(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
浴室内から浴室外に対して行われる報知は、入浴者の体調不良等の異常が発生したことを外部の者に早急に連絡しようとするための異常報知と、それ以外の通常報知(必要物を外部の者に要求するための呼び出し等)とに区別して行うことが望ましい。
【0005】
これは浴室で異常が発生した場合には、そのことを、当該報知によって、外部の者が適切に認識できることが望ましいからである。
【0006】
しかるに、特許文献1のものでは、上記の如く異常報知とそれ以外の通常報知とを区別して行うことは行われていない。
【0007】
また、特許文献2のものでは、浴室内の者が非常ボタンを押した場合に、次に非常ボタンを押すまでの期間で報知が行われるようになっている。従って、非常ボタンを押してから次に非常ボタンを押すまでの時間が短いと、報知時間が短すぎて、外部の者が気づかない状況が生じやすい。
【0008】
そのため、浴室内の者は、通常報知を行おうとする場合でも、報知時間が長めになるように、2回目の非常ボタンの押し操作を遅延させる傾向になりやすい。
【0009】
その結果、外部の者は、浴室リモコンの操作によりなされた報知が、異常報知か通常報知かを区別し難いものとなる。
【0010】
また、浴室リモコンに異常報知用の操作部と通常報知用の操作部とを各別に備えることも考えられるが、その場合には、浴室リモコンの大型化、製造コストの増加が生じるという不都合がある。
【0011】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、浴室から外部の者に対して行う報知を、異常報知と通常報知とに適切に区別して行うことができるリモコンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のリモコンシステムはかかる目的を達成するために、浴室に配置される浴室リモコンと、浴室外に前記浴室リモコンと通信可能に配置された浴室外端末機とを備えるリモ
コンシステムであって、
前記浴室外端末機には、前記浴室内で異常が発生した旨の異常報知出力と該異常報知出力以外の通常報知出力とを互いに異なる形態で選択的に発生可能に構成された報知出力発生部が設けられており、
前記浴室リモコンには、前記報知出力発生部を作動させるための操作がなされる報知操作受付部が設けられており、
前記報知操作受付部の操作形態に応じて、前記報知出力発生部から発生させるべき報知出力を、前記浴室内で異常が発生したことを示す異常報知出力と該異常報知出力以外の通常報知出力とのいずれかに決定し、当該決定した報知出力を発生させるように前記報知出力発生部を制御する報知出力制御部が前記浴室リモコン又は前記浴室外端末機に設けられており、
前記報知出力制御部は、前記報知操作受付部が1回操作されてから、あらかじめ定められた第1の所定時間内に前記報知操作受付部が所定回数、操作されるという操作条件が成立した場合には、前記通常報知出力を発生させるように前記報知出力発生部を制御し、前記報知操作受付部が1回操作されてから、前記第1の所定時間内に、前記操作条件が成立しない場合には、前記異常報知出力を発生させるように前記報知出力発生部を制御するように構成されている
と共に、前記報知操作受付部が1回操作されたとき、前記第1の所定時間の経過後に前記通常報知出力を発生させる場合と前記異常報知出力を発生させる場合とのいずれの場合でも、前記第1の所定時間内で所定の報知出力を発生させるように前記報知出力発生部を制御するように構成されていることを特徴とする(第1発明)
。
あるいは、本発明のリモコンシステムは、浴室に配置された浴室リモコンと、浴室外に前記浴室リモコンと通信可能に配置された浴室外端末機とを備えるリモコンシステムであって、
