(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6169597
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】ねじの自己保持機構
(51)【国際特許分類】
A61B 17/88 20060101AFI20170713BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20170713BHJP
F16B 23/00 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
A61B17/88
A61B17/86
F16B23/00 Z
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-545955(P2014-545955)
(86)(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公表番号】特表2015-510403(P2015-510403A)
(43)【公表日】2015年4月9日
(86)【国際出願番号】US2012067174
(87)【国際公開番号】WO2013085805
(87)【国際公開日】20130613
【審査請求日】2015年11月30日
(31)【優先権主張番号】61/567,390
(32)【優先日】2011年12月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513164565
【氏名又は名称】シンセス・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Synthes GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】フェルダー・マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥランテ・オリビエロ
【審査官】
中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2003/0074003(US,A1)
【文献】
米国特許第06423067(US,B1)
【文献】
独国特許出願公開第03119583(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/88
A61B 17/86
F16B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨固定器であって、
近位端のヘッド部から中心縦軸沿いに遠位端のシャフトまで延在する細長い本体部と、
前記ヘッド部の近位端において開口しており、前記ヘッド部中に所定距離だけ遠位方向に延在し、前記ヘッド部の外壁を貫通している複数のスロットであって、前記ヘッド部の周方向において前記複数のスロット間における前記ヘッド部の前記外壁が、バネ部となっており、前記バネ部が、前記中心縦軸に向けて付勢されており、前記バネ部に半径方向拡張力が加えられると前記中心縦軸から遠ざかる向きにたわむことができるように構成されている、複数のスロットと、を含む、骨固定器。
【請求項2】
前記近位端から前記ヘッド部中へ遠位方向に延在し、駆動機構と係合するよう構成され、サイズ決めされた凹部を更に含む、請求項1に記載の骨固定器。
【請求項3】
前記凹部が前記中心縦軸と整合された、請求項2に記載の骨固定器。
【請求項4】
前記凹部の形状が、六角形、スロット状、方形及びトルクス形のうちの1つである、請求項2に記載の骨固定器。
【請求項5】
前記スロットが、前記中心縦軸と実質的に平行に延在する、請求項1に記載の骨固定器。
【請求項6】
前記ヘッド部の近位端において開口している前記スロットの第1の部分が、前記中心縦軸と実質的に平行に延在し、前記スロットの前記第1の部分の遠位端と連続して形成された前記スロットの第2の部分が、前記中心縦軸に対して角をなして延在し、前記第2の部分が前記バネ部のたわみ性を増すように構成されている、請求項1に記載の骨固定器。
【請求項7】
前記シャフトの一部がねじ付きである、請求項1に記載の骨固定器。
【請求項8】
骨固定用システムであって、
骨固定器であって、近位端のヘッド部から中心縦軸沿いに遠位端のシャフトまで延在する細長い本体部と、前記ヘッド部の近位端において開口しており、前記ヘッド部中に所定距離だけ遠位方向に延在し、前記ヘッド部の外壁を貫通している複数のスロットであって、前記ヘッド部の周方向において前記複数のスロット間における前記ヘッド部の前記外壁が、バネ部となっており、前記バネ部が、前記中心縦軸に向けて付勢されており、前記バネ部に半径方向拡張力が加えられると前記中心縦軸から遠ざかる向きにたわむことができるように構成されている、複数のスロットと、を含む、骨固定器と、
