(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
電気自動車等では容量の大きな電源が必要なため、複数の蓄電素子を備えた蓄電装置が用いられる。この種の蓄電装置は、
図10に示すように、所定の方向に並ぶ複数の蓄電素子120、120、…と、複数の蓄電素子120、120を挟み込む一対の終端部102、102と、を備える(特許文献1)。終端部102は、樹脂製の板状の部材である。この蓄電装置100では、板厚を大きくして終端部102の強度を十分に確保することによって、複数の蓄電素子120、120、…同士を強固に固定している。
【0003】
近年、蓄電装置の小型化が求められているが、前記の蓄電装置100のように終端部102の板厚を大きくすることによって終端部102の強度を確保すると、蓄電装置100が大型化する。そこで、リブ等を設けて補強した薄い部材を複数重ね合わせて終端部102を構成することによって、終端部102の強度を確保しつつ終端部102の厚さを抑えることが考えられる。
【0004】
しかし、この場合、一つの終端部102を複数の部材を重ね合わせて構成するため、部品点数が多くなり、部材相互の位置合わせ等の作業が煩雑となるため、蓄電装置100を組み立てる際の作業効率が低下する。特に、3以上の部材を重ねて終端部102を構成する場合に、前記位置合わせ等の作業がより煩雑となって蓄電装置100を組み立てる際の作業効率の低下が顕著になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、組立が容易な蓄電装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る蓄電装置は、
所定の方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
所定の方向において複数の蓄電素子
の両側に並んで配置される
一対の隣接体と、
一対の隣接体同士を連結する連結部材と、を備え、
隣接体は、
所定の方向に重ね合わされた3以上の部材を有
すると共に、所定の方向において蓄電素子と隣接し、
各部材は、一方の面が凹をなし、一方の面の裏面が凸をなす位置決め部を有し、
各部材の位置決め部のそれぞれは、互いに対応する位置に配置され、
隣り合う部材のうちの一方の部材の位置決め部が隣り合う部材のうちの他方の部材の位置決め部に挿入されることによって隣り合う部材が相対的に位置決めされている。
【0008】
かかる構成によれば、隣り合う部材において、一方の部材の位置決め部を他方の部材の位置決め部に挿入することによって、隣接体を形成する際の部材相互の位置決めを容易に行うことができ、その結果、蓄電装置の組み立てが容易になる。
【0009】
ここで、本発明に係る蓄電装置の一態様として、
各部材は、位置決め部を複数有することが好ましい。
【0010】
かかる構成によれば、隣り合う部材において、一方の部材の各位置決め部が他方の部材の対応する位置決め部にそれぞれ挿入されることで、部材同士の相対的な姿勢が決まるため、蓄電装置の組み立てをより容易にすることができる。即ち、隣り合う部材において、一方の部材の複数の位置決め部の凹に、他方の部材における前記凹に対応する位置決め部の凸をそれぞれ挿入することによって、一つの凹とこれに挿入される凸とを回転中心とする部材同士の相対回転を防ぐことができ、これにより、組み立て作業がより容易になる。
【0011】
また、本発明に係る蓄電装置の他の態様として、
3以上の部材のうちの最も蓄電素子側に配置される部材は、絶縁部材であり、
3以上の部材のうちの残りの部材は、金属製であってもよい。
【0012】
かかる構成によれば、蓄電素子と金属製の部材との間の絶縁を図ることができる。
【0013】
また、本発明に係る蓄電装置の他の態様として、
隣り合う部材のうちの一方の部材の位置決め部の凹は、奥に当該凹の開口よりも大きな内周の凹側大径部を有し、
隣り合う部材のうちの他方の部材の位置決め部の凸は、当該凸の先端側に凹側大径部内に配置される凸側大径部であって開口よりも大きな外周の凸側大径部を有することが好ましい。
【0014】
かかる構成によれば、位置決め部の凹に挿入されている凸側大径部が当該凹の開口を通過し難いため、隣り合う部材同士を位置決め部によりそれぞれ係合することによって隣接体を構成する3以上の部材を一つの部品として扱え、これにより、蓄電装置の組み立てが容易になる。
【0015】
また、本発明に係る蓄電装置の他の態様として、
