(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0017】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0018】
[実施の形態の概要]
まず、実施の形態の概要について説明する。本実施の形態では、電力抑制解除の際の電圧制御を最適に行う技術を実現するものである。具体的には、電力抑制時にもMPPT制御を有効にし、電力抑制解除時にもMPPTを継続する方法、さらに、電力抑制解除後、太陽電池アレイの動作電圧指令値を算出するにあたり、太陽光発電システムの動作下限値から決まる電圧閾値と電圧計測値との大小関係に応じてMPPTでの電圧指令値算出方法を変える方法である。電力抑制時にMPPT制御を有効にするには、太陽電池アレイの状態を制御する電圧指令値を、電流制御信号に変換した状態で電力抑制をもたらす電流制御値と比較して置き換えるのではなく、電圧制御値に応じた電力を、抑制すべき電力値と比較して制御値を更新すればよい。
【0019】
次に、実施の形態の概要において、代表的な太陽光発電システムの制御システムおよび制御方法について説明する。本実施の形態の概要では、一例として、括弧内に実施の形態の対応する構成要素、符号等を付して説明する。
【0020】
(1)本実施の形態の代表的な太陽光発電システムの制御システム(
図1のパワーコンディショナ2、
図5のパワーコンディショナ2a)は、太陽電池アレイ(PVアレイ1)の動作電圧を設定し、かつ前記太陽電池アレイの出力する直流電力を交流に変換するインバータ(インバータ21)と、前記太陽電池アレイの出力する電流および電圧を計測する計測部(計測部22)と、前記計測部により計測される前記太陽電池アレイの動作電圧および出力電流値を基に前記太陽電池アレイの動作電圧指令値を算出する最大電力点追従部(MPPT+電力制御部23のMPPT、MPPT23a)と、を有する。さらに、前記計測部より得られる前記太陽電池アレイの動作電圧値と、前記最大電力点追従部より設定される前記太陽電池アレイの動作電圧指令値とを比較し、その差分を基に比例積分制御を行う自動電圧調整部(自動電圧調整部24)と、前記自動電圧調整部より出力される電流指令値を基に前記インバータのゲート信号を生成するパルス幅変調信号生成部(パルス幅変調信号生成部25)と、を有する。そして、日の出から日の入りまで、低日射の場合も含めて常に最大電力点追従による電圧指令出力により制御する電力制御部(MPPT+電力制御部23の電力制御部、電力制御部23b)を有する。
【0021】
(2)本実施の形態の代表的な太陽光発電システムの制御方法は、インバータと計測部と最大電力点追従部と自動電圧調整部とパルス幅変調信号生成部と電力制御部とを有する太陽光発電システムの制御方法(
図2、
図6および
図7、
図9および
図10、
図15)である。前記太陽光発電システムの制御方法において、前記電力制御部(
図1のMPPT+電力制御部23の電力制御部、
図5の電力制御部23b)は、前記太陽光発電システムの制御を、日の出から日の入りまで、低日射の場合も含めて常に最大電力点追従による電圧指令出力により行う。
【0022】
以下、上述した実施の形態の概要に基づいた各実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
[実施の形態1]
本実施の形態1における太陽光発電システムの制御システムおよび制御方法について、
図1〜
図4を用いて説明する。
【0024】
<システム構成>
まず、本実施の形態における太陽光発電システムの構成を
図1に示す。
図1は、本実施の形態における太陽光発電システムの構成の一例を示すブロック図である。より具体的に、
図1では、電力抑制時にもMPPT制御を有効にするパワーコンディショナの構成の一例を示している。
【0025】
太陽光発電システムは、太陽電池(PV)アレイ1と、このPVアレイ1に接続されたパワーコンディショナ2と、このパワーコンディショナ2に接続された電力系統3とから構成される。
【0026】
パワーコンディショナ2は、インバータ21と、計測部22と、最大電力点追従部(MPPT)+電力制御部23と、自動電圧調整部(AVR)24と、パルス幅変調信号生成部(PWM)25とから構成される。
【0027】
インバータ21は、PVアレイ1の動作電圧を設定し、かつPVアレイ1の出力する直流電力を交流に変換するインバータである。
【0028】
計測部22は、PVアレイ1の出力する電流および電圧を計測する計測部である。
【0029】
