(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6169401
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】釣竿用部材及びそれを備えた釣竿
(51)【国際特許分類】
A01K 87/00 20060101AFI20170713BHJP
A01K 87/08 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
A01K87/00 630N
A01K87/08 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-86840(P2013-86840)
(22)【出願日】2013年4月17日
(65)【公開番号】特開2014-209857(P2014-209857A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2016年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100117204
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 徳哉
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏昇
(72)【発明者】
【氏名】細谷 靖典
【審査官】
田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−014610(JP,A)
【文献】
特開2003−134973(JP,A)
【文献】
特開2000−201591(JP,A)
【文献】
特開平09−121723(JP,A)
【文献】
特開2000−083526(JP,A)
【文献】
特開2002−125533(JP,A)
【文献】
特開2006−006280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 87/00,87/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
竿本体に装着され、少なくとも外周面がクッション性を有するグリップ用素材からなる釣竿用部材であって、前記外周面の端部近傍に1〜5mm幅の環状溝が形成され、該環状溝には装飾部材を巻回することにより環状とされた意匠リングが設けられ、該意匠リングの外側にクリアーコート層が形成され、該クリアーコート層の表面は前記外周面よりも一段内側に位置していることを特徴とする釣竿用部材。
【請求項2】
意匠リングは、装飾層を有するプラスチックフィルムからなる装飾テープから形成されている請求項1記載の釣竿用部材。
【請求項3】
装飾テープは、装飾層として蒸着層を有している請求項2記載の釣竿用部材。
【請求項4】
クリアーコート層の厚さは意匠リングの厚さよりも厚い請求項1乃至3の何れかに記載の釣竿用部材。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の釣竿用部材を備えた釣竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿に用いられる釣竿用部材とそれを備えた釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
釣竿には種々の模様が施されるが、釣竿の構成部材が一般的には円筒状あるいは円柱状であることから、その外周面の全周に亘ってリング状の模様が施されることがある。一方、リアグリップやフロントグリップのようなグリップは、滑り止めの機能を持たせるために発泡EVAやコルクのようなグリップ用素材から構成され、円筒状に形成されて例えば竿本体(ブランク)の外側に固着されて使用される。このようなグリップにリング状の模様を施す手法として従来は、
図6のようにグリップ103を竿先側のパーツ103aと竿元側のパーツ103bに分割し、両パーツ103a,103b間にアルミニウム製のリング106を配置して、該アルミニウム製のリング106の外周面を見せるようにしてリング状の模様を構成していた。
【0003】