各位置決め部は、重ねられた状態の3以上の部材を一括して部分的に押圧成型することによって形成されてもよい。
【0016】
かかる構成によれば、各部材の位置決め部が押圧成型によって一体的に形成されるため、接合した部材間のがたつきを抑えることができる。また、対応する各位置決め部が押圧成型によって同時に形成されるため、各位置決め部が別々の工程で形成される場合に比べて製造誤差等に起因する相対位置のずれが抑えられる。
【発明の効果】
【0017】
以上より、本発明によれば、組立が容易な蓄電装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について
図1〜
図7を参照しつつ説明する。尚、以下の説明では、
図1のX軸方向を幅方向とし、Y軸方向を前後方向とし、Z軸方向を高さ方向とする。
【0020】
本実施形態に係る蓄電装置は、蓄電素子として電池セルを備える電池モジュールである。この電池モジュールは、
図1〜
図2に示すように、複数の電池セル(蓄電素子)20、20、…と、複数のバスバ12、12、…と、複数のスペーサ14、14、…と、フレーム16と、を備える。
【0021】
複数の電池セル20、20、…は、所定の方向(本実施形態では前後方向)に並ぶように配置される。複数の電池セル20、20、…は、同一構造及び同一形状をそれぞれ有している。以下では、一つの電池セル20について説明する。
【0022】
電池セル20は、
図3に示すように、電極体(図示しない)と、電極体を収容するケース21とを備える。
【0023】
ケース21は、ケース本体22と蓋部23とを有し、ケース本体22と蓋部23とによって囲まれた内部空間に前記電極体を収容する。ケース本体22は、幅方向に偏平な有底角筒形状を有する。蓋部23は、ケース本体22の開口を塞ぐ蓋板25と、蓋板25に取り付けられる一対の外部端子26、26と、を有する。これら一対の外部端子26、26のうちの一方の外部端子は前記電極体の正極に接続された正極外部端子26aであり、他方の外部端子は前記電極体の負極に接続された負極外部端子26bである。
【0024】
各バスバ12は、隣り合う電池セル20、20の対応する外部端子26、26同士(具体的には、一方の電池セル20の正極外部端子26aと他方の電池セル20の負極外部端子26bと)を電気的に接続する。本実施形態のバスバ12は、例えば、金属製の矩形の板部材である。
【0025】
図1〜
図2に戻り、スペーサ14は、隣り合う電池セル20、20間に配置される。このスペーサ14は、合成樹脂によって形成され、絶縁性を有する。本実施形態のスペーサ14は、縦断面が矩形波形状となるように形成されている。このような形状のスペーサ14が隣り合う電池セル20、20間に配置されることによって、電池セル20、20間を空気が流通可能となる。
【0026】
フレーム16は、複数の電池セル20、20、…、及び各電池セル20、20間に配置される複数のスペーサ14、14、…を保持してパッケージ化する。このフレーム16は、前後方向に間隔を空けて配置される一対の終端としての隣接体17、17と、前後方向に延び、一対の隣接体17、17同士を連結する複数(本実施形態の例では4つ)の連結部材18、18、…と、を有する。
【0027】
一対の隣接体17、17は、複数の連結部材18、18、…によって互いに連結されることにより、複数の電池セル20、20、…を前後方向から挟み込んで固定する。各隣接体17は、重ね合わされた3以上の部材を有する。本実施形態の隣接体17は、複数の金属製プレートの成型品によって構成される挟持部材170と、絶縁部材171とを有する。
【0028】
挟持部材170は、前後方向において、複数の電池セル20、20、…のうちの最も外側に位置する電池セル20の外側に配置される。即ち、一方の挟持部材170は、前後方向(電池セル20の並び方向)において、最も前側の電池セル20の前側に配置され、また、他方の挟持部材170は、最も後ろ側の電池セル20の後ろ側に配置される。本実施形態の挟持部材170は、エンドプレート172と、補強部材173とを有する。
【0029】
エンドプレート172は、前後方向と直交する方向に広がり、正面視において電池セル20の略全体を覆う大きさ及び形状を有する。このエンドプレート172は、鉄系金属材料によって形成された金属製プレートの成型品に亜鉛メッキを施したものである。エンドプレート172には、リブ、凸部、屈曲部位等の複数の補強部172a、172a、…が形成されている。
【0030】
