(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6169377
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】車両の排気ガス触媒缶及び排気装置
(51)【国際特許分類】
F01N 3/28 20060101AFI20170713BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
F01N3/28 301W
F01N3/24 H
F01N3/24 N
F01N3/28 301P
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-49303(P2013-49303)
(22)【出願日】2013年3月12日
(65)【公開番号】特開2014-129808(P2014-129808A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2016年2月23日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0156722
(32)【優先日】2012年12月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 宇 泰
(72)【発明者】
【氏名】李 春 雨
(72)【発明者】
【氏名】徐 仁 起
(72)【発明者】
【氏名】林 俊 源
(72)【発明者】
【氏名】黄 一 中
【審査官】
小笠原 恵理
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−077727(JP,A)
【文献】
実開昭60−036518(JP,U)
【文献】
実開昭51−148510(JP,U)
【文献】
特開昭50−022118(JP,A)
【文献】
特開2007−218183(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0266026(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/28
F01N 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間の中央に内蔵された触媒と、
前記触媒の上方と下方にそれぞれ区画された流入空間及び排出空間と、
前記流入空間を垂直に区切ることにより複数の部分流入空間に分ける流入側隔壁と、
前記部分流入空間ごとに形成された排気ガス流入口と、を含み、
前記触媒の上端部には、上端隔板が設けられ、上端隔板には多数個の通気ホールが形成されたことを特徴とする排気ガス触媒缶。
【請求項2】
前記流入空間の部分流入空間には、垂直方向に多数個の隔膜が互いに交差することにより多数個の貫通ホールが形成されることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス触媒缶。
【請求項3】
前記貫通ホールは、触媒の端面形状に対応する形態に形成されることを特徴とする請求項2に記載の排気ガス触媒缶。
【請求項4】
前記上端隔板には、流入側隔壁の下端部に対応する上側固定溝が形成され、前記流入側隔壁の下端部が上側固定溝に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス触媒缶。
【請求項5】
前記流入側隔壁の下端部と上側固定溝の間には、一定の大きさの間隙が形成されたことを特徴とする請求項4に記載の排気ガス触媒缶。
【請求項6】
前記流入側隔壁の下端部と上側固定溝の間には、弾性マットが設けられたことを特徴とする請求項4に記載の排気ガス触媒缶。
【請求項7】
前記流入側隔壁は、左右に屈曲する波状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の排気ガス触媒缶。
【請求項8】
前記排出空間を垂直に区切ることにより複数の部分排出空間に分ける排出側隔壁をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の排気ガス触媒缶。
【請求項9】
前記排出空間の下部には、部分排出空間に分割された排気ガスの流れを合流させる排出口をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の排気ガス触媒缶。
【請求項10】
前記排出側隔壁の上端部に対応する下側固定溝が形成され、多数個の通気ホールが形成された下端隔板が触媒の下端部に設けられることを特徴とする請求項8に記載の排気ガス触媒缶。
【請求項11】
前記下端隔板には、排出側隔壁の上端部に対応する下側固定溝が形成され、前記排出側隔壁の上端部が下側固定溝に挿入されることを特徴とする請求項10に記載の排気ガス触媒缶。
