(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1デバイスは、前記第1時点の前記インデックスの前記値と、前記第2時点の前記インデックスの前記値との間の差に少なくとも部分的に基づいて、前記第2時点の前記資産の前記価値を決定する、請求項1に記載のシステム。
前記第2デバイスは、前記第2時点の前記資産の前記価値に少なくとも部分的に基づいて、前記第2時点の口座の価値を決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
前記第1デバイスは、前記第2時点の前記インデックスの前記値と前記調整値との積に基づいて、前記第2時点の前記マルチプライヤファンドの前記価値を計算するように構成される、請求項1に記載のシステム。
前記決定は、前記第1時点の前記インデックスの前記値と前記第2時点の前記インデックスの前記値との間の差に少なくとも部分的に基づいて、変化率の値を決定することを含む、請求項16に記載の持続性のプロセッサ可読媒体。
前記コードは、前記プロセッサに、前記マルチプライヤファンドの前記価値に少なくとも部分的に基づいて取引量を決定させるように構成された命令をさらに表す、請求項16に記載の持続性のプロセッサ可読媒体。
前記コードは、前記プロセッサに、前記マルチプライヤファンドの前記価値に少なくとも部分的に基づいてキャピタルゲイン計算を実行させるように構成された命令をさらに表す、請求項16に記載の持続性のプロセッサ可読媒体。
前記対象インデックスは、(1)有価証券、(2)商品、または、(3)複数の有価証券もしくは複数の商品の間の関係のうちの1つである、請求項21に記載の持続性のプロセッサ可読媒体。
前記第1時点の前記対象インデックスの前記再設定値は、前記第1時点の前記対象インデックスの前記値よりも小さい、請求項21に記載の持続性のプロセッサ可読媒体。
前記第1時点の前記対象インデックスの前記再設定値は、前記第1時点の前記対象インデックスの前記値よりも大きい、請求項21に記載の持続性のプロセッサ可読媒体。
前記対象インデックスは、(1)有価証券、(2)商品、または、(3)複数の有価証券もしくは複数の商品の間の関係、のうちの1つである、請求項28に記載の方法。
前記対象インデックスは、(1)有価証券、(2)商品、または、(3)複数の有価証券もしくは複数の商品の間の関係、のうちの1つである、請求項31に記載の方法。
前記第2資産の少なくとも一部は一組のコールオプションであり、前記一組のコールオプションに含まれるある数のコールオプションは、少なくとも部分的に前記乗数に関連付けられる、請求項31に記載の方法。
前記第2資産の少なくとも一部は一組のプットオプションであり、前記一組のプットオプションに含まれるある数のプットオプションは、少なくとも部分的に前記乗数に関連付けられる、請求項31に記載の方法。
前記第2資産の少なくとも一部が一組の先物取引であり、前記一組の先物取引に含まれるある数の先物取引が、少なくとも部分的に前記乗数に関連付けられる、請求項31に記載の方法。
前記第2資産の少なくとも一部は一組の商品取引であり、前記一組の商品取引に含まれるある数の商品取引が、少なくとも部分的に前記乗数に関連付けられる、請求項31に記載の方法。
前記第2資産の少なくとも一部は一組の先渡取引であり、前記一組の先渡取引に含まれるある数の先渡取引が、少なくとも部分的に前記乗数に関連付けられる、請求項31に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1017] いくつかの実施形態において、評価システムは、ネットワークを介して1つ以上の周辺デバイスに動作可能に接続された評価サーバを備え得る。評価サーバは、例えば、対象インデックスに基づくマルチプライヤファンドの価値および/または1つ以上の資産(そのうち少なくとも1つの資産の価値はマルチプライヤファンドに基づく)のポートフォリオの価値を決定するように構成された1つ以上のハードウェアベースのモジュールおよび/またはソフトウェアベースのモジュールを備え得る。いくつかの実施形態において、評価サーバは、対象インデックスの現在値、前回値、履歴値および/または予測される将来値などといった、対象インデックスに関連付けられた情報を受信することができる。評価サーバは、任意で、マルチプライヤファンドの株式数量などの、資産価値または資産数量も受信することができる。
【0010】
[1018] 受信した情報に少なくとも部分的に基づき、評価サーバは、マルチプライヤファンドの現在の単価を決定し得る。評価サーバは、対象インデックスの現在の価格/値および調整値Φに基づいて現在の単価を決定することができる。調整値Φは、対象インデックスの前回の価格/値、対象インデックスの現在の価格/値、および、マルチプライヤファンドに関連付けられた乗数値に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。マルチプライヤファンドの現在の単価/価値に基づき、評価サーバは、次に、マルチプライヤファンドの株式数量など、マルチプライヤファンドに基づく資産の価値を決定し得る。例えば、評価サーバは、マルチプライヤファンドの株式数量とマルチプライヤファンドの現在の価格/価値との積を決定して、株式数量全体の価値を決定することができる。
【0011】
[1019] マルチプライヤファンドの現在の価値および/またはそれに基づく資産を決定すると、評価サーバは、決定された情報を含む1つ以上の信号を規定し得る。評価サーバは、次に、ネットワークを介して1つ以上の信号を1つ以上の周辺デバイスに送信し得る。ネットワークは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)またはインターネットであってよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の信号は、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータデバイスおよび/またはスマートフォンなどのモバイルコンピュータデバイスなどの1つ以上の周辺デバイスによって受信することができる。
【0012】
[1020] 1つ以上の信号を受信すると、いずれかの周辺デバイスは、1つ以上の情報を出力し得る。例えば、モバイル周辺デバイスは、ディスプレイに、マルチプライヤファンドの現在の価格/価値を、ある数量の株式の現在価値と共に、出力することができる。別の例では、パーソナルコンピュータデバイスは、スピーカを通して、対象インデックスおよび/またはマルチプライヤファンドの現在値、履歴値および/または予測値を伝える1つ以上の音声信号または音を出力してもよい。別の例では、タブレットコンピュータデバイスは、そのディスプレイに、所定の期間および/または設定可能な期間にわたるマルチプライヤファンドおよび/または対象インデックスの価格/値を示すチャートおよび/またはグラフを出力することができる。
【0013】
[1021] いくつかの実施形態において、持続性のプロセッサ可読媒体は、プロセッサに、第1時点の資産数量に関連付けられた信号を受信させるコードを含む。この資産は、第1時点の対象インデックスの値を有する。持続性のプロセッサ可読媒体は、第1時点時の対象インデックスの値を所定の値に再設定し、第1時点の対象インデックスの再設定値を生成するコード含む。持続性のプロセッサ可読媒体は、第1時点よりも後の第2時点の資産の価値を、第2時点の対象インデックスの再設定値および調整値に少なくとも部分的に基づいて計算するコードを含む。調整値は、第1時点の対象インデックスの再設定値、第2時点の対象インデックスの再設定値、および、乗数に少なくとも部分的に基づいている。持続性のプロセッサ可読媒体は、プロセッサに、第2時点の資産の価値を要求側エンティティに送信させるコードを含む。
