特許第6169370号(P6169370)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6169370
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】撮像素子及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20170713BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20170713BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   H01L27/146 D
   H04N5/225
   H01L23/12 F
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-36318(P2013-36318)
(22)【出願日】2013年2月26日
(65)【公開番号】特開2014-165397(P2014-165397A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】312011154
【氏名又は名称】マイクロモジュールテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100153017
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 昭人
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(72)【発明者】
【氏名】中田 圭俊
(72)【発明者】
【氏名】鈴村 瑞己
(72)【発明者】
【氏名】原園 文一
【審査官】 梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−67142(JP,A)
【文献】 特開2007−59581(JP,A)
【文献】 特開平5−109786(JP,A)
【文献】 特開2008−288327(JP,A)
【文献】 特開2011−35476(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/017576(WO,A1)
【文献】 特開2009−206496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H01L 23/12
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサと、
前記イメージセンサが配設される基板と、
前記基板上に設けられる所定の高さの配線部材であって、前記イメージセンサの高さ方向の位置決めをする配線部材と、
を備え、
前記イメージセンサが前記配線部材に当接した状態で接着され、
前記配線部材は、前記基板上に形成された回路パターンの一部を含んで構成され、前記回路パターンの一部は、他の回路パターンとは導通せず、フローティング状態にあることを特徴とする撮像素子。
【請求項2】
前記配線部材は、複数の部材を有することを特徴とする、請求項1に記載の撮像素子。
【請求項3】
前記複数の部材は、3つ以上の突起状の配線部材であることを特徴とする、請求項2に記載の撮像素子。
【請求項4】
前記基板は、ソルダーレジスト層を有し、
前記所定の高さは、前記ソルダーレジスト層よりも高いことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮像素子。
【請求項5】
前記配線部材は、前記回路パターンの一部上に設けられたメッキを含んで構成されることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の撮像素子。
【請求項6】
前記メッキは銅であることを特徴とする、請求項5に記載の撮像素子。
【請求項7】
前記配線部材は、前記回路パターンの一部上に設けられたスタッドバンプを含んで構成することを特徴とする、請求項1乃至4に記載の撮像素子。
【請求項8】
イメージセンサと、
前記イメージセンサが配設される基板と、
前記イメージセンサと対向するレンズと、
前記レンズが取り付けられる筐体と、
前記基板上に設けられる所定の高さの配線部材であって、前記イメージセンサの高さ方向の位置決めをする配線部材と、
を備え、
前記筐体内で、前記イメージセンサが前記配線部材に当接した状態で接着され、