MPPT+電力制御部23は、MPPTの機能部と電力制御部の機能部とを含む。MPPTの機能部は、計測部22により計測されるPVアレイ1の電力(動作電圧および出力電流値より算出)を基にPVアレイ1の動作電圧指令値を算出する最大電力点追従部である。電力制御部の機能部は、電力抑制信号を入力として、日の出から日の入りまで、低日射の場合も含めて常にMPPTによる電圧指令出力により制御する電力制御部である。より具体的に、電力制御部の機能部は、太陽光発電システムの電力抑制時にもMPPTによって太陽電池アレイの動作電圧を設定する機能、太陽光発電システムの制御電圧を一定に保つ場合にも、MPPTによって太陽電池アレイの動作電圧を設定する機能などを有する。
【0030】
AVR24は、計測部22より得られるPVアレイ1の動作電圧値と、MPPT+電力制御部23より設定されるPVアレイ1の動作電圧指令値とを比較し、その差分を基に比例積分制御を行う自動電圧調整部である。
【0031】
PWM25は、AVR24より出力される電流指令値を基にインバータ21のゲート信号を生成するパルス幅変調信号生成部である。
【0032】
太陽光発電システムにおいて、PVアレイ1で発電される直流電力はパワーコンディショナ2内のインバータ21によって交流に変換され、電力系統3へと逆潮流される。PVアレイ1の出力電流および電圧は計測部22により計測され、MPPT+電力制御部23へは電力値が渡され、AVR24へは電圧値が渡される。MPPT+電力制御部23では、出力した電力指令値に対応した電力計測値を得、それらの値を基に次ステップの電圧指令値を決定する。次ステップの電圧指令値の決定に用いる電圧指令値およびそれに対応する電力計測値は、必ずしも直前のステップの物だけとは限らず、使用するMPPTの方法に応じて決定される。MPPTの方法については、既に多くの提案がなされており、それらの何れの方法を用いてもよい。
【0033】
<動作フロー>
本実施の形態では山登り法を例に、電力抑制時にもMPPT制御を有効にした状態で電力を抑制する方法を説明する。
図1のMPPT+電力制御部23で示すブロックの動作フローを
図2に示す。
図2は、電力抑制時にも最大電力点追従制御を有効にする最大電力点追従の一例を示すフローチャートである。
【0034】
まず、ステップS101において、電圧初期値V
0、電圧更新幅ΔV、向きsign(←+1)を設定する。そして、ステップS102において、初期電圧指令値としてV
0を出力し、V
0における電力計測値P
0を計測部22より取得する。次に、ステップS103,S104において、V
0よりΔVだけ大きな電圧V
1を電圧指令値として出力し(V
1←V
0+sign×ΔV)、V
1に対する電力計測値P
1を計測部22より取得する。
【0035】
そして、ステップS105において、P
0とP
1の値を比較(P
1>P
0?)し、更新する電圧指令値を電圧が増加する方向か減少する方向かのどちらにするかを決定する。P
1の方が大きければ(S105−Yes)、次の電圧指示値をV
1より大きくなるよう、V
1にΔVを加算する。一方、P
0の方が大きければ(S105−No)、V
1から電圧を小さくするようΔVだけ減算する。実際の電圧指令値の更新は、ステップS110におけるV
1の計算において行うが、計算時のΔVの符号をP
0とP
1の大小関係に応じて、ステップS106A(sign←+1×sign)若しくはステップS106B(sign←−1×sign)において決定する。
【0036】
その後、ステップS107において、電力抑制値P
limitを更新する。電力抑制が不要な場合はP
limitにPCSの定格電力を入力しておけばよい。ステップS108において、P
1とP
limitを比較(P
limit>P
1?)し、P
1の方が小さければ(S108−Yes)、電力抑制不要としてそのままステップS110に進み、電圧指令値と電力計測値の更新を行う(V
1←V
1+sign×ΔV、P
0←P
1)。一方、P
1がP
limitを超えている場合(S108−No)、電力抑制が必要であるため、ステップS109において、電圧指令値の探索方向を逆転し(sign←−1×sign)、ステップS110に進む。
【0037】
ステップS105およびステップS106A若しくはS106Bにおいて、電圧指令値の探索方向は電力が増加する方向に電圧を増減する設定となっているため、ステップS109において、探索方向を逆転することは電力が減少する方向へ電圧指令値を設定することを意味する。
【0038】
以上によって電圧指令値が更新されたので、
図2のステップS104に戻り、新しい電圧指令値に対する電力値の取得を行い、上記のステップを繰り返し行う。
【0039】
MPPT+電力制御部23より出力された電圧指令値は、
図1に示すように、AVR24に入力される。AVR24では、計測部22より得た電圧計測値とMPPT+電力制御部23より得た電圧指令値との差に応じたPI(比例積分)制御を行い、PWM制御信号となる電流指令値をPWM25へ出力する。PWM25は、電流指令値に応じたゲート信号を出力し、インバータ21の通流率を変化させ、PVアレイ1の動作電圧を電圧指令値に設定する。AVR24やPI制御、PWM25、インバータ21によるPVアレイ1の動作電圧制御は一般的な制御方法であり、公知となっている方法により実現可能である。