【0014】
[1022] いくつかの実施形態において、方法は、プロセッサにて、第1時点のある数量の資産の開始取引(例えば、購入または販売)に関連付けられた信号を受信することを含む。資産は、第1時点の対象インデックスに関連した値を有する。方法は、第1時点よりも後の第2時点の資産の価値を、第2時点の対象インデックスの値および調整値に少なくとも部分的に基づいて計算することを含む。調整値は、第1時点の対象インデックスの値、第2時点の対象インデックスの値、および乗数に少なくとも部分的に基づいている。方法は、さらに、第2時点の資産の価値を要求側エンティティに送信することを含む。
【0015】
[1023] いくつかの実施形態において、方法は、プロセッサにおいて、第1時点のある数量の第1資産に関連付けられた信号を受信することを含む。第1資産は、第1時点の対象インデックスに基づく値を有する。方法は、さらに、第1時点の第2資産の価値に関連付けられた信号を受信することを含む。第1時点の第2資産の価値は、第1時点の第1資産のエクスポージャを反映するように構成される。方法は、第1時点の対象インデックスの値、第1時点よりも前の第2時点の対象インデックスの値、および乗数に少なくとも部分的に基づいて調整値を計算することを含む。方法は、第1時点よりも後の第3時点の第2資産の数量を計算することを含む。第3時点の第2資産の数量は、第1時点の第2資産の数量および第1時点の調整値に少なくとも部分的に基づいている。方法は、さらに、第3時点の第2資産の数量を要求側エンティティに送信することを含む。
【0016】
[1024] 本明細書では、「ファンド」という用語は、例えば、ミューチュアルファンド、上場投資信託(ETF)、投資信託などの合同運用型投資手法を指す。さらに、本明細書に記載する実施形態は、少なくとも部分的にインデックスに関連付けられた価値を有するファンドについて言及する。例えば、ETFは、対象インデックスの値を実質的に追跡するように構成され得る。
【0017】
[1025] 本明細書では、「対象インデックス」および「インデックス」という用語は、ある資産またはある資産組の価値に関連付けられ得るあらゆる解明可能または計算可能な値を指す。例えば、ダウ・ジョーンズ工業株平均のS&P500およびNASDAQ100は、(上述した)ファンドの価値が関連付けられ得る対象インデックスの例である。
【0018】
[1026]
図1は、一実施形態に係るマルチプライヤファンド評価システム100の概略図である。より具体的には、
図1は、ネットワーク120を介して第1周辺デバイス130と、第2周辺デバイス140と、モバイルデバイス150と通信する評価サーバ110を備えるマルチプライヤファンド評価システム100を示す。1つの評価サーバ、1つのネットワーク、2つの周辺デバイス、および1つのモバイルデバイスを含むように図示されているが、いくつかの実施形態では、マルチプライヤファンド評価システム100は、複数の評価サーバ、複数のネットワーク、ならびに、任意の数の周辺デバイスおよび/またはモバイルデバイスを含むことができる。
【0019】
[1027] 評価サーバ110は、対象インデックスの現在値および/または履歴値に基づき、マルチプライヤファンドの現在の価値および/または履歴価値を決定するように構成されたハードウェアおよび/または(ハードウェア内で実行される)ソフトウェアのあらゆる組み合わせであり得る。評価サーバ110は、さらに、ある数量のマルチプライヤファンドの株式などといった、マルチプライヤファンドに基づく1つ以上の資産の現在価値、履歴価値および/または予測される将来価値を決定するように構成される。例えば、評価サーバ110は、サーバまたはパーソナルコンピュータデバイス(例えば、ラックマウント型または他のサーバ、デスクトップ型、ラップトップ型、ノート型など)といったコンピュータデバイスであり得る。評価サーバ110は、任意で、インデックスの値または他のファンドの価値に関連付けられた情報を受信し、かつ該インデックスに基づいて1つ以上のマルチプライヤファンドの価値を決定するように構成された1つ以上のハードウェアモジュールおよび/またはソフトウェアモジュールを備えてもよい。
図1に示すように、評価サーバ110は、ネットワーク120を介して、周辺デバイス130、周辺デバイス140およびモバイルデバイス150に物理的におよび/または動作可能に接続され得る。
【0020】
[1028] いくつかの実施形態において、評価サーバ110は、米国電気電子学会(IEEE)802.x規格(例えば、IEEE802.3イーサネット(登録商標)、802.11無線LAN、802.16WiMAX)のうち1つ以上に基づく接続などの無線および/または有線データ接続を介して、ネットワーク120に接続され得る。あるいは、いくつかの実施形態では、評価サーバ120は、Bluetooth(登録商標)、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、ウルトラワイドバンド(UWB)、無線認証(RFID)などの1つ以上の短距離接続規格に基づくハードウェアおよび/またはソフトウェアを介してネットワーク120に接続されてもよい。いくつかの実施形態において、評価サーバ110は、1つ以上の他のネットワークまたは他のデバイス(
図1中図示なし)に動作可能におよび/または物理的に接続され、それら他のネットワークまたは他のデバイスから対象インデックスの現在値および/または履歴値、証券口座情報などに関連付けられた情報を受信するように構成されてもよい。
【0021】
[1029] ネットワーク120は、第1周辺デバイス130、第2周辺デバイス140、モバイルデバイス150および評価サーバ110のうちの各要素間または任意の要素間で情報を送受信するように構成された任意のコンピュータネットワークであり得る。ネットワーク120は、スイッチ、ルーティング、記憶、および/または他のデバイスなどの1つ以上のコンピュータデバイスを含み得る。いくつかの実施形態において、ネットワーク120は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、組織内イントラネット、またはインターネットであり得る。
【0022】
[1030] 周辺デバイス130および140は、情報を、テキスト形式、音声形式および/またはグラフィック形式で交換および出力すること(あるいは、のちに周辺デバイスへ出力するためにデータを格納すること)が可能なあらゆるネットワーク接続可能なコンピュータデバイスであってよい。例えば、周辺デバイス130および140のいずれかまたは両方は、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータまたは他のデスクトップもしくはモバイルコンピュータデバイスなどのクライアントコンピュータデバイスであり得る。