しかしながら、アルミニウム製のリング106を用いる手法ではグリップ103を前後二つのパーツ103a,103bに分割する必要があるうえに比較的高価なアルミニウム製のリング106も必要となることから製造コストが嵩むという問題がある。また、アルミニウム製のリング106を用いる手法ではグリップ103の端部に近い箇所にリング状の模様を形成することが実質上できなかった。即ち、グリップ103の端部に近い箇所にリング状の模様を形成しようとすると、アルミニウム製のリング106に対してグリップ103の端部側に位置するパーツの厚さを薄くする必要がある。しかしながら、発泡EVA等のグリップ用素材から構成されているので、薄く形成することには限界がある。そのため、パーツの厚さを確保できる程度にグリップ103の端部から離れた位置にアルミニウム製のリング106を配置してリング状の模様を形成することになる。同様の理由から、リング状の模様を短いピッチで複数本並設するということもできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】2013シマノフィッシングタックルカタログP107
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、リング状の模様を低コストで形成することができ、しかも、模様の位置の制約も小さい釣竿用部材とそれを備えた釣竿を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、本発明に係る釣竿用部材は、竿本体に装着され、少なくとも外周面が
クッション性を有するグリップ用素材からなる釣竿用部材であって、前記外周面
の端部近傍に
1〜5mm幅の環状溝が形成され、該環状溝には装飾部材を巻回することにより環状とされた意匠リングが設けられ
、該意匠リングの外側にクリアーコート層が形成され、該クリアーコート層の表面は前記外周面よりも一段内側に位置していることを特徴とする。
【0007】
該構成の釣竿用部材にあっては、外周面に環状溝が形成され、該環状溝に意匠リングが設けられているので、リング状の模様を形成する位置で釣竿用部材を二つに分割する必要がない。そして、装飾部材を環状溝に巻回することで、金属製のリングを使用することなく容易に意匠リングを形成することができる。
【0008】
特に、意匠リングは、装飾層を有するプラスチックフィルムからなる装飾テープから形成されていることが好ましい。装飾テープを使用することにより意匠リングを容易に薄く形成することができる。従って、肉厚の薄い釣竿用部材であっても容易にリング状の模様を形成することができる。また製造コストもより一層安価で済む。更に金属製のリングを使用する場合に比して軽量化することができる。
【0009】
更に、装飾テープは、装飾層として蒸着層を有していることが好ましい。蒸着層を有する装飾テープを使用することにより容易に金属光沢が得られ、金属製のリングを擬似的に演出することができる。
【0010】
また、環状溝における意匠リングの外側にはクリアーコート層が形成され、該クリアーコート層の厚さは意匠リングの厚さよりも厚く、該クリアーコート層の表面は前記外周面よりも一段内側に位置していることが好ましい。該構成によれば、環状溝における意匠リングの外側にクリアーコート層が形成されていることにより、意匠リングがクリアーコート層により保護される。また、クリアーコート層の厚さが意匠リングの厚さよりも厚いので、十分な厚さの保護層が得られる。その一方クリアーコート層の表面は釣竿用部材の外周面よりも一段内側に位置しているので、クリアーコート層が環状溝からはみ出すことがなく、クリアーコート層を形成するためのコーティング剤も環状溝を埋める程度で済むので少量で足りる。しかも、クリアーコート層が外周面よりも一段内側に低くなっているので手で把持してもクリアーコート層が剥がれにくい。特にグリップ用素材として発泡EVAのように比較的柔らかくて外力に対して凹状に変形しやすい素材を使用している場合には、クリアーコート層を相対的に厚く形成すると共に外周面よりも一段低く形成することにより、クリアーコート層の剥がれを特に効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、釣竿用部材の外周面に環状溝を形成すると共にその環状溝に装飾部材を巻回して意匠リングを形成することにより、製造コストを抑制することができ、リング状の模様の配置にも制約を受けにくい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態における釣竿の要部を示す正面図であって、(a)は釣竿の全体構成を示し、(b)は釣竿に使用されている釣竿用部材を示している。
【