前記浴室外端末機には、前記浴室内で異常が発生した旨の異常報知出力と該異常報知出力以外の通常報知出力とを互いに異なる形態で選択的に発生可能に構成された報知出力発生部が設けられており、
前記浴室リモコンには、前記報知出力発生部を作動させるための操作がなされる報知操作受付部が設けられていると共に、前記浴室内で報知出力を発生可能な浴室側報知出力発生部が設けられており、
前記報知操作受付部の操作形態に応じて、前記報知出力発生部から発生させるべき報知出力を、前記浴室内で異常が発生したことを示す異常報知出力と該異常報知出力以外の通常報知出力とのいずれかに決定し、当該決定した報知出力を発生させるように前記報知出力発生部を制御する機能と、前記浴室側報知出力発生部を制御する機能とを有する報知出力制御部が前記浴室リモコン又は前記浴室外端末機に設けられており、
前記報知出力制御部は、前記報知操作受付部が1回操作されてから、あらかじめ定められた第1の所定時間内に前記報知操作受付部が所定回数、操作されるという操作条件が成立した場合には、前記通常報知出力を発生させるように前記報知出力発生部を制御し、前記報知操作受付部が1回操作されてから、前記第1の所定時間内に、前記操作条件が成立しない場合には、前記異常報知出力を発生させるように前記報知出力発生部を制御するように構成されていると共に、前記異常報知出力を前記報知出力発生部に発生させるとき、報知音による前記異常報知出力を前記報知出力発生部に発生させると共に、該報知音よりも低い音量での報知音を前記浴室側報知出力発生部に発生させるように前記報知出力発生部及び浴室内報知出力発生部を制御するように構成されていることを特徴とする(第2発明)。
【0013】
かかる第1発明
又は第2発明によれば、入浴者等、浴室内の者が、前記報知操作受付部を1回操作し、さらにそれに続いて、前記第1の所定時間内に前記報知操作受付部を所定回数、操作した場合には、前記操作条件が成立することで、前記報知出力制御部による前記報知出力発生部の制御によって、前記通常報知出力が発生する。
【0014】
一方、浴室内の者が、例えば、前記報知操作受付部を単発的に1回操作した場合等、報知操作受付部の操作が、前記操作条件が成立する操作でない場合には、前記報知出力制御部による前記報知出力発生部の制御によって、前記異常報知出力が発生する。
【0015】
従って、同一の報知操作受付部の操作によって、通常報知出力と異常報知出力とを発生させることができる。
【0016】
この場合、浴室内の者が浴室外の者に対して通常報知出力を発生させようとする状況では、該浴室内の者は、一般に正常な状態である。このため、該浴室内の者は、前記第1の所定時間が短い時間であっても、前記操作条件が成立するように報知操作受付部を操作することを支障なく容易に実行できる。
【0017】
従って、第1の所定時間を短い時間に設定しておくことができる。また、浴室内の者が正常である場合は、前記操作条件が成立するように報知操作受付部を操作することを支障なく容易に実行できることから、異常が発生していない状況で、異常報知出力を浴室外端末機で異常報知出力が発生させてしまうような報知操作受付部の操作がなされるのを防止できる。
【0018】
一方、浴室内の者の体調不良等の異常が発生した場合には、該浴室内の者は、報知操作受付部を単発的に1回操作するだけで、浴室外端末機で異常報知出力を発生させることができる。この場合、当該浴室内の者は、通常、前記操作条件が成立するように報知操作受付部を操作することが困難となるので、該浴室内の者による報知操作受付部の操作が、通常操作出力の発生用の操作(前記操作条件が成立する操作)になるのを防止できる。ひいては、浴室内で異常が発生した場合に、浴室内の者による報知操作受付部の操作によって、高い確実性で異常報知出力を発生させることができる。
【0019】
よって、第1発明
又は第2発明によれば、浴室から外部の者に対して行う報知を、異常報知と通常報知とに適切に区別して行うことができる
