(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
壁体に開設した開口を開閉する開き扉の戸先側木口から外側に鍵穴を臨ませて開き扉に設置する錠前と、該錠前の合鍵を前記鍵穴に挿し込んでする施解錠操作に従い開き扉をロックする施錠位置とロックを解除する解錠位置の間を回動して開き扉を施解錠するロックレバーと、解錠時に外側から前記鍵穴を臨む開き角度だけ開扉する解錠操作位置に開き扉を案内する開扉ガイド手段と、を備える開き扉の施解錠機構であって、
前記ロックレバーは、
合鍵と一体に施錠又は解錠方向に回動可能に前記錠前に基端部を連結し、基端部と先端部間に回動規制部を設けるクランクと、該クランクに回動可能に枢着し、壁体側の受具に係脱させて開き扉を施解錠するフック部と廻り止め部を備えたリンクとで構成し、
前記開扉ガイド手段は、開き扉を解錠操作位置に案内したとき、前記ロックレバーのフック部が突き当たる高さ位置の壁体側に前記受具を設置し、
前記ロックレバーは、
常時は、該受具に前記リンクのフック部が係止する向きに回動付勢する一方、前記廻り止め部が前記クランクの回動規制部に突き当って前記フック部が施錠姿勢位置に位置決め保持し、開き扉を閉めて前記リンクのフック部が前記受具に突き当たると、該フック部が前記受具に係止して開き扉をオートロックすることを特徴とする、開き扉の施解錠機構。
前記ロックレバーは、解錠時、前記リンクを解錠方向に回動して起立状態の解錠姿勢位置に保持し、該リンクに可撓性を有する戻り止め部材を装着し、該戻り止め部材が前記クランクの回動規制部に突き当った回動抑制状態で前記リンクをそのまま起立状態の解錠姿勢位置に保持してなることを特徴とする、請求項1に記載の開き扉の施解錠機構。
前記開扉ガイド手段は、前記受具および該受具を横架する取付フレームに設ける取付穴を、前記錠前および前記ロックレバーに対して上下方向又は前後方向のいずれか一方向又は双方向に取付位置を調整する長穴で形成してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の開き扉の施解錠機構。
【背景技術】
【0002】
最近のビル建築物では、複数の金属製パネルを列設して出っ張りなく一面フラットに室内壁を構築するため、設備の点検口を開閉する開き扉の設置個所も、施解錠操作のドアハンドルのような突起物が表の外側に出っ張らない一見して壁のように見える外観であることが要請されている。そこで、従来の開き扉の施解錠機構の中には、ケースハンドルを用いて扉の表の外側からドアハンドルが大きく突出しないような構造にしたものや、配電盤の収納箱の扉のように扉を開ける使用時にドアハンドルを取り付け、その不使用時にはドアハンドルを取り外すようにした構造のものがある(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、従来、ケースハンドルを用いた例では、扉面からケースハンドル自体の存在が目立ってしまうし、ドアハンドルが着脱式のものでは、扉を開ける際にドアハンドルを引き抜くと、それが抜け落ちてしまう等の問題があった。
【0004】
そこで、出願人は、閉状態において開き扉の外側に施解錠操作用ハンドルのような突出物のない美的外観を得られる一方、開き扉を外側から容易に施解錠できる開閉装置を提案している。この従来の開き扉の施解錠機構は、
図16に示すように、パネルw・w´間の目地部1に外側へ臨む鍵操作用の小穴1aを設け、目地部1の内側に装置本体2を設置し、装置本体2は、鍵穴3aを鍵操作用小穴1aに合わせて設けられるシリンダ錠3と、施解錠時は鍵操作用小穴1aを通して鍵穴3aに回転自在に抜き差しする鍵棒4と、鍵棒4を差し込んでシリンダ錠3の内部で正逆方向に回転すると、その回転に連動して開き扉5をロックするロック位置又はロック解除位置に回動するロックレバー6を備え、鍵棒4を、鍵操作用小穴1aに通して鍵穴3aに差し込み錠内部で正逆方向に回動すれば、開き扉5を外側から容易に施解錠できる構成になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