エンドプレート172は、絶縁部材171及び補強部材173と前後方向に重なる領域内に、複数(本実施形態の例では2つ)の第2係合部(位置決め部)32、…を有する。この第2係合部32は、エンドプレート172、補強部材173、及び絶縁部材171を互いに連結する連結部30の一部を構成する。これら連結部30及び第2係合部32についての詳細は後述する。
【0031】
補強部材173は、前後方向と直交する方向に広がり、正面視においてエンドプレート172の一部を覆う大きさ及び形状を有する。この補強部材173は、鉄系金属材料によって形成された金属製プレートの成型品に亜鉛メッキを施したものである。本実施形態の補強部材173は、エンドプレート172の対角線に沿って延びている。この補強部材173には、リブ、凸部、屈曲部位等の複数の補強部173a、173a、…が形成されている。
【0032】
補強部材173は、絶縁部材171及びエンドプレート172と前後方向に重なる領域内(詳しくは、エンドプレート172の第2係合部32と対応する位置)に、複数(本実施形態の例では2つ)の第3係合部(位置決め部)33、…を有する。この第3係合部33は、連結部30の一部を構成する。第3係合部33についての詳細は後述する。
【0033】
以上のエンドプレート172及び補強部材173では、これらエンドプレート172及び補強部材173が前後方向に重ねられた状態で連結(接合)されたときに所定の強度となるように、各補強部172a、173aの配置位置及び形状等がそれぞれ設定されている。即ち、上記のように複数の補強部172a、173aが形成された複数のプレート成型品172、173を前後方向に重ねて挟持部材170を構成することによって、挟持部材170の厚さ(前後方向の寸法)を抑えつつも十分な強度を確保することができる。
【0034】
絶縁部材171は、樹脂によって形成され、絶縁性を有する。この絶縁部材171は、挟持部材170と、前後方向の最も外側に位置する電池セル20との間に配置される。具体的には、一方の絶縁部材171は、前側に配置された挟持部材170と、最も前側の電池セル20との間に挟み込まれ、他方の絶縁部材171は、後ろ側に配置された挟持部材170と、最も後ろ側の電池セル20との間に挟み込まれている。
【0035】
絶縁部材171は、前後方向と直交する方向に広がり、正面視において、電池セル20の全体を覆う大きさ及び形状を有する。この絶縁部材171は、
図4にも示すように、板状の部位である本体部174と、本体部174における電池セル20と対向する面174aから突出し、上下方向に間隔を空けて互いに平行に並ぶ複数の突状175、175、…と、を有する。また、本体部174は、エンドプレート172及び補強部材173と前後方向に重なる領域内(詳しくは、エンドプレート172の第2係合部32及び補強部材173の第3係合部33と対応する位置)に、複数(本実施形態の例では2つ)の第1係合部(位置決め部)31、…を有する。この第1係合部31は、連結部30の一部を構成する。第1係合部31についての詳細は後述する。
【0036】
以上のエンドプレート172、補強部材173、及び絶縁部材171は、複数(本実施形態の例では2つ)の連結部30、…によって互いに連結(接合)されて一体となっている。連結部30は、
図5に示すように、絶縁部材171、エンドプレート172、及び補強部材173において、前後方向に互いに密接した状態で積層された部位に形成されている。この連結部30は、上述の絶縁部材171の第1係合部31、上述のエンドプレート172の第2係合部32、及び、上述の補強部材173の第3係合部33、を含む。
【0037】
第1係合部31は、一方の面が凹をなし、前記一方の面の裏面が凸をなしている。具体的に、第1係合部31は、絶縁部材171の本体部174における電池セル20と対向する面174a側が凹むと共に、この凹んだ面の裏面が突出した形状を有する。この第1係合部31は、第2係合部32に嵌り込んでいる。
【0038】
詳しくは、第1係合部31は、その先端を除く前後方向の各位置において円環状の断面を有し、基部から先端に向かって外径が拡径している。即ち、第1係合部31では、基部の外周(外径)よりも先端の外周(外径)が大きい。
【0039】
第2係合部32も、第1係合部31と同様に、一方の面が凹をなし、前記一方の面の裏面が凸をなしている。具体的に、第2係合部32は、エンドプレート172における第1係合部31と前後方向に重なる位置において、絶縁部材171と対向する面側が凹むと共に、この凹んだ面の裏面が突出した形状を有する。この第2係合部32では、凹んだ部位に第1係合部31が嵌り込み、突出した部位が第3係合部33に嵌り込んでいる。