。また、第1発明によれば、前記報知操作受付部が1回操作されたとき、前記第1の所定時間の経過後に前記通常報知出力を発生させる場合と前記異常報知出力を発生させる場合とのいずれの場合でも、前記第1の所定時間内で所定の報知出力を発生させることができる。また、第2発明によれば、前記異常報知出力を前記報知出力発生部に発生させるとき、報知音による前記異常報知出力を前記報知出力発生部に発生させると共に、該報知音よりも低い音量での報知音を前記浴室側報知出力発生部に発生させることができる。
【0020】
なお、前記通常報知出力及び異常報知出力の形態としては、音響信号による聴覚的な報知、あるいは、光信号もしくは表示文字等による視覚的な報知等を採用することができる。
【0021】
前記第1発明
又は第2発明では、前記報知出力発生部は、前記通常報知出力を発生するときには、前記報知操作受付部が1回操作された時点又は前記操作条件が成立した時点からあらかじめ定められた第2の所定時間の経過後に該通常報知出力の発生を停止し、前記異常報知出力を発生するときには、前記通常報知出力よりも長い時間、前記異常報知出力の発生を継続するように構成されていることが好ましい(
参考発明)。
【0022】
これによれば、前記浴室外端末機で通常報知出力が発生するように報知操作受付部が操作された場合には、その操作に応じた通常報知出力は、前記第2の所定時間の経過後に自動的に停止することとなる。このため、該通常報知出力を停止するための操作を省略することができる。
【0023】
また、浴室外端末機で異常報知出力が発生するように報知操作受付部が操作された場合には、該異常報知出力の発生は、通常報知出力よりも長い時間、継続するので、浴室外の者は、異常報知出力の発生を、通常報知出力と区別して認識することが容易になる。
【0024】
また、前記第1発明又は第2発明では、前記報知出力発生部は発生する前記通常報知出力及び異常報知出力が、報知音を含んでいる場合には、前記報知出力発生部は、前記異常報知出力における前記報知音の音量を、前記通常報知出力における前記報知音の音量よりも大きくするように構成されていることが好ましい(第3発明)。
【0025】
この第3発明によれば、異常報知出力は、通常報知出力よりも大きい音量の報知音を含むので、浴室外の者は、該異常報知出力を、より一層高い確実性で認識することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態を
図1〜
図4を参照して説明する。
【0028】
図1を参照して、本実施形態のリモコンシステムは、例えば給湯風呂システムに備えられるリモコンシステムである。このリモコンシステムは、給湯風呂システムの運転制御を担う本体制御部1と、浴室リモコン2と、浴室外リモコン3とを備える。これらの本体制御部1、浴室リモコン2及び浴室外リモコン3は、通信ケーブル4を介して相互に通信可能に接続されている。なお、当該通信を無線で行い得るように構成されていてもよい。
【0029】
本体制御部1は、マイクロコンピュータ等を含む電子回路ユニットにより構成され、図示しない熱源機等に搭載される。
【0030】
そして、本体制御部1は、実装されたプログラムを実行することで、浴室リモコン2又は浴室外リモコン3から与えられる運転指令及び設定情報(目標給湯温度、浴槽の目標湯はり温度、浴槽の目標湯はり量、風呂装置の運転スケジュール等)に基づいて、給湯風呂システムの熱源機等の各種機器の作動を制御する。
【0031】
図1に例示する浴室リモコン2は、浴室に配置されるリモコンである。この浴室リモコン2には、浴室における目標給湯温度、浴槽の目標湯はり温度、目標湯はり量等の各種情報を表示する表示器11と、複数の操作スイッチ12(12a〜12f)と、スピーカ13とが備えられている。
【0032】
上記操作スイッチ12のうちの1つとして、入浴者等、浴室内の者が浴室外の者を呼び出す場合等に浴室外リモコン3で報知音を発生させるための呼び出しスイッチ12aが浴室リモコン2の表面部に設けられている。この呼び出しスイッチ12aは、本発明における報知操作受付部に相当するものである。
