(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記融通機構は、前記揺動アーム及び前記連結軸の一方に設けられた連結孔と、前記揺動アーム及び前記連結軸の他方に設けられて、前記連結孔に対して前記連結軸の軸芯に沿う方向にスライド可能に挿入された連結軸部とを備え、
左右の前記揺動アームの夫々が前記フィーダケースに支持された状態において、左右の前記揺動アームの一方又は両方において、前記連結孔の底と前記連結軸部の先端との間に隙間が形成されるように構成されている請求項1に記載の収穫機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の場合、連結軸(テンション軸)が揺動アーム(テンションアーム)に固定されている。左右の揺動アームを連結軸によって連結された状態でフィーダケース内に入れ込むときの左右の揺動アームの間隔が、左右の揺動アームをフィーダケースに連結した状態(左右の揺動アームがフィーダケースに支持される状態)における左右の揺動アームの間隔と同じになる。この結果、左右の揺動アームをフィーダケース内に入れようとすると、揺動アームがフィーダケースの内周面に突っ掛かりがちになる。
【0005】
本発明の目的は、上記した組付け方法によって左右の揺動アームをフィーダケースに容易に組付けることができる収穫機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による収穫機は、
圃場から収穫物を収穫し、収穫した収穫物を後方へ送り出す収穫部と、
前記収穫部からの収穫物を搬送するフィーダと、を備え、
前記フィーダは、フィーダケースと、前記フィーダケースの搬送始端側に設けられた始端側回転輪体と、前記フィーダケースの搬送終端側に設けられた終端側回転輪体と、前記始端側回転輪体と前記終端側回転輪体とに回動駆動可能に巻回された左右一対の無端回動搬送体と、左右の前記無端回動搬送体を張り操作するテンション機構とを備え、
前記テンション機構は、左右の前記無端回動搬送体を各別に張り操作する左右一対のテンション部材と、前記フィーダケースの内部において左右の前記テンション部材を各別に支持する左右一対の揺動アームと、左右の前記揺動アームを連動連結する連結軸とを備え、
左右の前記揺動アームの夫々と前記連結軸との間に、前記揺動アームが前記連結軸の軸芯方向に沿って移動するのを許容する融通機構が備えられている。
【0007】
本構成によると、融通機構が備えられているので、左右の揺動アームに連結軸が装着されている状態において、揺動アームを連結軸の軸芯方向に沿って移動させることができる。揺動アームを移動させることにより、左右の揺動アームが連結軸によって連結されている状態における左右の揺動アームの間隔を、左右の揺動アームがフィーダケースに支持されるときの間隔と、この間隔よりも狭い間隔との間で変更できる。
【0008】
つまり、左右の揺動アームの間隔を、揺動アームがフィーダケースに支持されるときの間隔よりも狭い間隔にし、この状態で、左右の揺動アームをフィーダケースに入り込ませる。左右の揺動アームがフィーダケース内の所定位置に至ると、左右の揺動アームの間隔を揺動アームがフィーダケースに支持させるための間隔に変更し、左右の揺動アームをフィーダケースに連結不良が無い状態で支持させることができる。従って、揺動アームがフィーダケースに突っ掛からない状態で左右の揺動アームをフィーダケースに入り込ませて、テンション機構をフィーダケースに容易に組み付けることができる。
【0009】
本発明においては、前記融通機構は、前記揺動アーム及び前記連結軸の一方に設けられた連結孔と、前記揺動アーム及び前記連結軸の他方に設けられて、前記連結孔に対して前記連結軸の軸芯に沿う方向にスライド可能に挿入された連結軸部とを備え、左右の前記揺動アームの夫々が前記フィーダケースに支持された状態において、左右の前記揺動アームの一方又は両方において、前記連結孔の底と前記連結軸部の先端との間に隙間が形成されるように構成されていると好適である。
【0010】
本構成によれば、融通機構を構造簡単に得ることができる。すなわち、揺動アームに対して連結軸がスライドする機能を活用して融通を得ることができる。
【0011】
本発明においては、前記連結孔は、左右の前記揺動アームの夫々に設けられ、前記連結軸部は、前記連結軸に設けられていると好適である。
【0012】
連結孔を連結軸に設けた場合、連結軸の強度低下を防止するために、連結軸のうちの連結孔を備える部分を太くする必要が生じる。すると、連結軸の形状が複雑になる。本構成によれば、揺動アームのうちの連結軸が連結する部分に連結孔を設けるだけで良く、簡単な構造で済む。
【0013】
本発明においては、左右の前記揺動アームの夫々に、前記テンション部材を回転可能に支持する支軸部が備えられ、前記連結孔は、前記支軸部に設けられていると好適である。
【0014】
本構成によれば、テンション部材を回転可能に支持する機能と、連結軸をスライド可能に支持する機能とを支軸部に纏めてコンパクトに揺動アームに備えることができる。
【0015】
