(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6169269
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】インダクタのための駆動回路、インダクタの作動方法、駆動回路を備えたアクティブ送信装置
(51)【国際特許分類】
H03K 17/13 20060101AFI20170713BHJP
H04B 5/02 20060101ALI20170713BHJP
B60R 25/24 20130101ALI20170713BHJP
【FI】
H03K17/13 C
H04B5/02
B60R25/24
【請求項の数】19
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-519374(P2016-519374)
(86)(22)【出願日】2015年5月11日
(65)【公表番号】特表2016-539528(P2016-539528A)
(43)【公表日】2016年12月15日
(86)【国際出願番号】EP2015060283
(87)【国際公開番号】WO2015173163
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2016年3月31日
(31)【優先権主張番号】102014208880.1
(32)【優先日】2014年5月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヘアベアト フロイツハイム
(72)【発明者】
【氏名】ディーター ザース
(72)【発明者】
【氏名】ノアベアト ファン デア ハイト
【審査官】
小林 正明
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/101907(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/024396(WO,A1)
【文献】
特表2014−529283(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/035745(WO,A1)
【文献】
特開2011−101524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/13
B60R 25/24
H04B 5/02
H02J 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インダクタ(1)のための駆動回路であって、
コンデンサ(4)と、
前記コンデンサ(4)のために基準電圧(Ur)を供給する2つの入力端(11,12)と、
前記インダクタ(1)を前記コンデンサ(4)に接続する2つの出力端(13,14)と、
前記2つの入力端(11,12)の一方(11)に接続された第1の制御可能なスイッチ(5)と、
前記2つの出力端(13,14)の間に接続された第2の制御可能なスイッチ(7)と、
スイッチング制御装置(9)とを含み、
前記スイッチング制御装置(9)は、前記コンデンサ(4)に印加される電圧(Vc)若しくは前記インダクタ(1)を流れる電流(Ia)を測定し、かつ、前記第1のスイッチ(5)および前記第2のスイッチ(7)を、前記コンデンサ(4)に印加された電圧(Vc)若しくは前記インダクタ(1)を流れる電流(Ia)に依存して、下記のごとく制御するように構成されており、すなわち、
前記第2のスイッチ(7)が開放されている場合に、前記コンデンサ(4)を基準電圧(Ur)まで充電するために前記第1のスイッチ(5)が閉成され、
その後で前記コンデンサ(4)を、前記インダクタ(1)を介して振動方式で放電するために前記第1のスイッチ(5)が開放され、さらに、
前記第2のスイッチ(7)は、前記コンデンサ(4)における電圧(Vc)若しくは前記インダクタ(1)を流れる電流(Ia)が、少なくとも1つの完全な振動期間を経過するまで開放され続け、その後で閉成される、ように制御する、
ことを特徴とする駆動回路。
【請求項2】
電流制限部(6)または電流負荷部が前記第1のスイッチ(5)に直列に接続されている、請求項1記載の駆動回路。
【請求項3】
前記スイッチング制御装置(9)は、前記コンデンサ(4)に印加される電圧(Vc)の零交差若しくは前記インダクタ(1)を流れる電流(Ia)のピーク値を検出し、かつ、少なくとも2つの前記電圧の零交差、若しくは、少なくとも2つの前記電流のピーク値に続き、前記第2のスイッチ(7)を閉成するように構成されている、請求項1または2記載の駆動回路。
【請求項4】
前記スイッチング制御装置(9)は、変調信号(MOD)のための変調入力端を有し、さらに前記第1のスイッチ(5)と前記第2のスイッチ(7)のスイッチング周期を、前記変調信号(MOD)に依存して制御するように構成されている、請求項1から3いずれか1項記載の駆動回路。
【請求項5】
