特許第6169794号(P6169794)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6169794-安全採血針 図000002
  • 特許6169794-安全採血針 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6169794
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】安全採血針
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/15 20060101AFI20170713BHJP
【FI】
   A61B5/14 300H
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-524517(P2016-524517)
(86)(22)【出願日】2014年6月23日
(65)【公表番号】特表2017-515514(P2017-515514A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】CN2014080490
(87)【国際公開番号】WO2015154336
(87)【国際公開日】20151015
【審査請求日】2016年10月17日
(31)【優先権主張番号】201410143343.3
(32)【優先日】2014年4月11日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201420173152.7
(32)【優先日】2014年4月11日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516112406
【氏名又は名称】シャンハイ ジンタ メディカル カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】マオ チュンユアン
【審査官】 松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−265610(JP,A)
【文献】 特開2002−325752(JP,A)
【文献】 中国実用新案第202446098(CN,U)
【文献】 中国実用新案第201642029(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/153
A61B5/154
A61M3/00−9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
針座、針ガード、ホース、直針、直針ハンドル及び針頭を備えており、該針ガードは該針頭を覆い、該ホースの2つの端はそれぞれ該直針及び該針座に連通し、該直針ハンドルは該直針及び該ホースの接続部上に配置され、該直針は真空チューブに挿入するために用いられるものである安全採血針であって、
前記安全採血針は、保護シールド、スライダー、ハンドル、及び保持機構をさらに備えており、該針座は円筒形であり、その一端で該針頭に固定され及び該針頭に連通しており、且つ、その他端で該ホースに連結しており;
該スライダーは2つの開口端を有する円筒であり且つ該針座を移動可能に覆い、且つ、該スライダーの移動可能な方向における長さが該針頭の長さより長く;
該針座の軸方向の長さが該針頭の長さより長く;
該スライダーが該針頭を完全に隠す位置へ該スライダーがスライドした後に、該スライ ダーを該針座上に固定するように、該保持機構は該スライダー及び該針座上に配置されており;
該ハンドルは該針座に固定されており、且つ、該ハンドルは該スライダーに接しており;
該保護シールドの内径は該真空チューブの外径より大きく、該保護シールドは該直針を覆い且つねじ込みにより該直針ハンドルに固定されていることを特徴とし、
前記保持機構が、一つの第一弾性ワッシャーと二つの第二弾性ワッシャーを含み、
該第一弾性ワッシャーは該スライダーの一端の内周に固定されており、その一端が該ホースの近くにあり、且つ、該第一弾性ワッシャーのエッジが該スライダーの内壁に滑らかに固定されており;
該二つの第二弾性ワッシャーは該針座の周囲を囲むように該針座に固定されており、該スライダーが該針頭を完全に隠す位置へ又は該針頭が完全に露出する位置へ該スライダーがスライドしたときに、該第二弾性ワッシャーが、該第一弾性ワッシャーと係合して、該スライダーの移動を制限する、
前記安全採血針。
【請求項2】
前記安全採血針がさらに保護カバーを含み;
該保護カバーは該針座を覆い及び該針座に係合され及び該針座に固定され、且つ、該保護カバーは、該針座と一緒に、該スライダーを囲み且つ該スライダーを収容するキャビティを形成し;
該ハンドルは該保護カバー上に一体的に形成されている、
請求項に記載の安全採血針。
【請求項3】
前記保護カバーが、該ホースと連通する該針座の一端の外周にねじ込みによって固定されている、請求項に記載の安全採血針。
【請求項4】
該スライダーが少なくとも一つの滑り止め区を備えられている、請求項1〜のいずれか1項に記載の安全採血針。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は採血針に関し、特には安全採血針に関する。
【背景技術】
【0002】