【0033】
浴室リモコン2では、上記呼び出しスイッチ12aの他にも各種操作スイッチ12が備えられている。例えば、給湯風呂システムの起動/停止を本体制御部1に指令するための運転スイッチ12b、浴槽の自動湯はり行うことを本体制御部1に指令するための湯はりスイッチ12c、浴槽内の湯の追い焚きを行うことを本体制御部1に指令するための追い焚きスイッチ12d、目標給湯温度、浴槽の目標湯はり温度及び目標湯はり量等を設定するための設定スイッチ12eが浴室リモコン2の表面部に設けられている。
【0034】
さらに、浴室リモコン2の開閉蓋2aの内側には、浴槽の足し湯を行うための足し湯スイッチ等の操作スイッチ12fが配置されている。
【0035】
なお、浴室リモコン2に備えられる操作スイッチ12は、上記のものの一部の操作スイッチだけであってもよく、あるいは、上記以外の操作スイッチが含まれていてもよい。
【0036】
また、浴室リモコン2には、
図2に示すように、CPU、RAM、ROM等を含む電子回路により構成された制御部14が内蔵されている。この制御部14には、呼び出しスイッチ12aを含む各操作スイッチ12の操作信号(ここでは押し操作に応じた信号)が入力される。
【0037】
そして、制御部14は、実装されたプログラムを実行することに実現される機能あるいはハードウェア構成により実現される機能として、呼び出しスイッチ12aの操作に応じて、浴室リモコン2及び浴室外リモコン3での報知出力を制御する報知出力制御部15と、スピーカ13を駆動するスピーカ駆動部16とを備える。
【0038】
図1に例示する浴室外リモコン3は、本発明における浴室外端末機に相当するものであり、浴室外の給湯場所(例えば、台所、洗面所等)に配置される。この浴室外リモコン3には、台所等における目標給湯温度等の各種情報を表示する表示器21と、複数の操作スイッチ22(22a,22b等)と、スピーカ23とが備えられている。スピーカ23は、本発明における報知出力発生部の構成要素に相当するものであり、聴覚的な報知出力(音響出力)を発生する。
【0039】
浴室外リモコン3には、上記操作スイッチ22として、次のような操作スイッチが備えられている。すなわち、給湯風呂システムの起動/停止を本体制御部1に指令するための運転スイッチ22a、浴槽の自動湯はり行うことを本体制御部1に指令するための湯はりスイッチ22b、目標給湯温度、浴槽の目標湯はり温度及び目標湯はり量等を設定するための設定スイッチ22cが浴室外リモコン3の表面部に設けられている。
【0040】
さらに、浴室外リモコン3の開閉蓋3aの内側には、浴槽内の湯の追い焚きを行うための追い焚きスイッチ、浴槽の湯はりのスケジュールを予約するための予約スイッチ等の操作スイッチ22dが配置されている。
【0041】
また、
図2に示す如く、浴室外リモコン3には、浴室リモコン2と同様に、CPU、RAM、ROM等を含む電子回路により構成された制御部24が内蔵されている。この制御部24には、各操作スイッチ22の操作信号が入力される。また、浴室リモコン2の呼び出しスイッチ12aの操作時には、浴室リモコン2の前記報知出力制御部15からスピーカ23の作動に関する報知指令信号が制御部24に入力される。
【0042】
そして、制御部24は、実装されたプログラムを実行することに実現される機能あるいはハードウェア構成により実現される機能として、浴室リモコン2から与えられる報知指令信号に応じてスピーカ23を駆動するスピーカ駆動部25を備える。該スピーカ駆動部25は、スピーカ23と併せて本発明における報知出力発生部を構成するものである。
【0043】
次に、本実施形態のリモコンシステムの作動を説明する。
【0044】
浴室リモコン2の制御部14は、報知出力制御部15により
図3のフローチャートに示す制御処理を実行する。
