特許第6168616号(P6168616)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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6168616監視装置、監視システム、監視方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6168616
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】監視装置、監視システム、監視方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20170713BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   G08B25/04 K
   G08B21/02
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-10229(P2015-10229)
(22)【出願日】2015年1月22日
(65)【公開番号】特開2016-134125(P2016-134125A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2016年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高岡 厚志
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−095091(JP,A)
【文献】 特開2003−023501(JP,A)
【文献】 特開2001−236583(JP,A)
【文献】 特開平11−331383(JP,A)
【文献】 特開平05−207144(JP,A)
【文献】 特開2010−021701(JP,A)
【文献】 特開2005−094342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B19/00−31/00
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
H04Q3/58−3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められたタイミングに監視先電話機へ内線発信を行う内線電話部と、
前記内線電話部によって行われた内線発信に対して受話操作が行われた前記監視先電話機から送信された音声情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部において記憶された音声情報を、前記監視先電話機の監視を行う監視元通信装置へ、前記監視先電話機を操作するユーザの安否情報として送信する通信部と、を備える監視装置。
【請求項2】
前記内線電話部は、
受話操作が行われた前記監視先電話機へ、音声情報の入力を促すメッセージを送信し、
前記記憶部は、
前記メッセージを送信した後に、前記監視先電話機から送信された音声情報を記憶する、請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記内線電話部は、
前記監視元通信装置から予め登録された安否確認タイミングに応じて、自動的に前記監視先電話機へ内線発信を行う、請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記安否情報は、
内線発信を行うことによって安否確認を実行した日時及び前記監視先電話機において受話操作が行われたか否かを示す安否確認結果を含み、前記監視先電話機から音声情報が送信された場合、前記音声情報もさらに含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項5】
ユーザが操作する監視先電話機と、
前記監視先電話機を操作するユーザの安否を確認する監視元通信装置と、
予め定められたタイミングに前記監視先電話機へ内線発信を行い、前記内線発信に対して受話操作が行われた前記監視先電話機から送信された音声情報を記憶し、記憶された前記音声情報を、前記監視元通信装置へ、前記監視先電話機を操作するユーザの安否情報として送信する監視装置と、を備える監視システム。
【請求項6】
前記監視装置から前記安否情報が送信されたか否かに応じて、前記監視装置に障害が発生しているか否かを判定するシステム管理手段と、をさらに備える請求項5に記載の監視システム。
【請求項7】
予め定められたタイミングに監視先電話機へ内線発信を行い、
前記内線発信に対して受話操作が行われた前記監視先電話機から送信された音声情報を記憶し、
記憶された音声情報を、前記監視先電話機の監視を行う監視元通信装置へ、前記監視先電話機を操作するユーザの安否情報として送信する、監視方法。
【請求項8】
前記受話操作が行われた前記監視先電話機へ、音声情報の入力を促すメッセージを送信し、