前記スイッチング制御装置(9)は、位相シフトキーイング変調または振幅シフトキーイング変調または周波数シフトキーイング変調を実施するように構成されている、請求項4記載の駆動回路。
【請求項6】
少なくとも前記第1のスイッチ(5)および前記第2のスイッチ(7)は、制御可能な半導体素子として構成されている、請求項1から5いずれか1項記載の駆動回路。
【請求項7】
前記インダクタ(1)に対して直列にオーム抵抗(8)が接続されている、請求項1から6いずれか1項記載の駆動回路。
【請求項8】
前記スイッチング制御装置(9)は、前記コンデンサ(4)の電圧の微分を評価するように構成されている、請求項1から6いずれか1項記載の駆動回路。
【請求項9】
前記コンデンサ(4)と前記インダクタ(1)とによって形成される共振回路は、伝送のために設定された周波数よりも高い共振周波数を有している、請求項1から8いずれか1項記載の駆動回路。
【請求項10】
前記共振周波数は、伝送のために設定された周波数よりも5乃至30%高い、請求項9記載の駆動回路。
【請求項11】
第3の制御可能なスイッチ(10)が、前記コンデンサ(4)に並列に接続されており、前記第3の制御可能なスイッチ(10)は、前記駆動回路の非活性化状態のときに前記コンデンサ(4)を放電するように構成されている、請求項1から10いずれか1項記載の駆動回路。
【請求項12】
インダクタ(1)の作動方法であって、
充電電流を用いてコンデンサ(4)を基準電圧(Ur)まで充電し、
前記充電されたコンデンサ(4)を、前記インダクタ(1)を介して振動方式で放電させ、
前記コンデンサ(4)に印加される電圧(Vc)若しくは前記インダクタ(1)を流れる電流(Ia)が少なくとも1つの完全な振動周期を経た場合に、前記インダクタ(1)を短絡させ、
前記コンデンサ(4)に対する基準電圧(Ur)を供給するために2つの入力端(11,12)が使用され、
前記コンダクタ(1)を前記コンデンサ(4)に接続させるために2つの出力端(13,14)が使用され、
前記2つの入力端(11,12)のうちの一方(11)に接続された第1の制御可能なスイッチ(5)が使用され、
前記2つの出力端(13,14)の間に接続された第2の制御可能なスイッチ(7)が使用され、
スイッチング制御装置(9)は、前記コンデンサ(4)に印加される電圧(Vc)若しくは前記インダクタ(1)を流れる電流(Ia)を測定し、かつ前記第1のスイッチ(5)と前記第2のスイッチ(7)とを、前記コンデンサ(4)に印加される電圧(Vc)に、若しくは前記インダクタ(1)を流れる電流(Ia)に依存して、下記のごとく制御する、すなわち、
前記第2のスイッチ(7)が開放されている場合に、前記コンデンサ(4)を基準電圧(Ur)まで充電するために前記第1のスイッチ(5)を閉成し、
その後で前記コンデンサ(4)を前記インダクタ(1)を介して振動方式で放電するために前記第1のスイッチ(5)を開放し、さらに、
前記第2のスイッチ(7)を、前記コンデンサ(4)における電圧(Vc)若しくは前記インダクタ(1)を流れる電流(Ia)が、少なくとも1つの完全な振動期間を経過するまで開放し続け、その後で閉成する、ように制御する
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記コンデンサの充電電流(Ia)は、制限若しくは負荷される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記コンデンサ(4)に印加される電圧(Vc)の零交差若しくは前記インダクタ(1)を流れる電流(Ia)のピーク値が検出され、少なくとも2つの前記電圧の零交差、若しくは、少なくとも2つの前記電流のピーク値に続き、前記インダクタ(1)を短絡する、請求項12または13記載の方法。
【請求項15】
前記コンデンサ(4)の充放電サイクルを、変調信号(MOD)に依存して制御する、請求項12から14いずれか1項記載の方法。
【請求項16】
位相シフトキーイング変調または振幅シフトキーイング変調または周波数シフトキーイング変調が、前記変調信号(MOD)に基づいて実施される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記コンデンサ(4)の電圧の微分は、電流測定のために評価される、請求項12から16いずれか1項記載の方法。
【請求項18】
前記コンデンサ(4)を、前記駆動回路の非活性化状態のもとで放電する、請求項12から17いずれか1項記載の方法。
【請求項19】
誘導アンテナ(1)と、
コンデンサ(4)と、
基準電圧(Ur)と、
前記基準電圧(Ur)と前記コンデンサ(4)との間に接続されている2つの入力端(11,12)と、
前記誘導アンテナ(1)と前記コンデンサ(4)との間に接続されている2つの出力端(13,14)と、
前記2つの入力端(11,12)のうちの一方(11)に接続された第1の制御可能なスイッチ(5)と、