【0045】
STEP1において、報知出力制御部15は、呼び出しスイッチ12aの操作(ここでは押し操作)が行われたか否かを逐次監視し、呼び出しスイッチ12aが操作されるまで待機する。
【0046】
浴室内に居る者(以降、入浴者等という)により呼び出しスイッチ12aの操作が行われた場合には、報知出力制御部15は、STEP2において、浴室外リモコン3のスピーカ駆動部25に、スピーカ23による報知出力を開始すべき旨を指令する。
【0047】
この指令に応じて、浴室外リモコン3のスピーカ駆動部25は、スピーカ23から所定の音色及び音量の報知音(例えば連続的もしくは間欠的な鳴動音)を発生させるように該スピーカ23の駆動を開始する。
【0048】
なお、スピーカ23に発生させる報知音は、鳴動音に限らず、例えば、浴室リモコン2の呼び出しスイッチ12aが操作された旨を示す音声出力を繰り返すような報知音であってもよい。また、該報知音は、その音色又は音量が経時的に変化する(例えば周期的に変化する)ようなものであってもよい。
【0049】
STEP2では、報知出力制御部15は、上記の如くスピーカ23による報知音の発生を開始させることに加えて、さらに、呼び出しスイッチ12aがSTEP1で操作された時点からの経過時間を計時するタイマを起動する。
【0050】
次いで、報知出力制御部15は、STEP3,4の制御処理を実行する。この制御処理では、報知出力制御部15は、STEP2で起動したタイマの計時時間であるタイマ時間があらかじめ定められた第1の所定時間以下であるか否かを判断する(STEP3)。そして、報知出力制御部15は、STEP3の判断結果が肯定的となる状況で、呼び出しスイッチ12aが再操作されるか否かを監視する(STEP4)。
【0051】
すなわち、報知出力制御部15は、タイマ時間が、第1の所定時間に達するまでの期間で、呼び出しスイッチ12aが再操作されるか否かを監視する。この場合、上記第1の所定時間は、比較的短い時間とされており、例えば1秒である。
【0052】
そして、報知出力制御部15は、タイマ時間が第1の所定時間(1秒)に達するまでの期間内に、呼び出しスイッチ12aが再操作された場合(STEP4の判断結果が肯定的となった場合)には、STEP5において、浴室外リモコン3のスピーカ23から通常報知出力を発生させるべき旨を、該浴室外リモコン3のスピーカ駆動部25に指令する。
【0053】
また、報知出力制御部15は、タイマ時間が第1の所定時間(1秒)に達するまでの期間内に、呼び出しスイッチ12aが再操作されなかった場合(STEP3の判断結果が否定的となった場合)には、STEP7において、浴室外リモコン3のスピーカ23から異常報知出力を発生させるべき旨を、該浴室外リモコン3のスピーカ駆動部25に指令する。
【0054】
上記異常報知出力は、入浴者等が体調不良になった等の異常が浴室で発生したことを浴室外の者に知らせるための報知出力であり、通常報知出力は、入浴者等が、単に、浴室外の者をなんらかの軽微な用事(必要物を持ってきてもらう等の用事)で呼び出すための報知出力(異常報知出力と異なる報知出力)である。
【0055】
本実施形態では、上記の如く、呼び出しスイッチ12aが1回目に操作されてから上記第1の所定時間が経過するまでに、呼び出しスイッチ12aの2回目の操作がなされること(換言すれば、第1の所定時間の時間間隔内に、呼び出しスイッチ12aが2回続けて操作されること)が、浴室外リモコン3のスピーカ23に通常報知出力を発生させるために必要な操作条件とされている。
【0056】
そして、報知出力制御部15は、入浴者等により、上記操作条件が成立するように呼び出しスイッチ12aが操作された場合に、浴室外リモコン3のスピーカ駆動部25に通常報知出力の発生を指令する。
【0057】
