特許第6169737号(P6169737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6169737
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】テトラサイクリン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07C 237/26 20060101AFI20170713BHJP
   A61K 31/65 20060101ALI20170713BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20170713BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20170713BHJP
   C07D 205/04 20060101ALI20170713BHJP
   C07D 207/10 20060101ALI20170713BHJP
   C07D 209/44 20060101ALI20170713BHJP
   C07D 209/52 20060101ALI20170713BHJP
   C07D 211/60 20060101ALI20170713BHJP
   C07D 213/81 20060101ALI20170713BHJP
   C07D 213/82 20060101ALI20170713BHJP
   C07D 223/06 20060101ALI20170713BHJP
   C07D 233/61 20060101ALI20170713BHJP
   C07D 295/15 20060101ALI20170713BHJP
   C07D 333/38 20060101ALI20170713BHJP
   C07C 311/08 20060101ALI20170713BHJP
   C07C 311/09 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   C07C237/26CSP
   A61K31/65
   A61P31/00
   A61P31/04
   C07D205/04
   C07D207/10
   C07D209/44
   C07D209/52
   C07D211/60
   C07D213/81
   C07D213/82
   C07D223/06
   C07D233/61 103
   C07D295/15
   C07D333/38
   C07C311/08
   C07C311/09
【請求項の数】19
【全頁数】169
(21)【出願番号】特願2016-26121(P2016-26121)
(22)【出願日】2016年2月15日
(62)【分割の表示】特願2012-527047(P2012-527047)の分割
【原出願日】2010年8月27日
(65)【公開番号】特開2016-130243(P2016-130243A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2016年2月16日
(31)【優先権主張番号】61/275,507
(32)【優先日】2009年8月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511032017
【氏名又は名称】テトラフェース ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】デン,ヨンホン
(72)【発明者】
【氏名】プラモンドン,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】スン,ツイシアン
(72)【発明者】
【氏名】シアオ,シアオ−イー
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ジンイエ
(72)【発明者】
【氏名】サトクリフ,ジョイス,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ロン,マグナス,ピー.
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−520846(JP,A)
【文献】 特表2008−530106(JP,A)
【文献】 特表2004−502753(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/133798(WO,A2)
【文献】 特開昭51−041362(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/079339(WO,A2)
【文献】 特表2008−518035(JP,A)
【文献】 特開平05−255219(JP,A)
【文献】 特許第5944825(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 1/00−409/44
C07B 31/00− 61/00
C07D201/00−521/00
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

(式中:
Xが、−OCFおよび−OCHから選択され;
Yが、−NH−C(O)−(CH1〜4−N(R)(R)、−N(H)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(H)−C(O)−カルボシクリル、および−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択され;
各Rが、独立して、水素および(C〜C)アルキルから選択され;
各Rが、独立して、(〜C)アルキルおよび−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択されるか;または
およびRは、それらが結合される窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成し、ここで前記ヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜4つのさらなるヘテロ原子を任意に含み
ここで:
各カルボシクリルは、独立して、3〜12員の飽和もしくは不飽和の脂肪族環または6〜12員の芳香環であり;
各ヘテロシクリルは、独立して、N、OもしくはSから独立して選択される1つ、2つ、3つ、4つもしくは5つのヘテロ原子を含む4〜12員の飽和もしくは不飽和の脂肪族環、またはN、OもしくはSから独立して選択される1つ、2つ、3つもしくは4つのヘテロ原子を含む5〜12員のヘテロアリールであり;
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、独立して、フルオロ、−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
各アルキルが、独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキルおよびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され;
各Rが、水素または(C〜C)アルキルであり、ここでRによって表される前記基における各アルキルが、独立して、−(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、ハロ、−OH、−O−(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−O−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される)
の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項2】
Yが、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、
【化2】

−NH−C(O)−フェニル、−NH−C(O)−チエニルおよび−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択され、ここで:
各Rが、独立して、水素および(C〜C)アルキルから選択され;
各Rが、独立して、(〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−シクロアルキルから選択されるか;または
およびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロシクリルを形成し;
環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し;
3’が、水素またはメチルであり;
各シクロアルキル、フェニルまたはヘテロシクリルが、独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される、請求項に記載の化合物。
【請求項3】
Xが、−OCHであり;
Yが、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、
【化3】

および−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択され、ここで前記−NH−S(O)−(C〜C)アルキルにおけるアルキル基が、フルオロで任意に置換され;
各Rが、独立して、水素および−CHから選択され;
各Rが、独立して、(C〜C)アルキルおよび−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択されるか;または
およびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、フルオロで任意に置換される飽和ヘテロシクリルを形成し;
環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し;
3’が、水素またはメチルであり;
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Xが、−OCFであり;
Yが、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、
【化4】

−NH−C(O)−フェニル、および−NH−C(O)−チエニルから選択され、ここで:
Yによって表される前記基における前記フェニルが、−OCHまたは−N(CHで任意に置換され;
各Rが、独立して、水素および−CHから選択され;
各Rが、独立して、(C〜C)アルキルおよび−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択され、ここで前記(C〜C)アルキルが、フルオロもしくは−OCHで任意に置換されるか;または
およびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、フルオロもしくは−OCHで任意に置換される飽和ヘテロシクリルを形成し;
環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し;
3’が、水素またはメチルであり;
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Xが、−OCHであり;
Yが、
【化5】

であるか;または
Xが、−OCFであり;
Yが、
【化6】

【化7】

である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項6】
薬学的に許容できる担体または希釈剤と、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩とを含む医薬組成物。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩を含む、被験体における感染症またはコロニー形成を治療または予防するための医薬組成物。
【請求項8】
前記感染症が、グラム陽性生物によって引き起こされる、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記グラム陽性生物が、ブドウ球菌属の種(Staphylococcus spp.)、連鎖球菌属の種(Streptococcus spp.)、プロピオニバクテリウム属の種(Propionibacterium spp.)、腸球菌属の種(Enterococcus spp.)、バチルス属の種(Bacillus spp.)、コリネバクテリウム属の種(Corynebacterium spp.)、ノカルジア属の種(Nocardia spp.)、クロストリジウム属の種(Clostridium spp.)、アクチノバクテリア属の種(Actinobacteria spp.)、およびリステリア属の種(Listeria spp.)からなる群から選択される、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記感染症が、グラム陰性生物によって引き起こされる、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記グラム陰性生物が、腸内細菌科、バクテロイデス科(Bacteroidaceae)、ビブリオ科(Vibrionaceae)、パスツレラ(Pasteurellae)、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、ナイセリア科(Neisseriaceae)、リケッチア(Rickettsiae)、モラクセラ科(Moraxellaceae)、プロテウス族(Proteeae)の任意の種、アシネトバクター属の種(Acinetobacter spp.)、ヘリコバクター属の種(Helicobacter spp.)、およびカンピロバクター属の種(Campylobacter spp.)からなる群から選択される、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記感染症が、リケッチア(rickettsiae)、クラミジア(chlamydiae)、レジオネラ属の種(Legionella spp.)、マイコプラズマ属の種(Mycoplasma spp.)、および任意の他の細胞内病原体からなる群から選択される生物によって引き起こされる、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記感染症が、2種以上の生物によって引き起こされる、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記感染症が、1種以上の抗生物質に耐性がある生物によって引き起こされる、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記感染症が、テトラサイクリンまたは第1および第2世代のテトラサイクリン抗生物質の任意の構成メンバーに耐性がある生物によって引き起こされる、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記感染症が、メチシリンまたは第2、第3および第4世代のセファロスポリンを含むβ−ラクタム種の任意の抗生物質に耐性がある生物によって引き起こされる、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記感染症が、バンコマイシンに耐性がある生物によって引き起こされる、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記感染症が、キノロンまたはフルオロキノロンに耐性がある生物によって引き起こされる、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記感染症が、チゲサイクリンに耐性がある生物によって引き起こされる、請求項14に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラサイクリン化合物に関する。
【0002】
関連出願
本出願は、2009年8月28日に出願された米国仮特許出願第61/275,507号の利益を主張するものである。上記出願の全教示内容が、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
テトラサイクリンは、人の医療および獣医療で広く用いられる幅広い抗菌剤である。発酵または半合成によるテトラサイクリンの総生産量は、年間数千メートルトンとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,789,395号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
治療目的でのテトラサイクリンの使用が広がることで、感受性の高い細菌種の中でさえ、これらの抗生物質に対する耐性が現れてきた。したがって、他のテトラサイクリン応答性の疾病または疾患に対する抗菌活性および有効性が改善された新規なテトラサイクリン類似体が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、構造式(I):
【化1】

によって表される化合物、またはその薬学的に許容できる塩に関する。
Xが、−CF、−CN、−OCFおよび−OCHから選択される。
Yが、水素、−(C〜C)アルキル、カルボシクリル、−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−(C〜C)アルキレン−N(R)−C(O)−[C(R5a)(R5b)]0〜4−N(R)(R)、−CH=N−OR、−C(O)−N(R)(R)、−NO、−COOH、−OH、−N=CH−N(R)(R)、−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−[C(R5a)(R5b)]1〜4−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−(C〜C)アルキル、−N(R)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(R)−C(O)−カルボシクリル、−N(R)−S(O)−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−N(R)−S(O)−N(R)(R)、および−N(R)−S(O)−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択される。
各RおよびRが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリル、−(C〜C)アルキレン−O−カルボシクリル、−(C〜C)アルキレン−O−ヘテロシクリル、−S(O)−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−S(O)−カルボシクリル、および−(C〜C)アルキレン−S(O)−ヘテロシクリルから選択される。
各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルおよび−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリルから選択される。
各R5aおよび各R5bが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、または天然アミノ酸側鎖部分から選択されるか、または
5aおよびR5bが、それらが結合される炭素原子と一緒になって、3〜7員の非芳香族カルボシクリルまたは4〜7員の非芳香族ヘテロシクリルを形成し、R5aおよびR5bによって形成されるヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜2つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含む。
が、水素、(C〜C)アルキル、カルボシクリルまたはヘテロアリールから選択される。
あるいは、RおよびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成し、ヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜4つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含む。
(例えば、Y、R、R、R、R5a、R5b、−NRまたは一緒になったR5aおよびR5bによって表される基における)上記の各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、ハロ(例えば、クロロまたはフルオロ)、−(C〜C)アルキル、−OH、=O、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−O−(C〜C)アルキル、ハロ置換−(C〜C)アルキル、ハロ置換−O−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜C)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C〜C)アルキル)、−S(O)−(C〜C)アルキル、−N(R)(R)およびCNから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
Yによって表される−N(R)−C(O)−ヘテロシクリルにおけるヘテロシクリルは、上記の置換基に加えてカルボシクリルまたはヘテロシクリルで任意選択的に置換され、カルボシクリルまたはヘテロシクリルは、ハロ(例えば、クロロまたはフルオロ)、(C〜C)アルキル、−OH、=O、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−O−(C〜C)アルキル、ハロ置換−(C〜C)アルキル、ハロ置換−O−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜C)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C〜C)アルキル)、−S(O)−(C〜C)アルキル、−N(R)(R)およびCNから独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換される。
(例えば、Y、R、R、R、R5aまたはR5bによって表される基における)上記の各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)、−(C〜C)アルキル、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、−S(O)−(C〜C)アルキルおよび−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
各Rが、水素または(C〜C)アルキルであり、Rによって表される基における各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、−(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、ハロ、−OH、−O−(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−O−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
各mが、1または2である。
【0007】
本発明の別の実施形態は、薬学的に許容できる担体または希釈剤と、構造式(I)によって表される化合物またはその薬学的に許容できる塩とを含む医薬組成物に関する。この医薬組成物は、対象の感染症(例えば、細菌感染症)の治療などの治療法に用いられる。
【0008】
本発明の別の実施形態は、構造式(I)によって表される化合物またはその薬学的に許容できる塩を有効量で対象に投与する工程を含む、対象の感染症(例えば、細菌感染症)を治療する方法である。
【0009】
本発明の別の実施形態は、構造式(I)によって表される化合物またはその薬学的に許容できる塩を有効量で対象に投与する工程を含む、対象の感染症(例えば、細菌感染症)を予防する方法である。
【0010】
本発明の別の実施形態は、対象の感染症(例えば、細菌感染症)を治療するための薬剤を製造するための、構造式(I)によって表される化合物またはその薬学的に許容できる塩の使用である。
【0011】
本発明の別の実施形態は、対象の感染症(例えば、細菌感染症)を予防するための薬剤を製造するための、構造式(I)によって表される化合物またはその薬学的に許容できる塩の使用である。
【0012】
本発明の別の実施形態は、対象の感染症(例えば、細菌感染症)の治療または予防などの、治療法における構造式(I)によって表される化合物またはその薬学的に許容できる塩の使用である。
【0013】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕構造式I:
【化2-1】

(式中:
Xが、−CF、−CN、−OCFおよび−OCHから選択され;
Yが、水素、−(C〜C)アルキル、カルボシクリル、−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−(C〜C)アルキレン−N(R)−C(O)−[C(R5a)(R5b)]0〜4−N(R)(R)、−CH=N−OR、−C(O)−N(R)(R)、−NO、−COOH、−OH、−N=CH−N(R)(R)、−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−[C(R5a)(R5b)]1〜4−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−(C〜C)アルキル、−N(R)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(R)−C(O)−カルボシクリル、−N(R)−S(O)−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−N(R)−S(O)−N(R)(R)および−N(R)−S(O)−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択され;
各RおよびRが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリル、−(C〜C)アルキレン−O−カルボシクリル、−(C〜C)アルキレン−O−ヘテロシクリル、−S(O)−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−S(O)−カルボシクリル、および−(C〜C)アルキレン−S(O)−ヘテロシクリルから選択されるか;またはRおよびRは、それらが結合される前記窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成し、前記ヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜4つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含み;
各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、および−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリルから選択され;
各R5aおよび各R5bが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルまたは天然アミノ酸側鎖部分から選択されるか、または
5aおよびR5bが、それらが結合される前記炭素原子と一緒になって、3〜7員の非芳香族カルボシクリルまたは4〜7員の非芳香族ヘテロシクリルを形成し、R5aおよびR5bによって形成される前記ヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜2つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含み;
が、水素、(C〜C)アルキル、カルボシクリルまたはヘテロアリールから選択され、ここで:
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、ハロ、−(C〜C)アルキル、−OH、=O、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−O−(C〜C)アルキル、ハロ置換−(C〜C)アルキル、ハロ置換−O−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜C)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C〜C)アルキル)、−S(O)−(C〜C)アルキル、−N(R)(R)およびCNから独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
Yによって表される−N(R)−C(O)−ヘテロシクリルにおける前記ヘテロシクリルは、上記の置換基に加えてカルボシクリルまたはヘテロシクリルで任意選択的に置換され、前記カルボシクリルまたはヘテロシクリルは、ハロ、(C〜C)アルキル、−OH、=O、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−O−(C〜C)アルキル、ハロ置換−(C〜C)アルキル、ハロ置換−O−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜C)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C〜C)アルキル)、−S(O)−(C〜C)アルキル、−N(R)(R)およびCNから独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、ハロ、−(C〜C)アルキル、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、−S(O)−(C〜C)アルキルおよび−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各Rが、水素または(C〜C)アルキルであり、Rによって表される前記基における各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、−(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、ハロ、−OH、−O−(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−O−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各mが、1または2である)
の化合物;またはその薬学的に許容できる塩、
〔2〕式中:
Yが、水素、−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−CH=N−OR、−C(O)−N(R)(R)、−NO、−COOH、−OH、−N=CH−N(R)(R)、−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−[C(R5a)(R5b)]1〜4−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−(C〜C)アルキル、−N(R)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(R)−C(O)−カルボシクリル、−N(R)−S(O)−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−N(R)−S(O)−N(R)(R)、および−N(R)−S(O)−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択され、ここで:
各Rが、独立して、水素、および(C〜C)アルキルから選択され;
各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリル、−S(O)−(C〜C)アルキル、−S(O)−カルボシクリル、および−S(O)−ヘテロシクリルから選択され;
各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、および−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリルから選択されるか;または
およびRが、それらが結合される前記窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成し、前記ヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜4つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含み;
各R5aおよび各R5bが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、または天然アミノ酸側鎖部分から選択されるか、または
5aおよびR5bが、それらが結合される前記炭素原子と一緒になって、3〜7員の飽和カルボシクリルまたは4〜7員の飽和ヘテロシクリルを形成し、R5aおよびR5bによって形成される前記飽和ヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜2つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含み、
が、水素または(C〜C)アルキルであり;
各mが、1または2であり、ここで:
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、クロロ、フルオロ、(C〜C)アルキル、−OH、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜C)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、クロロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される、〔1〕に記載の化合物、
〔3〕式中:
Yが、水素、−N(R)(R)、−NH−C(O)−(CH1〜4−N(R)(R)、−NH−C(O)−ヘテロシクリル、−NH−C(O)−カルボシクリル、および−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択され、ここで:
各Rが、独立して、水素、および(C〜C)アルキルから選択され;
各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択されるか;または
およびRが、それらが結合される前記窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成し、前記ヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜4つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含み;
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される、〔2〕に記載の化合物、
〔4〕式中:
Yが、水素、−NH、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、
【化2-2】

−NH−C(O)−フェニル、−NH−C(O)−チエニルおよび−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択され、ここで:
各Rが、独立して、水素、および(C〜C)アルキルから選択され;
各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−シクロアルキルから選択されるか;または
およびRが、それらが結合される前記窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロシクリルを形成し;
環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し;
3’が、水素またはメチルであり;
各シクロアルキル、フェニルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される、〔3〕に記載の化合物、
〔5〕式中:
Xが、−OCHであり;
Yが、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、
【化2-3】

および−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択され、−NH−S(O)−(C〜C)アルキルにおけるアルキル基が、フルオロで任意選択的に置換され;
各Rが、独立して、水素および−CHから選択され;
各Rが、独立して、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択されるか;またはRおよびRが、それらが結合される前記窒素原子と一緒になって、フルオロで任意選択的に置換された飽和ヘテロシクリルを形成し;
環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し;
3’が、水素またはメチルであり;
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される、〔2〕に記載の化合物、
〔6〕式中:
Xが、−OCFであり;
Yが、−NH、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、
【化2-4】

−NH−C(O)−フェニル、および−NH−C(O)−チエニルから選択され、ここで:
Yによって表される前記基における前記フェニルが、−OCHまたは−N(CHで任意選択的に置換され;
各Rが、独立して、水素および−CHから選択され;
各Rが、独立して、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択され、(C〜C)アルキルが、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換されるか;または
およびRが、それらが結合される前記窒素原子と一緒になって、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換された飽和ヘテロシクリルを形成し;
環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し;
3’が、水素またはメチルであり;
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される、〔2〕に記載の化合物、
〔7〕式中:
Xが、−CFであり;
Yが、−NH、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、および
【化2-5】

から選択され;
各Rが、独立して、水素および−CHから選択され;
各Rが、独立して、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択され、(C〜C)アルキルが、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換されるか;または
およびRが、それらが結合される前記窒素原子と一緒になって、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換された飽和ヘテロシクリルを形成し;
環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し;
3’が、水素またはメチルであり;
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される、〔2〕に記載の化合物、
〔8〕化合物番号101、102、103、104、105、106、107、109、112、114、115、120、123、125、126、127、128、130、131、132、133、135、136、142、144、145、146、147、148、152、154、169、170、173、209、210、212、213、214、217、218、220、221、222、224、226、230、234、239、243、244、245、246、247、248、250、251、252、257、258、259、260、261、263、270、271、272、273、275、277、278、279、281、282、283、286、291、292、293、294、295、296、299、302、303、307、308、309、311、312、325、332、334、または335のいずれか1つから選択される、〔2〕に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
〔9〕薬学的に許容できる担体または希釈剤と、〔1〕〜〔8〕のいずれか一に記載の化合物とを含む医薬組成物、
〔10〕対象における感染症またはコロニー形成を治療または予防するための方法であって、有効量の〔1〕〜〔8〕のいずれか一に記載の化合物を前記対象に投与する工程を含む方法、
〔11〕前記感染症が、グラム陽性生物によって引き起こされる、〔10〕に記載の方法、
〔12〕前記グラム陽性生物が、ブドウ球菌属(Staphylococcus spp.)、連鎖球菌属(Streptococcus spp.)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium spp.)、腸球菌属(Enterococcus spp.)、バチルス属(Bacillus spp.)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium spp.)、ノカルジア属(Nocardia spp.)、クロストリジウム属(Clostridium spp.)、アクチノバクテリア属(Actinobacteria spp.)、およびリステリア属(Listeria spp.)からなる群から選択される、〔11〕に記載の方法、
〔13〕前記感染症が、グラム陰性生物によって引き起こされる、〔10〕に記載の方法、
〔14〕前記グラム陰性生物が、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、バクテロイデス科(Bacteroidaceae)、ビブリオ科(Vibrionaceae)、パスツレラ(Pasteurellae)、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、ナイセリア科(Neisseriaceae)、リケッチア(Rickettsiae)、モラクセラ科(Moraxellaceae)、プロテアエ(Proteeae)の任意の種、アシネトバクター属(Acinetobacter spp.)、ヘリコバクター属(Helicobacter spp.)、およびカンピロバクター属(Campylobacter spp.)からなる群から選択される、〔13〕に記載の方法、
〔15〕前記感染症が、リケッチア(rickettsiae)、クラミジア(chlamydiae)、レジオネラ属(Legionella spp.)、マイコプラズマ属(Mycoplasma spp.)、および任意の他の細胞内病原体からなる群から選択される生物によって引き起こされる、〔10〕に記載の方法、
〔16〕前記感染症が、2種以上の生物によって引き起こされる、〔10〕に記載の方法、
〔17〕前記感染症が、1種以上の抗生物質に耐性がある生物によって引き起こされる、〔10〕に記載の方法、
〔18〕前記感染症が、テトラサイクリンまたは第1および第2世代のテトラサイクリン抗生物質の任意のメンバーに耐性がある生物によって引き起こされる、〔17〕に記載の方法、
〔19〕前記感染症が、メチシリンまたは第2、第3および第4世代のセファロスポリンを含むβ−ラクタム種の任意の抗生物質に耐性がある生物によって引き起こされる、〔17〕に記載の方法、
〔20〕前記感染症が、バンコマイシンに耐性がある生物によって引き起こされる、〔17〕に記載の方法、
〔21〕前記感染症が、キノロンまたはフルオロキノロンに耐性がある生物によって引き起こされる、〔17〕に記載の方法、
〔22〕前記感染症が、チゲサイクリンに耐性がある生物によって引き起こされる、〔17〕に記載の方法
に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、テトラサイクリン化合物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、構造式(I)によって表される化合物またはその薬学的に許容できる塩に関する。構造式(I)の変数および本明細書に記載される実施形態の各々についての値および代替的な値は以下のとおりに規定される:
Xが、−CF、−CN、−OCFおよび−OCHから選択される。あるいは、Xが−CFである。別の代替例において、Xが−CNである。別の代替例において、Xが−OCFである。別の代替例において、Xが−OCHである。
Yが、水素、−(C〜C)アルキル、カルボシクリル、−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−(C〜C)アルキレン−N(R)−C(O)−[C(R5a)(R5b)]0〜4−N(R)(R)、−CH=N−OR、−C(O)−N(R)(R)、−NO、−COOH、−OH、−N=CH−N(R)(R)、−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−[C(R5a)(R5b)]1〜4−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−(C〜C)アルキル、−N(R)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(R)−C(O)−カルボシクリル、−N(R)−S(O)−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−N(R)−S(O)−N(R)(R)、および−N(R)−S(O)−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択される。一実施形態において、Yが、水素、−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−CH=N−OR、−C(O)−N(R)(R)、−NO、−COOH、−OH、−N=CH−N(R)(R)、−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−[C(R5a)(R5b)]1〜4−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−(C〜C)アルキル、−N(R)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(R)−C(O)−カルボシクリル、−N(R)−S(O)−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−N(R)−S(O)−N(R)(R)、および−N(R)−S(O)−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択され、Yによって表される基におけるRが、水素または(C〜C)アルキルである。あるいは、Yが、水素、−N(R)(R)、−NH−C(O)−(CH1〜4−N(R)(R)、−NH−C(O)−ヘテロシクリル、−NH−C(O)−カルボシクリル、および−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択される。別の代替例において、Yが、水素、−NH、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、
【化2-6】

−NH−C(O)−フェニル、−NH−C(O)−チエニルおよび−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択され、環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し、R3’が、水素、(C〜C)アルキル、カルボシクリルまたはヘテロシクリルであり、アルキル、カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、構造式(I)について上述した基から独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。別の代替例において、Yが、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、
【化3】

および−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択され、環AおよびR3’が上記のとおりであり;−NH−S(O)−(C〜C)アルキルにおけるアルキル基が、フルオロで任意選択的に置換される。別の代替例において、Yが、−NH、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、
【化4】

−NH−C(O)−フェニルおよび−NH−C(O)−チエニルから選択され、環AおよびR3’が上記のとおりであり;−NH−C(O)−フェニル基におけるフェニルが、−OCHまたは−N(CHで任意選択的に置換される。別の代替例において、Yが、−NH、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、および
【化5】

から選択され、環AおよびR3’が上記のとおりである。
各RおよびRが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリル、−(C〜C)アルキレン−O−カルボシクリル、−(C〜C)アルキレン−O−ヘテロシクリル、−S(O)−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−S(O)−カルボシクリル、および−(C〜C)アルキレン−S(O)−ヘテロシクリルから選択される。
【0016】
一実施形態において、各Rが、独立して、水素、および(C〜C)アルキルから選択され;各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリル、−S(O)−(C〜C)アルキル、−S(O)−カルボシクリルおよび−S(O)−ヘテロシクリルから選択されるか;またはRおよびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成し、ヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜4つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含む。
【0017】
あるいは、各Rが、独立して、水素、および(C〜C)アルキルから選択され;各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択されるか;またはRおよびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成し、ヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜4つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含む。
【0018】
別の代替例において、各Rが、独立して、水素、および(C〜C)アルキルから選択され;各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−シクロアルキルから選択されるか;またはRおよびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロシクリルを形成する。
【0019】
別の代替例において、各Rが、独立して、水素および−CHから選択され;各Rが、独立して、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択されるか;またはRおよびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、フルオロで任意選択的に置換された飽和ヘテロシクリルを形成する。別の代替例において、各Rが、独立して、水素および−CHから選択され;各Rが、独立して、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換された(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択されるか;またはRおよびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換された飽和ヘテロシクリルを形成する。
【0020】
各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、および−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリルから選択される。
【0021】
各R5aおよび各R5bが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルまたは天然アミノ酸側鎖部分から選択されるか、またはR5aおよびR5bが、それらが結合される炭素原子と一緒になって、3〜7員の非芳香族カルボシクリルまたは4〜7員の非芳香族ヘテロシクリルを形成し、R5aおよびR5bによって形成されるヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜2つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含む。一実施形態において、R5aおよびR5bが、それらが結合される炭素原子と一緒になって、3〜7員の飽和カルボシクリルまたは4〜7員の飽和ヘテロシクリルを形成し、R5aおよびR5bによって形成されるヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜2つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含む。一実施形態において、各R5aおよび各R5bが、独立して、水素、(C〜C)アルキルまたは天然アミノ酸側鎖部分である。別の実施形態において、R5aおよびR5bが両方とも水素である。
【0022】
(例えば、Y、R、R、R5a、R5b、−NRまたは一緒になったR5aおよびR5bによって表される基における)上記の各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、ハロ(例えば、クロロまたはフルオロ)、−(C〜C)アルキル、−OH、=O、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−O−(C〜C)アルキル、ハロ置換−(C〜C)アルキル、ハロ置換−O−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜C)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C〜C)アルキル)、−S(O)−(C〜C)アルキル、−N(R)(R)およびCNから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。Yによって表される−N(R)−C(O)−ヘテロシクリルにおけるヘテロシクリルは、上記の置換基に加えてカルボシクリルまたはヘテロシクリルで任意選択的に置換され、カルボシクリルまたはヘテロシクリルは、クロロ、フルオロ、(C〜C)アルキル、−OH、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜C)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C〜C)アルキル)、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換される。
【0023】
一実施形態において、上記の各カルボシクリル、またはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、クロロ、フルオロ、(C〜C)アルキル、−OH、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜C)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
【0024】
(例えば、Y、R、R、R、R5aまたはR5bによって表される基における)上記の各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)、−(C〜C)アルキル、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、−S(O)−(C〜C)アルキルおよび−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
【0025】
一実施形態において、上記の各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、クロロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
【0026】
あるいは、上記の各カルボシクリル(例えば、シクロアルキルまたはフェニル)、またはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;上記の各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
【0027】
あるいは、上記の各カルボシクリルが、(C〜C)シクロアルキルまたはフェニルであり;上記の各ヘテロシクリルが、独立して、アゼチジニル、モルフィニル(morphinyl)、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニルおよびオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリルおよびチエニルから選択され;前記カルボシクリル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびフェニルの各々が、前の段落に記載されるように任意選択的に置換され;各前記アルキルが、前の段落に記載されるように任意選択的に置換される。
【0028】
各Rが、水素または(C〜C)アルキルであり、Rによって表される基における各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、−(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、ハロ、−OH、−O−(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−O−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
【0029】
各mが、1または2である。一実施形態において、mが2である。
【0030】
第1の代替的な実施形態において、本発明の化合物は、構造式(I)によって表されるか、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xが、−CF、−CN、−OCFおよび−OCHから選択され;
Yが、水素、−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−CH=N−OR、−C(O)−N(R)(R)、−NO、−COOH、−OH、−N=CH−N(R)(R)、−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−[C(R5a)(R5b)]1〜4−N(R)(R)、−N(R)−C(O)−(C〜C)アルキル、−N(R)−C(O)−ヘテロシクリル、−N(R)−C(O)−カルボシクリル、−N(R)−S(O)−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−N(R)−S(O)−N(R)(R)、および−N(R)−S(O)−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択され、Yによって表される基におけるRが、水素または(C〜C)アルキルである。
各Rが、独立して、水素、および(C〜C)アルキルから選択され;
各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリル、−S(O)−(C〜C)アルキル、−S(O)−カルボシクリル、および−S(O)−ヘテロシクリルから選択されるか;またはRおよびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成し、ヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜4つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含む。
各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、および−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリルから選択されるか;または
各R5aおよび各R5bが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、カルボシクリルまたはヘテロシクリルまたは天然アミノ酸側鎖部分から選択されるか、または
5aおよびR5bが、それらが結合される炭素原子と一緒になって、3〜7員の非芳香族カルボシクリルまたは4〜7員の非芳香族ヘテロシクリルを形成し、R5aおよびR5bによって形成されるヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜2つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含み、
が、水素または(C〜C)アルキルであり;
各mが、1または2であり、ここで:
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、クロロ、フルオロ、(C〜C)アルキル、−OH、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜C)アルキル、−C(O)−(フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、クロロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各Rが、水素または(C〜C)アルキルであり、Rによって表される各アルキル基が、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、クロロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
【0031】
第2の代替的な実施形態において、本発明の化合物は、構造式(I)によって表されるか、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xが、−CF、−CN、−OCFおよび−OCHから選択される。
Yが、水素、−N(R)(R)、−NH−C(O)−(CH1〜4−N(R)(R)、−NH−C(O)−ヘテロシクリル、−NH−C(O)−カルボシクリル、および−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択され、ここで:
各Rが、独立して、水素、および(C〜C)アルキルから選択され;
各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択されるか;または
およびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成し、ヘテロシクリルは、N、SおよびOから独立して選択される1〜4つのさらなるヘテロ原子を任意選択的に含み;
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。変数の残りは、第1の代替的な実施形態で上述したとおりである。
【0032】
第3の代替的な実施形態において、本発明の化合物は、構造式(I)によって表されるか、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xが、−CF、−CN、−OCFおよび−OCHから選択される。
Yが、水素、−NH、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、
【化6】

−NH−C(O)−フェニル、−NH−C(O)−チエニルおよび−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択され、ここで:
各Rが、独立して、水素、および(C〜C)アルキルから選択され;
各Rが、独立して、水素、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−シクロアルキルから選択されるか;または
およびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロシクリルを形成し;
環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し;
3’が、水素またはメチルであり;
各シクロアルキル、フェニルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。変数の残りは、第2の代替的な実施形態で上述したとおりである。
【0033】
第4の実施形態において、構造式(I)の化合物は、構造式(II)、(III)、(IV)または(V):
【化7】

によって表されるか、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Yが、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、−NH−C(O)−ヘテロシクリル、−NH−C(O)−フェニル、および−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択され;
各Rが、独立して、水素または(C〜C)アルキルであり;
各Rが、独立して、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルキレン−カルボシクリルであるか;または
およびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロシクリルを形成する。飽和ヘテロシクリル(例えば、アゼチジニル、モルフィニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニルおよびオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル)は、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−NN、−NH−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換される。変数の残りは、第2の代替的な実施形態の構造式(I)について上述したとおりである。
【0034】
第5の代替的な実施形態において、構造式(II)〜(V)によって表される化合物について、Yが:
【化8】

であり、式中、環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し、R3’が、水素、(C〜C)アルキル、カルボシクリルまたはヘテロシクリルであり、アルキル、カルボシクリルまたはヘテロシクリルは、構造式(I)について上述した基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換される。変数の残りは、第4の実施形態で上述したとおりである。より特定的には、R3’が、水素または(C〜C)アルキルである。さらにより特定的には、R3’が、水素またはメチルである。別のより特定の実施形態において、環Aが、アゼチジニル、モルフィニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニルおよびオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリルからなる群から選択され、その各々が、(C〜C)アルキル、−F、−O−(C〜C)アルキル、および−CF、−CHCFまたは−CHCHFなどのフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換され;変数の残りは、第5の代替的な実施形態について上述したとおりである。さらにより特定的には、R3’が、水素または(C〜C)アルキル(例えばメチル)である。
【0035】
第6の代替的な実施形態において、構造式(II)〜(V)によって表される化合物について、Yが、−NH−C(O)−ヘテロアリールであり、変数の残りは、第3の代替的な実施形態に記載したとおりである。より特定的には、Yが、−NH−C(O)−チエニルである。
【0036】
第7の代替的な実施形態において、構造式(II)〜(V)によって表される化合物について、Yが、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)であり、Rが、(C〜C)アルキルまたは−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキルであり;変数の残りは、第4の代替的な実施形態に記載したとおりである。
【0037】
第8の代替的な実施形態において、構造式(II)〜(V)によって表される化合物について:
Yが、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)であり;
が、水素または(C〜C)アルキルであり;
が、(C〜C)アルキルまたは−(C〜C)アルキレン−(C〜C)シクロアルキルであるか;または
およびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、(C〜C)アルキル、−F、−O−(C〜C)アルキル、および−CF、−CHCFまたは−CHCHFなどのフルオロ置換−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換された飽和ヘテロシクリルを形成する。
【0038】
ヘテロシクリルの例には、アゼチジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニルおよびオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリルが含まれ、アゼチジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニルおよびオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリルの各々が、(C〜C)アルキル、−F、−O−(C〜C)アルキル、および−CF、−CHCFまたは−CHCHFなどのフルオロ置換−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換される。
【0039】
第9の代替的な実施形態において、本発明の化合物は、構造式(II):
【化9】

によって表され、式中:
Yが、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、
【化10】

および−NH−S(O)−(C〜C)アルキルから選択され、Yによって表される基における−NH−S(O)−(C〜C)アルキルが、フルオロで任意選択的に置換され;
各Rが、独立して、水素および−CHから選択され;
各Rが、独立して、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択されるか;または
およびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、フルオロで任意選択的に置換された飽和ヘテロシクリルを形成し;
環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し;
3’が、水素またはメチルであり;
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各Rが、水素または(C〜C)アルキルであり、Rによって表される各アルキル基が、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、クロロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
【0040】
あるいは、構造式(II)の化合物について、環Aまたは−NRによって表されるヘテロシクリルは、独立して、アゼチジニル、モルフィニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニルおよびオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリルからなる群から選択され、その各々が、フルオロで任意選択的に置換される。変数の残りは、第9の代替的な実施形態について上述したとおりである。
【0041】
あるいは、構造式(II)の化合物について、Rによって表される基におけるカルボシクリルは、(C〜C)シクロアルキルであり、変数の残りは、第9の代替的な実施形態に記載したとおりである。
【0042】
第10の代替的な実施形態において、本発明の化合物は、構造式(III):
【化11】

によって表され、式中:
Yが、−NH、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、
【化12】

−NH−C(O)−フェニル、および−NH−C(O)−チエニルから選択され、ここで:
環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し;
3’が、水素またはメチルであり;
Yによって表される基におけるフェニルが、−OCHまたは−N(CHで任意選択的に置換され;
各Rが、独立して、水素および−CHから選択され;
各Rが、独立して、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択され、(C〜C)アルキルが、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換されるか;または
およびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換された飽和ヘテロシクリルを形成し;
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各Rが、水素または(C〜C)アルキルであり、Rによって表される各アルキル基が、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、クロロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
【0043】
あるいは、第10の代替的な実施形態に記載される構造式(III)の化合物について、環Aまたは−NRによって表されるヘテロシクリルは、独立して、アゼチジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニルおよびオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリルからなる群から選択され、その各々が、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換され;変数の残りは、第10の代替的な実施形態に記載したとおりである。
【0044】
別の実施形態において、第10の代替的な実施形態に記載される構造式(III)の化合物について、Rによって表されるカルボシクリル基は、(C〜C)シクロアルキルであり、変数の残りは、第10の代替的な実施形態に記載したとおりである。
【0045】
第11の代替的な実施形態において、本発明の化合物は、構造式(IV):
【化13】

