始設定値334よりも小さければ、発電機の動作を開始するための信号が発電機に送信されてもよい。発電機が安定した動作点に達したとき、コンバータ20は発電機から共通DCバス50にエネルギーを移動させてもよい。発電機をディスエーブルするために第2設定値、図示していないが、コンバータ20内の他の信号が用いられてもよい。
【0041】
各コンバータ20及び調整器30の独立的な動作は、電力システム10のモジュール式の構造を可能にする。例えば、
図9に示すように、コンバータ20及び調整器30のそれぞれは個別的なモジュールとして構造化されてもよい。各モジュールは、例えば、モジュールの電力変換容量及び生成ソースのタイプに対するパワーエレクトロニクスの要求事項に依存して大きさが異なってもよい。可能であれば各モジュールは一般的なラックにいずれの配置であってもマウントされるため構造化され得るが、可能であればカラムのシリーズであってもよい。DCバス50はモジュール間で拡張してもよい。コンバータ20及び調整器30はブランチ(branches)によりDCバス50に接続するため構造化されてもよい。類似に、インバータ60は、一般的なラック上にマウントされるため、構造化された異なるモジュールであってもよく、DCバス50のブランチに接続されてもよい。他のモジュールは必要に応じて含まれてもよく(例えば、インバータ及びユーティリティグリッドまたはディスプレイパネル間のAC遮断機)、一般的なラックに類似するようにマウントされてもよく、必要に応じてDCバス50に接続されたり接続されなくてもよい。電力変換デバイスのそれぞれは、アプリケーションの要求事項により電力変換デバイスとDCバス50との間のエネルギー移動を独立的に制御するため、設定値及び格納されたプログラムを含んでもよい。
【0042】
図10、
図11及び
図13を参照すると、ハイブリッド電力システム10は中央インタフェース80をさらに含んでもよい。発明の一実施形態に係る中央インタフェース80は、ディスプレイデバイス及び制限されていないがキーパッド、マウス、タッチパッドまたはタッチスクリーンを含むユーザインタフェースを含んでもよい。中央インタフェース80は、ハイブリッド電力システム10に最も近接して位置、または一部に含まれて位置してもよい。場合に応じて、中央インタフェース80は、ハイブリッド電力システム10から遠隔で位置してもよく、いずれか適する有線または無線ネットワークを介して接続されてもよい。中央インタフェース80は、また、ハイブリッド電力システム10内の電力変換デバイスのそれぞれと適するネットワーク82、例えば、イーサネット、イーサネットIP、または他の産業通信ネットワークを含んで通信してもよい。中央インタフェース80は、電力変換デバイス内の設定値の各コピーを格納するメモリデバイスを含んでもよい。ユーザインタフェース及びディスプレイデバイスはユーザが設定値を構成することを許容してもよく、ネットワーク82を用いて電力変換デバイスに設定値に対する新しい値を送信してもよい。もし、新しい電力変換デバイスが電力システム10に追加されると、ユーザは、中央インタフェース80で電力変換デバイスによって活用される設定値に対する値を入力してもよい。場合に応じて、値のデフォルト集合は電力変換デバイスに格納されてもよく、中央インタフェース80はデバイスを自動検出及び格納された値をアップロードするために構成されてもよい。
【0043】
中央インタフェース80は、中央インタフェース80内のプロセッサ上で周期的に実行するために構成されたプログラムをさらに含んでもよい。
図14を参照すると、プログラムは、例えば、複数の調整器30の電圧設定値を周期的に交換するために構成してもよい。もし、電力システム10が2つ以上の調整器30及びエネルギーストレージデバイス40を含めば、調整器30のうち1つ及びそれに関するストレージデバイス40は他の調整器30及びそれに関するストレージデバイス40よりも高い活用率を有することができる。各調整器30で設定値が同一にもかかわらず、製造上の許容(tolerances)及びオフセットが調整器30のうち1つが異なる調整器に前もって共通DCバス50及びストレージデバイス40間でのエネルギーの移動が発生する。したがって、エネルギーストレージデバイス40のさらに多い活用を提供するため、中央インタフェース80は第1エネルギー調整器の低電圧設定値及び高電圧設定値を第2エネルギー調整器の低電圧設定値及び高電圧設定値と周期的に交換するために構成してもよい。各エネルギーストレージデバイス40は、これに代えて、DCバス50上の電圧レベルを保持するために1次的または2次的なデバイスであってもよい。
【0044】
図15を参照すると、エネルギーストレージデバイス40を周期的に完全に充電したり放電することが好ましい。エネルギーストレージデバイス40のうち1つを放電するために、中央インタフェース80上のプログラムが新しい値をエネルギー調整器の最初の低電圧設定値及び高電圧設定値のそれぞれにロードするために構成してもよく、新しい値は他のエネルギー調整器のうち少なくとも1つの高電圧設定値よりも大きくてもよい。再構成された調整器30は、それに関するエネルギーストレージデバイス40からDCバス50にエネルギーを移動させることを開始する。接続されたロードはエネルギーを消費したり、または、移動したエネルギーがロード要求事項を超過すると、残りの調整器30がDCバス50からそれに関するエネルギーストレージデバイス40にエネルギーを移動させる。中央インタフェース80がエネルギーストレージデバイス40の放電に対応する信号を受信すると、第1エネルギー調整器の低電圧設定値及び高電圧設定値のそれぞれの値は本来の動作値に再設定されてもよい。中央インタフェース80上で実行するプログラムは一瞬に1つの調整器30を順次放電するために類似に構成されてもよく、電力システム10はエネルギーストレージデバイス40のそれぞれで放電サイクルを行う間に動作するように残っていてもよい。電圧バンドを活用する2つの特定の例が議論されるにもかかわらず、エネルギーストレージデバイス40の活用を保障するため、そしてエネルギーストレージデバイス40を順次放電/充電するために、電圧バンドの多くの相異する構成が他の希望された動作状態を達成するために構成されるものとして理解されてもよい。
【0045】
発明は、ここで提示されるコンポーネントの構造及び配置の細部事項に制限されることはないものと理解されなければならない。発明は他の実施形態であってもよく、様々な方法により実行されたり行われてもよい。前述した変化及び変更は、提示された発明の範疇内にある。ここで開示されて定義される発明は、テキスト及び/または図面から言及された、または明白な2つ以上の個別的な特性の全ての代替可能な組合せにより拡張されることが理解され得る。このような異なる組合せの全ては提示された発明の様々な代替可能な側面を構成することができる。ここで記述された実施形態は発明の実行に対して公知の最高モードを説明することができ、当該技術の当業者が発明を活用することを可能にするのであろう。