また、入浴者等により、呼び出しスイッチ12aが前記第1の所定時間の時間間隔内で単発的に1回操作された場合には、当該操作は、上記操作条件を満たさないものとなるので、報知出力制御部15は、浴室外リモコン3のスピーカ駆動部25に異常報知出力の発生を指令する。
【0058】
報知出力制御部15は、STEP5において、浴室外リモコン3のスピーカ駆動部25に通常報知出力の発生を指令した場合には、前記タイマ時間が、あらかじめ定められた第2の所定時間(>第1の所定時間)以上になったか否かをSTEP6で判断する。第2の所定時間は例えば3秒である。
【0059】
そして、タイマ時間が第2の所定時間(3秒)を超えた場合(STEP6の判断結果が肯定的になった場合)に、報知出力制御部15は、STEP9において、浴室外リモコン3のスピーカ駆動部25に報知出力の停止を指令をする。
【0060】
なお、この場合に報知出力の停止を指令するタイミングは、例えば、STEP4の判断結果が肯定的となった時点(呼び出しスイッチ12aの2回目の操作がなされた時点)から上記第2時の所定時間が経過した時点であってもよい。
【0061】
STEP9の処理の後は、報知出力制御部15は、STEP1からの制御処理を再開する。
【0062】
また、報知出力制御部15は、STEP7において、浴室外リモコン3のスピーカ駆動部25に異常報知出力の発生を指令した場合には、前記タイマ時間が、あらかじめ定められた第3の所定時間以上になったか否かをSTEP8で判断する。第3の所定時間は、前記第2の所定時間(3秒)よりも長い時間であり、例えば10秒である。
【0063】
そして、タイマ時間が第3の所定時間(10秒)を超えた場合(STEP8の判断結果が肯定的になった場合)に、報知出力制御部15は、前記したSTEP9において、浴室外リモコン3のスピーカ駆動部25に報知出力の停止を指令をする。
【0064】
なお、この場合に報知出力の停止を指令するタイミングは、例えば、STEP3の判断結果が否定的となった時点(呼び出しスイッチ12aの1回目の操作時点から、2回目の操作がなされることなく、前記第1の所定時間(1秒)が経過した時点)から、上記第3の所定時間が経過した時点であってもよい。
【0065】
一方、浴室外リモコン3のスピーカ駆動部25は、STEP5で上記の如く通常報知出力の発生が指令された場合には、通常報知出力用の形態でスピーカ23から報知音を発生させるように該スピーカ23を作動させる。そして、スピーカ駆動部25は、STEP9で報知出力の停止が指令されると、その時点でスピーカ23からの通常報知出力用の報知音の発生を停止させる。
【0066】
例えば、
図4(a)に示すように、時刻t0、t1で続けざまに呼び出しスイッチ12aが操作された場合には、時刻t0から第2の所定時間(3秒)の経過時まで、スピーカ23から報知音が発生する。なお、
図4(a)では、時刻t1以後の報知音が通常報知出力用の報知音である。
【0067】
この場合、通常報知出力用の報知音は、例えば、STEP2での報知出力開始の指令に応じて発生させる報知音(
図4(a)では、時刻t1以前の報知音。以降、初期報知音という)と同じとされる。ただし、通常報知出力用の報知音は、初期報知音と例えば音量又は音色、あるいは該音量又は音色の経時的な変化の形態が異なっていてもよい。
【0068】
また、浴室外リモコン3のスピーカ駆動部25は、STEP7で上記の如く異常報知出力の発生が指令された場合には、異常報知出力用の形態でスピーカ23から報知音を発生させるように該スピーカ23を作動させる。そして、スピーカ駆動部25は、STEP9で報知出力の停止が指令されると、その時点でスピーカ23からの異常報知出力用の報知音の発生を停止させる。
【0069】
例えば、
図4(b)に示すように、時刻t0で単発的に呼び出しスイッチ12aが1回操作された場合には、時刻t0から第3の所定時間(10秒)の経過時まで、スピーカ23から報知音が発生する。なお、
図4(b)では、時刻t0から第1の所定時間(1秒)が経過した後の報知音が異常報知出力用の報知音である。