本発明においては、左右の前記テンション部材に亘って位置して、前記連結軸を覆う筒状のカバーが備えられていると好適である。
【0016】
本構成によれば、連結軸へのワラ屑などの巻き付きをカバーによって防止できる。
【0017】
本発明においては、前記カバーは、径方向に複数の分割カバー体に分割可能に構成され、複数の前記分割カバー体の夫々の内周面に、内側向きに突出するリブが周方向に亘って設けられ、前記リブに、前記分割カバー体を連結する連結部が形成され、前記リブは、前記テンション部材に対して前記連結軸の軸芯に沿う方向に当接して前記カバーのスライドを規制するように構成されていると好適である。
【0018】
本構成によれば、カバーを連結軸に嵌め易いように分割カバー体に分割できるものでありながら、かつカバーにテンション部材との当接によるスライド規制の機能を備えるものでありながら、カバーの変形を回避し易い。
すなわち、優れた強度を備えるリブどうしの連結によって分割カバー体を連結するので、分割カバー体を強固に連結できる。優れた強度を備えるリブのテンション部材に対する当接によってカバーのスライド規制をするので、スライド規制の当接反力による変化が生じ難い。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の実施例に係る収穫機をコンバインに適用した場合について説明する。
図1は、コンバインの全体を示す側面図である。
図2は、コンバインの全体を示す平面図である。
図1,2に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下部に左右一対のクローラ走行装置2が駆動可能に装備された走行機体を備えている。走行機体の前部に運転部3が設けられている。走行機体の後部に脱穀装置4及び穀粒タンク5が設けられている。脱穀装置4と穀粒タンク5とは、走行機体の横方向に並んでいる。脱穀装置4の前部からフィーダ6が機体前方向きに延出されている。フィーダ6の延出端部に収穫部7が連結されている。走行機体における運転部3の下方の箇所にエンジン8が設けられている。このエンジン8の出力をクローラ走行装置2、脱穀装置4、フィーダ6及び収穫部7に伝達するよう構成されている。
【0021】
フィーダ6は、脱穀装置4に上下揺動可能に支持されている。フィーダ6を昇降シリンダ9によって上下に揺動操作することで、収穫部7を刈取装置10が圃場面の近くに位置した状態の下降作業姿勢と、刈取装置10が圃場面から上方に離れた状態の上昇非作業姿勢とに昇降操作できる。
【0022】
コンバインは、収穫部7を下降作業姿勢にした状態で走行機体を走行させることにより、稲、麦などの収穫作業を行なう。
【0023】
収穫部7は、植立穀稈を刈取り、刈取穀稈を後方に送り出す。収穫部7は、具体的には、
図1,2に示す如く構成されている。
【0024】
収穫部7は、収穫部フレーム11を備えている。収穫部フレーム11は、後端部でフィーダ6の前端部に連結されている。収穫部フレーム11の底部に搬送デッキ12が設けられている。搬送デッキ12の前端部に刈取装置10が装備されている。収穫部フレーム11の前端部に左右一対のデバイダ13が設けられている。刈取装置10の上方に掻込み回転リール14が設けられている。搬送デッキ12の上方に横送りオーガ15及び回転搬送体16が設けられている。
【0025】
走行機体の前方に位置する植立穀稈のうちの刈取り対象の植立穀稈が左右のデバイダ13によって収穫部フレーム11の内部に導入される。導入された植立穀稈の穂先側が掻込み回転リール14によって後方に掻き込まれる。導入された植立穀稈の株元が刈取装置10によって切断されて、植立穀稈の刈取りが行われる。刈取穀稈が横送りオーガ15によって回転搬送体16に供給され、回転搬送体16によって収穫部7の後方へ送り出される。
【0026】
回転搬送体16は、具体的には、次の如く構成されている。
回転搬送体16は、回転ドラム16aと、複数本の掻送りアーム16bとを備えている。回転ドラム16aは、横送りオーガ15の回転ドラムに一体形成されている。複数本の掻送りアーム16bは、回転ドラム16aの周方向、及び、回転ドラム16aの回転軸芯に沿う方向に分散した複数箇所に分散している。各掻送りアーム16bは、回転ドラム16aと共に回転する。各掻送りアーム16bは、回転に伴い、回転ドラム16aに対して回転ドラム16aの径方向に往復スライドする状態に駆動される。つまり、掻送りアーム16bが回転ドラム16aの前部及び下部に位置したとき、掻送りアーム16bの回転ドラム外への突出長さが長くなり、掻送りアーム16bが回転ドラム16aの後部に位置したとき、掻送りアーム16bの回転ドラム外への突出長さが短くなる。
【0027】
図3に示すように、収穫部フレーム11における後壁部に送出口17が形成されている。送出口17は、回転搬送体16に対向している。回転搬送体16は、横送りオーガ15によって回転駆動される。回転搬送体16に供給された刈取穀稈が各掻送りアーム16bによる掻き送りによって搬送デッキ12に沿わせて搬送され、送出口17から後方へ送り出される。
【0028】