前記配線部材は、前記基板上に形成された回路パターンの一部を含んで構成され、前記回路パターンの一部は、他の回路パターンとは導通せず、フローティング状態にあることを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載カメラ等に適用可能な撮像素子及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサは、ダイボンド樹脂により接着してインターポーザ基板上に配設することにより撮像素子として構成し、当該撮像素子をカメラ等の撮像装置に実装していた(例えば特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−062750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図15に従来の撮像素子100の断面図を示す。図15に示すように従来の撮像素子100において、イメージセンサ110は、ダイボンド樹脂150により接着されてインターポーザ基板120上に配設される。インターポーザ基板120は、基材121、回路パターン122、及びソルダーレジスト層123により構成される。イメージセンサ110は、インターポーザ基板120上の回路パターン122のうちソルダーレジスト層123で覆われていない部分(ボンディング電極)とワイヤ140を介して接続(ワイヤボンディング)され、インターポーザ基板120と電気的に接続される。
【0005】
ここで従来のイメージセンサ110は、ダイボンド樹脂150と当接してインターポーザ基板120上に配置されている。ダイボンド樹脂150は、接着時の熱処理加工に応じて厚さにばらつきが生じる。さらにインターポーザ基板120のソルダーレジスト層123の厚さは均一でない。そのため従来の撮像素子100において、イメージセンサ110の光軸方向の位置、すなわち高さ方向にばらつきが生じていた。
【0006】
またダイボンド樹脂150の厚さ、ソルダーレジスト層123の厚さが不均一であることに起因して、イメージセンサ110とインターポーザ基板120とが平行にならず、高さ方向の煽りが生じていた。このような高さ方向の位置のばらつき及び煽りがある場合、イメージセンサ110上で撮影画像のピントが合わなくなり、また撮影画像の一部分が不鮮明になってしまう等、イメージセンサ110がレンズからの光を適切に受光できなくなる。そこで従来は、高さ方向に関して、レンズの高さ方向の位置を撮影時等におけるバックフォーカスにより調整、すなわちレンズを駆動することにより調整していた。また煽りに対しては、撮像素子毎に適宜煽りに応じてレンズの実装角度を調整する対応をしていた。
【0007】
しかしながらバックフォーカスによる方法はレンズを可動させる必要があるため、例えば車載カメラ等、可動部分を設けることが好ましくない撮像装置においては適切な方法とはいえない。また煽りに対する従来の実装方法は、撮像素子毎に適宜調整が必要となるため、極めて煩雑であった。
【0008】
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、イメージセンサの高さ方向の調整(コントロール)を適切に行うことができる撮像素子及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る撮像素子は、
イメージセンサと、
前記イメージセンサが配設される基板と、
前記基板上に設けられる所定の高さの配線部材であって、前記イメージセンサの高さ方向の位置決めをする配線部材と、
を備え、
前記イメージセンサが前記配線部材に当接した状態で接着され、
前記配線部材は、前記基板上に形成された回路パターンの一部を含んで構成され、前記回路パターンの一部は、他の回路パターンとは導通せず、フローティング状態にあることを特徴とする。
【0010】
また本発明に係る撮像素子は、
前記配線部材は、複数の部材を有することを特徴とする。
【0011】
また本発明に係る撮像素子は、
前記複数の部材は、3つ以上の突起状の配線部材であることを特徴とする。
【0012】
また本発明に係る撮像素子は、
前記基板は、ソルダーレジスト層を有し、
前記所定の高さは、前記ソルダーレジスト層よりも高いことを特徴とする。
【0014】
また本発明に係る撮像素子は、
前記配線部材は、前記回路パターンの一部上に設けられたメッキを含んで構成されることを特徴とする。
【0015】
また本発明に係る撮像素子は、
前記メッキは銅であることを特徴とする。
【0016】
また本発明に係る撮像素子は、
前記配線部材は、前記回路パターンの一部上に設けられたスタッドバンプを含んで構成することを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る撮像装置は、
イメージセンサと、
前記イメージセンサが配設される基板と、
前記イメージセンサと対向するレンズと、
前記レンズが取り付けられる筐体と、
前記基板上に設けられる所定の高さの配線部材であって、前記イメージセンサの高さ方向の位置決めをする配線部材と、
を備え、
前記筐体内で、前記イメージセンサが前記配線部材に当接した状態で接着され、