の開き扉の施解錠機構では、開き扉の開閉時に、その都度、鍵棒4の先端を、目地部1の狭い隙間から鍵操作用小穴1aを通して鍵穴3aに差し込んで開き扉5を外側から施解錠するが、隙間の幅が狭いと、鍵棒4の先端が誤って目地部1の両縁に衝突しやすく、そのために目地部1が傷だらけになり、折角、いったん壁面が一面フラットになって向上した点検口周りの美的外観が経時に悪化する一方、だからと言って、鍵棒の差込み操作が容易になるように目地部1の幅を拡げると、閉時、一見すると壁のように見えるはずの外側正面に縦に目地部1の凹みが目立って点検口周りの美的外観が低下するという課題があった。
【0007】
しかも、従来の開き扉の施解錠機構では、作業のため設備の点検口を頻繁に出入りするたびに、都度、防犯のため鍵棒4を鍵穴3aに差し込んで開き扉5を施錠操作する必要
があるが、出入りするたびに合鍵を使うために作業性が悪く、点検口という手狭で薄暗い中では、小さな鍵穴位置を手で探って探し出すことが面倒になるという作業性に課題があった。他方、作業者に予め合鍵を渡して管理を作業者に委ねていても、合鍵を紛失したり勝手に複製して悪用するという防犯性に課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に記載の発明は、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、壁体Wに開設した開口を開閉する開き扉の戸先側木口11cから外側に鍵穴22を臨ませて開き扉に設置する錠前Aと、該錠前Aの合鍵19を前記鍵穴22に挿し込んでする施解錠操作に従い開き扉をロックする施錠位置とロックを解除する解錠位置の間を回動して開き扉を施解錠するロックレバーRと、解錠時に外側から前記鍵穴22を臨む開き角度だけ開扉する解錠操作位置に開き扉を案内する開扉ガイド手段Cと、を備える開き扉の施解錠機構であって、前記ロックレバーRは、合鍵19と一体に施錠又は解錠方向に回動可能に前記錠前Aに基端部20bを連結し、基端部20bと先端部20a間に回動規制部を設けるクランク20と、該クランク20に回動可能に枢着し、壁体W側の受具65に係脱させて開き扉を施解錠するフック部25bと廻り止め部25aを備えたリンク25とで構成し、前記開扉ガイド手段Cは、開き扉を解錠操作位置に案内したとき、前記ロックレバーRのフック部25bが突き当たる高さ位置の壁体W側に前記受具65を設置し、前記ロックレバーRは、常時は、該受具65に前記リンク25のフック部25bが係止する向きに回動付勢する一方、前記廻り止め部25aが前記クランクの回動規制部に突き当って前記フック部25bが施錠姿勢位置に位置決め保持し、開き扉を閉めて前記リンク25のフック部25bが前記受具65に突き当たると、該フック部25bが前記受具65に係止して開き扉をオートロックすることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の開き扉の施解錠機構において、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記ロックレバーRは、解錠時、前記リンク25を解錠方向に回動して起立状態の解錠姿勢位置に保持し、該リンク25に可撓性を有する戻り止め部材を装着し、該戻り止め部材が前記クランクの回動規制部に突き当った回動制状態で前記リンク25をそのまま解錠姿勢位置に保持してなることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の開き扉の施解錠機構において、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記開扉ガイド手段Cは、前記受具65および該受具を横架する取付フレーム45に設ける取付穴69・ を、前記錠前Aおよび前記ロックレバーRに対して上下方向又は前後方向のいずれか一方向又は双方向に取付位置を調整する長穴で形成してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、施錠時は、開き扉を閉めてロックレバーのリンクのフック部が受具に突き当たると、フック部が自動的に受具に係止して開き扉をオートロックすることで、合鍵が不要になることから、作業のため設備の点検口を頻繁に出入りするたびに、都度、防犯のため合鍵を使った面倒な施錠操作も必要でなくなり、点検口という手狭で薄暗い中で小さな鍵穴位置を手で探って探し出す面倒な作業もなくなって作業性も向上し、作業者に合鍵を渡すこともないので合鍵を紛失したり勝手に複製して悪用することをなくし防犯性も高くすることができる。
