(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6169478
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】深紫外線化学増幅型ポジ型フォトレジスト
(51)【国際特許分類】
G03F 7/039 20060101AFI20170713BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20170713BHJP
C08F 232/08 20060101ALI20170713BHJP
C07C 61/29 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
G03F7/039 601
G03F7/004 503A
G03F7/004 501
C08F232/08
C07C61/29CSP
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-227035(P2013-227035)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2014-92792(P2014-92792A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2016年5月2日
(31)【優先権主張番号】201210429479.1
(32)【優先日】2012年10月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100102990
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 良博
(74)【代理人】
【識別番号】100089901
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 一男
(72)【発明者】
【氏名】リュー ルー
(72)【発明者】
【氏名】シェ チァンシェ
(72)【発明者】
【氏名】フイ グアンパオ
【審査官】
倉本 勝利
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−298344(JP,A)
【文献】
特開平11−258804(JP,A)
【文献】
特開2001−261620(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/052688(WO,A1)
【文献】
欧州特許第02728408(EP,B1)
【文献】
米国特許第09023590(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F7/00;G03F7/004−7/18;7/26−7/42
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シクロペンテニルピマール酸、ジビニルエーテル、光酸発生剤、及び有機溶剤を含むポジ型フォトレジストであって;前記シクロペンテニルピマール酸の構造式が、以下の通りである、ポジ型フォトレジスト。
【化1】
【請求項2】
前記ジビニルエーテルは、エチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、1,3−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−メチル−1,2ジビニルオキシエタン、及び1,7−ジ(ビニルオキシエトキシ)ナフタレンから選択された少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のポジ型フォトレジスト。
【請求項3】
前記光酸発生剤が、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、S−(2−ナフトイル)メチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルトリフルオロメタンスルホネート、(P−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、及びトリス(P−tert−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネートから選択された少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のポジ型フォトレジスト。
【請求項4】
前記有機溶剤が、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、乳酸メチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテートから選択された少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のポジ型フォトレジスト。
【請求項5】
前記シクロペンテニルピマール酸と前記ジビニルエーテルとのモル比が、5:4〜1:2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポジ型フォトレジスト。
【請求項6】
前記シクロペンテニルピマール酸と前記ジビニルエーテルとのモル比が、1:1〜2:3であることを特徴とする請求項5に記載のポジ型フォトレジスト。
【請求項7】
前記光酸発生剤の質量が、前記シクロペンテニルピマール酸と前記ジビニルエーテルとの質量の総和の0.5%〜5%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポジ型フォトレジスト。
【請求項8】
前記光酸発生剤の質量が、前記シクロペンテニルピマール酸と前記ジビニルエーテルとの質量の総和の1.0%〜3.0%であることを特徴とする請求項7に記載のポジ型フォトレジスト。
【請求項9】
前記光酸発生剤、シクロペンテニルピマール酸、及びジビニルエーテルの質量の総和が、前記有機溶剤の質量の10%〜35%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポジ型フォトレジスト。
【請求項10】
前記光酸発生剤、シクロペンテニルピマール酸、及びジビニルエーテルの質量の総和が、前記有機溶剤の質量の10%〜30%であることを特徴とする請求項9に記載のポジ型フォトレジスト。
【請求項11】
ガムロジンを210〜250℃まで加熱し、窒素雰囲気にてシクロペンテンカルボン酸を滴下した後、210℃〜250℃の反応条件の下で継続して反応させ、反応終了後にシクロペンテニルピマール酸粗生成物を得る工程と、
前記粗生成物を洗浄剤で洗浄して、シクロペンテニルピマール酸を得る工程と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のシクロペンテニルピマール酸の製造方法。