前記メッセージを送信した後に、前記監視先電話機から送信された音声情報を記憶する、請求項7に記載の監視方法。
【請求項9】
前記内線発信を行う際に、
前記監視元通信装置から予め登録された安否確認タイミングに応じて、自動的に前記監視先電話機へ前記内線発信を行う、請求項7又は8に記載の監視方法。
【請求項10】
予め定められたタイミングに監視先電話機へ内線発信を行い、
前記内線発信に対して受話操作が行われた前記監視先電話機から送信された音声情報を記憶し、
記憶された前記音声情報を、前記監視先電話機の監視を行う監視元通信装置へ、前記監視先電話機を操作するユーザの安否情報として送信することをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は監視装置、監視システム、監視方法及びプログラムに関し、特に電話機を操作するユーザを監視する監視装置、監視システム、監視方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一人暮らしの高齢者の数が増加している。そのため、一人暮らしの高齢者の安否確認の必要性が高まっている。特許文献1には、自宅内に各種センサを設置し、高齢者の安否確認を行う自動通報システムの構成が開示されている。具体的には、特許文献1に開示されている自動通報システムは、各種センサにおいて検知された生活行動データを、予め定められた通報先へ送信することによって、離れて暮らしている高齢者の安否確認を行う。高齢者が、自動通報システムに対して自律的に音声情報を登録し、自動通報システムが、登録された音声情報を通報先へ送信することもできる。
【0003】
特許文献2には、安否確認装置が、公衆回線網を介して自動的に高齢者の保持する通信機器へ電話の発信を行うことが開示されている。高齢者は、発信があった場合に、回答情報が関連付けられたボタンを押下することによって、安否確認装置へ、自身の状態を通知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−132772号公報
【特許文献2】特開2012−095091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高齢者の安否を確認する場合、高齢者の実際の声を確認することによって、高齢者の安否を正確に把握することができる。特許文献1には、高齢者が登録した音声情報を通報先へ送信することが記載されているが、高齢者は自律的に音声情報を登録しなければならない。このような場合、高齢者が音声情報の登録を忘れてしまった場合に、監視者は、高齢者の安否を確認することができない。また、特許文献2には、安否確認装置が、高齢者の保持する通信機器へ電話を行うことが記載されているが、公衆回線網を介し電話を発信しているため、安否を確認するたびに通信料金が発生してしまう。
【0006】
本発明の目的は、離れて暮らす高齢者の安否の確認に伴う料金を抑え、高齢者の安否を正確に把握することができる監視装置、監視システム、監視方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様にかかる監視装置は、予め定められたタイミングに監視先電話機へ内線発信を行う内線電話部と、前記内線電話部によって行われた内線発信に対して受話操作が行われた前記監視先電話機から送信された音声情報を記憶する記憶部と、前記記憶部において記憶された音声情報を、前記監視先電話機の監視を行う監視元通信装置へ、前記監視先電話機を操作するユーザの安否情報として送信する通信部と、を備えるものである。
【0008】
本発明の第2の態様にかかる監視システムは、ユーザが操作する監視先電話機と、前記監視先電話機を操作するユーザの安否を確認する監視元通信装置と、予め定められたタイミングに前記監視先電話機へ内線発信を行い、前記内線発信に対して受話操作が行われた前記監視先電話機から送信された音声情報を記憶し、記憶された前記音声情報を、前記監視元通信装置へ、前記監視先電話機を操作するユーザの安否情報として送信する監視装置と、を備えるものである。
【0009】
本発明の第3の態様にかかる監視方法は、予め定められたタイミングに監視先電話機へ内線発信を行い、前記内線発信に対して受話操作が行われた前記監視先電話機から送信された音声情報を記憶し、記憶された音声情報を、前記監視先電話機の監視を行う監視元通信装置へ、前記監視先電話機を操作するユーザの安否情報として送信するものである。
【0010】
本発明の第4の態様にかかるプログラムは、予め定められたタイミングに監視先電話機へ内線発信を行い、前記内線発信に対して受話操作が行われた前記監視先電話機から送信された音声情報を記憶し、記憶された前記音声情報を、前記監視先電話機の監視を行う監視元通信装置へ、前記監視先電話機を操作するユーザの安否情報として送信することをコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、離れて暮らす高齢者の安否の確認に伴う料金を抑え、高齢者の安否を正確に把握することができる監視装置、監視システム、監視方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1にかかる監視装置の構成図である。
