特許第6169706号(P6169706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6169706向上した密封性を有するエンジン制御バルブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6169706
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】向上した密封性を有するエンジン制御バルブ
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/70 20160101AFI20170713BHJP
   F16J 15/08 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   F02M26/70 301
   F16J15/08 H
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-533674(P2015-533674)
(86)(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公表番号】特表2015-532377(P2015-532377A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】FR2013052284
(87)【国際公開番号】WO2014049286
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2016年8月4日
(31)【優先権主張番号】1259179
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508021716
【氏名又は名称】ヴァレオ システム ドゥ コントロール モトゥール
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー、オデブール
(72)【発明者】
【氏名】ステファン、スーブリエ
【審査官】 齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−526668(JP,A)
【文献】 特表2013−531769(JP,A)
【文献】 特表2009−521652(JP,A)
【文献】 特開2006−125569(JP,A)
【文献】 米国特許第4231546(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 26/00−74
F16J 15/08
F16K 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部ダクトを画定する本体を有すると共にフラップ(10)を備えたエンジン制御バルブであって、そのフラップ(10)は、当該フラップ(10)のピン(13)によって枢動自在に取り付けられており、前記フラップ(10)は、第1部分(14)を備えると共に、前記ダクト内へのガスの通過を許容する開放位置と、閉鎖位置との間で枢動できるようになっており、その閉鎖位置において前記フラップ(10)は、当該バルブの前記本体における2つの要素同士の間に挿入されたシール(1)、特に平坦なシールと接触し、前記シール(1)は、前記フラップ(10)の外側輪郭を外部から取り囲む外側輪郭を有し、前記シール(1)は、開口(6)と連続部分(3)とを備え、前記第1部分(14)は、前記フラップ(10)が閉鎖位置にあるときに前記シール(1)の前記開口(6)を密封し、
前記シール(1)は、前記連続部分(3)の周辺区域(2)に形成されて前記開口(6)と連通する少なくとも1つのスロット(7)を備え、前記スロット(7)は、前記内部ダクトの外側に配置された部分を備えている、バルブ。
【請求項2】
前記スロット(7)は、前記連続部分(3)の前記周辺区域(2)の外側を画定する周縁部に沿って伸びている、請求項1記載のバルブ。
【請求項3】
互いに平行な2つのスロット(7)であって、それぞれが前記連続部分(3)の周辺区域(2)内へと伸びると共に、それぞれが前記開口(6)と連通するスロット(7)を備えた、請求項1または2記載のバルブ。
【請求項4】
各スロット(7)は、前記開口(6)と前記連続部分(3)とを仕切る軸線(25)に沿って見たときの前記開口(6)の端部と連通しており、各スロット(7)は前記仕切る軸線(25)に垂直に伸びている、請求項2または3記載のバルブ。
【請求項5】
各スロット(7)は、0.2mmから0.8mmの範囲に及ぶ幅を有している、請求項1から4のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項6】
