(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の複数の実施形態に関して図面を参照して以下に説明する。ただし、本実施形態に関して前述した一従来例と同一の部分に関しては、同一の名称を使用して詳細な説明は省略する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態による情報処理装置の最小構成を示す図である。
この
図1に示すように、情報処理装置1は、筐体2と、ストッパ3と、干渉部材4と、を少なくとも備えていればよい。
【0014】
筐体2は、電子部品6が挿入されるコネクタ5が設けられている。電子部品6には、例えば、その外縁部に、外方に向かって突出する挿入凸部6aが形成される。コネクタ5には、例えば、挿入凸部6aが挿入される挿入凹部5aが形成される。
電子部品6は、コネクタ5の挿入凹部5aに対し、挿入凸部6aを所定の挿入方向Aから挿入することで、コネクタ5に接続される。
【0015】
干渉部材4は、電子部品6において、電子部品6がコネクタ5に対して位置または方向が異なった状態で挿入されるときのみストッパ3に干渉するよう設けられる。干渉部材4は、電子部品6において、挿入方向Aおよび厚み方向Tに直交する電子部品6の幅方向Wの端部6s,6sの少なくとも一方に設けられる。干渉部材4は、その厚み方向Tの一方の面4a側に、厚み方向Tの他方の面4b側とは電子部品6を挟んで非対称に設けられる。
【0016】
ストッパ3は、筐体2側に設けられている。ストッパ3は、電子部品6のコネクタ5への挿入方向Aに交差する電子部品6の厚み方向Tに沿って、電子部品6から離間する位置に設けられる。ストッパ3は、筐体2において、干渉部材4が設けられた電子部品6の端部6sに対向する領域2sに配置されている。
【0017】
このような情報処理装置1は、干渉部材4が、電子部品6の厚み方向Tの一方の面4a側に、他方の面4b側とは電子部品6を挟んで非対称に設けられている。これにより、
図1中に二点鎖線P1で示すように、電子部品6を正しい向きでコネクタ5に向けて挿入するときには、干渉部材4が、ストッパ3とは電子部品6を挟んだ反対側に位置するため、ストッパ3に干渉しない。したがって、電子部品6をコネクタ5に接続することができる。
一方、
図1中に実線P2で示すように、電子部品6がコネクタ5に対して方向(向き)が異なった状態で挿入されると、干渉部材4が、電子部品6に対してストッパ3と同じ側に位置する。これにより、ストッパ3が干渉部材4に干渉し、電子部品6のコネクタ5への挿入が阻止される。
このような構成において、干渉部材4およびストッパ3は、電子部品6の幅方向Wの端部6s近傍に設けられているので、筐体2の底部2bにおけるコネクタ5等のレイアウトの邪魔にならない。したがって、電子部品6の誤挿入を確実に抑えつつ、コネクタ5の多極化やコネクタ5のレイアウトの自由度を高めることが可能となる。
【0018】
[第2の実施形態]
図2は、本実施形態による情報処理装置としてのサーバの一例を示す斜視図である。
この
図2に示すように、サーバ(情報処理装置)40は、シャシー(筐体)41と、ベースボード42と、サーバモジュール(電子部品ユニット)43と、ファンモジュール44と、パワーユニット45と、通信ユニット46と、を主に備えている。
【0019】
シャシー41は、ベースボード42、サーバモジュール43、ファンモジュール44、パワーユニット45、および、通信ユニット46を少なくとも収容する。このシャシー41は、上方に開口する上面視で四角形の箱状に形成されている。このシャシー41は、例えば、ラック(図示せず)に対して前後方向にスライド可能に支持されている。このシャシー41は、ラックに収容された状態から前方に向かって引き出すことで、シャシー41の内部にアクセス可能となる。その一方で、シャシー41は、引き出された状態から後方に向かって押し込むことでラックに収容される。
【0020】
この実施形態におけるサーバ40のシャシー41は、前後方向に長い形状とされ、その後方にパワーユニット45が収容される。
シャシー41は、その内部空間を前後方向で複数に仕切る仕切部材41aを備えている。仕切部材41aは、前後方向に冷却空気が通過できるように複数の貫通孔が形成されている。この実施形態におけるシャシー41は、仕切部材41aによって、前方から後方に向かって、サーバモジュール収容部41b、ファンモジュール収容部41c、および、その他収容部41dの順で区画されている。
