特許第6169020号(P6169020)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6169020
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】船舶
(51)【国際特許分類】
   B63B 43/04 20060101AFI20170713BHJP
【FI】
   B63B43/04
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-38749(P2014-38749)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-160593(P2015-160593A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2016年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】三好 翔太
(72)【発明者】
【氏名】恩塚 政憲
【審査官】 岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−094345(JP,A)
【文献】 実開昭56−028493(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 13/00,43/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右舷側の側壁及び船底を含む船体と、
該船体の内部における前記船底側に内部空間を形成する空間形成部と、
下側端部が前記内部空間に開口するとともに、上側端部が前記内部空間よりも上方で前記側壁に開口し、これら内部空間と前記側壁の外側の空間とを連通させる複数の連通管と、
を備え、
前記複数の連通管における少なくとも二つの連通管の上側端部の高さ位置が互いに異なり、
前記二つの連通管の前記上側端部が、同一の前記側壁に開口しており、
前記二つの連通管のうちの一方の前記上側端部の高さ位置が、損傷後の最終平衡状態における最終水線よりも上方であり、
前記二つの連通管のうちの他方の前記上側端部の高さ位置が、乾舷甲板よりも上方、かつ損傷後の最終平衡状態における最終水線より下方である船舶。
【請求項2】
左右舷側の側壁及び船底を含む船体と、
該船体の内部における前記船底側に内部空間を形成する空間形成部と、
下側端部が前記内部空間に開口するとともに、上側端部が前記内部空間よりも上方で同一の前記側壁側のみに開口し、これら内部空間と外部空間とを連通させる複数の連通管と、
を備え、
前記複数の連通管における少なくとも二つの連通管の上側端部の高さ位置が互いに異なり、
前記二つの連通管のうちの一方の前記上側端部の高さ位置が、損傷後の最終平衡状態における最終水線よりも上方であり、
前記二つの連通管のうちの他方の前記上側端部の高さ位置が、乾舷甲板よりも上方、かつ損傷後の最終平衡状態における最終水線より下方である船舶。
【請求項3】
前記内部空間は、燃料タンク、バラストタンク、清水タンク、汚物処理スペース、パイプダクト及び空所のいずれかである請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項4】
前記船体は、フェリー、RORO船及びPCTCのいずれかの船体である請求項1から3のいずれか一項に記載の船舶。
【請求項5】
前記連通管は、前記内部空間に液体を導入する際に該内部空間内の空気を外部空間に導く空気抜き管である請求項1からのいずれか一項に記載の船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
フェリー、RORO(Roll−оn/roll−оff船)、PCTC(Pure Car & Truck Carrier)等の船舶では、2009年SOLAS条約改正により、損傷時安全性レベルの強化が図られ、損傷時の復原性能を確保する対策が必要となっている。
【0003】
損傷時の船体の復原性を確保する方法としては、損傷により船体内に浸水した海水を二重底下部の空間に導入することで重心を下げることが有効である。
ここで、船体内の空間は空気抜き管を介して船体の左右舷の側壁の外部に連通している場合が多い(例えば特許文献1参照)。このような空気抜き管の側壁における開口部を、船体損傷時の最終平衡状態における最終水線よりも下方に位置させることによって、損傷時に船体内の空間に海水を導入する手法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−201308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような空気抜き管を利用して海水を船体内部の区画への導入をしようとした場合、一般に閉塞状態とされた区画では空気の逃げ場がないため、当該空所に円滑に海水を円滑に導入することが困難となる。したがって、損傷時の復原性の確保を迅速に行うことができない。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、損傷時の復原性の確保を迅速に行うことが可能な船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用している。