図2】実施の形態2にかかる通信システムの構成図である。
図3】実施の形態2にかかる制御部の構成図である。
図4】実施の形態2にかかる記憶部の構成図である。
図5】実施の形態2にかかる安否確認動作管理部が管理するパラメータを説明する図である。
図6】実施の形態2にかかる監視元情報管理部が管理するパラメータを説明する図である。
図7】実施の形態2にかかる安否確認記録保持部が管理するパラメータを説明する図である。
図8】実施の形態2にかかる安否確認用情報登録処理の流れを示す図である。
図9】実施の形態2にかかる安否確認処理の流れを示す図である。
図10】実施の形態2にかかる安否確認処理の流れを示す図である。
図11】実施の形態3にかかる通信システムの構成図である。
図12】実施の形態3にかかる監視元情報管理部が管理するパラメータを説明する図である。
図13】実施の形態3にかかる監視先情報管理部が管理するパラメータを説明する図である。
図14】実施の形態3にかかる安否確認用情報登録処理の流れを示す図である。
図15】実施の形態3にかかる安否確認処理の流れを示す図である。
図16】実施の形態3にかかる監視装置の異常状態を検出する処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。はじめに、図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる監視装置10の構成例について説明する。監視装置10は、メモリに格納されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。監視装置10は、内線電話部11、記憶部12及び通信部13を有している。
【0014】
内線電話部11は、予め定められたタイミングに監視先電話機20へ内線発信を行う。予め定められたタイミングは、例えば、午前8時等、時刻情報であってもよく、1時間毎等、時間間隔によって定められてもよい。監視装置10を管理するユーザが、内線発信を行うタイミングを任意に変更してもよい。内線発信は、通信事業者が提供する公衆回線網を経由せずに、発信を行うことである。内線発信を行う場合、監視装置10と監視先電話機20との間の通信において、料金が発生することはない。監視装置10は、家庭内のLAN(Local Area Network)等を介して監視先電話機20と接続してもよい。監視先電話機20は、例えば固定電話、携帯電話、スマートフォン等であってもよい。
【0015】
記憶部12は、内線電話部11によって行われた内線発信に対して受話動作が行われた監視先電話機20から送信された音声情報を記憶する。受話動作は、例えば、監視先電話機20に対して着信が通知された場合に、監視先電話機20を操作するユーザが通話ボタンを押して、通話できる状態へ移行させることであってもよい。監視先電話機20から送信された音声情報は、監視先電話機20を操作するユーザが発した音声に関するデジタルデータもしくはアナログデータであってもよい。記憶部12は、レシーバ等を介して取得された音声情報を記憶する。記憶部12は、例えば、監視装置10内に搭載されたメモリであってもよく、監視装置10に外部装置として接続する記憶装置であってもよい。記憶装置は、例えば、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disk)もしくはUSB(Universal Serial Bus)記憶装置等であってもよい。
【0016】
通信部13は、記憶部12において記憶された音声情報を、監視先電話機20の監視を行う監視元通信装置30へ、監視先電話機20を操作するユーザの安否情報として送信する。監視元通信装置30は、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置であってもよく、携帯電話、スマートフォンもしくはタブレット端末等であってもよい。
【0017】
安否情報には、例えば、ユーザの音声情報が含まれ、さらに、音声情報を取得した日時等の付加情報が含まれてもよい。また、安否情報には、ユーザから音声情報を取得できなかった場合、音声情報を取得できなかったことを示す情報、及び、音声情報の取得を試みた日時等の情報が含まれてもよい。
【0018】
以上説明したように、図1の監視装置10は、予め定められたタイミングに、監視先電話機20に対して内線発信を行うことによって、監視先電話機20を操作するユーザの安否確認を実施することができる。監視装置10は、監視先電話機20に対して内線発信を行うことにより、監視装置10と監視先電話機20との間の通信料金の発生を抑えることができる。
【0019】