前記配線部材は、前記基板上に形成された回路パターンの一部を含んで構成され、前記回路パターンの一部は、他の回路パターンとは導通せず、フローティング状態にあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明における撮像素子及び撮像装置によれば、イメージセンサの高さ方向の調整を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施の形態1の撮像素子の上面図である。
図2】実施の形態1の撮像素子の断面図である。
図3】イメージセンサ配設前のインターポーザ基板の上面図である。
図4】イメージセンサ配設前のインターポーザ基板の断面図である。
図5】インターポーザ基板にマスクをした断面図である。
図6】インターポーザ基板にメッキをした断面図である。
図7】インターポーザ基板にダイボンド樹脂を塗布した断面図である。
図8】実施の形態1の撮像素子を実装した撮像装置の実装例である。
図9】実施の形態2の撮像素子の断面図である。
図10】インターポーザ基板にスタッドバンプを形成した図である。
図11】スタッドバンプをフラッタリングした図である。
図12】インターポーザ基板にダイボンド樹脂を塗布した断面図である。
図13】変形例1に係る撮像素子の断面図である。
図14】変形例2に係る撮像素子の上面図である。
図15】従来の撮像素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る撮像素子1の上面図を示す図である。説明の便宜上、図1の左右方向をx軸とし、上下方向をy軸とする。また、xy平面と直交する方向をz軸とする。図1に示すように、本発明に係る撮像素子1は、イメージセンサ10と、インターポーザ基板20(基板20)と、支持用配線部材30(配線部材30)と、ワイヤ40とを備える。支持用配線部材30は、イメージセンサ10と、インターポーザ基板20との間に備えられるため、破線にて示している。
【0024】
イメージセンサ10は、CMOSイメージセンサ等の受光センサであり、撮影対象からの光を、平面状のダイ上に並べられたフォトダイオードで受光して電気信号に変換する。ここでイメージセンサ10はCMOSイメージセンサに限らず、CCDイメージセンサ、その他の如何なる受光センサであってもよい。
【0025】
インターポーザ基板20は、イメージセンサ10が配設される基板である。インターポーザ基板20は、イメージセンサ10を支持する支持用配線部材30を備える。図1では、支持用配線部材30は突起状で、4つ設けられている例を示す。この場合、4つの支持用配線部材30により4点でイメージセンサ10を支持する。ここで支持用配線部材30が突起状である場合、支持用配線部材30は少なくとも3つ設け、3点以上でイメージセンサ10を支持する。3点あれば平面が規定されるため、平面状のイメージセンサ10を安定して支持することができる。
【0026】
イメージセンサ10とインターポーザ基板20上の回路パターンとは、ワイヤ40によりワイヤボンディングされ、電気的に接続される。図1に示すように、ワイヤ40はイメージセンサ10の各端部の複数の端子と、インターポーザ基板上の複数端子とを接続し、複数本設けられている。好適にはワイヤ40は金(Au)により構成されるワイヤであるが、これに限定されるものではない。
【0027】
図2は、図1の撮像素子1のA−A断面図を示す図である。説明の便宜上、図2の上下方向をz軸とする。図2に示すように、インターポーザ基板20は、基材21と、回路パターン22と、ソルダーレジスト層23と、支持用配線部材30とを備える。
【0028】
基材21は、インターポーザ基板20を構成する平面状の絶縁体である。基材21上には回路パターン22が設けられる。回路パターン22は好適には銅(Cu)により構成されるパターンであり、イメージセンサ10の信号線として機能する。ソルダーレジスト層23は、基材21及び回路パターン22を覆うように設けられる絶縁体層であり、インターポーザ基板20上の回路パターン22及び各種素子間のショートの防止、防塵等の目的で設けられる。回路パターン22のうち、ワイヤ40の接点であるボンディング電極221はソルダーレジスト層23が設けられず、ワイヤ40が回路パターン22に接続可能なように構成される。
【0029】
支持用配線部材30は、回路パターン31と、メッキ32とから構成される。回路パターン31は、回路パターン22と同様にインターポーザ基板20の基材21上に設けられた回路パターンであり、好適には銅(Cu)により構成されるパターンである。回路パターン31は回路パターン22とは異なり、イメージセンサ10との電気信号用のパターン、すなわち信号線としては機能しない。すなわち、回路パターン31はインターポーザ基板20の表層の回路パターン22のみならず、スルーホールなど含む内層の回路パターンとも導通せず、フローティング状態とされる。