即ち、本発明の第一態様に係る船舶は、左右舷側の側壁及び船底を含む船体と、該船体の内部における前記船底側に内部空間を形成する空間形成部と、下側端部が前記内部空間に開口するとともに、上側端部が前記内部空間よりも上方で前記側壁に開口し、これら内部空間と前記側壁の外側の空間とを連通させる複数の連通管と、を備え、前記複数の連通管における少なくとも二つの連通管の上側端部の高さ位置が互いに異なり、前記二つの連通管の前記上側端部が、同一の前記側壁に開口しており、前記二つの連通管のうちの一方の前記上側端部の高さ位置が、損傷後の最終平衡状態における最終水線よりも上方であり、
前記二つの連通管のうちの他方の前記上側端部の高さ位置が、乾舷甲板よりも上方、かつ損傷後の最終平衡状態における最終水線より下方であることを特徴とする。
また、本発明に第二態様に係る船舶は、左右舷側の側壁及び船底を含む船体と、該船体の内部における前記船底側に内部空間を形成する空間形成部と、下側端部が前記内部空間に開口するとともに、上側端部が前記内部空間よりも上方で同一の前記側壁側のみに開口し、これら内部空間と外部空間とを連通させる複数の連通管と、を備え、前記複数の連通管における少なくとも二つの連通管の上側端部の高さ位置が互いに異なり、前記二つの連通管のうちの一方の前記上側端部の高さ位置が、損傷後の最終平衡状態における最終水線よりも上方であり、前記二つの連通管のうちの他方の前記上側端部の高さ位置が、乾舷甲板よりも上方、かつ損傷後の最終平衡状態における最終水線より下方であってもよい。
さらに、前記内部空間は、燃料タンク、バラストタンク、清水タンク、汚物処理スペース、パイプダクト及び空所のいずれかであってもよい。
また、前記船体は、フェリー、RORO船及びPCTCのいずれかの船体であってもよい。
【0008】
これにより、上側開口の高さの異なる連通管のうち、上側開口の高さの低い連通管を介して内部空間に海水を導入しながら、上側開口の高さの高い連通管を介して内部空間の空気を外部に排出することができる。
また、連通管のうちの一方の上側端部の開口は、常に水面よりも上方となるため、確実に内部空間の空気を外部に排出することができる。
さらに、他方の連通管の上側端部が、非損傷時には水線よりも上方に位置するため内部空間への海水の不用意な導入を回避できる一方、損傷時には水線よりも下方に位置するため、当該連通管を介して内部空間に円滑に海水を導入できる。
【0013】
上記船舶では、前記連通管は、前記内部空間に液体を導入する際に該内部空間内の空気を外部空間に導く空気抜き管であることが好ましい。
【0014】
非損傷時には空気抜き管として用いられている連通管を損傷時には海水導入及び空気排出に供することによって、設備の有効利用を図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の船舶によれば、損傷時の復原性の確保を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に船舶の非損傷時における模式的な側面図である。
図2】実施形態に船舶の損傷時における模式的な側面図である。
図3】第一変形例に船舶の損傷時における模式的な側面図である。
図4】第二変形例に船舶の損傷時における模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る船舶1について図1及び2を参照して説明する。
図1及び2に示すように、船舶1は、船体2と、空間形成部6と、空気抜き管10(連通管)と、を備えている。船舶1の船種は特定のものに限られず、例えばフェリー、RORO船、PCTC等、種々の船種を採用することができる。
【0018】
船体2は、左右舷側をそれぞれ形成する船側外板からなる一対の側壁3と、これら側壁3を接続する船底4外板からなる船底4とを有している。船体2は、これら一対の側壁3及び船底4により船首尾方向に直交する断面形状が略箱状に形成されている。
【0019】
この船体2の内部には、水平方向に延びる乾舷甲板5が設けられている。乾舷甲板5とは、一般に最下層の全通甲板であって、通常航行時に満載喫水線W1よりも上方に位置している甲板である。この乾舷甲板5は、例えば船舶1がRORO船の場合、車両の乗り込み甲板となる。なお、船体2内部には、この乾舷甲板5以外にも、該乾舷甲板5の上下に種々の甲板が設けられている。
【0020】