【0012】
また、請求項1に記載の発明によれば、開き扉の開閉に応じて施錠又は解錠操作するとき、外側から合鍵を鍵穴に差し込んで操作できる開き角度だけ僅かに開扉した施解錠操作位置まで開いて、合鍵を使って施解錠操作すればよく、従来のようにパネル間の目地部を利用して鍵棒の先端を目地部の狭い隙間に通して施解錠する操作が必要にならない構成にするため、鍵棒の先端が誤って目地部の狭い隙間の両縁に衝突して目地部が傷だらけになるようなこともなく、点検口など開口周りの美的外観が悪化するのを防止することができる。しかも、パネル間の目地部を全く利用しないから、目地部の隙間を限りなくゼロに近く狭くした壁体の構築が実現し、そして、開き扉が閉状態においては、開き扉が点検口等の開口に収まって壁体と面一になり、外側から鍵穴なども露見しないから、全体に美感を更に高めることもできる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、施錠時にオートロック機能をオフにするときは、ロックレバーRは、リンクを解錠方向に回動して起立状態の解錠姿勢位置に保持し、リンクに可撓性を有する戻り止め部材を装着し、その戻り止め部材がクランクの回動規制部に突き当った回動制状態でリンクをそのまま解錠姿勢位置に保持される。必要な解錠時間を経てして後、開き扉を再び施錠する場合は、付勢部材の押し付け付勢力に抗してリンクを倒して、クランクの先端部と重なる伏せた元のオートロック姿勢の施錠位置に戻せばよい。そのとき、戻り止め部材は可撓性を有するから、撓みながら変形して容易に施錠位置に戻すこともできる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、開扉ガイド手段は、受具と取付フレームに設ける取付穴を長穴で形成するから、たとえ手狭で薄暗い点検口などのにあっても、錠前およびロックレバーに対して取付位置を上下方向および前後方向に手間なく簡単に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明である開き扉の施解錠機構を(a)閉扉施錠状態(b)扉押込み状態(c)開扉状態(d)扉引出し施錠状態において示す側面図である。
【
図2】同施解錠機構を適用した壁体を扉閉状態において示す平面図である。
【
図3】同施解錠機構を(a)閉扉施錠状態(b)扉押込み状態(c)開扉状態(d)扉引出し施錠状態において示す平面図である。
【
図4】同施解錠機構を(a)閉扉施錠状態(b)扉押込み状態(c)開扉状態(d)扉引出し施錠状態において内側から見て示す斜視図である。
【
図5】同施解錠機構を(a)閉扉施錠状態(b)扉押込み状態(c)開扉状態(d)扉引出し施錠状態において外側から見て示す斜視図である。
【
図6】錠前とロックレバーを示す分解斜視図である。
【
図7】錠前に取り付けたロックレバーを示す(a)組立斜視図(b)平面図(c)別角度から見て示す組立斜視図(d)側面図である。
【
図8】錠前に取り付けたロックレバーを(a)オートロック動作状態(b)オートロック非動作状態で示す斜視図である。
【
図9】錠前に取り付けたロックレバーを(a)オートロック動作状態(b)オートロック非動作状態で示す側面図である。
【
図12】開扉ガイド手段を示す(a)側面図(b)正面図である。
【
図13】開扉ガイド手段を(a)閉扉施錠状態(b)扉押込み状態(c)開扉状態(d)扉引出し施錠状態において一部破断して示す側面図である。
【