さらに、監視装置10は、内線発信に対する応答として、監視先電話機20を操作するユーザが言葉を発した際の音声を音声情報として記憶することができる。さらに、監視装置10は、音声情報を監視元通信装置30へ送信することができる。そのため、監視元通信装置30を操作するユーザは、監視先電話機20を操作するユーザの安否を正確に把握することができる。
【0020】
(実施の形態2)
続いて、図2を用いて本発明の実施の形態2にかかる通信システムの構成例について説明する。図2の通信システムは、監視先電話機20、監視元通信装置30及び監視装置40を有している。また、監視者31は、被監視者21の安否を確認する。そのため、監視者31は、監視元通信装置30を用いて、監視先電話機20を操作する被監視者21の安否情報を取得する。監視元通信装置30は、ネットワーク100を介して監視装置40と接続している。ネットワーク100は、例えば、インターネットであってもよく、公衆IPネットワーク等と称されてもよい。
【0021】
続いて、監視装置40の構成例について説明する。監視装置40は、図1の監視装置10に、制御部41が追加された構成である。制御部41以外の構成については、監視装置10と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0022】
制御部41は、監視装置40に搭載されている機能全般の制御を行う。例えば、制御部41は、CPU等であって、メモリに格納されているプログラムを実行することによって、監視装置40に搭載されている機能を動作させてもよい。制御部41は、予め定められたタイミングに、内線電話部11に対して内線発信を行うように指示する信号を出力する。さらに、制御部41は、内線電話部11において、監視先電話機20から送信された音声情報を受信した場合、受信した音声を記憶部12へ格納する。言い換えると、制御部41は、被監視者21の音声を録音する。さらに、制御部41は、記憶部12に格納した音声情報を被監視者21の安否情報として通信部13を介して監視元通信装置30へ送信する。
【0023】
通信部13は、ネットワーク100と通信を行うためのハードウェアインタフェースであってもよい。また、内線電話部11は、監視先電話機20と通信を行うためのハードウェアインタフェースであってもよい。
【0024】
続いて、図3を用いて、制御部41の詳細な構成例について説明する。制御部41は、記憶部情報操作部411、安否確認実行部412、電話機能制御部413、送信情報生成部414、受信情報解析部415及び音声情報取得部416を有している。
【0025】
記憶部情報操作部411は、記憶部12に記憶するデータの書き換えを行う。例えば、記憶部情報操作部411は、内線電話部11を介して取得した被監視者21の音声情報を制御部41へ記憶する。さらに、記憶部情報操作部411は、記憶部12に記憶されている音声情報を抽出し、通信部13へ出力する。
【0026】
安否確認実行部412は、安否確認をするために予め定められたタイミングに、電話機能制御部413へ、内線電話の発信指示に関する情報を出力する。電話機能制御部413は、安否確認実行部412から、内線電話の発信指示に関する情報を受け取ると、内線電話部11を介して監視先電話機20へ内線電話を発信する。電話機能制御部413は、例えば、監視先電話機20へ内線電話の発信を通知するリンガー送出、及び、監視先電話機20の受話操作を検出するフック検出等を実行する。
【0027】
送信情報生成部414は、監視元通信装置30へ送信する安否情報を生成する。例えば、送信情報生成部414は、内線電話を発信して安否確認を行った時刻及び取得した音声情報等を含むパケット情報を生成する。パケット情報は、ネットワーク100を介して送信される際に規定されるヘッダ等が設定されている。
【0028】
受信情報解析部415は、監視元通信装置30から通知された安否確認実行タイミング等に関する情報を受信し、受信した情報を安否確認実行部412へ出力する。
【0029】
音声情報取得部416は、監視先電話機20から送信された被監視者21の音声情報を受け取る。音声情報取得部416は、受け取った音声情報を記憶部情報操作部411へ出力する。
【0030】
続いて、図4を用いて記憶部12の構成例について説明する。記憶部12は、安否確認動作管理部121、監視元情報管理部122及び安否確認記録保持部123を有している。
【0031】
安否確認動作管理部121は、安否確認を実施する際に用いるパラメータを管理する。ここで、安否確認動作管理部121が管理するパラメータについて、図5を用いて説明する。安否確認動作管理部121は、安否確認実施日、安否確認実施時間、監視先電話機応答待ち時間及び未応答時リトライの各パラメータを管理する。
【0032】
安否確認実施日は、安否確認を行う日付、例えば、毎日、毎週日曜日、等を設定する。安否確認実施時間は、安否確認を行う時間、例えば、8時、19時、等を設定する。監視先電話機応答待ち時間は、内線発信時に監視先電話機20から送信されるオフフック応答を最大何秒待つか、例えば、60秒、30秒、等を設定する。監視先電話機からオフフック応答がない限り、当該時間に達するまで内線発信、例えば、リンガー送出が継続される。