【0021】
サーバモジュール収容部41bは、前後方向に隣接するようにして2つ設けられている。これらサーバモジュール収容部41bは、複数のサーバモジュール43を収容する。サーバモジュール43は、その厚み方向がシャシー41の幅方向と一致する姿勢で、サーバモジュール収容部41bに多数収容可能となっている。言い換えれば、2つのサーバモジュール収容部41bは、サーバモジュール43が、その厚み方向に多数積層されるようにして収容可能となっている。
【0022】
ファンモジュール収容部41cは、サーバモジュール収容部41bとその他収容部41dとの間に配置されている。ファンモジュール収容部41cは、複数のファンモジュール44を収容する。複数のファンモジュール44は、その回転軸が前後方向に延びるようにしてシャシー41の幅方向に多数並んでファンモジュール収容部41cに収容される。この実施形態におけるファンモジュール収容部41cは、前後方向に2つのファンモジュール44が重なるように2列で配置されている。ファンモジュール44は、前方から後方に向かって冷却風を流す。
【0023】
その他収容部41dは、サーバモジュール43と、パワーユニット45と、通信ユニット46とを収容する。より具体的には、その他収容部41dは、パワーユニット45と通信ユニット46とを収容した残部にサーバモジュール43を収容可能となっている。パワーユニット45と、通信ユニット46とは、それぞれサーバ40の外部に接続されるケーブル類がシャシー41の背面から引き出し可能とされている。
【0024】
ベースボード42は、シャシー41の底面(図示せず)上に固定されている。このベースボード42は、上述したサーバモジュール収容部41b、ファンモジュール収容部41c、および、その他収容部41dに渡るシート状に形成されている。このベースボード42は、配線(図示せず)、コネクタ47、他のコネクタ(図示せず)等を備えている。
【0025】
コネクタ47は、サーバモジュール収容部41b、および、その他収容部41dの内部に配置されている。これらコネクタ47は、サーバモジュール収容部41bにおいて、その前部と後部とに分かれて配置されるとともに、サーバモジュール43の厚さよりも僅かに大きい所定間隔でシャシー41の幅方向に並んで配置されている。同様に、コネクタ47は、その他収容部41dのうち、サーバモジュール43を収容する領域に配置されている。その他収容部41dにおいても、コネクタ47は、サーバモジュール収容部41bと同様に、その前部と後部とに分かれて配置されるとともに、サーバモジュール43の厚さよりも僅かに大きい所定間隔でシャシー41の幅方向に並んで配置されている。
【0026】
コネクタ47は、サーバモジュール43の基板(電子部品)12が有する接続部18(
図4参照)をベースボード42と直交する方向に挿抜可能とする。これらコネクタ47は、接続部18が挿入された状態で接続部18の電極(図示無し)と電気的に接続される複数の電極(図示せず)を有している。
【0027】
ここで、
図2において図示を省略しているが、ベースボード42には、ファンモジュール収容部41cに、ファンモジュール44と電気的に接続するための複数のコネクタが設けられている。ファンモジュール44には、これらコネクタを介して、ファンを駆動するための電力が供給される。
【0028】
図3は、本実施形態におけるサーバモジュールの斜視図である。
図4は、本実施形態におけるサーバモジュールの分解斜視図である。
図3、
図4に示すように、サーバモジュール43は、CPUと、このCPUを冷却するヒートシンク20と、を備えたサーバ機能を有するモジュールである。サーバモジュール43は、基板12と、ダクトカバー(ダクト部材)50とを備えている。
【0029】
基板12は、積層基板等の配線を備えたPCB(Printed Circuit Board)などからなり、その表面と裏面との少なくとも一方にCPU(Central Processing Unit)などの半導体部品、HDD(hard disk drive)などのストレージ部品、メモリスロット等の各種部品が実装されている。この実施形態における基板12は、CPU(図示無し)と、メモリスロット17を実装する場合を一例にして説明する。
【0030】