各スロット(7)は、0.5mmの幅を有している、請求項4記載のバルブ。
【請求項7】
前記シール(100)は、その全表面に渡って完全に平坦である、請求項1から5のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項8】
前記スロット(7)のそれぞれを覆う2つの連結シール(11,12)同士の間に前記シール(100)が挿入され、前記連結シール(11,12)のそれぞれが前記本体の要素と接触している、請求項1から7のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項9】
各連結シール(11,12)に周辺リップ(20,23)が設けられている、請求項8記載のバルブ。
【請求項10】
各連結シール(11,12)が開口(19,22)を有し、それらの開口(19,22)の寸法が、前記シール(100)の前記開口(6)の寸法よりも大きい、請求項8または9記載のバルブ。
【請求項11】
前記フラップ(10)は、当該フラップ(10)の前記ピン(13)によって前記第1部分(14)から仕切られた第2部分(15)を備え、前記第2部分(15)は、前記フラップが閉鎖位置にあるときに前記連続部分(3)と面一になっている、請求項1記載のバルブ。
【請求項12】
前記フラップ(10)は、前記第2部分(15)と前記枢軸ピン(13)との間に設置された丸い隆起部分(17)を備え、前記隆起部分(17)は、前記フラップ(10)が開放位置から閉鎖位置の間で、または閉鎖位置から開放位置の間で枢動するときに前記シール(100)の前記連続部分(3)と接触したままであるように位置が定められている、請求項11記載のバルブ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のエンジン制御バルブに使用するためのシール(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、向上した密封性を有するエンジン制御バルブに関する。このタイプのバルブは例えば、車両の内燃エンジンから排出される排気ガスの一部を取り出すことを可能とするループ内におけるEGR(排気ガス再循環)ガスの流れを調節するように、そのエンジン用のガス供給回路上に設けられ得る。それは、そのガスを当該エンジンの上流側で再噴射するためである。このタイプのバルブの作動原理は、流体の通過を許容する完全開放位置から、この流体の通過を妨げる閉鎖位置へと通過することのできるフラップの制御された回動に基づいている。本発明の主題は、向上した密封性を有するエンジン制御バルブである。
【背景技術】
【0002】
かくしてエンジン制御バルブは、枢軸ピン上へ枢動自在に取り付けられたフラップを備えている。そのフラップは、枢軸ピンによって仕切られた第1部分と第2部分とを備え得る。このプラップは、閉鎖位置にあるときには、バルブの本体に固定されたシールと接触する。当該シールは、当該フラップの定置ストッパとして作用することによって、バルブの密封を確保する。具体的にはシールは、概して平坦なもので、その周辺の部位において、バルブの本体における2つの鋳造要素同士の間に挿入されることによって、当該本体内に固定される。シールは開口を有している。そして、フラップが閉鎖位置にあるとき、フラップの第1部分がシールの2つの面の一方と接触して当該開口を密封すると同時に、当該フラップの第2部分が当該シールの他方の面と面一になっている。フラップは、厚さが薄く、概して略矩形状の外形を有している。
【0003】
第1に、その製造に関連した理由から、シールは、当該フラップの4つの周縁部のうち3つしか覆わず、当該シールによって覆われないフラップの4つ目の縁部の部位におけるガスの潜在的な通路の可能性を制約しないままにしている。かくして、フラップがシールに対して閉鎖位置にあるとき、当該通路が、予期せぬガスの漏洩を促進してしまう可能性がある。これは、閉鎖形態における当該バルブの不十分な密封という結果になる。
【0004】
第2に、この不十分な密封品質を改善するための一解決策は、単品型か2部品型のいずれかのシールであって、フラップの4つの周縁部を完全に覆うことで漏洩源を制限するに足るほど拡張されたシールを製造することにあった。
【0005】