【請求項12】
エンジンの複数の排気管のうち一部の排気管同士が合流して複数の合流排気管が構成された排気マニホールドと、
内部空間の中央に触媒が内蔵され、触媒の上方と下方にそれぞれ区画された流入空間及び排出空間が形成され、流入空間を垂直に区切ることにより複数の部分流入空間に分ける流入側隔壁が流入空間に内蔵され、前記複数の合流排気管は、部分流入空間ごとに連結されて排気ガスを供給するように構成された触媒缶と、を含み、
前記触媒缶は、
前記部分流入空間ごとに形成された排気ガス流入口をさらに含み、
前記触媒の上端部には、上端隔板が設けられ、上端隔板には多数個の通気ホールが形成されたことを特徴とする車両排気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の排気ガス触媒缶及び排気装置に係り、より詳しくは、排出される排気ガスの相互干渉を減少させ、低中速性能の損失を防止し、製作原価を低減することができる車両の排気ガス触媒缶及び排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にエンジンのシリンダー内部で燃焼過程を通じて排出される排気ガスは、排気マニホールド、触媒、マフラー等を経て外部に排出される。車両のエンジンは、普通多数個のシリンダーで構成され、燃焼過程を通じて排出される排気ガスが排気マニホールドを通って排出される。
【0003】
このように、それぞれ異なるシリンダーから排出される排気ガスは、排気マニホールドに排出されることによって排出される排気ガスが互いに干渉する場合が発生することがあり、この時、排出される排気ガスの慣性によって相互干渉が発生して排出性能が低下することがある。このような現象によって低中速性能の損失が発生する。
【0004】
他方、最近排気ガス規制が強化されるに伴い触媒を設置して排気ガスを浄化している。このような触媒は、エンジン排気管下流にUCC(Upstream Catalyst Converter)を装着して排気ガスを浄化していたが、排気ガス規制が強化されるに伴いWCC(Warming−up Catalytic Converter)を設置して排気ガスの有害物質を低減させた。
【0005】
上記排出される排気ガスの相互干渉を防止し、WCCが適用される排気系としては4−2−1排気系が使用された。
図1は、従来の排気系を示した図面であって、従来の4−2−1排気系は、WCC缶10を二つの缶に分けて使用した。具体的には、1番排気管1と4番排気管4が連結され、2番排気管2と3番排気管3が連結されて2つの排気管がそれぞれWCC缶10に連結されたとみることができる。このようにして、既存の4−1排気系と比べて低中速性能を向上させることができたが、WCC缶10が二つの缶で構成されることによって原価的な側面だけではなくパッケージングの側面で問題が発生した。
【0006】
したがって、排出される排気ガスの干渉を最小にして排気性能が低下することを防止し、低中速性能を向上させ、原価節減及びパッケージングで有利な排気装置が要請された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−266142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、排気性能が低下することを防止し、低中速の性能を向上させ、原価節減及びパッケージングで有利な車両の排気ガス触媒缶及び排気装置を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明による車両の排気ガス触媒缶及び排気装置は、内部空間の中央に内蔵された触媒と、前記触媒の上方と下方にそれぞれ区画された流入空間及び排出空間と、前記流入空間を垂直に区切ることにより複数の部分流入空間に分ける流入側隔壁と、前記部分流入空間ごとに形成された排気ガス流入口と、を含むことを特徴とする。
【0010】
前記流入空間の部分流入空間には、垂直方向に多数個の隔膜が互いに交差することにより多数個の貫通ホールが形成され、前記貫通ホールは、触媒の端面形状に対応する形態に形成されることを特徴とする。
【0011】
前記触媒の上端部には、上端隔板が設けられ、上端隔板には多数個の通気ホールが形成され、前記上端隔板には、流入側隔壁の下端部に対応する上側固定溝が形成され、前記流入側隔壁の下端部が上側固定溝に挿入されることを特徴とする。
【0012】
前記流入側隔壁の下端部と上側固定溝の間には、一定の大きさの間隙が形成されたことを特徴とする。
【0013】
前記流入側隔壁の下端部と上側固定溝の間には、弾性マットが設けられたことを特徴とする。
【0014】
前記流入側隔壁は、左右に屈曲する波状に形成され、前記排出空間を垂直に区切ることにより複数の部分排出空間に分ける排出側隔壁をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