近位端のハンドルから遠位端の駆動先端部まで延在する駆動機構であって、前記駆動先端部が前記バネ部に半径方向拡張力を加えるように構成されている、駆動機構と、を含む、骨固定用システム。
【請求項9】
前記近位端から前記ヘッド部中へ遠位方向に延在し、駆動機構と係合するよう構成され、サイズ決めされ、前記中心縦軸と整合されている、凹部を更に含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記駆動先端部が、前記凹部中に挿入されるように構成され、前記バネ部に前記半径方向拡張力を加える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記駆動先端部が、実質的に球形状を画定する、複数の切子面を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記スロットが、前記中心縦軸と実質的に平行に延在する、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記ヘッド部の近位端において開口している前記スロットの第1の部分が、前記中心縦軸と実質的に平行に延在し、前記スロットの前記第1の部分の遠位端と連続して形成された前記スロットの第2の部分が、前記中心縦軸に対して角をなして延在し、前記第2の部分が前記バネ部のたわみ性を増すように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記シャフトの一部がねじ付きである、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
細長い管路が、前記駆動機構の近位端から遠位端まで前記駆動機構中を通って延在している、請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全体を参照によって本願に援用する「ねじの自己保持機構」という名称の2011年12月6日出願の米国特許仮出願番号第61/567,390に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
長骨(例えば、大腿骨)の骨折は、一般に、骨の頚部、転子間部位又は転子周囲部に起こる。このような骨折は、骨の骨髄腔中への髄内装置(例えば、髄内釘)の挿入によって治療されることが多い。次に、転節固定用インプラント(例えば、骨ねじ)を、骨の縦軸を横切る髄内装置によって横方向に挿入して骨頭部中へ通すこともある。転節固定用インプラントは、しばしば、ドライバーを用いて髄内装置により骨中へ案内される。しかしながら、ドライバーは、挿入時に転節固定用インプラントの頭部から脱離しやすく、その結果、骨固定処置を完了するのに必要な時間が長くなったり、他の困難な事態を招いたりする問題があった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、近位端のヘッド部から中心縦軸沿いに遠位端のシャフトまで延在する細長い本体部からなる骨固定器に関する。ヘッド部中に、所定距離だけスロット開口部が遠位方向に延在し、この開口部は、その外側にバネ部を画定し、バネ部は、中心縦軸に向けて付勢されており、バネ部に半径方向拡張力が加えられると中心縦軸から遠ざかる向きにたわむことができるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本発明による例示的骨固定部材の第1の斜視図である、
【
図3】近位の方向から見た
図1の骨固定部材の斜視図である、
【
図5】本発明による駆動機構の第1の斜視図である、
【
図7】第1の使用構成における
図1の骨固定部材を示す、
【
図8】第2の使用構成における
図1の骨固定部材を示す、
【
図9】本発明の第1の代替実施形態による骨固定部材の斜視図である。
【
図10】本発明の第2の代替実施形態による骨固定部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明文及び付属の図面を参照することで本発明のより深い理解が得られるであろう。なお、図中、同様の構成要素は同じ参照符号により示されるものとする。本発明は、一般に、骨折した又は他の形で損傷した骨の固定のための器具及びこれに関連した方法に関するものである。具体的には、本発明は、骨固定部材を骨に挿入して、駆動機構をその骨固定部材に対する相対位置を保持するよう一時的に固定係止する方法及び器具に関する。本発明による例示的骨固定部材は、ヘッド部、及びヘッド部から遠位方向に延在する細長いシャフトを備える。ヘッド部は、駆動機構の遠位端を受支するように構成された凹部に向けて半径方向内向きに偏倚されたバネ機構を備える。本発明による例示的駆動機構には、実質的に球状の遠位端が形成されている。球状の遠位端を凹部に挿入すると、バネが半径方向外向きに動かされ、そのバネの偏倚が球状の遠位端に力を加えて、骨固定部材を駆動機構に固定させる。挿入時に駆動機構を固定係止することによって、駆動機構に対する骨固定部材の緩みが最小限に抑えられ、これによって、骨中の目標位置に骨固定部材を確実に据えるのに必要な時間と労力が軽減される。ここで、例示的システム及び方法について大腿骨で使用する転節固定ねじとの関連で説明するが、本発明は、特定の解剖学的環境に適合するよう器具の寸法及び形状を修正することにより、身体の他の骨における他の骨固定処置においても使用することが可能であるということに留意されたい。本願で使用する「近位の」という用語は、医師または他の使用に近接している方向ということであり、他方「遠位の」という用語は、骨の目標固定部位に近接している方向ということを指す。