具体的には、図1を参照すると、このタイプの拡張型シール1がたびたび直面する問題は、そのシールが、バルブ内に存在するガスからの高圧と高温の両方に曝され、かくして熱膨張の結果として変形しがちであるということである。シールは、その外縁2の部位において2つの鋳造要素同士の間に挿入されるので、変形は本質的にシール1の中央部3に関わるものである。その変形は、バルブ内に位置したガスの漏洩通路を形成してしまう可能性のある、陥没部4および/または突出部の生成を伴うものである。具体的には、シールの中央部は連続部分3と開口6とを備えており、当該連続部分3の部位に変形が生み出されるのである。更に、シール1が変形して陥没部4を生成する場合には、フラップの障害となる不自然なストッパを作り出して、バルブの閉鎖を確保する目的で当該シール1と接触するためのフラップの枢動を妨げてしまう危険性がある。換言すれば、シール1の変形は、バルブの作動機構を損なうと共に、当該バルブを通過するガスの漏洩通路を作り出してしまう危険性がある。
【0006】
特許文献1(FR 2 933 469)は、ダクト内で枢動するフラップと協働するシールを備えたバルブを開示している。そのシールは、ダクト内に配置されたスロットを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2933469号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴のうちの1つによる、その主題は、内部ダクトを画定する本体を有すると共にフラップを備えたエンジン制御バルブであって、そのフラップは、当該フラップのピンによって枢動自在に取り付けられており、フラップは、第1部分を備えると共に、ダクト内へのガスの通過を許容する開放位置と、閉鎖位置との間で枢動できるようになっており、その閉鎖位置においてフラップは、当該バルブの本体における2つの要素同士の間に挿入されたシール、特に平坦なシールと接触し、シールは、フラップの外側輪郭を外部から取り囲む外側輪郭を有し、シールは、開口と連続部分とを備え、第1部分は、フラップが閉鎖位置にあるときにシールの開口を密封し、シールは、連続部分の周辺区域に形成されて開口と連通する少なくとも1つのスロットを備えている、バルブである。
【0009】
スロットは、シールの連続部分の周辺区域に形成されているため、「側部スロット」と称されてもよい。
【0010】
スロットは、内部ダクトの外側に配置された部分を備えていてもよい。この部分は例えば、バルブの本体における2つの要素、例えば2つの鋳造要素同士の間に配置される。かくしてスロットの当該部分は、フラップが閉鎖位置にはないとき、当該フラップの両側において、バルブの内部ダクト内を循環するガスの流れの中には置かれない。
【0011】
上記で開示されたエンジン制御バルブは、フラップを全体的に覆う拡張型シールを用いているが、そのシールは、当該バルブ内に加圧された高温ガスが存在する結果としての熱膨張による自らの中央部の変形を避けるように構成されている。このようにして、このエンジン制御バルブは、当該バルブを通じて循環するガスの温度や圧力がどうであれ、シールの変形の結果としてそのフラップが回動を妨害される危険性を伴うことなく、正確に作動することとなる。更に、シールは、良好な表面の平坦性を保つことから、そのフラップとの相互作用が、閉鎖形態におけるバルブの良好な密封性を確保するように最適化されることとなる。
【0012】
各スロットは、バルブ内に存在する高温ガスの結果としてシールが膨張するのを許容する拡張空間(伸展の余地)を構成し、その膨張が当該空間の少なくとも一部を占める。従って各スロットは、シールの拡張の傾向を方向付けて、そのシールの中央部上で変形が生じるのを防止する。シールは、バルブの使用における全ての段階の間、ガスの漏洩通路を生じさせることなく、またフラップの回動を妨害する危険性を伴うことなく、平坦なままであり続け得る。各スロットは、レーザー切断によって作り出されることが好ましい。シールは、周辺リップを伴うことなく、その全表面に渡って完全に平坦であることが好ましい。各スロットは、連続部分の周辺区域の外側を画定する周縁部に平行に伸びている、直線状で、一定の幅のものであることが有利である。
【0013】
シールは、互いに平行な2つのスロットであって、それぞれが連続部分の周辺区域内へと伸びると共に、それぞれが開口と連通するスロットを備えているのが有利である。これらのスロットのそれぞれが、連続部分の当該周辺区域の外側を画定する周縁部に平行であってもよい。
【0014】
シールの熱膨張を許容するように設けられた拡張空間は、当該2つのスロットの存在によって倍増される。このようにして、シールは、2つのスロットによって具現化される2つの箇所において膨張することができ、その中央部における変形の危険性を減少させる。
【0015】
各スロットが、前記開口と前記連続部分とを仕切る軸線に沿って見たときの開口の端部と連通していて、各スロットが当該仕切る軸線に垂直に伸びているのが好ましい。換言すれば、2つのスロットは、開口と連続部分との間の境界線を構成する軸線に垂直な方向に、シールの連続部分内へと伸びているのである。このようにして、シールの総体的な開口は、2つの細くなるスロットによって延長された、コンパクトな矩形状の部分を有している。