図14】施解錠機構をオートロック手順(a)閉扉開始(b)鎌のフックの競り上がり(C)鎌の係止口に受軸が係止した施錠段階の順に示す斜視図である。
【
図15】上記施解錠機構を(a)施錠状態(b)合鍵を回して解錠する状態で示す斜視図である。
【
図16】従来の開き扉の施解錠機構を適用した壁体を扉の半開き状態において示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1および
図2に示すように、本発明の一例である開き扉の施解錠機構を適用した壁体Wは、パネルw1・w2・w3…を列設して面一に構築した室内壁で、両側の袖パネルw1・w3に対して中間のパネルw2を、たとえば室内設備にある壁体Wに開設した奥行きの狭い点検口Sを開閉する開き扉Dで形成する。図示例のパネルw1・w2・w3…は、それぞれスチール板の両端をクランク状に折り返して竪框を形成し、隣り合う竪框相互の継目に外側から内側が臨めない立て目地が形成されている。
【0018】
壁体Wの袖パネルw1は、開き扉D側の端部において、
図3に示すように、スチール板を断面L状に屈曲して凹状の戸当り10aを形成すると共に、戸当り部10aからそれと逆向きの断面L状に屈曲して凸状の取付部10bを形成し、凹状の戸当り部10aと凸状の取付部10bとで竪框10を構成する。それら戸当り部10aと取付部10bの間には、一部折り重ね部分10cを設けて凹溝12を形成し、凹溝12にクッション材13を嵌め込んで戸当り時の衝撃を緩衝する戸当り部10aを形成する。
【0019】
一方、開き扉Dは、扉厚が一定規格の、例えば40m~45mmで、戸先側端部を断面Z状に屈曲して戸先側竪框11を形成する。開き扉Dの戸先側竪框11は、
図4に示すように、閉時に袖パネルw1の戸当り部10aと対向する内側の戸当り部11aと、戸当り部11aと平行な目地隠し部11bと、目地隠し部11bと戸当り部11aとの間の戸先側木口11cとで形成する。木口11cは、その表面が開き扉Dの外側に向けて傾斜する。開き扉Dの戸先側木口11cが合鍵19を使って施解錠操作する開き扉Dの外側に向けて傾斜していると、外側から合鍵19を鍵穴22に差し込んで操作できる開き角度だけ開扉した半開き状態であっても、合鍵19を鍵穴22に対して簡単に抜き差し回動操作して開き扉Dを施解錠することができる。開き扉Dは、閉状態において、点検口Sに収まって壁体Wと面一になるように、吊元側の竪框14を袖パネルw3に蝶番16により回動自在に取り付ける。
【0020】
そこで、本発明の開き扉の施解錠機構では、
図4および
図5に示すように、この開き扉Dの戸先側木口11cにシリンダ錠15の直径に合わせて取付穴17を穿設し、取付穴17を開けた位置で戸先側木口11cの内側に錠前Aを組み付け、錠前Aに、錠前Aの合鍵19を鍵穴22に挿し込んでする施解錠操作に従い開き扉Dをロックする施錠位置とロックを解除する解錠位置の間を回動して開き扉Dを施解錠するロックレバーRを連結する一方、袖パネルw1の扉側竪框11の取付部10bに開扉ガイド手段Cを取り付ける構成になっている。
【0021】
そのうち錠前Aは、
図6〜
図9に示すように、シリンダ錠15と、シリンダ錠15の鍵穴22に抜き差して回動操作する合鍵19を備える。シリンダ錠15は、合鍵19を用い、シリンダ(外筒)18内の複数本のピンタンブラーを動かしてプラグ(内筒)を回し、プラグと同軸に回転自在に内挿したジョイント33を回動する周知の構造からなる。シリンダ18には、底面中央にジョイント33の先端に矩形な連結凸部18aを突設し、周縁にガイド突起18bを設ける。
【0022】
ロックレバーRは、長手の金属板材を階段状に曲げ成形したクランク20と、クランク20の先端部20aに連結する鎌形状のリンク25との2体に分割して構成し、開き扉Dの開閉をロックする施錠位置とロックを解除する解錠位置の間を往復する回動を制御すると共に位置決め保持する位置決め保持手段30を備える。
【0023】