【請求項12】
前記洗浄剤が、四塩化炭素、トリクロロメタン、アセトン、シクロヘキサノン、及びエチルエーテルから選択された少なくとも一つであることを特徴とする請求項11に記載のシクロペンテニルピマール酸の製造方法。
【請求項13】
その構造式が、以下の通りであるシクロペンテニルピマール酸。
【化2】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光材に関する。本発明は、特に、深紫外線化学増幅型ポジ型フォトレジストに関する。
【背景技術】
【0002】
「化学増幅」という概念は、80年代初頭にIBM社の伊藤(Ito)らが最初に提出した概念である。新型のフォトレジストとして、化学増幅レジストは、従来のフォトレジストと異なる。従来のフォトレジストは、露光する時に一つの光子を吸収する毎に、最多一回の架橋反応又は分解反応が発生することで、効率が低い。
【0003】
化学増幅レジストは、一般的に光酸発生剤(PAG、Photoacid Generator)と酸敏感膜形成用樹脂から構成され、露光する時に、光酸発生剤が分解して強酸を生じ、酸敏感膜形成用樹脂の分解又は架橋を触媒し、触媒が反応中に繰り返し使用することができるため、効率が高い。248nmフォトレジストは、最初に「化学増幅」概念に応用するレジストであって、一般的にポリパラヒドロキシスチレンの誘導体を膜形成用樹脂として採用して膜形成用樹脂、アリールヨードニウム塩又はアリールスルホニウム塩を光酸発生剤とする。通常、膜形成用樹脂が248nmの所に高い透明性を有することが必要とされるが、ポリパラヒドロキシスチレン及びその誘導体自身が248nmの所に透明性が比較的に良い。しかしながら、但しポリマ−が不純物を含む場合、樹脂の透明性が大幅に低下することになるため、このフォトレジストは、ポリパラヒドロキシスチレンの純度に対する要求が高く、製造工程が複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、良好な感度を有する深紫外線化学増幅型ポジ型フォトレジストを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の深紫外線化学増幅型ポジ型レジストは、シクロペンテニルピマール酸、ジビニルエーテル、光酸発生剤、及び有機溶剤を含む。該シクロペンテニルピマール酸の構造式は、下記式の通りである。
【0006】
【化1】
【0007】
前記ジビニルエーテルは、好ましくは、エチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、1,3−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−メチル−1,2ジビニルオキシエタン、及び1,7−ジ(ビニルオキシエトキシ)ナフタレンから選択された少なくとも一つである。より好ましくは、エチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル又は1,3−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼンである。
【0008】
前記光酸発生剤は、好ましくは、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、S−(2−ナフトイル)メチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルトリフルオロメタンスルホネート、(P−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、及びトリス(P−tert−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネートから選択された少なくとも一つである。より好ましくは、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネートである。
【0009】
前記有機溶剤は、好ましくは、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、乳酸メチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテートから選択された少なくとも一つである。
【0010】
前記シクロペンテニルピマール酸と前記ジビニルエーテルとのモル比は、好ましくは、5:4〜1:2であり、より好ましくは、1:1〜2:3である。
【0011】
前記光酸発生剤の質量は、好ましくは前記シクロペンテニルピマール酸と前記ジビニルエーテルとの質量の総和の0.5%〜5%であり、より好ましくは、1.0%〜3.0%である。
【0012】
前記光酸発生剤、シクロペンテニルピマール酸、ジビニルエーテルの質量の総和は、好ましくは、前記有機溶剤の質量の10%〜35%であり、より好ましくは、10%〜30%である。
【0013】
前記シクロペンテニルピマール酸は、好ましくは、以下の工程を含む方法に従って調製される。
【0014】
ガムロジンを210〜250℃まで加熱して、窒素雰囲気にてシクロペンテンカルボン酸を滴下した後、210℃〜250℃の反応条件の下で継続して反応させ、反応終了後シクロペンテニルピマール酸粗生成物を得、その後、前記粗生成物を洗浄剤で洗浄して、シクロペンテニルピマール酸を得る。
【0015】
前記洗浄剤は、好ましくは、四塩化炭素、トリクロロメタン、アセトン、シクロヘキサノン、及びエチルエーテルの中の少なくとも一つである。
【0016】
本発明の他の目的は、シクロペンテニルピマール酸を提供することにある。
【0017】
本発明のシクロペンテニルピマール酸の構造式は、下記式の通りである。
【0018】
【化2】
【0019】
前記シクロペンテニルピマール酸の軟化点は、130〜132℃であり、酸価は、295mgKOH/gである。
【0020】
本発明の実施方法により、アビエチン酸と環状オレフィン酸がディールス・アルダー(Diels-Alder、D−A)反応を通じて、大きいな脂環構造を有する二酸、即ちシクロペンテニルピマール酸を得ることができる。該酸がベンゼン環構造を含まず、深紫外域に良好な透明性を有するため、それが良好な感度を有することができる。
【0021】
本発明に係るシクロペンテニルピマール酸は、ジビニルエーテル、光酸発生剤とともに、深紫外線化学増幅型ポジ型フォトレジストを構成することができ、該レジストが良好な感度を有する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(シクロペンテニルピマール酸の合成)