【0016】
各スロットは、0.2mmから0.8mmの範囲に及ぶ幅を有しているのが有利である。これらの幅の値は、シールの膨張を効果的に吸収することを可能としつつ、バルブ内に存在するガスの潜在的な漏洩通路を作り出すことがない。
【0017】
各スロットは、0.5mmの幅を有しているのが好ましい。
【0018】
スロットのそれぞれを覆う2つの連結シール同士の間にシールが挿入され、当該連結シールのそれぞれが本体の要素、特に鋳造要素と接触していることが有利である。当該2つの連結シールは、シールの2つのスロットを密封して、シールと本体の2つの要素との間における良好な密封性を確保するのに貢献する。具体的には、本体の2つの要素同士の間に挿入されるスロットの部位における漏洩の危険性は無視できるものではないので、2つの連結シールを付加して当該スロットを効果的に隔離し、かくして、この危険性を取り除くことが望ましいのである。
【0019】
各連結シールに周辺リップが設けられていることが好ましい。このようにして、本体の要素同士の間にシールが取り付けられたとき、当該連結シールは、それらの周辺リップの部位において変形することによって、本体の当該要素同士の間における締付け力を吸収し、シールの構造的な健全性を保つのに貢献することができる。換言すれば、シールの形状や位置は、本体の2つの要素同士の間で締め付けられたときに変動することがない。その結果、本体の要素同士の間で一旦固定されてしまったシールの最終的な位置は、その取付前のバルブ内における理想的な事前定置(前もって行った位置決め)に完全に対応することとなる。そのようなバルブ内におけるシールの取付の制御によって、当該バルブがその閉鎖位置にあるときの良好な密封状態を確保するために、シールのフラップとの相互作用を最適化することが可能となる。
【0020】
各連結シールが開口を有し、それらの開口の寸法が、シールの開口の寸法よりも大きいことが有利である。具体的には、各連結シールの周辺区域のみが特定の機能を果たすことから、当該シールを軽量で、空間効率よく、また製造しやすいように設計することが望ましい。環状の連結シールは、上記に列挙した要求を尊重しつつ、この機能を完璧に満たすことが可能なのである。
【0021】
フラップは、そのフラップのピンによって第1部分から仕切られた第2部分を備え、当該第2部分は、フラップが閉鎖位置にあるときに連続部分と面一になっていてもよい。かくしてシールの連続部分は、内部ダクトを通過するガスの流れの外側に配置され得る。
【0022】
かくして、フラップは、第2部分と枢軸ピンとの間に設置された丸い隆起部分を備え、当該隆起部分は、フラップが開放位置から閉鎖位置の間で、または閉鎖位置から開放位置の間で枢動するときにシールの連続部分と接触したままであるように位置が定められていることが好ましい。具体的には、シールが、その周辺区域の部位において、バルブの本体における2つの要素同士の間に挿入されるので、その中央部は構造的に弱められた区域を構成する。その構造的に弱められた区域は、当該バルブ内を循環するガスの上昇した温度や圧力の結果として変形し、当該ガスの漏洩通路の生成や、当該フラップにあり得る回動の妨害という結果になる可能性がある。シールが熱膨張するための拡張空間を構成するスロットの存在にも拘わらず、隆起部分は、閉鎖位置から開放位置へと、或いはその反対へと通過する際のフラップの全枢動の間に接触したまま、当該連続部分を恒久的に支持することによって、当該スロットの働きを補完する。かくして、この隆起部分は、シールがその全表面に渡って完全に平坦であるとき、シールを完璧に平坦な状態に維持するのに貢献するために、第2段階の防護の役目を果たす。そのような隆起部分は、当該スロットの補完物として、シールの連続部分の変形を回避し、バルブの良好な密封性に加えて、その正確な作動を確保してくれる。
【0023】
隆起部分は、枢軸ピンに平行に伸びているのが有利である。具体的には隆起部分は、優先事項として、フラップの枢軸ピンに平行な方向でシールの連続部分を維持せねばならない。この方向でシールが最も膨張しやすいからである。この隆起部分は、単品であるか、或いは枢軸ピンに平行な方向に整列した少なくとも2つの別々の部品から成っているかのいずれかであってよい。
【0024】
これらの特徴と同等のものによる本発明の更なる対象は、本発明によるバルブに使用するためのシールである。
【0025】