回転搬送体16からの刈取穀稈の株元から穂先までの全体がフィーダ6によって後方に搬送されて脱穀装置4に供給される。脱穀装置4は、供給された刈取穀稈の株元から穂先までの全体を扱室(図示せず)に導入して回動する扱胴(図示せず)によって脱穀処理する。脱穀装置4は、脱穀処理によって得た穀粒をワラ屑などの塵埃と分離させる選別処理を行なう。選別処理後の穀粒が脱穀装置4から穀粒タンク5へ搬送され、穀粒タンク5に貯留される。穀粒タンク5には、排出オーガ5aが備えられている。穀粒タンク5に貯留された穀粒を排出オーガ5aによって取出すことができる。
【0029】
フィーダ6について説明する。
図3は、フィーダ6を示す縦断側面図である。
図4は、フィーダ6を示す横断平面図である。
図3,4に示すように、フィーダ6は、フィーダケース20と、左右一対の無端回動搬送体21とを備えている。
【0030】
フィーダケース20は、底板部20aと、左右一対の側板部20bと、天板部20cとを備えている。左の側板部20bは、底板部20aの左端側と天板部20cの左端側とに亘って連結されている。右の側板部20bは、底板部20aの右端側と天板部20cの右端側とに亘って連結されている。底板部20aは、ステンレス鋼板によって構成されている。左右の側板部20b及び天板部20cは、鉄板によって構成されている。フィーダケース20は、筒状に構成されている。フィーダケース20の搬送始端側(前端側)には、穀稈導入口6Fが形成されている。穀稈導入口6Fは、収穫部7の送出口17に連通している。フィーダケース20の搬送終端側(後端側)には、穀稈送出口6Rが形成されている。穀稈送出口6Rは、脱穀装置4の内部に連通している。天板部20cのうちの搬送終端側の部分に点検口95が設けられている。点検口95は、蓋体96を脱着することによって開閉できる。
【0031】
天板部20cの側面視形状は、
図3に示す形状に形成されている。
天板部20cのうちの後述するテンション部材31の上方に位置する部位と底板部20aとの間隔をDMとし、天板部20cのうちのテンション部材31よりも搬送始端側に位置する部位と底板部20aとの間隔をDFとし、天板部20cのうちのテンション部材31よりも搬送終端側に位置する部位と底板部20aとの間隔をDRとする。天板部20cの側面視形状は、DMがDF及びDRよりも広くなるように上方に膨出する形状に形成されている。
【0032】
フィーダケース20の搬送始端側の内部に、始端側回転輪体23が設けられている。フィーダケース20の搬送終端側の内部に、終端側回転輪体24が設けられている。始端側回転輪体23及び終端側回転輪体24は、機体横方向に沿った回転軸芯まわりに回転するように左右の側板部20bに支持されている。始端側回転輪体23と終端側回転輪体24とに左右一対の無端回動搬送体21が巻回されている。
【0033】
始端側回転輪体23は、回転可能であるが、後述する支持構造を介して左右の側板部20bの所定位置に固定されている。フィーダケース20における始端側回転輪体23の取付位置は、後述するテンション機構30による左右の無端回動搬送体21の張り操作にかかわらず変化しない。
【0034】
終端側回転輪体24は、左右一対の支持筒25を介して左右の側板部20bに支持されている。左右の支持筒25は、側板部20bに固定されており、終端側回転輪体24は、回転可能であるが、左右の側板部20bの所定位置に固定されている。フィーダケース20における終端側回転輪体24の取付位置は、後述するテンション機構30による左右の無端回動搬送体21の張り操作にかかわらず変化しない。
【0035】
図4,5に示すように、終端側回転輪体24は、駆動軸24aと、左右一対のスプロケット24bとを備えている。左右のスプロケット24bは、駆動軸24aに相対回転不能に支持されている。駆動軸24aは、左右の支持筒25に回転可能に支持されている。駆動軸24aのうちのフィーダケース20の外部に位置する部位にベルトプーリ27が相対回転不能に設けられている。図示しないが、ベルトプーリ27には、エンジン8からの駆動力を伝達するよう構成されている。
【0036】
左右一対の無端回動搬送体21は、無端回動チェーンによって構成されている。左の無端回動搬送体21は、始端側回転輪体23と、左のスプロケット24bとに巻回されている。右の無端回動搬送体21は、始端側回転輪体23と、右のスプロケット24bとに巻回されている。無端回動搬送体21の長手方向(回動方向)における複数個所において、左右の無端回動搬送体21に亘って搬送スラット29が取り付けられている。
【0037】
フィーダ6は、次の如き作用により、回転搬送体16からの刈取穀稈を脱穀装置4に供給する。
終端側回転輪体24がベルトプーリ27によって駆動され、左右の無端回動搬送体21がスプロケット24bによって回動方向F(
図3参照)に回動駆動される。搬送スラット29は、始端側回転輪体23において、始端側回転輪体23の上側から下側へ下降移送される。下降移送される搬送スラット29は、刈取穀稈に対して掻込み作用する。回転搬送体16からの刈取穀稈が、穀稈導入口6Fにおいて、搬送スラット29によって無端回動搬送体21と底板部20aとの間に掻き込まれる。掻き込まれた刈取穀稈は、左右の無端回動搬送体21の搬送スラット29を介しての搬送作用により、底板部20aに沿わせて後方に搬送される。搬送スラット29は、終端側回転輪体24において、終端側回転輪体24の下側から上側へ上昇移送される。上昇移送される搬送スラット29は、刈取穀稈に対して送り出し作用する。搬送終端部まで搬送された刈取穀稈が、搬送スラット29によって穀稈送出口6Rから後方に送り出されて脱穀装置4に供給される。