前記2つの出力端(13,14)の間に接続された第2の制御可能なスイッチ(7)と、
スイッチング制御装置(9)とを含むアクティブ送信装置であって、
前記スイッチング制御装置(9)は、前記コンデンサ(4)に印加される電圧(Vc)若しくは前記インダクタ(1)を流れる電流(Ia)を測定し、かつ、前記第1のスイッチ(5)と前記第2のスイッチ(7)とを、前記コンデンサ(4)に印加される電圧(Vc)若しくは前記インダクタ(1)を流れる電流(Ia)に依存して、下記のごとく制御するように構成されており、すなわち、
前記第2のスイッチ(7)が開放されている場合に、前記コンデンサ(4)を基準電圧(Ur)まで充電するために前記第1のスイッチ(5)が閉成され、
その後で前記コンデンサ(4)を前記インダクタ(1)を介して振動方式で放電するために前記第1のスイッチ(5)が開放され、さらに、
前記第2のスイッチ(7)は、前記コンデンサ(4)における電圧(Vc)若しくは前記インダクタ(1)を流れる電流(Ia)が、少なくとも1つの完全な振動期間を経過するまで開放され続け、その後で閉成される、ように制御する、
ことを特徴とするアクティブ送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタ、特に誘導アンテナのための駆動回路、インダクタの動作方法、並びに駆動回路を備えたアクティブ送信装置に関している。
【背景技術】
【0002】
車両用キーレスエントリおよびエンジンスタートシステム、例えばパッシブスタートエントリシステム(PASE)などは、自動車キーを能動的に活用することなく、車両のロックを解除し、スタートボタンをただ押すだけで始動することができる自動システムである。このことは、運転者自身が携帯するチップ付きの電子キーによっても可能である。周期的に車両からは、少なくとも1つの車載アンテナを介して、LF周波数(「LF」とは例えば20kHz〜200kHzの間の周波数の「低周波」を指す)のコード化された問合せ信号が送信される。このシステムは、UHF帯域(「UHF」とは例えば3桁のMHz領域の「極超短波」を指す)の受信モードに切り換えられて肯定応答を待つ。点灯します。トランスポンダを内蔵しているキーが到達範囲内に入ると、このキーは、LF信号を受信して、それを復号化し、新たな符号化によってUHF信号として再び送信する。このUHF信号は、車両において復号化される。車両は両方のコーディングテーブルを熟知しているので、自身の元の送信と現在の受信信号とを比較することができ、一致する場合にはアクセスを承認する。定められた期間内で適正な応答が存在しない場合には、何も起きず、システムは再びスタンバイ状態に切り換わる。エンジン始動過程は、エンジン始動ボタンを操作することを除いて実質的にアクセス制御過程に相応している。
【0003】
LF信号の送信のためのアンテナとしては、例えば、コイルを備えたフェライトコア(マグネットアンテナ若しくはフェライトアンテナとも称される)として実施される誘導アンテナが主に使用されている。誘導アンテナのインダクタは、大抵は共振回路のキャパシタと一緒に使用される。そのような共振回路のエネルギー消費量は、通常は、キーレスエントリエンジンスタートシステムの電力消費量全体を可能な限り僅かに抑えるためにも、可及的に高い品質と精度の周波数同調によってなるべく低く維持される。低い電力消費は、例えば車両を比較的長期間使わなかった場合、そうでなければ車両バッテリがすぐに放電してしまうので、それだけの理由からも望ましいことである。しかしながら高い品質は、データの伝送レートを制限し、さらにまた高い品質での正確な同調には付帯的なコストも必要となる。それ故に普通の装置では多くの場合、データレートとコストとエネルギー消費との間で不満の残る妥協が示される。
【0004】
本発明の課題は、この点において改良された、インダクタのための駆動回路を提供することである。また、インダクタの改良された作動方法並びに改良された発振回路を備えるアクティブ送信装置を提供することである。
【0005】
前記課題は、請求項1に記載のインダクタのための駆動回路並びに請求項12に記載のインダクタの作動方法並びに請求項19に記載のアクティブ送信装置によって解決される。
【0006】
本発明に係るインダクタのための駆動回路は、1つのコンデンサと、コンデンサのために基準電圧を供給する2つの入力パスと、インダクタをコンデンサに接続する2つの出力パスとを含む。さらにこの駆動回路は、2つの入力パスのうちの1つに接続された第1の制御可能なスイッチと、2つの出力パスの間に接続された第2の制御スイッチとを含んでいる。スイッチング制御装置は、インダクタを流れる電流若しくはコンデンサに印加される電圧を測定し、かつ第1及び第2のスイッチを、インダクタを流れる電流またはコンデンサに印加される電圧に依存して制御するように構成されている。この制御により、前記第2のスイッチが開かれている場合に、前記コンデンサを基準電圧まで充電するために前記第1のスイッチが閉じられる。その後で前記コンデンサを、前記インダクタを介して振動方式で放電するために前記第1のスイッチが開かれる。前記第2のスイッチは、前記コンデンサにおける電圧若しくは前記インダクタを流れる電流が、少なくとも1つの完全な振動周期を経るまで開き続け、その後で閉じられる。