【0070】
この場合、異常報知出力用の報知音は、通常報知出力用の報知音よりも大きい音量の報知音とされる。ただし、異常報知出力用の報知音の音量は、その発生期間の一部の期間だけで、通常報知出力用の報知音よりも大きいものとなっていてもよい。また、異常報知出力用の報知音の音量は、例えば徐々に増加していくようにしてもよい。また、異常報知出力用の報知音は、その音色が通常報知出力用の報知音と異なる音色(例えば、通常報知出力用の報知音の音色よりも人の注意喚起を生じやすい音色等)であってもよい。
【0071】
補足すると、本実施形態では、報知出力制御部15は、上記の如く浴室外リモコン3のスピーカ23による報知出力を上記の如く制御するのと並行して、浴室リモコン2のスピーカ13による報知出力の制御も行う。
【0072】
この場合、本実施形態では、報知出力制御部15は、呼び出しスイッチ12aの操作に応じて、浴室外リモコン3のスピーカ23と同じ形態で浴室リモコン2のスピーカ13に報知音を発生させるようにスピーカ駆動部16を制御する。
【0073】
ただし、呼び出しスイッチ12aの操作に応じて、浴室リモコン2のスピーカ13に報知音を発生させることを省略してもよい。あるいは、浴室リモコン2のスピーカ13に発生させる報知音は、浴室外リモコン3のスピーカ23で発生させる報知音と異なる形態の報知音であってもよい。
【0074】
さらには、浴室リモコン2のスピーカ13に発生させる報知音は、STEP3,4の判断結果に依存しない形態のものであってもよい。例えば、スピーカ13で発生させる報知音は、呼び出しスイッチ12aの操作の直後だけ一時的に発生するものであってもよい。
【0075】
以上が本実施形態において、呼び出しスイッチ12aが入浴者等により操作された場合の報知に関する作動である。
【0076】
かかる本実施形態によれば、入浴者等は、呼び出しスイッチ12aの操作を、前記第1の所定時間(1秒)の時間間隔内で2回続けて行うことで、通常報知出力用の報知音を浴室外リモコン3のスピーカ23から発生させることができる。また、呼び出しスイッチ12aの操作を、単発的に行うことで、異常報知出力用の報知音を浴室外リモコン3のスピーカ23から発生させることができる。
【0077】
従って、共通の呼び出しスイッチ12の操作形態によって、通常報知出力用の報知音と異常報知出力用の報知音との2種類の形態の報知を行うことができる。
【0078】
この場合、入浴者等は、自身が正常である場合、呼び出しスイッチ12aの操作を、前記第1の所定時間(1秒)の時間間隔内で2回続けて行うことを、支障なく容易に実行できる。従って、異常が発生していないのに、浴室外リモコン3のスピーカ23から異常報知出力用の報知音を発生させてしまうのを防止できる。
【0079】
また、通常報知出力用の報知音は、該報知音の発生後、入浴者等が呼び出しスイッチ12aを改めて操作することを必要とせずに、比較的短時間の既定時間の経過後に自動的に停止される。このため、入浴者等の手間が軽減されると共に、浴室外の者は、当該報知音が異常の発生を報知するものであると誤認してしまうようなことを適切に防止できる。
【0080】
一方、入浴者等の体調不良等の異常が発生した場合には、該入浴者等は、単発的に呼び出しスイッチ12aを1回操作するだけで、浴室外リモコン3のスピーカ23から異常報知出力用の報知音を発生させることができる。
【0081】
このため、入力者等が、体調不良により、呼び出しスイッチ12aを操作し続けたり、あるいは、繰り返し操作することが困難な状況であっても、容易に浴室外リモコン3のスピーカ23から異常報知出力用の報知音を発生させることができる。
【0082】
また、この場合は、異常報知出力用の報知音の発生の継続期間が通常報知出力用の報知音よりも長く、しかも、該異常報知出力用の報知音の音量が、通常報知出力用の報知音の音量よりも大きいので、浴室外の者は、浴室内で異常が発生したことを容易に認識することができる。