によって表され、式中:
Yが、−NH、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、および
【化14】

から選択され、環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し;
3’が、水素またはメチルであり;
各Rが、独立して、水素および−CHから選択され;
各Rが、独立して、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択され、(C〜C)アルキルが、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換されるか;または
およびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換された飽和ヘテロシクリルを形成し;
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各Rが、水素または(C〜C)アルキルであり、Rによって表される各アルキル基が、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、クロロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
【0046】
一実施形態において、第11の代替的な実施形態に記載される構造式(IV)の化合物について、環Aまたは−NRによって表されるヘテロシクリルは、独立して、アゼチジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニルおよびオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリルからなる群から選択され、その各々が、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換される。変数の残りは、第11の代替的な実施形態について上述したとおりである。
【0047】
別の実施形態において、第11の代替的な実施形態に記載される構造式(IV)の化合物について、Rによって表される基におけるカルボシクリルは、(C〜C)シクロアルキルであり、変数の残りは、第11の代替的な実施形態に記載したとおりである。
【0048】
第12の代替的な実施形態において、本発明の化合物は、構造式(V):
【化15】

によって表され、式中:
Yが、水素、−NH、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)、および
【化16】

から選択され、環Aが、4〜7員の飽和ヘテロシクリルを表し;
3’が、水素またはメチルであり;
各Rが、独立して、水素および−CHから選択され;
各Rが、独立して、(C〜C)アルキル、および−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルから選択され、(C〜C)アルキルが、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換されるか;または
およびRが、それらが結合される窒素原子と一緒になって、フルオロまたは−OCHで任意選択的に置換された飽和ヘテロシクリルを形成し;
各カルボシクリルまたはヘテロシクリルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、および−N(R)(R)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各アルキルが、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各Rが、水素または(C〜C)アルキルであり、Rによって表される各アルキル基が、任意選択的にかつ独立して、フルオロ、クロロ、−O−(C〜C)アルキル、およびフルオロ置換−(C〜C)アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基で置換される。
【0049】
一実施形態において、第12の代替的な実施形態に記載される構造式(V)の化合物について、環Aまたは−NRによって表される飽和ヘテロシクリルは、独立して、アゼチジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパニルおよびオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリルからなる群から選択される。変数の残りは、第12の代替的な実施形態について上述したとおりである。
【0050】
別の実施形態において、第12の代替的な実施形態に記載される構造式(V)の化合物について、Rによって表される基におけるカルボシクリルは、(C〜C)シクロアルキルであり、変数の残りは、第12の代替的な実施形態に記載したとおりである。
【0051】
構造式(I)によって表される例示的な化合物が、以下の表1〜4に示される:
【0052】
【表1-1】
【0053】
【表1-2】
【0054】
【表1-3】
【0055】
【表1-4】
【0056】
【表1-5】
【0057】
【表1-6】
【0058】
【表1-7】
【0059】
【表1-8】
【0060】
【表2-1】
【0061】
【表2-2】
【0062】
【表2-3】
【0063】
【表2-4】
【0064】
【表2-5】
【0065】
【表3-1】
【0066】
【表3-2】
【0067】
【表3-3】
【0068】
【表3-4】
【0069】
【表4-1】
【0070】
【表4-2】
【0071】
定義
「アルキル」は、指定数の炭素原子を有する飽和脂肪族の分枝状または直鎖状の一価炭化水素基を意味する。したがって、「(C〜C)アルキル」は、直鎖状または分枝状の配置で1〜6つの炭素原子を有する基を意味する。「(C〜C)アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。
【0072】
「アルキレン」は、指定数の炭素原子を有する飽和脂肪族の直鎖状の二価炭化水素基を意味する。したがって、「(C〜C)アルキレン」は、直鎖状の配置で1〜6つの炭素原子を有する二価の飽和脂肪族基、例えば、−[(CH]を意味し、ここで、nが1〜6の整数である。「(C〜C)アルキレン」は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンおよびヘキシレンを含む。
【0073】
「アリール」または「芳香族」は、芳香族の単環式または多環式(例えば二環式または三環式)炭素環系を意味する。一実施形態において、「アリール」は、6〜12員の単環系または二環系である。アリール系には、以下に限定はされないが、フェニル、ナフタレニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、およびアントラセニルが含まれる。
【0074】
「カルボシクリル」は、環炭素原子のみを有する環状基を意味する。「カルボシクリル」には、3〜12員の飽和または不飽和の脂肪族環状炭化水素環または6〜12員の芳香環が含まれる。カルボシクリル部分は、単環式、縮合二環式、架橋二環式、スピロ二環式、または多環式であり得る。
【0075】
単環式カルボシクリルは、指定数の炭素原子を有する飽和または不飽和の脂肪族環状炭化水素環または芳香族炭化水素環である。単環式カルボシクリルには、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニルおよびフェニルが含まれる。
【0076】
縮合二環式カルボシクリルは、2つの隣接する環原子を共有する2つの環を有する。第1の環は、単環式カルボシクリルであり、第2の環は、単環式カルボシクリルまたは単環式ヘテロシクリルである。
【0077】
スピロ二環式カルボシクリルは、1つのみの環原子を共有する2つの環を有する。第1の環は、単環式カルボシクリルであり、第2の環は、単環式カルボシクリルまたは単環式ヘテロシクリルである。
【0078】
架橋二環式カルボシクリルは、3つ以上の隣接する環原子を共有する2つの環を有する。第1の環は、単環式カルボシクリルであり、第2の環は、単環式カルボシクリルまたは単環式ヘテロシクリルである。
【0079】
多環式カルボシクリルは、3つ以上の環(例えば、三環系をもたらす3つの環)を有し、隣接する環は、少なくとも1つの環原子を共有する。第1の環は、単環式カルボシクリルであり、環構造の残りが、単環式カルボシクリルまたは単環式ヘテロシクリルである。多環系には、縮合環系、架橋環系およびスピロ環系が含まれる。縮合多環系は、2つの隣接する環原子を共有する少なくとも2つの環を有する。スピロ多環系は、1つのみの環原子を共有する少なくとも2つの環を有する。架橋多環系は、3つ以上の隣接する環原子を共有する少なくとも2つの環を有する。
【0080】
「シクロアルキル」は、飽和脂肪族環状炭化水素環を意味する。したがって、「C〜Cシクロアルキル」は、(3〜7員の)飽和脂肪族環状炭化水素環の炭化水素基を意味する。C〜Cシクロアルキルには、以下に限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが含まれる。
【0081】
「シクロアルケン」は、環中に1つ以上の二重結合を有する脂肪族環状炭化水素環を意味する。
【0082】
「シクロアルキン」は、環中に1つ以上の三重結合を有する脂肪族環状炭化水素環を意味する。
【0083】
「ヘテロシクリル」は、N、OまたはSから独立して選択される1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのヘテロ原子を含有する環状の4〜12員の飽和または不飽和の脂肪族環あるいは複素芳香環を意味する。1つのヘテロ原子がSであるとき、それは任意選択的に一酸化状態または二酸化状態であり得る(すなわち−S(O)−または−S(O)−)。ヘテロシクリルは、単環式、縮合二環式、架橋二環式、スピロ二環式または多環式であり得る。
【0084】
「飽和ヘテロシクリル」は、いかなる程度の不飽和も含まない(すなわち、二重結合または三重結合がない)脂肪族ヘテロシクリル基を意味する。飽和ヘテロシクリルは、単環式、縮合二環式、架橋二環式、スピロ二環式または多環式であり得る。
【0085】
単環式飽和ヘテロシクリルの例には、以下に限定はされないが、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、アゼパン、ヘキサヒドロピリミジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−2H−1,2−チアジン、テトラヒドロ−2H−1,2−チアジン1,1−ジオキシド、イソチアゾリジン、イソチアゾリジン1,1−ジオキシドが含まれる。複素芳香環の例には、以下に限定はされないが、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール1−オキシド、1,2,5−チアジアゾール1,1−ジオキシド、1,3,4−チアジアゾール、ピリジン、ピリジン−N−オキシド、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、およびテトラゾールが含まれる。
【0086】
縮合二環式ヘテロシクリルは、2つの隣接する環原子を共有する2つの環を有する。第1の環は、単環式ヘテロシクリルであり、第2の環は、単環式炭素環(シクロアルキルまたはフェニルなど)または単環式ヘテロシクリルである。例えば、第2の環は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどの(C〜C)シクロアルキルである。あるいは、第2の環はフェニルである。縮合二環式ヘテロシクリルの例には、以下に限定はされないが、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、インドリン、イソインドリン、2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール、2,3−ジヒドロベンゾ[d]チアゾール、オクタヒドロベンゾ[d]オキサゾール、オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、オクタヒドロベンゾ[d]チアゾール、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン、3−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8−ナフチリジン、およびプテリジンが含まれる。
【0087】
スピロ二環式ヘテロシクリルは、1つのみの環原子を共有する2つの環を有する。第1の環は、単環式ヘテロシクリルであり、第2の環は、単環式炭素環(シクロアルキルまたはフェニルなど)または単環式ヘテロシクリルである。例えば、第2の環は、(C〜C)シクロアルキルである。あるいは、第2の環はフェニルである。スピロ二環式ヘテロシクリルの例には、以下に限定はされないが、アザスピロ[4.4]ノナン、7−アザスピロ[4.4]ノナン、アザスピロ[4.5]デカン、8−アザスピロ[4.5]デカン、アザスピロ[5.5]ウンデカン、3−アザスピロ[5.5]ウンデカンおよび3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカンが含まれる。
【0088】
架橋二環式ヘテロシクリルは、3つ以上の隣接する環原子を共有する2つの環を有する。第1の環は、単環式ヘテロシクリルであり、他方の環は、単環式炭素環(シクロアルキルまたはフェニルなど)または単環式ヘテロシクリルである。架橋二環式ヘテロシクリルの例には、以下に限定はされないが、アザビシクロ[3.3.1]ノナン、3−アザビシクロ[3.3.1]ノナン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、6−アザビシクロ[3.2.1]オクタンおよびアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2−アザビシクロ[2.2.2]オクタンが含まれる。
【0089】
多環式ヘテロシクリルは、1つがヘテロシクリルである3つ以上の環(例えば、三環系をもたらす3つの環)を有し、隣接する環は、少なくとも1つの環原子を共有する。多環系には、縮合環系、架橋環系およびスピロ環系が含まれる。縮合多環系は、2つの隣接する環原子を共有する少なくとも2つの環を有する。スピロ多環系は、1つのみの環原子を共有する少なくとも2つの環を有する。架橋多環系は、3つ以上の隣接する環原子を共有する少なくとも2つの環を有する。
【0090】
特に規定しない限り、ヘテロシクリルまたはカルボシクリルは、1つ以上(2つ、3つ、4つおよび5つなど)の置換基で任意選択的に置換され得る。特に規定しない限り、好適な置換基には、(C〜C)アルキル、ハロ、−OH、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルチオ、(C〜C)アルキルスルフィニル、(C〜C)アルキルスルホニル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、−N(R)(R)、−CN、ハロ(C〜C)アルキル、およびハロ(C〜C)アルコキシが含まれる。オキソ(C=O)も好適な置換基であり、オキソ置換基を有する複素環の例には、以下に限定はされないが、チオモルホリン1−オキシド、チオモルホリン1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−2H−1,2−チアジン1,1−ジオキシド、およびイソチアゾリジン1,1−ジオキシド、ピロリジン−2−オン、ピペリジン−2−オン、ピペラジン−2−オン、およびモルホリン−2−オンが含まれる。複素環が、二重結合によって隣接する環原子に結合されない環窒素原子を含むとき、このような環窒素原子における置換基も考えられる。特に規定しない限り、環窒素原子に好適な置換基には、アルキル(−Me、または−Etなど)およびアシル(例えば、−CHO、CHCO−、およびCHCHCO−)が含まれる。一実施形態において、置換基は、独立して、−Cl、−F、(C〜C)アルキル、−OH、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)−(フルオロ置換−C〜Cアルキル)、および−N(R)(R)からなる群から選択される。
【0091】
「ヘテロアリール」または「複素芳香環」は、5〜12員の一価の複素環式芳香族単環基または二環基を意味する。ヘテロアリールは、N、O、およびSから独立して選択される1つ、2つ、3つまたは4つのヘテロ原子を含有する。ヘテロアリールには、以下に限定はされないが、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール1−オキシド、1,2,5−チアジアゾール1,1−ジオキシド、1,3,4−チアジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、およびテトラゾールが含まれる。二環式ヘテロアリール環には、以下に限定はされないが、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8−ナフチリジン、およびプテリジンなどの、ビシクロ[4.4.0]およびビシクロ[4.3.0]縮合環系が含まれる。
【0092】
「ヘテロ」は、環系における少なくとも1つの炭素原子員が、N、S、およびOから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で置換されていることを指す。「ヘテロ」は、非環系における少なくとも1つの炭素原子員の置換も指す。ヘテロ環系またはヘテロ非環系は、ヘテロ原子で置換された1つ、2つ、3つまたは4つの炭素原子員を有してもよい。
【0093】
本明細書において使用される「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
【0094】
「アルコキシ」は、酸素連結原子を介して結合されたアルキル基を意味する。「(C〜C)−アルコキシ」には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシおよびヘキソキシが含まれる。
【0095】
ハロアルキルおよびハロシクロアルキルには、各ハロゲンが、独立して、フッ素、塩素、および臭素から選択されるモノ、ポリ、およびパーハロアルキル基が含まれる。
【0096】
「ハロゲン」および「ハロ」は、本明細書において同義的に使用され、それぞれフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
【0097】
「フルオロ」は−Fを意味する。
【0098】
本明細書において使用される際、フルオロ置換−(C〜C)アルキルは、1つ以上の−F基で置換された(C〜C)アルキルを意味する。フルオロ置換−(C〜C)アルキルの例には、以下に限定はされないが、−CF、−CHCF、−CHCFH、−CHCHFおよび−CHCHCFが含まれる。
【0099】
本明細書において使用される際、「アミノ」には、−NH、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノが含まれる。
【0100】
「天然アミノ酸側鎖部分」は、天然アミノ酸中に存在する任意のアミノ酸側鎖部分を指す。
【0101】
特に規定しない限り、アルキル基は、1つ以上(2つ、3つ、4つおよび5つなど)の置換基で任意選択的に置換され得る。特に規定しない限り、置換基は、独立して、ハロゲン(−Cl、−Fまたは−Br)、アルキル、アミノ、−OH、アルコキシ、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される。一実施形態において、置換基は、独立して、−Cl、−F、(C〜C)アルキル、−OH、−O−(C〜C)アルキル、フルオロ置換−(C〜C)アルキル、−C(O)−(C〜Cアルキル)、−C(O)−(フルオロ置換−C〜Cアルキル)、および−N(R)(R)からなる群から選択される。別の実施形態において、置換基は、独立して、−F、−Cl、−O−(C〜C)アルキルおよびフルオロ置換−(C〜C)アルキルからなる群から選択される。
【0102】
本発明の別の実施形態は、1種以上の薬学的に許容できる担体および/または希釈剤と、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容できる塩とを含む医薬組成物である。
【0103】
「薬学的に許容できる担体」および「薬学的に許容できる希釈剤」は、動物またはヒトに適切に投与されるとき、通常、有害反応を生じず、薬剤物質(すなわち、本発明の化合物)の媒体として用いられる、本発明の組成物の製剤に使用するのに十分な純度および品質を有する非治療的成分を意味する。
【0104】
本発明の化合物の薬学的に許容できる塩も含まれる。例えば、アミンまたは他の塩基性基を含む本発明の化合物の酸塩は、本化合物を好適な有機または無機酸と反応させ、薬学的に許容できる陰イオン塩形態をもたらすことによって得ることができる。陰イオン塩の例には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩(estolate)、エシル酸塩(esylate)、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、硫酸メチル、ムチン酸塩(mucate)、ナプシル酸塩(napsylate)、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、およびトリエチオジド(triethiodide)塩が含まれる。
【0105】
カルボン酸または他の酸性官能基を含む本発明の化合物の塩は、好適な塩基と反応させることによって調製することができる。このような薬学的に許容できる塩は、薬学的に許容できる陽イオンを与える塩基で作製されてもよく、アルカリ金属塩(特に、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属塩(特に、カルシウムおよびマグネシウム)、アルミニウム塩およびアンモニウム塩、ならびにトリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチルグルカミン、コリジン、キニーネ、キノリン、ならびにリジンおよびアルギニンなどの塩基性アミノ酸などの生理学的に許容できる有機塩基から作製される塩を含む。
【0106】
本発明は、様々な異性体およびその混合物も含む。本発明の特定の化合物は、様々な立体異性体で存在してもよい。立体異性体は、その空間配置のみが異なる化合物である。エナンチオマーは、最も一般的にはキラル中心として機能する非対称に置換された炭素原子を含有することにより、鏡像が重なり合わない立体異性体対である。「エナンチオマー」は、互いに鏡像であり、重なり合わない分子対の1つを意味する。ジアステレオマーは、最も一般的には2つ以上の非対称に置換された炭素原子を含有することにより、鏡像として関連しない立体異性体である。「R」および「S」は、1つ以上のキラル炭素原子の周りの置換基の配置を表す。キラル中心がRまたはSと定義されていないとき、純粋なエナンチオマーまたは両方の配置が混ざったもののいずれかが存在する。
【0107】
「ラセミ化合物」または「ラセミ混合物」は、等モル量の2つのエナンチオマーの化合物を意味し、このような混合物は、光学活性を示さない;すなわち、偏光面を回転しない。
【0108】
本発明の化合物は、異性体に特異的な合成により個々の異性体として調製されるか、または異性体混合物から分解されてもよい。従来の分解技術は、光学活性酸を用いて、異性体対の各異性体の遊離塩基の塩を形成し(その後、分別結晶化および遊離塩基の再生が続く)、光学活性アミンを用いて、異性体対の各異性体の酸形態の塩を形成し(その後、分別結晶化および遊離酸の再生が続く)、光学的に純粋な酸、アミンまたはアルコールを用いて、異性体対の異性体の各々のエステルまたはアミドを形成し(その後、クロマトグラフィー分離およびキラル補助基の除去が続く)、あるいは様々な周知のクロマトグラフィー法を用いて、出発材料または最終生成物のいずれかの異性体混合物を分解することを含む。
【0109】
開示される化合物の立体化学が、構造によって命名または表現されるとき、命名または表現される立体異性体は、他の立体異性体に対して、少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%または99.9重量%の純度である。単一のエナンチオマーが、構造によって命名または表現されるとき、命名または表現されるエナンチオマーは、少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%または99.9重量%光学的に純粋である。重量基準での光学純度パーセントは、存在するエナンチオマーの重量を、存在するエナンチオマーとその光学異性体の重量を合わせた重量で除算した比率である。
【0110】
本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩を有効量で対象に投与する工程を含む、対象のテトラサイクリン応答性の疾病または疾患を治療または予防する方法も提供する。
【0111】
「テトラサイクリン応答性の疾病または疾患」は、本発明のテトラサイクリン化合物の投与によって、治療、予防または改善することができる疾病または疾患を指す。テトラサイクリン応答性の疾病または疾患には、感染症、癌、炎症性疾患、自己免疫疾患、動脈硬化、角膜潰瘍、肺気腫、関節炎、骨粗鬆症、変形性関節症、多発性硬化症、骨肉腫、骨髄炎、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患、皮膚および眼疾患、歯周炎、骨粗鬆症、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、前立腺炎、腫瘍増殖および浸潤、転移、糖尿病、糖尿病タンパク尿、びまん性汎細気管支炎;大動脈または血管動脈瘤、皮膚組織創傷、ドライアイ、骨、軟骨退化、マラリヤ、老化、糖尿病、血管発作、神経変性疾患、心疾患、若年性糖尿病、急性および慢性気管支炎、副鼻腔炎、および一般的な風邪を含む呼吸器感染症;ヴェグナー肉芽腫、好中球性皮膚症および疱疹状皮膚炎などの他の炎症性疾患、白血球破砕性血管炎、水疱型エリテマトーデス、膿疱性乾癬、持久性隆起性紅斑;白斑;円板状エリテマトーデス;壊疽性膿皮症;膿疱性乾癬;眼瞼炎、またはマイボーム腺炎;アルツハイマー病;加齢性黄斑変性症;急性および慢性胃腸炎および大腸炎;急性および慢性膀胱炎および尿道炎;急性および慢性皮膚炎;急性および慢性結膜炎;急性および慢性漿膜炎;尿毒症性心膜炎;急性および慢性胆嚢炎;嚢胞性線維症、急性および慢性膣炎;急性および慢性ブドウ膜炎;薬物反応;虫刺傷;火傷および日焼け、骨量疾患、急性肺障害、慢性肺疾患、虚血、脳卒中または虚血性脳卒中、皮膚の創傷、大動脈または血管動脈瘤、糖尿病性網膜症、脳出血、血管新生、およびテトラサイクリン化合物が有効であることが分かっている他の病態(例えば、それぞれが参照により本明細書に明示的に援用される米国特許第5,789,395号明細書;同第5,834,450号明細書;同第6,277,061号明細書および同第5,532,227号明細書を参照のこと)が含まれる。
【0112】
さらに、任意の疾病または病態を治療するための方法は、一酸化窒素、金属プロテアーゼ、炎症性メディエータおよびサイトカイン、活性酸素種、走化性、リンパ球転換、遅延型過敏症、抗体産生、食作用、および食細胞の酸化的代謝を含む免疫応答の構成要素の発現および/または機能を調節することから利益を得られる。C−反応性タンパク、シグナル伝達経路(例えば、FAKシグナル伝達経路)の発現および/または機能、および/またはCOX−2およびPGE産生の発現の増大を調節することから利益を得られる任意の疾病または病態を治療するための方法が包含される。血管新生の抑制から利益を得られる任意の疾病または病態を治療するための方法が包含される。
【0113】
本発明の化合物を用いて、下痢、尿路感染症、皮膚および皮膚組織の感染症、耳、鼻および咽喉の感染症、創傷感染症、乳腺炎などの哺乳類および動物の重要な疾病を予防または治療することができる。さらに、本発明のテトラサイクリン化合物を用いて腫瘍を治療するための方法も含まれる(van der Bozertら、Cancer Res.、48:6686〜6690(1988))。
【0114】
本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて治療可能な感染症には、以下に限定はされないが、皮膚感染症、胃腸感染症、尿路感染症、泌尿生殖器感染症、呼吸器感染症、鼻腔感染症、中耳炎、全身感染症、コレラ、インフルエンザ、気管支炎、にきび、マラリヤ、梅毒および淋病を含む性感染症、レジオネラ症、ライム病、ロッキー山紅斑熱、Q熱、発疹チフス、腺ペスト、ガス壊疽、院内感染、レプトスピラ症、百日咳、鼠径リンパ肉芽腫に関与する薬剤により引き起こされる炭疽および感染症、封入体結膜炎、またはオウム病が含まれる。感染症は、細菌性、真菌性、寄生性およびウイルス性感染症(他のテトラサイクリン化合物に耐性があるものを含む)であり得る。
【0115】
一実施形態において、感染症は、細菌によって引き起こされ得る。別の実施形態において、感染は、グラム陽性菌によって引き起こされる。この実施形態の特定の態様において、感染症は、ブドウ球菌属(Staphylococcus spp.)、連鎖球菌属(Streptococcus spp.)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium spp.)、腸球菌属(Enterococcus spp.)、バチルス属(Bacillus spp.)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium spp.)、ノカルジア属(Nocardia spp.)、クロストリジウム属(Clostridium spp.)、アクチノバクテリア属(Actinobacteria spp.)、およびリステリア属(Listeria spp.)から選択されるグラム陽性菌によって引き起こされる。
【0116】
別の実施形態において、感染症は、グラム陰性菌によって引き起こされる。この実施形態の一態様において、感染症は、大腸菌(Escherichia coli)、サルモネラ(Salmonella)、赤痢菌(Shigella)、他の腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、シュードモナス(Pseudomonas)、モラクセラ(Moraxella)、ヘリコバクター(Helicobacter)、ステノトロフォモナス(Stenotrophomonas)、ブデロビブリオ(Bdellovibrio)、酢酸菌、レジオネラ(Legionella)またはボルバキア(Wolbachia)などのアルファ−プロテオバクテリアを含むプロテオバクテリア(例えば、ベータプロテオバクテリアおよびガンマプロテオバクテリア)によって引き起こされる。別の態様において、感染症は、シアノバクテリア、スピロヘータ、緑色硫黄細菌または緑色非硫黄細菌から選択されるグラム陰性菌によって引き起こされる。この実施形態の特定の態様において、感染症は、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)(例えば、広域スペクトルβ−ラクタマーゼおよび/またはカルバペネマーゼを含むものを含む、大腸菌(E.coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia))、バクテロイデス科(Bacteroidaceae)(例えば、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis))、ビブリオ科(Vibrionaceae)(コレラ菌(Vibrio cholerae))、パスツレラ(Pasteurellae)(例えば、インフルエンザ菌(Haemophilus influenza))、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)(例えば、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa))、ナイセリア科(Neisseriaceae)(例えば、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis))、リケッチア(Rickettsiae)、モラクセラ科(Moraxellaceae)(例えば、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis))、プロテアエ(Proteeae)の任意の種、アシネトバクター属(Acinetobacter spp.)、ヘリコバクター属(Helicobacter spp.)、およびカンピロバクター属(Campylobacter spp.)から選択されるグラム陰性菌によって引き起こされる。
【0117】
特定の実施形態において、感染症は、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)(例えば、大腸菌(E.coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae))、シュードモナス(Pseudomonas)、およびアシネトバクター属(Acinetobacter spp.)からなる群から選択されるグラム陰性菌によって引き起こされる。
【0118】
別の実施形態において、感染症は、肺炎桿菌(K.pneumoniae)、サルモネラ(Salmonella)、腸内連鎖球菌(E.hirae)、A.バウマニ(A.baumanii)、M.カタラーリス(M.catarrhalis)、インフルエンザ菌(H.influenzae)、緑膿菌(P.aeruginosa)、フェシウム菌(E.faecium)、大腸菌(E.coli)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、および大便連鎖球菌(E.faecalis)からなる群から選択される生物によって引き起こされる。
【0119】
別の実施形態において、感染症は、リケッチア(rickettsiae)、クラミジア(chlamydiae)、レジオネラ属(Legionella spp.)およびマイコプラズマ属(Mycoplasma spp.)からなる群から選択される生物によって引き起こされる。別の実施形態において、感染症は、テトラサイクリンまたは第1および第2世代のテトラサイクリン系抗生物質(例えば、ドキシサイクリンまたはミノサイクリン)の任意のメンバーに耐性がある生物によって引き起こされる。
【0120】
別の実施形態において、感染症は、メチシリンに耐性がある生物によって引き起こされる。
【0121】
別の実施形態において、感染症は、バンコマイシンに耐性がある生物によって引き起こされる。
【0122】
別の実施形態において、感染症は、キノロンまたはフルオロキノロンに耐性がある生物によって引き起こされる。
【0123】
別の実施形態において、感染症は、チゲサイクリンに耐性がある生物によって引き起こされる。
【0124】
別の実施形態において、感染症は、多剤耐性病原体(任意の2種以上の抗生物質に対して中程度または完全耐性を有する)によって引き起こされる。別の実施形態において、感染症は、炭疽菌(Bacillus anthracis)感染症である。「炭疽菌(Bacillus anthracis)感染症」には、炭疽菌(Bacillus anthracis)またはセレウス菌(Bacillus cereus)群の細菌の他のメンバーへの露出または露出の疑いから引き起こされるかまたはそれから生じる任意の状態、疾病、または疾患が含まれる。別の実施形態において、感染症は、炭疽菌(Bacillus anthracis)(炭疽)、ペスト菌(Yersinia pestis)(ペスト)、または野兎病菌(Francisella tularensis)(野兎病)によって引き起こされる。
【0125】
さらに別の実施形態において、感染症は、上記の2つ以上の生物によって引き起こされ得る。このような感染症の例には、以下に限定はされないが、腹腔内感染症(大腸菌(E.coli)のようなグラム陰性種とB.フラギリス(B.fragilis)のような嫌気性菌との混合物であることが多い)、糖尿病足病変(連鎖球菌属(Streptococcus)、セラシア属(Serratia)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)および腸球菌属(Enterococcus spp.)、嫌気性菌の様々な組合せ)(S.E.Dowdら、PloS one 2008;3:e3326)および呼吸器疾患(特に、嚢胞性線維症のような慢性的感染症の患者−例えば、黄色ブドウ球菌(S.aureus)プラス緑膿菌(P.aeruginosa)またはインフルエンザ菌(H.influenza)、非定型病原体)、創傷および膿瘍(様々なグラム陰性およびグラム陽性菌、特にMSSA/MRSA、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(coagulase−negative staphylococci)、腸球菌(enterococci)、アシネトバクター(Acinetobacter)、緑膿菌(P.aeruginosa)、大腸菌(E.coli)、B.フラギリス(B.fragilis))、および血流感染症(13%が多菌性であった(H.Wisplinghoffら、Clin.Infect.Dis.2004;39:311〜317))が含まれる。
【0126】
さらなる実施形態において、テトラサイクリン応答性の疾病または疾患は、細菌感染症ではない。別の実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物は、実質的に非抗菌性である。例えば、本発明の非抗菌性化合物は、当該技術分野において公知の測定法および/または実施例14に示される測定法によって測定した際に、約4μg/mlを超えるMIC値を有し得る。別の実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物は、抗菌性および非抗菌性の両方の効果を有する。
【0127】
テトラサイクリン応答性の疾病または疾患には、炎症過程関連状態(IPAS)に関連する疾病または疾患も含まれる。「炎症過程関連状態」という用語には、炎症または炎症性因子(例えば、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、一酸化窒素(NO)、TNF、インターロイキン、血漿タンパク質、細胞防御系、サイトカイン、脂質の代謝産物、プロテアーゼ、毒性基、接着分子など)が、異常な量、例えば、対象を変化させる、例えば、対象に利益を与えるのに有利であり得る量で含まれるかまたは存在する状態が含まれる。炎症過程は、生体組織の損傷に対する応答である。炎症の原因は、物理的損傷、化学物質、微生物、組織壊死、癌または他の因子に起因し得る。急性炎症は、短期間であり、数日しか続かない。しかしながら、より長く続く場合には、慢性炎症と呼ばれることがある。
【0128】
IPASには、炎症性疾患が含まれる。炎症性疾患は、一般に、熱、発赤、腫れ、疼痛、および機能喪失によって特徴付けられる。炎症性疾患の原因の例には、以下に限定はされないが、微生物感染症(例えば、細菌感染症および真菌感染症)、物理的因子(例えば、火傷、放射線、および外傷)、化学的因子(例えば、毒素および腐食性物質)、組織壊死および様々なタイプの免疫学的反応が含まれる。
【0129】
本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて治療可能な炎症性疾患の例には、以下に限定はされないが、変形性関節症、関節リウマチ、急性および慢性感染症(ジフテリアおよび百日咳を含む、細菌および真菌);急性および慢性気管支炎、副鼻腔炎、および一般的な風邪を含む上気道感染症;急性および慢性胃腸炎および大腸炎;炎症性腸疾患;急性および慢性膀胱炎および尿道炎;脈管炎;敗血症;腎炎;膵炎;肝炎;紅斑性狼瘡;例えば、湿疹、皮膚炎、乾癬、壊疽性膿皮症、酒さ、および急性および慢性皮膚炎を含む炎症性皮膚疾患;急性および慢性結膜炎;急性および慢性漿膜炎(心膜炎、腹膜炎、滑膜炎、胸膜炎および腱炎);尿毒症性心膜炎;急性および慢性胆嚢;急性および慢性膣炎;急性および慢性ブドウ膜炎;薬物反応;虫刺傷;火傷(熱傷、化学火傷、および電気火傷);および日焼けが含まれる。
【0130】
IPASには、マトリックスメタロプロテアーゼ関連状態(MMPAS)も含まれる。MMPASには、異常な量のMMPまたはMMP活性を特徴とする状態が含まれる。本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて治療可能なマトリックスメタロプロテアーゼ関連状態(「MMPAS」)の例には、以下に限定はされないが、動脈硬化症、角膜潰瘍、肺気腫、変形性関節症、多発性硬化症(Liedtkeら、Ann.Neurol.1998、44:35〜46;Chandlerら、J.Neuroimmunol.1997、72:155〜71)、骨肉腫、骨髄炎、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患、皮膚および眼疾患、歯周炎、骨粗鬆症、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、炎症性疾患、腫瘍増殖および浸潤(Stetler−Stevensonら、Annu.Rev.Cell Biol.1993、9:541〜73;Tryggvasonら、Biochim.Biophys.Acta 1987、907:191〜217;Liら、Mol.Carcillog.1998、22:84〜89))、転移、急性肺障害、脳卒中、虚血、糖尿病、大動脈または血管動脈瘤、皮膚組織創傷、ドライアイ、骨および軟骨退化(Greenwaldら、Bone 1998,22:33〜38;Ryanら、Curr.Op.Rheumatol.1996、8:238〜247)が含まれる。他のMMPASには、全体が参照により本明細書に援用される米国特許第5,459,135号明細書;同第5,321,017号明細書;同第5,308,839号明細書;同第5,258,371号明細書;同第4,935,412号明細書;同第4,704,383号明細書、同第4,666,897号明細書、および米国再発行特許RE34,656号明細書に記載されるものが含まれる。
【0131】
さらなる実施形態において、IPASには、全体が参照により本明細書に援用される米国特許第5,929,055号明細書;および同第5,532,227号明細書に記載される疾患が含まれる。
【0132】
テトラサイクリン応答性の疾病または疾患には、NO関連状態に関連する疾病または疾患も含まれる。「NO関連状態」という用語には、一酸化窒素(NO)または誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)に関与するかまたはそれに関連する状態が含まれる。NO関連状態には、異常な量のNOおよび/またはiNOSを特徴とする状態が含まれる。好ましくは、NO関連状態は、本発明のテトラサイクリン化合物を投与することによって治療することができる。米国特許第6,231,894号明細書;同第6,015,804号明細書;同第5,919,774号明細書;および同第5,789,395号明細書に記載される疾患、疾病および状態も、NO関連状態として含まれる。これらの特許の各々の全内容が、参照により本明細書に援用される。
【0133】
本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて治療可能なNO関連状態に関連する疾病または疾患の例には、以下に限定はされないが、マラリヤ、老化、糖尿病、血管発作、神経変性疾患(アルツハイマー病およびハンチントン病)、心疾患(梗塞後の再かん流関連傷害)、若年性糖尿病、炎症性疾患、変形性関節症、関節リウマチ、急性、反復性および慢性感染症(細菌感染症、ウイルス感染症および真菌感染症);急性および慢性気管支炎、副鼻腔炎、および一般的な風邪を含む呼吸器感染症;急性および慢性胃腸炎および大腸炎;急性および慢性膀胱炎および尿道炎;急性および慢性皮膚炎;急性および慢性結膜炎;急性および慢性漿膜炎(心膜炎、腹膜炎、滑膜炎、胸膜炎および腱炎);尿毒症性心膜炎;急性および慢性胆嚢;嚢胞性線維症、急性および慢性膣炎;急性および慢性ブドウ膜炎;薬物反応;虫刺傷;火傷(熱傷、化学火傷、および電気火傷);および日焼けが含まれる。
【0134】
別の実施形態において、テトラサイクリン応答性の疾病または疾患は、癌である。本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて治療可能な癌の例には、全ての固形腫瘍、すなわち癌種、例えば、腺癌、および肉腫が含まれる。腺癌は、腺組織に由来する癌種、または腫瘍細胞が認識可能な腺構造を形成する癌種である。肉腫には、細胞が胎生結合組織のような線維または均質物質に埋め込まれた腫瘍が広く含まれる。本発明の方法を用いて治療され得る癌種の例には、以下に限定はされないが、前立腺、乳房、卵巣、睾丸、肺、結腸および乳房の癌種が含まれる。本発明の方法は、これらの腫瘍タイプの治療に限定されず、任意の臓器系に由来する任意の固形腫瘍まで拡大される。治療可能な癌の例には、以下に限定はされないが、結腸癌、膀胱癌、乳癌、黒色腫、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、および様々な他の癌も含まれる。本発明の方法は、例えば、前立腺、乳房、腎臓、卵巣、睾丸、および結腸の癌増殖などの、腺癌における癌増殖も抑制する。一実施形態において、本発明の方法によって治療される癌には、全体が参照により本明細書に援用される米国特許第6,100,248号明細書;同第5,843,925号明細書;同第5,837,696号明細書;または同第5,668,122号明細書に記載されるものが含まれる。
【0135】
あるいは、テトラサイクリン化合物は、癌の再発の可能性を防止または減少して、例えば、外科的切除または放射線治療後の残存癌を治療するのに有用であり得る。本発明による有用なテトラサイクリン化合物は、他の癌治療と比較して、実質的に毒性がないため特に有利である。
【0136】
さらなる実施形態において、本発明の化合物は、限定はされないが、化学療法などの標準的な癌治療と組み合わせて投与される。
【0137】
本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて治療可能なテトラサイクリン応答性の状態の例には、精神神経疾患および神経変性疾患の両方を含む神経疾患、以下に限定はされないが、アルツハイマー病、アルツハイマー病に関連する認知症(ピック病など)、パーキンソン病および他のびまん性レヴィー小体病、老年性認知症、ハンチントン病、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、進行性核上麻痺、てんかん、およびクロイツフェルト−ヤコブ病;高血圧症および睡眠障害などの自律神経機能障害、ならびに鬱病、統合失調症、統合失調性感情障害、コルサコフ精神病、躁病、不安障害、または恐怖性障害などの精神神経疾患;学習または記憶障害、例えば、記憶喪失または加齢による記憶障害、注意欠陥障害、気分変調性障害、大うつ病性障害、躁病、強迫性障害、精神活性物質の使用による障害、不安神経症、恐怖症、パニック障害、ならびに双極性情動障害、例えば、重度の双極性情動(気分)障害(BP−1)、双極性情動神経障害、例えば、片頭痛および肥満も含まれる。
【0138】
さらなる神経障害には、例えば、American Psychiatric Association’s DiagnosticおよびStatistical manual of Mental Disorders(DSM)に挙げられるものが含まれ、その最新版の全体が参照により本明細書に援用される。
【0139】
別の実施形態において、テトラサイクリン応答性の疾病または疾患は、糖尿病である。本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて治療可能な糖尿病には、以下に限定はされないが、若年性糖尿病、糖尿病、I型糖尿病、またはII型糖尿病が含まれる。さらなる実施形態において、タンパク質糖化は、本発明のテトラサイクリン化合物の投与によって影響されない。別の実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物は、限定はされないが、インスリン療法などの標準的な糖尿病治療と組み合わせて投与される。
【0140】
別の実施形態において、テトラサイクリン応答性の疾病または疾患は、骨量疾患である。本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて治療可能な骨量疾患には、対象の骨に障害が生じる疾患、および骨の形成、補修または再形成が有利である状態が含まれる。例えば、骨量疾患には、骨粗鬆症(例えば、骨強度および密度の減少)、骨折、外科的処置に関連する骨形成(例えば、顔面再建)、骨形成不全症(骨粗鬆症)、低ホスファターゼ血症、パジェット病、線維性骨異形成、大理石骨病、骨髄腫による骨疾患、および原発性副甲状腺機能亢進症に関連するような骨のカルシウムの欠乏が含まれる。骨量疾患には、骨の形成、補修または再形成が対象にとって有利である全ての状態ならびに本発明のテトラサイクリン化合物を用いて治療可能な対象の骨または骨格系に関連する全ての他の疾患が含まれる。さらなる実施形態において、骨量疾患には、それぞれ全体が参照により本明細書に援用される米国特許第5,459,135号明細書;同第5,231,017号明細書;同第5,998,390号明細書;同第5,770,588号明細書;米国再発行特許RE34,656号明細書;米国特許第5,308,839号明細書;同第4,925,833号明細書;同第3,304,227号明細書;および同第4,666,897号明細書に記載されるものが含まれる。
【0141】
別の実施形態において、テトラサイクリン応答性の疾病または疾患は、急性肺障害である。本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて治療可能な急性肺障害には、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、ポンプ後症候群(PPS)、および外傷が含まれる。外傷には、外因性の因子または事象によって生じる生体組織に対する何らかの損傷が含まれる。外傷の例には、以下に限定はされないが、挫滅外傷、硬質表面との接触、あるいは肺に対する切断または他の損傷が含まれる。
【0142】
本発明のテトラサイクリン応答性の疾病または疾患には、慢性肺疾患も含まれる。本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて治療可能な慢性肺疾患の例には、以下に限定はされないが、喘息、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および肺気腫が含まれる。さらなる実施形態において、本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて治療可能な急性および/または慢性肺疾患には、それぞれ全体が参照により本明細書に援用される米国特許第5,977,091号明細書;同第6,043,231号明細書;同第5,523,297号明細書;および同第5,773,430号明細書に記載されるものが含まれる。
【0143】
さらに別の実施形態において、テトラサイクリン応答性の疾病または疾患は、虚血、脳卒中、または虚血性脳卒中である。
【0144】
さらなる実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて、上述したものならびに参照により本明細書に援用される米国特許第6,231,894号明細書;同第5,773,430号明細書;同第5,919,775号明細書および同第5,789,395号明細書に記載されるような疾患を治療することができる。
【0145】
さらに他の実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて、疼痛、例えば、炎症性疼痛、侵害受容性疼痛または神経障害性疼痛を治療することができる。疼痛は、急性または慢性のいずれかであり得る。
【0146】
別の実施形態において、テトラサイクリン応答性の疾病または疾患は、皮膚の創傷である。本発明は、急性外傷(例えば、切傷、火傷、擦傷など)に対する上皮化組織(例えば、皮膚、粘膜)の治癒反応を改善するための方法も提供する。本方法は、本発明のテトラサイクリン化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて、上皮化組織が急性創傷を治癒する能力を改善することを含む。本方法は、治癒組織のコラーゲン蓄積速度を速めることができる。本方法は、MMPのコラーゲン分解および/またはゼラチン分解活性を低下させることによって、上皮化組織のタンパク質分解活性を低下させることもできる。さらなる実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物またはその薬学的に許容できる塩は、皮膚の表面に(例えば、局所的に)投与される。さらなる実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物またはその薬学的に許容できる塩を用いて、皮膚の創傷、ならびに、例えば、それぞれ全体が参照により本明細書に援用される米国特許第5,827,840号明細書;同第4,704,383号明細書;同第4,935,412号明細書;同第5,258,371号明細書;同第5,308,839号明細書、同第5,459,135号明細書;同第5,532,227号明細書;および同第6,015,804号明細書に記載されるような他の疾患を治療する。
【0147】
さらに別の実施形態において、テトラサイクリン応答性の疾病または疾患は、対象(例えば、大動脈または血管動脈瘤を有するか、またはそのリスクのある対象など)の血管組織における大動脈または血管動脈瘤である。テトラサイクリン化合物またはその薬学的に許容できる塩は、血管動脈瘤のサイズを減少させるのに有効であり得るかまたは動脈瘤が予防されるように、血管動脈瘤の発現前に対象に投与され得る。一実施形態において、血管組織は、動脈、例えば、大動脈、例えば、腹部大動脈である。さらなる実施形態において、本発明のテトラサイクリン化合物を用いて、全体が参照により本明細書に援用される米国特許第6,043,225号明細書および同第5,834,449号明細書に記載される疾患を治療する。
【0148】
本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩は、本明細書に開示される本発明の方法において、単独でまたは1種以上の治療剤と組み合わせて用いることができる。
【0149】
別の治療剤または治療「と組み合わせる」という文言には、単一の組合せの剤形または複数の個別の剤形のいずれかでの、テトラサイクリン化合物の、他の治療剤または治療との同時投与、最初にテトラサイクリン化合物を投与した後、他の治療剤または治療を施すこと、および他の治療剤の投与または治療を最初に行った後、テトラサイクリン化合物を投与することが含まれる。
【0150】
他の治療剤は、テトラサイクリン応答性の疾病または疾患の症状を治療、予防または減少させることが当該技術分野において知られている任意の薬剤であり得る。さらなる治療剤の選択は、治療される特定のテトラサイクリン応答性の疾病または疾患に基づいて行われる。このような選択は、治療医の知識の範囲内である。さらに、他の治療剤は、テトラサイクリン化合物の投与と組み合わせて投与されると、患者に利益のある任意の薬剤であり得る。
【0151】
本明細書において使用される際、「対象」という用語は、治療または予防を必要としている哺乳類、例えば、ペット(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギなど)および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)を意味する。通常、対象は、特定の治療を必要としているヒトである。
【0152】
本明細書において使用される際、「治療する」または「治療」という用語は、所望の薬理学的効果および/または生理学的効果を得ることを指す。この効果には、以下の結果のうちの1つ以上を部分的または実質的に得ることが含まれ得る:疾病、疾患または症候群の程度を部分的または完全に減少させること;疾患に関連する臨床症状または指標を向上または改善すること;疾病、疾患または症候群の進行の可能性を遅延、抑制または減少させること。
【0153】
本明細書において使用される際、「予防する」または「予防」は、疾病、疾患または症候群の発病または発現の可能性を減少させることを指す。
【0154】
「有効量」は、対象における所望の生物学的応答を引き起こす活性化合物薬剤の量を意味する。一実施形態において、本発明の化合物の有効量は、約0.01mg/kg/日〜約1000mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約100mg/kg/日、または約0.5mg/kg/日〜約50mg/kg/日である。
【0155】
本発明は、本発明の化合物の1種以上と、任意選択の薬学的に許容できる担体とを混合することを含む、組成物を作製するための方法をさらに含み;従来の製薬技術を含む、このような方法から得られる組成物を含む。
【0156】
本発明の組成物は、閉塞、静脈内(ボーラスと注入の両方)、吸入、および注射(腹腔内、皮下、筋肉内、腫瘍内、または非経口)を用いるかまたは用いない眼内、経口、経鼻、経皮、局所製剤を含む。本組成物は、眼内、経口、鼻腔内、舌下、非経口、または直腸内、あるいは吸入または吹送投与のための錠剤、丸薬、カプセル、粉末、顆粒、リポソーム、イオン交換樹脂、滅菌点眼剤、または眼内送達器具(即時放出、徐放、または持続放出を促進するコンタクトレンズなど)、非経口溶液または懸濁液、計量エアロゾルまたは液体スプレー、点滴薬、アンプル、自動注入器具、または坐薬などの投薬単位であってよい。
【0157】
経口投与に好適な本発明の組成物には、丸薬、錠剤、カプレット、カプセル(それぞれ即時放出、徐放、および持続放出製剤を含む)、顆粒および粉末などの固体形態;ならびに溶液、シロップ、エリキシル剤、乳剤、および懸濁液などの液体形態が含まれる。眼内投与に有用な形態には、滅菌溶液または眼内送達器具が含まれる。非経口投与に有用な形態には、滅菌溶液、乳剤、および懸濁液が含まれる。
【0158】
本発明の組成物は、1週間に1回または1カ月に1回の投与に好適な形態で投与されてもよい。例えば、活性化合物の不溶性塩を、筋肉内注射用のデボー製剤(例えば、デカン酸塩)を提供するかまたは点眼投与用溶液を提供するように適合させてもよい。
【0159】
本発明の組成物を含有する剤形は、治療効果を与えるのに必要な有効量の活性成分を含有する。本組成物は、約5,000mg〜約0.5mg(好ましくは、約1,000mg〜約0.5mg)の本発明の化合物またはその塩形態を含有してもよく、選択される投与形態に好適な任意の形態へと構成されてもよい。本組成物は、1日当たり約1〜約5回投与され得る。連日投与または後の周期的投与(post−periodic dosing)が用いられ得る。
【0160】
経口投与については、本組成物は、例えば、500〜0.5ミリグラムの活性化合物を含有する錠剤またはカプセルの形態であるのが好ましい。用量は、治療される特定の患者に関連する因子(例えば、年齢、体重、食事、および投与時間)、治療される病態の重症度、用いられる化合物、投与形態、および製剤の濃度に応じて異なる。
【0161】
経口組成物は、均質な組成物として配合されるのが好ましく、活性成分は、混合物全体に均一に分散され、等量の本発明の化合物を含有する投薬単位へと容易に細かく分けることができる。好ましくは、本組成物は、本発明の化合物(またはその薬学的に許容できる塩)を、1種以上の任意選択的に存在する医薬担体(でんぷん、糖、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、流動促進剤、結合剤、および崩壊剤など)、1種以上の任意選択的に存在する不活性医薬賦形剤(水、グリコール、油、アルコール、香料添加剤、防腐剤、着色剤、およびシロップなど)、1種以上の任意選択的に存在する従来の錠剤化成分(コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、および様々なゴムのいずれかなど)、および任意選択の希釈剤(水など)と混合することによって調製される。
【0162】
結合剤には、でんぷん、ゼラチン、天然糖(例えば、グルコースおよびベータ−ラクトース)、コーンシロップならびに天然および合成ゴム(例えば、アカシアおよびトラガカント)が含まれる。崩壊剤には、でんぷん、メチルセルロース、寒天、およびベントナイトが含まれる。
【0163】
錠剤およびカプセルは、有利な経口投薬単位形態である。錠剤は、標準的な技術を用いて、糖衣をかけられるかまたはフィルムコートされてもよい。錠剤はまた、長期間の制御放出治療効果を与えるためにコートまたは他の方法で複合されてもよい。剤形は、内側投薬および外側投薬成分を含んでもよく、外側成分は、内側成分を覆う外皮の形態である。2つの成分は、胃中での分解に耐性があり(例えば、腸溶性層)、内側成分が十二指腸中に無傷で通過することが可能な層あるいは放出を遅延または持続させる層によってさらに分離されてもよい。様々な腸溶性および非腸溶性層またはコーティング材料(ポリマー酸、シェラック、アセチルアルコール、および酢酸セルロースまたはそれらの組合せなど)が用いられ得る。
【0164】
本発明の化合物はまた、徐放組成物を介して投与されてもよく;本組成物は、本発明の化合物および生物分解性徐放担体(例えば、ポリマー担体)または薬学的に許容できる非生物分解性徐放担体(例えば、イオン交換担体)を含む。
【0165】
生物分解性および非生物分解性徐放担体は、当該技術分野において周知である。生物分解性担体を用いて、活性剤を保持し、好適な環境(例えば、水性、酸性、塩基性など)において徐々に分解/溶解して、活性剤を放出する粒子またはマトリックスを形成する。このような粒子は、体液中で分解/溶解して、活性化合物を中に放出する。粒子は、好ましくは、ナノ粒子またはナノ乳剤(例えば、直径が約1〜500nmの範囲、好ましくは直径が約50〜200nm、最も好ましくは直径が約100nm)である。徐放組成物を調製する方法において、徐放担体および本発明の化合物を、まず、有機溶媒に溶解または分散させる。得られた混合物を、任意選択の表面活性剤を含有する水溶液に添加して、乳剤を生成する。次に、有機溶媒を乳剤から蒸発させて、徐放担体と本発明の化合物とを含有する粒子のコロイド懸濁液を得る。
【0166】
本明細書に開示される化合物は、水溶液、好適に風味付けしたシロップ、水性または油懸濁液、綿実油、ゴマ油、ヤシ油またはラッカセイ油などの食用油により風味付けした乳剤などの液体形態、あるいはエリキシル剤または同様の医薬品媒体で、経口投与または注射のために組み込まれ得る。水性懸濁液用の好適な分散剤または懸濁化剤には、トラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドン、およびゼラチンなどの合成および天然ゴムが含まれる。好適に風味付けした懸濁化剤または分散剤の液体形態には、合成および天然ゴムも含まれていてもよい。非経口投与については、滅菌懸濁液および溶液が望ましい。静脈内投与が望ましいとき、一般に好適な防腐剤を含有する等張製剤が用いられる。
【0167】
化合物は、注射によって非経口投与されてもよい。非経口製剤は、適切な不活性液体担体に溶解されるかまたはそれと混合された活性成分からなり得る。許容できる液体担体は、通常、水性溶媒および溶解または防腐を助けるための他の任意選択の成分を含む。このような水性溶媒には、滅菌水、リンゲル液、または等張食塩水が含まれる。他の任意選択の成分には、植物油(ラッカセイ油、綿実油、およびゴマ油など)、および有機溶媒(ソルケタール、グリセロール、およびホルミルなど)が含まれる。滅菌不揮発性油が、溶媒または懸濁化剤として用いられてもよい。非経口製剤は、活性成分を液体担体に溶解または懸濁させることによって調製され、それによって、最終的な投薬単位が、0.005〜10重量%の活性成分を含有する。他の添加剤には、防腐剤、等張化剤、可溶化剤、安定剤、および鎮痛剤が含まれる。注射可能な懸濁液が調製されてもよく、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤などが用いられてもよい。
【0168】
本発明の化合物は、好適な鼻腔内媒体を用いて鼻腔内投与されてもよい。
【0169】
別の実施形態において、本発明の化合物は、吸入によって肺に直接投与されてもよい。
【0170】
本発明の化合物はまた、好適な局所経皮媒体または経皮パッチを用いることによって、局所投与または強化されてもよい。
【0171】
眼内投与については、本組成物は、眼科用組成物の形態であるのが好ましい。眼科用組成物は、好ましくは、点眼製剤として配合され、眼への投与を容易にするために適切な容器(例えば、好適なピペットを備えたスポイト)に充填される。好ましくは、本組成物は、精製水を用いて、滅菌されており、かつ水性である。本発明の化合物に加えて、眼科用組成物は、a)ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの界面活性剤;b)通常、約0.05〜約5.0%(重量/体積)の範囲の濃度の、セルロース、セルロース誘導体などの増粘剤、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルポリマー、およびポリビニルピロリドン;c)(窒素を含み、かつFeなどの酸素を含まない吸収剤を任意選択的に含む容器に本組成物を貯蔵する代わりにまたはそれに加えて)、約0.00005〜約0.1%(重量/体積)の濃度の、ブチル化ヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム、またはブチル化ヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤;d)約0.01〜0.5%(重量/体積)の濃度のエタノール;およびe)等張剤、緩衝液、防腐剤、および/またはpH調整剤などの他の賦形剤のうちの1つ以上を含有してもよい。眼科用組成物のpHは、4〜8の範囲内であるのが望ましい。
【0172】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、1つ以上のさらなる薬剤を含む。他の治療剤は、テトラサイクリン応答性の疾病または疾患の症状を治療、予防または減少させることのできる薬剤であってよい。あるいは、他の治療剤は、本発明のテトラサイクリン化合物と組み合わせて投与されると、患者に利益のある任意の薬剤であり得る。
【0173】
本発明を、その実施形態の例を参照して特に示し説明してきたが、当業者には、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱せずに、形態および詳細の様々な変更を行うことができることが理解されよう。
【実施例】
【0174】
例示
以下の略語は、本出願全体を通して用いられる。
【0175】
【表A-1】
【0176】
【表A-2】
【0177】
実施例1。化合物100の合成。
化合物100を、以下のスキーム1にしたがって調製した。
スキーム1:
【化17】