【0040】
以上のフローにより、MPPTによる電圧制御を行いながら電力抑制を行うことが可能である。
【0041】
<PVアレイの電圧−電力特性>
PVアレイの電圧−電力特性を
図3に示す。
図3は、PVアレイの電圧−電力特性と、電力抑制が課せられた場合の動作点との一例を示す図である。
図3において、横軸は電圧、縦軸は電力であり、また、30はPVアレイの電圧−電力特性曲線、31は電力抑制が課された時の動作点の一つ(A点)、32は電力抑制が課された時のもう一つの動作点(B点)を示す。MPPは最大電力点、V
mppは最大電力点に対応する電圧、P
mppは最大電力点に対応する電力、P
limit−1は電力抑制値の一つ、P
limit−2はもう一つの電力抑制値である。
【0042】
電力抑制が課せられた時点で電圧指令値がV
mppよりも小さい場合、
図2に示す制御によって動作点はA点31を中心として±ΔV以内に収束する。一方、電力抑制が課された時点で電圧指令値がV
mppよりも大きい場合、動作点はB点32を中心として±ΔV以内に収束する。どちらか一方に収束する点を限定したい場合、
図2のステップS109でsignの符号を+か−のどちらか一方に限定すればよい。+の場合はB点32に、−の場合はA点31に収束する。B点32に収束させた場合、電流値がA点31より小さいため、配線部での発熱が抑えられる利点がある。
【0043】
<タイムチャート>
図2のフローに従った制御のタイムチャートを
図4に示す。
図4は、電力抑制時の最大電力点追従制御の一例を示すタイムチャートである。
図4において、横軸は時間、縦軸は電圧指令値と電力とsignであり、また、40は更新後の電力値(
図2のP
1)、41は1ステップ前の電力値(
図2のP
0)を示す。
図4では、P
limit−1の位置で電力抑制がかかっているが、Step−AでP
limit−2の位置に電力抑制の値が変化する。P
limit−2は最大電力点であるP
mppよりも大きな電力値での抑制であり、事実上抑制が無い状態である。その後、Step−Bにて再度、P
limit−1での電力抑制に変化している(
図3参照)。
【0044】
<実施の形態1の効果>
以上のように、本実施の形態における太陽光発電システムの制御システムおよび制御方法によれば、インバータ21と計測部22と最大電力点追従部+電力制御部23と自動電圧調整部24とパルス幅変調信号生成部25とを有することで、電力抑制時から電力抑制解除の際の電圧制御を最適に行う技術を実現することができる。この結果、電力抑制中に日射変動などによるPVアレイ出力変化が生じた際や、電力抑制状態から通常の運転状態への移行時に、発電電力損失を低く抑えることが可能となる。具体的には、電力抑制時にもMPPT制御を有効にし、電力抑制解除時にもMPPTを継続することができる。電力抑制時にMPPT制御を有効にするには、PVアレイ1の状態を制御する電圧指令値を、従来のように電流制御信号に変換した状態で電力抑制をもたらす電流制御値と比較して置き換えるのではなく、電圧制御値に応じた電力を、抑制すべき電力値と比較して制御値を更新することで実現することができる。
【0045】
[実施の形態2]
本実施の形態2における太陽光発電システムの制御システムおよび制御方法について、
図5〜
図8を用いて説明する。以下においては、上記実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0046】
本実施の形態においては、電力抑制時にもMPPT制御を有効にするパワーコンディショナの別の構成について述べる。
図5がパワーコンディショナを含む太陽光発電システムの構成の一例を示すブロック図で、
図6および
図7が最大電力点追従の一例を示すフローチャート(
図5に示す電力制御部およびMPPTの制御フロー)である。
図8は、これらのフローに従った電力抑制時の最大電力点追従制御の一例を示すタイムチャートである。
【0047】
<システム構成>
図5において、パワーコンディショナ2aは、インバータ21と、計測部22と、最大電力点追従部(MPPT)23aと、電力制御部23bと、自動電圧調整部(AVR)24と、パルス幅変調信号生成部(PWM)25とから構成される。
図1と異なる点は、MPPT23aと電力制御部23bとが別々のブロック構成となっている。
【0048】
MPPT23aは、電力制御部23bを通して、計測部22により計測されるPVアレイ1の電力(動作電圧および出力電流値)を基に、PVアレイ1の動作電圧指令値を算出する最大電力点追従部である。