【0038】
左右の支持筒25に連結部材26が相対回転可能に装着されている。左右の連結部材26は、脱穀装置4に連結されて、フィーダ6を脱穀装置4に上下揺動可能に支持させるものである。駆動軸24aのフィーダケース20の外部に位置する部位にスプロケット28が相対回転不能に設けられている。このスプロケット28は、駆動軸24aの駆動力を収穫部7に伝達するものである。左右の支持筒25は、フィーダケース20の内部において、連結体69によって補強部材70に連結されている。補強部材70は、左右の側板部20bにわたって横架されている。左右の連結体69の後端側にスクレーパ部69aが設けられている。スプロケット24bに付着したワラ屑などをスクレーパ部69aによって除去できる。左右の連結部材26及び左右の支持筒25にグリスニップル68が設けられている。連結部材26のグリスニップル68は、連結部材26と支持筒25との間にグリス供給するものである。左の支持筒25のグリスニップル68は、ベルトプーリ27のボス部と支持筒25との間のグリス溜りにグリス供給するものである。右の支持筒25のグリスニップル68は、スプロケット28のボス部と支持筒25との間のグリス溜りにグリス供給するものである。
【0039】
図5に示すように、左右の側板部20bの夫々の外面側に、補強部材91,92,93が設けられている。補強部材91は、側板部20bの補強部材70よりも前側に位置する部分と、側板部20bの支持筒25が連結されている部分とにわたっている。補強部材91の前端部に位置する補強部分91aは、横断面形状がU字形状となるように構成されている。この補強部分91aは、フィーダケース20の上下方向に沿って延びている。補強部材92及び補強部材93は、フィーダケース20の前後方向に沿って延びている。補強部材92は、補強部分91aと補強部材70とに連結されている。補強部材93は、補強部材70の後端部と支持筒25の基部とに連結されている。ベルトプーリ27が位置する方の支持筒25がフィーダケース20から長く突出しているが、殊にこの支持筒25がフィーダケース20に強固に支持されるように、補強部材91,92,93によって効果的に補強できる。
【0040】
図3,4に示すように、フィーダケース20に、テンション機構30が装備されている。テンション機構30は、左右一対のテンション部材31を備えている。左右のテンション部材31は、始端側回転輪体23と終端側回転輪体24との間に位置している。左右のテンション部材31は、左右の無端回動搬送体21に各別に作用するように位置している。テンション機構30によって左右の無端回動搬送体21を始端側回転輪体23と終端側回転輪体24との間において張り操作できる。
【0041】
テンション機構30は、左右一対のスプリング32を備えている。左のスプリング32によって左のテンション部材31を左の無端回動搬送体21に押圧付勢するよう構成されている。右のスプリング32によって右のテンション部材31を右の無端回動搬送体21に押圧付勢するよう構成されている。左右の無端回動搬送体21に弛みが発生しても、テンション機構30によって弛みを自動的に解消できる。
【0042】
テンション機構30は、具体的には、
図3,4,6,7に示す如く構成されている。
左右のテンション部材31は、左右一対の揺動アーム33に各別に支持されている。左右の揺動アーム33は、フィーダケース20の内部に位置している。左の揺動アーム33の基部は、フィーダケース20の左の側板部20bに支軸34を介して回転可能に支持されている。右の揺動アーム33の基部は、フィーダケース20の右の側板部20bに支軸34を介して回転可能に支持されている。左のテンション部材31は、これの揺動アーム33が支軸34を揺動支点として側板部20bに対して上昇揺動操作されることにより、左の無端回動搬送体21のうち、終端側回転輪体24から始端側回転輪体23へ戻り移動する部分を下方から押圧操作する。右のテンション部材31は、これの揺動アーム33が支軸34を揺動支点として側板部20bに対して上昇揺動操作されることにより、右の無端回動搬送体21のうち、終端側回転輪体24から始端側回転輪体23へ戻り移動する部分を下方から押圧操作する。
【0043】
左右のスプリング32は、フィーダケース20の外部に位置している。左のスプリング32の付勢力が連動機構35によって左の揺動アーム33に伝達されて、左の揺動アーム33が左のスプリング32によって上昇側に揺動付勢されるよう構成されている。これにより、左のテンション部材31が左のスプリング32によって左の無端回動搬送体21に押圧付勢される。右のスプリング32の付勢力が連動機構35によって右の揺動アーム33に伝達されて、左の揺動アーム33が右のスプリング32によって上昇側に揺動付勢されるよう構成されている。これにより、右のテンション部材31が右のスプリング32によって右の無端回動搬送体21に押圧付勢される。