【0007】
本発明に係る駆動回路の利点は、より少ない回路コストおよび調整コスト、より少ない消費電力、より少ない障害信号放射、並びに寸法公差に対する低い感度である。
【0008】
さらに、第1のスイッチに対して直列に電流制限部若しくは電流印加部が接続されてもよく、それによって、好ましくはコンデンサ、スイッチ、または基準電圧源の過負荷が避けられる。
【0009】
スイッチング制御装置は、インダクタを流れる電流のピーク値若しくはコンデンサにおける電圧の零交差を検出し、かつ前記電流の少なくとも2つのピーク値若しくは前記電圧の少なくとも2つの零交差に続いて、前記第2のスイッチを閉成するように構成されている。ピーク値の検出若しくは零交差の検出は、振動周期の終端を検出する簡単かつ効率的な手段である。
【0010】
前記スイッチング制御装置は、多様な適用性を有利に開発するために、変調信号のための変調入力側を有し、さらに前記第1のスイッチと前記第2のスイッチのスイッチング周期を、前記変調信号に依存して制御するように構成されていてもよい。
【0011】
さらに前記スイッチング制御装置は、位相シフトキーイング変調または振幅シフトキーイング変調または周波数シフトキーイング変調を実施できるように構成されていてもよい。このスイッチング制御装置は、変調の際に1の実効品質値を提供し、それに対して共振回路は、高い品質でもって非常に省エネで動作する。
【0012】
少なくとも前記第1および第2のスイッチは、制御可能な半導体素子として構成されていてもよい。これにより簡単な形式で、少なくコストでより高いスイッチング周波数での実施が可能となる。
【0013】
必要に応じて、前記コンデンサとインダクタで形成される共振回路の減衰を増加させるために、および/または少ないコストで電流測定を可能にするために、前記インダクタに対して直列にオーム抵抗が接続されていてもよい。
【0014】
また前記スイッチング制御装置は、直接の電流測定が望ましくない場合、あるいは実用的でない場合に、前記コンデンサにおける電圧の微分を評価するように構成されていてもよい。
【0015】
好ましくは、前記コンデンサとインダクタによって形成される共振回路は、伝送のために設けられる周波数よりも高い共振周波数を有している。この共振周波数は、例えば伝送のために設けられた周波数よりも5乃至30%高いものであってもよい。
【0016】
第3の制御可能なスイッチを前記コンデンサに(直接的または間接的に)並列に接続させ、このスイッチを、駆動回路の非活性化状態のときにコンデンサを放電するように制御することも可能である。これにより好適には、非活性化状態においてコンデンサを特定の電圧下、例えば0Vにおくことが可能となる。
【0017】
前記課題は、さらに、充電電流を用いてコンデンサを基準電圧まで充電し、前記充電されたコンデンサを、前記インダクタを介して振動方式で放電させ、前記コンデンサに印加される電圧若しくは前記インダクタを流れる電流が少なくとも1つの完全な振動周期を経た場合に、前記インダクタを短絡させるようにしたインダクタの作動方法によっても解決される。このような方法は、非常に効率的であり、実施の際にもわずかなコストしか必要としない。
【0018】
コンデンサの充電電流は、過電流からの保護のために制限若しくは負荷される。
【0019】
さらにインダクタを流れる電流のピーク値若しくはコンデンサにおける電圧の零交差が検出され、少なくとも2つの電流のピーク値若しくは電圧の零交差に続いてインダクタが短絡される。ピーク値若しくは零交差の検出は、振動周期の終端を確定するための簡単で効率的な手段である。
【0020】
特に送信装置として使用した場合、インダクタまたはコンデンサの充放電周期は、変調信号に依存して制御することができる。
【0021】
この場合は変調信号に基づいて、位相シフトキーイング変調または振幅変調または周波数変調が実施可能である。これらの充放電サイクルは、値1の実効品質を伴う変調が行われ、共振回路は高い品質で動作するように構成されてもよい。これにより動作は非常に省エネとなる。
【0022】
電流測定のために、代替的に、コンデンサにおける電圧の微分が評価されてもよい。
【0023】
またコンデンサは、駆動回路の非活性化状態において、場合によっては過電流保護のための電流制限部若しくは電流負荷部を用いて放電させてもよい。それにより、非活性化状態において、所定の状態が、コンデンサとインダクタに存在する。
【0024】