【0030】
メッキ32は回路パターン31上に設けられる。図2に示すように支持用配線部材30のz軸方向の高さは、回路パターン22及びソルダーレジスト層23のz軸方向の高さの合計よりも高く、すなわちソルダーレジスト層23よりもz軸方向において高い所定の高さを有する。ソルダーレジスト層23の高さ(回路パターン22とソルダーレジスト層23とのz軸方向の高さの合計)は約40μmであるため、好適には当該所定の高さは約42μmである。好適にはメッキ32は主に銅(Cu)より構成される。銅であれば、比較的短時間でメッキ32を所定の高さ(膜厚)に析出できるためである。
【0031】
図2に示すように、イメージセンサ10は、ダイボンド樹脂50によりインターポーザ基板20に接着されて配設される。ここでイメージセンサ10は支持用配線部材30に当接し、支持用配線部材30がイメージセンサ10の高さ方向の位置決めをする。支持用配線部材30を構成する回路パターン31及びメッキ32は、それぞれミクロン単位でz軸方向の長さを規定して構成することができるため、イメージセンサ10の高さ方向(z軸方向)の位置決めをミクロン単位で行うことができる。
【0032】
図3から図7により、本発明の実施形態1に係る撮像素子1の製造工程を示す。図3は、イメージセンサ10を配設する前のインターポーザ基板20の上面図である。図3に示すように、インターポーザ基板20上には、ボンディング電極221及び回路パターン31以外の部分がソルダーレジスト層23により覆われている。ここでボンディング電極221はワイヤ40によりワイヤボンディングするためにソルダーレジスト層23により覆われていない。また回路パターン31は、メッキ32を施すためにソルダーレジスト層23により覆われていない。
【0033】
図4は、図3のB−B断面を示す断面図である。イメージセンサ10配設前のインターポーザ基板20は、基材21上に、回路パターン22と、当該回路パターンと同一の高さの回路パターン31とを備える。図3にて説明したように、ソルダーレジスト層23は、ボンディング電極221及び回路パターン31以外の部分を覆う。
【0034】
図5及び図6は、図3のインターポーザ基板20にメッキ32を施す工程を示す。図5に示すように、まずボンディング電極221をマスク60によりマスキングする。当該マスキングは、ボンディング電極221が極めて微細なパターンであるため、当該微細なパターンにメッキ32を付着させないために行う。続いて図6に示すように、メッキ32を施す。メッキ32を施すことにより、支持用配線部材30を所定の高さにする。具体的には、回路パターン31の高さ(z軸方向の長さ)が約20μmである場合、メッキ32を22μmの高さ(膜厚)で形成する。このようにすることで、支持用配線部材30の高さは所定の高さ(例えば42μm)に調整できる。
【0035】
メッキ32を施した後、図7に示すようにダイボンド樹脂50をインターポーザ基板20上に塗布する。続いてイメージセンサ10を図7のダイボンド樹脂50上から配線部材30に当接するまで押圧した後、熱処理によりダイボンド樹脂50を硬化させ、イメージセンサ10をインターポーザ基板20上に接着して配設し、図1に示す撮像素子1が完成する。
【0036】
このように実施の形態1の撮像素子1によれば、インターポーザ基板20上に設けられた支持用配線部材30により高さ方向の位置決めをするため、ダイボンド樹脂50、又はソルダーレジスト層23の不均一性による高さ方向のばらつきを抑えることができ、イメージセンサ10の高さ方向の調整を適切に行うことができる。
【0037】
図8に実施の形態1の撮像素子1を実装した撮像装置70の実装例を示す。撮像装置70は、第1レンズ71と、第2レンズ72と、第3レンズ73と、レンズ支持部材74と、撮像素子1と、基板75と、基板支持部材76と筐体77とを備える。
【0038】
第1レンズ71から第3レンズ73は、被写体からの光を撮像素子1上に導くためのレンズである。ここで図8ではレンズを3枚備える例を示しているがレンズの枚数はこれに限らず、1枚であってもよく、複数枚であってもよい。レンズ支持部材74は第1レンズ71から第3レンズ73を支持する。基板75には、撮像素子1を含む各種撮像装置70のデバイスが実装される。すなわち撮像素子1は、レンズ(第1レンズ71から第3レンズ73)と基板75との間に設けられ、レンズはイメージセンサ10と対向する。基板75は、基板支持部材76により支持される。第1レンズ71から第3レンズ73、レンズ支持部材74、撮像素子1、基板75、及び基板支持部材76は、筐体77内に設けられる。ここで撮像素子1のイメージセンサ10の高さ方向の位置決めが支持用配線部材30により行われるため、撮像装置70毎のバックフォーカスによる調整、煽りの調整が不要、又は簡素化することが可能となる。
【0039】