空間形成部6は、船体2内部の船底4側、即ち、乾舷甲板5よりも下方の部位であって、かつ、船底4に近接した位置に設けられている。この空間形成部6は、その内側に内部空間Aを形成している。この空間形成部6は、例えば、燃料を貯蔵するための燃料タンク、バラスト水を収容するためのバラストタンク、清水を収容するための清水タンク、汚物を貯蔵するための汚物処理スペース、パイプを通すためのパイプダクト、あるいはスタビライザー室、空所等である。
【0021】
即ち、空間形成部6は、船体2内部の船底4型に内部空間Aを形成し得る構成ならばいかなるものであってもよい。したがって、既存の船舶1に存在する内部空間Aを形成し得るいかなる構成を空間形成部6としてもよいし、船舶1に新たに内部空間Aを形成するための部材として別途空間形成部6を設けてもよい。
【0022】
空気抜き管10は、空間形成部6の内部空間Aと該空間形成部6外の外部空間とを接続する管である。この空気抜き管10は、例えば空間形成部6が燃料タンク、バラストタンク、清水タンク等であるように内部に収容物が導入される場合には、当該収容物の導入に伴って内部の空気を外部に排出する役割を有している。また、空間形成部6が、例えばパイプダクト、汚物処理スペース、空所等である場合には、これら空間内の空気を循環させるための役割を有している。
【0023】
この空気抜き管10の両端のうちの一端である下側端部11は、空間形成部6に接続されており、該空間形成部6内の内部空間Aと空気抜き管10の内側の中空部分とは連通状態とされている。また、空気抜き管10の両端のうちの他端である上側端部12は、空間形成部6よりも上方において該空間形成部6の内部空間Aの外側の外部空間に接続されており、該外部空間と空気抜き管10の内側の中空部分とは連通状態とされている。これによって、空気抜き管10の中空部分を介して、内部空間Aと外部空間とは互いに連通状態とされている。
【0024】
本実施形態では、空気抜き管10の下側端部11は、空間形成部6の上面に開口している。また、空気抜き管10の上側端部12は、船体2の左舷の側壁3に開口しており、即ち、船体2の側壁3の外側の空間を外部空間として該外部空間と接続されている。空気抜き管10の上端端部である側壁3への開口部は、空間形成部6よりも上方に位置している。
【0025】
このような空気抜き管10は、本実施形態では2つが設けられている。これら2つの空気抜き管10は、船首尾方向に間隔をあけて配置されている。これら2つの空気抜き管10の上側端部12は、それぞれ乾舷甲板5よりも上方に開口している。
【0026】
さらに、図2に示すように、2つの空気抜き管10のうちの一方の空気抜き管10(船首側の空気抜き管10)は、その上側端部12は、損傷後の最終平衡状態における最終水線W2よりも上方に開口している。ここで、「損傷後の最終平衡状態における最終水線W2」とは、船体2が損傷を受けて一部に浸水が生じた結果、該船体2が最終平衡状態となった場合における水線位置のことを示す。このような最終水線W2は、船舶1の設計段階で様々な損傷パターン・浸水ケースをシミュレーションすることで予め設定される水線位置であって、乾舷甲板5よりも上方に位置している。
【0027】
一方、2つの空気抜き管10のうちの他方の空気抜き管10(船尾側の空気抜き管10)は、その上側端部12が、乾舷甲板5よりも上方、かつ、損傷後の最終平衡状態における最終水線W2より下方の範囲に開口している。即ち、他方の空気抜き管10の上側端部12は、乾舷甲板5と損傷後の最終平衡状態における最終水線W2との間に位置している。
【0028】
次に本実施形態に係る船舶1の作用について説明する。
船舶1が損傷を受けていない通常航行時においては、図1に示すように、乾舷甲板5よりも上方に開口する2つの空気抜き管10の上側端部12は、それぞれ満載喫水線W1よりも上方に位置している。したがって、空気抜き管10の上側端部12から該空気抜き管10内に海水(液体)が導入されることはなく、空気抜き管10は、該空気抜き管10としての役割を履行できる。
【0029】
一方、例えば船体2の外板が損傷を受けた場合には、該船体2の内部に徐々に浸水が進行し、最終的には図2に示すように、損傷後の最終平衡状態における最終水線W2まで船体2が沈み込んだ状態となる。この際、2つの空気抜き管10のうちの一方の空気抜き管10の上側端部12は、上記最終水線W2よりも上方に開口しているため、当該空気抜き管10の上側端部12から該空気抜き管10内に海水が導入されることはない。一方、2つの空気抜き管10のうちの他方の空気抜き管10の上側端部12は、上記最終水線W2よりも下方に開口しているため、当該空気抜き管10の上側端部12を介して該空気抜き管10内に海水が導入される。
【0030】
これによって、他方の空気抜き管10内に導入された海水は、該空気抜き管10を介して空間形成部6内の内部空間Aに導入される。また、これに伴って、空間形成部6内の内部空間A内に元々あった空気は、一方の空気抜き管10を介して、該空気抜き管10の上側端部12から船体2の側壁3の外側の空間、即ち、外部空間に排出される。これによって、内部空間Aから空気が排出されながら該内部空間Aに順次海水が導入されている。