【0033】
未応答時リトライは、監視先電話機20からオフフック応答が送信されなかった場合、具体的には、監視先電話機応答待ち時間が満了した場合における、リトライ回数、例えば、1回、2回等と、リトライ時間、例えば、3分後、5分後等を設定する。未応答時リトライは、安否確認日時に被監視者が一時的に応答できない場合を想定したパラメータである。
【0034】
図4に戻り、監視元情報管理部122は、監視元通信装置30に関する情報を管理する。ここで、監視元情報管理部122が管理するパラメータについて、図6を用いて説明する。監視元情報管理部122は、監視元電話番号、監視元メールアドレス及び安否確認結果通知先の各パラメータを管理する。監視元電話番号は、監視元通信装置30もしくは監視者31が保持する携帯電話もしくはスマートフォン等に設定される電話番号であってもよい。監視元電話番号には、複数の電話番号が設定されてもよい。
【0035】
監視元メールアドレスは、監視元通信装置30に設定するアドレスである。例えば、送信情報生成部414は、監視元情報管理部122に設定されているメールアドレスに対して、安否情報を送信してもよい。監視元メールアドレスには、複数のメールアドレスが設定されてもよい。安否確認結果通知先は、監視元電話番号と監視元メールアドレスとのどちらに安否情報を送信するかを示している。安否確認結果通知先には、電話番号もしくはメールが設定されてもよく、電話及びメールにて安否情報を伝達する場合には、電話番号及びメールが設定されてもよい。安否情報を、電話もしくはメールにて伝達する場合、監視元電話番号及び監視元メールアドレスの少なくとも一方が設定される必要がある。
【0036】
安否確認結果通知先は、例えば、安否確認結果に応じて変更されてもよい。例えば、安否確認結果として、内線発信に対して応答があった場合には、メールにて安否情報を送信し、内線発信に対して応答がない場合、電話にて安否情報を通知する、等であってもよい。
【0037】
図4に戻り、安否確認記録保持部123は、安否確認結果に関する情報を保持する。ここで、安否確認記録保持部123が管理するパラメータについて、図7を用いて説明する。安否確認記録保持部123は、安否確認実施日時、安否確認結果及び安否確認時取得音声データの各パラメータを管理する。安否確認実施日時は、安否確認を実施した実績日時を示している。
【0038】
安否確認結果は、内線発信に対する応答があったか否かを示している。内線発信に対する応答ありとは、例えば、監視先電話機20において受話操作が行われ、監視先電話機20からオフフック応答が送信されてきたことを示している。応答なしは、監視先電話機20からオフフック応答が送信されてこなかったことを示している。
【0039】
安否確認時取得音声データは、安否確認結果として応答がありの場合に、監視先電話機20から取得した音声情報を保存したことを示している。
【0040】
続いて、図8を用いて、本発明の実施の形態2にかかる安否確認用情報登録処理の流れについて説明する。はじめに、監視元通信装置30は、監視者31から安否確認用情報の入力を受け付ける(S100)。安否確認用情報は、例えば、安否確認動作管理部121及び監視元情報管理部122に設定される情報である。
【0041】
次に、監視元通信装置30は、入力された安否確認用情報を監視装置10へ送信する(S101)。監視元通信装置30は、HTTP POST等のメソッドを使用して、安否確認用情報を監視装置10へ送信する。なお、監視元通信装置30は、例えば、監視装置10のIPアドレスもしくはドメイン名等を指定して、監視装置10と通信を行う。
【0042】
次に、監視装置10は、送信された安否確認用情報を記憶部12へ登録する(S102)。次に、監視装置10は、安否確認用情報を登録すると、登録結果を監視元通信装置30へ送信する(S103)。
【0043】
次に、図9を用いて、本発明の実施の形態2にかかる安否確認処理の流れについて説明する。はじめに、監視装置10は、予め定められたタイミングに、安否確認実行状態へ移行する(S200)。予め定められたタイミングになったかどうかは、タイマ等を用いて判定されてもよい。安否確認実行状態は、例えば、安否確認実行部412が起動された状態であってもよい。
【0044】
次に、監視装置10は、監視先電話機20へリンガー送出を行う。言い換えると、監視装置10は、監視先電話機20へ内線発信を行う(S202)。次に、監視先電話機20は、リンガー送出が行われると、リンガーを鳴動させる(S202)。次に、監視先電話機20は、被監視者21による受話操作を受け付ける状態となる(S203)。監視先電話機20は、被監視者21において受話操作が実行されると、オフフック状態であることを通知するオフフック送出を行う(S204)。
【0045】