攪拌及び凝縮器付き四口フラスコにガムロジンを加えて、210〜250℃まで加熱すると同時に、窒素を導入して、シクロペンテンカルボン酸をゆっくりと滴下し、滴下時間を2〜5時間内に制御した。滴下完了後、210〜250℃の条件下で引き続き3〜5h反応させてから、冷却してシクロペンテニルピマール酸粗生成物を得た。該生成物を洗浄剤(好ましくは四塩化炭素、トリクロロメタン、アセトン、シクロヘキサノン、及びエチルエーテルの中の少なくとも1種)で一回又は二回以上洗浄して、シクロペンテニルピマール酸を得た。
【0024】
(合成例1):
50gのガムロジンを攪拌及び凝縮器付き四口フラスコに加えて、230℃まで加熱すると同時に、窒素を導入して、17gのシクロペンテンカルボン酸をゆっくりと滴下し、滴下時間を2時間に制御した。滴下完了後、230℃の条件の下で引き続き3時間反応させてから、冷却してシクロペンテニルピマール酸粗生成物を得て、該生成物を四塩化炭素で一回洗浄した。洗浄および乾燥後の生成物に対して分析を行った結果、軟化点は130〜132℃であり、酸価は295mgKOH/gであった。高性能液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography,HPLC)を用いて、目標生成物の含有量は、約75質量%と測定された。
【0025】
(合成例2):
50gのガムロジンを攪拌及び凝縮器付き四口フラスコに加えて、210℃まで加熱すると同時に、窒素を導入して、17gのシクロペンテンカルボン酸をゆっくりと滴下し、滴下時間を5時間に制御した。滴下完了後、210℃の条件の下で引き続き4時間反応させてから、冷却してシクロペンテニルピマール酸粗生成物を得て、該生成物をトリクロロメタンで一回洗浄した。洗浄および乾燥後の生成物に対して分析を行った結果、軟化点は130〜132℃であり、酸価は295mgKOH/gであった。HPLCを用いて、目標生成物の含有量が約75質量%と測定された。
【0026】
(合成例3):
50gのガムロジンを攪拌及び凝縮器付き四つ口フラスコに加えて、250℃まで加熱すると同時に、窒素を導入して、17gのシクロペンテンカルボン酸をゆっくりと滴下し、滴下時間を3時間に制御した。滴下完了後、250℃の条件の下で引き続き5時間反応させてから、冷却してシクロペンテニルピマール酸粗生成物を得て、該生成物をアセトンで一回洗浄した。洗浄および乾燥後の生成物に対して分析を行った結果、軟化点は130〜132℃であり、酸価は295mgKOH/gであった。HPLCを用いて、目標生成物の含有量が約75質量%と測定された。
【0027】
シクロペンテニルピマール酸は、固体薄膜層においてジビニルエーテルと加熱条件(80℃以上)の下で反応することができ、その生成物が希アルカリ溶液に溶解し難い。このように形成された生成物は、光酸発生剤が発生した強酸の触媒の下に、温度が100℃より高い場合、迅速に分解することができ、よって希アルカリ溶液に溶解し易くなる。従って、この二酸、ジビニルエーテル、及び酸発生剤を用いて、ポジ型フォトレジストを構成することができる。
【0028】
選択できるジビニルエーテル:グリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、1,3−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−メチル−1,2ジビニルオキシエタン、1,7−ジ(ビニルオキシエトキシ)ナフタレン等が挙げられる。これらジビニルエーテルは、単独に使用することができるが、2つ又は複数に混合して使用することもできる。
【0029】
選択できる光酸発生剤:酸発生剤は、伝統的な化学増幅フォトレジストにおいて酸生成剤として典型的に使用される何れの物質をも使用することができる。好ましい酸発生剤としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、S−(2−ナフトイル)メチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルトリフルオロメタンスルホネート、(P−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、及びトリス(P−tert−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。以上の酸発生剤は、単独で使用することもでき、2つ又は複数種類を混合して使用することもできる。
【0030】
有機溶剤:有機溶剤は、フォトレジストの成分を溶解して均一溶液を生成可能な溶剤であれば制限されない。好ましい有機溶剤は、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、乳酸メチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。以上の溶剤は、単独に使用することもでき、2つ又は複数種類を混合して使用することもできる。
【実施例】
【0031】
(実施例1〜13、ポジ型フォトレジスト)
下記の[表1]に示すとおり、ポジ型レジストを調製した。
【0032】
本発明の実施例のポジ型フォトレジストによりフォトレジストパターンを形成するために実施する通常のフォトエッチングステップは、以下の通りであった。そのうち、実施例1〜8のシクロペンテニルピマール酸は合成例1により得られ、実施例9〜11のシクロペンテニルピマール酸は合成例2により得られ、実施例12〜13のシクロペンテニルピマール酸は合成例3により得られたものである。
【0033】
まず、スピンコーターを用いて該フォトレジストをシリコンウェハ等の基板上に塗布してフォトレジスト層を形成させ、60℃で90秒間プリベークした。
【0034】
次いで、フォトレジストを所定のパターンのマスク板の下に露光させ、248nmにおける深紫外線での露光後、100℃で2分間プリベークした。
【0035】
最後に、露光後のフォトレジストコーティング層に対して現像を行った。現像液として0.38wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを選択し、現像液温度を25℃とし、現像時間を60秒間とした。
【0036】
【表1】
【0037】
上記の表に記載のシクロペンテニルピマール酸とジビニルエーテルとの使用量は、質量で示した。計算により、両者のモル比は、いずれも5:4〜1:2の範囲内にあり、好ましくは1:1〜2:3の範囲内にある。
【0038】
上記の表により、本発明のポジ型フォトレジストの感度は、18〜42 mJ/cm
−2の間にあり、良好な感度を有することが分かる。従って、前記レジストが深紫外域において良好な透明性を有することを得ることができる。
【0039】
上記の説明は、本発明を説明するためのみに使用されるものであり、非限定的なものである。本分野の当業者は、添付されるクレームが限定する趣旨と範囲を超えない場合に、多くの修正、変化又は均等を行うことができるが、その全てが本発明の保護範囲内に含まれることと解釈される。