基板12は、矩形の平板状に形成されて、直線状の4つの辺部14を外周部12aに有している。基板12は、これら4つの辺部14のうち、一つの辺部14a(14)に、接続部18を有している。この実施形態における基板12は、それぞれ辺部14aの延びる方向に離間して配置された2つの接続部18a,18bを有している。接続部18a,18bは、それぞれ辺部14aの延びる方向に並ぶ複数の電極(図示無し)を備えている。これら接続部18a,18bは、上述したコネクタ47に対して挿抜可能となっている。これら接続部18a,18bは、辺部14aと隣接する辺部(端部)14sの延びる方向が、上記コネクタ47への挿入方向Aとなる。
【0031】
基板12には、CPU(図示無し)を冷却するためのヒートシンク20が取り付けられている。ヒートシンク20は、基板12に対してビス等の締結部材21を介して固定されている。
【0032】
基板12は、ラッチ27を有している。ラッチ27は、基板12の辺部14aとは反対側の辺部14bが形成された外周部12aに取り付けられている。ラッチ27は、基板12の厚み方向Tに延びる回転軸を有し、基板12の辺部14aに沿った状態の収納位置(
図3に示す状態)と、基板12の辺部14aから起立した状態の把持位置(
図4に示す状態)との間で揺動可能となっている。この実施形態における2つのラッチ27は、基板12のコーナー部にそれぞれ配置され、辺部14bの延びる方向で、互いに接離する方向に揺動可能となっている。これにより作業員は、把持位置にあるこれら2つのラッチ27を左手と右手とでそれぞれ把持することで、容易に挿抜、および持ち運びする作業を行うことができる。
【0033】
ここで、この実施形態におけるラッチ27は、上述した揺動に伴い変位する突起29を有している。このような突起29が形成されていることで、例えば、ラッチ27を把持位置から収納位置に向かって揺動させて、シャシー41に形成された係合凹部41m(
図7参照)に突起29を引掛け、梃子の原理によりサーバモジュール43を接続部18側に配置されたコネクタ47に押し込むことができる。
【0034】
ダクトカバー50は、基板12を覆う。ダクトカバー50は、例えば、ファンモジュール44により流れる冷却風を導くダクトとして機能する。ここで、冷却風は、基板12の辺部14aの延びる方向に流れる。そのため、ダクトカバー50は、辺部14aの延びる方向の両方の端縁が開口している。このダクトカバー50は、第一プレート部(カバープレート)54と、第二プレート部(反対面カバープレート)55と、第三プレート部56と、を備えている。
【0035】
第一プレート部54と第二プレート部55とは、対称な形状で形成されている。これら第一プレート部54と第二プレート部55とは、それぞれ接続部18を除く基板12の表面(一方の面)12bと裏面(他方の面)12cとをそれぞれ覆う。第一プレート部54と第二プレート部55とは、それぞれ基板12と平行な平板状に形成されている。
ここで、第一プレート部54、第二プレート部55において、サーバモジュール43の幅方向Wの両側端部54s,54s、55s,55sは、基板12の両側の辺部14sと、幅方向Wにおいて同一位置に配置されている。
【0036】
第三プレート部56は、第一プレート部54と第二プレート部55とを繋ぐ。より具体的には、第三プレート部56は、基板12の辺部14b側で、第一プレート部54と第二プレート部55とを繋ぐ平板状に形成されている。この第三プレート部56は、基板12に設けられたラッチ27を避けるように形成されている。
【0037】
第一プレート部54は、基板12に対して、第二プレート部55よりも離間するように配置されている。言い換えると、基板12は、第一プレート部54と第二プレート部55との中心位置に対し、第二プレート部55側にオフセットした位置に設けられている。
【0038】
図5は、サーバモジュールを装着するサーバモジュール収容部の構成を示す断面図である。
図6は、サーバモジュール収容部の内側面に設けたガイド部材を示す斜視図である。
図7は、ガイド部材に沿って案内されるサーバモジュールを示す断面図である。
図5に示すように、このようなサーバモジュール43が装着されるサーバモジュール収容部41b、41dのそれぞれには、前後方向に配置される仕切部材41aのそれぞれの内側面(領域)41sに、サーバモジュール43をその挿入方向Aに案内するガイドレール(ガイド部材)60が取り付けられている。このガイドレール60は、サーバモジュール43の幅方向W、つまりシャシー41における前後方向の両側の内側面41sに、サーバモジュール43の基板12の辺部14s,14sに対向するよう設けられている。また、
図6、