血液を収集し及び検査する技術はすでにかなり成熟しているが、患者から血液を収集することなく結論付けるというゴールはまだ達成しておらず、外科医は血液検査の当初の過程を終えるために採血針及び採血管を使う必要がある。それ故に、採血針は現在世界で最大の販売量がある医療器械製品の一つである。しかし、注目に値するのは、世界各国の病院において、壊れた針頭や医療関係者の不適切な操作による針による人体傷害事故が毎年数百万回発生しているということである。米国医学会が発表した統計データによると、米国のみで毎年約100万回、医療関係者の針刺し事故が発生し、そのうち、少なくとも千人が針頭に付着したB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウィルス及びHIVウイルスなどのウイルスに感染しているであろう。壊れた針が刺さって負傷した医療関係者及び患者の応急処置及び治療についての治療費用は一人当たり3000ドルである。
【0003】
国内外の企業が安全な採血装置の開発に努力を注いできたので、市場には種々の安全な採血針がある。これらの安全な採血装置には多く不利な点が存在する。当該不利な点は、高い製造コスト、複雑な製造プロセス、製造品質が保証することの困難性、医療関係者にとってややこしい操作、及び安全性を保証することの困難性を含む。
【0004】
現在、一般的に使用される使い捨ての採血針に関して、使用の前には針先を針ガードで覆って、例えば針頭が曲がる又はつぶれるのを防ぐ為に、針頭を保護する必要がある。使用時、該針ガードが除去されたときに、針刺し負傷事故を引き起こす傾向にある。しかし、本当の危険は採血終了後の廃棄段階にある。すなわち、患者の体から針が引き抜かれそして廃棄される準備がなされた後に、該針が特別な廃棄箱中に置かれても又は針カバーを被せられたとしても、容易に刺さって傷つけることがあり、その結果、医療関係者の感染などの深刻な結果をもたらす。
【0005】
この不利な点の観点から、いくつかの採血針は、格納可能な針頭を採用する。採血終了後、ばね構造の弾性力により、針頭が保護カバー内に引っ込む。このように、この解決法は効果的に針頭を保護し、医療関係者が負傷することを回避できるが、針頭の引き込みの機械的動作の故に、患者に大きな苦痛を引き起こす。
【0006】
他方で、採血管のその他端で、真空チューブ内で挿入する為の直針は、使われる時にはいつも裸の状態にあり、操作の安全性が低下することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記解決されるべき技術的課題の観点から、本発明は、安全性がより高く且つ患者の苦痛がより少ない採血針を提供して、より低い安全性及び患者の増大した痛みを含む先行技術の不利な点を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下の技術的解決法が、上記技術的課題を解決する為に提供される:
針座、針ガード、ホース、直針、直針ハンドル及び針頭を備えており、該針ガードは該針頭を覆い、該ホースの2つの端は該直針及び該針座に連通し、該直針ハンドルは該直針と該ホースの継ぎ目に配置されており、該直針は真空チューブ内に挿入される為に用いられる安全採血針であって、前記安全採血針はさらに、保護シールド、スライダー、ハンドル及び保持機構を備えており、該針座は円筒形であり、該針座は一端で該針頭に固定され及び連通し、他端で該ホースに連結する;
該スライダーは、2つの開口端を有する円筒であり且つ該針座を移動可能に覆い、且つ、該スライダーの移動可能な方向における長さは該針頭の長さより長い;
該針座の軸方向の長さは該針頭の長さより長い;
該保持機構は、該スライダー及び該針座上に配置されており、該スライダーが完全に該針頭を隠す位置へスライドした後に該スライダーを該針座上に固定するためのものである;
該ハンドルは、該針座に固定されており、該スライダーに接している;
該保護シールドの内径は該真空チューブの外径より大きく、且つ、該保護シールドは該直針を覆い且つ該直ハンドルにねじ込みにより固定されている。本明細書内において、該ホースは医療用品分野で血液注入のために一般に用いられるホースであり、その説明は省略される。
【0009】
つまり、本発明の採血針について、該針座は該針頭より長い。このようにして、上記円筒形スライダーが該針座上で前後にスライドすることができ、該針頭がその状態を、該スライダーにより隠されている及び完全に露出しているという二つの状態の間でスイッチさせる。該保持機構は該スライダーの移動を制限するために用いられる。
【0010】
使用時、該スライダーが該保持機構により該針座に固定されている初期状態で、(すなわち、該針頭が完全に露出している状態)、該針ガードが除去され、そして、血が収集される;採血終了後、該スライダーの該針座との固定が解除され、そして、該スライダーが該針頭に向かって、該スライダーが該針頭を完全に隠すまでスライドし、この時点で、該スライダーは再び該針座上に(該保持機構によって)固定される。該針頭は、該針ガードを再度かぶること無く、隠されるので、安全性が大いに向上する。
【0011】
加えて、該針座上に該ハンドルが固定されており、一方では使用者が操作時に該ハンドルを握ることができ、もう一方では、該ハンドルが該スライダーに接しており、その結果、ひとつの親指のみで該ハンドル及び該スライダーが押されて移動可能な操作を行うことができ、既存の採血針よりも操作が便利になる。
【0012】
さらに、該直針を該保護シールドが覆い、この構成は、該直針が露出した時に、効果的に該直針を隔離することができて、安全事故の発生を防止する。
【0013】
好ましくは、該保持機構が一つの第一弾性ワッシャーと二つの第二弾性ワッシャーを含み;
該第一弾性ワッシャーが、該ホースの近くにある該スライダーの一端の内周面にくっついており、かつ、該第一弾性ワッシャーのエッジは該スライダーの内壁に平滑にくっついている;