図1に示すように、第1周辺デバイス130および第2周辺デバイス140のそれぞれは、ネットワーク120に動作可能に、かつネットワーク120を介して評価サーバ110と通信可能に接続されている。より具体的には、第1周辺デバイス130および第2周辺デバイス140のそれぞれは、1つ以上の無線および/もしくは有線接続ならびに/またはプロトコルを介してネットワーク120に動作可能に接続され得る。例えば、いくつかの実施形態において、第1周辺デバイス130は、無線ネットワークモジュール(例えば、無線イーサネット(登録商標)ネットワークインターフェースカード(NIC)および/または有線ネットワークモジュール(例えば有線イーサネット(登録商標)NICおよび/またはファイバチャネルホストバスアダプタ(HBA)またはコンバージドネットワークアダプタ(CNA))を介して、ネットワーク120に動作可能に接続することができる。いくつかの実施形態において、第1周辺デバイス130および/または第2周辺デバイス140は、標準的な電話線を介して情報を交換するように構成されたモデムなどのモデムを介して、ネットワーク120に動作可能に接続され得る。いくつかの実施形態では、周辺デバイス130および140のいずれかまたは両方は、スピーカ、モニタ、プロジェクタ、テレビ、プリンタ、触覚フィードバックデバイス、または他のディスプレイおよび/もしくは出力デバイスなどの1つ以上の出力デバイスに物理的におよび/または動作可能に接続され得る。
【0023】
[1031] モバイルデバイス150は、ネットワーク120を介して評価サーバ110と情報を交換することが可能なあらゆるモバイルコンピュータデバイスであってよい。例えば、モバイルデバイス150は、携帯電話(例えば、スマートフォン)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレットコンピュータデバイス、または他の携帯型コンピュータデバイスおよび/または通信デバイスであり得る。モバイルデバイス150は、例えば、GMS進化型高速データ伝送(EDGE)、グローバル・システム・フォー・モバイル(GSM(登録商標))、符号分割多重アクセス方式(CDMA)、時間分割多重アクセス方式(TDMA)、ロング・ターム・エボリューション(LTE)または他のネットワークなどのセルラーベースおよび/またはインターネットプロトコル(IP)ベースのネットワークを介して、ネットワーク120に動作可能に接続され得る。いくつかの実施形態において、モバイルデバイス150は、モバイルデバイス150の代わりに、ネットワーク120を介して情報を交換するように構成された1つ以上のハードウェアおよび/または(ハードウェア内で実行される)ソフトウェアモジュールを備え得る。モバイルデバイス150は、任意で、表示画面、スピーカ、触覚フィードバックデバイス、または他の出力デバイスなどの1つ以上の出力デバイスおよび/またはモジュールを備えてもよく、かつ/または該出力デバイスおよび/またはモジュールに接続されてもよい。
【0024】
[1032]
図2は、一実施形態に係るマルチプライヤファンド評価システムの周辺デバイスを示すシステムブロック図である。より具体的には、
図2は、
図1に関連して上述した第1周辺デバイス130および/または第2周辺デバイス140と同様の周辺デバイス200を示すシステムブロック図である。周辺デバイス200は、プロセッサ210およびメモリ220を備える。メモリ220は、出力モジュール224および通信モジュール226を備える。プロセッサ210は、メモリ220に動作可能に接続される。
【0025】
[1033] プロセッサ210は、1つ以上の命令を実行するように構成された汎用プロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))または他のプロセッサであり得る。あるいは、いくつかの実施形態では、プロセッサ210は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってもよい。メモリ220は、あらゆる固定メモリ、ならびに/または、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードディスクドライブ、半導体ドライブ(SSD)、光学ドライブ、フラッシュメモリドライブ、および/もしくは他の取り外し可能な媒体などの取り外し可能なメモリであってよい。
【0026】
[1034] 出力モジュール224は、データを出力するように構成されたハードウェアベースのモジュールおよび/または(ハードウェア内で実行される)ソフトウェアベースのモジュールであり得る。例えば、出力モジュール224は、ソフトウェアモジュール(例えば、ビデオドライバ)に動作可能に接続されたハードウェアモジュール(例えば、グラフィックスカード)であってよい。この例では、出力モジュール224は、モニタ、テレビ、プロジェクタ、プリンタ、または他の表示画面もしくは表示デバイスなどの視覚的表示デバイスに動作可能におよび/または物理的に接続され得る。いくつかの実施形態において、出力モジュール224は、音声出力もしくは触覚出力表現データおよび/または媒体を出力するように構成されたハードウェアモジュールおよび/またはソフトウェアモジュールであり得る。いくつかの実施形態では、出力モジュール224は、音声、映像、図表、または触覚のフィードバックおよび/または出力のあらゆる組み合わせを出力するように構成することができる。より具体的には、出力モジュール224は、マルチプライヤファンドおよび/または該マルチプライヤファンドの基準となるインデックスの値、履歴値および/または予測される将来値に関連付けられた情報を出力するように構成され得る。いくつかの実施形態において、出力モジュール224は、(
図1の評価サーバ110のような)評価サーバなどの別のデバイスから受信した1つ以上のメッセージ、データフレーム、データパケットおよび/または他の情報に応答して、上記出力を行うことができる。いくつかの実施形態では、出力モジュール224は、ある数量のマルチプライヤファンドの株式もしくは他の資産等、マルチプライヤファンドに基づく1つ以上の資産の現在価値、履歴価値および/または予測される将来価値に関連付けられた情報を出力するように構成され得る。いくつかの実施期待において、出力モジュール224は、上述した情報のいずれかを、チャート、グラフ、アニメーションまたは他のグラフィカルな図もしくはリソースとして表示するように構成されてもよい。
【0027】
[1035] 通信モジュール226は、1つ以上の他のデバイスまたはモジュールと情報を交換するように構成されたハードウェアベースのモジュールおよび/または(ハードウェア内で実行される)ソフトウェアベースのモジュールであり得る。より具体的には、通信モジュール226は、ネットワークおよび/または1つ以上のサーバもしくはクライアントデバイスとの間で情報を送受信するように構成された1つ以上のネットワーク通信カード、ドライバならびに/または他のハードウェアモジュールおよび/もしくはソフトウェアモジュールを備え得る。したがって、いくつかの実施形態では、通信モジュール226は、マルチプライヤファンド、関連するインデックス、および/またはマルチプライヤファンドに基づく資産に関連付けられた情報に対する1つ以上の要求を、評価サーバに(例えば、
図1のネットワーク120を介して)送信することができる。そのような実施形態において、通信モジュール226は、要求された情報を受信することおよび/出力モジュール224から出力するために送信することもまた可能である。
【0028】
[1036]
図3は、一実施形態に係る、マルチプライヤファンド評価システムの評価サーバのシステムブロック図である。より具体的には、
図3は、
図1を参照して上述した評価サーバ110と同様の評価サーバ300を示すシステムブロック図である。評価サーバ300は、プロセッサ310およびメモリ320を備える。メモリ320は、評価モジュール324、報告モジュール326および通信モジュール328を備える。プロセッサ310は、メモリ320に動作可能に接続される。
【0029】