また前記課題は、誘導アンテナと、コンデンサと、基準電圧とを含んだアクティブ送信装置によって解決される。その他にもこのアクティブ送信装置は、前記基準電圧と前記コンデンサとの間に接続される2つの入力パスと、前記誘導アンテナと前記コンデンサとの間に接続される2つの出力パスとを含んでいる。ここでは第1の制御可能なスイッチは、前記2つの入力パスのうちの一方に接続され、第2の制御可能なスイッチは、前記2つの出力パスの間に接続されている。スイッチング制御装置は、前記コンデンサに印加される電圧若しくは前記インダクタを流れる電流を測定し、かつ前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとを、前記コンデンサに印加される電圧若しくは前記インダクタを流れる電流に依存して制御するように構成され、この制御により、前記第2のスイッチが開放されている場合に、前記コンデンサを基準電圧まで充電するために前記第1のスイッチが閉成される。その後で、前記第1のスイッチは、前記コンデンサを前記インダクタを介して振動方式で放電するために開放される。前記第2のスイッチは、前記コンデンサにおける電圧若しくは前記インダクタを流れる電流が、少なくとも1つの完全な振動周期を経るまで開放され続け、その後で閉成される。この種のアクティブな送信装置は、例えばパッシブスタートエントリ(PASE)システムのような、車両用キーレスエントリスタートシステムの分野に有利に用いることが可能である。
【0025】
以下では本発明を、図面に示す例示的な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】インダクタのための例示的な駆動回路のブロック回路図
【
図2】半導体スイッチを用いた
図1による駆動回路のブロック回路図
【
図3】充電中と充電後における、駆動回路のコンデンサにかかる電圧の特性曲線経過、駆動回路のコンデンサ内を流れる電流の特性経過、並びにアンテナを流れる電流の特性経過をそれぞれ示した図
【
図4】インダクタを流れる電流の特性経過を2つの振動周期にわたって示した図
【
図5】コンデンサにかかる電圧の特性経過を2つの振動周期にわたって示した図
【
図6】駆動回路のコンデンサにかかる電圧の特性経過、並びにインダクタを流れる電流の特性経過を、スイッチの制御信号と変調信号に関して示した図
【
図7】充電中および充電後の共振回路におけるエネルギーの特性経過を示した図
【
図8】共振回路におけるエネルギーの特性経過を2つの振動周期に亘って示した図
【
図9】インダクタを流れる電流の高調波の減衰特性経過を示した図
【
図10】インダクタの電圧の高調波の減衰特性経過を示した図
【0027】
発明を実施するための形態
図1には、インダクタのためのドライバ回路の一実施形態が示されており、このインダクタはここでは、アクティブ送信装置のフェライトアンテナのような誘導アンテナ1によって示されている。この誘導アンテナ1は、
図1に示されているような純粋な誘導性の回路部分2と抵抗性の回路部分3とからなる電気的な直列回路による代用で説明することができる。コンデンサ4は、一方では、アースMに基づく基準電圧Urの供給のために2つの入力パス11、12に接続され、誘導アンテナ1をコンデンサ4に接続する2つの出力パス13,14に接続されている。この場合第1の制御可能なスイッチ5は、2つの入力パス11,12の上方側11に接続されている。但し代替的に2つの入力パスの下方側12に接続することも可能である。
【0028】
前記スイッチ5に対して直列に、オーム抵抗6が接続されており、この抵抗6は、入力パス11,12内への電流の制限のために用いられる。
【0029】
オーム抵抗6の代わりに、電流源やその他のタイプの電流負荷若しくは電流制限を用いることも可能である。第2の制御スイッチ7は、2つの出力パス13,14の間に接続されている。オーム抵抗8は、2つの出力パス13、14の下方側14に接続されてもよい。このオーム抵抗8は、コンデンサ4及び誘導アンテナ1によって形成される振動回路の減衰のために使用されてもよいし、および/または誘導アンテナ1を流れる電流Iaを測定する測定抵抗として使用されてもよい。また代替的にこの抵抗8は、他方の出力パス13内に配置されてもよいし、あるいは完全に省いてもよい。振動周期の数を求めるために、代替的に、コンデンサ4における電圧(の放電)が、例えば対応する測定装置またはスイッチング制御装置9によって評価されてもよい。
【0030】
コンデンサ4に係る電圧Vcをタップし評価するスイッチング制御装置9は、例えば電圧Vcの零交差を求める(あるいは電流Iaのピーク値若しくは電圧Vcの放電のピーク値)。スイッチ7が開放されている場合(制御信号S2)に、スイッチング制御装置9の制御の下で、第1のスイッチ5が制御信号S1を用いて閉成され、コンデンサ4が基準電圧Urまで充電される。この場合電流Iaは、誘導アンテナ1を通って流れ始める。それに続いて、第1のスイッチ5が開かれ、コンデンサ4は誘導アンテナ1を介して振動方式で、すなわち少なくとも1つの完全な振動の実施によって放電され、その際第2のスイッチ7は、誘導アンテナ1を流れる電流Iaが1つの完全な振動周期(あるいは複数の完全な振動周期)を経た後で、コンデンサ4に係る電圧Vcが正確に0Vになった場合にしか閉成されない。代替的に、スイッチング制御装置9は、電流Iaに比例する抵抗8に係る電圧を相応の方法で評価することも可能である。