次に、監視装置10は、監視先電話機20がオフフック状態であることが通知されると、リンガー送出を停止する(S205)。次に、監視装置10は、安否情報を取得開始することを通知するために、安否情報取得開始メッセージを監視先電話機20へ送信する(S206)。例えば、監視先電話機20においては、監視装置10が、以降の発話を録音することを周知する内容のメッセージが出力される。
【0046】
次に、監視先電話機20は、被監視者21において発話された音声情報を監視装置10へ送信する(S207)。被監視者21は、任意の発話を行うとし、例えば、「元気です」等の音声を入力する。
【0047】
次に、監視装置10は、監視先電話機20から送信される音声情報を一定時間取得すると、安否情報の取得を完了したことを示す安否情報取得完了メッセージを監視先電話機20へ送信する(S208)。なお、監視装置10は、安否情報取得完了メッセージを監視先電話機20へ送信する前に、監視先電話機20のオフフック送出が行われた場合、その時点にて音声情報の取得を終了する。
【0048】
次に、監視装置10は、取得した音声情報を記憶部12へ登録する(S209)。次に、監視装置10は、安否確認記録保持部123において保持された情報を安否情報として監視元通信装置30へ送信する(S210)。
【0049】
続いて、図10を用いて、本発明の実施の形態2にかかる安否確認処理の流れについて説明する。図10においては、監視先電話機20から応答がない、つまり、オフフック送出が行われない場合について説明する。ステップS220及びステップS221は、図9のステップS200及びステップS201と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0050】
監視装置10は、リンガー送出を行ってから、応答待ち時間が経過したことを認識する(S222)。応答待ち時間は、リンガー送出を行ってから、オフフック送出が行われるまでに待つことができる最大時間である。次に、監視装置10は、応答待ち時間が経過したことを認識すると、リンガー送出を停止する(S223)。
【0051】
次に、監視装置10は、内線発信をリトライするか否かを判定する(S224)。具体的には、安否確認動作管理部121に設定されている未応答時リトライのパラメータを確認し、未応答時のリトライ回数及び時間が設定されているか否かを判定する。
【0052】
監視装置10は、内線発信をリトライすると判定した場合、未応答時リトライパラメータに設定されているリトライ時間まで待機する(S225)。監視装置10は、未応答時リトライパラメータに設定されているリトライ時間が経過すると、ステップS221以降の処理を繰り返す。
【0053】
監視装置10は、内線発信をリトライしないと判定した場合、応答なしとする安否確認結果を安否確認記録保持部123へ登録する(S226)。次に、監視装置10は、安否確認記録保持部123において保持された情報を安否情報として監視元通信装置30へ送信する(S227)。
【0054】
以上説明したように、本発明の実施の形態2にかかる通信システムを用いることによって、監視装置10が予め定められたタイミングに監視先電話機20へ自動的に内線発信を行うため、被監視者21を監視する際の監視コストを省くことができる。
【0055】
さらに、監視装置10が、内線発信を行うため、監視先電話機20との間の通信において通話料を発生させることなく安否確認を行うことができる。さらに、監視者31は、被監視者21の安否を確認する際に、被監視者21が入力した音声情報を確認することができる。これによって、監視者31は、被監視者21の安否情報を正確に把握することができる。
【0056】
(実施の形態3)
続いて、図11を用いて本発明の実施の形態3にかかる通信システムの構成例について説明する。図11の通信システムは、図2の通信システムにシステム管理装置50が追加されており、その他の構成は図2の通信システムと同様である。システム管理装置50は、CPUが、メモリに格納されているプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。また、図11においては、監視元通信装置30とシステム管理装置50とを異なる装置として説明しているが、システム管理装置50は、監視元通信装置30と同じ装置に組み込まれてもよい。また、通信システムにシステム管理装置50が追加されたことに伴い、監視装置40における監視元情報管理部122は、図12に示すように、システム管理装置のアドレスを、新たに管理するパラメータとして追加する。
【0057】
システム管理装置のアドレスは、ドメイン名もしくはIPアドレスであってもよい。監視装置10は、システム管理装置50から安否確認用情報が送信された際に自動的に登録されてもよい。また、監視装置10は、複数のシステム管理装置50のアドレスを管理してもよい。
【0058】