[1037] プロセッサ310は、1つ以上の命令を実行するように構成された汎用プロセッサまたは他のプロセッサであり得る。あるいは、いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってもよい。メモリ320は、あらゆる固定メモリ、または、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードディスクドライブ、半導体ドライブ(SSD)、光学ドライブ、フラッシュメモリドライブ、および/もしくは他の取り外し可能な媒体などの取り外し可能なメモリであってよい。
【0030】
[1038] 評価モジュール324は、1つ以上のマルチプライヤファンドに関する(現在価値、履歴価値または予測される将来価値などの)価値を、1つ以上の対象インデックスに基づいて決定するように構成された任意のハードウェアベースのモジュールおよび/またはソフトウェアベースのモジュールであり得る。評価サーバ324は、ある数量のマルチプライヤファンドの株式などのマルチプライヤファンドに基づく1つ以上の資産の価値(現在価値、履歴価値、予測される将来価値など)を決定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、本明細書でさらに詳細に説明するように、評価モジュール324は、任意で、対象インデックスの1つまたは複数の現在値、履歴値または予測される将来値を、所定の値に再設定するように構成されてもよい。
【0031】
[1039] いくつかの実施形態において、評価モジュール324は、マルチプライヤファンドおよび/または上述した資産価値を計算するように動作可能に構成されたASICおよび/またはFPGAを備えた回路基板であり得る。いくつかの実施形態において、評価モジュール324は、インデックスの現在値および/または履歴値などの情報を通信モジュール328から受信するように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールを備えてもよい。受信したインデックス値に基づき、評価モジュール324は、このインデックスを基準とするマルチプライヤファンドおよび/またはマルチプライヤファンドに基づく1つ以上の資産の適切かつ対応する価値を決定することができる。
【0032】
[1040] より具体的には、評価モジュール324は、(1)対象インデックスの現在値、(2)対象インデックスの前回値、(3)マルチプライヤファンドの乗数(例えば、2倍、3倍、−2倍、−1倍など)、および(4)調整値(以降、Φと呼ぶ)、に少なくとも部分的に基づいて、マルチプライヤファンドの価値を決定することができる。いくつかの実施形態において、Φの値を決定するために、評価モジュール324は、以下の演算を実行し得る。
[1041] Φ=[PV
Index×(1+(((CV
Index−PV
Index)×M)/100))]/CV
Index [1042] 上記式において、PV
Indexは対象インデックスの前回の終値を示し、CV
Indexは対象インデックスの現在値を示し、Mはマルチプライヤファンドの乗数を示し、Φは調整値を示す。例えば、(マルチプライヤファンドの)対象インデックスの前回の終値が100であり、対象インデックスの現在値が103であり、マルチプライヤファンドの乗数が2である場合、Φ=[100×(1+(((103−100)×2/100))]/103=1.0291となる。
【0033】
[1043] 評価モジュール324は、次に、対象インデックスの現在値をΦで積算する(V
Fund=CV
Index×Φと表される)ことにより、マルチプライヤファンドの一株の株価を決定することができる。上記の例では、マルチプライヤファンドの株価V
Fundは、103×1.0291=106である。したがって、マルチプライヤファンドの現在の株価(V
Fund)が106であり、マルチプライヤファンドおよび対象インデックス(PV
Index)双方の前回の株価は100であり、インデックスの現在値(CV
Index)は103であるので、マルチプライヤファンドの株価は、対象インデックスの変化(つまり、3%の変化)と比較して、ちょうど2倍の変化(つまり、6%の変化)を示している。このように、マルチプライヤファンドの株価は、2つの成分(つまり、CV
IndexおよびΦ)に分割され、そのいずれも、結果として得られるマルチプライヤファンドの株価と共に追跡および報告することができる。マルチプライヤファンドの株価(つまり、価値)を決定すると、評価モジュール324は、報告モジュール326に、株価を含む1つ以上の信号を規定および送信することができる。
【0034】
[1044] 報告モジュール326は、インデックスファンドおよび/または(インデックスファンドに基づく)関連するマルチプライヤファンドに関連付けられた情報を送信するように構成された任意のハードウェアベースのモジュールおよび/またはソフトウェアベースのモジュールであり得る。例えば、報告モジュール326は、評価モジュール324から情報を受信し、かつ、該情報を1つ以上の要求側周辺デバイスに送信するためにフォーマットするように構成された、1つ以上のソフトウェアモジュールの組であってよい。
図3には図示されていないが、いくつかの実施形態において、評価モジュール324は、対象インデックスおよび/またはマルチプライヤファンドの履歴値および/または他の値に関する情報を、データベースなどの外部メモリに要求し、受信してもよい。受信した情報に基づいて、報告モジュール326は、任意で、対象インデックスおよび/またはマルチプライヤファンドに基づく報告情報を規定してもよい。例えば、報告モジュール326は、対象インデックスおよび/またはマルチプライヤファンドに関連付けられた情報を伝達するように構成された、1つ以上の動向ベースの指標、価格予測および/またはチャート、グラフ、表もしくは他のグラフィック表示を規定することができる。いくつかの実施形態において、報告モジュール326は、1つ以上の要求側周辺デバイスに送信するために、報告情報を通信モジュール328に送信するように構成され得る。
【0035】
[1045] 通信モジュール328は、1つ以上の他のデバイスまたはモジュールと情報を交換するように構成されたハードウェアベースのモジュールおよび/または(ハードウェア内で実行される)ソフトウェアベースのモジュールであり得る。より具体的には、通信モジュール328は、ネットワークおよび/または1つ以上のサーバデバイスもしくはクライアントデバイスとの間で情報を送信および/または受信するように構成された1つ以上のネットワークコミュニケーションカード、ドライバならびに/または他のハードウェアモジュールおよび/もしくはソフトウェアモジュールを含み得る。したがって、いくつかの実施形態において、通信モジュール328は、評価モジュール324および/または報告モジュール326によって規定された情報を含む1つ以上の信号を、1つ以上の周辺デバイスに(例えば、
図1のネットワーク120のようなネットワークを介して)送信することができる。
【0036】
[1046]
図4は、一実施形態に係る、ある株式数のマルチプライヤファンドの現在価値を調整値に基づいて決定および出力する方法を示すフローチャートである。より具体的には、評価サーバは、インデックスの現在値を受信し得る(400)。評価サーバは、例えば、1つ以上のマルチプライヤファンドの現在値を、それぞれの対象インデックスファンドに基づいて決定するように構成されたハードウェアであり得る。いくつかの実施形態において、評価サーバは、LAN、WANおよび/またはインターネットなどのネットワークを介して1つ以上の周辺デバイス(例えば、クライアントコンピュータデバイス)に動作可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態において、評価サーバは、サーバデバイスなど別のデバイスからインデックスの現在値を受信することができる。サーバデバイスは、任意で、LAN、WANおよび/またはインターネットなどのネットワークを介して評価サーバに動作可能におよび/または物理的に接続されてもよい。