【0031】
さらに任意に第3の制御可能なスイッチ10が、場合によっては直列に接続されたダイオード22と一緒にコンデンサ4に直接接続されてもよいし、図示のように抵抗6を介して並列に接続されてもよい。このスイッチ10は、制御信号S3を用いて、駆動回路が非活性化状態の場合にコンデンサ4を放電するように制御される。スイッチング制御装置9は、スイッチ5,7,10のために、制御信号S1,S2,S3を準備し、さらに変調信号MODのための変調入力側を有している。
【0032】
図2に示されているように、制御可能なスイッチ5,7および10として半導体スイッチや電界効果トランジスタ、特にMOS電界効果トランジスタ(MOSとは「金属酸化物半導体」の略)などの半導体素子が個別に若しくはグループで用いられる。例えば制御可能なスイッチ5は、pチャネルエンハンスメント型の2つのMOS電界効果トランジスタ15及び16によって置き換え可能である。このことのためにMOS電界効果トランジスタ15のドレイン−ソース区間が直接入力パス11に接続され、それに対してMOS電界効果トランジスタ16のドレイン−ソース区間は、抵抗17の介在接続のもとで、MOS電界効果トランジスタ15のドレイン−ソース区間に並列に接続されている。MOS電界効果トランジスタ15のゲートは、この場合スイッチング制御装置9からの制御信号S1によって制御され、それに対してMOS電界効果トランジスタ16のゲートは、MOS電界効果トランジスタの16の制御信号S4によって制御される。
【0033】
スイッチ7は、例えばnチャネルエンハンスメント型の2つのMOS電界効果トランジスタ19,20によって実現することが可能であり、それらのドレイン−ソース区間は、出力パス13と14の間で互いに逆直列接続されており、それによって、互いに逆直列接続されたドレイン−ソース区間は、誘導アンテナ1に対して並列に接続されている。MOS電界効果トランジスタ19及び20のゲートは、相互に接続され、スイッチング制御手段9からの制御信号S2を介して制御される。入口パス11においては、場合によってはトランジスタ15,16のドレイン−ソース区間に対してダイオード18が直列に接続されていてもよい。
【0034】
スイッチ10は、例えばnチャネルエンハンスメント型の個々のMOS電界効果トランジスタ21によって実現されていてもよく、そのドレイン−ソース区間がダイオード22とアースとの間に接続され、そのゲートはスイッチング制御装置9からの制御信号S2を介して制御される。図示のMOS電界効果トランジスタ(すべての導電型)の他に、他の全てのタイプの適切に制御可能なスイッチ、特に制御可能な半導体スイッチが、相応の駆動回路、ブートストラップ回路、チャージポンプ等と接続されて用いられてもよい。
【0035】
図3には、充電中および充電後の、コンデンサ4に係る電圧Vcの特性経過と、コンデンサ内を流れる電流Ic(充電電流)の特性経過と、アンテナ1を流れる電流Iaとが示されている。電流Icは、スイッチ5の閉成直後はまず最大となり、その後コンデンサ4に係る電圧Vcの増加と相補的に指数関数的に低下し、それに対してコンデンサ4は充電され、既に電流が第1のアンテナを通って流れる。この場合、アンテナ1を流れる電流Iaは、その誘導特性と増加する電圧Vcに相応して緩慢に増加する。コンデンサ4が最大電圧まで充電される所定の期間Δtqが経過すると、スイッチ5が開放され、それによって当該の充電過程が終了し、コンデンサ4がアンテナ1によって放電される擬似共振動作が開始される。コンデンサ4に印加される電圧Vcの第2の零交差のもとでは、スイッチ7が閉成され、擬似共振動作が少なくともこの期間の間に終了する。その後で適用分野に応じて上述した経過が新たに開始される。
【0036】
図4には、スイッチ1が開放された後の、誘導アンテナ1を流れる電流Iaの特性経過が、2つの振動期間に対する期間tに亘って示されており、すなわち基準電圧Urを用いた充電が終了し、ここではアンテナ1内に蓄えられたエネルギーが電流Iaとしてコンデンサ4に流れる。このアンテナ1はそれにより放電され、コンデンサ4はこのエネルギーで充電される。ここでは、さらに繰り返しコンデンサ4に流すために、コンデンサ4に蓄積されたエネルギーが再びアンテナ1に戻され、そこに蓄えられる擬似共振動作が開始される。1つの周期の終わりにスイッチ5は、振動周期を、持続時間Δt2分だけ所望の期間まで延長するために、所定の持続時間の間スイッチオンされる。2つの振動周期に亘るコンデンサ4に係る電圧の対応する特性経過は
図5に示されている。
図4と
図5の両方それぞれに示されている特性曲線は、10%から20%の延長に関連している。生じ得るエネルギー損失は、コンデンサ4の放電フェーズの開始直後に、持続時間Δt1の間、基準電圧Urを用いた付加的な中間チャージによって補償することができる。これに対しては例えば比較的僅かな電流が使用される(例えばトランジスタ16を介した導通接続と抵抗17による制限)。