【0049】
電力制御部23bは、計測部22により計測されるPVアレイ1の電力を基に、MPPT23aより出力される電圧指令値、電力抑制信号を入力として、日の出から日の入りまで、低日射の場合も含めて常に最大電力点追従による電圧指令出力により制御する電力制御部である。より具体的に、電力制御部23bは、太陽光発電システムの電力抑制時にもMPPTによって太陽電池アレイの動作電圧を設定する機能、太陽光発電システムの制御電圧を一定に保つ場合にも、MPPTによって太陽電池アレイの動作電圧を設定する機能などを有する。
【0050】
なお、
図5では、電力値は電力制御部23bを通してMPPT23aへ与える構成となっているが、必ずしもこの構成をとる必要はなく、計測部22より直接MPPT23aへ入力する構成となっていてもよい。
【0051】
<動作フロー>
図6において、まず、ステップS201において、MPPTにより電圧指令値の電圧初期値V
0を設定する。また、電圧更新幅ΔV、sign
0(←+1)、sign
1(←+1)も設定する。そして、ステップS202において、V
0における電力計測値P
0を計測部22より取得する。次に、ステップS203において、V
0より電圧更新幅ΔVだけ大きな電圧V
1を電圧指令値として設定する(V
1←V
0+sign
0×sign
1×ΔV)。
【0052】
次に、ステップS204の分岐において、電力抑制が課せられているか(電力抑制信号On)判断し、電力抑制が課せられていなければ(S204−No)、ステップS205に進み、MPPTによる電力指令値の設定を行う。電力抑制が課せられない限り、このフローを繰り返して行う。
【0053】
一方、電力抑制が課せられた場合、ステップS204(Yes)でステップS206へ分岐し、ステップS206〜S211を順に行う。すなわち、ステップS206(V
1におけるP(V
1)(=P
1)を取得)、ステップS207(P
limitを更新)を行う。さらに、ステップS208(P
limit>P
1?)、ステップS209(sign
0←sign
1、sign
1←+1×sign
1)、ステップS210(sign
0←sign
1、sign
1←−1×sign
1)を行う。そして、ステップS211(V
1←V
1+sign
0×sign
1×ΔV、P
0←P
1)を行う。
【0054】
このようにして、直前の電圧指令値から電圧更新幅ΔVずつ電圧指令値を単調に増加若しくは減少させ、電力計測値P
1が電力抑制値P
limitを下回るまで更新を続ける。これは、PVアレイの電圧−電力特性が
図3に示すように上に凸の形状を持つため、電圧指令値を単調に増加若しくは減少させることにより必ず電力が減少することを利用している。
【0055】
図6のステップS205に示すMPPTによる電圧指令値の決定のフローを示したのが
図7である。
図7において、ステップS2051(V
1におけるP
1を取得)、ステップS2052(P
1>P
0?)、ステップS2053(sign
0←sign
1、sign
1←+1×sign
1)、ステップS2054(sign
0←sign
1、sign
1←−1×sign
1)、ステップS2055(V
1←V
1+sign
0×sign
1×ΔV、P
0←P
1)を順に行う。
【0056】
<タイムチャート>
図6のフローに従った制御のタイムチャートを示したのが
図8である。
図8において、横軸は時間、縦軸は電圧指令値と電力とsign
1とsign
0と電力抑制信号である。
図8では、電力抑制信号のON/OFFにより、電力抑制が課せられているか(ON)、課せられていないか(OFF)が決められる。
【0057】
<実施の形態2の効果>
以上のように、本実施の形態における太陽光発電システムの制御システムおよび制御方法によれば、MPPT23aと電力制御部23bとを別々のブロック構成とすることで、上記実施の形態1と異なる効果として、以下のような効果を得ることができる。例えば、MPPT23aで電力抑制を考慮しなくてもよいため、MPPTアリゴリズムの実装が容易となる利点がある。また、電力抑制信号のON/OFFにより電力抑制処理への分岐を決めるため、電力抑制が不要な場合の処理時間を短くできる。このように、本実施の形態の構成では電力抑制処理を分離しているため、電力抑制処理として、例えば発電電力の抑制ではなく、抑制すべき電力を蓄電池の充電に用いるなど、異なる電力抑制手法を導入することが上記実施の形態1の構成に比べ容易となる利点がある。
【0058】
[実施の形態3]
本実施の形態3における太陽光発電システムの制御システムおよび制御方法について、
図9〜
図13を用いて説明する。以下においては、上記実施の形態1および2と異なる点を主に説明する。
【0059】
本実施の形態では、電力抑制時にもMPPTを有効にする