【0037】
[1047] 評価サーバは、マルチプライヤファンドに基づく資産の現在価値に対する要求を、周辺デバイスから受信し得る(410)。いくつかの実施形態において、マルチプライヤファンドは、インデックスに基づき、資産は、例えば、ある株式数のマルチプライヤファンドであり得る。評価サーバは、LAN,WANまたはインターネットなどのネットワークを介して要求を受信し得る。いくつかの実施形態において、要求は、クライアントハードウェアおよび/またはウェブブラウザのようなソフトウェアモジュールから受信することができる。そのような実施形態では、要求は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)または他の公知のプロトコルに従ってフォーマットされ得る。
【0038】
[1048] 次に、評価サーバは、インデックスの前回値、インデックスの現在値、マルチプライヤファンドに関連付けられた乗数値に基づき、調整値を決定し得る(420)。いくつかの実施形態において、評価サーバは、受信した要求に応答して、以下の式に少なくとも部分的に基づいて、調整値Φを決定することができる。
[1049] Φ=[PV
Index×(1+(((CV
Index−PV
Index)×M)/100]/CV
Index
[1050] 上記式において、PV
Indexはインデックスの前回の終値を示し、CV
Indexは、インデックスの現在値を示し、Mはマルチプライヤファンドの乗数を示し、Φは、調整値を示す。
【0039】
[1051] 次に、評価サーバは、インデックスの現在値および乗数値に基づき、マルチプライヤファンドに現在の単価を決定し得る(430)。言い換えると、マルチプライヤファンドの調整値Φが決定すると、評価サーバは、以下の式に基づき、マルチプライヤファンドの現在の単価を決定することができる。
[1052] V
Fund=CV
Index×Φ
[1053] 上記式において、CV
Indexはインデックスの現在値を示し、Φは調整値を示し、V
Fundはマルチプライヤファンドの現在の単価を示す。
【0040】
[1054] マルチプライヤファンドの現在の単価に基づき、評価サーバは、マルチプライヤファンドの株式数量および現在の単価に基づき、資産価値を決定し得る(440)。より具体的には、評価サーバは、マルチプライヤファンドの現在の単価を、株式数量で積算し、マルチプライヤファンドの株式の総価値を決定することができる。いくつかの実施形態において、マルチプライヤファンドの株式の数量は、個人によって現在保有されている株式の数量であってよい(例えば、要求側周辺デバイスを現在操作している個人)。
【0041】
[1055] マルチプライヤファンドの株式の現在の資産価値を決定すると、評価サーバは、現在の資産価値を含む信号を規定し、要求側周辺デバイスに送信し得る(450)。この信号は、任意で、マルチプライヤファンドの現在の単価、マルチプライヤファンドの株式数量、インデックスの現在値および前回値、Φの値などを含んでもよい。いくつかの実施形態において、評価サーバは、ステップ410に関連して上述したネットワークを介して、要求側周辺デバイスに信号を送信することができる。いくつかの実施形態において、評価サーバは、イーサネット(登録商標)、無線イーサネット(登録商標)、セルラーネットワーク、ファイバチャネルまたは他のネットワーク接続などの有線および/または無線ネットワーク接続を介して信号を送信してもよい。いくつかの実施形態では、評価サーバは、信号を、毎時間、毎日などというように周期的に送信することができる。
【0042】
[1056] マルチプライヤファンドの株式の現在の資産価値を受信すると、要求側周辺デバイスは、現在の資産価値を出力し得る(460)。例えば、要求側周辺デバイスは、表示装置(例えば、モニタ、プロジェクタなど)にて、あるいはスピーカおよび/または触覚フィードバックデバイスもしくは触覚フィードバック機構を介して、現在の資産価値を出力することができる。いくつかの実施形態において、要求側周辺デバイスは、オペレーティングシステムのウィンドウなど、現在実行中のウェブブラウザアプリケーションに関連付けられた表示ウィンドウ内に値を出力することができる。受信した信号が追加情報(マルチプライヤファンドの現在の単価、マルチプライヤファンドの株式数量など)を含む場合、要求側周辺デバイスはこれらの追加情報の全てあるいはいずれかを出力することができる。
【0043】
[1057]
図5は、調整値を使用しないで計算した場合の2倍マルチプライヤファンドの価格と、それに関連付けられた対象インデックスとの、20日間の取引期間にわたる関係を示した時系列の値チャートである。より具体的には、
図5は、20日間の取引期間中の、一例のインデックスの価格と、日々の変化率が対象インデックス例の変化率の2倍である一例のマルチプライヤファンドの価格と、を示している。例えば、投資家が、1日目に対象インデックスに基づく上場投資信託(ETF)を購入する場合、この投資家は、該ETFに対して100支払う(対象インデックスの現在価格100につき)。10日後、対象インデックスの価格が上昇し、次いで、当初の購入価格である100まで下落すると、マルチプライヤファンドの価格は、当初の購入価格である100まで下落するのではなく、99.19になる。これは、当初の購入価格よりも1%ほど安い。20日目には、対象インデックスの価格がさらに下降し、その後上昇して当初の購入価格に戻ると、マルチプライヤファンドの価格は98.44となり、対象インデックスの価格に実質の変化がなかったにもかかわらず1.5%の含み損が反映されている。言い換えると、対象インデックスの価格が変化しないにもかかわらず、投資家がこの時点で売却しようとすると、投資家は損失を被ることになる。この偏差は、対象インデックスが、任意の一方向に持続的かつ劇的に動かない限り、大きくなり続ける。対象インデックスが安定的かつ劇的に上昇し始める場合のみ、投資家はこのような負の偏差を克服し、アグレッシブな2倍マルチプライヤファンドの利点を生かすことができる。
【0044】
[1058]
図6は、インデックスと、該インデックスに基づく第1の伝統的な2倍マルチプライヤファンドと、該インデックスに基づき、調整値を使用して価格が計算される、一実施形態に係る第2の2倍マルチプライヤファンドと、の関係を示す時系列の値チャートである。より具体的には、
図6は、20日間の取引期間にわたる、インデックスの価格、インデックスに基づく伝統的な2倍マルチプライヤファンドの価格、および、同様にインデックスに基づき、さらに調整値変数を使用して価格が計算される2倍マルチプライヤファンドの価格を示している。
図6に示されるように、取引期間の10日目および20日目において、対象インデックスの価格と第1の(伝統的な)2倍マルチプライヤファンドの価格との間には偏差が存在する。また、
図6に示されるように、同期間中、そのような偏差は、対象インデックスの価格と第2の2倍マルチプライヤファンドの価格との間には存在しない。
図3に関連して上述したように、対象インデックスの価格と第2の2倍マルチプライヤファンドとの間にこのような偏差が存在しないのは、第2のマルチプライヤファンドの価格が調整値Φを使用して計算されるためである。
【0045】
[1059]
図7は、一実施形態に係る、対象インデックス、2倍マルチプライヤファンド用の対応する値Φ、および、対象インデックスに基づく2倍マルチプライヤファンドの株価の終値のサンプルを示す表。より具体的には、