図7に示すように、ガイドレール60は、サーバモジュール収容部41b、41d内に複数収容されるサーバモジュール43のそれぞれに対応して、シャシー41の幅方向(サーバモジュール43の厚み方向T)に沿って間隔を空けて複数が設けられている。
【0039】
ガイドレール60は、ガイド部61と、ストッパ62と、を一体に有している。
ガイド部61は、挿入方向Aに沿って延び、仕切部材41aの内側面41sに固定されたベース部61aと、ベース部61aの両側から内側面41sに直交して立ち上がり、挿入方向Aに沿って連続する側壁部61b,61cと、を一体に備えている。
図5に示すように、ガイド部61は、側壁部61b,61cの間に基板12の幅方向Wの辺部14sを挿入した状態で、基板12を挿入方向Aに沿って案内する。
図6、
図7に示すように、ガイド部61の上端部は、側壁部61b,61cの間隔が上方に向かって漸次拡大するテーパ部61dとされている。
【0040】
ストッパ62は、仕切部材41aの内側面41sに沿うベース部62aと、ガイド部61の一方の側壁部61cの上端から、挿入方向Aに直交し、他方の側壁部61bから離れる方向に延びるストッパ面62fと、ストッパ面62fにおいて、他方の側壁部61bから最も離れた位置に形成された端壁部62eと、を一体に備えている。このようにして、ストッパ62は、ガイドレール60に対し、基板12の挿入方向Aの手前側に設けられている。
このストッパ62は、シャシー41側に設けられ、基板12のコネクタ47への挿入方向Aに交差する厚み方向Tに沿って、基板12をガイドするガイド部61から離間する位置に設けられている。言い換えると、ストッパ62は、ガイドレール60のガイド部61に対し、基板12の厚み方向Tの一方の側にオフセットした位置に設けられている。また、基板12の厚み方向Tに沿って間隔を空けて複数列に設けられた複数のガイドレール60において、ストッパ62は、厚み方向Tで互いに隣接するガイドレール60同士の間に設けられている。
ここで、
図7に示すように、一方の側壁部62cとストッパ62の端壁部62eとの間隔S1は、基板12と第一プレート部54との間隔T1よりも小さく、かつ基板12と第二プレート部55との間隔T2よりも大きく設定されている。
【0041】
また、サーバモジュール43の厚み方向Tにおいて互いに隣接するガイドレール60,60は、一方のガイドレール60の側壁部60bの上端と、他方のガイドレール60の端壁部62eとの間隔S2が、基板12と第一プレート部54との間隔T1よりも小さく設定されている。
さらに、互いに隣接するガイドレール60,60間で、一方のガイドレール60の側壁部61bと、他方のガイドレール60の側壁部61cとの間隔S3は、第一プレート部54と第二プレート部55との間隔T3よりも小さく設定されている。
【0042】
このような構成では、
図5に示すように、サーバモジュール43を、サーバモジュール収容部41b、41dに装着するときには、基板12の幅方向Wの両側の辺部14s,14sを、両側のガイドレール60のガイド部61,61内に挿入する。これにより、サーバモジュール43は、ガイド部61,61に案内されながら、挿入方向Aに沿って挿入され、基板12の接続部18a,18bが、コネクタ47,47に接続される。このとき、
図7に示すように、ダクトカバー50の第一プレート部54は、ストッパ62と、厚み方向Tにおいて隣接する他のガイドレール60との隙間を通り、第二プレート部55は、ガイドレール60の側壁部61bと、厚み方向Tにおいて隣接する他のガイドレール60のストッパ62との隙間を通る。
【0043】
図8は、サーバモジュールを、サーバモジュール収容部に対して異なった位置で挿入する場合を示す断面図である。
図9は、サーバモジュールを、サーバモジュール収容部に対して異なった向きで挿入する場合を示す断面図である。
図10は、サーバモジュールを、サーバモジュール収容部に対して異なった位置、異なった向きで挿入する場合を示す断面図である。
ここで、
図8に示すように、サーバモジュール43の基板12が、ガイドレール60のガイド部61内に挿入されず、サーバモジュール43の厚み方向Tにずれた位置で挿入されると、第一プレート部54、第二プレート部55が、ガイドレール60のストッパ62のストッパ面62fに突き当たる。これにより、サーバモジュール43が異なった位置で誤挿入されるのが阻止される。
【0044】
また、