3,6−ジメトキシ−2−メチル安息香酸(1−2)。
nBuLi(8.6mL、13.7mmol、5.0当量)を、テトラメチルピペリジン(2.3mL、13.7mmol、5.0当量)のTHF溶液(5mL)に、0℃で添加した。反応物を0℃で30分間撹拌した。得られた溶液に、2,5−ジメトキシ安息香酸(1−1、500mg、2.75mmol)のTHF溶液を0℃で添加した。反応物を0℃で2.5時間撹拌した。MeI(1.0mL、16.5mmol、6.0当量)を、反応混合物に滴下して添加した。反応物を、1時間にわたって25℃まで温め、25℃で1時間撹拌した。NaOH(6N、20mL)を添加した。得られた混合物を、t−ブチルメチルエーテル(20mL×2)で抽出した。水性層を、HCl(6N)を用いてpH1まで酸性化し、EtOAc(20mL×4)で抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、350mgの粗生成物1−2が得られた。
【0178】
フェニル3,6−ジメトキシ−2−メチルベンゾエート(1−3)。
塩化オキサリル(0.61mL、7.1mmol、4.0当量)を、粗製の(crude)1−2(350mg、1.79mmol)のCHCl溶液(15mL、無水)に添加した。DMF(0.1mL)を、得られた混合物に添加した。反応物を、25℃で1時間撹拌し、濃縮した。得られた固体を、15mLの無水CHClに再溶解させた。フェノール(337mg、3.58mmol、2.0当量)、DMAP(437mg、3.58mmol、2.0当量)、およびトリエチルアミン(1.20mL、8.95mmol、5.0当量)を反応混合物に添加した。反応物を、25℃で12時間撹拌し、濃縮した。EtOAcおよびHOを残渣に添加した。有機層を、NaOH(1N)、HO、および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(20:1のヘキサン/EtOAc)により、291mgの化合物1−3(2工程で39%)が得られた。
【0179】
フェニル6−ヒドロキシ−3−メトキシ−2−メチルベンゾエート(1−4)。
BBr(1.9mL、1.0M、1.9mmol、0.9当量)を、1−3(582mg、2.14mmol)のCHCl溶液(10mL)に、−78℃で添加した。反応物を、−78℃から25℃まで1.5時間撹拌し、飽和NaHCOで急冷し、濃縮した。EtOAcおよびHOを反応混合物に添加した。水性層をEtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、480mgの粗製の1−4が得られた。
【0180】
フェニル6−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)−3−メトキシ−2−メチルベンゾエート(1−5)。
BocO(487mg、2.23mmol、1.2当量)およびDMAP(20mg、0.16mmol、0.1当量)を、粗製の1−4(480mg)のCHCl溶液に添加した。反応物を、25℃で1.5時間撹拌し、濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(15:1のヘキサン/EtOAc)により、530mgの化合物1−5(2工程で80%)が得られた。
【0181】
(4aS,11aR,12aS,13S)−3−(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−5−ヒドロキシ−10−メトキシ−4,6−ジオキソ−4,4a,6,11,11a,12,12a,13−オクタヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−7−イルtert−ブチルカーボネート(1−7)。
1−5(520mg、1.45mmol、2.5当量)のTHF溶液(8mL)を、LDA(6.50mL、10重量%、4.36mmol、7.5当量)およびTMEDA(1.0mL、7.3mmol、12.5当量)のTHF溶液(8mL)に、−78℃で添加した。反応物を、−78℃で5分間撹拌した。エノン1−6(280mg、0.58mmol、1.0当量)のTHF溶液(8mL)を、反応混合物に滴下して添加した。PCT公報の国際公開第2005/112945号パンフレットおよび国際公開第2007/117639号パンフレットに記載されるようにエノン1−6を調製した。反応物を、−78℃から25℃まで1時間撹拌し、飽和NHClで急冷し、EtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、粗生成物が得られた。Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:15分間にわたって80→100%のB;質量による分別捕集(mass−directed fraction collection)]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する画分を集め、RotaVapにおいて25℃で濃縮して、アセトニトリルの大部分を除去した。得られたほぼ水性の溶液をEtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、290mgの純粋な1−7(67%)が得られた。
【0182】
(4aS,11aR,12aS,13S)−3−(ベンジルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−4a,5,7−トリヒドロキシ−10−メトキシ−11a,12,12a,13−テトラヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−4,6(4aH,11H)−ジオン(1−8)。
水性HF(2.4mL、48%)およびTFA(0.1mL)を、ポリプロピレン管中の1−7(210mg、0.29mmol)のCHCN溶液(9mL)に、25℃で添加した。反応物を25℃で18時間撹拌した。得られた混合物を、KHPOの水溶液(21g、150mLの水に溶解したもの)に注いだ。混合物をEtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、86mgの粗製の1−8が得られた。
【0183】
化合物100
パラジウム炭素(10mg、10重量%)を、粗製の1−8(86mg)のMeOH/ジオキサン溶液(4mL/4mL)に添加した。反応物を、水素でパージし、25℃で1時間、H(バルーン)下で撹拌した。反応混合物を、小さいセライトプラグを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗生成物が得られた。Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって0→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、47mgの化合物100(2工程で81%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.21(d,J=8.2Hz,1H)、6.78(d,J=8.2Hz,1H)、4.05(s,1H)、3.78(s,3H)、3.08〜2.90(m,3H)、3.01(s,3H)、2.94(s,3H)、2.20〜2.11(m,2H)、1.67〜1.56(m,1H);MS(ESI)m/z 445.23(M+H)。
【0184】
実施例2。式II(式中、Yが、−NH−C(O)−CH−N(R)(R)である)の化合物の合成。
スキーム2:
【化18】

フェニル6−(ベンジルオキシ)−3−メトキシ−2−メチルベンゾエート(2−1)。
フェノール1−4(4.58g、17.7mmol)を無水DMF(71mL)に溶解させ、NaH(1.42g、35.5g、2当量)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。次に、臭化ベンジル(4.2mL、35.5mmol、2当量)を添加した。室温で一晩撹拌した後、混合物をEtOAcとHOとで分けた。有機層を、さらなるHOで3回および塩水で1回さらに洗浄した。有機相を、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレータ(rotavapor)を用いて濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる残渣の精製(シリカゲル、97:3のヘキサン/EtOAc)により、2−1(4.09g)が白色固体として得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.45〜7.22(m,8H)、7.13(m,2H)、6.82(m,2H)、5.11(s,2H)、3.81(s,3H)、2.32(s,3H);MS(ESI)m/z 371.2(M+Na)、C2220NaOについての計算値371.14。
【0185】
フェニル2−(ベンジルオキシ)−5−メトキシ−6−メチル−3−ニトロベンゾエート(2−2)。
固体Cu(NO×HO(3.006g、12.9mmol、1.1当量)を、無水酢酸(47mL)中の化合物2−1(4.09g、11.8mmol)の撹拌された溶液に、0℃で添加した。反応混合物を、0℃で1時間および室温で2時間撹拌し、次に、100mLの氷水に注いだ。撹拌をさらに1時間続けた。得られた黄色の沈殿物をろ過によって集めた。フラッシュクロマトグラフィーによるさらなる精製(シリカゲル、95:5のヘキサン/EtOAc)により、化合物2−2が淡黄色の固体(3.58g)として得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.50(s,1H)、7.47〜7.25(m,8H)、7.02〜7.00(m,2H)、5.11(s,2H)、3.92(s,3H)、2.36(s,3H);MS(ESI)m/z 392.2(M−H)、C2218NOについての計算値392.12。
【0186】
フェニル2−(ベンジルオキシ)−5−メトキシ−6−メチル−3−アミノベンゾエート(2−3)。
ニトロ2−2(3.58g、9.11mmol)と、Na(9.33g、45.5mmol、5当量)と、136mLのTHFと、87mLのHOとの混合物を、室温で一晩撹拌した。ロータリーエバポレータを用いてTHFの大部分を除去した後、水溶液をEtOAcで3回抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。粗生成物2−3をそのまま次の工程に用いた。
【0187】
フェニル2−(ベンジルオキシ)−3−(ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−メトキシ−6−メチルベンゾエート(2−4)。
ジ−tert−ブチルジカーボネート(5.04g、23.1mmol、2.5当量)およびDMAP(56mg、0.46mmol、0.05当量)を、無水DMF(92mL)中の2−3(3.36g、9.24mmol)の溶液に添加した。得られた混合物を室温で5時間撹拌し、次に、EtOAcで希釈した。溶液を、HOで3回と塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによるさらなる精製(シリカゲル、9:1のヘキサン/EtOAc)により、化合物2−4が白色の固体(4.20g)として得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.34〜7.14(m,8H)、6.96(d,J=7.8Hz,2H)、6.65(s,1H)、4.86(s,2H)、3.76(s,3H)、2.24(s,3H)、1.33(s,18H);MS(ESI)m/z 586.2(M+Na)、C3237NNaOについての計算値586.25。
【0188】
中間体2−5。
【化19】