図7は、対象インデックス値、値Φ、および2倍マルチプライヤファンドの株価が、8日間の取引期間にわたって、どのように相関するかを表す時系列のリストを例示している。
図7からわかるように、2倍マルチプライヤファンドの株価の日々の変化は、基準とする対象インデックスファンドの変化のちょうど2倍である。
【0046】
[1060] 上述したように、いくつかの実施形態において、対象インデックスの値を所定の値に再設定することが望ましいことがある。例えば、
図8は、一実施形態に係る、第1期間中および第2期間中それぞれの2倍マルチプライヤファンドの開始取引および終了取引の2つのサンプルを示す表である。「2倍ファンドA」の開始取引は、100株の2倍マルチプライヤファンド(例えば、100単位の資産)を、第1期間中の第1時点で購入することを含む。同様に述べると、評価モジュール324(
図3)は、資産の現在価値に対する要求に関連付けられた信号を受信し得る。他の実施形態では、開始取引は、ある数量の2倍マルチプライヤファンドの株式を売却すること(例えば、空売り)であってもよい。
【0047】
[1061]
図8に示すように、現在のインデックス値(例えば、開始取引時点のインデックス値)は115である。そのような実施形態において、現在のインデックス値115は、再設定インデックス値110に再設定される。このようにして、「2倍ファンドA」の開始取引(例えば、購入または購入保証)は、対象インデックスの後半の100ポイント(つまり、対象インデックスの16〜115ポイント)の投資に実質的に対応している。さらに、対象インデックスを100に再設定することにより、次に続く対象インデックスの変化は、対象インデックスにおける名目変化として追跡することができる。同様に延べると、対象インデックスを100に再設定することにより、対象インデックスの変化率は、このインデックスの名目変化に等しくなる。したがって、「2倍ファンドA」は、公知のコールオプションと同様に機能することができる(例えば、値は、投資の「イン・ザ・マネー」である部分に関連付けられる)。
【0048】
[1062] 図示のように、開始取引時点の調整値Φは、1.0000である。より具体的には、開始取引時点で、インデックスの前回値は、インデックスの現在値に等しいと考えられる。したがって、上述の式を使用し、Φの値は、Φ=[100×(1+(((100−100)×2)/100))]/100として計算される。したがって、資産の価格は、100と計算され(値×Φ)開始取引の費用は10000である(支出であることを表すために−10000と示されている)。
【0049】
[1063] 「2倍ファンドA」の終了取引は、100株の2倍マルチプライヤファンドを、第1期間中の第1時点よりも後の第2時点で売却することを含む。
図8に示すように、終了取引時点現在のインデックスは、130である。したがって、インデックス値は、第1時点(つまり、開始取引)から第2時点(つまり、終了取引)までに15ポイント正に変化した。さらに、インデックス値の15ポイントの変化により、インデックスの再設定インデックス値も15ポイント変化する(例えば、再設定インデックス値は、100〜115ポイントに上昇した)。
【0050】
[1064] 上記の式に戻ると、調整値Φの値は、第2時点で、Φ=[100×(1+(((115−100)×2)/100))]/115と表されるように計算することができる。したがって、Φの値は、
図8に示すように1.1304であり、第2時点の資産の価格は130であることがわかり、1300の値が得られる。
【0051】
[1065] 資産100株の価値の変化により、純利益3000がもたらされる。2倍マルチプライヤファンドに投資することにより、2倍マルチプライヤファンドの変化は30%変化した一方、再設定された対象インデックス値は15%変化した。同様に述べると、インデックス値の名目変化は15ポイントであり、これにより2倍マルチプライヤファンドの値の変化は30ポイントとなる。上述したように、対象インデックスを100に再設定することは、再設定後のインデックス値の名目変化が再設定後のインデックス値の変化率と等しくなるということである。したがって、再設定後のインデックス値の15ポイントの変化(つまり、15%の変化)は、2倍マルチプライヤファンドの30ポイントの変化(つまり、30%の変化)に等しい。
【0052】
[1066] 第2期間中の同一の2倍マルチプライヤファンド「2倍ファンドA」の第2の開始取引および終了取引が、例えば、
図8に示され、異なる始値および終値(例えば、第2の開始取引に関連付けられた第3時点と、第2の終了取引に関連付けられた第4時点とにおける異なる値)を使用して上述の方法が例示されている。図示の通り「2倍ファンドA」では、資産価値の変化が、インデックス値の変化のちょうど2倍になっている。したがって、「2倍ファンドA」に関連付けられた値を決定する方法については、さらなる説明を省略する。
【0053】
[1067] いくつかの実施形態において、
図8は、例えば、(例えば、
図3に示される報告モジュール326により示されるような)会計システムに含まれる表であり得る。そのような実施形態では、現在の会計システムは、「再設定インデックス値」および「Φ」に関連付けられた列を表示するように変更することができる。このように、既存の会計システムに、最小限の変更を加えて追加の値Φを表示すればよい。
【0054】
[1068] いくつかの実施形態では、対象インデックスの値を所定の値に再設定しないことで、対象インデックスの全変化率を活用することが望ましい場合もある。そのような実施形態では、持株(投資)の全額が、対象インデックスと共に変動する。例えば、いくつかの実施形態において、評価モジュール324(
図3)は、(1)対象インデックスの現在値、(2)対象インデックスの初期値、(3)マルチプライヤファンドの乗数(例えば2倍、3倍、−2倍、−1倍など)および(4)調整値(以降Φと呼ぶ)に少なくとも部分的に基づいて、マルチプライヤファンドの価値を決定することができる。そのような実施形態において、Φの値を決定するために、評価モジュール324は、以下の演算を実行し得る。
[1069] Φ=[((1−M)×IV
Index)+(CV
Index×M)]/CV
Index
[1070] 上記式において、IV
Indexは初期開始取引時の対象インデックスの値を示し、CV
Indexは対象インデックスの現在値を示し、Mはマルチプライヤファンドの乗数を示し、Φは調整値を示す。
【0055】
[1071]
図9は、一実施形態に係る、第1期間中および第2期間中それぞれの第2の2倍マルチプライヤファンドの開始取引および終了取引の2つのサンプルを示す表である。「2倍ファンドB」の開始取引は、100株の第2の2倍マルチプライヤファンド(例えば、100単位の資産)を、第1期間中の第1時点で購入することを含む。同様に述べると、評価モジュール324(
図3)は、資産の現在価値に対する要求に関連付けられた信号を受信し得る。他の実施形態では、開始取引は、ある数量の第2の2倍マルチプライヤファンドの株式を売却すること(例えば、空売り)であってもよい。
【0056】
[1072]
図9に示すように、現在のインデックス値は115であり、開始取引の第1時点の調整値Φは1.0000である。より具体的には、第1時点(つまり、開始取引)において、インデックスの初期値は、インデックスの現在値に等しい。したがって、上述の式を使用し、Φの値は、Φ=[((1−2)×115)+(115×2)]/115として計算される。したがって、資産の価格は、100と計算され(値×Φ)初期開始取引の費用は11500である(支出であることを表すために−11500と示されている)。