本発明によるバルブは、作動の観点で効率的であり、特に当該バルブの本体を根本的に再設計してしまうのに頼ることなく、シールの変形を簡単で巧妙なやり方で防止する、という利点を有している。当該バルブはまた、既に存在するバルブに対しての一貫した所要空間を保つという利点を有している。シールに形成される(1つないし複数の)スロットは、材料の除去に由来するものだからである。本発明によるバルブは最後に、スロットの存在によって与えられる追加的な機能性を有していながら、更なるコストを伴うものではないという利点を有している。
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明によるバルブの好適な、但し非限定的な実施形態の詳細な説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】先行技術における変形したシールのワイヤフレーム図。
図2】本発明によるバルブにおけるシールのワイヤフレーム図。
図3】重ね合わされた3つのシールとフラップとからなり、本発明によるバルブで使用される組立体の分解図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明によるエンジン制御バルブは、例えば、車両の内燃エンジンの排気回路を吸気回路へ接続するループ内でのガスの流れを調節するEGR(排気ガス再循環)バルブであり得る。
【0029】
図1を参照すると、先行技術のシール1は、剛性のステンレス鋼製であり、その周辺区域2の部位において、当該バルブ1の本体におけるステンレス鋼製の2つの鋳造要素同士の間に挿入される。この周辺区域2はかくして、当該鋳造要素同士の間にシール1を固定するために、ネジによって貫通されるように設計された特定の数の孔5を備えている。当該シール1は、平坦な、略矩形状の外形で、厚さが薄く、ガスのための貫通開口6に加えて、連続部分3を有している。当該部分3と当該開口6とが、当該シール1の中央部を構成している。開口6は、矩形状であって、その縦軸線が矩形状シール1の縦軸線に垂直であるようにシール1に形成されている。
【0030】
図2を参照すると、本発明によるバルブのシール100は、連続部分3を取り囲む周辺区域2内を伸びる2つの互いに平行な直線状の側方スロット7と開口6が連通している点において、先行技術によるシール1と異なっている。具体的には、各スロット7は、開口6の縦軸線25と平行にシール100の外縁へと進む短い長さのセグメント8を介して、当該縦軸線25に関して見たときの当該開口6の端部と連結されている。この縦軸線25は、シール100の開口6と連続部分3とを仕切る軸線である。それぞれの先端セグメント8は、直線状の垂直なスロット7内へと開いている。そのスロット7は、連続部分3を取り囲むシール100の縦方向の周辺区域2内を、当該シール100の縦軸線に沿って伸びている。それぞれのスロット7を隔てる距離は、矩形状の開口6の長辺の長さよりも大きい。各スロット7と先端セグメント8とは、例えば、0.5mmの均一な幅を有したステンレス鋼製のシール100をレーザー切断することによって作り出される。
【0031】
図3を参照すると、本発明によるエンジン制御バルブは、フラップ10と、当該バルブの本体における2つの要素同士の間に挿入されるように設計された3つのシール11,12,100とを用いている。フラップ10は、第1部分14および第2部分15に加えて、枢軸ピン13を備えている。当該部分14,15は、互いに連続して、当該ピン13の両側に配置されている。当該2つの部分14,15は、厚さが薄く、互いに一体的に固定されている。当該2つの部分14,15によって画定されるフラップ10の全体的な輪郭は略矩形状であり、当該部分14,15のそれぞれも矩形状の外形である。枢軸ピン13は、2つの部分14,15を包含する平面に対して偏位させられて、当該平面に略垂直に伸びるレバーアーム16の端部の所に位置している。当該アーム16は、当該部分14,15同士の間の仮想境界面の部位で生じている。用語「仮想」は、フラップ10上における2つの部分14,15同士の間の境界面の位置を精確に示す特定の目印は無いということを意味している。フラップ10は、第2部分15と枢軸ピン13との間でレバーアーム16上に設置された丸い隆起部分17を備えている。当該隆起部分17は、当該ピン13に平行に伸びている。隆起部分17は、レバーアーム16から第2部分15と平行に突き出ていて、直線状セグメントと曲線状セグメントとによって画定された断面を有している。その曲線状セグメントの2つの端部が、当該直線状セグメントの2つの端部同士を繋いでいる。直線状セグメントは、隆起部分17の平坦な矩形状の基部に対応している。その基部によって、隆起部分17がレバーアーム16に固定されている。曲線状セグメントは、当該隆起部分17の丸い外側表面に対応している。当該隆起部分17の長さは、枢軸ピン13の全長の50%から75%に及んでいる。