クランク20は、基端部20bにシリンダ錠15の連結凸部18aと同じ矩形な回転規制穴39およびその周縁にシリンダ18と連れ回る回動範囲を規定するガイド穴41を設ける一方、先端部20aに枢軸26の軸穴29を設け、合鍵19と一体に施錠又は解錠方向に回動可能に錠前Aに基端部20aを連結する。クランク20は、先端部20aと基端部20bの段差間を平板で結んで段状の回動規制部20cを設ける。回動規制部20cには、ばね掛け穴27を有する。
【0024】
リンク25は、肉厚で長めの金属板材を加工し、クランク20の先端部20aに枢軸26を支点に回動可能に枢着する軸穴28を有する板カム状の廻り止め部25aと、鎌状、即ち三日月形状のフック部25bとで形成し、廻り止め部25aとフック部25b間に首部を残し幅方向に切り欠いて係止口40を凹設する。リンク25は、係止口40を開けた一側縁xと平行な他側縁yを含む周縁を板厚だけ平面で形成し、廻り止め部25aの周縁に円弧カム面wおよび直線平面状の廻り止め面zを周方向に連設する。
【0025】
位置決め保持手段30は、
図6および
図7に示すように、戻り止め部材36の掛け止めリブ36cをリンク25の一側縁xに掛け止め、枢軸26を付勢部材35のコイル部35aの中空内に通して回転中心穴27・28・29を嵌挿し、枢軸26を中心にリンク25をクランク20の先端部20aに回動可能に枢着する。
【0026】
そこで、ロックレバーRにおいて、位置決め保持手段30は、付勢部材35のばね一端35bを回動規制部20cのばね掛け穴29に係入し、L状のばね他端35bを鎌状フック部25bの他側縁yに掛け止めて、クランク20に対してリンク25を、枢軸26を中心にフック部25bの係止口40が受具65の掛け止め軸75に係止する図中反時計方向に回動付勢する一方で、廻り止め面zがクランク20の回転規制部20c上の平面に突き当たりフック部25bの係止口40が受具65の掛け止め軸75に係止する施錠姿勢位置に位置決め保持する。ロックレバーRは、クランク20の先端部20aのリンク25を、
図8(a)および
図9(a)に示すように、クランク20の先端部20aと重なる伏せたオートロック姿勢で施錠位置に保持する。
【0027】
一方、ロックレバーRにおいて、開き扉Dを、一時、解錠して点検口Sを出入りする場合は、リンク25を、付勢部材35の付勢力に抗して、
図8(b)および
図9(b)に示すように、係止口40と掛け止め軸75の係合が外れる解錠方向に回動し、クランク20に対して起立した解錠姿勢位置に保持する。
【0028】
ロックレバーRは、このように施錠時にオートロック機能をオフにするとき、リンク25を解錠方向に回動して起立状態の解錠姿勢位置に保持し、リンク25に装着した可撓性を有する戻り止め部材36がクランク20の回動規制部20cに突き当った回動規制状態でリンク25をそのまま起立した状態の解錠姿勢位置に保持される。点検作業に必要な解錠時間を経てして後、開き扉Dを再び施錠する場合は、付勢部材35の押し付け付勢力に抗してリンク25を倒して、クランク2おの先端部20aと重なる伏せた施錠姿勢位置に戻せばよい。そのとき、戻り止め部材36は可撓性を有するから、撓みながら変形して容易に施錠位置に戻すこともできる。
【0029】
開扉ガイド手段Cは、
図10、
図11および
図12に示すように、長手なコ形枠状の取付フレーム45内にプッシュラッチ50を固設し、固定側のプッシュラッチ50に対してスライダ55を係合し、可動側のスライダ55に受具65を搭載してスライダ55と一体に移動可能に構成する。
【0030】
取付フレーム45は、互いに対向する幅サイズの異なる支持板45aとガイド板45bの先端間にストッパ軸44を横架する。
【0031】
スライダ55は、上下に向き合うガイドプレート55a・55bの片側を取付基板55cで連結する一方、取付基板55cと向き合う他側は支柱55dで連結して取付口8を開口し、全体に箱形に形成する。取付基板55cには、片側側縁の上下角縁に切欠き凹部61・61を設け、外側面にストッパ軸44を握持するU形のホルダ63を突設し、内側面の片側側縁の上下角縁に嵌込凸部64a・64aを突設する。スライダ55は、嵌込凸部64a・64aを取付凹部61・61に嵌め込み、取付基板55cの外側に取付ブロック64を取り付け、内側に軸部先端に球形状の嵌合突起62を突設した取付プレート57を取り付ける。