【0057】
[1073] 「2倍ファンドB」の終了取引は、100株の第1の2倍マルチプライヤファンドを、第1期間中の第1時点よりも後の第2時点で売却することを含む。
図9に示すように、第2時点(つまり、終了取引)現在のインデックスは、130である。したがって、インデックス値は、第1時点(つまり、初期開始取引)から第2時点(つまり、終了取引)までに15ポイント正に変化した。したがって、調整値Φの値は、第2時点で、Φ=[((1−2)×130)+(115×2)]/130として計算することができる。したがって、
図9に示すように、Φの値は1.1154であり、第2時点の資産の価格は145であることが分かり、14500の値が得られる。
【0058】
[1074] 資産100株の価値の変化により、純利益3000がもたらされる。2倍マルチプライヤファンド(「2倍ファンドB」)に投資することにより、2倍マルチプライヤファンドの変化は26.09%変化した一方、対象値は13.04%変化した。したがって、2倍マルチプライヤファンドの変化率は、対象インデックスの値の変化率の2倍であり、インデックスの全変化率が活用され得る。さらに、(例えば、対象インデックスを100に再設定するのではなく)対象インデックスの全変化率を活用することにより、各初期開始取引を(
図3に示すような評価モジュール324および/または報告モジュール326を介して)個別に追跡することが望ましい場合もある。同様に述べると、開始取引時に、調整値Φを対象インデックスの値に関連付けることにより、資産の価値は、開始取引時点の資産の価値に存する。したがって、各開始取引を個別に追跡することが望ましい。
【0059】
[1075] 第2期間中の同一の2倍マルチプライヤファンド「2倍ファンドB」の第2の開始取引および終了取引が、例えば、
図9に示され、異なる始値および終値(例えば、第2の開始取引に関連付けられた第3時点と、終了取引に関連付けられた第4時点とにおける異なる値)を使用して上述の方法が例示されている。図示の通り「2倍ファンドB」では、資産価値の変化が、インデックス値の変化のちょうど2倍になっている。したがって、「2倍ファンドB」に関連付けられた値を決定する方法については、さらなる説明を省略する。
【0060】
[1076]
図8を参照して上述した調整値Φおよび「2倍ファンドA」の価格と、
図9を参照して上述した調整値Φおよび「2倍ファンドB」の価格とは異なるものの、正味変化(例えば、純利益)は同じである。このように、十分な透明性(例えば、調整値の開示)をもって、
図8を参照して上述した調整値Φ、および、
図9を参照して上述した調整値Φをそれぞれ使用することで、資産の価値はV
Fund=CV
Index×Φと好適に記述される。さらに、いくつかの実施形態において、
図9を参照して上述した調整値Φに関する式は、例えば、
図8に記載される方法(例えば、対象インデックスが100に再設定される方法)と類似の方法においても使用することができる。
【0061】
[1077] いくつかの実施形態において、本明細書で(
図6〜9を参照して)説明する投資は、ファンドマネージャまたはカウンタパーティにより、二次資産の購入を介してヘッジされ得る。例えば、いくつかの実施形態において、ファンドマネージャまたはカウンタパーティは、ファンド内の株を売却することのリスク・エクスポージャを、類似の金融商品、異なる金融商品、またはそれらの組み合わせにおける二次資産を購入することによる投資を担保にすることによって、制限することが望ましい。さらに、いくつかの実施形態において、既存の担保ヘッジ戦略を、該ヘッジ戦略が調整値Φを追加して考慮するように調整することが望ましいこともある。同様に述べると、いくつかの実施形態では、資産の価値を、対象インデックスの値と調整値Φとの両方に関連付けることにより、対象インデックスの値および調整値Φに関連付けられたヘッジ戦略が実現され、投資と二次資産との両方に対し等しいエクスポージャを提供することができる。
【0062】
[1078] いくつかの実施形態において、標準的な2倍マルチプライヤファンド向けの担保ヘッジ戦略は、例えば、2つの「ディープ・イン・ザ・マネー」コールオプションを購入することを含み得る。そのような実施形態では、コールオプションは、資産の市場価値よりも実質的に安いプレミアム(例えば、オプションの価格)と、同様に資産の市場価値よりも実質的に安い「ストライクプライス」で購入され得る。そのような実施形態では、購入者がその資産をコールオプションの売却者から同意した価格で購入することができ、その後、ストライクプライスよりも高い価格で二次購入者に売却することができるため、価格市場価値の変化は、2倍マルチプライヤファンドの価値およびコールオプションにほぼ同額の変化をもたらし得る。したがって、ファンドマネージャまたはカウンタパーティのエクスポージャは、2倍マルチプライヤファンドの株式のエクスポージャにほぼ匹敵する。
【0063】
[1079] いくつかの実施形態において、マルチプライヤファンドの担保をヘッジする方法であって、資産の価値が部分的に調整値Φと関連付けられている方法は、マルチプライヤファンドの株式のエクスポージャを反映する二次資産を購入することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、投資家が2倍Φファンドの株式である第1資産を$100、Φ値1.0で購入する場合、ファンドマネージャまたはカウンタパーティは、第1資産(つまり、購入された株式)のエクスポージャを反映するように構成された第2資産を購入することができる。いくつかの実施形態において、この方法では、評価モジュール324(
図3)がファンド株式の現在価値および第2担保資産に対する要求に関連付けられた信号を受信し得る。いくつかの実施形態において、第2担保資産は、例えば、対象インデックスファンドに関連付けられた1つ以上のコールオプションであり得る。他の実施形態では、第2担保資産は、オプション(例えば、プットオプション、オプションスプレッド、オプションストラドル、オプションボックススプレッド(option box spread)、オプションストラングルなど)、商品(例えば、先物取引、商品プール取引(commodity pool contract)、先渡取引、現物取引など)、または他のあらゆる金融商品(例えば、他のミューチュアルファンド、ETF、証券、手形、債券、エクイティ、スワップなど)のうちの1つ以上であってもよい。いくつかの実施形態において、オプション(例えば、コールオプション)の数は、Φ‐ファンドの乗数に関連付けられ得る(例えば、100株の2倍Φ‐ファンドは、各々100株の2つのコールオプションによってヘッジされ得る)。例えば、いくつかの実施形態において、対象インデックスファンドの株式が100である場合、第2資産は、$30(+プレミアム値)とストライクプライス$70でそれぞれ購入される、対象インデックスファンドにおける2つのコールオプション(例えば、ディープ・イン・ザ・マネーコールオプション)を含み得る。他の実施形態では、オプション(または他の金融商品)の数は、Φ‐ファンドの乗数に関連付けられなくてもよい。
【0064】