【0044】
図6,7,8に示すように、左右の連動機構35は、操作軸36及び連動軸37を備えている。操作軸36は、揺動アーム33に固定されている。操作軸36の先端側は、側板部20b及び補強部材38の貫通孔39を通ってフィーダケース20の外部に出ている。貫通孔39は、揺動アーム33の揺動支点を中心とした円弧形状に形成されている。連動軸37は、スプリング受け体40の支持孔に上下スライド可能に支持されている。連動軸37の下端側が、スプリング受け体40の下方で、連結部材41を介して操作軸36の先端側に連結されている。連結部材41と操作軸36とは、相対回転可能に連結されている。スプリング32がスプリング受け体40の上方において、連動軸37に装着されている。連動軸37の上端側の部位に付勢力調節ネジ42が装着されている。付勢力調節ネジ42と、スプリング32の上端との間にカラー43が介装されている。スプリング32の下端とスプリング受け体40との間にカラー43及びカラー44が介装されている。カラー43及びカラー44は、連動軸37にスライド可能に外嵌されている。カラー43は、鉄製である。カラー44は、樹脂製である。スプリング32の内側に牽制カラー45が設けられている。牽制カラー45は、無端回動搬送体21の逆転駆動時にスプリング32が最圧縮長まで圧縮されないように、スプリング32の圧縮を規制するものである。スプリング受け体40は、補強部材38を介して側板部20bに固定されている。操作軸36にカラー46が装着されている。
【0045】
スプリング32の下端側がカラー43及びカラー44を介してスプリング受け体40によって受け止め支持され、スプリング32は、スプリング受け体40を反力部材とし、カラー43を介して付勢力調節ネジ42に弾性復元力を作用させる。これにより、連動軸37がスプリング32によって上昇付勢され、操作軸36が連動軸37によって連結部材41を介して上昇付勢される。従って、左右の連動機構35の夫々は、スプリング32の付勢力を揺動アーム33に伝達し、テンション部材31がスプリング32によって無端回動搬送体21に押圧付勢されることを可能にする。
【0046】
円弧形の貫通孔39の長さは、無端回動搬送体21を張り状態にする作用位置と、無端回動搬送体21を弛み状態にする作用解除位置とに亘ってテンション部材31を移動させることが可能な長さに設定されている。
【0047】
左右の揺動アーム33の夫々に、支軸部33aを設けてある。左右の揺動アーム33は、支軸部33aによってテンション部材31を支持するよう構成されている。操作軸36は、揺動アーム33のうちの支軸34と支軸部33aとの間の部位に設けられている。つまり、左右のスプリング32は、揺動アーム33のうちの揺動支点としての支軸34と、テンション部材31を支持する支持点としての支軸部33aとの間の部位に作用する。
【0048】
左右のテンション部材31は、金属製の回転輪体によって構成されている。左右のテンション部材31は、支軸部33aにベアリングを介して回転可能に支持されている。
【0049】
図6に示すように、左右の揺動アーム33に亘って連結軸50が取付けられている。左右の揺動アーム33が一体に揺動するように連結軸50によって連動連結されている。
【0050】
図4,6に示すように、連結軸50をカバー63によって覆い、連結軸50へのワラ屑などの巻き付きがカバー63によって防止されるよう構成されている。カバー63は、左右のテンション部材31に亘って位置している。
【0051】
図6に示すように、左右の揺動アーム33の夫々と連結軸50との間に第1の融通機構71が備えられている。左右のテンション部材31の夫々とカバー63との間に第2の融通機構72が備えられている。左の揺動アーム33が連結軸50の軸芯方向に沿って移動することを左の第1の融通機構71が許容するように構成されている。右の揺動アーム33が連結軸50の軸芯方向に沿って移動することを右の第1の融通機構71が許容するように構成されている。左のテンション部材31が連結軸50の軸芯方向に沿って移動することを左の第2の融通機構72が許容するように構成されている。右のテンション部材31が連結軸50の軸芯方向に沿って移動することを右の第2の融通機構72が許容するよう構成されている。
【0052】
左右の第1の融通機構71及び左右の第2の融通機構72の作用により、連結軸50及びカバー63を取り付けた状態の左右の揺動アーム33の間隔を、組付け用間隔A(
図9参照)と、組付け用間隔Aよりも狭い嵌込み用間隔B(
図9参照)とに亘って変更でき、左右の揺動アーム33を、例えば、
図9に示す組付け方法によってフィーダケース20に組み付けることができる。
【0053】
すなわち、
図9(a)に示すように、連結軸50及びカバー63を取り付けた状態の左右の揺動アーム33を寄り合う側に移動操作する。左右の揺動アーム33の間隔が嵌込み用間隔Bになると、この状態で、左右の揺動アーム33を穀稈導入口6Fからフィーダケース20の内部に入り込ませる。このとき、左右の揺動アーム33の間隔が組付け用間隔Aよりも狭いことにより、左右の揺動アーム33がフィーダケース20の内周面に突っ掛からない。