ヘキサン(1.60M、5.70mL、9.13mmol、1.1当量)中のnBuLiの溶液を、THF(23mL)中のPrNH(1.29mL、9.13mmol、1.1当量)およびTMEDA(1.49mL、9.96mmol、1.2当量)の溶液に、−78℃で滴下して添加した。得られた溶液を−78℃で1時間撹拌したらすぐに、THF(30mL)中の化合物2−4(4.68g、8.30mmol、1当量)の溶液を、カニューレを介して滴下して添加した(無色から濃いオレンジ色ないし赤色になるまで)。添加が完了した後、混合物を−78℃でさらに30分間撹拌し、次に−100℃まで冷却した。THF(30mL)中のエノン1−6(2.0g、4.15mmol、0.5当量)の予め−78℃まで冷却された溶液を、カニューレを介して滴下して添加した。得られた赤色の混合物を、2時間で−20℃まで温めた。反応物を、飽和NHCl水溶液で急冷し、次に、EtOAcで3回抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を、塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる残渣の精製(シリカゲル、95:5〜85:15のヘキサン/EtOAc)により、所望の生成物2−5(3.589g)が淡黄色の発泡体として得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 16.05(s,1H)、7.52〜7.26(m,10H)、6.85(s,1H)、5.35(s,2H)、4.97(d,J=9.8Hz,1H)、4.73(d,J=9.8Hz,1H)、3.99(d,J=10.4Hz,1H)、3.80(s,3H)、3.36(dd,J=16.5,4.9Hz,1H)、2.98〜2.92(m,1H)、2.60〜2.40(m,8H)、2.36〜2.28(m,1H)、2.16〜2.13(m,1H)、1.38(s,18H)、0.80(s,9H)、0.24(s,3H)、0.13(s,3H);MS(ESI)m/z 952.59(M+H)、C526612Siについての計算値952.43。
【0189】
(4aS,11aR,12aS,13S)−8−アミノ−3,7−ビス(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−5−ヒドロキシ−10−メトキシ−11a,12,12a,13−テトラヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−4,6(4aH,11H)−ジオン(2−6)。
無水ジオキサン(9mL)中の化合物2−5(468mg、0.49mmol)の溶液に、ジオキサン(4M、9mL)中のHClの溶液を室温で添加した。得られた混合物を室温で撹拌し、反応物をLC−MSによって監視した。SMを完全に使い切った後、揮発性物質を蒸発させた。残渣をEtOAc中に懸濁し、飽和NaHCO、塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる残渣の精製(シリカゲル、80:20のヘキサン/EtOAc)により、所望の生成物2−6(422mg)が淡黄色の発泡体として得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 16.14(s,1H)、7.52〜7.26(m,10H)、6.48(s,1H)、5.35(s,2H)、4.88(d,J=9.8Hz,1H)、4.81(d,J=9.8Hz,1H)、3.84(br s,1H)、3.74(s,3H)、3.22(dd,J=16.5,4.9Hz,1H)、2.98〜2.88(m,1H)、2.60〜2.40(m,8H)、2.31〜2.20(m,1H)、2.16〜2.10(m,1H)、0.82(s,9H)、0.27(s,3H)、0.13(s,3H);MS(ESI)m/z 752.3(M+H)、C4250Siについての計算値752.33。
【0190】
2−6を2−7に転化するのに用いられるアミンNHRの選択は、所望の最終生成物に応じて様々であった。
【0191】
化合物101
2−6(29mg、0.039mmol)をTHF(1.5mL)に溶解させた。臭化ブロモアセチル(4.0μL、0.046mmol)を添加した。室温で30分間撹拌した後、ピロリジン(16.0μL、0.19mmol)を添加した。室温で撹拌を続けた。SMを完全に使い切った後、反応混合物を塩水に注ぎ、EtOAcで3回抽出した。組み合わせたEtOAc層をNaSOで乾燥させ、濃縮したところ、粗製の2−7が得られ、その際、RおよびRが一緒になってピロリジンを形成し、これを、精製せずにそのまま次の工程に用いた。プラスチックバイアル中で、2−7をCHCN(1mL)に溶解させた。水性HF(48%、0.25mL)を添加した。室温で16時間撹拌した後、反応混合物を、KHPO(1.75g)の水溶液(12.5mL)に注いだ。得られた混合物をEtOAcで3回抽出した。組み合わせた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮したところ、粗生成物が得られた。上記の粗生成物を、MeOH(155μL、2当量)中の0.5NのHClに溶解させた。余分な揮発性物質を蒸発させた。予め形成されたHCl塩をMeOH(2.0mL)に再溶解させ、得られた溶液にパラジウム炭素(10重量%、9.0mg、30% w/w)を添加した。反応フラスコを短時間排気し、水素を補充した。反応混合物を室温で撹拌し、LC−MSによって監視した。SMを使い切った後、混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗生成物が得られ、これを、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:10分間にわたって10→50%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。5.14〜5.60分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物101が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.11(s,1H)、4.32(s,2H)、4.09(s,1H)、3.81〜3.75(m,5H)、3.30〜3.15(m,3H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.25〜2.00(m,6H)、1.68〜1.54(m,1H);MS(ESI)m/z 571.2(M+H)、C2835についての計算値571.23。
【0192】
化合物102
NRとしてアゼチジンを用いて、化合物101の手順によって化合物102を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:10分間にわたって10→40%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。5.36〜5.80分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物102が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.08(s,1H)、4.42〜4.34(m,4H)、4.25〜4.18(m,2H)、4.10(s,1H)、3.77(s,3H)、3.28〜3.20(m,1H)、3.08〜2.92(m,8H)、2.70〜2.62(m,1H)、2.56〜2.44(m,1H)、2.22〜2.06(m,2H)、1.65〜1.56(m,1H);MS(ESI)m/z 557.2(M+H)、C2733についての計算値557.22。
【0193】
化合物103
NRとしてピペリジンを用いて、化合物101の手順によって化合物103を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:10分間にわたって10→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。7.12〜7.80分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物103が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.11(s,1H)、4.19(s,2H)、4.09(s,1H)、3.79(s,3H)、3.65〜3.62(m,2H)、3.28〜3.20(m,1H)、3.18〜2.90(m,10H)、2.25〜2.08(m,2H)、2.00〜1.80(m,6H)、1.65〜1.56(m,1H);MS(ESI)m/z 585.2(M+H)、C2937についての計算値585.25。
【0194】
化合物104
NRとしてN−エチルメチルアミンを用いて、化合物101の手順によって化合物104を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:10分間にわたって10→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。5.80〜6.30分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物104が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.12(s,1H)、4.30(d,J=16.0Hz,1H)、4.19(d,J=16.0Hz,1H)、4.10(s,1H)、3.80(s,3H)、3.45〜3.20(m,3H)、3.10〜2.90(m,11H)、2.25〜2.08(m,2H)、1.65〜1.56(m,1H)、1.40(t,J=7.3Hz,3H);MS(ESI)m/z 559.2(M+H)、C2735についての計算値559.23。
【0195】
化合物105
NRとしてジメチルアミンを用いて、化合物101の手順によって化合物105を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:10分間にわたって10→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。5.76〜6.22分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物105が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.12(s,1H)、4.24(s,2H)、4.09(s,1H)、3.80(s,3H)、3.30〜3.25(m,1H)、3.10〜2.90(m,14H)、2.25〜2.08(m,2H)、1.65〜1.56(m,1H);MS(ESI)m/z 545.2(M+H)、C2633についての計算値545.22。
【0196】
化合物106
NRとしてイソブチルアミンを用いて、化合物101の手順によって化合物106を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:10分間にわたって10→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。7.36〜8.05分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物106が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.13(s,1H)、4.09(s,3H)、3.79(s,3H)、3.30〜3.25(m,1H)、3.10〜2.90(m,10H)、2.25〜2.05(m,3H)、1.65〜1.56(m,1H)、1.07(d,J=6.9Hz,6H);MS(ESI)m/z 573.3(M+H)、C2837についての計算値573.25。
【0197】
化合物107
NRとしてイソプロピルアミンを用いて、化合物101の手順によって化合物107を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:10分間にわたって10→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。6.10〜6.54分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物107が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.13(s,1H)、4.09(s,3H)、3.79(s,3H)、3.45〜3.55(m,1H)、3.30〜3.25(m,1H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.65〜1.56(m,1H)、1.38(d,J=6.4Hz,6H);MS(ESI)m/z 559.3(M+H)、C2735についての計算値559.23。
【0198】
化合物108
NRとしてシクロプロピルアミンを用いて、化合物101の手順によって化合物108を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:10分間にわたって10→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。5.82〜6.50分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物108が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.13(s,1H)、4.09(s,3H)、3.79(s,3H)、3.45〜3.55(m,1H)、3.30〜3.25(m,1H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.65〜1.56(m,1H)、1.38(d,J=6.4Hz,6H);MS(ESI)m/z 557.3(M+H)、C2733についての計算値557.22。
【0199】
化合物109
NRとしてtert−ブチルアミンを用いて、化合物101の手順によって化合物109を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:10分間にわたって10→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。6.46〜6.92分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物109が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.14(s,1H)、4.08(s,3H)、3.78(s,3H)、3.30〜3.25(m,1H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.65〜1.56(m,1H)、1.42(s,9H);MS(ESI)m/z 573.2(M+H)、C2837についての計算値573.25。
【0200】
化合物110
化合物101の調製に用いられる手順にしたがったHF処理および水素化によって、2−5から化合物110を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:10分間にわたって10→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。4.88〜5.78分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物110が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.27(s,1H)、4.09(s,1H)、3.83(s,3H)、3.30〜3.25(m,1H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.65〜1.56(m,1H);MS(ESI)m/z 460.2(M+H)、C2226についての計算値460.16。
【0201】
化合物111
臭化ブロモアセチルおよびピロリジンを、3,3,−ジメチルブチリルクロリドに置き換えて、化合物101の手順によって化合物111を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:10分間にわたって10→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。12.40〜13.97分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物111が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.99(s,1H)、4.07(s,1H)、3.79(s,3H)、3.30〜3.25(m,1H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.34(s,2H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.65〜1.56(m,1H)、1.10(s,9H);MS(ESI)m/z 558.0(M+H)、C2836についての計算値558.24。
【0202】
化合物112
NRとして3−フルオロアゼチジンを用いて、化合物101の手順によって化合物112を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのTFA/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:20分間にわたって10→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。12.35〜13.50分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物112が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.10(s,1H)、5.51〜5.37(m,1H)、4.70〜4.39(m,6H)、4.05(s,1H)、3.79(s,3H)、3.30〜3.25(m,1H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.65〜1.56(m,1H);MS(ESI)m/z 575.2(M+H)、C2732FNについての計算値575.21。
【0203】
化合物113
臭化ブロモアセチルおよびピロリジンを、4,4,−ジメチルペンチリル(pentyryl)クロリドに置き換えて、化合物101の手順によって化合物113を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:10分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。9.06〜9.74分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物113が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.02(s,1H)、4.07(s,1H)、3.78(s,3H)、3.30〜3.25(m,1H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.48〜2.44(m,2H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.65〜1.56(m,3H)、0.96(s,9H);MS(ESI)m/z 572.4(M+H)、C2938についての計算値572.25。
【0204】
化合物114
NRとして(R)−3−フルオロピロリジンを用いて、化合物101の手順によって化合物114を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:12分間にわたって5→25%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。9.05〜11.05分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物114が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.13(s,1H)、5.55〜5.42(m,1H)、4.45〜4.41(m,2H)、4.15〜3.95(m,3H)、3.79(s,3H)、3.50〜3.40(m,2H)、3.30〜3.25(m,1H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.50〜2.35(m,2H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.65〜1.56(m,1H);MS(ESI)m/z 589.3(M+H)、C2934FNについての計算値589.22。
【0205】
化合物115
NRとして(S)−3−フルオロピロリジンを用いて、化合物101の手順によって化合物115を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:12分間にわたって5→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。8.05〜9.85分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物115が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.12(s,1H)、5.55〜5.42(m,1H)、4.46〜4.42(m,2H)、4.15〜3.95(m,3H)、3.79(s,3H)、3.50〜3.40(m,2H)、3.30〜3.25(m,1H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.55〜2.40(m,2H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.65〜1.56(m,1H);MS(ESI)m/z 589.3(M+H)、C2934FNについての計算値589.22。
【0206】
化合物116
NRとしてO−tert−ブチルヒドロキシルアミンを用いて、化合物101の手順によって化合物116を得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.12(s,1H)、4.34(s,2H)、4.15(s,1H)、3.80(s,3H)、2.85〜3.50(m,3H)、3.07(s,3H)、2.99(s,3H)、2.22〜2.28(m,1H)、2.07〜2.16(m,1H)、1.55〜1.65(m,1H)、1.47(s,9H);MS(ESI)m/z 589.1(M+H)、C283710についての計算値589.25。
【0207】
化合物117
臭化ブロモアセチルおよびアミンを、tert−ブトキシアセチルクロリドに置き換えて、化合物101の手順によって化合物117を得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.31(s,1H)、4.08(s,1H)、4.07(s,2H)、3.80(s,3H)、3.24(dd,J=7.3,16.0Hz,1H)、2.90〜3.10(m,2H)、3.05(s,3H)、2.97(s,3H)、2.15〜2.22(m,1H)、2.05〜2.21(m,1H)、1.55〜1.65(m,1H)、1.32(s,9H);MS(ESI)m/z 574.2(M+H)、C283710についての計算値574.24。
【0208】
化合物118
NRとしてエチルイソプロピルアミンを用いて、化合物101と同様に化合物118を調製した。H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.13(s,1H)、4.32(s,J=17.5Hz,1H)、4.08(s,1H)、4.06(d,J=17.5Hz,1H)、3.78(s,3H)、3.75〜3.85(m,2H)、2.80〜3.50(m,10H)、2.10〜2.22(m,2H)、1.50〜1.70(m,1H)、1.35〜1.45(m,9H);MS(ESI)m/z 587.1(M+H)、C2939についての計算値587.27。
【0209】
化合物119
NRとしてイミダゾールを用いて、化合物101と同様に化合物119を調製した。H NMR(400MHz、CDOD)δ 9.02(s,1H)、8.07(s,1H)、7.68(s,1H)、7.63(s,1H)、5.34(s,2H)、4.07(s,1H)、3.76(s,3H)、2.80〜3.50(m,9H)、2.10〜2.22(m,2H)、1.55〜1.70(m,1H);MS(ESI)m/z 568.1(M+H)、C2730についての計算値568.21。
【0210】
実施例3。式II(式中、Yが、−NH−C(O)−CH−NH(R)、または−NH−C(O)−ヘテロシクリルである)の特定の化合物の合成。
スキーム3は、式IIの化合物の合成を示し、式中、Yが、−NH−C(O)−ヘテロシクリルまたは−NH−C(O)−CH−NH(R)であり、Rが水素でない。
スキーム3:
【化20】
【0211】
化合物120
化合物110(40mgの粗生成物、約0.08mmol、1当量)を、CHCNおよび3滴のDMPUに溶解させた。次に、臭化ブロモアセチル(24mg、0.12mmol、1.5当量)およびNaCO3(51mg、0.48mmol、6.0当量)を、反応混合物中に添加し、室温で1時間撹拌した。エチルアミン(0.80mmol、10.0当量)を、反応混合物中に添加し、1時間撹拌した。HCl/MeOH(、1mL、4N)を0℃で添加し、溶液を5分間撹拌し、真空で濃縮し、逆相分取HPLCによって精製したところ、所望の化合物120が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.11(s 1H)、4.10〜4.09(m,3H)、3.79(s,3H)、3.23〜2.95(m,11H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.69〜1.53(m,1H)、1.37(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 545.2(M+H)。
【0212】
化合物121
エチルアミンを2−フルオロエチルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物121を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.08(s 1H)、4.68(t,J=4.4Hz,1H)、4.11(s,2H)、4.01(s,1H)、3.74(s,3H)、3.49(t,J=4.8Hz,1H)、3.42(t,J=4.8Hz,1H)、3.25〜2.87(m,10H)、2.15〜2.03(m,2H)、1.61〜1.49(m,1H);MS(ESI)m/z 563.2(M+H)。
【0213】
化合物122
エチルアミンを2,2−ジフルオロエチルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物122を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.15(s 1H)、6.36(t,J=44Hz,1H)、4.21(s,2H)、4.09(s,1H)、3.80(s,3H)、3.73〜3.65(m,2H)、3.13〜2.95(m,9H)、2.23〜2.09(m,2H)、1.69〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 581.1(M+H)。
【0214】
化合物123
エチルアミンをn−プロピルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物123を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.14(s 1H)、4.09(s,3H)、3.81(s,3H)、3.30〜3.25(m,2H)、3.10〜2.95(m,9H)、2.23〜2.08(m,2H)、1.83〜1.73(m,2H)、1.68〜1.57(m,1H)、1.08(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 559.2(M+H)。
【0215】
化合物124
エチルアミンを2−メトキシエチルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物124を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.13(s,1H)、4.13(s,2H)、4.05〜3.93(m,1H)、3.80(s,3H)、3.75〜3.65(m,2H)、3.44(s,3H)、3.36〜3.23(m,3H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.25〜2.05(m,2H)、1.68〜1.59(m,1H);MS(ESI)m/z 575.2(M+H)。
【0216】
化合物125
エチルアミンをn−ヘキシルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物125を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.12(s 1H)、4.06(s,3H)、3.80(s,3H)、3.12〜2.91(m,11H)、2.19〜2.08(m,2H)、1.75〜1.55(m,3H)、1.45〜1.32(m,6H)、0.92(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 601.3(M+H)。
【0217】
化合物126
エチルアミンをシクロプロピルメチルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物126を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.13(s 1H)、4.13(s,2H)、4.10(s,1H)、3.80(s,3H)、3.05〜2.91(m,11H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.68〜1.56(m,1H)、1.19〜1.10(m,1H)、0.78〜0.73(m,2H)、0.48〜0.43(m,2H);MS(ESI)m/z 571.2(M+H)。
【0218】
化合物127
エチルアミンをシクロブチルメチルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物127を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.33(s 1H)、4.28(s,1H)、4.25(s,2H)、3.99(s,3H)、3.37〜3.14(m,11H)、2.97〜2.86(m,1H)、2.45〜2.06(m,8H)、1.87〜1.75(m,1H);MS(ESI)m/z 585.3(M+H)。
【0219】
化合物128
エチルアミンをシクロペンチルメチルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物128を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.34(s 1H)、4.29(s,3H)、4.07(s,3H)、3.30〜3.10(m,11H)、2.50〜2.30(m,3H)、2.18〜2.10(m,2H)、1.95〜1.78(m,4H)、1.55〜1.46(m,3H);MS(ESI)m/z 599.3(M+H)。
【0220】
化合物129
エチルアミンをシクロヘキシルメチルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物129を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.14(s 1H)、4.09(s,3H)、3.80(s,3H)、3.05〜2.95(m,11H)、2.23〜2.08(m,2H)、1.88〜1.55(m,8H)、1.40〜1.21(m,4H);MS(ESI)m/z 613.3(M+H)。
【0221】
化合物130
エチルアミンをネオペンチルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物130を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.13(s 1H)、4.11〜4.10(m,3H)、3.80(s,3H)、3.26〜3.20(m,1H)、3.08〜2.95(m,10H)、2.25〜2.06(m,2H)、1.66〜1.54(m,1H)、1.12(s,9H);MS(ESI)m/z 587.3(M+H)。
【0222】
化合物131
エチルアミンをシクロブチルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物131を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.11(s 1H)、4.07(s,1H)、3.95(s,2H)、3.88〜3.80(m,1H)、3.77(s,3H)、3.25〜3.20(m,1H)、3.06〜2.92(m,8H)、2.38〜2.06(m,6H)、1.95〜1.84(m,2H)、1.63〜1.54(m,1H);MS(ESI)m/z 571.2(M+H)。
【0223】
化合物132
エチルアミンをシクロペンチルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物132を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.15(s 1H)、4.10(s,3H)、3.84(s,3H)、3.68〜3.64(m,1H)、3.26〜3.22(m,1H)、3.08〜2.95(m,8H)、2.25〜2.10(m,4H)、1.92〜1.60(m,7H);MS(ESI)m/z 585.3(M+H)。
【0224】
化合物133
エチルアミンをシクロヘキシルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物133を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.12(s 1H)、4.08(s,2H)、4.07(s,1H)、3.86(s,3H)、3.22〜2.90(m,10H)、2.22〜2.08(m,4H)、1.95〜1.85(m,2H)、1.68〜1.55(m,2H)、1.46〜1.30(m,5H);MS(ESI)m/z 599.3(M+H)。
【0225】
化合物134
エチルアミンをアニリンに置き換えて、化合物120と同様に化合物134を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.22(s 1H)、7.56〜7.30(m,5H)、4.34(s,2H)、4.09(s,1H)、3.86(s,3H)、3.14〜2.95(m,9H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.68〜1.58(m,1H);MS(ESI)m/z 593.2(M+H)。
【0226】
化合物135
エチルアミンをN−メチルプロピルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物135を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.11(s 1H)、4.32(d,J=16.0Hz,1H)、4.20(d,J=16.0Hz,1H)、4.10(s,1H)、3.80(s,3H)、3.27〜2.90(m,14H)、2.25〜2.10(m,2H)、1.88〜1.79(m,2H)、1.67〜1.57(m,1H)、1.05(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 573.3(M+H)。
【0227】
化合物136
エチルアミンをジエチルアミンに置き換えて、化合物120と同様に化合物136を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.10(s 1H)、4.22(s,2H)、4.05(s,1H)、3.79(s,3H)、3.46〜3.22(m,5H)、3.07〜2.90(m,8H)、2.20〜2.07(m,2H)、1.66〜1.57(m,1H)、1.38(t,J=7.2Hz,6H);MS(ESI)m/z 573.2(M+H)。
【0228】
化合物137
エチルアミンを3−アザビシクロ[3,3,0]オクタンに置き換えて、化合物120と同様に化合物137を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.07(d,J=9.2Hz,1H)、4.25〜4.16(m,2H)、4.15〜4.05(m,1H)、4.02(s,1H)、3.95〜3.80(m,1H)、3.74(s,3H)、3.63〜3.54(m,1H)、3.43〜3.35(m,1H)、3.07〜2.85(m,9H)、2.75〜2.60(m,2H)、2.15〜2.02(m,2H)、1.65〜1.50(m,7H);MS(ESI)m/z 611.3(M+H)。
【0229】
化合物138
エチルアミンをイソインドリンに置き換えて、化合物120と同様に化合物138を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.16(s 1H)、7.42(s,4H)、5.10〜5.00(m,2H)、4.73〜4.62(m,2H)、4.55(s,2H)、4.07(s,1H)、3.79(s,3H)、3.25〜3.17(m,1H)、3.07〜2.90(m,8H)、2.22〜2.08(m,2H)、1.67〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 619.2(M+H)。
【0230】
化合物139
臭化ブロモアセチル/アミンを3−ジメチルアミノベンゾイルクロリドに置き換えて、化合物120と同様に化合物139を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.16(s 1H)、8.02(d,J=8.0Hz,1H)、7.91(s,1H)、7.85〜7.82(m,1H)、7.71〜7.67(m,1H)、4.01(s,1H)、3.73(s,3H)、3.28(s,6H)、3.20〜3.16(m,1H)、3.01〜2.85(m,8H)、2.20〜1.98(m,2H)、1.57〜1.48(m,1H)、MS(ESI)m/z 607.1(M+H)。
【0231】
化合物140
臭化ブロモアセチル/アミンを塩化ニコチニル(nicotinyl chloride)に置き換えて、化合物120と同様に化合物140を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 9.41(s 1H)、9.14(d,J=8.4Hz,1H)、9.06(d,J=5.6Hz,1H)、8.23(d,J=2.0Hz,1H)、8.04(s,1H)、4.01(s,1H)、3.84(s,3H)、3.20〜3.16(m,1H)、3.08〜2.95(m,8H)、2.25〜2.12(m,2H);1.70〜1.58(m,1H)、MS(ESI)m/z 565.1(M+H)。
【0232】
実施例4。式II(式中、Yが、−NH−C(O)−(飽和ヘテロシクリル)である)の特定の化合物の合成。
スキーム4は、式IIの他の化合物の合成を示し、式中、Yが−NH−C(O)−(飽和ヘテロシクリル)である。
スキーム4:
【化21】
【0233】
スキーム4において、「PG」が保護基を表し、Rが、水素、(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、または−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリルを表す。スキーム4によって作製され、後述される化合物の全てについて、Rが水素であり、RおよびRが、それらがそれぞれ結合される炭素および窒素原子と一緒になって、任意選択的に置換された4〜7員の飽和ヘテロシクリルを形成する。しかしながら、このスキーム4が、R、RおよびRがそれぞれ、構造式(I)に定義されるように、R、R5bおよびR5bである化合物を合成するのにも有用であることが当業者には容易に分かるであろう。
【0234】
化合物141
【化22】

DCM(0.1M、383μL、0.038mmol、1.2当量)中の(S)−(−)−N−(トリフルオロアセチル)プロリルクロリドの溶液を、THF(2mL)中のアニリン2−6(24mg、0.032mmol、1.0当量)の溶液に添加した。得られた薄いオレンジ色の溶液を室温で5分間撹拌し、塩水(10mL)で希釈した。得られた混合物をEtOAc(2×15mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮したところ、粗生成物4−1−1が得られた:MS(ESI)m/z 945.38(M+H)。
【0235】
水性HF(48〜50%、0.2mL)を、ポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(0.5mL)中の上記の粗生成物4−1−1の溶液に、23℃で添加した。得られた混合物を、23℃で一晩激しく撹拌し、水性KHPO(2.5g、20mLの水に溶解したもの)に注いだ。得られた混合物を、EtOAc(30mL、次に2×10mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに、そのまま次の工程に用いた。
【0236】
上記の粗生成物を、MeOH(2mL)およびジオキサン(1mL)に溶解させた。Pd−C(10重量%、6mg)を23℃で一度に添加した。反応容器を密閉し、フラスコを短時間排気した後、水素ガス(1atm)で一掃することによって、水素でパージした。23℃で4時間撹拌した後、さらにPd−C(10重量%、5mg)を添加した。得られた混合物を、2時間撹拌し、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水およびMeCN、1:1);グラジエント:10分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。7.3〜8.0分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物141(11.9mg)が得られた。生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水およびMeCN、1:1);グラジエント:20分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって再精製した。11.4〜11.8分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物141(8.4mg、3工程で38%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.03(s,1H)、4.81〜4.78(m,1H)、4.07(s,1H)、3.85(t,J=6.4Hz,2H)、3.78(s,3H)、3.27〜3.21(m,1H)、3.03〜2.92(m,8H)、2.40〜2.32(m,1H)、2.20〜2.03(m,5H)、1.66〜1.56(m,1H);MS(ESI)m/z 653.31(M+H)。
【0237】
化合物142
【化23】

CO(14.7mg、0.106mmol、1.6当量)を、MeOH(2mL)と、THF(0.5mL)と、水(0.3mL)との混合物中の粗生成物4−1−1(0.067mmol、1.0当量)の溶液に一度に添加した。得られたオレンジ色の反応混合物を、室温で一晩撹拌した。さらなるKCO(9mg、0.065mmol、0.98当量)、および反応混合物を、室温で一晩撹拌した。次に、反応混合物を塩水(20mL)で希釈し、EtOAc(50mL、次に20mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:10分間にわたって10→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。所望のMWを有する画分を集め、室温でRotaVapで濃縮して、アセトニトリルの大部分を除去した。得られたほぼ水性の溶液をpH7の緩衝液で中和し、EtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、所望の生成物4−3−1(19.3mg、2工程で34%)になるまで濃縮した:H NMR(400MHz、CDCl)δ 15.63(br s,1H)、11.94(br s,1H)、8.67(s,1H)、7.51〜7.48(m,2H)、7.42〜7.32(m,3H)、7.28〜7.22(m,3H)、7.18〜7.16(m,2H)、5.38(s,2H)、5.22、4.52(ABq,J=11.6Hz,2H)、4.60(d,J=6.7Hz,1H)、4.01(d,J=9.8Hz,1H)、3.55(s,3H)、3.51〜3.23(m,3H)、2.95〜2.88(m,1H)、2.64〜2.43(m,8H)、2.24〜1.89(m,5H)、1.59〜1.51(m,1H)、0.80(s,9H)、0.24(s,3H)、0.14(s,3H);MS(ESI)m/z 849.36(M+H)。
【0238】
水性HF(48〜50%、0.2mL)を、ポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(0.5mL)中の化合物4−3−1(9mg、0.011mmol、1.0当量)の溶液に、23℃で添加した。得られた混合物を、23℃で一晩激しく撹拌し、水性KHPO(2.5g、20mLの水に溶解したもの)に注いだ。得られた混合物を、EtOAc(30mL、次に20mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに、そのまま次の工程に用いた。
【0239】
上記の粗生成物を、MeOH(2mL)およびジオキサン(0.5mL)に溶解させた。Pd−C(10重量%、5mg)を23℃で一度に添加した。反応容器を密閉し、フラスコを短時間排気した後、水素ガス(1atm)で一掃することによって、水素でパージした。23℃で25分間撹拌した後、得られた混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水およびMeCN、1:1);グラジエント:10分間にわたって0→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。7.5〜8.7分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物142(1.73mg、一部の生成物は精製の際にこぼされた)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.03(s,1H)、4.56(t,J=6.8Hz,1H)、4.07(s,1H)、3.79(s,3H)、3.49〜3.24(m,3H)、3.03〜2.93(m,8H)、2.60〜2.53(m,1H)、2.19〜2.08(m,5H)、1.67〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 557.27(M+H)。
【0240】
化合物145
【化24】

CO(43.9mg、0.318mmol、3.0当量)を、MeOH(2mL)と、THF(0.5mL)と、水(0.3mL)との混合物中の粗生成物4−1−1(0.106mmol、1.0当量)の溶液に一度に添加した。得られた褐色がかった反応混合物を室温で3時間撹拌し、飽和含水塩化アンモニウムおよびpH7のリン酸緩衝液(1:1、30mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。粗生成物4−3−1をそのまま次の反応に用いた。HCHO(47μL、0.636mmol、6.0当量)、酢酸(18μL、0.318mmol、3.0当量)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(45mg、0.212mmol、2.0当量)を、1,2−ジクロロエタン(3mL)中の上記の粗生成物4−3−1の溶液に、23℃で連続して添加した。35分間撹拌した後、反応混合物を、飽和含水炭酸水素ナトリウムおよびpH7のリン酸緩衝液(1:1、30mL)の添加によって急冷し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:20分間にわたって20→75%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。12.7〜13.6分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、室温でRotaVapで濃縮して、アセトニトリルの大部分を除去した。得られたほぼ水性の溶液を、pH7のリン酸緩衝液で中和し、EtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、所望の生成物4−4−1(44.5mg、3工程で48%)になるまで濃縮した:H NMR(400MHz、CDCl)δ 16.02(br s,1H)、10.09(br s,1H)、8.45(s,1H)、7.50〜7.48(m,4H)、7.40〜7.30(m,6H)、5.35(s,2H)、4.91、4.80(ABq,J=10.4Hz,2H)、3.99(d,J=10.4Hz,1H)、3.87(s,3H)、3.32(dd,J=4.9、15.9Hz,1H)、3.05〜2.91(m,3H)、2.56〜2.41(m,8H)、2.36〜2.23(m,5H)、2.14(d,J=14.6Hz,1H)、1.95〜1.89(m,1H)、1.78〜1.68(m,1H)、1.62〜1.53(m,1H)、1.39〜1.33(m,1H)、0.81(s,9H)、0.26(s,3H)、0.12(s,3H);MS(ESI)m/z 863.56(M+H)。
【0241】
水性HF(48〜50%、0.3mL)を、ポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(0.8mL)中の化合物4−4−1(44.5mg、0.051mmol、1.0当量)の溶液に、23℃で添加した。得られた混合物を、23℃で一晩激しく撹拌し、水性KHPO(3.6g、30mLの水に溶解したもの)に注いだ。得られた混合物を、EtOAc(2×25mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに、そのまま次の工程に用いた。
【0242】
上記の粗生成物を、MeOH(2mL)およびEtOAc(1mL)に溶解させた。Pd−C(10重量%、22mg)を23℃で一度に添加した。反応容器を密閉し、フラスコを短時間排気した後、水素ガス(1atm)で一掃することによって、水素でパージした。23℃で1時間20分撹拌した後、さらなるPd−C(10重量%、10mg)を添加した。得られた混合物を、水素下で2時間撹拌した。次に、MeOH(0.5N、204μL、2.0当量)中のHClの溶液を添加した。得られた反応混合物を、水素下で45分間撹拌し、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水およびMeCN、1:1);グラジエント:10分間にわたって0→35%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。7.3〜8.2分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物145(15.0mg、2工程で46%の収率)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.02(s,1H)、4.36(t,J=7.8Hz,1H)、4.07(s,1H)、3.79(s,3H)、3.78〜3.75(m,1H)、3.28〜3.24(m,2H)、3.03〜2.93(m,11H)、2.73〜2.67(m,1H)、2.30〜2.10(m,5H)、1.67〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 571.36(M+H)。
【0243】
化合物143
【化25】

DMF(0.5mL)を、2−6(50mg、0.066mmol、1.0当量)と、ピペコリン酸(22mg、0.13mmol、2.0当量)と、EDCI(25mg、0.13mmol、2.0当量)と、HOBt(9mg、0.066mmol、1.0当量)との混合物に添加した。得られた赤色の溶液を室温で一晩撹拌し、Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:10分間にわたって10→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。5.8〜7.2分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、所望の生成物4−1−3が、ジアステレオマーの混合物として得られた(25.9mg、45%):H NMR(400MHz、CDCl)δ 15.92(s,0.33H)、15.89(s,0.66H)、8.00(s,0.33H)、7.84(s,0.66H)、7.50〜7.48(m,2H)、7.41〜7.29(m,8H)、5.36〜5.34(m,2H)、4.90〜4.73(m,2H)、4.00〜3.97(m,1H)、3.85(s,1H)、3.72(s,2H)、3.52〜3.23(m,3H)、2.95〜2.82(m,2H)、2.61〜2.43(m,8H)、2.34〜2.12(m,3H)、1.88〜1.38(m,5H)、0.83〜0.80(m,9H)、0.26〜0.24(m,3H)、0.15〜0.13(m,3H);MS(ESI)m/z 863.47(M+H)。
【0244】
水性HF(48〜50%、0.2mL)を、ポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(0.5mL)中の上記の生成物4−1−3(13mg、0.015mmol、1.0当量)の溶液に、23℃で添加した。得られた混合物を、23℃で一晩激しく撹拌し、水性KHPO(2.5g、20mLの水に溶解したもの)に注いだ。得られた混合物を、EtOAc(40mL、次に2×15mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに、そのまま次の工程に用いた。
【0245】
上記の粗生成物を、MeOH(2mL)およびジオキサン(0.5mL)に溶解させた。Pd−C(10重量%、5mg)を23℃で一度に添加した。反応容器を密閉し、フラスコを短時間排気した後、水素ガス(1atm)で一掃することによって、水素でパージした。23℃で1時間30分撹拌した後、反応混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水およびMeCN、1:1);グラジエント:10分間にわたって0→35%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。8.5〜9.3分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物143(2.3mg、2工程で24%の収率)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.03(s,1H)、4.11〜4.06(m,1H)、4.08(s,1H)、3.79(s,3H)、3.48〜3.43(m,1H)、3.28〜3.24(m,1H)、3.08〜2.94(m,9H)、2.37〜2.33(m,1H)、2.20〜2.10(m,2H)、2.03〜1.69(m,5H)、1.67〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 571.25(M+H)。
【0246】
化合物146
【化26】

HCHO(6.7μL、0.09mmol、6.0当量)、酢酸(5.2μL、0.09mmol、6.0当量)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(9.5mg、0.045mmol、3.0当量)を、1,2−ジクロロエタン(1mL)中の化合物4−1−3の溶液に、23℃で連続して添加した。2時間撹拌した後、反応混合物を、飽和含水炭酸水素ナトリウムおよび塩水(1:1、10mL)の添加によって急冷し、DCM(20mL、次に10mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:10分間にわたって10→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。7.1〜7.6分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、所望の生成物4−4−2(6.8mg、51%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 15.83(s,1H)、8.11〜7.84(m,1H)、7.43〜7.18(m,10H)、5.30(s,2H)、5.00〜4.67(m,2H)、3.95〜3.94(m,1H)、3.78〜3.71(m,4H)、3.51〜3.47(m,1H)、3.27〜3.08(m,2H)、2.91〜2.88(m,2H)、2.71〜2.39(m,12H)、2.27〜1.37(m,9H)、0.75(s,9H)、0.19(m,3H)、0.07〜0.05(m,3H);MS(ESI)m/z 877.44(M+H)。
【0247】
水性HF(48〜50%、0.2mL)を、ポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(0.5mL)中の上記の生成物4−4−2(6.8mg、0.0078mmol、1.0当量)の溶液に、23℃で添加した。得られた混合物を、23℃で一晩激しく撹拌し、水性KHPO(2.5g、20mLの水に溶解したもの)に注いだ。得られた混合物を、EtOAc(30mL、次に20mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに、そのまま次の工程に用いた。
【0248】
上記の粗生成物を、MeOH(2mL)およびジオキサン(0.5mL)に溶解させた。Pd−C(10重量%、2mg)を23℃で一度に添加した。反応容器を密閉し、フラスコを短時間排気した後、水素ガス(1atm)で一掃することによって、水素でパージした。23℃で2時間撹拌した後、反応混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水およびMeCN、1:1);グラジエント:10分間にわたって0→35%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。8.2〜8.6分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物146(0.98mg、1:1のジアステレオマー)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.03(s,0.5H)、8.01(s,0.5H)、4.08(s,1H)、4.08〜4.03(m,1H)、3.80(s,3H)、3.58〜3.55(m,1H)、3.26〜3.24(m,1H)、3.20〜3.12(m,1H)、3.03〜2.92(m,11H)、2.34〜2.31(m,1H)、2.20〜2.10(m,2H)、2.03〜1.1.97(m,2H)、1.92〜1.81(m,2H)、1.67〜1.61(m,2H);8.6〜9.1分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物4−5−2(1.16mg、単一のエナンチオマー)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.01(s,1H)、4.08(s,1H)、4.08〜4.04(m,1H)、3.80(s,3H)、3.58〜3.55(m,1H)、3.28〜3.24(m,1H)、3.20〜3.12(m,1H)、3.03〜2.92(m,11H)、2.35〜2.32(m,1H)、2.21〜2.10(m,2H)、2.00〜1.1.97(m,2H)、1.92〜1.82(m,2H)、1.67〜1.61(m,2H);MS(ESI)m/z 585.27(M+H)。
【0249】
鏡像異性的に純粋なピペコリン酸を用いて、化合物146と同様に化合物147および148を調製した。
【0250】
化合物147
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.01(s,1H)、4.10(s,1H)、4.12〜4.08(m,1H)、3.80(s,3H)、3.58〜3.55(m,1H)、3.29〜3.24(m,1H)、3.22〜3.15(m,1H)、3.04〜2.93(m,11H)、2.34〜2.31(m,1H)、2.23〜2.18(m,1H)、2.12(dd,J=13.7、16.0Hz,1H)、1.99〜1.97(m,2H)、1.92〜1.78(m,2H)、1.72〜1.56(m,2H);MS(ESI)m/z 585.52(M+H)。
【0251】
化合物148
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.00(s,1H)、4.09(s,1H)、4.09〜4.06(m,1H)、3.80(s,3H)、3.58〜3.55(m,1H)、3.29〜3.24(m,1H)、3.22〜3.15(m,1H)、3.04〜2.92(m,11H)、2.35〜2.32(m,1H)、2.23〜2.17(m,1H)、2.13(dd,J=13.7、16.0Hz,1H)、2.00〜1.96(m,2H)、1.92〜1.78(m,2H)、1.72〜1.57(m,2H);MS(ESI)m/z 585.56(M+H)。
【0252】
化合物144
【化27】

DCM(0.4M、120μL、0.048mmol、1.2当量)中の1−メチルアゼパン−2−カルボニルクロリド(HCl塩)の溶液を、THF(1mL)中のアニリン2−6(30mg、0.040mmol、1.0当量)の溶液に添加した。得られた薄いオレンジ色の溶液を、室温で10分間撹拌し、さらなる酸塩化物(0.4M/DCM、120μL、0.048mmol、1.2当量)を添加した。得られた混合物を、30分間撹拌し、塩水およびpH7のリン酸緩衝液(1:1、20mL)で希釈した。得られた混合物を、EtOAc(50mL)で抽出した。有機相を分離し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮した。残渣を、Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:8分間にわたって20→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。6.3〜9.0分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、所望の生成物4−1−4(20mg、84%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 15.96(s,1H)、8.44(s,1H)、7.50〜7.44(m,3H)、7.39〜7.29(m,7H)、5.35(s,2H)、4.89、4.80(ABq,J=10.4Hz,2H)、3.98 4.80(d,J=10.4Hz,1H)、3.86(s,3H)、3.32(dd,J=4.9、16.5Hz,1H)、3.09(br s,1H)、2.99〜2.92(m,1H)、2.80〜2.70(m,2H)、2.57〜2.41(m,8H)、2.35〜2.13(m,5H)、2.02〜1.85(m,2H)、1.63〜1.41(m,6H)、0.81(s,9H)、0.27(s,3H)、0.12(s,3H);MS(ESI)m/z 891.74(M+H)。
【0253】
水性HF(48〜50%、0.3mL)を、ポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(0.6mL)中の上記の生成物4−1−4(20mg、0.022mmol、1.0当量)の溶液に、23℃で添加した。得られた混合物を、23℃で一晩激しく撹拌し、水性KHPO(3.6g、25mLの水に溶解したもの)に注いだ。得られた混合物を、EtOAc(30mL、次に20mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに、そのまま次の工程に用いた。
【0254】
上記の粗生成物を、MeOH(1mL)およびHCl/MeOH(0.5N、88μL、2.0当量)に溶解させた。Pd−C(10重量%、8mg)を23℃で一度に添加した。反応容器を密閉し、フラスコを短時間排気した後、水素ガス(1atm)で一掃することによって、水素でパージした。23℃で2時間25分撹拌した後、反応混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水およびMeCN、1:1);グラジエント:10分間にわたって5→35%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。8.0〜8.4分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物144(2.52mg、2工程で17%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.95(s,1H)、4.28(dd,J=3.7、6.4Hz,1H)、4.08(s,1H)、3.80(s,3H)、3.50(t,J=5.0Hz,2H)、3.29〜3.24(m,1H)、3.08〜2.94(m,11H)、2.29〜2.10(m,4H)、2.02〜1.98(m,2H)、1.86〜1.82(m,2H)、1.74〜1.70(m,2H)、1.67〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 599.48(M+H)。
【0255】
実施例5。式II(式中、Yが、−NH−C(O)−(飽和ヘテロシクリル)である)の特定の化合物の合成。
スキーム5は、式IIのさらに他の化合物の合成を示し、式中、Yが、−NH−C(O)−(飽和ヘテロシクリル)である。
スキーム5:
【化28】
【0256】
スキーム5において、Rが、水素、(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、または−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリルを表す。スキーム5によって作製され、後述される化合物の全てについて、Rが水素であり、RおよびRが、それらがそれぞれ結合される炭素および窒素原子と一緒になって、任意選択的に置換された4〜7員の飽和ヘテロシクリルを形成する。しかしながら、このスキーム5が、R、RおよびRがそれぞれ、構造式(I)に定義されるように、R、R5aおよびR5bである化合物を合成するのにも有用であることが当業者には容易に分かるであろう。
【0257】
化合物149
【化29】

DCM(1.0M、69μL、0.069mmol、1.2当量)中の(R)−N−(カルボベンゾキシ)プロリルクロリドの溶液を、THF(1mL)中のアニリン2−6(43.5mg、0.058mmol、1.0当量)の溶液に添加した。得られた薄いオレンジ色の溶液を、室温で3時間撹拌し、塩水(20mL)で希釈した。得られた混合物を、DCM(2×25mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮したところ、粗生成物5−1−1が得られた:MS(ESI)m/z 983.58(M+H)。
【0258】
水性HF(48〜50%、0.2mL)を、ポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(0.5mL)中の上記の粗生成物5−1−1の溶液に、23℃で添加した。得られた混合物を、23℃で一晩激しく撹拌し、水性KHPO(3.6g、30mLの水に溶解したもの)に注いだ。得られた混合物を、EtOAc(40mL、次に2×15mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに、そのまま次の工程に用いた。
【0259】
上記の粗生成物を、MeOH(2mL)およびジオキサン(0.4mL)に溶解させた。Pd−C(10重量%、20mg)を23℃で一度に添加した。反応容器を密閉し、フラスコを短時間排気した後、水素ガス(1atm)で一掃することによって、水素でパージした。23℃で3時間撹拌した後、得られた反応混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水およびMeCN、1:1);グラジエント:10分間にわたって0→35%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。7.5〜8.4分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物149(7.9mg、3工程で49%の収率)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.03(s,1H)、4.58(dd,J=6.9、8.7Hz,1H)、4.10(s,1H)、3.79(s,3H)、3.50〜3.39(m,2H)、3.28〜3.23(m,1H)、3.04〜2.95(m,8H)、2.62〜2.53(m,1H)、2.23〜2.03(m,5H)、1.67〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 557.33(M+H)。
【0260】
化合物151
HCHO(14.4μL、0.052mmol、6.0当量)、TEA(6.1μL、0.044mmol、3.0当量)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(9.2mg、0.044mmol、3.0当量)を、DMF(0.3mL)中の化合物149(9.1mg、0.014mmol、1.0当量)の溶液に、23℃で連続して添加した。15分間撹拌した後、反応混合物を、0.05NのHCl/水で希釈し、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水およびMeCN、1:1);グラジエント:10分間にわたって0→35%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。8.0〜8.8分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、副生成物が混じった化合物5−3−1(MS(ESI)m/z 601.35(M+H))が得られた。生成物をMeOH(0.5mL)に溶解させた。次に、濃HCl(0.5mL)を添加した。得られた混合物を、室温で40分間撹拌し、濃縮した。残渣を、MeCN(1mL)で希釈し、凍結乾燥させた。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラムを用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC(前述したのと同じ方法)によって再精製したところ、所望の生成物化合物151(2.69mg、29%の収率)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.03(s,1H)、4.37(t,J=7.8Hz,1H)、4.08(s,1H)、3.80(s,3H)、3.78〜3.76(m,1H)、3.28〜3.24(m,2H)、3.03〜2.94(m,11H)、2.75〜2.68(m,1H)、2.30〜2.07(m,5H)、1.67〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 571.55(M+H)。
【0261】
化合物150
化合物149と同様に化合物150を調製した。H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.12(s,1H)、5.28(dd,J=7.3、9.2Hz,1H)、4.21〜4.14(m,1H)、4.09(s,1H)、4.07〜4.00(m,1H)、3.81(s,3H)、3.28〜3.24(m,1H)、3.04〜2.90(m,9H)、2.71〜2.62(m,1H)、2.23〜2.09(m,2H)、1.66〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 543.23(M+H)。
【0262】
化合物152
化合物151と同様に化合物152を調製した。H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.10(s,1H)、5.18(t,J=9.2Hz,1H)、4.21〜4.04(m,3H)、3.80(s,3H)、3.26〜3.25(m,1H)、3.05〜2.87(m,12H)、2.69〜2.59(m,1H)、2.22〜2.10(m,2H)、1.68〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 557.35(M+H)。
【0263】
実施例6。式II(式中、Yが、−NH−S(O)−(C〜Cアルキル)、−NH−S(O)−(C〜Cアルキレン)−N(R)(R)、−NH−S(O)−N(R)(R)、−NH−S(O)−ヘテロシクリル、−NH−S(O)−カルボシクリル、および−NH−S(O)−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルである)の特定の化合物の合成。
スキーム6:
【化30】