前記排出空間の下部には、部分排出空間に分割された排気ガスの流れを合流させる排出口をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
前記排出側隔壁の上端部に対応する下側固定溝が形成され、多数個の通気ホールが形成された下端隔板が触媒の下端部に設けら、前記下端隔板には、排出側隔壁の上端部に対応する下側固定溝が形成され、前記排出側隔壁の上端部が下側固定溝に挿入されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、エンジンの複数の排気管のうち一部の排気管同士が合流して複数の合流排気管が構成された排気マニホールド、及び内部空間の中央に触媒が内蔵され、触媒の上方と下方にそれぞれ区画された流入空間及び排出空間が形成され、流入空間を垂直に区切ることにより複数の部分流入空間に分ける流入側隔壁が流入空間に内蔵され、前記複数の合流排気管は、部分流入空間ごとに連結されて排気ガスを供給するように構成された触媒缶と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記構造からなる車両の排気ガス触媒缶は、触媒、流入空間、排出空間から構成され、流入空間には流入側隔壁が設けられることにより多数個の合流排気管が一つの触媒缶に連結され、排出される排気ガスが相互干渉なしに円滑に流れるようにすることができる。また、排出空間にも排出側隔壁が設けられて触媒缶から排出される排気ガスの流れを円滑にすることができる。
すなわち、本発明の触媒缶を適用することにより、排出される排気ガスの干渉によって排気性能が低下することを防止し、低中速の性能を向上させ、原価節減及びパッケージングで有利な効果を出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】本発明の一実施例による車両の排気ガス触媒缶を示す図面である。
【
図3】
図2に示す車両の排気ガス触媒缶の第1実施例による流入空間を示した断面図である。
【
図4】
図2に示す車両の排気ガス触媒缶の第2実施例による流入空間を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の望ましい実施例による車両の排気ガス触媒缶及び排気装置について詳しく説明する。
図2は、本発明の一実施例による車両の排気ガス触媒缶を示した図面で、本発明の排気ガス触媒缶は、内部空間の中央に内蔵された触媒100、 触媒100の上方と下方にそれぞれ区画された流入空間200及び排出空間300、流入空間200を垂直に区切ることにより複数の部分流入空間220に分ける流入側隔壁240、及び部分流入空間220ごとに形成された排気ガス流入口260、を含む。
【0021】
通常、車両には排気ガスを低減させるための触媒100が備えられ、このような触媒は4気筒、6気筒等多様なエンジンに適用される。本発明では、発明の理解を助けるために直列4気筒エンジンを基準に説明する。
本発明の排気装置は、4−2−1排気系の最大の長所である排気ガスの相互干渉を防止し、低中速性能の向上を維持すると同時に、原価節減及びコンパクトなパッケージングを図ることができる排気系装置と言うことができる。
【0022】
図2に示す通り、本発明は、流入空間200、触媒100、排出空間300から構成された触媒缶であり、エンジンの複数の排気管に複数の触媒缶が設置されるものではない、一つの触媒缶に複数の排気管を連結するものである。さらに、一つの触媒缶を共有することによって発生し得る排気ガスの流れの相互干渉を防止することができるように、内部の流入空間には流入側隔壁240を設置して排気ガスが相互干渉なく円滑に流動するようにできる。
【0023】
本発明の触媒缶は、内部空間の中央に触媒100が設けられ、触媒100の上方と下方にそれぞれ区画された流入空間200及び排出空間300が形成される。ここで、流入空間200には、複数の排気管が連結され、エンジンから排出される排気ガスが触媒缶内部に流入するに伴って排気ガス間の相互干渉が発生する。流入空間200の内部には流入空間200を垂直に区切ることにより複数の部分流入空間220に分ける流入側隔壁240を設置して、各排気管から流入する排気ガスの相互干渉を防止することができる。
【0024】
このように、流入側隔壁240によって部分流入空間220に分割された流入空間200には、複数の排気管がそれぞれ連結されるように排気ガスの流入口260を形成して、複数の排気管を通じて流れる排気ガスが触媒缶に流入するようにできる。
ここで、複数の排気管の個数に応じて流入口260の個数も同一に形成され、流入側隔壁240によって部分流入空間220の分割される個数も同一に設定される。
【0025】
上記の排出空間300は、流入空間200と触媒100を通過後、浄化された排気ガス排出のための空間で、触媒100を通過した排気ガスが一つの排気管に合流時、排出される排気ガスの相互干渉を防止する。