図9に示すように、サーバモジュール43が、誤った向き、すなわち基板12の表裏が本来と異なった向きの状態で、サーバモジュール43の基板12が、ガイドレール60のガイド部61内に挿入されようとすると、第一プレート部54が、隣接する他のガイドレール60のストッパ62に突き当たり、第二プレート部55が、ガイドレール60のストッパ62に突き当たる。これにより、サーバモジュール43が異なった向きで誤挿入されるのが阻止される。
【0045】
さらに、
図10に示すように、ガイドレール60のガイド部61内に挿入されず、サーバモジュール43の厚み方向Tにずれた位置で挿入され、しかも、基板12の表裏が誤った向きである場合、第一プレート部54が、隣接する他のガイドレール60のストッパ62またはテーパ部61dに突き当たり、第二プレート部55が、ガイドレール60のテーパ部61dに突き当たる。これは、互いに隣接するガイドレール60,60間で、一方のガイドレール60の側壁部61bと、他方のガイドレール60の側壁部61cとの間隔S3は、第一プレート部54と第二プレート部55との間隔T3よりも狭いからである。これにより、サーバモジュール43が異なった位置および向きで誤挿入されるのが阻止される。
【0046】
このようにして、基板12に対し、厚み方向Tの一方の面側に設けられた第一プレート部54が、厚み方向Tの他方の面側に第二プレート部55とは基板12を挟んで非対称に設けられている。このような構成において、第一プレート部54および第二プレート部55は、基板12がコネクタ47に対して位置または方向が異なった状態で挿入されるときのみストッパ62に干渉する干渉部材kとして機能する。
【0047】
上述したようなサーバ40によれば、シャシー41と、シャシー41側に設けられ、基板12のコネクタ47への挿入方向に交差する基板12の厚み方向Tに沿って基板12から離間する位置に設けられたストッパ62と、基板12において、厚み方向Tの一方の面12b側に、厚み方向Tの他方の面12c側の第二プレート部55とは基板12を挟んで非対称に設けられ、基板12がコネクタ47に対して位置または方向が異なった状態で挿入されるときのみストッパ62に干渉する干渉部材kと、を備えている。
これにより、基板12を含むサーバモジュール43を正しい向きでコネクタ47に向けて挿入するときには、第一プレート部54が、ストッパ62とは基板12を挟んだ反対側に位置するため、ストッパ62に干渉しない。
一方、基板12がコネクタ47に対して位置又は方向が異なった状態で挿入されると、第一プレート部54がストッパ62に干渉し、基板12のコネクタ47への挿入が阻止される。
このような構成において、第一プレート部54及び第二プレート部55からなる干渉部材kが、基板12の幅方向Wの端部の辺部14s近傍に設けられ、ストッパ62が基板12の辺部14sに対向する領域である内側面41sに設けられている。これにより、干渉部材kやストッパ62が、コネクタ47等のレイアウトの邪魔にならない。したがって、基板12を含むサーバモジュール43の誤挿入を確実に抑えつつ、コネクタ47のレイアウトの自由度を高めることが可能となる。
【0048】
また、シャシー41に、基板12のコネクタ47への挿入方向を案内するガイドレール60が設けられ、ストッパ62は、ガイドレール60に対し、基板12の厚み方向T一方の側にオフセットした位置に設けられている。
このように、ガイドレール60を設けることで、基板12の挿入方向を確実に案内することができる。これにより、基板12がコネクタ47に対して位置又は方向が異なった状態で挿入されると、干渉部材kがストッパ62に確実に干渉する。
【0049】
また、ガイドレール60は、基板12の厚み方向Tに沿って間隔を空けて複数列に設けられ、ストッパ62は、厚み方向Tで互いに隣接するガイドレール60同士の間に設けられている。
このように、複数列に設けられたガイドレール60の間にストッパ62を設けることで、基板12がガイドレール60同士の間に誤挿入されるのを防ぐことができる。
【0050】
さらに、ストッパ62は、ガイドレール60に対し、基板12の挿入方向手前側に設けられている。これにより、基板12をガイドレール60に挿入しようとする前の、早期の段階で基板12の誤挿入を阻止することができる。したがって、誤挿入によって、基板12や基板12に実装された電子素子等と、コネクタ47とが干渉するのを避け、これらが損傷するのを防ぐことができる。
【0051】
また、基板12に、厚み方向Tの一方の側の表面12bを覆う第一プレート部54が設けられ、第一プレート部54が、基板12がコネクタ47に対して位置または方向が異なった状態で挿入されるときに、干渉部材kとしてストッパ62に干渉する。