スキーム6において、Rが、−(C〜Cアルキル)、−(C〜Cアルキレン)−N(R)(R)、−N(R)(R)、−ヘテロシクリル、−カルボシクリル、または−(C〜C)アルキレン−カルボシクリルを表す。
【0264】
化合物153
化合物2−6(28mg、0.038mmol)を、CHCl(0.2mL)に溶解させた。塩化ベンゼンスルホニル(14.4μL、0.11mmol、3当量)およびピリジン(15.3μL、0.19mmol、5当量)を添加した。得られた混合物を室温で撹拌し、反応物をLC−MSによって監視した。SMを完全に使い切った後、反応混合物をEtOAcで希釈した。有機溶液を、水、1NのHClおよび塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮したところ、粗製の6−1(式中、Rがベンゼンである)(6−1−1)が得られた。Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:15分間にわたって80→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。7.50〜8.95分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、室温でRotaVapで濃縮して、アセトニトリルの大部分を除去した。得られたほぼ水性の溶液をEtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、純粋な6−1−1が得られた。
【0265】
プラスチックバイアル中で、6−1−1を、CHCN(1mL)に溶解させた。水性HF(48%、0.25mL)を添加した。室温で16時間撹拌した後、反応混合物を、KHPO(1.75g)の水溶液(12.5mL)に注いだ。得られた混合物をEtOAcで3回抽出した。組み合わせた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮したところ、粗生成物6−2−1が得られた。
【0266】
粗製の6−2−1を、MeOH(155μL、2当量)中の0.5NのHClに溶解させた。余分な揮発性物質を蒸発させた。予め形成されたHCl塩をMeOH(2.0mL)に再溶解させ、得られた溶液にパラジウム炭素(10重量%、9.0mg、30% w/w)を添加した。反応フラスコを短時間排気し、水素を補充した。反応混合物を室温で撹拌し、LC−MSによって監視した。SMを使い切った後、混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗製の化合物153が得られ、これを、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。13.50〜14.65分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.78(d,J=7.8Hz,2H)、7.56(t,J=7.8Hz,1H)、7.45(t,J=7.8Hz,2H)、7.38(s,1H)、4.02(s,1H)、3.76(s,3H)、3.30〜3.15(m,1H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.18〜2.01(m,2H)、1.62〜1.52(m,1H);MS(ESI)m/z 600.2(M+H)、C283010Sについての計算値600.16。
【0267】
化合物154
メタンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物154を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。8.24〜9.25分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.38(s,1H)、4.08(s,1H)、3.79(s,3H)、3.30〜3.15(m,1H)、3.10〜2.90(m,11H)、2.20〜2.05(m,2H)、1.66〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 538.5(M+H)、C232810Sについての計算値538.14。
【0268】
化合物155
トリフルオロメタンスルホン酸無水物を用いて、化合物153の手順によって化合物155を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって20→70%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。7.70〜8.58分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.28(s,1H)、4.08(s,1H)、3.79(s,3H)、3.30〜3.15(m,1H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.20〜2.10(m,2H)、1.66〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 592.4(M+H)、C232510Sについての計算値592.11。
【0269】
化合物156
3−メトキシベンゼンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物156を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。11.85〜12.95分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.40〜7.30(m,4H)、7.10(br s,1H)、4.08(s,1H)、3.76(s,6H)、3.25〜3.10(m,1H)、3.00〜2.85(m,8H)、2.18〜2.00(m,2H)、1.66〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 630.4(M+H)、C293211Sについての計算値630.17。
【0270】
化合物157
2−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物157を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。11.84〜12.74分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.77(t,J=7.3Hz,1H)、7.65〜7.56(m 1H)、7.33(s,1H)、7.26〜7.20(m,2H)、4.06(s,1H)、3.74(s,3H)、3.22〜3.12(m,1H)、3.06〜2.85(m,8H)、2.20〜2.00(m,2H)、1.66〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 618.4(M+H)、C2829FN10Sについての計算値618.15。
【0271】
化合物158
p−ニトロベンゼンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物158を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。11.15〜12.05分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.88(d,J=7.8Hz,2H)、7.44〜7.39(m 3H)、4.09(s,1H)、3.79(s,3H)、3.22〜3.12(m,1H)、3.06〜2.85(m,8H)、2.20〜2.00(m,2H)、1.66〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 615.4(M+H)、C283110Sについての計算値615.17。
【0272】
化合物159
3−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物159を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。14.00〜15.10分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.60〜7.43(m,3H)、7.37(s,1H)、7.32(t,J=7.8Hz,1H)、4.07(s,1H)、3.78(s,3H)、3.22〜3.12(m,1H)、3.08〜2.88(m,8H)、2.20〜2.00(m,2H)、1.62〜1.52(m,1H);MS(ESI)m/z 618.4(M+H)、C2829FN10Sについての計算値618.15。
【0273】
化合物160
4−メチルベンゼンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物160を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。13.80〜15.30分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.63(d,J=7.8Hz,2H)、7.35(s,1H)、7.23(d,J=7.8Hz,2H)、4.06(s,1H)、3.74(s,3H)、3.25〜3.10(m,1H)、3.06〜2.85(m,8H)、2.34(s,3H)、2.18〜2.00(m,2H)、1.60〜1.50(m,1H);MS(ESI)m/z 614.5(M+H)、C293210Sについての計算値614.17。
【0274】
化合物161
4−メトキシベンゼンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物161を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。13.20〜15.00分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.69(d,J=7.8Hz,2H)、7.36(s,1H)、6.93(d,J=7.8Hz,2H)、4.07(s,1H)、3.80(s,3H)、3.76(s,3H)、3.25〜3.12(m,1H)、3.08〜2.85(m,8H)、2.18〜2.00(m,2H)、1.61〜1.52(m,1H);MS(ESI)m/z 630.4(M+H)、C293211Sについての計算値630.17。
【0275】
化合物162
2−ニトロベンゼンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物162を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。13.00〜14.50分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.62(d,J=7.8Hz,1H)、7.55(t,J=7.8Hz,1H)、7.31(m,2H)、7.14(t,J=7.8Hz,1H)、4.08(s,1H)、3.78(s,3H)、3.22〜3.12(m,1H)、3.06〜2.85(m,8H)、2.22〜2.00(m,2H)、1.61〜1.51(m,1H);MS(ESI)m/z 615.4(M+H)、C283110Sについての計算値615.17。
【0276】
化合物163
3−ニトロベンゼンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物163を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。9.60〜11.00分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.90(d,J=7.8Hz,1H)、7.83(s,1H)、7.67〜7.60(m,2H)、7.40(s,1H)、4.09(s,1H)、3.80(s,3H)、3.22〜3.12(m,1H)、3.06〜2.85(m,8H)、2.22〜2.00(m,2H)、1.61〜1.51(m,1H);MS(ESI)m/z 615.4(M+H)、C283110Sについての計算値615.17。
【0277】
化合物164
1−メチルイミダゾール−4−スルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物164を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→50%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。9.85〜11.00分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.77(s,1H)、7.99(s,1H)、7.36(s,1H)、4.08(s,1H)、3.88(s,3H)、3.81(s,3H)、3.30〜3.22(m,1H)、3.06〜2.85(m,8H)、2.22〜2.00(m,2H)、1.61〜1.51(m,1H);MS(ESI)m/z 604.4(M+H)、C263010Sについての計算値604.16。
【0278】
化合物165
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物165を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→50%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。11.85〜13.00分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.64(d,J=2.3Hz,1H)、7.45(s,1H)、6.62(d,J=2.3Hz,1H)、4.07(s,1H)、3.88(s,3H)、3.77(s,3H)、3.22〜3.14(m,1H)、3.06〜2.85(m,8H)、2.22〜2.00(m,2H)、1.63〜1.53(m,1H);MS(ESI)m/z 604.4(M+H)、C263010Sについての計算値604.16。
【0279】
化合物166
イソブタンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物166を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。12.80〜14.00分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.35(s,1H)、4.08(s,1H)、3.78(s,3H)、3.30〜3.20(m,1H)、3.08〜2.90(m,10H)、2.30〜2.10(m,3H)、1.66〜1.55(m,1H)、1.05(d,J=6.8Hz、6H);MS(ESI)m/z 580.5(M+H)、C263410Sについての計算値580.19。
【0280】
化合物167
フラン−2−スルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物167を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。12.55〜13.60分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.69(s,1H)、7.33(s,1H)、6.96(d,J=3.6Hz,1H)、6.51(t,J=1.8Hz,1H)、4.06(s,1H)、3.77(s,3H)、3.25〜3.12(m,1H)、3.08〜2.85(m,8H)、2.18〜2.00(m,2H)、1.61〜1.52(m,1H);MS(ESI)m/z 590.4(M+H)、C262811Sについての計算値590.14。
【0281】
化合物168
フェニルメタンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物168を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。13.90〜15.50分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.38〜7.34(m,2H)、7.28〜7.26(m,3H)、7.13(s,1H)、4.45(s,2H)、4.07(s,1H)、3.68(s,3H)、3.25〜3.12(m,1H)、3.08〜2.85(m,8H)、2.18〜2.00(m,2H)、1.61〜1.52(m,1H);MS(ESI)m/z 614.5(M+H)、C293210Sについての計算値614.17。
【0282】
化合物169
エタンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物169を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→50%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。12.05〜13.20分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.36(s,1H)、4.08(s,1H)、3.78(s,3H)、3.30〜3.20(m,1H)、3.10〜2.85(m,10H)、2.22〜2.05(m,2H)、1.65〜1.55(m,1H)、1.36(t,J=7.3Hz,3H);MS(ESI)m/z 552.4(M+H)、C243010Sについての計算値552.16。
【0283】
化合物170
1−プロパンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物170を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。11.75〜12.80分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.35(s,1H)、4.08(s,1H)、3.78(s,3H)、3.30〜3.20(m,1H)、3.10〜2.85(m,10H)、2.22〜2.05(m,2H)、1.88〜1.82(m,2H)、1.65〜1.55(m,1H)、1.00(t,J=7.3Hz,3H);MS(ESI)m/z 566.5(M+H)、C253210Sについての計算値566.17。
【0284】
化合物171
1−ブタンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物171を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。13.05〜13.95分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.36(s,1H)、4.07(s,1H)、3.78(s,3H)、3.30〜3.20(m,1H)、3.10〜2.85(m,10H)、2.22〜2.05(m,2H)、1.83〜1.78(m,2H)、1.65〜1.55(m,1H)、1.44〜1.38(m,2H)、0.90(t,J=7.3Hz,3H);MS(ESI)m/z 580.5(M+H)、C263410Sについての計算値580.19。
【0285】
化合物172
1−ヘキサンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物172を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→65%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。14.85〜15.30分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.37(s,1H)、4.08(s,1H)、3.79(s,3H)、3.30〜3.20(m,1H)、3.10〜2.85(m,10H)、2.22〜2.05(m,2H)、1.85〜1.78(m,2H)、1.65〜1.55(m,1H)、1.44〜1.25(m,6H)、0.88(t,J=7.3Hz,3H);MS(ESI)m/z 608.5(M+H)、C283810Sについての計算値608.22。
【0286】
化合物173
2,2,2−トリフルオロエタンスルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物173を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→50%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。14.10〜15.20分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.29(s,1H)、4.18(q,J=9.6Hz,2H)、4.08(s,1H)、3.79(s,3H)、3.30〜3.20(m,1H)、3.10〜2.85(m,8H)、2.22〜2.05(m,2H)、1.65〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 606.4(M+H)、C242710Sについての計算値606.13。
【0287】
化合物174
ジメチルスルファモイルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物174を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって20→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。10.00〜11.10分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.41(s,1H)、4.07(s,1H)、3.78(s,3H)、3.30〜3.20(m,1H)、3.10〜2.85(m,8H)、2.77(s,6H)、2.22〜2.05(m,2H)、1.65〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 567.4(M+H)、C243110Sについての計算値567.17。
【0288】
化合物175
溶媒としてDMFを用いて、化合物153の手順によって化合物175を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって5→30%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。11.90〜13.05分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.53(s,1H)、7.35(s,1H)、4.10(s,1H)、3.85(s,3H)、3.43(s,3H)、3.32(s,3H)、3.30〜3.20(m,1H)、3.10〜2.85(m,8H)、2.26〜2.10(m,2H)、1.65〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 515.4(M+H)、C2531についての計算値515.21。
【0289】
化合物176
化合物176(9.0mg、0.0015mmol)を、MeOH(2.0mL)に溶解させ、得られた溶液に、パラジウム炭素(10重量%、5.0mg)を添加した。反応フラスコを短時間排気し、水素を補充した。次に、ホルムアルデヒド(0.1mL、1.34mmol)を添加した。反応混合物を室温で撹拌し、LC−MSによって監視した。SMを使い切った後、混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗生成物が得られ、これを、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。12.60〜13.25分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物6−3−24が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.66(s,1H)、7.58〜7.45(m,3H)、7.40(s,1H)、4.06(s,1H)、3.79(s,3H)、3.25〜3.15(m,1H)、3.12(s,6H)、3.06〜2.90(m,8H)、2.26〜2.10(m,2H)、1.65〜1.55(m,1H)MS(ESI)m/z 643.5(M+H)、C3035Sについての計算値643.20。
【0290】
化合物177
ピリジン−2−スルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物177を得た:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.60(d,J=4.6Hz,1H)、7.95〜8.10(m,2H)、7.65〜7.75(m,1H)、7.48(s,1H)、4.04(s,1H)、3.79(s,3H)、2.75〜3.50(m,9H)、2.00〜2.20(m,2H)、1.52〜1.70(m,1H);MS(ESI)m/z 601.1(M+H)、C272910Sについての計算値601.16。
【0291】
化合物178
ピリジン−3−スルホニルクロリドを用いて、化合物153の手順によって化合物178を得た:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.35(s,1H)、4.08(s,1H)、3.80(s,3H)、2.80〜3.90(m,14H)、1.90〜2.40(m,5H)、1.55〜1.80(m,2H);MS(ESI)m/z 607.3(M+H)、C273510Sについての計算値607.21。
【0292】
化合物179
【化31】

ジクロロエタン(1mL)中の2−6(38mg、0.05mmol)の溶液に、ピリジン(6.1μL、0.075mmol、1.5当量)および2−クロロエタンスルホニルクロリド(6.9μL、0.65mmol、1.3当量)を添加した。18時間後、溶液を、2時間にわたって45℃まで加熱し、次に、周囲温度まで冷ました。さらなるピリジン(12.2μL、0.15mmol、3当量)および2−クロロエタンスルホニルクロリド(15.7μL、0.15mmol、3当量)を添加し、反応物を、21時間にわたって45℃まで加熱した。ピロリジン(41μL、0.500mmol、10当量)を反応混合物に添加し、反応物を45℃まで加熱した。4時間後、反応物を冷まし、さらなるピロリジンを添加し(82μL、1.00mmol、20当量)、反応物を、24時間にわたって45℃まで加熱した。反応混合物を、水性のpH7のリン酸緩衝液(3mL)および塩水(2mL)に注ぎ、混合物をEtOAc(2×10mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮したところ、油が得られた。この粗混合物の分取逆相HPLC精製を、Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4×3.6〜4.2mL(CHCN);グラジエント:12分間にわたって88→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。3.0〜3.4分および12.6〜13.2分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、それぞれ5.3mgの6−1−27a(12%)および2.8mgの6−1−27b(6%)が得られた。
6−1−27a:H NMR(400MHz、CDCl)δ 15.9(s,1H)、8.18(s,1H)、7.52〜7.30(m,11H)、5.41〜5.31(m,2H)、4.95(d,J=10.4Hz,1H)、4.82(d,J=10.4Hz,1H)、3.92(d,J=10.4Hz,1H)、3.86(s,3H)、3.37〜3.30(m,3H)、3.21〜3.09(m,2H)、3.05〜2.94(m,1H)、2.88〜2.74(m,4H)、2.62〜2.52(m,1H)、2.55〜2.42(m,6H)、2.38〜2.30(m,1H)、2.20〜2.14(m,1H)、1.91〜1.78(m,4H)、0.84(s,9H)、0.30(s,3H)、0.15(s,3H);MS(ESI)m/z 913.69(M+H)。
【0293】
プラスチックバイアル中のアセトニトリル(1.0mL)中の6−1−27a(5.3mg、0.0058mmol、1当量)の溶液に、フッ化水素(50%、250μL)の水溶液を添加した。20時間後、反応溶液を、KHPO(30mL中3.2g)の水溶液で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。組み合わせた有機層を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮したところ、粗生成物が得られた。パラジウム炭素(10%、7mg)を、ジオキサン:メタノール(1:1、1mL)中のこの粗製油の溶液に添加した。フラスコは隔壁を備えており、このフラスコを、水素ガスで3回排気およびバックフィルした。水素ガスを、反応溶液を通して3分間バブリングさせ、反応混合物を、水素ガスの雰囲気(バルーン)下で2時間撹拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過して、パラジウム触媒を除去し、減圧下で濃縮した。得られた油の分取逆相HPLC精製を、Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:水に溶かした0.05NのHCl、溶媒B:CHCN;注入量:4.8mL(水に溶かした0.05NのHCl);15分間かけて20→80%のBでのグラジエント溶離、次に、100%で5分間保持;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムで行った。7.45〜8.5分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、0.65mgの化合物179(18%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.31(s,1H)、4.09(s,1H)、3.81〜3.65(m,6H)、3.60〜3.55(m,1H)、3.21〜2.90(m,14H)、2.25〜2.00(m,5H)、1.72〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 621.38(M+H)。
【0294】
実施例7。式II(式中、Yが−NH(R)であり、Rが、−(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキレン−カルボシクリル、および−(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリルから選択される)の化合物の合成。
スキーム7:
【化32】

スキーム7において、−CH−RがRを表す。
【0295】
化合物180
化合物2−6(20mg、0.026mmol)を、1,2−ジクロロエタン(1.0mL)に溶解させた。プロピオンアルデヒド(2.9μL、0.040mmol、1.5当量)を添加した後、酢酸(7.6μL、0.13mmol、5当量)を添加した。室温で1時間撹拌した後、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(16.9mg、0.080mmol、3当量)を添加した。撹拌をさらに2時間続けた。反応混合物を、pH=7の緩衝液および飽和NaHCO溶液に注ぎ、EtOAcで3回抽出した。組み合わせた有機抽出物を、塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮したところ、粗製の7−1(式中、−CH−Rがn−プロピルである)(7−1−1)が得られ、これを精製せずにそのまま次の工程に用いた。
【0296】
プラスチックバイアル中で、7−1−1をCHCN(1mL)に溶解させた。水性HF(48%、0.25mL)を添加した。室温で16時間撹拌した後、反応混合物を、KHPO(1.75g)の水溶液(12.5mL)に注いだ。得られた混合物を、CHClで3回抽出した。組み合わせた有機相を、塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮したところ、粗製の7−2(式中、−CH−Rがn−プロピルである)(7−2−1)が得られた。
【0297】
粗製の7−2−1を、MeOH(105μL、2当量)中の0.5NのHClに溶解させた。余分な揮発性物質を蒸発させた。予め形成されたHCl塩を、MeOH(2.0mL)に再溶解させ、得られた溶液に、パラジウム炭素(10重量%、7.0mg、30% w/w)を添加した。反応フラスコを短時間排気し、水素を補充した。反応混合物を室温で撹拌し、LC−MSによって監視した。SMを使い切った後、混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗生成物が得られ、これを、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。6.80〜7.70分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物180が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.30(s,1H)、4.10(s,1H)、3.86(s,3H)、3.40〜3.25(m,3H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.26〜2.16(m,2H)、1.85〜1.75(m,2H)、1.62〜1.52(m,1H)、1.06(t,J=7.3Hz,3H);MS(ESI)m/z 502.4(M+H)、C2532についての計算値502.21。
【0298】
化合物181
イソバレルアルデヒドを用いて、化合物180の手順によって化合物181を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→50%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。10.40〜11.75分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.38(s,1H)、4.10(s,1H)、3.87(s,3H)、3.50〜3.40(m,2H)、3.35〜3.30(m,1H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.26〜2.16(m,2H)、1.80〜1.58(m,4H)、0.98(d,J=6.4Hz、6H);MS(ESI)m/z 530.4(M+H)、C2736についての計算値530.24。
【0299】
化合物182
2−メチルブチルアルデヒドを用いて、化合物180の手順によって化合物182を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→50%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。11.80〜12.90分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.37(s,1H)、4.10(s,1H)、3.86(s,3H)、3.40〜3.20(m,3H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.26〜2.16(m,2H)、1.95〜1.85(m,1H)、1.70〜1.55(m,2H)、1.40〜1.30(m,1H)、1.12(d,J=6.4Hz,3H)、0.98(t,J=7.3Hz,3H);MS(ESI)m/z 530.4(M+H)、C2736についての計算値530.24。
【0300】
化合物183
シクロプロパンカルボキシアルデヒドを用いて、化合物180の手順によって化合物183を得た。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→50%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。10.40〜11.75分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.37(s,1H)、4.10(s,1H)、3.87(s,3H)、3.35〜3.30(m,3H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.26〜2.16(m,2H)、1.70〜1.58(m,1H)、1.25〜1.16(m,1H)、0.76〜0.70(m,2H)、0.46〜0.42(m,2H);MS(ESI)m/z 514.4(M+H)、C2632についての計算値514.21。
【0301】
化合物184
化合物2−6(32mg、0.042mmol)を、1,2−ジクロロエタン(1.0mL)に溶解させた。N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−プロリナル(12μL、0.064mmol、1.5当量)を添加した後、酢酸(12μL、0.21mmol、5当量)を添加した。室温で1時間撹拌した後、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(27mg、0.13mmol、3当量)を添加した。撹拌をさらに2時間続けた。反応混合物を、pH=7の緩衝液および飽和NaHCO溶液に注ぎ、EtOAcで3回抽出した。組み合わせた有機抽出物を、塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮したところ、粗製の7−1(式中、Rがピロリジン−2−イルである)(7−1−5)が得られ、これを精製せずにそのまま次の工程に用いた。
【0302】
上記の得られた化合物7−1−5を、無水ジオキサン(1mL)に溶解させた。ジオキサン(4M、1mL)中のHClの溶液を室温で添加した。得られた混合物を室温で撹拌し、反応物をLC−MSによって監視した。SMを完全に使い切った後、揮発性物質を蒸発させた。残渣をEtOAc中に懸濁し、飽和NaHCO、塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:10分間にわたって0→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。7.08〜8.00分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、室温でRotaVapで濃縮して、アセトニトリルの大部分を除去した。得られたほぼ水性の溶液をEtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮した。残渣を、プラスチックバイアル中のCHCN(1mL)に溶解させた。水性HF(48%、0.25mL)を添加した。室温で16時間撹拌した後、反応混合物を、KHPO(1.75g)の水溶液(12.5mL)に注いだ。得られた混合物をEtOAcで3回抽出した。組み合わせた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮したところ、粗生成物7−2(式中、Rがピロリジン−2−イルである)(7−2−5)が得られた。
【0303】
粗製の7−2−5を、MeOH(105μL、3当量)中の0.5NのHClに溶解させた。余分な揮発性物質を蒸発させた。予め形成されたHCl塩を、MeOH(2.0mL)に再溶解させ、得られた溶液に、パラジウム炭素(10重量%、7.0mg、30% w/w)を添加した。反応フラスコを短時間排気し、水素を補充した。反応混合物を室温で撹拌し、LC−MSによって監視した。SMを使い切った後、混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗製の化合物184が得られ、これを、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって10→40%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。9.95〜10.05分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.30(s,1H)、4.10(s,1H)、3.86(s,3H)、3.40〜3.25(m,3H)、3.10〜2.90(m,8H)、2.26〜2.16(m,2H)、1.85〜1.75(m,2H)、1.62〜1.52(m,1H)、1.06(t,J=7.3Hz,3H);MS(ESI)m/z 543.4(M+H)、C2735についての計算値543.24。
【0304】
化合物185
3,3−ジメチルブチルアルデヒドを用いて、化合物180の手順によって化合物185を得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.24(s,1H)、4.09(s,1H)、3.85(s,3H)、3.35〜3.45(m,2H)、2.95〜3.10(m,9H)、2.12〜2.25(m,2H)、1.65〜1.72(m,3H)、0.98(s,9H);MS(ESI)m/z 544.4(M+H)、C2838についての計算値544.23。
【0305】
化合物186
tert−ブチル−N(Cbz)CHCHOを用いて、化合物180の手順によって化合物186を得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ 6.95(s,1H)、4.07(s,1H)、3.81(s,3H)、3.64(t,J=6.5Hz,2H)、3.20(dd,J=3.9、14.2Hz,1H)、3.03(s,3H)、2.95(s,3H)、2.90〜3.10(m,4H)、2.15〜2.20(m,1H)、2.01〜2.13(m,1H)、1.55〜1.65(m,1H)、1.41(s,9H);MS(ESI)m/z 559.2(M+H)、C2839についての計算値559.28。
【0306】
実施例8。式II(式中、Yが、−(C〜C)アルキレン−N(R)(R)、−CH=N−OR、または−C(O)−N(R)(R)である)の化合物の合成。
スキーム8:
【化33】

フェニル2−(ベンジルオキシ)−3−ブロモ−5−メトキシ−6−メチルベンゾエート(8−2)。
HOAc(2mL)中のBr(0.328mL、6.4mmol、1.1当量)の溶液を、HOAc(10mL)中のフェノール1−4(1.50g、5.8mmol、1.0当量)の溶液に、10℃で滴下して添加した。次に、得られた赤色の溶液を室温で50分間撹拌し、HOAc(0.2mL)中のさらなるBr(30μL、0.58mmol、0.1当量)を添加した。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を氷水(80mL)に注ぎ、EtOAc(150mL)で希釈した。有機相を分離し、水(4×75mL)で洗浄した。得られた有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮したところ、褐色がかった固体が得られた。粗生成物をそのまま次の反応に用いた。KCO(1.60g、11.6mmol、2.0当量)を、アセトン(30mL)中の上記の生成物の溶液に添加した。次に、BnBr(1.03mL、8.7mmol、1.5当量)を添加した。得られた反応混合物を、室温で20時間撹拌し、45分間50℃で加熱した。次に、反応物を室温まで冷まし、ろ過した。ろ液を濃縮し、残渣を、EtOAcおよび水で希釈した。有機相を分離し、塩水で洗浄した。得られた有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(2〜4%のEtOAc/ヘキサン)によって精製したところ、8−2(1.79g、2工程で72%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.51〜7.49(m,2H)、7.39〜7.33(m,5H)、7.26〜7.22(m,1H)、7.10(s,1H)、7.07〜7.05(m,2H)、5.08(s,2H)、3.85(s,3H)、2.26(s,3H);MS(ESI)m/z 425.26、427.32(M−H)。
【0307】
フェニル2−(ベンジルオキシ)−3−ホルミル−5−メトキシ−6−メチルベンゾエート(8−3)。
無水THF(1mL)中の8−2(76mg、0.178mmol、1.0当量)の溶液に、THF(1.2M、252μL、0.303mmol、1.7当量)中のi−PrMgCl・LiClの溶液を、N雰囲気下で0℃で滴下して添加した。得られた反応混合物を、室温で1時間20分撹拌した。次に、DMF(47μL、0.606mmol、3.0当量)を添加した。反応物を、室温で5分間撹拌し、飽和含水NHClによって急冷した。得られた混合物を、EtOAc(30mL)で2回抽出した。有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(2〜5%のEtOAc/ヘキサン)によって精製したところ、8−3(55.5mg、83%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 10.14(s,1H)、7.41〜7.34(m,7H)、7.33(s,1H)、7.28〜7.25(m,1H)、7.13〜7.11(m,2H)、5.12(s,2H)、3.89(s,3H)、2.39(s,3H);MS(ESI)m/z 375.33(M−H)。
【0308】
フェニル2−(ベンジルオキシ)−3−((tert−ブチルイミノ)メチル)−5−メトキシ−6−メチルベンゾエート(8−4)。
tert−ブチルアミン(78μL、0.738mmol、5.0当量)を、トルエン(1mL)中の8−3(55.5mg、0.147mmol、1.0当量)の溶液に添加した。得られた反応混合物を、室温で一晩撹拌し、次に、トルエン(5mL)で希釈し、濃縮し、高真空下で乾燥させた。粗生成物8−4をそのまま次の反応に用いた。H NMR(400MHz、CDCl)δ 8.63(s,1H)、7.64(s,1H)、7.50〜7.44(m,7H)、7.38〜7.34(m,1H)、7.24〜7.22(m,2H)、5.09(s,2H)、4.02(s,3H)、2.45(s,3H)、1.34(s,9H);MS(ESI)m/z 432.39(M+H)。
【0309】
(4aS,11aR,12aS,13S)−3,7−ビス(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−5−ヒドロキシ−10−メトキシ−4,6−ジオキソ−4,4a,6,11,11a,12,12a,13−オクタヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−8−カルバルデヒド(8−5)。
THF(1.5mL)中の上記の粗製のイミン8−4の溶液を、THF(1mL)中のLDA(1.8M、90μL、0.162mmol、1.1当量)およびTMEDA(24μL、0.162mmol、1.1当量)の溶液に、−78℃でカニューレを介して滴下して添加した。得られた赤色の溶液を、その温度で5分間撹拌した。THF(2mL)中のエノン1−6(57mg、0.118mmol、0.8当量)の溶液を非常にゆっくりと添加した。得られた淡黄色の溶液を、−78℃で5分間撹拌した。THF(1.0M、147μL、0.147mmol、1.0当量)中のLHMDSの溶液を添加した。次に、得られた反応混合物を、40分間にわたって−20℃まで温めた。飽和含水NHClを添加した。得られた混合物を室温で5分間撹拌し、EtOAc(30mL)で抽出した。有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:10分間にわたって10→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。イミン生成物およびアルデヒド生成物の所望のMWを有する画分を集め、覆いの中で一晩静置し、濃縮したところ、所望のアルデヒド生成物8−5(62.4mg、69%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 15.86(br s,1H)、10.12(s,1H)、7.50〜7.48(m,2H)、7.39〜7.29(m,9H)、5.36(s,2H)、5.02、4.93(ABq,J=11.0Hz,2H)、3.97(d,J=11.0Hz,1H)、3.88(s,3H)、3.42(dd,J=4.9、16.5Hz,1H)、3.04〜2.96(m,1H)、2.59〜2.56(m,1H)、2.52〜2.44(m,7H)、2.37(t,J=15.9Hz,1H)、2.18(d,J=14.6Hz,1H)、0.82(s,9H)、0.28(s,3H)、0.14(s,3H);MS(ESI)m/z 765.52(M+H)。
【0310】
化合物190
THF(2.0M、122μL、0.24mmol、6.0当量)、酢酸(14μL、0.24mmol、6.0当量)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(17mg、0.08mmol、2.0当量)中のメチルアミンの溶液を、1,2−ジクロロエタン(1mL)中の化合物8−5(31mg、0.040mmol、1.0当量)の溶液に、23℃で連続して添加した。3時間撹拌した後、反応混合物を、飽和含水炭酸水素ナトリウム(2mL)およびpH7のリン酸緩衝液(10mL)の添加によって急冷し、ジクロロメタン(2×25mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣をそのまま次の反応に用いた。
【0311】
水性HF(48〜50%、0.3mL)を、ポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(0.6mL)中の上記の粗生成物の溶液に、23℃で添加した。得られた混合物を、23℃で一晩激しく撹拌し、水性KHPO(3.6g、25mLの水に溶解したもの)に注いだ。得られた混合物を、EtOAc(30mL、次に20mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに、そのまま次の工程に用いた。
【0312】
上記の粗生成物を、MeOH(1mL)およびHCl/MeOH(0.5N、80μL、2.0当量)に溶解させた。Pd−C(10重量%、10mg)を23℃で一度に添加した。反応容器を密閉し、フラスコを短時間排気した後、水素ガス(1atm)で一掃することによって、水素でパージした。23℃で40分間撹拌した後、反応混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水およびMeCN、1:1);グラジエント:15分間にわたって15→35%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。5.2〜7.1分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物190(11.6mg、3工程で52%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.39(s,1H)、4.25(s,2H)、4.11(s,1H)、3.84(s,3H)、3.32〜3.27(m,1H)、3.04〜2.96(m,8H)、2.73(s,3H)、2.24〜2.20(m,1H)、2.14(dd,J=13.7、16.0Hz,1H)、1.66〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 488.35(M+H)。
【0313】
適切なアミンNHRを8−5とカップリングさせて、化合物190と同様に以下の化合物を調製した。
【0314】
化合物191
H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.43(s,1H)、4.28(s,2H)、4.11(s,1H)、3.85(s,3H)、3.33〜3.28(m,1H)、3.05〜2.97(m,8H)、2.92(d,J=7.3Hz,2H)、2.25〜2.06(m,3H)、1.67〜1.58(m,1H)、1.05(d,J=6.4Hz、6H);MS(ESI)m/z 530.31(M+H)。
【0315】
化合物192
H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.42(s,1H)、4.33(s,2H)、4.10(s,1H)、3.85(s,3H)、3.34〜3.29(m,1H)、3.04〜2.96(m,8H)、2.87(s,2H)、2.24〜2.13(m,2H)、1.68〜1.58(m,1H)、1.05(s,9H);MS(ESI)m/z 544.55(M+H)。
【0316】
化合物193
H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.46(s,1H)、4.64〜4.60(m,1H)、4.18(d,J=12.8Hz,1H)、4.12(s,1H)、3.86(s,3H)、3.33〜3.30(m,1H)、3.16〜2.97(m,10H)、2.84(s,3H)、2.30〜2.12(m,3H)、1.67〜1.58(m,1H)、1.12〜1.05(m,6H);MS(ESI)m/z 544.34(M+H)。
【0317】
化合物194
H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.54(s,1H)、4.63〜4.58(m,1H)、4.30(d,J=12.8Hz,1H)、4.11(s,1H)、3.86(s,3H)、3.34〜3.27(m,1H)、3.11(dd,J=1.8、13.7Hz,1H)、3.04〜2.96(m,12H)、2.24〜2.11(m,2H)、1.67〜1.58(m,1H)、1.07(d,J=5.5Hz、9H);MS(ESI)m/z 558.35(M+H)。
【0318】
化合物195
H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.43(s,1H)、4.37(s,2H)、4.11(s,1H)、3.85(s,3H)、3.33〜3.28(m,1H)、3.04〜2.96(m,8H)、2.90(s,3H)、2.89(s,3H)、2.24〜2.21(m,1H)、2.14(dd,J=14.2、16.5Hz,1H)、1.66〜1.56(m,1H);MS(ESI)m/z 502.37(M+H)。
【0319】
化合物196
H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.42(s,1H)、4.18〜4.27(m,2H)、4.09(s,1H)、3.86(s,3H)、3.78〜3.90(m,2H)、2.95〜3.40(m,7H)、2.10〜2.25(m,2H)、1.55〜1.70(m,1H)、1.48(s,9H);MS(ESI)m/z 530.3(M+H)。
【0320】
化合物197
【化34】

水性HF(48〜50%、0.2mL)を、ポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(0.5mL)中のアルデヒド8−5(24mg、0.031mmol、1.0当量)の溶液に、23℃で添加した。得られた混合物を、23℃で一晩激しく撹拌し、水性KHPO(3.6g、25mLの水に溶解したもの)に注いだ。得られた混合物を、EtOAc(30mL、次に20mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに、そのまま次の工程に用いた。
【0321】
上記の粗生成物を、MeOH(1mL)およびHCl/MeOH(0.5N、61μL、1.0当量)に溶解させた。Pd−C(10重量%、5mg)を23℃で一度に添加した。反応容器を密閉し、フラスコを短時間排気した後、水素ガス(1atm)で一掃することによって、水素でパージした。23℃で30分間撹拌した後、反応混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水およびMeCN、1:1);グラジエント:15分間にわたって20→50%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。11.0〜12.1分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物8−12(4.3mg、2工程で29%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.38(s,1H)、5.66(s,1H)、4.07(s,1H)、3.79(s,3H)、3.32〜3.29(m,1H)、3.03〜2.93(m,8H)、2.20〜2.10(m,2H)、1.66〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 473.29(M+H)。
【0322】
化合物197
NHOH・HCl(1.3mg、0.018mmol、1.0当量)を、MeOH(0.5mL)中のアルデヒド8−12(4.3mg、0.009mmol、1.0当量)の溶液に添加した。得られた反応混合物を、室温で1時間30分撹拌し、濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水およびMeCN、1:1);グラジエント:15分間にわたって20→50%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。9.5〜10.8分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物197(2.0mg、45%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.41(s,1H)、7.60(s,1H)、4.07(s,1H)、3.81(s,3H)、3.32〜3.30(m,1H)、3.03〜2.93(m,8H)、2.20〜2.11(m,2H)、1.67〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 488.29(M+H)。
【0323】
化合物198
化合物197と同様に化合物198を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.40(s,1H)、7.59(s,1H)、4.08(s,1H)、3.94(s,3H)、3.81(s,3H)、3.32〜3.26(m,1H)、3.04〜2.93(m,8H)、2.23〜2.10(m,2H)、1.67〜1.57(m,1H);MS(ESI)m/z 502.34(M+H)。
【0324】
化合物189
【化35】