図5の構成を用いた異なる制御例について述べる。制御フローを
図9および
図10に示す。
図6および
図7に示す制御フローとほぼ同じであるが、電力抑制信号がONの場合の制御が異なる。
図6および
図7に示す制御フローでは電圧指令値を更新しながら電力値を計測して電圧指令値を決定するが、
図9および
図10ではこの過程を、テーブルを利用して置き換える。すなわち、事前に太陽光発電システムの定格発電量に応じた一覧表のルックアップテーブル(LUT)を用意しておく。LUTには太陽光発電システムの最大発電電力に対する電力抑制値の割合に応じて電圧指令値が記載されている。一例を
図11および
図12に示す。また、タイムチャートを
図13に示す。
【0060】
<動作フロー>
図9および
図10は、最大電力点追従の一例を示すフローチャートである。
【0061】
図9において、まず、ステップS301において、MPPTにより電圧指令値の電圧初期値V
0、電圧更新幅ΔV、電力差閾値ΔP、sign(←+1)を設定する。そして、ステップS302(V
0におけるP
0を取得)、ステップS303(V
1←V
0+sign×ΔV)を行う。
【0062】
次に、ステップS304の分岐において、電力抑制が課せられているか(電力抑制信号On)判断し、電力抑制が課せられていなければ(S304−No)、ステップS305に進み、MPPTによる電力指令値の設定を行う。電力抑制が課せられない限り、このフローを繰り返して行う。
【0063】
一方、電力抑制が課せられた場合、ステップS304(Yes)でステップS306へ分岐し、ステップS306(P
limitを更新)、ステップS307(P
limit/P
mppに応じたV
LUTをLUTより取得)、ステップS308(V
1←V
LUT)、ステップS309(V
1におけるP(V
1)(=P
1)を取得)を行う。
【0064】
次に、ステップS310の分岐において、P
limit−P
1が0以上でΔP以下か(ΔP≧P
limit−P
1≧0?)判断し、0以上でΔP以下の場合(S310−Yes)は、ステップS304に進み、0以上でΔP以下でなくなるまで、このフローを繰り返して行う。
【0065】
一方、P
limit−P
1が0以上でΔP以下でなくなると(S310−No)、ステップS311へ分岐し、ステップS311(P
0←P
1、V
1←V
1+sign×ΔV)、ステップS312(V
1におけるP(V
1)(=P
1)を取得)を行う。
【0066】
次に、ステップS313の分岐において、P
1の方がP
0より大きいか(P
1>P
0?)判断し、P
1の方が大きければ(S313−Yes)、ステップS314(sign←+1×sign)を行い、P
0の方が大きければ(S313−No)、ステップS315(sign←−1×sign)を行う。
【0067】
次に、ステップS316(P
0←P
1、V
1←V
1+sign×ΔV)、ステップS317(V
1におけるP(V
1)(=P
1)を取得)を行う。そして、ステップS318の分岐において、P
limit−P
1が0超でΔP未満か(ΔP>P
limit−P
1>0?)判断し、0超でΔP未満の場合(S318−Yes)は、ステップS304に進み、0超でΔP未満でなくなると(S318−No)、ステップS313に進み、このフローを繰り返して行う。
【0068】
図9のステップS305に示すMPPTによる電圧指令値の決定のフローチャートを示したのが
図10である。
図10において、ステップS3051(V
1におけるP
1を取得)、ステップS3052(P
1>P
0?)、ステップS3053(sign←+1×sign)、ステップS3054(sign←−1×sign)、ステップS3055(V
1←V
1+sign×ΔV、P
0←P
1)を順に行う。
【0069】
<太陽光発電システムの特性とルックアップテーブル>
図11は、最大電力点追従の動作電圧設定方法におけるルックアップテーブルの作成方法の一例を示す図である。
図12は、この作成されたルックアップテーブルの一例を示す図である。
【0070】
図11において、横軸は電圧、縦軸は電力抑制値P
limit/最大発電電力P
maxあり、また、90はPVアレイの定格に対する電圧−電力特性曲線(特性1)、91は日射が低下した場合のPVアレイの電圧−電力特性曲線(特性2)を示す。
【0071】
図11で示す特性1(90)に対し、太陽光発電システムの最大発電電力P
maxを1として、それに対する任意の割合の電力毎に電圧指令値を太陽光発電システムの特性から求めておく。例えば、電力抑制値P
limitがP
maxに対して0.6の場合(P
limit/P
max=0.6)、電圧指令値はV
6L若しくはV
6Hである。これを、各P
limit/P
max毎にルックアップテーブル(LUT)にまとめたものの例が
図12である。