すなわち、本発明によれば、排出される排気ガスの干渉によって排気性能が低下することを防止し、低中速の性能を向上させると同時に、複数の排気管を一つの触媒缶に連結することによって原価節減及びパッケージングで有利な効果を出すことができる。
【0026】
上記流入空間200の部分流入空間220には、垂直方向に多数個の隔膜が互いに交差することにより形成された多数個の貫通ホール222が形成される。
さらに、上記貫通ホール222は、触媒100の端面形状に対応する形態に形成される。
このように、流入空間200の部分流入空間220に、多数個の貫通ホール222を形成すれば、流入空間200に流入した排気ガスが均一に流動することにより、排気ガスの流れの妨害されることを減らすことができる。
【0027】
上記の貫通ホール222は、触媒100の端面形状に対応する形態で形成する。 触媒100は、ハニカム形状で端面が蜂の巣状に形成される触媒100が存在し、性能及び機能によって端面の形状が多様である。すなわち、本発明の部分流入空間220の貫通ホール222の形状を触媒100の端面と同一に形成し、貫通ホール222と触媒100の端面が互いに対応することにより、排気ガスが流入空間から触媒側にさらに円滑に流動するようにできる。
これにより、排気管を通じて触媒缶内部に流入する排気ガスは、流入空間200の貫通ホール222を通じて均一に触媒100側に流れ、触媒100の端面形状に対応するように形成することによって、排気ガスが触媒100内部に円滑に流れ排気ガスの流れによる抵抗発生及び干渉を減らすことができる。
【0028】
一方、
図3に示す通り、触媒100の上端部には、上端隔板120が設けられ、上端隔板120には多数個の通気ホール126が形成される。
上端隔板120は、流入側隔壁240と連結され、流入空間200と触媒100を区画する。このような上端隔板120には、多数個の通気ホール126が形成されて流入空間200に流入した排気ガスが触媒100側に流動できるようにする。通気ホール126は、触媒100の端面形状及び部分流入空間220の貫通ホール222の形状と同一に形成することにより排気ガスが円滑に流れるようにできる。
【0029】
上端隔板120には、流入側隔壁240の下端部に対応する上側固定溝122が形成され、流入側隔壁240の下端部が上側固定溝122に挿入されるようにできる。
上端隔板120には上側固定溝122を形成し、流入側隔壁240の下端部が上側固定溝122に挿入されるようにすることにより、流入側隔壁240を上端隔板120に固定する。すなわち、流入空間200に設けられた流入側隔壁240は、高圧で流動する排気ガスに露出するので、排気ガスの流動によって流入側隔壁240に振動が発生して耐久性が低下することがある。さらに、流入側隔壁240が高圧の排気ガスによって搖れるようになれば、流動する排気ガスに抵抗が発生して排気性能が低下する問題が発生し得るためである。
【0030】
流入側隔壁240の下端部と上側固定溝122の間には、一定の大きさの間隙が形成されるようにすることができ、流入側隔壁240の下端部と上側固定溝122の間には弾性マット124が設けられる。
流入側隔壁240は、金属材質が使用される。このような金属材質は、高温高圧で排出される排気ガスによって熱膨脹が発生する。すなわち、流入側隔壁240が熱膨脹によって上端隔板120を変形させることにより、上端隔板120の耐久性が損なわれることがある。また、上端隔板120に形成される通気ホール126の幅が変形して排気ガスの流れに干渉が発生する。従って、流入側隔壁240の下端部と上端隔板120の上側固定溝122の間には、一定の大きさの間隙を置いて流入側隔壁240の熱膨脹を考慮するように設計する。
【0031】
さらに望ましくは、流入側隔壁240の下端部と上側固定溝122の間に弾性マット124を設けることにより、流入側隔壁240と上側固定溝122の間に間隙を除去して流入側隔壁240を固定させ、流入側隔壁240が熱膨脹する場合、弾性マット124が収縮及び弛緩することにより、熱膨脹による変形に対応することができる。このような弾性マットは、触媒缶を衝撃から保護するために設置されるマットのような材質で構成できる。
【0032】
一方、
図4に示す通り、流入側隔壁240は、左右に屈曲する波状に形成される。
流入空間200に高温高圧の排気ガスが流動するに伴って、流入側隔壁240は高温高圧によって熱膨脹が発生して変形することがある。このような熱膨脹で、触媒缶の耐久性に影響が出て、性能低下の問題を起こすことがある。
したがって、 流入側隔壁240は、左右に屈曲する波状として、熱膨脹による変形を吸収し触媒缶の耐久性能を確保することで排気性能が低下する問題を防止することができる。