【0032】
受具65は、全体をく字状に屈曲した長手のケース状に形成し、下部側の直立部65aにホルダ63の通し穴66を設け、上部側の傾斜部65bに細長矩形に開いた受け口70を設け、受け口70の開いた対向側板部65c・65c間に掛け止め軸75を横架する。受具65は、受け口70を上向きにしてホルダ63を通し穴66に通して取付ブロック64に直立部65aを嵌め込み、直立部65aにあけた取付穴79に止めねじ56を通してねじ込み、直立部65aを取付ブロック64に固着してスライダ55に搭載する。
【0033】
開扉ガイド手段Cは、取付フレーム45内の奥側において、プッシュラッチ50を、前側の摺動ガイド部80をストッパ軸44に向けてガイド板45bに固定する。一方、スライダ55は、ガイドプレート55a・55b間に取付フレーム45のガイド板45bに係合し、ガイドプレート55a・55b間にプッシュラッチ50を挟んでストッパ軸44の方向に直線往復摺動可能に保持する。
【0034】
プッシュラッチ50は、閉扉時には、スライダ55、即ち、スライダ55に搭載の受具65を、内部付勢手段によりストッパ軸44に向けて付勢する一方、ラッチピンの先端が係止部に係止し、
図13(a)に示すように第1ラッチ位置にロックした初期状態とする。そこで、プッシュラッチ50は、閉扉状態において、
図13(b)に示すように、スライダ55を内部付勢手段に抗して押し込むと、ラッチピンの先端が移動し、
図13(c)に示すように、スライダ55を第1ラッチ位置から一定のストロークLだけ引っ込んだ第2ラッチ位置に停止してロックする。次いで、いま第2ラッチ位置にあるスライダ55を再び押し込むと、スライダ55を、
図13(d)に示すように、内部付勢手段の復帰力により前進し、第2ラッチ位置から一定のストロークLだけ突出し、ホルダ63でストッパ軸44に係合した第1ラッチ位置に停止してロックする構造になっている。
【0035】
そこで、開扉ガイド手段Cにおいて、プッシュラッチ50は、
図3(d)に示すように、都度、押すだけの操作でスライダ55に搭載の受具65を第1ラッチ位置と第2ラッチ位置との間を案内して直線往復摺動するストロークLを、外側から鍵穴22を臨む開き角度に合わせて設定する。
【0036】
また、開扉ガイド手段Cは、
図1および
図2に示すように、スライダ55に搭載の受具65の受け口70を、開き扉Dの戸先側木口11cの内側に組み付けた錠前Aに向けて、高さ方向は、リンク25がクランク20先端の取付部20aと重なる伏せた状態のロックレバーRの高さ位置に合わせ、奥行方向には、受具65が第1ラッチ位置にあるとき、開き扉Dの施錠位置に回動したロックレバーRが受具65の掛け止め軸75に係止する位置で、袖パネルw1の扉側竪框10の取付部10bに取り付ける。
【0037】
開扉ガイド手段Cは、
図12に示すように、取付フレーム45に設ける取付穴69、受具65に設ける取付穴77を、錠前AおよびロックレバーRに対して取付位置を上下方向又は前後方向に調整する長穴で形成する。従って、図示例では、たとえ手狭で薄暗い点検口Sなどにあっても、錠前AおよびロックレバーRに対して取付位置を上下方向および前後方向に手間なく簡単に調整することができる。
【0038】
そこで、本発明では、この閉扉時、
図1(a)、
図2(a)、
図3(a)、
図4および
図5(a)に示すように、ロックレバーRのリンク25が掛け止め軸75に係止する第2ラッチ位置に止めて受具65をロックする。
【0039】
従って、本発明では、この閉扉時、
図14(a)に示すように、開き扉Dを閉めて押し込んだとき、ロックレバーRのリンク25のフック部25bが受具65に当接すると、
図14(b)に示すように、リンク25が枢軸26を支点に上向きに回動しながらフック部25bが、