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2について説明をする。図9は本発明の実施の形態2の撮像素子1bの構成を示す断面図である。実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付し、説明は省略する。実施の形態2に係る撮像素子1は、実施の形態1にかかる構成と比較して、支持用配線部材30が回路パターン31と、スタッドバンプ32bにより構成される点が相違する。
【0040】
スタッドバンプ32bは、好適には金(Au)により構成される。図10から12により、本発明の実施形態2に係る撮像素子1bの製造工程を示す。
【0041】
図10及び図11は、図3のインターポーザ基板20上に、スタッドバンプ32bを施す工程を示す。図10に示すように、まずスタッドバンプ装置により回路パターン31上にスタッドバンプ32bを形成する。続いて図11に示すように各スタッドバンプの天面を、スタッドバンプ装置により押圧しバンプフラッタリングをする。スタッドバンプ32bを設けることにより、支持用配線部材30を所定の高さに調整する。具体的には、回路パターン31の高さ(z軸方向の長さ)が約20μmである場合、スタッドバンプ32bを22μm程度の高さ(z軸方向の長さ)に調整する。
【0042】
スタッドバンプ32bを設けた後、図12に示すようにダイボンド樹脂50をインターポーザ基板20上に塗布する。続いてイメージセンサ10を図7のダイボンド樹脂50上から配線部材30に当接するまで押圧した後、熱処理によりダイボンド樹脂50を硬化させ、イメージセンサ10をインターポーザ基板20上に接着して配設し図9に示す撮像素子1bが完成する。
【0043】
このように実施の形態2の撮像素子1bによれば、インターポーザ基板20上に設けられた支持用配線部材30により高さ方向の位置決めをするため、ダイボンド樹脂50、又はソルダーレジスト層23の不均一性による高さ方向のばらつきを抑えることができ、イメージセンサ10の高さ方向の調整を適切に行うことができる。
【0044】
特に支持用配線部材30の高さの調整を、スタッドバンプ32bを設けることにより行うため、実施の形態1に示すメッキ処理を施すための比較的大規模な設備が不要となり、少数ロットの生産をする場合等において有用である。
【0045】
(変形例1)
図13に本発明の変形例1の撮像素子1cの例を示す。実施の形態1及び2においては、支持用配線部材30がいずれも回路パターン31と、メッキ32又はスタッドバンプ32bにより構成していたが、変形例においては支持用配線部材30が回路パターン31のみにより構成される。ここで当該構成は、インターポーザ基板20の、イメージセンサ10に対向する面に回路パターン22及びソルダーレジスト層23が存在しない場合において採用することができる。
【0046】
(変形例2)
図14に本発明の変形例2の撮像素子1dから撮像素子1fついて説明する。上記の実施の形態においては、支持用配線部材30がいずれも突起状であったが、変形例2においては支持用配線部材30が線状である。具体的には撮像素子1dから撮像素子1fの支持用配線部材30は、それぞれコの字状、十字状、V字状である。このように構成することで、単一の支持用配線部材30であってもイメージセンサ10を支持することができる。
【0047】
以上、実施形態では配線部材30をフローティングとするケースを例に説明を行ったが、イメージセンサ10の裏面を設置させることが望ましいような使用の場合には、配線部材30を回路パターン31のグランドラインに接続させるよう構成してもよい。
【0048】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各素子及び各部材は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、各素子及び各部材を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1、1b、1c、1d、1f 撮像素子
10 イメージセンサ
20 インターポーザ基板(基板)
21 基材
22 回路パターン
221 ボンディング電極
23 ソルダーレジスト層
30 支持用配線部材(配線部材)
31 回路パターン
32 メッキ
32b スタッドバンプ
40 ワイヤ
50 ダイボンド樹脂
60 マスク
70 撮像装置
71 第1レンズ
72 第2レンズ
73 第3レンズ
74 レンズ支持部材
75 基板
76 基板支持部材
77 筐体
100 撮像素子
110 イメージセンサ
120 インターポーザ基板
121 基材
122 回路パターン
123 ソルダーレジスト層
140 ワイヤ
150 ダイボンド樹脂
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15