図2】同釣竿に使用されている釣竿用部材を示す正面図。
【
図4】同釣竿に使用されている釣竿用部材を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る釣竿とそれに使用されている釣竿用部材について
図1〜
図5を参酌しつつ説明する。尚、竿先側を前側と、竿元側を後側として以下説明する。
図1に示すように、本実施形態の釣竿は、円筒状の竿本体1(ブランク)にリールシート2が装着されたものであり、該リールシート2の後側の位置には、リアグリップ(グリップ)が竿本体1に装着されている。この釣竿は、スピニングリールを装着して使用する形式のものであり、従って、リールシート2もスピニングリールを装着する形式のものである。
【0014】
リールシート2は、竿本体1が挿通可能なように軸線方向(竿軸方向)に貫通する貫通孔を有して全体として筒状に形成されていて、竿本体1の外周面に取り付けられている。該リールシート2は、竿本体1に固着される筒状のリールシート本体20と、該リールシート本体20の前部に形成された筒状部(図示省略)に外嵌装着されるシートグリップ21と、リールシート本体20の後部に軸線方向に移動可能に装着された可動フード体22と、該可動フード体22の後側に連結され、リールシート本体20の後部の雄ネジ部23に螺合しているナット24とを備えている。リールシート本体20の下部にはリールの脚部が載置される脚載置面25が形成され、該脚載置面25の前側には固定フード部26が形成されている。ナット24を回転させることで可動フード体22を前後にスライドさせることが可能であり、可動フード体22を前側に移動させてリールシート本体20の固定フード部26に接近させることにより、固定フード部26と可動フード体22との間にリールの脚部を軸線方向に狭持して固定することができる。尚、固定フード部26が後側に位置し、可動フード体22とナット24が前側に位置する態様であってもよい。
【0015】
リアグリップは、前後セパレートタイプである。即ち、リアグリップは、前側の第一のリアグリップ体3と後側の第二のリアグリップ体4とから構成されている。第一のリアグリップ体3は、リールシート2の後側に位置しており、具体的には、リールシート2の後端から離間することなくその直ぐ後側の位置に装着されている。第一のリアグリップ体3は、竿本体1が挿通可能なように軸線方向に貫通する貫通孔30を有して全体として筒状に形成されていて、竿本体1の外周面に取り付けられている。第二のリアグリップ体4は、第一のリアグリップ体3に対して所定距離後側に離間して配置されており、第一のリアグリップ体3と第二のリアグリップ体4との間には竿本体1が露出している。第二のリアグリップ体4は、第一のリアグリップ体3よりも長く全体として筒状である。第二のリアグリップ体4には、竿本体1が前側から挿入可能なように軸線方向に延びる非貫通の挿通孔40が形成されており、従って第二のリアグリップ体4は前端開口後端閉塞の筒状となっていて竿本体1の後端部に装着されている。
【0016】
図1(b)には、シートグリップ21と、第一のリアグリップ体3と、第二のリアグリップ体4のみを図示しているが、本実施形態において、これら三つの釣竿用部材が少なくとも外周面がグリップ用素材から構成された釣竿用部材であり、より詳細には、外周面のみならずその全体がグリップ用素材から構成されたものである。グリップ用素材には把持した際に滑り止め機能を発揮する素材が適用でき、適度なクッション性を備えていることが好ましい。グリップ用素材としては例えば発泡EVA等の発泡樹脂、コルク、木等が例示でき、特に、発泡EVAから成形により形成すると、製造も容易であり低コストであるうえに、適度な柔らかさとクッション性を備えていて軽量化にも適しているため好ましい。本実施形態においては、これら三つの釣竿用部材のうち第一のリアグリップ体3と第二のリアグリップ体4にそれぞれ意匠リング6が形成されている。以下、詳細に説明する。
【0017】
第一のリアグリップ体3は、
図2に示すように、前側の方が若干大径となっていて全体としては前側に向けて拡径していく形状となっており、その後端部近傍に意匠リング6が形成されている。
図3にその要部の拡大図を示しているが、第一のリアグリップ体3の後端部近傍の外周面3aに環状溝5が形成され、該環状溝5の底部に装飾部材が巻回されている。該装飾部材は、その長手方向が周方向となるようにして巻回されており、具体的には、装飾部材として装飾テープが巻回されている。該装飾テープが環状となって意匠リング6が構成されており、該意匠リング6の外側にはクリアーコート層7が形成されている。尚、