このように、第一プレート部54を干渉部材kとして機能させることができる。したがって、干渉部材kを基板12上に別途設ける必要が無い。基板12を誤挿入しそうになったときには、第一プレート部54がストッパ62と干渉するので、基板12や基板12に実装された電子素子等と、ストッパ62とが干渉するのを避け、これらが損傷するのを防ぐことができる。
【0052】
さらに、基板12の厚み方向Tの他方の側の裏面12cを覆う第二プレート部55が設けられ、基板12は、第一プレート部54と第二プレート部55との間で、第二プレート部55側にオフセットして設けられている。
これにより、第一プレート部54は、第二プレート部55よりも基板12から厚み方向Tに離れた位置にある。このような第一プレート部54を、干渉部材kとして機能させることができる。したがって、干渉部材kを別途設ける必要が無い。
【0053】
加えて、第一プレート部54と、第二プレート部55とが、基板12に対して挿入方向Aの一方の側で、第三プレート部56によって連結されている。
このように、第一プレート部54,第二プレート部55、及び第三プレート部56からなるダクトカバー50によって、ファンモジュール44によって生成される基板12の表面に沿って流れる風を案内することができる。このように、一つの部品に、干渉部材kとしての機能と、ダクトカバー50としての機能とを兼ね備えることで、部品点数の削減化を図ることができ、低コスト化に寄与する。
【0054】
また、サーバモジュール43は、基板12と、基板12の一面側を覆う第一プレート部54と基板12の他面側を覆う第二プレート部55とを備えるダクトカバー50と、を備え、基板12は、第一プレート部54と第二プレート部55との中心位置に対し、第一プレート部54及び第二プレート部55の一方の側にオフセットした位置に設けられている。
このような構成により、第一プレート部54は、基板12に対し、第二プレート部55よりも離れて位置することとなる。したがって、第一プレート部54が、基板12において第二プレート部55とは非対称に設けられ、基板12がコネクタ47に対して位置または方向が異なった状態で挿入されるときのみストッパ62に干渉する干渉部材kとして機能する。これにより、サーバモジュール43の誤挿入を確実に防止することができる。
【0055】
また、シャシー41は、所定の方向から基板12が挿入されるコネクタ47が設けられたシャシー41であって、基板12の厚み方向Tに沿って基板12から離間する位置に設けられ、基板12がコネクタ47に対して位置または方向が異なった状態で挿入されるときのみ、基板12に干渉してコネクタ47への挿入を阻止するストッパ62、を備え、ストッパ62は、基板12の挿入方向Aおよび厚み方向Tに直交する基板12の幅方向Wの少なくとも一方の端部の辺部14sに対向する領域である内側面41sに配置されている。
このようなシャシー41によれば、干渉部材kを備えた基板12やサーバモジュール43の誤挿入を確実に防止することができる。
また、ストッパ62が、基板12の幅方向Wの端部の辺部14sに対向する領域である内側面41sに設けられているので、コネクタ47等のレイアウトの邪魔にならない。したがって、基板12を含むサーバモジュール43の誤挿入を確実に抑えつつ、コネクタ47のレイアウトの自由度を高めることが可能となる。
【0056】
なお、上記実施形態では、サーバモジュール43に、第一プレート部54及び第二プレート部55を備えるようにしたが、誤挿入防止という目的からすると、少なくとも第一プレート部54を備えていればよい。
また、干渉部材kを構成する第一プレート部54及び第二プレート部55は、ダクトカバー50の一部を形成しているが、ダクトカバー50とは別に、干渉部材kを設けてもよい。その場合、干渉部材kは、基板12に直接設けてもよい。
【0057】
また、サーバモジュール43自体の構成は、他のいかなる構成であってもよい。
さらには、サーバモジュール43のサーバ40への組み込み個数や配置等も適宜変更することが可能である。
加えて、サーバモジュール43は、サーバ40以外の他の機器に組み込むものであってもよい。
加えて、電子部品ユニットとしてサーバモジュール43を例に挙げたが、基板を有するのであれば、サーバモジュール43以外の電子部品ユニットにも上記実施形態で示したのと同様の構成が適用できる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。