【0037】
図6には、2値位相シフトキーイング変調(BPSK変調)のケースに対する、
図2によるドライバ回路での制御信号S1,S2,S3およびS4に依存したコンデンサ4における電圧Vcの時間tに関する特性経過が示されている。始めに時点T0からの充電フェーズにおいて、例えば0Vから基準電圧Urへのコンデンサ4の最初の充電が開始され(トランジスタ15の導通接続)、それに応じて電圧Vcが、コンデンサ4を介して例えば0Vから基準電圧Urまで例えば指数関数的に上昇する。完全な充電は、時点T1において達成され、トランジスタ15が遮断される(制御信号S1参照)。アンテナを流れる電流Iaは、緩慢に増加する。というのもアンテナ1は、最初から、増加する電圧Vcを給電されるからであり、再び降下する前に最大値に達する。なぜならコンデンサ4に係る電圧Vcが既に低下し始めるからである。
【0038】
この場合電圧Vcは、零点を通過し(時点T2)、その後反転する。なぜならコンデンサ4が、アンテナ1内のエネルギーによって充電されるからである。電圧Vcは、1/2の振動周期を経て、時点T3での電圧Vcの第2の零交差の際に、トランジスタ19および21からなる直列回路を導通状態に切り換え、アンテナ1(およびコンデンサ4)は、時点T4まで短絡される。誘導作用に基づいて電流Iaは、トランジスタ19および21からなる直列回路を介して流れ、さらにアンテナ1にも流れる。
【0039】
時点T4では、誘導アンテナ1の振動放電のフェーズがコンデンサ4を介して再び開始される。それに応じて電圧Vcは、コンデンサ4を介して再び上昇し(例えば正弦波状に)、その後時点T5においてその最大値に達する。そこではトランジスタ16が導通状態に制御され、それによって時点T6まで基準電圧Urからの再充電が抵抗17を介して行なわれる。この場合電圧Vcは再び零点を通過し、その後で反転される。というのもここでコンデンサ4は、アンテナ1内のエネルギーによって充電されるからである。それ故電圧Vcは、再び上昇し、時点T7における電圧Vcの第2の零交差の際に、トランジスタ19および21からなる直列回路が導通状態に切り換えられ、アンテナ1(及びコンデンサ4)が時点T8まで短絡される。誘導作用に基づいて、電流Iaがトランジスタ19および21からなる直列回路を介して新たに流れ、さらに第1のアンテナにも流れる。
【0040】
上述したような振動性の放電とその結果としての時点T4とT8の間(ただし時点T5,T6,T7を含む)の電圧Vcと電流Iaの特性は、例えば、後続の時点間、例えば時点T8とT12の間(時点T9,T10,T11を含む)並びに時点T13とT17の間(時点T14,T15,T16を含む)などにおいて繰り返されてもよい。ただし、時点T12では、時点T13まで延長された待機期間が設けられており、これはBPSK変調に基づく180°の位相シフトが原因である。またこの期間中は、トランジスタ19および21の直列回路が導通状態にある。振動性の放電フェーズの間、アンテナ1は、(それぞれ少なくとも1つの振動周期の)電磁信号を発信する。時点T17の後には、例えば放電フェーズが出現し、この放電フェーズと共に(複数の振動周期の)送信過程が終了する。
【0041】
トランジスタ15,16,19,20および21のスイッチング特性に応じて、制御信号S1は、時点T1から送信過程の終了までハイレベルであり、すなわちトランジスタ15は遮断状態におかれる。制御信号S4は、時点T5とT6の間、T9とT10の間、並びにT14とT15の間はローレベルであり(トランジスタ16導通状態)、それ以外はハイレベルである(トランジスタ16遮断状態)。制御信号S2は、時点T3とT4の間、時点T7とT8の間、時点T11とT13の間、並びに時点T16とT17の間はハイレベルであり(トランジスタ19,20導通状態)、それ以外はローレベルである(トランジスタ19,20遮断状態)。制御信号S2は、最終的な放電フェーズ以外はローレベルである(トランジスタ10は最終的な放電フェーズ以外は遮断状態)。予想されるように、共振回路での電圧と電流の間の位相シフトは約90°である。変調信号MODを用いることにより、トランジスタ19および20が導通状態におかれる期間を制御することが可能である。
【0042】
図7には、充電中と充電後の、共振回路におけるエネルギーの特性経過が示されている。コンデンサ4の最初の充電のために、トランジスタ15は、期間Δtqの間は導通状態におかれ、その後再び遮断状態におかれる。共振回路におけるエネルギーは、最初に充電され、共振回路のQ値に依存する時間変化と共に減少する。十分な持続時間の間、例えば持続時間Δt1の間、再充電が繰り返されると、この装置内のエネルギーは
図8からも見て取れるように減少しない。この図では、2つの振動周期にわたるエネルギー特性が、再充電されるケース(MNL)と再充電されないケース(ONL)とで示されている。