図2において第一のリアグリップ体3の外周面3aの箇所には、環状溝5を除いて、多数のドットを付して示している。
図4も同様であって、第二のリアグリップ体4の外周面4aの箇所には、環状溝5を除いて、多数のドットを付して示している。
【0018】
環状溝5は、断面視矩形の溝形状であってその底部は略フラットに形成されているが、この環状溝の溝形状は任意であって半円状やU字状、V字状としてもよい。環状溝5の幅も任意であるが、例えば0.5〜10mm、好ましくは1〜5mmであり、環状溝5の深さも任意であるが、例えば、5mm以下、好ましくは1〜2mmである。本実施形態においては環状溝5はその幅寸法よりも深さ寸法の方が大きい。かかる環状溝5は、第一のリアグリップ体3を発泡EVAから成形により形成する場合には、その成形時に一体的に形成してもよいし、成形後において切削加工やレーザー加工等により形成してもよい。
【0019】
装飾テープは複数回巻回してもよいが一回巻きとすることが好ましく、一端部の外側に他端部を所定長さ重ね合わせて環状とする。該装飾テープは、装飾層としての蒸着層を有するプラスチックフィルムからなり、その内面には粘着層が形成されている。即ち、装飾テープは、片面に蒸着層を有するベースフィルムの内面に粘着層が形成されたものであり、ベースフィルムとしては例えばPETフィルム等のポリエステル系のフィルムを使用でき、その厚さは例えば30〜60μm程度である。蒸着層は、金属光沢を有するものが好ましく、各種の金属蒸着膜やセラミック蒸着膜からなる金属光沢を有する光反射層である。代表的にはアルミニウム等の金属蒸着膜や酸化チタン等のセラミック蒸着膜が挙げられ、真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成される。その厚さは、1μm以下、特に0.1μm以下であって、数十nmとすることが好ましい。また、粘着層は、例えばアクリル系粘着剤等の各種の粘着剤からなり、例えば、15〜30μm程度の厚さであって、該粘着層によって容易に装飾テープを環状溝5の底部に巻回しつつ貼着することができる。但し、粘着層が省略されていてもよく、接着剤により環状溝5の底部に装飾テープを接着してもよい。装飾テープの幅は任意であるが環状溝5の幅と略同一幅とすることが好ましい。尚、蒸着層に加えて、ベースフィルムにオフセット印刷やシルクスクリーン印刷等の各種の印刷手法によって模様等の別途の装飾層を形成してもよい。
【0020】
クリアーコート層7は意匠リング6の保護層となる層であり、透明なコーティング剤を意匠リング6の外側に塗布することにより形成される。透明なコーティング剤としては、例えば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂等が挙げられる。該クリアーコート層7の厚さは意匠リング6よりも厚いことが好ましく、例えば0.1〜0.2mmの厚さである。クリアーコート層7は、環状溝5内のみに形成されていて第一のリアグリップ体3の外周面3aにははみ出さないように形成されており、その表面が第一のリアグリップ体3の外周面3aよりも一段内側に位置するようにして形成されている。
【0021】
図4及び
図5のように第二のリアグリップ体4にも同様に意匠リング6が形成されている。第二のリアグリップ体4にはその前端部近傍の外周面4aに意匠リング6が複数本、具体的には二本形成されている。各意匠リング6の構成は上述した第一のリアグリップ体3における意匠リング6と同様である。尚、本実施形態においては、二本の意匠リング6の間の間隔は、意匠リング6(環状溝5)の幅と同じかあるいはそれよりも狭くなっているが、逆に、意匠リング6の幅よりも広くてもよい。
【0022】
以上のように構成された釣竿にあっては、第一のリアグリップ体3及び第二のリアグリップ体4にそれぞれ意匠リング6が形成されているので、無機質な発泡EVA等のグリップ用素材からなる釣竿用部材の外周面3a,4aに効果的な意匠を施すことができる。特に意匠リング6が装飾テープを環状溝5に巻回することで環状に形成されたものであるので、金属製のリングを使用することなく、低コストに製造でき、また軽量化にもなる。また、第一のリアグリップ体3や第二のリアグリップ体4を二つに分割してその間に金属製のリングを介在させるという必要がないので、第一のリアグリップ体3や第二のリアグリップ体4の端部近傍であっても容易に意匠リング6を形成することができ、意匠リング6を短いピッチで複数本並設することも容易である。また、蒸着層により金属光沢を有しているので、金属製のリングの意匠を擬似的に表現することができ、安価に高級感を演出することができる。