[1080] いくつかの実施形態において、ファンドマネージャまたはカウンタパーティによってマルチプライヤファンドのエクスポージャをヘッジするために採用される方法は、第2資産の価値を、エクスポージャが同等レベルに維持されるように、調節すること(例えば、購入する第2資産を増やすまたは減らすこと)を含み得る。より具体的には、いくつかの実施形態において、第2資産の価値は、前日の調整値Φの終値に少なくとも部分的に基づき得る。例えば、Φの終値が低い(例えば、1.0未満)場合、保有される第2資産の価値は増加し、Φの終値が高い(例えば、1.0より大きい)場合、第2資産の価値は減少し得る。例えば、いくつかの実施形態において、2倍Φ‐ファンドは、価値が$110、Φ値が1.1で終え得る。さらに、(上述した)コールオプションの価値は、$30から$40(+比較的安いプレミアム)に増加し得る。したがって、2倍Φ‐ファンドの価値が$110まで増加すると、第2資産の価値は、エクスポージャのレベルが同一に維持されるように減少され得る。いくつかの実施形態において、マルチプライヤファンドをヘッジする方法は、第2資産の数を、前日のΦの終値で除算することを含み得る。例えば、上述したように、Φの終値は1.1であるため、第2資産のコールオプションの数は1.1で除算され得る(例えば、20/1.1=18)。いくつかの実施形態において、コールオプションの数(つまり、第2資産)を除算することにより、コールオプションの部分(例えば、端数)が得られる。いくつかの実施形態では、そのようなコールオプションの部分は、ファンドマネージャまたはカウンタパーティが完全なコールオプションを保有できるように四捨五入される。例えば、いくつかの実施形態において、ファンドマネージャが2つのコールオプションを保有し、Φ値が1.1である場合、2/1.1=1.8となる。そのような実施形態では、コールオプションの0.8の部分は、ファンドマネージャが2つの完全なコールオプションを維持するように、繰り上げることができる。他の実施形態では、1つ以上のコールオプションが売却され、よりエクスポージャの小さい第3のコールオプションが購入されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、コールオプションの0.8の部分は、ファンドマネージャまたはカウンタパーティが、一方が他方のエクスポージャの0.8倍の価値を有する2つの完全なコールオプションを保有するように、第2資産のコールオプションのエクスポージャの0.8倍の価値がある完全なコールオプション約定であってよい。
【0065】
[1081] いくつかの実施形態において、第1資産は、(対象インデックスに関連付けられた)第1マルチプライヤファンドに関連付けられ、(対象インデックスに関連付けられた)第2資産は、例えばインバースマルチプライヤファンドである第2マルチプライヤファンドに関連付けられ得る。例えば、第1資産は、2倍マルチプライヤファンド(例えば、Φなどの調整値を使用するマルチプライヤファンド)に関連付けられ、第2資産は−2倍マルチプライヤファンド(例えば、Φなどの調整値を使用するマルチプライヤファンド)に関連付けられ得る。各マルチプライヤファンドが同一の対象インデックスに関連付けられているため、第2資産の価値の変化は、第1資産の価値の変化に反比例する。したがって、ファンドマネージャが同等数量の第1資産および第2資産を保有する場合、第1資産および第2資産は、平衡ヘッジ(balanced hedge)を作り出し、該数量の第1資産の価値は、該数量の第2資産のエクスポージャを(例えば、均衡させる、打ち消す、等化させる、再現するなどして)相殺する。他の実施形態では、ファンドマネージャは、第1数量の第1資産と、第1数量よりも少ない第2数量の第2資産を保有し得る。そのような実施形態では、ファンドマネージャまたはカウンタパーティは、第2資産の数量では相殺されない一部の第1資産の数量のみヘッジすればよい(逆の場合も同様)。
【0066】
[1082] いくつかの実施形態において、第2資産は、例えば、プットオプションを含み得る。そのような実施形態では、第2資産は、例えば、インバースマルチプライヤファンドのリスクを制限することができる。特定の担保ヘッジ戦略について上述したが、あらゆる既存のヘッジ戦略を、調整値Φを考慮するように変更することができる。より具体的には、資産の価値を使用して標準的なマルチプライヤインデックスファンド(例えば、調整値Φを使用しないファンド)のエクスポージャを反映させる任意の担保ヘッジ戦略の場合、資産の価値は、Φなどの係数で除算することにより、調整値Φを使用する同等のマルチプライヤインデックスファンドと同一レベルのエクスポージャを提供するように規制することができる。Φで除算することにより、Φを使用するマルチプライヤファンドのエクスポージャレベルは、標準的なマルチプライヤファンドのエクスポージャレベルと同一になり得る。
【0067】
[1083] 本明細書に記載した実施形態は、多様なコンピュータに実施される動作を実行するための命令またはコンピュータコード有する持続性のコンピュータ可読媒体(持続性のプロセッサ可読媒体とも呼ばれ得る)を有するコンピュータ記憶製品に関する。コンピュータ可読媒体(またはプロセッサ可読媒体)は、それ自体が一時的な伝搬信号(例えば、空間またはケーブルなど伝送媒体上で情報を伝達する伝搬電磁波など)を含まないという意味で、持続性の。媒体およびコンピュータコード(コードとも呼ばれ得る)は、特定の用途向けに設計および構築されたようなものであってよい。持続性のコンピュータ可読媒体の例には、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープなどの磁気記憶媒体、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク‐リードオンリメモリ(CD−ROM)、ホログラフィックデバイスなどの光学記憶媒体、光ディスクなどの光磁気記憶媒体、伝送波信号処理モジュール、ならびに、プログラムコードを記憶し、かつ実行するように特別に構成された、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、リードオンリメモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなどのハードウェアデバイスが含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記載した他の実施形態は、例えば、本明細書で説明した命令および/またはコンピュータコードを含み得るコンピュータプログラム製品に関する。
【0068】
[1084] コンピュータコードの例には、マイクロコードもしくはマイクロ命令、コンパイラにより生成されるような機械命令、ウェブサービスを生成するために使用されるコード、およびインタプリタを使用してコンピュータによって実行される高次命令を含むファイルなどが含まれるが、これらに限定されない。例えば、実施形態は、Java(登録商標)、C++または他のプログラミング言語(例えば、オブジェクト指向のプログラミング言語)および開発ツールを使用して実施され得る。コンピュータコードの更なる例としては、制御信号、暗号化コード、および圧縮コードが含まれるが、これらに限定されない。
【0069】
[1085] 以上、多様な実施形態について記載したが、これらの実施形態は、限定ではなく、例示のみを目的として示したものであり、形態および細部について多様な変更を加えることができることが理解されるべきである。本明細書に記載した装置および/または方法のいずれの部分も、互いに相容れない組み合わせ以外は、あらゆる組み合わせで組み合わせることができる。本明細書に記載した実施形態は、別々の実施形態の機能、構成要素および/または特徴の多様な組み合わせおよびまた小組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、評価サーバは、評価システムの1つ以上の他の評価サーバと物理的におよび/または動作可能に接続されてもよい。