【0083】
また、異常報知出力用の報知音の発生は、既定時間の経過後に自動的に停止されるので、その停止のための操作作業を省略できる。
【0084】
次に前記実施形態の変形態様をいくつか説明する。
【0085】
前記実施形態では、浴室外リモコン3のスピーカ23により異常報知出力(報知音)を発生させる場合に、既定時間の経過後(前記実施形態では、呼び出しスイッチ12aの1回目の操作後、第3の所定時間が経過した後)に、異常報知出力の発生を停止させるようにした。ただし、異常報知出力の発生を、例えば浴室リモコン2又は浴室外リモコン3で特定の操作(複数の操作スイッチを同時に操作したり、あるいは、特定の操作スイッチを長押しする等の操作)がなされるまで、継続させるようにしてもよい。
【0086】
このようにした場合には、異常報知出力を停止させるための操作が必要となるものの、異常報知出力を浴室外の者に認識させることの確実性を高めることができる。
【0087】
また、異常報知出力を浴室外リモコン3で行う場合、浴室内で異常が発生したことを音声により発生させたり、あるいは、当該音声又は音声以外の報知音の発生と併せて、浴室内で異常が発生したことを浴室外リモコン3の表示器21で表示させるようにしてもよい。
【0088】
このようにした場合には、浴室外の者は、当該音声又は表示器21での表示により異常の発生を直接的に認識することができる。
【0089】
また、異常報知出力及び通常報知出力のいずれにおいても、浴室外リモコン3で報知音(音声を含む)を発生する代わりに、又は、該報知音の発生と併せて、浴室外リモコン3に備えた発光素子の点滅報知等を行うようにしてもよい。すなわち、異常報知出力及び通常報知出力は、聴覚的な報知(音響信号による報知)及び視覚的な報知(光学的な報知)のいずれで行うようにしてもよい。
【0090】
そして、例えば通常報知出力を視覚的な報知により行い、異常報知出力を聴覚的な報知により行うようにしてもよい。
【0091】
また、浴室外リモコン3での異常報知出力用の報知音を発生させることと併せて、浴室リモコン2でも異常報知出力用の報知音を発生させる場合には、入浴者等に刺激を与えないようにするために、浴室リモコン2での異常報知出力用の報知音を、浴室外リモコン3での異常報知出力用の報知音よりも低い音量の報知音にしてもよい。
【0092】
また、前記実施形態では、浴室外端末機が浴室外リモコン3である場合を例示したが、浴室外端末機は、リモコンとしての機能を有するものでなくてもよい。例えば、浴室外端末機は、通常報知出力及び異常報知出力を発生する報知器としての機能だけを有するもの、あるいは、当該機能に加えて、浴室との通話を行うインタホン機能を有するものであってもよい。
【0093】
また、前記実施形態では、第1の所定時間の時間間隔内に呼び出しスイッチ12aが2回操作された場合に、浴室外リモコン3(浴室外端末機)で通常報知出力を発生させるようにした。ただし、第1の所定時間の時間間隔内に呼び出しスイッチ12aが3回以上の所定回数操作された場合に、浴室外リモコン3(浴室外端末機)で通常報知出力を発生させ、第1の所定時間の時間間隔内における呼び出しスイッチ12aの操作回数が当該所定回数よりも少ない場合(2回、1回等)に、異常報知出力を発生させるようにしてもよい。
【0094】
また、前記実施形態では、報知出力制御部15を浴室リモコン2に備えたが、呼び出しスイッチ12aの操作の有無を浴室リモコン2から浴室外リモコン3に送信するようにして、報知出力制御部15を浴室外リモコン3に備えるようにしてもよい。
【0095】
あるいは、報知出力制御部15の機能を、浴室リモコン2及び浴室外リモコン3の両方に分担させるようにしてもよい。例えばタイマ時間の計時を浴室リモコン2で行い、該タイマ時間を第1〜第3時間と比較する処理を浴室外リモコン3で行うようにすることも可能である。