【0072】
一つのP
limitに対して電圧指令値(V
dc−low、V
dc−high)は大小各1つ、合計2つの電圧指令値を取り得るが、どちらの指令値を採用するかは太陽光発電システムの要求に応じて任意に定めればよい。
図11の電圧−電力特性は日射や気温、陰などにより変化するが、これらは概ね発電電力が低下する方向に影響する。太陽光発電システムの定格に対する特性からテーブルを作成しておけば、実際の発電電力はLUTから得た電圧指令値に対応する発電電力を下回る。このため、電力抑制は過剰な方向に働き、太陽光発電システムに悪影響を与えることはない。
【0073】
温度の比較的低い晴れた日など、気象が特定の条件を満たす場合に定格発電量を超えて発電が行われることもあるため、LUTから得た電圧指令値に対応する発電電力がP
limitより大きくなる可能性はある。しかし、
図9および
図10に示すようにP
limitと対応する電圧指令値を更新し続けるので、必要に応じてP
limitがより小さな値に更新され、必要な電力まで抑制されることになる。また、LUTによる電圧指令値から得られる電力値と、定格発電量から想定される電力値の間に差がある場合も、
図9のステップS313〜S318までのフローに示すように電圧指令値を更新する制御によりこの差を解消することができる。
【0074】
<タイムチャート>
図12に示したLUTを用いて
図9および
図10のフローに従った制御のタイムチャートを示したのが
図13である。
図13において、横軸は時間、縦軸は電圧指令値と電力と電力抑制値P
limit/最大発電電力P
maxとsignと電力抑制信号である。
【0075】
上述した
図9のステップS313〜S318までの様子を示したのが、
図13のStep−C近傍である。日射の変動を原因として、
図13のP
limit/P
mppのグラフ中に示すように、
図11の特性1と特性2がStep−Cで切り替わったとする。P
limit/P
max=0.6で電力抑制が働いているとするとLUTからの電圧指令値は
図11のV
6Lとなる。(V
6Hでも良いが、図面の分かりやすさからV
6Lとする)しかし、実際の動作時の特性が特性2であった場合、同じP
limit/P
max=0.6の電力抑制状態であっても動作電圧はV
9Lより僅かに高圧側に位置する。LUTの示す電圧指令値のままであると、特性2では電力抑制値よりも大幅に低電力となるP
limit/P
max≒0.4付近で動作することになる。
図9のステップS313〜S318のフローにより電圧指令値の更新が行われ、特性2でもP
limit/P
max=0.6の付近まで動作点が変化する。
図13のStep−C以降の電圧指令値および電力の変化がこのプロセスに対応する。
【0076】
本実施の形態に示したLUTを用いる方法は、テーブルを制御システムに記憶しておく必要があるが、漸次的にV
dcの更新を行って電力抑制をする必要がないため、処理が速くなる。
図13のStep−A,Bでは電力抑制信号がONとなっているため、LUTによる電圧指令値の変更が働き、それに応じて電力値も急峻に変化している。一方、Step−D付近の電圧指令値の変化は、電力抑制信号がOFFのため、山登り法による変化となり、それに対応して電力の変化も漸次的に変化する。両者を比較するとその変化にかかるステップ数に大きな差があることが明白である。
【0077】
<実施の形態3の効果>
以上のように、本実施の形態における太陽光発電システムの制御システムおよび制御方法によれば、電力抑制時の電圧設定方法を事前に準備した電力抑制値とこの電力抑制値に対応する電圧指令値との一覧表のルックアップテーブルから選択することで、上記実施の形態1および2と異なる効果として、以下のような効果を得ることができる。例えば、ルックアップテーブルを用いる方法は、テーブルを制御システムに記憶しておくことで、漸次的に電圧指令値の更新を行って電力抑制をする必要がないため、処理が速いという利点がある。
【0078】
[実施の形態4]
本実施の形態4における太陽光発電システムの制御システムおよび制御方法について、
図14を用いて説明する。以下においては、上記実施の形態1〜3と異なる点を主に説明する。
【0079】
本実施の形態では、電力抑制時にもMPPTを有効にする
図5の構成を用いた異なる制御例として、電力抑制解除後、PVアレイの動作する電圧指令値を算出するにあたり、太陽光発電システムの動作下限値から決まる電圧閾値と電圧計測値との大小関係に応じてMPPTでの電圧指令値算出の仕方を変える方法について述べる。この方法を
図14に示す。
【0080】
<太陽光発電システムの電圧−電力特性>
図14は、太陽光発電システムの最低動作電圧から決まる閾値を用いた電力抑制解除時の動作電圧設定方法の一例を示す図である。