【0054】
図9(b)に示すように、左右の揺動アーム33が所定の組付け位置に至ると、左右の揺動アーム33を離れ合う側に移動操作する。左右の揺動アーム33の間隔が組付け用間隔Aになると、左の揺動アーム33を左の側板部20bに連結して揺動可能に支持させ、右の揺動アーム33を右の側板部20bに連結して揺動可能に支持させる。
【0055】
左右の第1の融通機構71は、具体的には、
図6に示す如く構成されている。
左右の第1の融通機構71は、連結孔73と連結軸部74とを備えている。連結孔73は、揺動アーム33の支軸部33aに設けられている。連結軸部74は、連結軸50の端部に設けられている。連結軸部74は、連結軸50に一体形成されている。
【0056】
連結軸部74が連結孔73に対して連結軸50の軸芯方向に沿ってスライド可能に入り込むように構成してある。左右の揺動アーム33の夫々がフィーダケース20の側板部20bに支持された状態において、連結軸50が中間位置に位置する場合、左右の揺動アーム33の両方において、連結孔73の底73aと連結軸部74の先端74a〔
図9(b)参照〕との間に隙間Sが形成される。左右の揺動アーム33の夫々がフィーダケース20の側板部20bに支持された状態において、連結軸50が左の揺動アーム33へ限界まで寄った場合、右の揺動アーム33において、連結孔73の底73aと連結軸部74の先端74aとの間に隙間Sが形成される。左右の揺動アーム33の夫々がフィーダケース20の側板部20bに支持された状態において、連結軸50が右の揺動アーム33へ限界まで寄った場合、左の揺動アーム33において、連結孔73の底73aと連結軸部74の先端74aとの間に隙間Sが形成される。連結軸50が左又は右の揺動アーム33へ限界まで寄った場合の連結孔73の底73aと連結軸部74の先端74aとの間の隙間Sは、連結軸50が中間位置に位置する場合の連結孔73の底73aと連結軸部74の先端74aとの間の隙間Sよりも広くなる。
【0057】
左右の第1の融通機構71は、連結軸部74の連結孔73へのスライド可能な入り込みにより、連結軸50と揺動アーム33との連結を可能にしつつ、揺動アーム33の連結軸50の軸芯方向に沿った移動を許容する。左右の揺動アーム33の夫々が側板部20bに支持された状態において、左右の揺動アーム33の一方又は両方において連結孔73の底と連結軸部74の先端74aとの間に隙間Sが形成されることにより、左右の揺動アーム33を寄り合うように移動させて、左右の揺動アーム33の間隔を組付け用間隔Aよりも狭い嵌込み用間隔Bにすることを可能にする。
【0058】
左右の揺動アーム33をフィーダケース20の内部に入れ込むとき、連結軸部74の先端74aが連結孔73の底73aに突き当たる。これにより、左右の揺動アーム33を連結軸50の軸芯に沿う方向にずれ動かないように安定的に支持することができ、左右の揺動アーム33をフィーダケース20の内部に入れ込み易い。
【0059】
左右の第2の融通機構72は、
図6に示す如く構成されている。
カバー63の左右の端部がテンション部材31の端部に外嵌されている。カバー63の内周面の三箇所にリブ64が設けられている。三箇所のリブ64のうちの両端のリブ64に、横スライド規制部65が設けられている。左右の揺動アーム33が側板部20bに支持される状態において、横スライド規制部65とテンション部材31の端面との間に隙間72aが形成されるよう構成されている。左右の第2の融通機構72は、横スライド規制部65とテンション部材31との隙間72aによって構成されている。
【0060】
図6,10に示すように、カバー63は、二つの分割カバー体63Aに分割可能に構成されている。二つの分割カバー体63Aの夫々は、カバー63を二箇所の割面で径方向に分割した形状に形成されている。二箇所の割面は、カバー63の周方向に等間隔を隔てて並んでいる。二つの分割カバー体63Aの夫々は、樹脂材の成型によって作製されている。
【0061】
二つの分割カバー体63Aの夫々の内周面の三箇所に、リブ64aが設けられている。各リブ64aは、分割カバー体63Aの内周面から内側向きに突出し、かつ、分割カバー体63Aの周方向に亘っている。二つの分割カバー体63Aを接合させると、一方の分割カバー体63Aの三つのリブ64aと、他方の分割カバー体63Aの三つのリブ64aとは、夫々の一つずつが連なり合う状態になる。連なり合った一方の分割カバー体63aのリブ64aと、他方の分割カバー体63Aのリブ64aとによってカバー全体における三つのリブ64のうちの一つのリブ64が構成される。
【0062】
各分割カバー体63Aにおける三つのリブ64aの夫々の両端部に連結部66が形成されている。一方の分割カバー体63Aの各連結部66にボルト孔が設けられている。他方の分割カバー体63Aの各連結部66にナット部材67aが設けられている。連なり合った一対のリブ64aの一端部どうしの連結部66が連結ネジ67bによって連結し、連なり合った一対のリブ64aの他端部どうしの連結部66が連結ネジ67bによって連結することにより、二つの分割カバー体63Aを連結できる。
【0063】