【0040】
詳しくは、第2係合部32は、その先端を除く前後方向の各位置において円環状の断面を有し、基部から先端に向かって外径が拡径している。即ち、第2係合部32では、基部の外周(外径)よりも先端の外周(外径)が大きく、基部の内周(内径)よりも先端部の内周(内径)が大きい。また、第2係合部32の基部の内周(内径)、即ち、凹んでいる部位の開口は、第1係合部31の先端の外周(外径)よりも小さい。本実施形態では、第2係合部32の凹んでいる部位は、当該部位に嵌め込まれた第1係合部31と密接している。
【0041】
第3係合部33も、第1及び第2係合部31、32と同様に、一方の面が凹をなし、前記一方の面の裏面が凸をなしている。具体的に、第3係合部33は、補強部材173における第2係合部32と前後方向に重なる位置において、エンドプレート172と対向する面側が凹むと共に、この凹んだ面の裏面が突出した形状を有する。この第3係合部33では、凹んだ部位に第2係合部32が嵌り込んでいる。
【0042】
詳しくは、第3係合部33は、その先端を除く前後方向の各位置において円環状の断面を有し、基部から先端に向かって外径が拡径している。即ち、第3係合部33では、基部の外周(外径)よりも先端の外周(外径)が大きく、基部の内周(内径)よりも先端部の内周(内径)が大きい。また、第3係合部33の基部の内周(内径)、即ち、凹んでいる部位の開口は、第2係合部32の先端の外周(外径)よりも小さい。本実施形態では、第3係合部33の凹んでいる部位は、当該部位に嵌め込まれた第2係合部32と密接している。
【0043】
以上の第1〜第3係合部31〜33によって構成される連結部30は、重ねられた状態の3つの部材(絶縁部材171、エンドプレート172、補強部材173)を一括して部分的にプレス(押圧成型)することによって形成される。具体的には、以下の通りである。
【0044】
図6に示すように、絶縁部材171、エンドプレート172、補強部材173が順に重ねられる。続いて、
図7に示すように、一対の金型40、41が、重ねられた状態の絶縁部材171、エンドプレート172、及び補強部材173における連結部30の一部(形成予定部位)を挟み込むことによってプレスする。これにより、各部材(絶縁部材171、エンドプレート172、及び補強部材173)のプレスされた部位が塑性変形して連結部30が形成される。即ち、プレス成型によって第1〜第3係合部31〜33が互いに係合された状態で同時且つ一体的に形成される。
【0045】
以上の電池モジュール10によれば、隣り合う部材(絶縁部材171及びエンドプレート172、又は、エンドプレート172及び補強部材173)において、一方の部材の係合部(例えば、絶縁部材の第1係合部31)を他方の部材の係合部(例えば、エンドプレート172の第2係合部32)に挿入することによって、フレーム16の終端としての隣接体17を形成する際の部材171、172、173相互の位置決めを容易に行うことができ、その結果、電池モジュール10の組み立てが容易になる。
【0046】
本実施形態の隣接体17を構成する各部材(絶縁部材171、エンドプレート172、及び補強部材173)は、係合部31、32、33を複数有している。これにより、隣り合う部材(絶縁部材171及びエンドプレート172、又は、エンドプレート172及び補強部材173)において、一方の部材の各係合部(例えば、絶縁部材の第1係合部31)が他方の部材の対応する係合部(例えば、エンドプレート172の第2係合部32)にそれぞれ挿入されることで、部材171、172(又は、172、173)同士の相対的な姿勢が決まるため、電池モジュール10の組み立てをより容易にすることができる。即ち、隣り合う部材171及び172(又は172及び173)において、一方の部材172(又は173)の複数の係合部32(又は33)の凹に、他方の部材171(又は172)の前記凹に対応する係合部31(又は32)の凸がそれぞれ挿入されることによって、一つの凹とこれに嵌り込む凸とを回転中心とする部材171、172(又は、172、173)同士の相対回転を防ぐことができ、これにより、組み立て作業がより容易になる。
【0047】
本実施形態の電池モジュール10では、隣接体17を構成する複数の部材のうちの最も電池セル20側の部材が樹脂製の絶縁部材である。このため、金属製のエンドプレート172及び補強部材173と、電池セル20と、の間の絶縁を図ることができる。
【0048】