続いて、システム管理装置50の構成例について説明する。システム管理装置50は、通信部51、制御部52及び保存部53を有している。通信部51、制御部52及び保存部53について、監視装置10の記憶部12、通信部13及び制御部41と異なる内容について説明する。
【0059】
保存部53は、監視元通信装置30及び監視者31に関する情報を管理する。例えば、保存部53は、図13に示すように、監視者31に関する情報である、監視先識別情報に関して氏名を用いて管理する。監視者31が複数いる場合にも対応するために、監視先識別情報は、一意に識別可能なデータとする。また、監視先識別情報は、住所等であってもよい。さらに、保存部53は、監視元通信装置30のアドレスとして、ドメイン名もしくはIPアドレスを管理する。
【0060】
続いて、図14を用いて、本発明の実施の形態3にかかる安否確認用情報登録処理の流れについて説明する。はじめに、監視元通信装置30は、監視者31から安否確認用情報の入力を受け付ける(S300)。
【0061】
次に、監視元通信装置30は、入力された安否確認用情報をシステム管理装置50へ送信する(S301)。監視元通信装置30は、HTTP POST等のメソッドを使用して、安否確認用情報を監視装置10へ送信する。なお、監視元通信装置30は、例えば、監視装置10のIPアドレスもしくはドメイン名等を指定して、システム管理装置50と通信を行う。
【0062】
次に、システム管理装置50は、送信された安否確認用情報を保存部53へ登録する(S302)。次に、システム管理装置50は、安否確認用情報を登録すると、登録結果を監視元通信装置30へ送信する(S303)。ステップS304〜ステップS306においては、ステップS301〜ステップS303と同様の処理が、システム管理装置50と監視装置10との間において実行される。
【0063】
続いて、図15を用いて、本発明の実施の形態3にかかる安否確認処理の流れについて説明する。ステップS310〜ステップS319は、図9のステップS310〜S319と同様であるため詳細な説明を省略する。監視装置10は、ステップS319において、安否確認結果を登録した後、システム管理装置50へ安否確認結果を送信する(S320)。
【0064】
次に、システム管理装置50は、保存部53に安否確認結果を登録すると(S321)、安否確認結果を登録したことを監視装置10へ送信する(S322)。さらに、システム管理装置50は、保存部53に登録した安否確認結果を監視元通信装置30へ送信する(S323)。
【0065】
続いて、図16を用いて、監視装置10の異常状態を検出する処理の流れについて説明する。はじめに、システム管理装置50は、所定日時の安否確認結果を未受信であることを認識する(S331)。次に、システム管理装置50は、監視先電話機20の安否確認結果を要求する安否確認結果要求メッセージを監視装置10へ送信する(S332)。この時、監視装置10は、電源が切れている、もしくは、ネットワーク障害が発生している等の理由によって、安否確認結果要求を受信することができないとする。もしくは、監視装置10は、安否確認結果要求に対して応答することができないとする。
【0066】
システム管理装置50は、一定時間内に、安否確認結果要求に対する応答がない場合、監視装置10の異常状態を認識する(S333)。次に、システム管理装置50は、監視元通信装置30へ、監視装置10が異常状態であることを通知する。
【0067】
以上説明したように、本発明の実施の形態3にかかる通信システムを用いることによって、システム管理装置50が、監視装置10の異常状態を検出することができる。監視装置10の異常状態を検出することによって、監視装置10の修理等の対応を行うことができるため、緊急時に監視先電話機20の安否確認を行えない等の事態を防止することができる。
【0068】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、監視装置及びその他の装置における処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0069】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0070】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 監視装置
11 内線電話部
12 記憶部
13 通信部
20 監視先電話機
21 被監視者
30 監視元通信装置
31 監視者
40 監視装置
41 制御部
50 システム管理装置
51 通信部
52 制御部
53 保存部
100 ネットワーク
121 安否確認動作管理部
122 監視元情報管理部
123 安否確認記録保持部
411 記憶部情報操作部
412 安否確認実行部
413 電話機能制御部
414 送信情報生成部
415 受信情報解析部
416 音声情報取得部
図1
図2
図3
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図16