【0032】
本発明によるバルブは、3つのシール11,12,100を備えてもいる。そのうちの1つは、バルブが閉鎖位置にあるときに当該バルブの密封を確保するようフラップ10と協働することのできるシール100に相当する。他の2つのシール11,12は、シール100をバルブ内に固定するための連結シールを構成している。
【0033】
シール100は、図2に示すものに従って賦形され、従って2つの平行スロット7が設けられているという特徴を有している。それらのスロット7は、バルブ内に高温ガスが存在する結果として熱膨張を受けがちなシール100にとっての拡張空間(伸展の余地)を形成するように設計されている。2つの連結シールの一方11は、環状であって、本質的には、連結シール100の開口6に比べて大きく開いた開口19を画定する周辺区域18から成っている。この環状の周辺区域18には、周辺リップ20が設けられている。
【0034】
この連結シール11の周辺区域18は、シール100の周辺区域2と同じ幾何学形状と同じ寸法とを有している。他方の連結シール12は概して、環状であって、シール100の開口6よりも寸法の大きな異形開口22を画定する周辺区域21から成っている。この他方の連結シール12の周辺区域21は、周辺リップ23が設けられると共に、シール100の周辺区域2と同じ幾何学形状と同じ寸法とを有している。3つのシール11,12,100の周辺区域2,18,21には、互いに同じ位置に配置される複数の孔5が設けられている。その結果、当該3つのシール11,12,100同士が理想的なやり方で重ね合わされたときには、それらの周辺区域2,18,21同士、および、それらの孔5同士が、完璧に対応し合う。これらの孔5は、バルブの本体における2つの要素同士の間での3つのシール11,12,100の固定を確実にするために、ネジによって貫通されるように設計されている。
【0035】
これら3つのシール11,12,100は、理想的なやり方で重ね合わされることによって、それらの周辺区域8,18,21の部位において、本体における2つの要素同士の間に設置される。その際、シール100は、2つの連結シール11,12同士の間に設置され、当該連結シール11,12のそれぞれが、本体の異なる要素と接する。この重ね合わせの形態において、シール100の2つのスロット7は、2つの連結シール11,12の周辺区域18,21同士の間に配置される。このようにして、当該周辺区域18,21は、バルブ内へガスを通すためのダクトから、当該スロット7を密封的に隔離している。その隔離は、それらのスロット7が、当該ガスの漏洩通路を形成することができないようなものである。
【0036】
フラップ10は、開放位置と閉鎖位置との間での回動において可動となっている。その開放位置においてフラップ10は、バルブを通過させてダクト内へとガスを通すことを可能とする。その閉鎖位置においては、フラップの第1部分14がシール100の面と接触して開口6を密封すると共に、フラップ10の第2部分15が、連続部分3の部位において当該シール100の反対側の面と面一になる。フラップ10は、当該2つの極限位置同士の間での回動を制御され、当該極限位置同士の間における複数の中間位置を占め得る。
【0037】
2つの連結シール11,12は、バルブ内にシール100が取り付けられたとき、本体の2つの要素同士の間における締付け力を吸収することによって、シール100が変形するのを防止するという、第1の機能を保証する。具体的には、この締付けの間、当該連結シール11,12は、それらの周辺リップ20,23の部位において変形し、かくしてシール100の構造的な健全性を保つのである。
【0038】
当該連結シール11,12は、シール100の2つのスロット7がガスの漏洩通路を構成しないように、それらのスロット7を隔離して、バルブの効果的な密封を確保するという第2の機能をも有している。
【0039】
本発明によるバルブが加圧された高温ガスの流れを制御する場合、シール100は、2つのスロット7によって形成される2つの自由空間の部位において、如何なる重大な応力も受けることなく、熱膨張することができる。このようにして、2つのスロット7は、当該シール100の連続部分3における(ガスの漏洩の原因および/またはフラップ10の回動を妨害する原因を構成するかもしれない)如何なる変形をも、制限するどころか、排除することにすら貢献するのである。フラップ10のレバーアーム16上に設置された丸い隆起17は、開放位置から閉鎖位置へと、或いはその反対へと通過するためのフラップ10の様々な回動中において、シール100の連続部分3の変形を防止することによって、スロット7の働きを補完してくれる。
図1
図2
図3