水(0.35mL)中のスルファミン酸(11mg、0.113mmol、1.4当量)の溶液を、MeCN(7mL)中のアルデヒド8−5(61.8mg、0.081mmol、1.0当量)の溶液に、0℃で滴下して添加した。次に、水(0.35mL、0.113mmol、1.4当量)中のNaOClOの溶液を、滴下して添加した。得られた反応混合物を、0℃で15分間撹拌し、水(5mL)で希釈した。得られた混合物を室温で5分間撹拌し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:10分間にわたって50→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。9.0〜10.6分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、濃縮したところ、所望の生成物8−6(36.9mg、58%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 15.83(s,1H)、7.72(s,1H)、7.51〜7.49(m,2H)、7.40〜7.33(m,8H)、5.36(s,2H)、5.05、4.95(ABq,J=9.8Hz,2H)、3.96(d,J=11.0Hz,1H)、3.90(s,3H)、3.42(dd,J=4.9、17.1Hz,1H)、3.04〜2.97(m,1H)、2.61〜2.58(m,1H)、2.53〜2.45(m,7H)、2.37(t,J=16.5Hz,1H)、2.19(d,J=14.6Hz,1H)、0.82(s,9H)、0.28(s,3H)、0.14(s,3H);MS(ESI)m/z 781.51(M+H)。
【0325】
化合物189
水性HF(48〜50%、0.2mL)を、ポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(0.5mL)中のアルデヒド8−6(18mg、0.023mmol、1.0当量)の溶液に、23℃で添加した。得られた混合物を、23℃で一晩激しく撹拌し、水性KHPO(2.4g、25mLの水に溶解したもの)に注いだ。得られた混合物を、EtOAc(40mL)で抽出した。有機相を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに、そのまま次の工程に用いた。
【0326】
上記の粗生成物を、MeOH(2mL)およびジオキサン(2mL)に溶解させた。Pd−C(10重量%、8mg)を23℃で一度に添加した。反応容器を密閉し、フラスコを短時間排気した後、水素ガス(1atm)で一掃することによって、水素でパージした。23℃で40分間撹拌した後、反応混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって20→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。6.6〜8.0分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物189(6.5mg、2工程で58%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.67(s,1H)、4.07(s,1H)、3.83(s,3H)、3.33〜3.30(m,1H)、3.03〜2.92(m,8H)、2.20〜2.10(m,2H)、1.65〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 489.28(M+H)。
【0327】
化合物187
【化36】

ネオペンチルアミン(9.2μL、0.039mmol、2.0当量)を、DMF(0.5mL)中の8−6(15.3mg、0.020mmol、1.0当量)、EDCI(7.5mg、0.039mmol、2.0当量)およびHOBt(1.3mg、0.010mmol、0.5当量)の溶液に添加した。得られた反応混合物を、室温で一晩撹拌し、Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:10分間にわたって90→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。5.4〜6.6分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、濃縮したところ、所望のアミド8−7−1(11mg、66%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 16.01(s,1H)、9.53(t,J=6.1Hz,1H)、7.83(s,1H)、7.50〜7.48(m,2H)、7.40〜7.32(m,8H)、5.35(s,2H)、4.87(s,2H)、3.97(d,J=11.0Hz,1H)、3.90(s,3H)、3.39(dd,J=4.9、17.1Hz,1H)、3.13〜3.04(m,2H)、3.00〜2.93(m,1H)、2.58〜2.54(m,1H)、2.49(s,6H)、2.47〜2.42(m,1H)、2.36(t,J=16.5Hz,1H)、2.17(d,J=14.6Hz,1H)、0.81(s,9H)、0.73(s,9H)、0.27(s,3H)、0.12(s,3H);MS(ESI)m/z 850.72(M+H)。
【0328】
水性HF(48〜50%、0.2mL)を、ポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(0.5mL)中のアミド(11mg、0.013mmol、1.0当量)の溶液に、23℃で添加した。得られた混合物を、23℃で一晩激しく撹拌し、水性KHPO(2.4g、25mLの水に溶解したもの)に注いだ。得られた混合物を、EtOAc(50mL)で抽出した。有機相を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに、そのまま次の工程に用いた。
【0329】
上記の粗生成物を、MeOH(1.5mL)およびHCl/MeOH(0.5N、26μL、1.0当量)に溶解させた。Pd−C(10重量%、3.5mg)を23℃で一度に添加した。反応容器を密閉し、フラスコを短時間排気した後、水素ガス(1atm)で一掃することによって、水素でパージした。23℃で30分間撹拌した後、反応混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって25→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。11.0〜12.6分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物187(3.0mg、2工程で39%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.86(s,1H)、4.09(s,1H)、3.84(s,3H)、3.35〜3.30(m,1H)、3.03〜2.96(m,8H)、2.23〜2.15(m,2H)、1.68〜1.58(m,1H)、0.99(s,9H);MS(ESI)m/z 558.38(M+H)。
【0330】
化合物188
化合物188は、ネオペンチルアミンの代わりにジメチルアミノエチルアミンを用いて調製された化合物187であった。H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.89(s,1H)、4.11(s,1H)、3.85(s,3H)、3.85〜3.82(m,2H)、3.41(t,J=6.0Hz,2H)、3.37〜3.32(m,1H)、3.04〜2.96(m,14H)、2.23〜2.15(m,2H)、1.68〜1.58(m,1H);MS(ESI)m/z 559.44(M+H)。
【0331】
実施例9。式II(式中、Yが、−(CH−N(R)(R)である)の化合物。
スキーム9:
【化37】

(4aS,11aR,12aS,13S)−3,7−ビス(ベンジルオキシ)−8−ブロモ−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−5−ヒドロキシ−10−メトキシ−11a,12,12a,13−テトラヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−4,6(4aH,11H)−ジオン(9−1)。
n−BuLi(5.24mL、1.6M/ヘキサン、8.38mmol、2.0当量)を、THF(40mL)中のジイソプロピルアミン(1.18mL、8.38mmol、2.0当量)およびTMEDA(1.26mL、8.38mmol、2.0当量)の溶液に、−78℃で滴下して添加した。反応溶液を、−78℃で30分間撹拌した。THF(20mL)中のエステル8−2(1.79g、4.19mmol、1.0当量)の溶液を、20分間にわたってカニューレを介して添加した。得られた深紅色の溶液を、−78℃で20分間撹拌し、次に−100℃まで冷却した。THF(20mL)中のエノン1−6(1.62g、3.35mmol、0.8当量)の溶液を、カニューレを介して反応混合物に添加した。反応混合物を、1時間30分にわたって−30℃まで温め、飽和含水NHCl(100mL)の混合物によって急冷した。得られた混合物を、EtOAc(200mL、次に50mL)で抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、ろ過し、濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(9:1:1のヘキサン/EtOAc/DCM)によって精製したところ、化合物9−1(1.27g、46%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 16.00(s,1H)、7.59〜7.57(m,2H)、7.52〜7.50(m,2H)、7.41〜7.32(m,6H)、7.26(s,1H)、5.37(s,2H)、5.00、4.92(ABq,J=9.2Hz,2H)、3.98(d,J=10.4Hz,1H)、3.85(s,3H)、3.32(dd,J=4.9、15.9Hz,1H)、2.98〜2.91(m,1H)、2.58〜2.43(m,8H)、2.29(t,J=15.9Hz,1H)、2.15(d,J=14.0Hz,1H)、0.82(s,9H)、0.28(s,3H)、0.14(s,3H);MS(ESI)m/z 815.59、817.59(M+H)。
【0332】
(4aS,11aR,12aS,13S)−3,7−ビス(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−((Z)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)アリル)−13−(ジメチルアミノ)−5−ヒドロキシ−10−メトキシ−11a,12,12a,13−テトラヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−4,6(4aH,11H)−ジオン(9−3)。
臭化物9−1(321mg、0.394mmol、1.0当量)、Pd(OAc)(17.7mg、0.079mmol、0.2当量)およびP(o−Tol)(36mg、0.118mmol、0.3当量)を入れた反応容器に、真空吸引/Nによるバックフラッシュを数回行った。次に、DMF(2mL)、TEA(275μL、1.97mmol、5.0当量)およびアリルジメチル−tert−ブチルシリルエーテル(168μL、0.789mmol、2.0当量)を、N下で添加した。次に、反応物を密閉し、6時間にわたって80℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷まし、MeCNで希釈し、Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:7分間にわたって90→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。所望のMWを有する画分を集め、濃縮したところ、所望の生成物9−3(少量の異性体を含有する)(212.9mg、60%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 16.07(s,1H)、7.42〜7.34(m,4H)、7.31〜7.22(m,7H)、6.87(s,1H)、6.23(d,J=6.1Hz,1H)、5.27(s,2H)、4.75、4.69(ABq,J=10.0Hz,2H)、3.92(d,J=10.4Hz,1H)、3.72(s,3H)、3.44〜3.14(m,3H)、2.89〜2.82(m,1H)、2.48〜2.18(m,9H)、2.05(d,J=14.6Hz,1H)、0.83(s,9H)、0.73(s,9H)、0.19(s,3H)、0.05(s,6H)、0.04(s,3H);MS(ESI)m/z 907.87(M+H)。
【0333】
3−((4aS,11aR,12aS,13S)−3,7−ビス(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−5−ヒドロキシ−10−メトキシ−4,6−ジオキソ−4,4a,6,11,11a,12,12a,13−オクタヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−8−イル)プロパナール(9−4)。
水(0.5mL)を、9−3(162.4mg、0.179mmol、1.0当量)の溶液に添加した。次に、TFA(0.5mL)を、0℃で滴下して添加した。次に、得られた反応混合物を、室温で2時間撹拌し、0℃まで冷却した。飽和炭酸水素ナトリウム(8mL)をゆっくりと添加した。次に、得られた混合物を、EtOAc(40mL、次に10mL)で抽出した。組み合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。粗生成物9−4をそのまま次の工程に用いた。
【0334】
化合物199
【化38】

ピロリジン(19μL、0.22mmol、5.0当量)、酢酸(13μL、0.22mmol、5.0当量)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(28mg、0.13mmol、3.0当量)を、1,2−ジクロロエタン(1mL)中の上記の生成物9−4(0.045mmol、1.0当量)の4分の1まで、23℃で連続して添加した。一晩撹拌した後、反応混合物を、飽和含水炭酸水素ナトリウム(5mL)およびpH7のリン酸緩衝液(10mL)の添加によって急冷し、ジクロロメタン(3×15mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:10分間にわたって10→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。6.0〜7.7分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、所望の生成物9−5−1(16mg、2工程で42%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 16.12(br s,1H)、7.50〜7.48(m,2H)、7.44〜7.42(m,2H)、7.39〜7.30(m,6H)、6.90(s,1H)、5.35(s,2H)、4.80、4.77(ABq,J=10.4Hz,2H)、3.99(d,J=10.4Hz,1H)、3.82(s,3H)、3.31(dd,J=4.9、15.9Hz,1H)、2.99〜2.92(m,1H)、2.70〜2.42(m,16H)、2.31(t,J=15.3Hz,1H)、2.14(d,J=14.6Hz,1H)、1.88〜1.77(m,6H)、0.81(s,9H)、0.27(s,3H)、0.12(s,3H);MS(ESI)m/z 848.69(M+H)。
【0335】
水性HF(48〜50%、0.3mL)を、ポリプロピレン反応容器中のアセトニトリル(0.6mL)中のアミン9−5−1(16mg、0.019mmol、1.0当量)溶液に、23℃で添加した。得られた混合物を、23℃で一晩激しく撹拌し、水性KHPO(3.6g、25mLの水に溶解したもの)に注いだ。得られた混合物を、EtOAc(3×15mL)で抽出した。組み合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣を、さらに精製せずに、そのまま次の工程に用いた。
【0336】
上記の粗生成物を、MeOH(1.5mL)およびHCl/MeOH(0.5N、76μL、2.0当量)に溶解させた。Pd−C(10重量%、4.3mg)を23℃で一度に添加した。反応容器を密閉し、フラスコを短時間排気した後、水素ガス(1atm)で一掃することによって、水素でパージした。23℃で1時間撹拌した後、反応混合物を、小さいセライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。残渣を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:3.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって10→35%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLCによって精製した。11.6〜13.5分で溶離する、所望の生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、化合物199(4.8mg、2工程で40%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.19(s,1H)、4.08(s,1H)、3.80(s,3H)、3.69〜3.63(m,2H)、3.28〜3.21(m,3H)、3.08〜2.93(m,10H)、2.77(t,J=7.8Hz,2H)、2.22〜2.00(m,8H)、1.65〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 556.51(M+H)。
【0337】
適切なアミンNRを用いて、化合物199と同様に化合物200〜205を調製した。
【0338】
化合物200
H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.18(s,1H)、4.08(s,1H)、3.80(s,3H)、3.28〜3.24(m,1H)、3.09〜2.90(m,12H)、2.78(t,J=7.3Hz,2H)、2.21〜1.97(m,4H)、1.66〜1.56(m,1H)、1.31(t,J=7.3Hz,3H);MS(ESI)m/z 530.42(M+H)。
【0339】
化合物201
H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.18(s,1H)、4.73(dt、J=4.6、47.2Hz,2H)、4.08(s,1H)、3.80(s,3H)、3.39(dt、J=4.6、26.6Hz,2H)、3.28〜3.23(m,1H)、3.12〜2.93(m,10H)、2.78(t,J=7.8Hz,2H)、2.21〜2.01(m,4H)、1.66〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 548.47(M+H)。
【0340】
化合物202
H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.18(s,1H)、6.30(tt,J=2.8、54.0Hz,1H)、4.08(s,1H)、3.80(s,3H)、3.56(dt、J=3.2、15.6Hz,2H)、3.28〜3.23(m,1H)、3.17〜3.13(m,2H)、3.04〜2.93(m,8H)、2.78(t,J=7.3Hz,2H)、2.22〜2.02(m,4H)、1.65〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 566.49(M+H)。
【0341】
化合物203
H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.18(s,1H)、4.08(s,1H)、4.04(q,J=9.2Hz,1H)、3.80(s,3H)、3.28〜3.23(m,1H)、3.21〜3.17(m,2H)、3.04〜2.93(m,8H)、2.78(t,J=7.3Hz,2H)、2.20〜2.05(m,4H)、1.65〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 584.48(M+H)。
【0342】
化合物204
H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.19(s,1H)、4.07(s,1H)、3.79(s,3H)、3.27〜3.08(m,5H)、3.03〜2.84(m,8H)、2.84(s,3H)、2.76(t,J=7.3Hz,2H)、2.20〜2.05(m,4H)、1.65〜1.55(m,1H)、1.32(t,J=7.3Hz,3H);MS(ESI)m/z 544.42(M+H)。
【0343】
化合物205
H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.18(s,1H)、4.26〜4.20(m,2H)、4.08〜4.03(m,3H)、3.80(s,3H)、3.28〜3.20(m,3H)、3.04〜2.93(m,8H)、2.73(t,J=7.3Hz,2H)、2.62〜2.55(m,1H)、2.44〜2.40(m,1H)、2.21〜2.18(m,1H)、2.13〜2.06(m,1H)、1.92〜1.85(m,2H)、1.65〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 542.44(M+H)。
【0344】
(4aS,11aR,12aS,13S)−3,7−ビス(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−5,8−ジヒドロキシ−10−メトキシ−11a,12,12a,13−テトラヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−4,6(4aH,11H)−ジオン(9−7)。
9−1(46mg、0.056mmol、1.0当量)を、テトラヒドロフラン(2mL)に溶解させた。ターボグリニャール試薬(塩化リチウムを伴うイソプロピルマグネシウムクロリド、1.2M、113μL、0.135mmol)を、−78℃で滴下して添加した。混合物を−20℃まで温め、1時間撹拌した。次に、酸素を、30分間にわたってゆっくりと反応混合物に通した。次に、酢酸エチルを添加した後、5mLの塩化アンモニウム溶液を添加することによって、反応物を急冷した。混合物をHO(10mL)で洗浄し、濃縮したところ、粗製の9−7が得られ、これを、SunfireカラムでのHPLCによって精製したところ、4.0mgの黄色の固体が得られた。
【0345】
化合物206
水性HF(0.3mL、48〜50%)を、プラスチックバイアル中の9−7のCHCN溶液(1.0mL)に、25℃で添加した。反応物を、25℃で18時間撹拌した。得られた混合物を、KHPO(2g)の水溶液(10mL)に注いだ。溶液を、EtOAc(3×15mL)で抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮したところ、粗中間体が得られた。
【0346】
10%のPd−C(20mg)を、上記の粗中間体のジオキサン/MeOH溶液(2mL、1:1)に添加した。反応混合物を、25℃で2時間、H(バルーン)下で撹拌し、セライトパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、144mgの粗生成物が得られた。粗生成物を、Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン、溶媒A:0.05NのHCl、溶媒B:CHCN、2.0mL(0.05NのHCl)中の試料、15分間にわたって0→70%のBでのグラジエント溶離、質量による分別捕集]]でのHPLCによって精製したところ、化合物206が黄色の固体として得られた(1.64mg、6.3%、3工程):H NMR(400MHz、CDOD)δ 6.82(s,1H)、4.05(s,1H)、3.74(s,3H)、3.17(dd,J=15.6、4.6Hz,1H)、3.02(s,3H)、2.96(s,3H)、3.01〜2.89(m,2H)、2.19〜2.11(m,1H)、2.09〜2.00(m,1H)、1.65〜1.53(m,1H);MS(ESI)m/z 461.22(M+H)。
【0347】
実施例10。式III(式中、Yが、−NH−C(O)−CH−NR、−NH−C(O)−(C〜C)アルキル、−NH−C(O)−ヘテロシクリル、または−NH−C(O)−カルボシクリルである)の化合物の合成。
スキーム10:
【化39】

スキーム10において、Zが、−(C〜C)アルキル、−ヘテロシクリル、または−カルボシクリルを表す。化合物207〜209は、本発明の化合物であり、本発明のさらなる化合物を生成するための中間体としても用いられる。
【0348】
フェニル2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(10−2)。
室温における乾燥DCM中の市販の2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(10−1)(4.73g、18.91mmol、1当量)に、無水DMF(5滴)および塩化オキサリル(4.87mL、56.71mmol、3.0当量)を滴下して添加した。反応物を、室温で1時間撹拌した(ガス発生が停止するまで)。反応溶液を真空で濃縮したところ、粗製の酸塩化物が黄色の油として得られ、これを乾燥DCMに再溶解させ、PhOH(2.67g、28.37mmol、1.5当量)、DIEA(9.88mL、56.72mmol、3.0当量)およびDMAP(0.23g、1.88mmol、0.1当量)を添加した。反応物を、室温で一晩撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で急冷し、DCM(100mL×3)で抽出した。組み合わせたDCM抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で濃縮した。0%および5%のEtOAc/ヘキサンを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、所望のフェニルエステル10−2が淡色の油として得られた(6.09g、定量):R 0.20(10%のEtOAc/ヘキサン);H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.87(d,J=2.4Hz,1H)、7.36〜7.43(m,3H)、7.17〜7.30(m,3H)、7.02(d,J=9.2Hz,1H)、3.94(s,3H)。
【0349】
フェニル6−メトキシ−2−メチル−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(10−3)。
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TMP)(3.97mL、23.38mmol、1.2当量)を、無水THF(50mL)に溶解させ、−78℃まで冷却した。nBuLi(9.35mL、ヘキサン中2.5M、23.38mmol、1.2当量)を滴下して添加した。黄色の溶液を、0℃で10分間撹拌し、−78℃まで冷却した。無水N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)(4.38mL、29.22mmol、1.5当量)を添加した後、フェニルエステル10−2(6.09g、19.50mmol、無水THF中50mL、1.0当量)を、15分かけて滴下して添加した。得られた濃い黄褐色の溶液を、−78℃で30分間撹拌した。ヨウ化メチル(1.82mL、29.23mmol、1.5当量)を添加した。濃い褐色の溶液を、−78℃から室温まで2時間、および室温で1時間撹拌した。HOAc(6mL)および水(100mL)を連続して添加して、反応物を急冷した。明るいオレンジ色の溶液を真空で濃縮し、EtOAc(200mL×1)で抽出した。EtOAc抽出物を、1Nの水性HCl(50mL×2)および塩水(50mL×1)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で濃縮した。0%および5%のEtOAc/ヘキサンを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、所望のフェニルエステル10−3が淡色の固体(2.92g、46%)として得られた:R 0.30(10%のEtOAc/ヘキサン);H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.40〜7.45(m,2H)、7.20〜7.30(m,4H)、6.81(d,J=8.5Hz,1H)、3.88(s,3H)、2.37(s,3H)。
【0350】
フェニル6−ヒドロキシ−2−メチル−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(10−4)。
メチルエーテル10−3(500mg、1.53mmol、1当量)を、無水DCM(10mL)に溶解させ、−78℃まで冷却した。BBr(1.60mL、1.0M/DCM、1.60mmol、1.02当量)を滴下して添加した。濃いオレンジ色の溶液を、−78℃から−10℃まで4時間撹拌した。反応物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で急冷し、DCM(50mL×3)で抽出した。組み合わせたDCM抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で濃縮したところ、粗製のフェノール10−4が黄色の油(410mg、86%)として得られた:R 0.55(10%のEtOAc/ヘキサン);H NMR(400MHz、CDCl)δ 10.86(s,1H)、7.42〜7.50(m,2H)、7.30〜7.40(m,2H)、7.19(d,J=7.9Hz,2H)、6.91(d,J=9.2Hz,1H)、2.64(s,3H)。
【0351】
フェニル6−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(10−5)。
粗製のフェノール10−4(410mg、1.31mmol、1当量)を、無水DCM(10mL)に溶解させた。(Boc)O(430mg、1.97mmol、1.5当量)、DIEA(0.46mL、2.64mmol、2当量)、およびDMAP(16mg、0.13mmol、0.1当量)を、室温で連続して添加した。反応物を、室温で1時間撹拌し、飽和含水炭酸水素ナトリウム(50mL)で急冷し、DCM(50mL×3)で抽出した。組み合わせたDCM抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で濃縮した。0%および2%のEtOAc/ヘキサンを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、所望の生成物10−5が白色の固体(540mg、定量)として得られた:R 0.60(10%のEtOAc/ヘキサン);H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.41〜7.48(m,2H)、7.38(d,J=10.3Hz,1H)、7.22〜7.32(m,3H)、7.18(d,J=9.2Hz,1H)、2.45(s,3H)、1.45(s,9H)。
【0352】
(4aS,11aR,12aS,13S)−3−(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−5−ヒドロキシ−4,6−ジオキソ−10−(トリフルオロメトキシ)−4,4a,6,11,11a,12,12a,13−オクタヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−7−イルtert−ブチルカーボネート(10−6)。
−78℃におけるTHF(5mL)中のジイソプロピルアミン(0.062mL、0.44mmol、2.2当量)に、nBuLiを滴下して添加した(0.27mL、1.6M/ヘキサン、0.44mmol、2.2当量)。淡色の溶液を、0℃にして、その温度で10分間撹拌し、−78℃まで冷却した。TMEDA(0.075mL、0.50mmol、2.5当量)を添加した後、化合物10−5(91mg、0.22mmol、1.1当量、5mLのTHF中)を、10分かけて滴下して添加した。得られた真紅色の溶液を、−78℃で15分間撹拌した。エノン1−6(97mg、0.20mmol、1当量、5mLのTHF中)を2分かけて滴下して添加した。得られた黄色の溶液を、−78℃から−10℃まで1時間にわたって撹拌し、水性飽和塩化アンモニウム(50mL)で急冷し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。抽出物を組み合わせて、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で濃縮した。C−18カラム(移動相:A−0.1%のギ酸/水、B−0.1%のギ酸/アセトニトリル;グラジエント:10分間にわたって80%のBから100%のB)での分取HPLC精製により、所望の生成物10−6−1が黄色の固体(90mg、56%)として得られた:R 0.40(10%のEtOAc/ヘキサン);H NMR(400MHz、CDCl)δ 15.48(s,1H)、7.36(d,J=7.2Hz,2H)、7.29〜7.20(m,4H)、6.94(d,J=7.2Hz,1H)、5.22(s,2H)、3.81(d,J=10.8Hz,1H)、3.15(dd,J=16.0、4.8Hz,1H)、2.94〜2.85(m,1H)、2.44〜2.31(m,9H)、2.03(d,J=14.4Hz,1H)、1.42(s,9H)、0.78(s,9H)、0.15(s,3H)、0.08(s,3H);MS(ESI)m/z 801.3(M+H)。
【0353】
(4aS,11aR,12aS,13S)−tert−ブチル3−(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−5,7−ジヒドロキシ−4,6−ジオキソ−10−(トリフルオロメトキシ)−4,4a,6,11,11a,12,12a,13−オクタヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−8−カルボキシレート(10−6−2)。
また、表題化合物(10−6−2)を、10−6−1の製剤から単離した:MS(ESI)m/z 801.3(M+H)。
【0354】
(4aS,11aR,12aS,13S)−3−(ベンジルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−4a,5,7−トリヒドロキシ−10−(トリフルオロメトキシ)−11a,12,12a,13−テトラヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−4,6(4aH,11H)−ジオン(10−7)。
10−6(90mg、0.11mmol)を、アセトニトリル(2mL)に溶解させた。HF(1mL、水中40%)を添加した。黄色の溶液を、室温で一晩撹拌した。次に、反応溶液を、高速で撹拌しながら、水(20mL)中のKHPO(4.3g)にゆっくりと添加した。混合物を、DCM(10mL×3)で抽出した。組み合わせた抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で濃縮したところ、粗生成物10−7が黄色の固体(76mg)として得られた。
【0355】
(4S,4aS,5aR,12aS)−4−(ジメチルアミノ)−3,10,12,12a−テトラヒドロキシ−1,11−ジオキソ−7−(トリフルオロメトキシ)−1,4,4a,5,5a,6,11,12a−オクタヒドロテトラセン−2−カルボキサミド(化合物207)。
10−7(粗製、0.11mmol、1当量)を、1,4−ジオキサン/メタノール(5mL、1:4v/v)に溶解させた。10%のPd−C(47mg、0.022mmolのPd、0.2当量)を添加した。混合物を、5分間水素をバブリングすることによってパージし、室温で1時間、1atmの水素雰囲気下で高速で撹拌した。触媒を、小さいセライトパッドを用いてろ過して取り除き、さらなるメタノール(2mL×3)で洗浄した。ろ液を真空で濃縮した。Polymerx(商標)カラムでの分取HPLC精製により、所望の生成物化合物207が黄色の固体(72mg、定量)として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.45(dd,J=9.2、0.9Hz,1H)、6.91(d,J=9.2Hz,1H)、4.11(s,1H)、3.19〜2.96(m,9H)、2.36〜2.30(m 1H)、2.25〜2.20(m,1H)、1.69〜1.63(m,1H);MS(ESI)m/z 499.4(M+H)。
【0356】
(4S,4aS,5aR,12aS)−4−(ジメチルアミノ)−3,10,12,12a−テトラヒドロキシ−9−ニトロ−1,11−ジオキソ−7−(トリフルオロメトキシ)−1,4,4a,5,5a,6,11,12a−オクタヒドロテトラセン−2−カルボキサミド(化合物208)。
化合物207(70mg、0.14mmol、1当量)を、低温(0°)硫酸(4mL)に溶解させた。HSO(0.42mL、0.5M、0.21mmol、70%の水性硝酸を濃硫酸と混合することによって、使用前に調製したもの)中のHNOの溶液を0℃で滴下して添加した。真紅色の溶液を、0℃で1時間撹拌した。得られた黄色の溶液を、高速で撹拌しながら、ジエチルエーテル(200mL)に滴下して添加した。黄色の固体を集め、さらなるジエチルエーテル(5mL×4)で洗浄し、真空下で乾燥させたところ、粗生成物化合物208が黄色の固体として得られ、これをそのまま次の工程に用いた。
【0357】
(4S,4aS,5aR,12aS)−9−アミノ−4−(ジメチルアミノ)−3,10,12,12a−テトラヒドロキシ−1,11−ジオキソ−7−(トリフルオロメトキシ)−1,4,4a,5,5a,6,11,12a−オクタヒドロテトラセン−2−カルボキサミド(化合物209)。
化合物208(0.10mmol、粗製)を、0.1NのHCl/メタノール(5mL)に溶解させた。10%のPd−C(54mg、0.02mmolのPd、0.2当量)を添加した。混合物を、5分間水素をバブリングすることによってパージし、室温で1時間、1atmの水素雰囲気下で高速で撹拌した。触媒を、小さいセライトパッドを用いてろ過して取り除き、さらなるメタノール(5mL×4)で洗浄した。ろ液を真空で濃縮した。Polymerx(商標)カラムでの分取HPLC精製により、所望のアニリン化合物209が褐色の固体(13mg、22%)として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.60(s,1H)、4.12(s,1H)、3.21〜2.93(m,9H)、2.38〜2.32(m,1H)、2.25〜2.22(m,1H)、1.69〜1.59(m,1H);MS(ESI)m/z 514.1(M+H)。
【0358】
化合物210
化合物209(4mg、0.0068mmol、1当量)を、アセトニトリル/DMPU(1mL、1:3v/v)に溶解させた。炭酸ナトリウム(4mg、0.04mmol、6当量)および臭化ブロモアセチル/アセトニトリル(0.041mL、0.2M、0.0082mmol、1.2当量、臭化ブロモアセチルを無水アセトニトリルに溶解させることによって、使用前に調製したもの)を室温で添加した。反応物を、室温で10分間撹拌した。LC/MS分析により、出発アニリン6を完全に使い切ったことが示された。アゼチジン(0.0092mL、0.14mmol、20当量)を添加した。反応物を、室温で1時間撹拌した。LC/MS分析により、中間体臭化物を完全に使い切ったことが示された。次に、反応混合物を、高速で撹拌しながら、5mMのHCl/ジエチルエーテル(50mL)に滴下して添加した。固体を、小さいセライトパッドで集め、さらなる5mMのHCl/ジエチルエーテル(5mL×4)で洗浄し、0.1NのHCl/水(4mL)で溶離した。次に、黄色の溶離液を、精製用のPolymerx(商標)カラムを備えた分取HPLCシステムに直接注入した。凍結乾燥させた後、所望の生成物化合物210が黄色の固体として得られた(3.2mg、2HCl、69%):H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.40(s,1H)、4.30〜4.40(m,4H)、4.10〜4.23(m,2H)、4.09(s,1H)、2.90〜3.50(m,3H)、3.03(s,3H)、2.94(s,3H)、2.58〜2.70(m,1H)、2.42〜2.52(m,1H)、2.28〜2.36(m,1H)、2.18〜2.25(m,1H)、1.58〜1.70(m,1H);MS(ESI)m/z 611.3(M+H)。
【0359】
適切なアミン(NHR)を代わりに用いて、化合物210と同様に以下の化合物を調製した。
【0360】
化合物211
HNMR(400MHz、CDOD):δ 8.45(s,1H)、4.23(s,2H)、4.11〜4.09(m,3H)、3.19〜2.93(m,9H)、2.35〜2.26(m,1H)、2.25〜2.17(m,1H)、1.68〜157(m,1H);MS(ESI)m/z 653.1(M+H)。
【0361】
化合物212
HNMR(400MHz、CDOD):δ 8.39(s,1H)、5.53〜5.35(m,1H)、4.58〜4.42(m,6H)、4.10(s,1H)、3.15〜2.93(m,9H)、2.35〜2.25(m,1H)、2.23〜2.18(m,1H)、1.37〜158(m,1H);MS(ESI)m/z 629.1(M+H)。
【0362】
化合物213
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.43(s,1H)、4.11〜4.10(m,3H)、3.18〜2.96(m,11H)、2.36〜2.21(m,2H)、1.75〜1.63(m,3H)、1.49〜1.43(m,2H)、1.02(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 627.2(M+H)。
【0363】
化合物214
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.47(s,1H、4.14(s,3H)、3.22〜3.00(m,11H)、2.39〜2.26(m,2H)、1.79〜1.77(m,2H)、1.69〜1.67(m,1H)、1.46〜1.45(m,4H)、1.02(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 641.2(M+H)。
【0364】
化合物215
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.46(s,1H)、4.12(s,3H)、3.21〜2.98(m,11H)、2.38〜2.31(m,2H)、1.79〜1.75(m,2H)、1.69〜1.66(m,1H)、1.48〜1.39(m,6H)、0.98(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 655.2(M+H)。
【0365】
化合物216
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.43(s,1H)、4.10(s,2H)、4.08(s,1H)、3.17〜2.94(m,11H)、2.35〜2.27(m,1H)、2.25〜2.18(m,1H)、1.64〜1.61(m,1H)、1.10(m,9H);MS(ESI)m/z 641.1(M+H)。
【0366】
化合物217
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.34(s,1H)、4.04(s,2H)、4.01(s,1H)、3.11〜2.87(m,11H)、2.26〜2.13(m,2H)、1.60〜1.53(m,1H)、1.18〜1.05(m,1H)、0.67〜0.63(m,2H)、0.37〜0.33(m,2H);MS(ESI)m/z 625.2(M+H)。
【0367】
化合物218
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.44(s,1H)、4.35〜4.20(m,2H)、4.13(s,1H)、3.43〜3.33(q,J=7.2Hz,2H)、3.22〜2.98(m,12H)、2.37〜2.24(m,2H)、2.22〜2.09(m,1H)、1.45〜1.42(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 613.2(M+H)。
【0368】
化合物219
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.49(s,1H)、7.44(s,4H)、5.06(brs、2H)、4.73(brs、2H)、4.63(s,2H)、4.14(s,1H)、3.21〜2.98(m,9H)、2.38〜2.27(m,2H)、1.70〜1.67(m,1H);MS(ESI)m/z 673.2(M+H)。
【0369】
化合物220
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.44(s,1H)、4.10(s,3H)、3.50〜3.47(m,1H)、3.18〜2.96(m,9H)、2.36〜2.22(m,2H)、1.65〜1.63(m,1H)、1.38(t,J=6.8Hz、6H);MS(ESI)m/z 613.2(M+H)。
【0370】
化合物221
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.44(s,1H)、4.73〜4.68(m,1H)、4.45〜4.37(m,5H)、4.15(s,1H)、4.14〜4.10(m,1H)、3.40(s,3H)、3.22〜2.92(m,9H)、2.40〜2.32(m,2H)、1.70〜1.67(m,1H);MS(ESI)m/z 641.3(M+H)。
【0371】
化合物222
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.35(s,1H)、4.81(t,J=4.4Hz,1H)、4.64(t,J=4.4Hz,1H)、4.09(s,2H)、4.00(s,1H)、3.45(t,J=4.4Hz,1H)、3.39(t,J=4.4Hz,1H)、3.09〜2.79(m,9H)、2.27〜2.09(m,2H)、1.62〜1.58(m,1H);MS(ESI)m/z 617.2(M+H)。
【0372】
化合物223
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.46(s,1H)、4.12(s,3H)、3.32〜2.97(m,11H)、2.38〜2.27(m,2H)、1.99〜1.90(s,3H)、1.74〜1.64(m,5H)、1.33(m,2H);MS(ESI)m/z 653.1(M+H)。
【0373】
化合物224
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.34(s,1H)、4.02(s,1H)、4.00(s,2H)、3.10(q,J=7.2Hz,2H)、3.10〜2.87(m,9H)、2.28〜2.15(m,2H),1.57 〜1.46(m,1H)、1.27(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 599.1(M+H)。
【0374】
化合物225
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.43(s,1H)、4.35〜4.20(m,2H)、4.11(s,1H)、3.38〜2.94(m,14H)、2.35〜2.21(m,2H)、1.89〜1.79(m,2H)、1.68〜1.63(m,1H)、1.09(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 627.1(M+H)。
【0375】
化合物226
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.35(s,1H)、4.04(s,2H)、4.00(s,1H)、3.61(t,J=4.8Hz,2H)、3.38(s,3H)、3.21(t,J=4.8Hz,2H)、3.15〜2.86(m,9H)、2.18〜2.09(m,2H)、1.61〜1.52(m,1H);MS(ESI)m/z 629.1(M+H)。
【0376】
化合物227
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.34(s,1H)、5.47〜5.32(m,1H)、4.34(s,2H)、4.02(s,1H)、3.98〜3.82(m,2H)、3.3.48〜3.32(m,2H)、3.11〜2.87(m,9H)、2.47〜2.36(m,2H)、2.34〜2.19(m,2H)、1.58〜1.50(m,1H);MS(ESI)m/z 643.1(M+H)。
【0377】
化合物228
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.30(s,1H)、8.06(s,1H)、7.94(d,J=4.8Hz,1H)、7.73〜7.67(m,2H)、4.17(s,2H)、4.02(s,1H)、3.24〜2.86(m,9H)、2.25〜2.12(m,2H)、1.59〜1.49(m,1H);MS(ESI)m/z 648.1(M+H)。
【0378】
化合物229
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.35(s,1H)、8.02(d,J=7.2Hz,2H)、6.84(d,J=7.2Hz,2H)、5.17(s,2H),4.09(s,1H)、3.28〜2.936(m,9H)、2.32〜2.19(m,2H)、1.66〜1.56(m,1H);MS(ESI)m/z 648.1(M+H)。
【0379】
化合物230
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.43(s,1H)、4.07(s,3H)、3.20〜2.94(m,11H)、2.35〜2.29(m,1H)、2.25〜2.17(m,1H),1.93〜1.79(m,2H)、1.78〜1.58(m,1H)、1.05(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 613.2(M+H)。
【0380】
化合物231
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.42(s,1H)、4.12(s,3H)、3.19〜2.87(m,11H)、2.38〜2.19(m,2H)、1.90〜1.61(m,6H)、1.38〜1.19(m,4H)、1.15〜1.01(m,2H);MS(ESI)m/z 667.2(M+H)。
【0381】
化合物232
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.35(s,1H)、4.01(s,3H)、3.14〜2.73(m,11H)、2.26〜2.13(m,2H)、2.03〜2.01(m,1H)、1.60〜1.51(m,1H)、0.99〜0.92(t,J=6.8Hz,、6H);MS(ESI)m/z 627.2(M+H)。
【0382】
化合物233
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.34(s,1H)、4.12(s,2H)、4.01(s,1H)、3.56〜3.53(m,2H)、3.11〜2.73(m,11H)、2.27〜2.13(m,2H)、1.89〜1.76(m,5H)、1.60〜1.57(m,2H);MS(ESI)m/z 639.2(M+H)。
【0383】
化合物234
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.35(s,1H)、4.09(s,1H)、4.02(s,2H)、3.89〜3.70(m,1H)、3.11〜2.86(m,9H)、2.27〜2.02(m,6H)、1.91〜1.71(m,2H)、1.60〜1.40(m,1H);MS(ESI)m/z 625.3(M+H)。
【0384】
化合物235
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.44(s,1H)、4.31(s,2H)、4.12(s,1H)、4.12〜3.78(m,4H)、3.78〜3.44(m,4H)、3.22〜2.90(m,9H)、2.38〜2.23(m,2H)、1.71〜1.61(m,1H);MS(ESI)m/z 641.1(M+H)。
【0385】
化合物236
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.42(s,1H)、4.27(s,2H)、4.11(s,1H)、3.40〜3.31(m,4H)、3.21〜2.96(m,9H)、2.36〜2.23(m,2H)、1.69〜1.60(m,1H)、1.40(t,J=7.2Hz、6H);MS(ESI)m/z 627.2(M+H)。
【0386】
化合物237
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.46(s,1H)、4.11(s,3H)、3.31〜2.94(m,10H)、2.40〜2.20(m,2H)、2.20〜2.00(m,2H)、1.94〜1.82(m,2H)、1.68〜1.56(m,1H)、1.48〜1.32(m,4H)、1.28〜1.16(m,2H);MS(ESI)m/z 653.3(M+H)。
【0387】
化合物238
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.41(s,1H)、7.46〜7.26(m,2H)、7.25〜7.11(m,3H)、4.16(s,2H)、4.01(s,1H)、3.15〜2.78(m,9H)、2.26〜2.11(m,2H)、1.58〜1.49(m,1H);MS(ESI)m/z 647.0(M+H)。
【0388】
化合物239
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.43(s,1H)、4.21(s,2H)、4.11(s,1H)、3.18〜2.84(m,9H)、2.90〜2.84(m,1H)、2.35〜2.22(m,2H)、1.69〜1.59(m,1H)、0.95〜0.93(m,4H);MS(ESI)m/z 611.4(M+H)。
【0389】
化合物240
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.43(s,1H)、6.38(tt,J=60、1.6Hz,1H)、4.21(s,2H)、4.12(s,1H)、3.68(td,J=7.2、1.6Hz,2H)、3.18〜2.90(m,9H)、2.36〜2.18(m,2H)、1.69〜1.58(m,1H);MS(ESI)m/z 635.1(M+H)。
【0390】
化合物241
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.46(s,1H)、5.56〜5.43(m,1H)、4.45(s,2H)、4.12(s,1H)、4.13〜3.90(m,2H)、3.58〜3.41(m,2H)、3.20〜2.90(m,9H)、2.38〜2.23(m,4H)、1.71〜1.61(m,1H);MS(ESI)m/z 643.2(M+H)。
【0391】
化合物242
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.35〜8.33(m,1H)、4.22〜4.18(m,2H)、4.02(s,1H)、3.92〜3.87(m,1H)、3.39〜3.28(m,1H)、3.09〜2.86(m,11H)、2.74〜2.60(m,2H)、2.27〜2.12(m,2H)、1.71〜1.45(m,7H);MS(ESI)m/z 665.2(M+H)。
【0392】
化合物243
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.44(s,1H)、4.12(s,1H)、4.08(s,2H)、3.18〜2.90(m,11H)、2.78〜2.66(m,1H)、2.38〜2.15(m,4H)、2.08〜1.80(m,3H)、1.71〜1.54(m,1H);MS(ESI)m/z 639.2(M+H)。
【0393】
化合物244
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.38(s,1H)、4.20(s,2H)、4.02(s,1H)、3.18〜2.82(m,15H)、2.32〜2.11(m,2H)、1.66〜1.52(m,1H);MS(ESI)m/z 599.1(M+H)。
【0394】
化合物245
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.46(s,1H)、4.09(s,3H)、2.90〜3.30(m,3H)、3.03(s,3H)、2.94(s,3H)、2.29〜2.37(m,1H)、2.18〜2.25(m,1H)、1.58〜1.70(m,1H)、1.41(s,9H);MS(ESI)m/z 627.4(M+H)。
【0395】
化合物246
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.44(s,1H)、4.33(s,2H)、4.10(s,1H)、3.75〜3.85(m,2H)、2.90〜3.50(m,7H)、3.03(s,3H)、2.94(s,3H)、2.28〜2.37(m,1H)、2.00〜2.25(m,5H)、1.58〜1.70(m,1H);MS(ESI)m/z 625.1(M+H)。
【0396】
化合物263
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.46(s,1H)、4.12(s,1H)、4.11(s,2H)、3.70〜3.61(m,1H)、3.22〜2.93(m,9H)、2.38〜2.10(m,4H)、1.92〜1.80(m,2H)、1.76〜1.56(m,5H);MS(ESI)m/z 639.2(M+H)。
【0397】
臭化ブロモアセチルおよびアミン(NHR)を、酸塩化物(必要に応じて、適宜、保護される)またはカルボン酸(必要に応じて、適宜、保護される)およびHATUなどのカップリング試薬に置き換えて、化合物210と同様に以下の化合物を調製した。
【0398】
化合物247
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.34(s,1H)、7.88(d,J=7.6Hz,2H)、7.55〜7.45(m,3H)、4.03(s,1H)、3.13〜2.88(m,9H)、2.33〜2.28(m,1H)、2.19〜2.13(m,1H)、1.64〜1.53(m,1H);MS(ESI)m/z 611.4(M+H)。
【0399】
化合物248
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.37(s,1H)、7.50〜7.41(m,3H)、7.16(dd,J=8.0Hz、1.6Hz,1H)、4.09(s,1H)、3.86(s,3H),3.18〜2.97(m,9H)、2.37〜2.29(m,1H)、2.24〜2.20(m,1H)、1.69〜1.62(m,1H);MS(ESI)m/z 648.2(M+H)。
【0400】
化合物249
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.24(s,1H)、8.16(s,1H)、8.12(d,J=8.0Hz,1H)、7.83(d,J=8.0Hz,1H)、7.66(t,J=8.0Hz,1H)、4.01(s,1H)、3.12〜2.73(m,9H)、2.26(m,1H)、2.16〜2.12(m,1H)、1.63〜1.52(m,1H);MS(ESI)m/z 686.1(M+H)。
【0401】
化合物250
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.29(s,1H)、7.88(d,J=3.6Hz,1H)、7.77(d,J=4.8Hz,1H)、7.21(t,J=4.4Hz,1H)、4.10(s,1H)、3.19〜2.96(m,9H)、2.38〜2.30(m,1H)、2.28〜2.20(m,1H)、1.70〜1.60(m,1H);MS(ESI)m/z 624.1(M+H)。
【0402】
化合物251
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.29(s,1H)、7.98(d,J=8.4Hz,2H)、7.44(d,J=8.8Hz,2H)、4.03(s,1H)、3.18(s,6H)、3.11〜2.87(m,9H)、2.25〜2.20(m,1H)、2.16〜2.13(m,1H)、1.58〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 661.1(M+H)。
【0403】
化合物252
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.25(s,1H)、8.17(s,1H)、8.04(d,J=7.6Hz,1H)、7.85(dd,J=7.2Hz、1.6Hz,1H)、7.70(t,J=8.0Hz,1H)、4.04(s,1H)、3.20(s,6H)、3.12〜2.88(m,9H)、2.26(m,1H)、2.18〜2.15(m,1H)、1.58〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 661.1(M+H)。
【0404】
化合物253
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.26(s,1H)、8.10(d,J=7.6Hz,1H)、7.95(d,J=8.0Hz,1H)、7.80(t,J=7.6Hz,1H)、7.65(t,J=7.6Hz,1H)、4.03(s,1H)、3.26(s,6H)、3.14〜2.87(m,9H)、2.29〜2.25(m,1H)、2.13〜2.10(m,1H)、1.63〜1.56(m,1H);MS(ESI)m/z 661.1(M+H)。
【0405】
化合物254
H NMR(400MHz、CDOD)δ 9.38(s,1H)、9.08〜9.04(m,2H)、8.37(s,1H)、8.22(t,J=7.6Hz,1H)、4.13(s,1H)、3.22〜2.98(m,9H)、2.36(m,1H)、2.13〜2.10(m,1H)、1.70〜1.63(m,1H);MS(ESI)m/z 619.0(M+H)。
【0406】
化合物255
H NMR(400MHz、CDOD)δ 9.07(d,J=5.6Hz,2H)、8.49(d,J=5.6Hz,2H)、8.37(s,1H)、4.12(s,1H)、3.22〜2.97(m,9H)、2.37(m,1H)、2.29〜2.23(m,1H)、1.70〜1.63(m,1H);MS(ESI)m/z 619.0(M+H)。
【0407】
化合物256
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.72〜8.70(m,2H)、8.23(d,J=7.2Hz,1H)、8.06(t,J=7.6Hz,1H)、7.65(dd,J=10.8、6.8Hz,1H)、4.12(s,1H)、3.19〜2.97(m,9H)、2.32〜2.25(m,1H)、2.26〜2.23(m,1H)、1.67〜1.64(m,1H);MS(ESI)m/z 619.0(M+H)。
【0408】
化合物257
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.33(s,1H)、4.09〜4.08(m,2H)、3.45〜3.42(m,1H)、3.16〜2.93(m,10H)、2.34〜2.18(m,3H)、1.95〜1.88(m,2H)、1.88〜1.60(m,4H);MS(ESI)m/z 625.1(M+H)。
【0409】
化合物258
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.44(s,1H)、5.20(t,J=9.2Hz,1H)、4.19〜4.07(m,3H)、3.19〜2.92(m,12H)、2.66〜2.61(m,2H)、2.33(m,1H)、2.22〜2.03(m,1H),1.66〜1.63(m,1H);MS(ESI)m/z 611.1(M+H)。
【0410】
化合物259
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.34(s,1H)、4.39(t,J=7.6Hz,1H)、4.10(s,1H)、3.76〜3.74(m,1H)、3.27〜2.93(m,12H)、2.70〜2.63(m,1H)、2.34〜2.15(m,6H)、1.63〜1.60(m,1H);MS(ESI)m/z 625.1(M+H)。
【0411】
化合物260
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.36(s,1H)、5.20(t,J=8.0Hz,1H)、4.09〜4.07(m,1H)、4.02(s,1H)、3.96〜3.73(m,1H)、3.21〜2.72(m,11H)、2.59〜2.13(m,2H)、1.56〜1.54(m,1H);MS(ESI)m/z 597.1(M+H)。
【0412】
化合物261
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.33(s,1H)、4.57(t,J=7.6Hz,1H)、4.09(s,1H)、3.47〜3.36(m,2H)、3.18〜2.93(m,9H)、2.54〜2.52(m,1H)、2.34〜2.31(m,1H),2.27〜2.07(m,4H),1.63〜1.58(m,1H);MS(ESI)m/z 611.1(M+H)。
【0413】
化合物262
化合物210と同様に、水性HF処理と、その後の水素化によって、10−6−2から化合物262を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.00(s,1H)、4.09(s,1H)、2.80〜3.50(m,9H)、2.32〜2.42(m,1H)、2.19〜2.27(m,1H)、1.58〜1.70(m,1H);MS(ESI)m/z 543.3(M+H)。
【0414】
実施例11。式III(式中、Yが−NRである)の化合物の合成。
スキーム11:
【化40】