【0043】
図9には、基本周波数GFに関連して、基本周波数GFよりも10%高い直列共振周波数SR10と、基本周波数GFよりも20%高い直列共振周波数SR20のもとでのインダクタの電流の高調波の減衰特性経過が示されている。なおここでは比較のために、インダクタとコンデンサから形成された直列共振回路の矩形波信号REを用いた駆動制御のもとでの電流の高調波の減衰特性も示されている。インダクタに係る電圧の高調波の相応の減衰特性経過は、
図10に示されている。
【0044】
図から見て取れるように、本発明による方法は、矩形波信号を用いる公知の方法に比べて、高調波に寄与するエネルギーに関してはるかに有利であり、すなわち、より少ない漂遊エネルギーしか生成せず、それと共に電磁両立性(EMC)の点でも
図1および
図2からもわかるように安価なコストから明らかである。アンテナの矩形波方式の動作では、奇数次高調波しか生成されないが、本発明による方法では、奇数次と偶数次の両方の高調波が生成される。本発明による駆動回路の良好な特性は、アンテナ1に流れる電流Iaが広い範囲にわたって正弦波形状であることと、中断が、高調波成分を生成する正弦波形状の振動過程の間の再充電期間中にのみ寄与することから生じている。その際基本振動と高調波の振幅は、アンテナ共振周波数と搬送波周波数との間の比によって変化する。
【0045】
図6に係る実施例は、BPSK変調から出発しているが、代替的にその他の多くの変調方式、例えばASK(振幅シフトキーイング)変調やFSK(周波数シフトキーイング)変調も同様に適している。
【0046】
本発明による駆動回路では、BPSK変調とは、180°の位相シフトが、伝送すべき論理値に依存して搬送波信号に挿入されることを意味する。例えば、論理値Lに対しては0°の位相シフトが設けられ、論理値Hに対しては180°の位相シフトが設けられてもよい。本発明による駆動回路では、180°の位相シフトが、それぞれの関連する放電過程を、相応の遅延時間を伴わせて実行することによって達成されている。いずれにせよ本発明による駆動回路では、品質係数Q値が非常に高いにも係わらず、BPSK変調が速やかに形成されるため、Q値は値1のように見える。これにより、エネルギー損失は極端に低くなる。なぜなら、コンデンサ4とアンテナ1からなる共振回路は、変調目的のために放電する必要がないからである。
【0047】
ASK変調では、2つの異なる振幅は、伝送すべき論理値に依存して生成される。特定の形態、例えばOOK(オン・オフキーイング)の場合、振幅値の一方は零であり、他方は、例えば最大値である。本発明によるドライバ回路に関連させれば、この特定の変調タイプでは、例えば論理値Lが伝送されるべきときには、アンテナ1が全期間スイッチオフされ続け、その他の場合で論理値Hが伝送されるべきときには、アンテナ1がスイッチオンされることを意味します。このことは、n個の搬送波周期の持続時間に対してn×360度の位相シフトに対応します。またこの場合にも品質係数は1であり、ここでもシステムには変調のためにエネルギーは供給されない。
【0048】
FSK変調では、各論理値毎に唯一の搬送波周波数が提供される。本発明による駆動回路では、この目的のために、対応する位相シフトが各放電フェーズ毎に挿入され、公称搬送波周波数より低い搬送波周波数が生成される。このケースでも品質係数は1であり、ここでもシステムには変調のためにエネルギーは供給されない。
【0049】
本発明による駆動回路並びに本発明によるアクティブ送信装置の利点は、伝送品質を損なうことなく、かつ特定の品質係数Qを必要とすることなく、共振回路の高い品質係数Qを達成することができること、EMC排出量が比較的僅かなこと、電力損失が非常に僅かなこと、マルチプレクサを用いることによって、複数の異なるアンテナを同じ駆動回路で動作させることができることである。
【符号の説明】
【0050】
1 アンテナ
2 純粋な誘導成分
3 純粋な抵抗成分
4 コンデンサ
5 第1の制御可能なスイッチ
6 抵抗
7 第2の制御可能なスイッチ
8 抵抗
9 スイッチング制御装置
10 第3の制御可能なスイッチ
11 入力パス
12 入力パス
13 出力パス
14 出力パス
15 MOS型電界効果トランジスタ
16 MOS型電界効果トランジスタ
17 抵抗
18 ダイオード
19 MOS型電界効果トランジスタ
20 MOS型電界効果トランジスタ
21 MOS型電界効果トランジスタ
22 ダイオード
GF 基本周波数
H レベル
Ia アンテナを流れる電流
Ic 充電電流
L レベル
MNL 再ロードありの特性曲線
MOD 変調信号
OML 再ロードなしの特性曲線
RE 矩形信号
S1 制御信号
S2 制御信号
S3 制御信号
S4 制御信号
SR10 基本周波数よりも10%高い直列共振周波数
SR20 基本周波数よりも20%高い直列共振周波数
t 時間
Δtq 期間
Δt1 期間
T0−T17 時点
Ur 基準電圧
Vc コンデンサにおける電圧