【0031】
内部空間Aに海水が導入されると、該海水の重量によって船舶1の重心がより底部側に遷移していく。そして、このように重心が低くなると、一般に船舶1の復原性が高くなる。これによって、損傷時の船舶1の安全レベルを向上させることができる。
【0032】
ここで、一般の船舶では、複数の空気抜き管が設けられている場合、その上側端部の開口は全ての空気抜き管で同一高さに設定されている。したがって、この空気抜き管が水線以下となった場合であっても、いずれの空気抜き管からも海水が導入されようとする結果、代わりの空気を抜く経路が皆無となり、円滑に海水を導入して重心を低くすることができない。
【0033】
これに対して本実施形態では、2つの空気抜き管10の高さを互いに異ならせることで、一方の空気抜き管10を介して海水を内部空間Aに導入しながら、他方の空気抜き管10を介して内部空間Aに元々あった空気を外部空間に排出できる。これによって、円滑かつ迅速に内部空間A内に海水を導入することができ、その結果、船舶1の重心をいち早く下げて該船舶1の安全レベルを高めることができる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0035】
例えば第一変形例として、図3に示すような構成であってもよい。
この第一変形例では、船体2の内部に船首尾方向に離間して複数(第一変形例では2つ)の空間形成部6が設けられている。これにともなって、内部空間Aも船首尾方向に離間して複数(第一変形例では2つ)が形成されている。そして、2つの内部空間Aそれぞれに、該内部空間Aと外部空間とを接続する2つの空気抜き管10が設けられている。これによっても、実施形態同様、複数の内部空間Aそれぞれに円滑かつに海水を導入することができるため、船舶1の復原性を迅速に向上させることができる。
【0036】
なお、上側端部12の高さが異なる2つの空気抜き管10は、その下側端部11がそれぞれ同一の内部空間Aに連通していることが必要である。これによって、当該内部空間Aに海水を導入しながら該内部空間Aから空気を排出することができるため、迅速に船舶1の復原性を向上させることができる。
【0037】
また、例えば第二変形例として、図4に示す構成であってもよい。
実施形態では、2つの空気抜き管10の上側端部12がそれぞれ左舷の側壁3に開口していたのに対して、本変形例では、一方の空気抜き管10の上側端部12が左舷側の側壁3に開口し、他方の空気抜き管10の上側端部12が右舷側の側壁3に開口している。
これによっても実施形態同様、一方の空気抜き管10を介して空気を排出しながら他方の空気抜き管10を介して海水を導入することができるため、迅速に船舶1の復原性を向上させることができる。
【0038】
なお、実施形態及び各変形例では、一つの内部空間Aに対して2つの空気抜き管10が設けられた例について説明したが、これに限定されることはなく。3つ以上の複数の空気抜き管10が設けられていてもよい。この場合、3つ以上の複数の複数の空気抜き管10のうち、少なくとも2つの空気抜き管10の上側端部12の高さ位置が異なればよい。これによっても、実施形態同様、損傷時に迅速に船舶1の重心を下げることができる。
【0039】
また、実施形態及び変形例では、船体2の側壁3に空気抜き管10の上側端部12が開口した例を説明したが、該上側端部12は乾舷甲板5より上方であればいずれの箇所に開口していてもよい。例えば空気抜き管10の上側端部12が、乾舷甲板5上に開口していてもよいし、該乾舷甲板5より上側の甲板に開口していてもよい。しかしながら、2つの空気抜き管10のうちの他方の空気抜き管10、即ち、損傷時に海水が導入される空気抜き管10の上側端部12は、船体2の損傷時に浸水する箇所に開口していることが好ましい。これによって、損傷時に内部空間Aに確実に海水を導入することができる。
【0040】
さらに、実施形態及び変形例では、2つの空気抜き管10を介して内部空間Aへの海水の導入、該内部空間Aからの空気の排出を行う例について説明したが、空気抜き管10としての役割を有する構成のみならず、内部空間Aと外部空間とを連通させる管や孔等の連通管であればよい。したがって、既存の連通管を今回の発明に適用するのみならず、別途管や孔を形成することで連通管としての役割、即ち、内部空間Aへの海水の導入及び内部空間Aからの空気の排出を行わせてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 船舶
2 船体
3 側壁
4 船底
5 乾舷甲板
6 空間形成部
A 内部空間
10 空気抜き管(連通管)
11 下側端部
12 上側端部
W1 満載喫水線
W2 最終水線

図1
図2
図3
図4