スキーム11において、「R」が、C〜Cアルキルを表し;「R」が、C〜Cアルキルまたはフェニルを表す。
【0415】
フェニル2−ヒドロキシ−6−メチル−3−ニトロ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(11−1)。
化合物10−4(12.2mmol)を、1,2−ジクロロエタン(18mL)およびHO(18mL)に溶解させた。温度を25℃未満に保つために、テトラブチルアンモニウムブロミド(197mg、0.61mmol、0.05当量)を添加した後、硝酸(70%、1.56mL、24.4mmol、2.0当量)をゆっくりと添加した。室温で20時間撹拌した後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、層を分離した。有機層を、HO、塩水でさらに洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、化合物11−1が黄色の固体として得られ、これは、そのまま次の工程に用いるのに十分に純粋であった。
【0416】
フェニル2−(ベンジルオキシ)−6−メチル−3−ニトロ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(11−2)。
上記(12.2mmol)から得られた11−1を、アセトン(25mL)に溶解させた。ヨウ化カリウム(101mg、0.61mmol、0.05当量)、KCO(3.37g、24.4mmol、2当量)、および臭化ベンジル(1.74mL、14.6mmol、1.2当量)を添加した。得られた混合物を、4時間にわたって加熱して還流させた。室温まで冷ました後、溶液を、セライト床を通してろ過した。固体ケーキを、EtOAcで3度さらに洗浄した。組み合わせた有機溶液を濃縮した。残渣を、EtOAcに溶解させ、HO、塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、化合物11−2がオフホワイトの固体として得られ、これを、さらに精製せずにそのまま次の工程に用いた。
【0417】
フェニル3−アミノ−2−(ベンジルオキシ)−6−メチル−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(11−3)。
最後の工程から調製された11−2(12.2mmol)を、THF(73mL)に溶解させた。HO(49mL)中のNa(12.49g、61.0mmol、5当量)の溶液を0℃で添加した。室温で16時間撹拌した後、層を分離した。水性層を、EtOAcで3回さらに抽出した。組み合わせた有機層を、塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによるさらなる精製(シリカゲル、85:15のヘキサン/EtOAc)により、化合物11−3がオフホワイトの固体(3.45g)として得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.44〜7.34(m,7H)、7.28〜7.25(m,1H)、7.14〜7.12(m,2H)、6.73(s,1H)、5.01(s,2H)、3.86(br s,2H)、2.29(s,3H);MS(ESI)m/z 416.3(M−H)、C2217NOについての計算値416.12。
【0418】
フェニル2−(ベンジルオキシ)−3−(ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−6−メチル−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゾエート(11−4)。
ジ−tert−ブチルジカーボネート(4.51g、20.66mmol、2.5当量)およびDMAP(50mg、0.41mmol、0.05当量)を、無水DMF(33mL)中の化合物11−3(3.45g、8.26mmol、1当量)の溶液に添加した。得られた混合物を室温で撹拌し、反応物をLC−MSによって監視した。SMを完全に使い切った後、反応物をEtOAcで希釈した。溶液を、HOで3回と塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによるさらなる精製(シリカゲル、95:5のヘキサン/EtOAc)により、化合物11−4がワックス状の固体(4.12g)として得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.40〜7.31(m,7H)、7.28〜7.25(m,1H)、7.15(s,1H)、6.98(d,J=7.8Hz,1H)、4.94(s,2H)、2.40(s,3H)、1.37(s,18H);MS(ESI)m/z 616.4(M−H)、C3233NOについての計算値616.22。
【0419】
中間体11−5。
化合物2−5(実施例2を参照のこと)の調製に用いられる同様の条件下で、化合物11−4およびエノン1−6から11−5を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、95:5〜85:15のヘキサン/EtOAc)によって精製したところ、所望の生成物が淡黄色の発泡体として得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 15.88(s,1H)、7.52〜7.30(m,11H)、5.35(s,2H)、4.98(d,J=9.8Hz,1H)、4.79(d,J=9.8Hz,1H)、3.96(d,J=10.4Hz,1H)、3.26(dd,J=16.5、4.9Hz,1H)、3.01〜2.93(m,1H)、2.60〜2.40(m,9H)、2.16〜2.13(m,1H)、1.34(s,18H)、0.81(s,9H)、0.26(s,3H)、0.13(s,3H);MS(ESI)m/z 1006.7(M+H)、C526312Siについての計算値1006.41。
【0420】
(4aS,11aR,12aS,13S)−8−アミノ−3,7−ビス(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−5−ヒドロキシ−10−(トリフルオロメトキシ)−11a,12,12a,13−テトラヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−4,6(4aH,11H)−ジオン(11−6)。
化合物2−6(実施例2を参照のこと)の調製に用いられる同様の条件下で、11−5から11−6を調製した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、85:15のヘキサン/EtOAc)による粗生成物の精製により、所望の生成物が鮮黄色の発泡体として得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 16.02(s,1H)、7.52〜7.26(m,10H)、6.77(s,1H)、5.36(s,2H)、4.90(s,2H)、3.97(br s,3H)、3.12(dd,J=16.5、4.9Hz,1H)、2.98〜2.88(m,1H)、2.60〜2.40(m,9H)、2.16〜2.10(m,1H)、0.83(s,9H)、0.28(s,3H)、0.14(s,3H);MS(ESI)m/z 806.5(M+H)、C4247Siについての計算値806.30。
【0421】
化合物264
化合物180の調製に用いられる同様の手順によって、化合物11−6およびプロピオンアルデヒドによって化合物264を調製した。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。16.95〜18.25分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.36(s,1H)、4.12(s,1H)、3.36〜3.25(m,2H)、3.20〜2.90(m,9H)、2.39〜2.21(m,2H)、1.78〜1.58(m,3H)、1.04(t,J=7.3Hz,3H);MS(ESI)m/z 556.4(M+H)、C2529についての計算値556.18。
【0422】
化合物265
化合物180の調製に用いられる同様の手順によって、11−6およびイソバレルアルデヒドから化合物265を調製した。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって15→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。16.75〜18.30分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.32(s,1H)、4.11(s,1H)、3.48〜3.30(m,2H)、3.20〜2.90(m,9H)、2.38〜2.21(m,2H)、1.80〜1.58(m,4H)、0.98(d,J=6.4Hz、6H);MS(ESI)m/z 584.4(M+H)、C2733についての計算値584.21。
【0423】
化合物266
化合物153の調製に用いられる同様の手順によって、11−6およびエタンスルホニルクロリドから化合物266を調製した。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって20→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。11.10〜12.00分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.62(s,1H)、4.09(s,1H)、3.18〜2.85(m,11H)、2.36〜2.19(m,2H)、1.69〜1.59(m,1H)、1.35(t,J=7.3Hz,3H);MS(ESI)m/z 606.3(M+H)、C242710Sについての計算値606.13。
【0424】
化合物267
化合物153の調製に用いられる同様の手順によって、化合物11−6およびイソブタンスルホニルクロリドから化合物267を調製した。粗生成物を、Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−γ 100 Rカラム[30×21.20mm、10ミクロン;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:15分間にわたって20→60%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters AutopurificationシステムでのHPLCによって精製した。13.40〜14.50分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、生成物が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.61(s,1H)、4.10(s,1H)、3.18〜2.90(m,11H)、2.28〜2.18(m,3H)、1.69〜1.59(m,1H)、1.05(d,J=6.8Hz、6H);MS(ESI)m/z 634.4(M+H)、C263110Sについての計算値634.16。
【0425】
化合物268
化合物153の調製に用いられる同様の手順によって、化合物11−6およびベンゼンスルホニルクロリドから化合物268を調製した。H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.80(d,J=8.0Hz,2H)、7.63(s,1H)、7.58〜7.56(m,1H)、7.47(t,J=8.0Hz,2H)、4.14(s,1H)、3.12〜2.90(m,9H)、2.29〜2.12(m,2H)、1.65〜1.53(m,1H);MS(ESI)m/z 654.1(M+H)。
【0426】
実施例12。式IVの化合物の合成。
スキーム12:
【化41】

スキーム12において、「PG」が、保護基を表し;「R」が、ベンジルまたはBOCを表し;「RF’」が、ベンジルまたは水素を表し;Rが、任意選択的に置換されたヘテロシクリルを表す。
【0427】
1−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(12−2)。
4−(トリフルオロメチル)フェノール(12−1、125g、0.71mol)のアセトン溶液に、炭酸カリウム(137g、0.99mol、1.4当量)およびMeI(125mL、1.99mol、2.8当量)を添加した。反応物を、25℃で一晩撹拌し、濃縮した。得られた混合物を、500mLのHOで希釈し、t−ブチルメチルエーテルで抽出した。組み合わせた抽出物を、乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、110gの粗製の12−2が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.48(d,J=8.5Hz,2H)、6.89(d,J=8.5Hz,2H)、3.78(s,3H)。
【0428】
2−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)安息香酸(12−3)。
nBuLi(276mL、2.5M、0.69mol、1.1当量)およびKOtBu(77g、0.69mol、1.1当量)を、粗製の12−2(110g)のTHF溶液(1L)に−78℃で添加した。反応物を、−78℃で4時間撹拌した。乾燥COを、−78℃で1時間、溶液中にバブリングした。反応物を、0.5時間にわたって25℃まで温めた。NaOH(6N、300mL)およびHOを、得られた反応混合物に添加した。混合物を、t−ブチルメチルエーテル(400mL×2)で抽出した。水性層をHCl(6N)を用いてpH1まで酸性化し、EtOAc(300mL×4)で抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を濃縮し、CHClに再溶解させた。溶液を乾燥させ(NaSO)、セライトパッドを通してろ過し、濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(1:1のPE/EtOAc)により、82gの化合物12−3(2工程で53%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 8.45(s,1H)、7.81(d,J=8.0Hz,1H)、7.16(d,J=8.0Hz,1H)、4.13(s,3H);MS(ESI)m/z 221.0(M+H)。
【0429】
6−メトキシ−2−メチル−3−(トリフルオロメチル)安息香酸(12−4)。
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(312mL、1.85mol、5当量)のTHF溶液に、nBuLi(740mL、2.5M、1.85mol、5当量)を添加した。反応物を、0℃で45分間撹拌した。反応物に、粗製の12−3(82g、0.37mol)のTHF溶液(800mL)を0℃で添加した。反応物を、0℃で4時間撹拌した。反応物を、−78℃まで冷却し、MeI(200mL、3.73mol、10当量)のTHF溶液(200mL)に、−78℃で滴下して添加した。反応物を、1時間にわたって25℃まで温めた。反応物を、HCl(6N)で急冷し、EtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、粗生成物が得られた。粗生成物を、HPLCによって精製した。45gの化合物12−4(52%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.64(d,J=8.0Hz,1H)、6.81(d,J=8.0Hz,1H)、3.90(s,3H)、2.48(s,3H);MS(ESI)m/z 235.1(M+H)。
【0430】
フェニル6−メトキシ−2−メチル−3−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(12−5)。
塩化オキサリル(66mL、0.77mol、4当量)を、化合物12−4(45g、0.192mol)のCHCl溶液(500mL、無水)に添加した。DMF(0.5mL)を得られた混合物に添加した。反応物を、25℃で1時間撹拌し、濃縮した。得られた固体を、500mLの無水CHClに再溶解させた。フェノール(36.1g、0.38mol、2当量)、DMAP(4.6g、38mmol、0.2当量)、およびトリエチルアミン(105mL、0.77mol、4当量)を反応混合物に添加した。反応物を、25℃で12時間撹拌し、濃縮した。EtOAcおよびHOを残渣に添加した。有機層を、NaOH(1N)、HO、および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、52.0gの粗製の12−5が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.65〜7.75(m,1H)、7.40〜7.50(m,3H)、7.20〜7.35(m,2H)、6.85〜6.90(m,1H)、3.95(s,3H)、2.54(s,3H)。
【0431】
フェニル6−ヒドロキシ−2−メチル−3−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(12−6)。
BBr(95g、0.38mol、2当量)を、粗製の12−5(52.0g、)のCHCl溶液(500mL)に、−78℃で添加した。反応物を、−78℃から25℃まで1.5時間撹拌し、飽和NaHCOで急冷し、濃縮した。EtOAcおよびHOを反応混合物に添加した。水性層をEtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、51gの粗製の12−6が得られた。
【0432】
フェニル6−(ベンジルオキシ)−2−メチル−3−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(12−7−1)。
NaH(466mg、油中60%、11.6mmol、1.2当量)を、粗製の12−6(3g)のDMF溶液(30mL)に添加した。反応物を、25℃で0.5時間撹拌した。得られた反応物に、BnBr(1.6mL、13.6mmol、1.4当量)を添加し、25℃で12時間撹拌した。得られた混合物を、HOで急冷し、EtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を、NaOH(1N)、HO、および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、粗生成物が得られた。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(40:1のヘキサン/EtOAc)により、3.0gの化合物12−7−1(2工程で81%)が淡黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.60〜7.70(m,1H)、7.15〜50(m,8H)、7.03〜7.10(m,2H)、6.85〜6.95(m,1H)、5.19(s,2H)、2.52(s,3H)。
【0433】
フェニル6−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)−2−メチル−3−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(12−7−2)。
BocO(82.8g、0.38mol、2当量)、DMAP(4.6g、38mmol、0.2当量)を、粗製の12−6(51g)のCHCl溶液(150mL)に添加した。反応物を25℃で3時間撹拌した。得られた混合物を、HOで急冷し、EtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を、塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、粗生成物が得られた。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(30:1のPE/EtOAc)により、40.0gの化合物12−7−2(2工程で53%)が白色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.76(d,J=8.0Hz,1H)、7.45〜7.41(m,2H)、7.30〜7.24(m,4H)、2.58(s,3H)、1.46(s,9H);MS(ESI)m/z 397.2(M+H)。
【0434】
(4aS,11aR,12aS,13S)−3,7−ビス(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−5−ヒドロキシ−10−(トリフルオロメチル)−11a,12,12a,13−テトラヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−4,6(4aH,11H)−ジオン(12−8−1)。
12−7−1(100mg、0.26mmol、1.5当量)およびエノン1−6(84mg、0.17mmol)のTHF溶液(3mL)に、TMEDA(0.23mL、1.56mmol、9.2当量)を−78℃で添加した。LDA(2.2mL、10重量%の懸濁液、1.5mmol、8.8当量)を反応物に−78℃で添加した。反応物を、−78℃で30分間撹拌し、1時間にわたって25℃まで温め、飽和NHClで急冷し、EtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、粗生成物が得られた。Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:15分間にわたって80→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。7.8〜9.2分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、25℃でRotaVapで濃縮して、アセトニトリルの大部分を除去した。得られたほぼ水性の溶液をEtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、35mgの純粋な12−8−1(26%)が得られた。
【0435】
(4aS,11aR,12aS,13S)−3−(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−5,7−ジヒドロキシ−10−(トリフルオロメチル)−11a,12,12a,13−テトラヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−4,6(4aH,11H)−ジオン(12−8−2)。
12−7−2(500mg、1.26mmol、3当量)およびエノン(203mg、0.42mmol)のTHF溶液(3mL)に、TMEDA(0.75mL、3.78mmol、30当量)を−78℃で添加した。LDA(2.52mL、1M、2.52mmol、6当量)を反応物に−78℃で添加した。反応物を、−78℃で30分間撹拌し、1時間にわたって25℃まで温め、飽和NHClで急冷し、EtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、粗生成物が得られた。Sunfire Prep C18 OBDカラムを用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製を行い、凍結乾燥させたところ、247mgの純粋な12−8−2(75%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 13.95(s,1H)、12.15(s,1H)、7.64(d,J=9.2Hz,1H)、7.43(d,J=7.2Hz,2H)、7.34〜7.28(m,3H)、6.84(d,J=8.8Hz,1H)、5.30(s,2H)、3.82(d,J=10.4Hz,1H)、3.31〜3.25(m,1H)、3.05〜2.90(m,1H)、2.71〜2.62(m,1H);2.43(s,8H)、0.80(s,9H)、0.22(s,3H)、0.08(s,3H)MS(ESI)m/z 785.3(M+H)。
【0436】
(4S,4aS,5aR,12aS)−4−(ジメチルアミノ)−3,10,12,12a−テトラヒドロキシ−1,11−ジオキソ−7−(トリフルオロメチル)−1,4,4a,5,5a,6,11,12a−オクタヒドロテトラセン−2−カルボキサミド(化合物269)。
水性HF(1mL、48%)を、ポリプロピレン管中の12−8(35mg、0.045mmol)のCHCN溶液(4mL)に、25℃で添加した。反応物を、25℃で18時間撹拌した。得られた混合物を、KHPO(5g、30mLの水に溶解したもの)の水溶液に注いだ。混合物をEtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、35mgの粗中間体が得られた。
【0437】
パラジウム炭素(10mg、10重量%)を、上記の粗中間体(35mg)のHCl/MeOH溶液(0.5N、2mL)に添加した。反応物を、水素でパージし、25℃で4時間、H(バルーン)下で撹拌した。反応混合物を、小さいセライトプラグを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗生成物が得られた。Phenomenex Polymerx(商標)10 μ RP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:7分間にわたって0→50%のB、3分間にわたって50→100%、および5分間にわたって100%;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。6.4〜8.2分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、6mgの化合物269(2工程で28%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.76(d,J=8.8Hz,1H)、6.95(d,J=8.8Hz,1H)、4.10(s,1H)、3.25〜2.93(m,3H)、3.04(s,3H)、2.95(s,3H)、2.60〜2.48(m,1)、2.24〜2.17(m,1H)、1.70〜1.58(m,1H);MS(ESI)m/z 483.21(M+H)。
【0438】
あるいは、化合物269を12−8−2から調製した。水性HF(10mL、40%)を、ポリプロピレン管中の12−8−2(247mg、0.43mmol)のTHF溶液(10mL)に、25℃で添加した。反応物を、25℃で一晩撹拌した。得られた混合物を、KHPO(20g、100mLの水に溶解したもの)の水溶液に注いだ。混合物をEtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、250mgの粗中間体が得られた。
【0439】
パラジウム炭素(150mg、10重量%)を、上記の粗中間体(250mg)のHCl/MeOH溶液(0.5N、6mL)に添加した。反応物を、水素でパージし、25℃で1時間、H(バルーン)下で撹拌した。反応混合物を、小さいセライトプラグを通してろ過した。ろ液を濃縮したところ、粗生成物が得られた。Phenomenex Polymerx(商標)10 μ RP−1 100Aカラムを用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製を行い、凍結乾燥させたところ、105mgの化合物269(2工程で51%)が得られた。
【0440】
(4S,4aS,5aR,12aS)−9−アミノ−4−(ジメチルアミノ)−3,10,12,12a−テトラヒドロキシ−1,11−ジオキソ−7−(トリフルオロメチル)−1,4,4a,5,5a,6,11,12a−オクタヒドロテトラセン−2−カルボキサミド(化合物270)。
HNO(1μL、69%)とHSO(0.2mL)との混合物を、化合物269(6mg、0.012mmol)のHSO溶液(0.5mL)に、0℃で添加した。反応物を0℃で30分間撹拌した。得られた混合物を、激しく撹拌されたジエチルエーテル(20mL)に滴下して添加した。懸濁液を、小さいセライトパッドを通してろ過し、さらなるジエチルエーテルで数回洗浄した。次に、セライトパッドを、溶離液が無色になるまでMeOHで溶離した。黄色のMeOH溶離液を集め、減圧下で濃縮したところ、粗中間体が得られた。
【0441】
パラジウム炭素(2mg、10重量%)を、上記の粗中間体のMeOH溶液(1mL)に添加した。反応物を、水素でパージし、25℃で2時間、H(バルーン)下で撹拌した。触媒を、小さいセライトパッドを用いてろ過して取り除いた。ろ液を濃縮したところ、粗生成物が得られた。Phenomenex Polymerx(商標)10 μ RP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:7分間にわたって0→50%のB、3分間にわたって50→100%、および5分間にわたって100%;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。10〜12分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、3mgの純粋な化合物270(2工程で49%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.75(s,1H)、4.12(s,1H)、3.25〜2.92(m,3H)、3.03(s,3H)、2.95(s,3H)、2.64〜2.54(m,1H)、2.27〜2.20(m,1H)、1.71〜1.60(m,1H);MS(ESI)m/z 498.22(M+H)。
【0442】
化合物271
無水NaCO(16mg、0.15mmol、6.3当量)を、化合物270(11mg、0.024mmol)の無水DMPU/アセトニトリル(150μL/50μL)溶液に添加した。臭化ブロモアセチル(2.5μL、0.029mmol、1.2当量)を混合物に添加した。反応物を、25℃で10分間撹拌した。ピロリジン(19μL、0.24mmol、10当量)を反応混合物に添加した。反応物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、HCl(MeOH中0.5N、0.7mL)で酸性化した。得られた混合物を、激しく撹拌されたジエチルエーテル(10mL)に滴下して添加した。懸濁液を、小さいセライトパッドを通してろ過し、さらなるジエチルエーテルで数回洗浄した。次に、セライトパッドを、溶離液が無色になるまでMeOHで溶離した。黄色のMeOH溶離液を集め、減圧下で濃縮したところ、粗生成物が得られた。Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl;溶媒B:CHCN;注入量:2.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:30分間にわたって0→50%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、2.0mgの純粋な化合物271が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.70(s,1H)、4.33(s,2H)、4.11(s,1H)、3.84〜3.75(m,2H)、3.30〜2.90(m,5H)、3.03(s,3H)、2.95(s,3H)、2.60〜2.50(m,1H)、2.26〜2.00(m,5H)、1.71〜1.58(m,1H);MS(ESI)m/z 609.26(M+H)。
【0443】
適切なアミンNHRを代わりに用いて、化合物271〜304を同様に調製した。
【0444】
化合物272
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.72(s,1H)、4.11(s,1H)、4.09(s,2H)、3.22〜2.90(m,3H)、3.03(s,3H)、2.92(s,3H)、2.59〜2.49(m,1H)、2.25〜2.18(m,1H)、1.70〜1.59(m,1H)、1.42(s,9H);MS(ESI)m/z 611.25(M+H)。
【0445】
化合物273
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.69(s,1H)、4.25(s,2H)、4.11(s,1H)、3.25〜2.88(m,3H)、3.03(s,3H)、3.01(s,6H)、2.95(s,3H)、2.59〜2.49(m,1H)、2.25〜2.17(m,1H)、1.70〜1.58(m,1H);MS(ESI)m/z 583.23(M+H)。
【0446】
化合物274
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.70(s,1H)、4.22(s,2H)、4.12(s,1H)、3.23〜2.92(m,3H)、3.05(s,3H)、2.96(s,3H)、2.91〜2.84(m,1H)、2.60〜2.49(m,1H)、2.27〜2.19(m,1H)、1.71〜1.59(m,1H)、1.00〜0.92(m,4H);MS(ESI)m/z 595.24(M+H)。
【0447】
化合物275
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.71(s,1H)、4.13(s,1H)、4.11(s,2H)、3.70〜3.60(m,1H)、3.22〜2.93(m,3H)、3.05(s,3H)、2.95(s,3H)、2.59〜2.49(m,1H)、2.26〜2.10(m,3H)、1.90〜1.79(m,2H)、1.78〜1.60(m,5H);MS(ESI)m/z 623.29(M+H)。
【0448】
化合物276
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.72(s,1H)、4.12(s,3H)、3.25〜2.94(m,3H)、3.05(s,3H)、2.97(s,2H)、2.95(s,3H)、2.60〜2.49(m,1H)、2.25〜2.20(m,1H)、1.71〜1.59(m,1H)、1.12(s,9H);MS(ESI)m/z 625.31(M+H)。
【0449】
化合物277
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.72(s,1H)、4.12(s,1H)、4.10(s,2H)、3.25〜2.92(m,5H)、3.04(s,3H)、2.95(s,3H)、2.60〜2.49(m,1H)、2.26〜2.18(m,1H)、2.12〜2.03(m,1H)、1.71〜1.60(m,1H)、1.07(d,J=6.7Hz、6H);MS(ESI)m/z 611.28(M+H)。
【0450】
化合物278
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.72(s,1H)、4.13(s,2H)、4.16(s,1H)、3.23〜2.93(m,5H)、3.04(s,3H)、2.96(s,3H)、2.60〜2.50(m,1H)、2.25〜2.19(m,1H)、1.71〜1.60(m,1H)、1.20〜1.09(m,1H)、0.78〜0.73(m,1H)、0.48〜0.41(m,1H);MS(ESI)m/z 609.24(M+H)。
【0451】
化合物279
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.65(s,1H)、4.41〜4.34(m,2H)、4.35(s,2H)、4.24〜4.17(m,2H)、4.11(s,1H)、3.22〜2.92(m,3H)、3.04(s,3H)、2.95(s,3H)、2.70〜2.60(m,1H)、2.59〜2.42(m,2H)、2.25〜2.18(m,1H)、1.70〜1.59(m,1H);MS(ESI)m/z 595.21(M+H)。
【0452】
化合物280
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.71(s,1H)、4.11(s,1H)、4.09(s,2H)、3.24〜2.94(m,3H)、3.05(s,3H)、2.96(s,3H)、2.80(s,3H)、2.60〜2.50(m,1H)、2.26〜2.19(m,1H)、1.71〜1.60(m,1H);MS(ESI)m/z 569.20(M+H)。
【0453】
化合物281
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.68(s,1H)、4.10(s,3H)、3.20〜2.93(m,10H)、2.56〜2.47(m,1H)、2.25〜2.10(m,3H)、1.92〜1.85(m,2H)、1.73〜1.59(m,2H)、1.45〜1.33(m,4H)、1.30〜1.16(m,1H);MS(ESI)m/z 637.1(M+H)。
【0454】
化合物282
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.67(s,1H)、4.30(d,J=16.4Hz,1H)、4.19(d,J=15.6Hz,1H)、4.10(s,1H)、3.21〜2.93(m,14H)、2.56〜2.48(m,1H)、2.22〜2.19(m,1H)、1.84〜1.75(m,2H)、1.67〜1.57(m,1H)、1.02(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 611.1(M+H)。
【0455】
化合物283
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.66(d,J=8.4Hz,1H)、4.27(d,J=18.8Hz,2H)、4.10(s,1H)、3.98〜3.94(m,1H)、3.47〜3.43(m,1H)、3.18〜2.85(m,12H)、2.76〜2.71(m,2H)、2.54〜2.47(m,1H)、2.23〜2.16(m,1H)、1.85〜1.53(m,6H);MS(ESI)m/z 649.1(M+H)。
【0456】
化合物284
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.65(s,1H)、4.07(s,2H)、4.03(s,1H)、3.97〜3.90(m,2H)、3.12〜2.86(m,9H)、2.49〜2.42(m,1H)、2.15〜2.11(m,1H)、1.57〜1.50(m,1H),;MS(ESI)m/z 637.1(M+H)。
【0457】
化合物285
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.72(s,1H)、5.50(d,J=52.0Hz,1H)、4.44(s,2H)、4.14(s,1H)、4.04〜3.95(m,2H)、3.54〜3.47(m,2H)、3.23〜2.97(m,9H)、2.60〜2.23(m,4H)、1.71〜1.62(m,1H);MS(ESI)m/z 627.0(M+H)。
【0458】
化合物286
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.70(s,1H)、4.11(s,1H)、4.09(s,2H)、3.51〜3.44(m,1H)、3.19〜2.94(m,9H)、2.56〜2.49(m,1H)、2.24〜2.19(m,1H)、1.68〜1.58(m,1H)、1.38(t,J=6.4Hz、6H);MS(ESI)m/z 597.2(M+H)。
【0459】
化合物287
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.69(s,1H)、4.10(s,1H)、4.07(s,2H)、3.21〜2.94(m,11H)、2.56〜2.50(m,1H)、2.25〜2.19(m,1H)、1.85〜1.60(m,7H)、1.37〜1.22(m,3H)、1.12〜1.03(m,2H);MS(ESI)m/z 651.3(M+H)。
【0460】
化合物288
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.71(s,1H)、4.32(s,2H)、4.14(s,1H)、4.10〜3.87(m,4H)、3.65〜3.58(m,2H)、3.43〜3.36(m,2H)、3.23〜2.97(m,9H)、2.60〜2.52(m,1H)、2.27〜2.23(m,1H)、1.70〜1.64(m,1H);MS(ESI)m/z 625.3(M+H)。
【0461】
化合物289
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.72(s,1H)、4.14(s,1H)、4.13(s,2H)、3.19〜2.90(m,11H)、2.56〜2.45(m,1H)、2.23〜2.15(m,2H)、1.92〜1.85(m,2H)、1.70〜1.65(m,5H)、1.31〜1.22(m,2H);MS(ESI)m/z 637.2(M+H)。
【0462】
化合物290
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.67(s,1H)、5.45(d,J=52.0Hz,1H)、4.40(s,2H)、4.09(s,1H)、4.00〜3.90(m,1H)、3.45〜3.37(m,1H)、3.20〜2.92(m,11H)、2.53〜2.33(m,3H)、2.23〜2.15(m,1H)、1.65〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 627。2(M+H)。
【0463】
化合物291
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.58(s,1H)、5.37(d,J=56.8Hz,1H)、4.36(m,4H)、4.02(s,1H)、3.17〜2.73(m,11H)、2.48〜2.41(m,1H)、2.15〜2.11(m,1H)、1.60〜1.50(m,1H);MS(ESI)m/z 613.1(M+H)。
【0464】
化合物292
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.68(s,1H)、4.15(s,1H)、4.11(s,2H)、3.21〜2.98(m,11H)、2.56〜2.48(m,1H)、2.26〜2.19(m,1H)、1.82〜1.73(m,2H)、1.68〜1.49(m,1H)、1.02(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 597.2(M+H)。
【0465】
化合物293
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.61(s,1H)、4.03(s,1H)、3.90(s,2H)、3.80〜3.72(m,1H)、3.15〜2.87(m,9H)、2.48〜2.40(m,1H)、2.37〜2.11(m,5H)、1.90〜1.81(m,2H)、1.62〜1.52(m,1H);MS(ESI)m/z 609.2(M+H)。
【0466】
化合物294
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.65(s,1H)、4.10(s,3H)、3.57(t,J=5.2Hz,2H)、3.48(s,3H)、3.30〜3.25(m,2H)、3.18〜2.92(m,9H)、2.55〜2.45(m,1H)、2.23〜2.15(m,1H)、1.65〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 613.2(M+H)。
【0467】
化合物295
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.16(s,1H)、4.33(d,J=15.6Hz,1H)、4.21(d,J=16.4Hz,1H)、4.11(s,1H)、3.24〜2.93(m,14H)、2.58〜2.49(m,1H)、2.28〜2.20(m,1H)、1.70〜1.58(m,1H)、1.40(t,J=7.4Hz,3H);MS(ESI)m/z 597.0(M+H)。
【0468】
化合物296
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.57(s,1H)、4.19(s,2H)、4.05(s,1H)、3.35〜3.23(m,4H)、3.13〜2.82(m,9H)、2.48〜2.39(s,1H)、2.28〜2.11(s,1H)、1.60〜1.51(m,1H)、1.29(t,J=7.2Hz、6H);MS(ESI)m/z 611.1(M+H)。
【0469】
化合物297
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.67(s,1H)、4.21(s,2H)、4.12(s,1H)、3.64〜3.61(m,2H)、3.19〜2.91(m,11H)、2.56〜2.46(m,1H)、2.25〜2.17(m,1H)、1.97〜1.79(m,5H)、1.69〜1.50(m,2H);MS(ESI)m/z 623.2(M+H)。
【0470】
化合物298
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.72(s,1H)、7.42(s,4H)、5.10〜5.00(m,2H)、4.73〜4.62(m,2H)、4.57(s,2H)、4.13(s,1H)、3.21〜2.90(m,9H)、2.56〜1.95(m,1H)、2.25〜2.20(m,1H)、1.68〜1.58(m,1H);MS(ESI)m/z 657.1(M+H)。
【0471】
化合物299
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.68(s,1H)、4.12(s,1H)、4.09(s,2H)、3.22〜2.91(m,11H)、2.56〜2.47(m,1H)、2.26〜2.17(m,1H)、1.69〜1.58(m,1H)、1.37(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 583.1(M+H)。
【0472】
化合物300
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.70(s,1H)、6.36(tt,J=53.5、3.2Hz,1H)、4.23(s,2H)、4.13(s,1H)、3.69(td,J=15.3、2.8Hz,2H)、3.23〜2.91(m,9H)、2.58〜2.50(m,1H)、2.25〜2.19(m,1H)、1.70〜1.60(m,1H);MS(ESI)m/z 619.0(M+H)。
【0473】
化合物301
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.79(s,1H)、4.32(s,1H)、4.32(s,2H)、3.37〜3.15(m,11H)、2.97〜2.89(m,1H)、2.78〜2.68(m,1H)、2.47〜2.35(m,3H)、2.27〜2.18(m,1H)、2.16〜2.03(m,3H)、1.90〜1.79(m,1H);MS(ESI)m/z 623.2(M+H)。
【0474】
化合物302
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.86(s,1H)、4.90〜4.80(m,1H)、4.62〜4.50(m,5H)、4.32(s,1H)、4.30〜4.20(m,1H)、3.56(s,3H)、3.40〜3.12(m,9H)、2.80〜2.68(m,1H)、2.48〜2.39(m,1H)、1.90〜1.79(m,1H);MS(ESI)m/z 625.2(M+H)。
【0475】
化合物303
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.73(s,1H)、4.75(tt,J=52.0、4.8Hz,2H)、4.21(s,2H)、4.15(s,1H)、3.55(tt,J=26.8、4.4Hz,2H)、3.23〜2.87(m,9H)、2.60〜2.50(m,1H)、2.30〜2.20(m,1H)、1.68〜1.64(m,1H);MS(ESI)m/z 601.1(M+H)。
【0476】
化合物304
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.79(s,1H)、7.49〜7.45(m,2H)、7.30〜7.28(m,3H)、4.71(s,2H)、4.11(s,1H)、3.18〜2.95(m,9H)、2.60〜2.49(m,1H)、2.27〜2.18(m,1H)、1.70〜1.61(m,1H);MS(ESI)m/z 631.0(M+H)。
【0477】
臭化ブロモアセチルおよびアミンを、酸塩化物(必要に応じて、適宜、保護される)またはカルボン酸(必要に応じて、適宜、保護される)およびHATUなどのカップリング試薬に置き換えて、271と同様に化合物307〜311を調製した。
【0478】
化合物307
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.71(s,1H)、5.32〜5.28(m,1H)、4.21〜4.17(m,1H)、4.14(s,1H)、4.07〜4.00(m,1H)、3.25〜2.92(m,10H)、2.70〜2.61(m,1H)、2.59〜2.49(m,1H)、2.28〜2.20(m,1H)、1.70〜1.60(m,1H);MS(ESI)m/z 581.1(M+H)。
【0479】
化合物308
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.54(s,1H)、4.07(s,2H)、3.46〜3.38(m,1H)、3.16〜2.90(m,10H)、2.53〜2.43(m,1H)、2.33〜2.15(m,2H)、1.96〜1.86(m,2H)、1.77〜1.55(m,4H);MS(ESI)m/z 609.1(M+H)。
【0480】
化合物309
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.59(s,1H)、5.17〜5.12(m,1H)、4.11〜3.98(m,3H)、3.13〜2.85(m,12H)、2.59〜2.42(m,3H)、2.18〜2.11(m,1H)、1.61〜1.50(m,1H);MS(ESI)m/z 595.1(M+H)。
【0481】
化合物310
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.59(s,1H)、4.62〜4.57(m,1H)、4.12(s,1H)、3.51〜3.36(m,2H)、3.25〜2.93(m,3H)、3.05(s,3H)、2.96(s,3H)、2.62〜2.49(m,2H)、2.25〜2.08(m,4H)、1.71〜1.58(m,1H);MS(ESI)m/z 595.25(M+H)。
【0482】
化合物311
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.61(s,1H)、4.42〜4.37(m,1H)、4.13(s,1H)、3.82〜3.75(m,2H)、3.23〜2.92(m,3H)、3.04(s,3H)、3.01(s,3H)、2.95(s,3H)、2.78〜2.62(m,1H)、2.62〜2.51(m,1H)、2.32〜2.04(m,4H)、1.71〜1.60(m,1H);MS(ESI)m/z 609.26(M+H)。
【0483】
化合物305
THF(1mL)中の化合物270(15mg、0.024mmol、1当量)の溶液に、炭酸ナトリウム(20mg、0.19mmol、8当量)、3−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(0.036mmol、1.5当量)を添加した。反応物を、室温で6時間撹拌し、LC/MS分析により、出発アニリン12を完全に使い切ったことが示された。次に、反応混合物を、高速で撹拌しながら、4NのHCl/MeOH(1mL)に0℃で滴下して添加した。反応混合物を濃縮し、残渣をHPLCによって精製した。凍結乾燥させた後、所望の生成物化合物305が黄色の固体として得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.92(s,1H)、7.61〜7.50(m,3H)、7.38〜7.32(m,1H)、4.10(s,1H)、3.19〜2.90(m,9H)、2.55〜2.45(m,1H)、2.24〜2.46(m,1H)、1.68〜1.55(m,1H);MS(ESI)m/z 656.0(M+H)。
【0484】
化合物306
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホニルクロリドを用いて、化合物305と同様に化合物306を調製した:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.82(s,1H)、8.06(s,1H)、7.93(s,1H)、4.15(s,1H)、3.91(s,3H)、3.96〜2.95(m,9H)、2.59〜2.49(m,1H)、2.28〜2.20(m,1H)、1.70〜1.60(m,1H);MS(ESI)m/z 642.1(M+H)。
【0485】
実施例13。式Vの化合物の合成
スキーム13:
【化42】