【0006】
図1〜4に示すように、本発明の例示的実施形態による骨固定部材100(例えば、骨ねじ)は、ヘッド部104を含む近位端102から中心縦軸110沿いに遠位端108に終端するシャフト106まで延在する。骨固定部材100は、ヘッド部104の外径がシャフト106の外径より大きい実質的に環状の横断面形状を有し、ヘッド部104は、シャフト106を構造に挿通させることができる限界を画定する構造に対して座支されるようになっている。この実施形態によるシャフト106は、実質的に滑らかな第1の部分112、及びその遠位側の第2の部分としてのねじ部114を含む。当業者には理解されるように、第1の部分112は、髄内釘(図示せず)中を延在する転節路(図示せず)と係合するように構成することができ、第2の部分114は、転節(図示せず)で骨とねじ係合するように構成されている。しかしながら、当業者には理解されるように、シャフト106は、特定の処置の必要条件に適合するよう、その任意の部分がねじ付きであってもよく、又はねじ付きでなくてもよい。更に、シャフト106の第1及び第2の部分112及び114は、2つの異なる直径を有するように示されているが、本発明の範囲から逸脱することなしに、特定の処置の必要条件に適合するよう、任意の相対寸法を選択することが可能である。
【0007】
さらに詳しく後述するように、ヘッド部104は、近位端102から駆動機構200の遠位端の寸法に合致するよう選択される所定距離だけ遠位方向に向けて延在する凹部116を含む。凹部116は、中心縦軸110と整合させることができ、骨固定部材100の縦軸に垂直な平面内にある実質的に六角形の横断面形状を有してもよい。しかしながら、凹部116については、凹部116に挿入される駆動機構を骨固定部材100に回転不可能に連結するよう駆動機構の端部形状と連携する形状である限り、本発明の範囲を逸脱することなしに、他の任意の横断面形状(例えば、スロット状、方形、トルクス(Torx)、など)でも用いることができるということに留意されたい。
【0008】
図1〜4において、凹部116は、ヘッド部104を完全に貫通して延在し、シャフト106中を縦方向に延在する管路118に対して開いている。スロット120は、
図3に示されるようなヘッド部104の近位面の弦を形成する近位端102からのヘッド部104へ延在する。スロット120は、ヘッド部104の外壁を完全に貫通して延在している。スロット120は、以下に更に詳述するように、スロット120が、駆動機構が凹部116に挿入されるとき、ヘッド部104の壁の一部を外方にたわませ、次に、自然な偏倚をもって跳ね返らせて、駆動機構を一時的に凹部116中に固定させる限り、ヘッド部104沿いに任意の構成で設けることができる。この実施形態においては、スロット120は、
図3に示すように、ヘッド部104の壁を貫通して凹部116に達する。スロット120は、縦軸110に実質的に平行な平面内に延在する第1のスロット部分122、縦軸110に実質的に垂直な平面内で軸線110から外方に延在する第2のスロット部分124、及び縦軸110に実質的に平行な平面内に延在する第3のスロット部分126を備えた細長い切り込みとして形成されている。スロット120は、その外側にバネ部128を画定する。第1、第2及び第3のスロット部分122、124、126間の界面は、以下に更に詳述するように、バネ部128の中心縦軸110から遠ざかる向きのたわみ性を増すよう選択される所定の曲率半径で十分に丸み加工される。第2のスロット部分124の長さは、バネ部128の中心縦軸110から遠ざかる向きの所定のたわみ許容する一方、縦軸110に向けてバネ部128を逆付勢する偏倚力を保つことができるように選択される。
【0009】