図14では、太陽光発電システムの電圧−電力特性曲線を示している。特性1がシステムの定格出力に対応する特性で、特性2〜4は低日射の場合など、特性1に比べて出力が低下している場合の特性である。電圧V
minは太陽光発電システムの最低動作電圧であり、これより低い電圧しか出力されない場合、システムは待機、もしくは停止状態となる。従って、V
minが最大電力点(MPP)の電圧となる特性(特性4)よりも低出力の場合、MPPT制御を行う必要性はない。経験的に、開放電圧V
ocと最大電力点電圧V
pmaxの比V
pmax/V
ocは0.8程度になることが知られているが、この関係を用いると特性4の
開放電圧V
oc4は、
V
oc4≒V
min/0.8
となる。
【0081】
この電圧を閾値にして、電力抑制がONの状態からOFFに変わった際の動作電圧(電圧計測値)と閾値との大小関係によりMPPTによる電圧指令値算出方法を変更する。例えば、山登り法によりMPPを探索するのであれば、閾値を境に探索幅を変え、二分探索法を用いる場合では閾値を境に探索幅の初期値を変える。以下、二分探索を例にして閾値を境にした探索方法の切り替えについて説明する。
【0082】
図14の特性1にP
limitの位置で電力抑制がかかっている状態では、MPPTによる動作点はA1とB1を結ぶ直線状の何れかとなる。動作点がA1の時、日射変動などにより特性1が特性2へと変化したとすると動作点はA2に移るが、電力抑制が外れるため、MPPTは最大電力点の探索を開始する。二分探索法では探索範囲を決める2点を定め、その範囲を二分し、その範囲の代表点を比較して探索を行う。従って、まず範囲を決める2点を指定しなければならない。
【0083】
A2点のように動作電圧が範囲1に属する場合、その2点の初期値は一方をA2点の動作電圧V
A、もう一方をV
Aと閾値電圧の2点の内部から選択すればよい。例えば山登り法の電圧探索幅をΔVとすれば、V
AとV
oc4との差に応じて、ΔV×n(n=1、2、3、4、…)からV
oc4を超えないもう一点を決める。これにより探索範囲が限定され、過大な電圧を指定する恐れがなくなる。例えば、電圧抑制のかかった状態で特性1から特性3に遷移した場合、V
oc4より大きな電圧を探索幅の一端に指定し、発電電力が0の電圧指令値を指定してしまう恐れもある。V
oc4より低電圧であればこうした恐れはない。
【0084】
一方、動作点がB1からB2に遷移した場合、二分探索をV
BとV
oc4の間、すなわち範囲2に限定し、探索幅を範囲1に比べて大きく取ることができる。探索幅の初期値は一端をV
oc4とし、もう一端をV
oc4+ΔV×n(n=1、2、3、4、…)の中からV
Bを超えない最大のものを選ぶ。特性2のA2点の場合のように、二分探索だけでは必ずしもMPPへは到達しない場合があるが、その場合は二分探索後に山登り法を用いればよい。
【0085】
このように閾値を設け、MPPTの探索方法を変えることで効率よく探索することができ、また、不適当な電圧指令値を探索する恐れも低くなる。さらに、この電圧閾値は太陽光発電システムの最小電圧から妥当性をもって一意に決めることができる。
【0086】
上記の説明では温度の影響を考えなかったが、実際には温度の影響を考慮する必要がある。システムのモジュール直列数をN
1、モジュールを構成するセル数をN
2、モジュール動作温度と25℃との温度差をΔT、電圧の温度依存性を示す温度係数をβ、電圧変動量をΔVとすると、
ΔV=β×ΔT×N
1×N
2
V
oc4=V
oc4(25℃)−ΔV
となる。
【0087】
ここで、V
min=350V、βを2mV/℃、気温25℃の時のモジュール動作温度をJIS C8907:2005に則り気温+18.4℃=43.4℃、N
1=16、N
2=60とすると、
V
oc4(25℃)=350/0.8=437.5
ΔV=2×10
−3×18.4×16×60=35.3
V
oc4=437.5−35.3≒402(V)
となる。
【0088】
<実施の形態4の効果>
以上のように、本実施の形態における太陽光発電システムの制御システムおよび制御方法によれば、複数の電圧指令値設定方法を切り替える電圧閾値を、太陽光発電システムの最小起動電圧値から決定し、この電圧閾値を境に二分探索法の探索幅初期値を決定することで、上記実施の形態1〜3と異なる効果として、以下のような効果を得ることができる。例えば、電圧閾値を設けてMPPTの探索方法を変えることで、効率よく電圧指令値を探索することができ、また、不適当な電圧指令値を探索する恐れも低くできる利点がある。
【0089】
[実施の形態5]
本実施の形態5における太陽光発電システムの制御システムおよび制御方法について、
図15〜
図17を用いて説明する。以下においては、上記実施の形態1〜4と異なる点を主に説明する。
【0090】