【0023】
更に、環状溝5における意匠リング6の外側にはクリアーコート層7が形成されているので、意匠リング6がクリアーコート層7により保護されて、長期の使用にも耐え得る高い耐久性が得られる。しかも、クリアーコート層7の厚さが意匠リング6の厚さよりも厚いので、十分な厚さの保護層が得られ、耐久性が向上する。一方、クリアーコート層7の表面は第一のリアグリップ体3の外周面3aや第二のリアグリップ体4の外周面4aよりも一段内側に位置しているので、クリアーコート層7が環状溝5からはみ出すことがなく、クリアーコート層7を形成するためのコーティング剤も少量で済み、しかも、手で把持してもクリアーコート層7が剥がれにくい。特にグリップ用素材として発泡EVAのように比較的柔らかくてクッション性を有している素材を使用している場合には、クリアーコート層7を相対的に厚く形成すると共に外周面3a,4aよりも一段低く形成することにより、クリアーコート層7の剥がれを特に効果的に防止することができる。
【0024】
尚、本実施形態では、意匠リング6を形成するための装飾テープとして蒸着層を有するプラスチックフィルムを使用したが、これに代えて、透明なベースフィルムに装飾層を形成したプラスチックフィルムを使用してもよい。その場合、ベースフィルムには透明性に優れたプラスチックフィルムを使用することが好ましく、例えばPVCフィルムが使用できる。装飾層は各種の印刷手法やホットスタンプ法により形成できる。装飾層は各種の文字や図柄とすることができる。尚、装飾部材としてはこのような装飾テープの他にも例えば各種の糸等も使用できる。但し、装飾テープを使用することにより、その幅を環状溝5の幅に容易に合わせることができるため、環状溝5の幅、意匠リング6の幅を任意に設定しやすいという利点がある。何れにしても、装飾部材を環状溝5に巻回することによって環状の意匠リング6を形成するので、外周面3a,4aが円形ではなく従って環状溝5の底部も円形ではない場合、例えば周方向に大きくうねるような形状であっても、その環状溝5の底部の形状に容易に追従して環状に形成することができ、各種形状の釣竿用部材に適用することが可能である。尚、一つの環状溝5に複数本の装飾テープ等の装飾部材を並設するように配置してもよく、一つの環状溝5に複数種類の装飾部材を巻回するようにしてもよい。
【0025】
また、上記実施形態では第一のリアグリップ体3の後端部近傍に意匠リング6を一本形成したが、軸線方向に間隔をあけて複数本形成してもよく、意匠リング6の本数は任意である。また、第一のリアグリップ体3の前端部近傍に意匠リング6を設けてもよく、後端部近傍と前端部近傍の双方に意匠リング6を設けてもよい。また更に、第一のリアグリップ体3の端部近傍ではなく端部から離れた箇所(例えば軸線方向中央部)に意匠リング6を設けてもよく、意匠リング6の位置も任意である。第二のリアグリップ体4の意匠リング6についても同様であって、その本数や位置は任意である。
【0026】
また更に、リアグリップを前後セパレートタイプとしたが、リアグリップが一つの部材からなる構成であってもよい。また、第二のリアグリップ体4の挿通孔40を貫通孔として例えば竿本体1の後端部にエンドキャップを装着するようにしてもよい。エンドキャップを装着する点は、リアグリップを前後セパレートタイプとせずに一つの部材から構成する場合であっても同様に採用可能である。
【0027】
尚、上記実施形態ではリアグリップに意匠リング6を形成したが、シートグリップ21に意匠リング6を形成してもよい。また、ナット24の少なくとも外周面をグリップ用素材から構成してその外周面3aに意匠リング6を形成してもよい。更に、リールシート2の前側にフロントグリップを設けて、そのフロントグリップに意匠リング6を形成してもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 竿本体
2 リールシート
3 第一のリアグリップ体
3a 外周面
4 第二のリアグリップ体
4a 外周面
5 環状溝
6 意匠リング
7 クリアーコート層
20 リールシート本体
21 シートグリップ
22 可動フード体
23 雄ネジ部
24 ナット
25 脚載置面
26 固定フード部
30 貫通孔
40 挿通孔