図5〜6は、本発明による例示的駆動機構200を示す。駆動機構200は、近位端202から中心縦軸206沿いに遠位端204まで延在する。近位端202には、ハンドル208が備えられているが、ハンドル208は、縦軸206に対して実質的に垂直に延在する第1及び第2アーム210、212を含むハンドル208を含む。しかしながら、ハンドル208は、本発明の範囲を逸脱することなく、他の任意の形で形成することに留意されたい。第1及び第2のアーム210、212は、縦軸206沿いに延在する細長い部材214に永久結合されている(例えば、レーザー溶接、接着などにより)。ハンドル208には、シリコーンオーバーモールド216を更に設けることができる。シャフト218は、細長い部材214から遠位方向に延在し、その遠位端に先端部220を備える。先端部220は、凹部116の六角形壁と係合するように構成された複数の切り子面壁により画定される実質的球形状に形成されている。具体的には、先端部220は、その近位端及び遠位端に収束するように構成された6つの切子面を備えて、球形状をなすことができる。切り子面壁の骨固定部材100との係合は、ドライバーを骨固定部材100の縦軸に対して回転不可能に骨固定部材に結合する一方、実質的球形状は、骨固定部材100の縦軸に実質的に垂直な軸回りの駆動機構の骨固定部材100に対する制限された旋回運動を可能にする。シャフト218の長さは、目標処置の必要条件に適合するよう選択され、先端部220の直径は凹部116の寸法に適合する。例えば、この実施形態による先端部220は、直径約8mmとする一方、凹部の直径は、実質的にこれと同様にすることができる。細長い管路222が、近位端202から遠位端204まで駆動機構200中を通って延在している(例えば、骨用セメントなどの骨への挿入が可能なように)。他の実施形態においては、先端220には、実質的球状の先端部220の周上に延在する任意の数の切子面を凹部116の対応する数の切子面と合致させて設けることもできる。
【0010】
本発明による例示的方法によれば、
図7〜8に示すように、先端部220は、凹部116に挿入され、この挿入が、バネ部128を半径方向外方にたわませて、先端部220の凹部116中への完全な移動を可能にする先端部220が凹部116中に移動したならば、バネ部128が、実質的に中心縦軸110と長軸方向に整合する偏倚状態に復帰して、凹部116中における先端部122の位置を固定する。当業者には理解されるように、医師又は他の使用者は、先端部220にバネ保持力を加えることによって、骨固定部材100の中心縦軸110に対して駆動機構200を様々な角度に旋回させることができるが、当業者には理解されるように、以後続けてその挿入を支援するのに骨固定部材100を旋回運動させる必要はない。例示的実施形態においては、バネ部128により先端部222に加えられる偏倚力は、凹部116内での先端部222の回転を防ぐのに十分である。次に、駆動機構200を用いて、骨固定部材100を骨の目標位置にねじ込む。凹部116から先端部222を切り離すには、医師又は他の使用者が駆動機構200を骨固定部材100に対して所定の角度で旋回させると、その旋回運動によって先端部220が骨固定部材100から分離される。
【0011】
図9は、本発明の第1の代替実施形態による骨固定インプラント300を示すが、骨固定インプラント300は、骨固定インプラント100実質的に同様に形成されており、同様の構成要素は同様の符号で示してある。具体的には、骨固定インプラント300のシャフト106は、ねじ付きでなく、その半径方向の所定距離に延在する周面当接部302を含む。例示的実施形態においては、当接部302はシャフト106の近位の部分に沿って配設されてもよいし、本発明の範囲を逸脱することなく、他の任意の位置を使用することも可能である。例示的実施形態においては、当業者には理解されるように、当接部302は、骨固定部材(例えば、骨プレート、髄内釘など)又は骨中を通って延在する穴(図示せず)の内壁と摩擦係合するよう構成され、サイズ決めされ得る。当業者には理解されるように、骨固定インプラント300の遠位部分には、遠位端108の直径を絞ったテーパ状壁部304を設けて、例えば、骨固定部材又は骨中へのその挿入を支援することも可能である。更に、骨固定インプラント300は、ねじ付きでないないように図示されているが、本発明の範囲を逸脱することなく、シャフト106の任意の部分をねじ付きにすることも可能であることに留意されたい。
【0012】
図10は、本発明の第2の代替実施形態による骨固定インプラント400を示し、骨固定インプラント400は、骨固定インプラント100と実質的に同様に形成されており、同様の構成要素は同様の符号で示してある。骨固定インプラント400のシャフト406は、ねじ部が形成されておらず、実質的テーパ状部が形成されている。具体的には、シャフト406は、第1、第2及び第3の部分408、410、412を備えるが、各々1つ前の部分より小さい直径を有する。更なるテーパ状部分414は、第3の部分412の遠位端を備えるが、テーパ状部分414は、遠位端108に向かって直径が絞られている。また、骨固定インプラント400は、その上に備えられたスロット420の構成が骨固定インプラント100と異なる。具体的には、第1、第2及び第3のスロット部分122、124、126に加えて、スロット420は、縦軸110に対して角をなして延在する第4のスロット部分428をも含む。例示的実施形態においては、第4のスロット部分428は、本発明の範囲を逸脱することなく、他の角度を使用することもできるが、縦軸110に対して直交状に延在することができる。当業者には理解されるように、第4のスロット部分428は、バネ部128のたわみ性を大きくする役割を果たす。