カバー63の三つのリブ64のうちの両横端のリブ64の夫々に横スライド規制部65が設けられている。カバー63の横スライドが横端のリブ64によって規制されるよう構成されている。
【0064】
すなわち、各分割カバー体63Aの両端のリブ64aに、横スライド規制部65aが設けられている。横スライド規制部65aは、リブ64aの全長に亘っている。二つの分割カバー体63Aが連結され、分割カバー体63Aの横端どうしのリブ64aが連なり合うと、連なり合ったリブ64aの夫々の横スライド規制部65aが連なり合う。連なり合った一方の分割カバー体63Aの横スライド規制部65aと、他方の分割カバー体63Aの横スライド規制部65aとによってカバー全体における一つの横スライド規制部65が構成される。
【0065】
カバー63が横スライドしようとすると、横端のリブ64の横スライド規制部65がテンション部材31に対して連結軸50の軸芯に沿う方向に当接し、カバー63が隙間72aの長さを超えて横スライドしない。
【0066】
図4に示すように、終端側回転輪体24に筒状のカバー80が装着されている。カバー80は、駆動軸24aのうちの左右のスプロケット24bの間の箇所を覆っている。カバー80は、左右のスプロケット24bの支持部24cに外嵌して支持されている。駆動軸24aへのワラ屑などの巻き付きがカバー63によって防止される。
【0067】
図12は、分割状態のカバー80を示す斜視図である。
図4,5,12に示すように、カバー80は、四つの分割カバー体81,82,83,84によって構成されている。
【0068】
四つ分割カバー体81,82,83,84のうちの第1分割カバー体81は、カバー80を二箇所の割面85で径方向に二つのカバー部分に分割したその二つのカバー部分の一方を形成するよう構成されている。四つの分割カバー体81,82,83,84のうちの第2分割カバー体82、第3分割カバー体83及び第4分割カバー体84の夫々は、カバー80のうちの第1分割カバー体81を除く部分を二箇所の割面86でカバー80の軸芯に沿う方向に三つのカバー部分に分割したその三つのカバー部分の一つを形成するよう構成されている。第3分割カバー体83が第2分割カバー体82と第4分割カバー体84との間に位置し、第2分割カバー体82が左のスプロケット24bと第3分割カバー体83との間に位置し、第4分割カバー体84が右のスプロケット24bと第3分割カバー体83との間に位置する配置状態で第2、第3、第4分割カバー体82,83,84を第1分割カバー体81に連結するよう構成されている。第2分割カバー体82及び第4分割カバー体84のカバー80の軸芯に沿う方向の長さは、同じ長さに設定されている。
【0069】
第1分割カバー体81の内周面の四箇所と、第2分割カバー体82の内周面の一箇所と、第3分割カバー体83の内周面の二箇所と、第4分割カバー体84の内周面の一箇所との夫々に、リブ87が内側向きに突設されている。第1、第2、第3、第4分割カバー体81〜84のリブ87は、分割カバー体の周方向に沿っている。第1、第2、第3、第4分割カバー体81〜84のリブ87の両端部に連結部88が形成されている。
【0070】
第1分割カバー体81と第2分割カバー体82とを接合させると、第1分割カバー体81の左端のリブ87と、第2分割カバー体82のリブ87とが連なり合い、両リブ87の両端部において、両リブ87の連結部88が符合する。符合し合った連結部88を連結ネジ89によって連結することにより、第1分割カバー体81と第2分割カバー体82とを連結できる。
【0071】
第1分割カバー体81と第3分割カバー体83とを接合させると、第1分割カバー体81の内側二つリブ87と、第3分割カバー体83の二つのリブ87は、一つずつが連なり合う状態になり、連なり合ったリブ87の両端部にいて、両リブ87の連結部88が符合する。符合し合った連結部88を連結ネジ89によって連結することにより、第1分割カバー体81と第3分割カバー体82とを連結できる。
【0072】
第1分割カバー体81と第4分割カバー体82とを接合させると、第1分割カバー体81の右端のリブ87と、第4分割カバー体82のリブ87とが連なり合い、両リブ87の両端部において、両リブ87の連結部88が符合する。符合し合った連結部88を連結ネジ89によって連結することにより、第1分割カバー体81と第4分割カバー体82とを連結できる。
【0073】
第2分割カバー体82と第3分割カバー体83との端部どうし、及び、第3分割カバー体83と第4分割カバー体84との端部どうしは、
図5に示す如く一方の端部と他方の端部とがカバー80の径方向に重なり合う状態の係合構造によって連結される。
【0074】
始端側回転輪体23は、
図4,6,7,11に示す支持構造に基づいてフィーダケース20に支持されている。
フィーダケース20における左右の側板部20bの夫々の内面側に支持部材52が設けられている。始端側回転輪体23の支軸23aが左右の支持部材52に回転可能に支持されている。
【0075】