本実施の形態では、低日射の際の制御について述べる。日の出や日の入りなど、日射量が少ない場合、パワーコンディショナはPVアレイの動作電圧をMPPTで設定するのではなく、一定電圧に固定する制御を行う。従って、この一定電圧制御を行う部分をMPPTで電圧指令値として出力する方式とすれば、パワーコンディショナ起動中は全てPVアレイの動作電圧をMPPTにより制御することができる。このような制御は、例えば
図1の構成を用い、
図15に示すフローにより実現できる。低日射の例として日の出の場合を考えてみる。電圧−電力特性を
図16、タイムチャートを
図17に示す。
【0091】
<低日射の際の制御>
図15は、低日射時における一定電圧動作の際にも最大電力点追従制御の一環として定電圧の指令値を出力する制御の一例を示すフローチャートである。
図16は、低日射時における一定電圧制御の説明のための太陽光発電システムにおける電圧−電力関係の一例を示す図である。
図17は、電力抑制時の最大電力点追従制御の一例を示すタイムチャートである。
【0092】
図15において、ステップS401,S402で初期値を設定(最低電圧V
min、一定動作電圧V
dc_const’、最低電力P
min、電圧初期値V
0、電圧更新幅ΔV、sign←+1、P
0=P
min)した後、ステップS403で開放電圧V
OCを計測する。日の出直後の日射が弱い場合、
図16の特性1のように開放電圧V
ocがシステムの最低動作電圧V
minより低い場合、ステップS403およびS404(V
OC>V
min?)を繰り返し、電圧が上昇するまで待機する。
【0093】
図16の特性2に示すようにV
ocがV
minに達するとステップS405に進み、太陽光発電システムは定められた一定電圧V
dc_constにて発電を開始する。特別な事情がない限り、V
dc_const=V
minとすればよい。V
dc_constでの一定電圧動作の際も
図15、
図17に示すようにMPPTの電圧指令値として動作電圧を出力することが肝要である。
【0094】
その後、日射の増加と共に発電量が増え、ステップS406で取得した発電電力P(V
dc)がある閾値P
minを超えると(ステップS407)、特性4、5に示すように最大電力点は
Vminより高電圧側に位置することになるので、一定電圧制御か
ら山登り法などの最大電力点探索に基づいた電圧指令値設定方法に移行する(ステップS408〜S417)。閾値となる電力P
minは、電圧がV
minの時に発電電力が最大となるような特性の最大電力である。
図16では特性3の最大電力点MPP3の電力値(=P
min)が閾値となる。
【0095】
MPPTによる最大電力点動作を行っている際にも、ステップS410に示すように電圧指令値に対する発電量P
1を電力の閾値P
minと比較することにより、発電電力の低下の検出を行う。日没時のように日射量が低下すると、発電電力が低下し、P
minを下回る。その際、制御は
図15のステップS410でBに分岐(No)し、ステップS403に戻る。その後は、既に説明したアルゴリズムに従い、ある範囲の日射量では一定電圧動作を行う。さらに日射量が低下した場合は発電を停止し、開放電圧の監視状態に入る。
【0096】
上記のように低日射時における一定電圧動作の際にも電圧値を指令値として出力し制御することができる。重要なことは、一定電圧値を指令値としてAVRに入力し、その値がMPPT制御と同じ制御経路を辿ってインバータの制御信号へ変換され、PVアレイの動作電圧を制御していることである。これにより、電力抑制時に加え、日の出、日の入り時を代表とした低日射時の一定電圧動作についても、MPPTからの指令値を基にPVアレイの電圧を制御できる。すなわち、日の出から日の入りまで一貫してMPPTによる電圧制御が可能となる。
【0097】
<実施の形態5の効果>
以上のように、本実施の形態における太陽光発電システムの制御システムおよび制御方法によれば、日射量が少ない場合の一定電圧制御を行う部分をMPPTで電圧指令値として出力する方式とすることで、上記実施の形態1〜4と異なる効果として、以下のような効果を得ることができる。例えば、低日射時における一定電圧動作の際にも、電圧値を指令値として出力し制御することができる。この結果、日の出から日の入りまで一貫してMPPTによる電圧制御が可能となる利点がある。
【0098】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態1〜5に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0099】
たとえば、上記した実施の形態1〜5は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。さらに、各実施の形態を組み合わせる形態も、本発明の範囲として変更可能である。