【0013】
当業者にとっては、本発明の構成及び方法に対して、本発明の要旨又は範囲を逸脱することなく、他の様々な修正及び変更をなすことが可能であることは明白であろう。したがって、本発明は、本発明の修正及び変更を、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に含まれるならば、包含するものとする。
【0014】
〔実施の態様〕
(1) 骨固定器であって、
近位端のヘッド部から中心縦軸沿いに遠位端のシャフトまで延在する細長い本体部と、
前記ヘッド部中に所定距離だけ遠位方向に延在するスロット開口部であって、前記開口部が、その外側にバネ部を画定し、前記バネ部が、前記中心縦軸に向けて付勢されており、前記バネ部に半径方向拡張力が加えられると前記中心縦軸から遠ざかる向きにたわむことができるように構成されている、スロット開口部と、を含む、骨固定器。
(2) 前記近位端から前記ヘッド部中へ遠位方向に延在し、駆動機構と係合するよう構成され、サイズ決めされた凹部を更に含む、実施態様1に記載の骨固定器。
(3) 前記凹部が前記中心縦軸と整合された、実施態様2に記載の骨固定器。
(4) 前記スロット開口部が前記凹部と分離されている、実施態様2に記載の骨固定器。
(5) 前記凹部の形状が、六角形、スロット状、方形及びトルクス形のうちの1つである、実施態様2に記載の骨固定器。
【0015】
(6) 前記スロット開口部が、前記中心縦軸と実質的に平行に延在する、実施態様1に記載の骨固定器。
(7) 前記スロット開口部の第1の部分が、前記中心縦軸に対して角をなして延在し、前記第1の部分が前記バネ部のたわみ性を増すように構成されている、実施態様1に記載の骨固定器。
(8) 前記第1の部分が、前記スロット開口部の遠位端に位置する、実施態様7に記載の骨固定器。
(9) 前記シャフトの一部がねじ付きである、実施態様1に記載の骨固定器。
(10) 骨固定用システムであって、
骨固定器であって、近位端のヘッド部から中心縦軸沿いに遠位端のシャフトまで延在する細長い本体部と、前記ヘッド部中に所定距離だけ遠位方向に延在するスロット開口部であって、前記開口部が、その外側にバネ部を画定し、前記バネ部が、前記中心縦軸に向けて付勢されており、前記バネ部に半径方向拡張力が加えられると前記中心縦軸から遠ざかる向きにたわむことができるように構成されている、スロット開口部と、を含む、骨固定器と、
近位端のハンドルから遠位端の駆動先端部まで延在する駆動機構であって、前記駆動先端部が前記バネ部に半径方向拡張力を加えるように構成されている、駆動機構と、を含む、骨固定用システム。
【0016】
(11) 前記近位端から前記ヘッド部中へ遠位方向に延在し、駆動機構と係合するよう構成され、サイズ決めされ、前記中心縦軸と整合されている、凹部を更に含む、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記駆動先端部が、前記凹部中に挿入されるように構成され、前記バネ部に前記半径方向拡張力を加える、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記駆動先端部が、実質的に球形状を画定する、複数の切子面を含む、実施態様10に記載のシステム。
(14) 前記スロット開口部が前記凹部と分離されている、実施態様11に記載のシステム。
(15) 前記スロット開口部が、前記中心縦軸と実質的に平行に延在する、実施態様10に記載のシステム。
【0017】
(16) 前記スロット開口部の第1の部分が、前記中心縦軸に対して角をなして延在し、前記第1の部分が前記バネ部のたわみ性を増すように構成されている、実施態様10に記載のシステム。
(17) 前記第1の部分が前記スロット開口部の遠位端に位置する、実施態様16に記載のシステム。
(18) 前記シャフトの一部がねじ付きである、実施態様10に記載のシステム。
(19) 骨固定方法であって、
駆動機構の遠位先端部を骨固定器の近位端に設けた凹部中に挿入する工程であって、前記骨固定器が、近位端のヘッド部から中心縦軸沿いに遠位端のシャフトまで延在する細長い本体部と、前記ヘッド部中に所定距離だけ遠位方向に延在するスロット開口部であって、前記開口部が、その外側にバネ部を画定する、スロット開口部と、を備え、前記挿入により、前記バネ部を前記中心縦軸から遠ざかる向きにたわませる、工程、を含む、骨固定方法。
(20) 前記駆動機構を前記中心縦軸に対して旋回させる工程を更に含み、前記遠位先端部が実質的に球形状を画定する複数の切子面を有する、実施態様19に記載の方法。