スキーム13において、「R」が、ベンジルまたはBOCを表し;「RF’」が、ベンジルまたは水素を表す。
【0486】
エチル3−ブロモ−6−メトキシ−2−メチルベンゾエート(13−2)。
エチル2−メトキシ−6−メチルベンゾエート(13−1、5g、25.8mmol、TCI M1120)の塩化メチレン溶液(100mL)に、臭素(1.65mL、32.2mmol、1.25当量)を0℃で添加した。反応物を、0℃から25℃まで12時間撹拌し、チオ硫酸ナトリウム溶液(5%、20mL)で急冷し、20分間撹拌した。得られた混合物を、塩化メチレンで抽出した。組み合わせた塩化メチレン抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、7.2gの13−2が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.47(d,J=9.2Hz,1H)、6.63(d,J=9.2Hz,1H)、4.38(q,J=7.3Hz,2H)、3.78(s,3H)、2.30(s,3H)、1.35(t,J=7.3Hz,3H)。
【0487】
エチル3−ブロモ−6−ヒドロキシ−2−メチルベンゾエート(13−3)。
BBr(31mL、1.0M、30.96mmol、1.2当量)を、粗製の13−2(7.2g)の塩化メチレン溶液(100mL)に、−78℃で添加した。反応物を、2時間にわたって25℃まで温めた。反応物を、−78℃から25℃まで2時間撹拌し、飽和NaHCOで急冷し、濃縮した。EtOAcおよびHOを反応混合物に添加した。水性層をEtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、7.1gの13−3が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 10.87(br s,1H)、7.55(d,J=9.2Hz,1H)、4.43(q,J=7.3Hz,2H)、2.63(s,3H)、1.42(t,J=7.3Hz,3H)。
【0488】
エチル6−(ベンジルオキシ)−3−ブロモ−2−メチルベンゾエート(13−4)。
粗製の13−3(7.1g)のDMF溶液(50mL)に、NaH(1.24g、油中60%、30.96mmol、1.2当量)を0℃で添加した。反応物を、0℃で1時間撹拌した。反応混合物に、BnBr(4.3mL、36.1mmol、1.4当量)を0℃で添加した。反応物を、25℃で12時間撹拌した。反応物をNHClで急冷し、EtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を、HO、塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(30:1のヘキサン/EtOAc)により、8.0gの化合物13−4(3工程で89%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.44(d,J=9.2Hz,1H)、7.25〜7.40(m,5H)、6.66(d,J=9,2Hz,1H)、5.06(s,2H)、4.36(q,J=7.3Hz,2H)、2.32(s,3H)、1.32(t,J=7.3Hz,3H)。
【0489】
エチル6−(ベンジルオキシ)−3−シアノ−2−メチルベンゾエート(13−5)。
CuCN(770mg、8.6mmol、3当量)を、密閉した管中の13−4(1.0g、2.87mmol)のDMF溶液(15mL、無水)に添加した。反応物を、200℃で18分間撹拌し、冷却した。得られた混合物を、HOで急冷し、EtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を、HO、塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(10:1のヘキサン/EtOAc)により、670mgの化合物13−5(80%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.55(d,J=8.5Hz,1H)、7.26〜7.40(m,5H)、6.83(d,J=8.5Hz,1H)、5.14(s,2H)、4.37(q,J=7.0Hz,2H)、2.46(s,3H)、1.30(t,J=7.0Hz,3H)。
【0490】
6−(ベンジルオキシ)−3−シアノ−2−メチル安息香酸(13−6)。
NaOH溶液(5mL、3N)を、13−5(518mg、1.75mmol)のMeOH/THF溶液(5mL/5mL)に、55℃で添加した。反応物を、55℃から15時間撹拌し、濃縮した。得られた混合物を、HCl(6N)を用いてpH1まで酸性化し、EtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、530mgの粗製の13−6が得られた。
【0491】
6−(ベンジルオキシ)−3−シアノ−2−メチル安息香酸(13−7−1)。
塩化オキサリル(0.75mL、8.75mmol、5当量)を、粗製の13−6(530mg)のCHCl溶液(5mL、無水)に添加した。DMF(0.1mL)を得られた混合物に添加した。反応物を、25℃で1時間撹拌し、濃縮した。得られた固体を、5mLの無水CHClに再溶解させた。フェノール(330mg、3.5mmol、2当量)、DMAP(213mg、1.75mmol、1当量)、およびトリエチルアミン(1.2mL、8.75mmol、5当量)を反応混合物に添加した。反応物を、25℃で12時間撹拌し、濃縮した。EtOAcおよびHOを残渣に添加した。有機層を、NaOH(1N)、HO、および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(10:1のヘキサン/EtOAc)により、400mgの化合物13−7−1(2工程で67%)が得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.65(d,J=9.2Hz,1H)、7.25〜7.45(m,8H)、7.06(d,J=10.2Hz,2H)、6.93(d,J=9.2Hz,1H)、5.20(s,2H)、2.61(s,3H)。
【0492】
フェニル6−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)−3−シアノ−2−メチルベンゾエート(13−7−2)。
1,4ジオキサン/MeOH(25mL/25mL)中の化合物13−7−1(5g、0.014mol)の溶液に、Pd/C(1.1g、22%)を添加し、混合物を、5分間水素をバブリングすることによってパージし、室温で2時間、1atmの水素雰囲気下で高速で撹拌した。触媒を、小さいセライトパッドを用いてろ過して取り除き、さらなるメタノール(2mL×3)で洗浄した。ろ液を濃縮したところ、粗中間体が得られた。ジ−tert−ブチルジカーボネート(3.3g、0.015mmol、1.05当量)、DMAP(20mg、触媒量)を、DCM(100mL)中の上記の中間体の溶液に添加した。得られた混合物を、室温で1時間撹拌し、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、所望の生成物13−7−2が白色の固体として得られた(3.2g、62%、2工程):H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.77(d,J=8.8Hz,1H)、7.47(m,2H)、7.33(m,2H)、7.30(m,1H)、7.25(d,J=7.6Hz,1H)、2.71(s,3H)、1.47(s,9H);MS(ESI)m/z 354.37(M+H)。
【0493】
(4aS,11aR,12aS,13S)−3,7−ビス(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−13−(ジメチルアミノ)−5−ヒドロキシ−4,6−ジオキソ−4,4a,6,11,11a,12,12a,13−オクタヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−10−カルボニトリル(13−8−1)。
13−7−1(400mg、1.17mmol、1.5当量)およびエノン1−6(378mg、0.78mmol)のTHF溶液(5mL)を、TMEDA(1.1mL、7.02mmol、6.0当量)に−78℃で添加した。LHMDS(4.7mL、1M、4.66mmol、4.0当量)を反応物に−78℃で添加した。反応物を、−78℃で30分間撹拌し、1時間にわたって25℃まで温め、飽和NHClで急冷し、EtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、粗生成物が得られた。Sunfire Prep C18 OBDカラム[5μm、19×50mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.1%のHCOHを含むHO;溶媒B:0.1%のHCOHを含むCHCN;注入量:4.0mL(CHCN);グラジエント:15分間にわたって80→100%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。5.9〜7.0分で溶離する、所望のMWを有する画分を集め、25℃でRotaVapで濃縮して、アセトニトリルの大部分を除去した。得られたほぼ水性の溶液をEtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、153mgの純粋な13−8−1(27%)が得られた。
【0494】
(4aS,11aR,12aS,13S)−3−(ベンジルオキシ)−4a−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−10−シアノ−13−(ジメチルアミノ)−5−ヒドロキシ−4,6−ジオキソ−4,4a,6,11,11a,12,12a,13−オクタヒドロテトラセノ[2,3−d]イソオキサゾール−7−イルtert−ブチルカーボネート(13−8−2)。
化合物13−7−2(402mg、1.139mmol、2当量)およびエノン1−6(282mg、0.58mmol、1当量)の溶液に、TMEDA(0.55mL、3.5mmol、6当量)を−78℃で添加した。LHMDS(3.3mL、1M、3.3mmol、5.6当量)を−78℃で反応混合物に添加した。反応物を、−78℃で30分間撹拌し、1時間にわたって25℃まで温め、飽和NHClで急冷し、EtOAcで抽出した。組み合わせた抽出物を、NaSOで乾燥させ、濃縮したところ、粗生成物が得られ、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、生成物13−8−2が黄色の固体(0.14g、32%)として得られた:H NMR(400MHz、CDCl)δ 15.41(s,1H)、7.85(d,J=4.0Hz,1H)、7.63〜7.32(m,5H)、7.26〜7.20(m,1H)、5.44(s,2H)、4.01(d,J=10.8Hz,1H)、3.48(dd,J=16.0Hz、4.4Hz,1H)、3.21〜3.18(m,1H)、2.94〜2.81(m,1H)、2.69〜2.63(m,1H)、2.71〜2.55(m,7H)、2.26(d,J=14.4Hz,1H),1.62(s,9H)、0.93(s,9H)、0.33(s,3H)、0.19(s,3H);MS(ESI)m/z 742.37(M+H)。
【0495】
化合物312
水性HF(1mL、48%)を、ポリプロピレン管中の13−8−1(35mg、0.045mmol)のCHCN溶液(4mL)に、25℃で添加した。反応物を、25℃で18時間撹拌した。得られた混合物を、KHPO(5g、30mLの水に溶解したもの)の水溶液に注いだ。混合物をEtOAcで抽出した。組み合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮したところ、120mgの粗中間体が得られた。
【0496】
パラジウム炭素(50mg、10重量%)を、上記の中間体(120mg)のHCl/MeOH溶液(0.5N、2mL)に添加した。反応物を、水素でパージし、25℃で3時間、H(バルーン)下で撹拌した。反応混合物を、小さいセライトプラグを通してろ過した。ろ液を濃縮した。Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:7分間にわたって0→70%のB、3分間にわたって70→100%、および5分間にわたって100%;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、28mgの化合物312(2工程で30%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.76(d,J=9.0Hz,1H)、6.97(d,J=9.0Hz,1H)、4.10(s,1H)、3.26〜2.91(m,3)、3.04(s,3H)、2.96(s,3H)、2.71〜2.62(m,1H)、2.27〜2.20(m,1H)、1.72〜1.62(m,1H);MS(ESI)m/z 410.22(M+H)。
【0497】
あるいは、化合物312を13−8−2から調製した。化合物13−8−2(140mg、0.19mmol)をTHF(5mL)に溶解させ、HF(5mL、水中40%)を添加した。得られた黄色の溶液を、室温で一晩撹拌した。次に、反応溶液を、高速で撹拌しながら、水(20mL)中のKHPO(3.1g)の溶液にゆっくりと添加した。混合物を、DCM(10mL×3)で抽出した。組み合わせた抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で濃縮したところ、粗中間体が得られた。
【0498】
上記の粗中間体のHCl/MeOH溶液(0.5N、5mL)に、Pd/C(30mg、20%)を添加した。混合物を、5分間水素をバブリングすることによってパージし、室温で1時間、1atmの水素雰囲気下で高速で撹拌した。触媒を、小さいセライトパッドを用いてろ過して取り除き、さらなるメタノール(5mL×3)で洗浄した。ろ液を真空で濃縮した。Polymerx(商標)カラムでの分取HPLC精製により、所望の生成物化合物312が、黄色の固体(56mg、2工程で68%)として得られた。
【0499】
化合物313
HNO(27μL、69%)とHSO(0.4mL)との混合物を、化合物312(150mg、0.34mmol)のHSO溶液(1mL)に、0℃で添加した。反応物を0℃で30分間撹拌した。得られた混合物を、激しく撹拌されたジエチルエーテル(20mL)に滴下して添加した。懸濁液を、小さいセライトパッドを通してろ過し、さらなるジエチルエーテルで数回洗浄した。次に、セライトパッドを、溶離液が無色になるまでMeOHで溶離した。黄色のMeOH溶離液を集め、減圧下で濃縮した。
【0500】
得られた混合物を、MeOH(15mL)に再溶解させた。パラジウム炭素(20mg、10重量%)を反応物に添加した。反応混合物を、25℃で30分間、H下で撹拌した。反応混合物を、小さいセライトプラグを通してろ過した。ろ液を濃縮した。Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl/水;溶媒B:CHCN;注入量:4.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:7分間にわたって0→50%のB、3分間にわたって50→100%、および5分間にわたって100%;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、62mgの化合物313(2工程で40%)が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 7.58(s,1H)、4.10(s,1H)、3.25〜2.93(m,3H)、3.03(s,3H)、2.93(s,3H)、2.75〜2.60(m,1H)、2.28〜2.20(m,1H)、1.71〜1.60(m,1H);MS(ESI)m/z 455.23(M+H)。
【0501】
化合物314
無水NaCO(16mg、0.15mmol、6.3当量)を、化合物313(11mg、0.024mmol)の無水DMPU/アセトニトリル(150μL/50μL)溶液に添加した。臭化ブロモアセチル(2.5μL、0.029mmol、1.2当量)を混合物に添加した。反応物を、25℃で10分間撹拌した。ピロリジン(19μL、0.24mmol、10当量)を反応混合物に添加した。反応物を、25℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、HCl(MeOH中0.5N、0.7mL)で酸性化した。得られた混合物を、激しく撹拌されたジエチルエーテル(10mL)に滴下して添加した。懸濁液を、小さいセライトパッドを通してろ過し、さらなるジエチルエーテルで数回洗浄した。次に、セライトパッドを、溶離液が無色になるまでMeOHで溶離した。黄色のMeOH溶離液を集め、減圧下で濃縮した。Phenomenex Polymerx(商標)10μ RP−1 100Aカラム[10μm、150×21.20mm;流量、20mL/分;溶媒A:0.05NのHCl;溶媒B:CHCN;注入量:2.0mL(0.05NのHCl/水);グラジエント:30分間にわたって0→50%のB;質量による分別捕集]を用いたWaters Autopurificationシステムでの分取逆相HPLC精製。所望のMWを有する画分を集め、凍結乾燥させたところ、4.3mgの純粋な13−11−1が得られた:H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.62(s,1H)、4.34(s,1H)、4.12(s,1H)、3.3.84〜3.76(m,2H)、3.30〜2.92(m,5H)、3.04(s,3H)、2.95(s,3H)、2.70〜2.58(m,1H)、2.30〜2.01(m,5H)、1.72〜1.61(m,1H);MS(ESI)m/z 566.27(M+H)。
【0502】
適切なアミン(NHR)を用いて、化合物315〜333を同様に調製した。
【0503】
化合物315
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.64(s,1H)、4.12(s,1H)、4.09(s,2H)、3.30〜2.92(m,3H)、3.05(s,3H)、2.95(s,3H)、2.71〜2.58(m,1H)、2.30〜2.22(m,1H)、1.73〜1.62(m,1H)、1.42(s,9H);MS(ESI)m/z 568.19(M+H)。
【0504】
化合物316
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.63(s,1H)、4.26(s,1H)、4.13(s,1H)、3.30〜2.94(m,3H)、3.05(s,3H)、3.02(s,6H)、2.95(s,3H)、2.71〜2.60(m,1H)、2.30〜2.23(m,1H)、1.73〜1.62(m,1H);MS(ESI)m/z 540.24(M+H)。
【0505】
化合物317
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.65(s,1H)、4.12(s,1H)、4.10(s,2H)、3.20〜2.92(m,5H)、3.04(s,3H)、2.95(s,3H)、2.71〜2.62(m,1H)、2.30〜2.22(m,1H)、2.13〜2.24(m,1H)、1.73〜1.63(m,1H)、1.08(d,J=6.7Hz、6H);MS(ESI)m/z 568.21(M+H)。
【0506】
化合物318
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.53(s,1H)、4.11(s,2H)、4.04(s,1H)、3.20〜2.75(m,10H)、2.58〜2.52(m,1H)、2.19〜2.15(m,1H),1.62〜1.56(m,1H)、0.86〜0.80(m,4H);MS(ESI)m/z 552.1(M+H)。
【0507】
化合物319
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.53(s,1H)、4.05(s,1H)、3.90(s,2H)、3.20〜2.85(m,11H)、2.62〜2.48(m,1H)、2.19〜2.15(m,1H)、1.58〜1.53(m,1H)、1.27(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 540.0(M+H)。
【0508】
化合物320
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.64(s,1H)、4.15(s,1H)、4.11(s,2H)、3.30〜2.96(m,11H)、2.72〜2.60(m,1H)、2.31〜2.28(m,1H)、1.88〜1.62(m,3H)、1.06(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 553.9(M+H)。
【0509】
化合物321
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.56(s,1H)、4.04(s,1H)、4.00(s,2H)、3.15〜2.85(m,11H)、2.62〜2.55(m,1H)、2.21〜2.16(m,1H)、1.80〜1.50(m,8H)、1.30〜1.10(m,4H);MS(ESI)m/z 608.0(M+H)。
【0510】
化合物322
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.54(s,1H)、4.02(s,2H)、3.89(s,1H)、3.80〜3.70(m,1H)、3.18〜2.85(m,9H)、2.60〜2.50(m,1H)、2.32〜2.10(m,5H)、1.90〜1.80(m,2H)、1.67〜1.52(m,1H);MS(ESI)m/z 566.1(M+H)。
【0511】
化合物323
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.55(s,1H)、4.04(s,1H)、4.02(s,2H)、3.60〜3.50(m,1H)、3.18〜2.78(m,9H)、2.60〜2.50(m,1H)、2.21〜2.14(m,1H)、2.07(br s,2H)、1.76(br s,2H)、1.61(br s,5H);MS(ESI)m/z 580.1(M+H)。
【0512】
化合物324
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.63(s,1H)、4.12(s,1H)、4.10(s,2H)、3.25〜2.93(m,10H)、2.69〜2.59(m,1H)、2.28〜2.20(m,1H)、2.15〜2.12(m,2H)、1.96〜1.85(m,2H)、1.75〜1.65(m,2H)、1.45〜1.31(m,5H);MS(ESI)m/z 594.1(M+H)。
【0513】
化合物325
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.62(s,1H)、4.29(d,J=16.0Hz,1H)、4.18(d,J=16.0Hz,1H)、4.12(s,1H)、3.28〜2.92(m,14H)、2.70〜2.58(m,1H)、2.28〜2.20(m,1H)、1.72〜1.53(m,1H)、1.38(t,J=7.2Hz,3H);MS(ESI)m/z 554.0(M+H)。
【0514】
化合物326
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.60(s,1H)、4.24(s,2H)、4.11(s,1H)、3.38〜3.28(m,4H)、3.25〜2.98(m,9H)、2.68〜2.58(m,1H)、2.28〜2.20(m,1H)、1.71〜1.62(m,1H)、1.36(t,J=7.2Hz、6H);MS(ESI)m/z 568.0(M+H)。
【0515】
化合物327
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.62(s,1H)、4.33(d,J=16.0Hz,1H)、4.21(d,J=16.0Hz,1H)、4.14(s,1H)、3.30〜2.88(m,14H)、2.70〜2.60(m,1H)、2.30〜2.22(m,1H)、1.90〜1.77(m,2H)、1.75〜1.60(m,1H)、1.04(t,J=7.6Hz,3H);MS(ESI)m/z 568.0(M+H)。
【0516】
化合物328
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.51(s,1H)、4.30(br s,4H)、4.15(dd,J=9.6、18.8Hz,2H)、4.08(s,1H)、3.30〜2.88(m,9H)、2.64〜2.50(m,2H)、2.42(br s,1H)、2.24〜2.15(m,1H)、1.70〜1.50(m,1H);MS(ESI)m/z 552.0(M+H)。
【0517】
化合物329
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.57(s,1H)、4.07(s,1H)、4.04(s,2H)、3.46〜3.41(m,1H)、3.23〜2.82(m,9H)、2.62〜2.55(m,1H)、2.25〜2.20(m,1H)、1.65〜1.52(m,1H)、1.35(d,J=6.4Hz、6H);MS(ESI)m/z 554.0(M+H)。
【0518】
化合物330
H NMR(400MHz、CDOD)δ 8.54(s,1H)、5.50〜5.38(m,1H)、4.35(br s,2H)、4.04(s,1H)、4.00〜3.71(m,2H)、3.50〜3.28(m,2H)、3.29〜2.82(m,9H)、2.60〜2.24(m,4H)、1.66〜1.50(m,1H);MS(ESI)m/z 584.0(M+H)。
【0519】
実施例14。抗菌活性。
本発明の化合物の抗菌活性を、以下のプロトコルにしたがって調べた。
【0520】
最小発育阻止濃度(MIC)の測定
臨床検査標準協会(the Clinical and Laboratory Standards Institute)(CLSI)のガイダンス(例えば、CLSI. Performance standards for antimicrobial susceptibility testing;nineteenth information supplement。CLSI文書M100−S19、CLSI、940 West Valley Road、Suite 1400、Wayne、Pennsylvania 19087−1898、USA、2009)にしたがってMICを測定した。簡潔に説明すると、凍結した菌株を解凍し、ミューラーヒントンブロス(MHB)または他の適切な培地(連鎖球菌属(Streptococcus)には血液が必要であり、ヘモフィルス属(Haemophilus)にはヘミンおよびNADが必要である)で継代培養した。一晩培養した後、菌株をミューラーヒントン寒天で継代培養し、再び一晩培養した。コロニー形態が適切かおよび汚染がないかどうか、コロニーを観察した。0.5マクファーランド標準に等しい出発接種材料を調製するように、単離されたコロニーを選択した。出発接種材料を、さらなる使用のために、MHBを用いて1:125で希釈した。5.128mg/mLの最終濃度まで滅菌水で希釈することによって、試験化合物を調製した。抗生物質(冷凍貯蔵し、解凍し、解凍から3時間以内に使用する)および化合物を、所望の使用濃度までさらに希釈した。
【0521】
測定を以下のように行った。50μLのMHBを、96ウェルプレートのウェル2−12に添加した。100μLの適切に希釈した抗生物質を、ウェル1に添加した。50μLの抗生物質を、ウェル1から取り出し、ウェル2に添加し、ウェル2の内容物を、上下に5回ピペット操作することによって混合した。ウェル2中の50μLの混合物を取り出し、ウェル3に添加し、上記のように混合した。連続希釈を、同じようにウェル12まで続けた。全てが50μLを含有するように、50μLをウェル12から取り出した。次に、50μLの使用接種材料を、全ての試験ウェルに添加した。50μLの使用接種材料および50μLのMHBを空のウェルに添加することによって、増殖対照ウェルを作製した。次に、プレートを37℃で一晩培養し、培養器から取り出し、各ウェルを、プレート読み取りミラーで読み取った。細菌の増殖を阻害した試験化合物の最小濃度(MIC)を記録した。
【0522】
【表B】
【0523】
解釈:MIC=2μg/mL。
【0524】
接種濃度(生菌数)を測定するためのプロトコル
90μlの滅菌した0.9%のNaClを、96ウェルマイクロタイタープレートのウェル2−6にピペットで入れた。50μlの接種材料を、ウェル1にピペットで入れた。10μLをウェル1から取り出し、それをウェル2に添加してから混合した。10μLをウェル2から取り出し、ウェル3以降の内容物と混合し、ウェル6まで連続希釈を行った。10μLを各ウェルから取り出し、適切な寒天プレート上に塗布した。プレートを一晩培養器に入れた。明らかなコロニーを含むスポット状のコロニーを数えた。コロニーの数に希釈係数を掛けることによって、生菌数を計算した。
【0525】
【表C】
【0526】
菌株
以下に挙げる15の菌株を、最小発育阻止濃度(MIC)測定で調べた。
【0527】
【表D】
【0528】
結果
本発明の化合物の最小発育阻止濃度(MIC)の値を、表5に示す。
【0529】
【表5-1】
【0530】
【表5-2】
【0531】
【表5-3】
【0532】
【表5-4】
【0533】
【表5-5】
【0534】
【表5-6】
【0535】
【表5-7】
【0536】
【表5-8】
【0537】
実施例15。インビボ活性。
黄色ブドウ球菌(S.aureus)の腹腔内接種によるマウスの全身感染症モデル
このモデルにおいて、24〜48時間以内に90〜100%の死亡率を達成するのに必要とされる、病原性研究によって既に確立された細菌接種材料である、5%のブタの胃粘素と混合された黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC 13709(スミス(Smith))(マウス1匹当たり1〜2×10)を、CD−1雌マウス(18〜20グラム)の腹腔内に注射した。通常、投与群当たり6匹のマウスに、接種の1時間後(one hour post−challenge)、0.05〜10mg/kgの範囲の用量でのいずれかの化合物101、化合物105、化合物145、化合物153、化合物166、および化合物218、テトラサイクリンまたはチゲサイクリンで静脈内処置した。48時間後、生存率を計算し、50%を生存させる用量(mg/kg)、すなわち50%防御用量(PD50)を、プロビット解析による計算にしたがって報告した。
【0538】
結果
黄色ブドウ球菌(S.aureus)ATCC 13709マウス敗血症モデルにおける化合物101、化合物105、化合物145、化合物153、化合物166、および化合物218ならびに比較用のチゲサイクリンおよびテトラサイクリンのPD50値を、表6に記載する。
【0539】
【表6】