左の側板部20bが位置する側において、側板部20bの外面側のうちの支持部材52に対応する部位に補強部材53が固定されている。左の支持部材52は、刈取穀稈の搬送方向に並ぶ三つの連結ボルト54,55,55aによって側板部20bに締め付け固定するよう構成されている。三つの連結ボルト54,55,55aのうちの一つの連結ボルト54を装着するように支持部材52、側板部20b及び補強部材53に形成されたボルト孔56は、丸孔形状に形成されている。三つの連結ボルト54,55,55aのうちの残りの二つの連結ボルト55,55aを装着するように支持部材52に形成されたボルト孔57は、丸孔形状に形成されている。三つの連結ボルト54,55,55aのうちの残りの二つの連結ボルト55,55aを装着するように側板部20b及び補強部材53に形成されたボルト孔58は、刈取穀稈の搬送方向に長い形状(長孔形状)に形成されている。一つの連結ボルト54としては、最前の連結ボルトが設定されている。
【0076】
二つの連結ボルト55,55aのうちの一方の連結ボルト55aとネジ受け部材59とに亘って操作ネジ軸60が装着されている。操作ネジ軸60と連結ボルト55aとは、連結部材61を介して連結されている。連結部材61と連結ボルト55aとは、相対回転可能に連結されている。ネジ受け部材59は、補強部材53に取付けられ、補強部材53を介して側板部22bに固定されている。
【0077】
右の支持部材52と右の側板部20bとの連結構造には、左の支持部材52と左の側板部20bとの連結構造と同じ構成が備えられている。
【0078】
通常時は、左右の支持部材52を三つの連結ボルト54,55,55aによって側板部20bに締め付け連結しておく。つまり、通常時は、始端側回転輪体23を位置させるべきフィーダケース20の所定位置が連結ボルト54による位置決めによって設定され、この所定位置に始端側回転輪体23が固定される。これにより、テンション機構30によって無端回動搬送体21に付与される無端回動搬送体21の張力にかかわらず、フィーダケース20に対する始端側回転輪体23の位置ずれが生じない。
【0079】
左右両側において、連結ボルト54を取外して、かつ、二つの連結ボルト55,55aを弛み状態にして、支持部材52の側板部20bに対する固定を解除する。この状態において、操作ネジ軸60を回転操作することにより、二つの連結ボルト55,55aのうちの一方の連結ボルト55aを操作ネジ軸60と支持部材52との連動用に利用し、操作ネジ軸60によって連結部材61及び連結ボルト55aを介して支持部材52を後方にスライド移動させ、始端側回転輪体23を所定位置から終端側回転輪体24の方(後方)へ移動させることができる。すなわち、一つの連結ボルト54を取り外せば、二つの連結ボルト55,55aは、取り外さずに弛めるだけで、始端側回転輪体23を所定位置から終端側回転輪体24の方へ移動させ、無端回動搬送体21を張り状態から弛み状態に切換えることができる。この後、操作ネジ軸60を逆回転方向に回転操作して支持部材52を前方に戻し操作し、連結ボルト54を装着して締め付け操作し、二つ連結ボルト55,55aを締め付け状態に戻せば、始端側回転輪体23を連結ボルト54の位置決め作用によってフィーダケース20の所定位置に位置させて固定できる。
【0081】
(1)上記した実施形態では、カバー63を装着した状態で揺動アーム33を穀稈導入口6Fからフィーダケース20に入れ込む例を示したが、点検口から入れ込む組付け方法を採用してもよい。この場合、揺動アーム33を組み付ける際、カバー63を装着しておかず、揺動アーム33を組み付けた後に、カバー63を装着してもよい。
【0082】
(2)上記した実施形態では、無端回動搬送体21をチェーンによって構成した例を示したが、ベルト等によって構成して実施してもよい。
【0083】
(3)上記した実施形態では、金属製のテンション部材31を採用した例を示したが、樹脂製のテンション部材を採用して実施してもよい。
【0084】
(4)上記した実施形態では、テンション部材31をスプリング32によって無端回動搬送体21に押圧付勢するよう構成した例を示したが、スプリングを備えず、手動による調節操作によってテンション部材31を無端回動搬送体21に押圧させるように構成して実施してもよい。
【0085】
(5)上記した実施形態では、支軸部33aに連結孔73を設けた例を示したが、揺動アーム33のうちの揺動支点と、テンション部材31を支持する支持点との間に設けて実施してもよい。
【0086】
(6)上記した実施形態では、揺動アーム33に連結孔73を設け、連結軸50に連結軸部74を設けた例を示したが、連結軸50に連結孔73を設け、揺動アーム33に連結軸部74を設けて実施してもよい。
【0087】
(7)上記した実施例では、連結孔73に底73aを備えた例を示したが、底が無い連結孔を採用して実施してもよい。
【0088】
(8)上記した実施形態では、連結軸50を覆うカバー63を設けた例を示した、カバー63を設けないで実施してもよい。
【0089】
(9)上記した実施形態では、カバー63を二つの分割カバー体63Aによって構成した例を示したが、三つ以上の分割カバー体によって構成して実施してもよい。
【0090】
(10)上記した実施形態では、クローラ走行装置2を備えた例を示した、クローラ走行装置2に代えて車輪を備えて実施してもよい。