上記波状は、左右に屈曲する曲率を変更したり波状を変化させて適用することにより、流入側隔壁240の熱膨脹による変形を減少することができる。
【0033】
一方、上記排出空間300を垂直に区切ることにより複数の部分排出空間320、320に分ける排出側隔壁340、をさらに含むことができる。また、上記排出空間300の下部には、部分排出空間320に分割された排気ガスの流れを合流させる排出口360をさらに含むことができる。
流入空間200と触媒100を通過した排気ガスは、触媒缶内部を抜けるまで円滑な流れが維持されなければならない。このために、排出空間300には排出側隔壁340を設けることにより排出空間300を複数の部分排出空間320に分けて触媒100を通過した排出ガスが触媒缶外部に円滑に流動するようにする。このように、部分排出空間320を通じて干渉なく円滑に流動する排気ガスは、分割された排気ガスの流れを合流させる排出口360を通じて一つの排気管に流動する。すなわち、本発明は、4−2−1排気系に適用することができ、このような排気システムを通じて低中速の性能を向上させることができる。
【0034】
上記排出側隔壁340の上端部に対応する下側固定溝142が形成され、多数個の通気ホール146が形成された下端隔板140が触媒100の下端部に設けられる。
このような下端隔板140は、上端隔板120と共に触媒100を囲んで支持するように構成される。下端隔板140に形成された多数個の通気ホール146は、触媒100の端面形状に対応する形態で形成することにより排気ガスが円滑に流れるようにする。
また、下端隔板140には、排出側隔壁340の上端部に対応する下側固定溝142が形成され、排出側隔壁340の上端部が下側固定溝142に挿入されるようにする。
【0035】
このように、下端隔板140の下端には下側固定溝142を形成し、排出側隔壁340の上端部が挿入されて固定されることにより、排出側隔壁340が高圧の排気ガスによって振動が発生して排気ガスの流れが妨害されるのを防止できる。
さらに望ましくは排出側隔壁340の上端部と下側固定溝142の間には、一定の大きさの間隙を置き、このような間隙に弾性マット124が詰められるように設ける。このように、排出側隔壁340の上端部と下側固定溝142の間に弾性マットを設けることによって、高温高圧で排出される排気ガスによって排出側隔壁340が熱膨脹して変化するのを吸収する。
流入側隔壁240及び排出側隔壁340、上端隔板120及び下端隔板140は、耐食性があって腐食に強いsus材質(ステンレス)で構成するのが望ましい。
【0036】
図5は、本発明の排気装置を示した図面で、エンジンの複数の排気管のうち一部の排気管同士が合流して複数の合流排気管が構成された排気マニホールドB、及び内部空間の中央に触媒100が内蔵され、触媒100の上方と下方にそれぞれ区画された流入空間200及び排出空間300が形成され、流入空間200を垂直に区切ることにより複数の部分流入空間220に分ける流入側隔壁240が流入空間200に内蔵され、上記複数の合流排気管は、部分流入空間220ごとに連結されて排気ガスを供給するように構成された触媒缶、を含む車両排気装置である。
【0037】
排気マニホールドは、エンジンの複数の排気管のうち一部の排気管同士が合流して複数の合流排気管を形成するように構成される。さらに具体的には、直列4気筒エンジンの場合、燃焼順序が1−3−4−2の順で燃焼が進行するので、気筒間の排気干渉を減らすために1−4、2−3のように連結する。すなわち、燃焼して排出される排気ガスの流れが交差するようにすることにより、排出される排気ガス間の干渉を解消するように排気マニホールドを構成する。
【0038】
1−4、2−3で合流した合流排気管は、本発明の触媒缶に連結される。ここで、本発明の触媒缶は、流入側隔壁240によって流入空間200を部分流入空間220に分けることにより、それぞれの合流排気管から流入する排気ガスを分割して相互干渉を防止することができる。
本発明は、複数の合流排気管を一つの触媒缶に連結し、排気ガス間の干渉が防止されるように構成することにより、排気ガスの干渉によって排気性能が低下することを防止し、低中速の性能を向上させ、原価節減及びコンパクトなパッケージングを可能とする。
【0039】
本発明は、特定の実施例に関して図示して説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を脱しない限度内で、本発明が多様に改良及び変化することができるということは当業界で通常の知識を有した者において自明なことである。
【符号の説明】
【0040】
100:触媒
120:上端隔板
122:上側固定溝
124:弾性マット
126:通気ホール
140:下端隔板
142:下側固定溝
200:流入空間
220:部分流入空間
222:貫通ホール
240:流入側隔壁
260:流入口
300:排出空間
320:部分排出空間
340:排出側隔壁
360:排出口