また、本実施形態の隣接体17では、第2係合部32に嵌り込んでいる第1係合部31の先端部が第2係合部32の開口を通過し難く、且つ、第3係合部33に嵌り込んでいる第2係合部32の先端部が第3係合部33の開口を通過し難い。このため、各係合部31、32、33によって互いに連結(接合)された3つの部材(絶縁部材171、エンドプレート172、及び補強部材173)を一つの部品として扱え、これにより、電池モジュール10の組み立てが容易になる。即ち、本実施形態の電池モジュール10では、複数の電池セル20、20、…を挟み込む一対の挟持部材170(エンドプレート172及び補強部材173)を金属製の薄い部材(プレート成型品)によって構成することで強度を確保しつつ電池モジュール10の大型化を防ぎながら、第1〜第3係合部31〜33のような簡単な構成によって異なる材質の複数の部材(金属製のエンドプレート172及び補強部材173と、樹脂製の絶縁部材171と)を一体的に取り扱えるようにすることで組み立ての容易性を実現している。
【0049】
また、本実施形態の電池モジュール10では、第1〜第3係合部31〜33がプレス成型によって一体的に形成されるため、接合した部材171、172(又は、172、173)間のがたつきを抑えることができる。また、共通の連結部30を構成する各係合部31、32、33がプレス成型によって同時に形成されるため、部材171、172、173毎に係合部31、32、33が別々の工程で形成される場合に比べて製造誤差等に起因する相対位置のずれが抑えられる。
【0050】
尚、本発明の蓄電装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0051】
上記実施形態の各係合部31、32、33の突出側の面(以下、単に「凸」とも称する。)は先端に向かって拡径し、各係合部31、32、33の電池セル20側の面(以下、単に「凹」とも称する。)は、奥に向かって拡径しているが、この形状に限定されない。
図8Aに示すように、連結部130を構成する各係合部131、132、133は、同心に配置された円柱面形状の内周面と外周面とをそれぞれ備えてもよい。また、
図8Bに示すように、連結部230を構成する各係合部231、232、233の内周面と外周面とが先端に向かって縮径していてもよい。これらいずれの構成によっても、隣り合う部材(絶縁部材171及びエンドプレート172、又は、エンドプレート172及び補強部材173)において、一方の部材の係合部(例えば、絶縁部材の第1係合部131)を他方の部材の係合部(例えば、エンドプレート172の第2係合部132)に挿入することによって、フレーム16の終端としての隣接体17を形成する際の部材171、172、173相互の位置決めを容易に行うことができる。
【0052】
上記実施形態の絶縁部材171とエンドプレート172と補強部材173とは、プレス成型によって互いに係合した状態で同時に形成された第1係合部31と第2係合部32と第3係合部33とによって接合(連結)されているが、この構成に限定されない。例えば、各部材171、172、173に係合部31、32、33が形成された後に、対応する係合部31、32(又は32、33)同士を係合させる(即ち、一方の部材の凸を他方の部材の凹に挿入する)ことによって、隣接体17を形成してもよい。
【0053】
また、上記実施形態の電池モジュール10では、複数の電池セル20、20、…を前後から挟み込む隣接体17において、第1〜第3係合部31〜33を用いた3つの部材171、172、173における部材相互の相対的な位置決めを行っているが、電池モジュール10の他の部位において前記位置決めを行ってもよい。
【0054】
例えば、
図9示す電池モジュール10Aのように、複数の電池セル20、20、…がケース45に収容され、ケース45の左右の側壁、天壁及び底壁がそれぞれ3以上の部材を重ね合わせて形成されている場合、側壁、天壁、及び底壁の少なくとも1つにおいて、前記係合部を用いた部材相互の相対的な位置決めが行われてもよい。
【0055】
また、電池セル20、20間に配置されるスペーサ14が、3以上の部材を重ね合わせて形成されている場合、これら3以上の部材の部材相互の相対的な位置決めに、前記の係合部31、32、33を用いた位置決めが行われてもよい。
【0056】
また、上記実施形態のフレーム16の隣接体17は、3つの部材171、172、173を重ね合わせることによって構成されているが、この構成に限定されない。隣接体17は、4つ以上の部材を重ね合わせることによって形成されてもよい。