図14(c)に示すように、自動的に受具65に掛け止まり開き扉Dをオートロックし、合鍵を不要にすることから、作業のため設備の点検口Sを頻繁に出入りするたびに、都度、防犯のため合鍵を使った面倒な施錠操作も必要でなくなり、点検口Sという手狭で薄暗い中で小さな鍵穴位置を手で探って探し出す面倒な作業もなくなって作業性も向上し、しかも、作業者に合鍵を渡すことがなくなるので、合鍵を紛失したり勝手に複製して悪用されることもなくし防犯性も高くすることができる。
【0040】
その後、設備を点検するために点検口Sを開けるときは、開き扉Dの戸先側端部を押し込み、
図5(b)に示すように、第2ラッチ位置から一定のストロークLだけ突出した第1ラッチ位置で停止し、この位置にロックする。すると同時に、開き扉Dは、内部付勢ばね50のばね付勢力に基づいて、スライダ55に押されて、
図1(b)および
図7に示すように自動的に開方向へ回動する。
【0041】
そのとき、本発明は、開き扉Dを開方向にばね付勢して押し開くプッシュラッチ50が、ガイド手段で案内してスライダ55が第1ラッチ位置と第2ラッチ位置との間を直線往復摺動するストロークLを、開き扉Dの扉厚に合わせて設定しているから、
図1(b)、
図7および
図8に示すように、開き扉Dは、付勢ばねのばね付勢力に基づいて、スライダ55に押されて自動的に開方向に回動するが、扉厚に相当する開き角度まで回動した施解錠操作位置に停止し、その施解錠操作位置にロックレバーRのリンク25のフック部25bがスライダ55の掛け止め軸75に係止する施錠状態でロックすることができる。
【0042】
そこで、そのまま点検口Sの外側から、シリンダ錠15の鍵穴22に合鍵19を差し込んでシリンダ(外筒)18内で解錠方向へプラグ(内筒)と一体にロックレバーRを90度回動し、スライダ55のホルダ63から外して解錠し、これによって開き扉Dのロックを解除する。それから、戸先側竪框11に手を掛けて、
図8および
図9に示すように開き扉Dを更に開くように操作すればよい。
【0043】
しかる後、点検口Sの外側から設備の点検作業を終え、そのまま点検口Sの外側から開き扉Dを閉じて施錠する場合は、
図1(d)、
図3(d)、
図4(d)、
図5(d)に示すように、いったん開き扉Dを、外側から鍵穴22を臨む開き角度だけ開扉した施解錠操作位置まで押し戻してから、施解錠操作位置において、シリンダ錠15の鍵穴22に合鍵19を差し込んで、今度は施錠方向へプラグ(内筒)と一体にロックレバーRを90度逆回動し、受具65の掛け止め軸75とリンク25の係止口40とを係止してロックレバーRを受具65に掛け止める。
【0044】
以上の図示実施の形態では、壁体Wの外側には、施解錠操作用にハンドルや取手等の突起物が全く設けられない構成なので、点検口Sの閉止状態において、一見すると開き扉も壁の一部のように見える面一な美観を得ることができる。しかも、パネルw1・w2・w3間の目地部を全く利用しないから、目地部の隙間を限りなくゼロに近く狭くした壁体の構築が実現し、全体に美感を更に一層高めることできる。
【0045】
一方で、図示実施の形態では、開き扉Dが解錠時に外側から前記鍵穴を臨む開き角度だけ施錠状態のまま回動し、鍵穴が外側に臨んだ錠前Aを合鍵を使って施解錠操作すればよく、パネル間の目地部を利用して鍵棒の先端を目地部の狭い隙間に通して施解錠する操作が必要にならない構成であるため、鍵棒の先端が誤って目地部の狭い隙間の両縁に衝突して目地部が傷だらけになるようなこともなく、点検口周りの美的外観が悪化するのを防止することができる。
【解決手段】錠前Aの施解錠操作に従い開き扉Dをロックする施錠位置とロックを解除する解錠位置の間を回動して開き扉を施解錠するロックレバーRを備え、ロックレバーは、合鍵と一体に施錠又は解錠方向に回動可能に錠前に基端部を連結し、基端部と先端部間に回動規制部20cを設けるクランク20と、クランクに回動可能に枢着し、壁体W側の受具65に係脱させて開き扉を施解錠するフック部25bと廻り止め部25aを有したリンク25とで構成し、常時、受具にリンクのフック部が係止する向きに回動付勢する一方、廻り止め部がクランクの回動規制部に突き当ってフック部が施錠姿勢位置に位置決め保持し、開き扉を閉めてリンクのフック部が受具に突き当たると、フック部が受具に係止して開き扉をオートロックする。