該二つの第二弾性ワッシャーは、カバーリング手段により該針座と係合され及び該針座にくっつけられており、該スライダーが完全に該針頭を隠す位置又は該針頭が完全に露出する位置へ該スライダーがスライドしたときに、該第二弾性ワッシャーが該第一弾性ワッシャーと係合して、該スライダーの移動を制限する。
【0014】
つまり、該スライダーが、該針頭に向かって、該スライダーが完全にピンヘッドを隠す位置又は該針頭が完全に露出する位置へスライドしたときに、該スライダーを該針座に固定するために、該保持機構として従事し且つ該針座の外周上に位置された該第二弾性ワッシャーが、該内周上の該第一弾性ワッシャーに係合によって固定される。該第一弾性ワッシャーは該スライダーの内壁に滑らかにくっつけられるので、該第一弾性ワッシャーは、それが該第二弾性ワッシャーと係合する位置へ滑らかに押し出されることができる。
【0015】
好ましくは、該保持機構が一つの弾性留め具と二つのスロットを含み;
該二つのスロットは、該針座上に配置されており、且つ、該弾性留め具は該スライダー上に配置されており、該スライダーが完全に針頭を隠す位置又は該針頭が完全に露出する位置へ該スライダーがスライドしたときに、該二つのスロットが、該弾性留め具と係合して、該スライダーの移動を制限するために用いられる。
【0016】
つまり、該スライダーは該針座に沿って軸方向にスライドすることができ、採血する必要がある時、該スライダー上の該弾性留め具が該針座の一端の近くにある該針座上の該スロットと係合して、該針頭が完全に露出される。採血が終了し且つ該針頭が隠される必要がある時、該弾性留め具が該針座のもう一端の該スロットと係合する位置へ該スライダーがスライドして、該針頭を隠す。本明細書内において、該弾性留め具は、弾性力を用いて係合を維持する留め具を言い、該係合は、該弾性力よりも大きい外部の力を加えることにより解除されることができる。
【0017】
好ましくは、該安全採血針はさらに、一つの保護カバーを含み;
該保護カバーは、該針座を覆い及び該針座と係合され及び該針座に固定され、且つ、該保護カバーは、該針座と一緒に、該スライダーを囲み及び該スライダーを収容するキャビティを形成し;
該ハンドルは、該保護カバー上に一体的に形成される。
【0018】
つまり、該針座と該ホースとの間の連通を保護するためのコネクターとして機能する保護カバーをさらに提供する。該ハンドルは、該保護カバー上に備えられることによって、間接的に該針座に固定される。
【0019】
好ましくは、該保護カバーが、ねじこみにより、該針座の一端の外周に固定される。この構成は、該保護カバーと該針座との間の固定をより強固にする。さらに、該保護カバーは該スライダーを保護することができる。
【0020】
好ましくは、該スライダーは、少なくとも一つの滑り止め区を備えられる。本明細書内において、該滑り止め区の目的は、該スライダーを押す時に手により大きな摩擦力を持たせるためである。例えば、当業者は、該スライダーを高い摩擦係数のゴム材料で包み、または、該スライダー上のある区域を波状/溝形に成形して、手指と該スライダーの接触面積を増加させることができる。
【0021】
好ましくは、該スライダーは弾性材料により製造され、及び、該スライダーは該弾性留め具と一体化し、及び、該針座は該スロットと一体化し、及び、該スライダーはその上にいくつかの穴の開いた区を備えられる。
【0022】
該穴の開いた区を備える目的は、該スライダーが該針頭を隠す条件下でさえ、肉眼で該針頭の位置を操作者に観察させることであり、それによって操作がさらに安全性を増す。もう一方では、該第一弾性留め具が該スライダーと一体化する場合、該穴の開いた区が、該第一弾性留め具のための移動空間を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の有利な効果は、該針頭を隠すために該針座上をスライドするように備えられた該スライダーにより、採血後該針頭の処理についての安全性を大幅に高め;バネ式の針頭の使用を避けることにより患者の苦痛を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の好ましい実施態様に従う安全採血針を示す構造的模式図である。
図2図2は、図1におけるA-A線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の例が本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0026】
図面を参照し、好ましい実施態様が本発明の技術的解決法を説明するために提供される。しかしながら、これらの実施態様の範囲内に本発明を限定することを意味するものでない。
【0027】
種々の実施態様が本発明を説明する為に提供される。しかしながら、これらの実施態様の範囲内に本発明を限定することを意味するものでない。図1は本実施態様に従う安全採血針の構造的模式図であり、図2図1におけるA-A線での断面図である。図1〜2に示されるとおり、本実施態様に従う安全採血針は、針座1、針ガード2、ホース4、直針12、ハンドル13、直針ハンドル14、保護シールド15、保護カバー3、針頭6及びスライダー5を含み、且つ、針ガード2は針頭6を覆い、且つ、針座1は2つの開口端を有する円筒であり、且つ、針座1の一端は保護カバー3を介してホース4に連通し、且つ、針座1の他端は針頭6を備えられている。ホース4の2つの端はそれぞれ直針12及び針座1に連通する。
【0028】
直針ハンドル14は直針12とホース4との間の接続部に配置されており、且つ、直針12は真空チューブ内に挿入される。
【0029】
スライダー5は2つの開口端を有する円筒であり、且つ、針座1を移動可能に覆い、且つ、スライダー5の移動可能な方向における長さは、針頭6の長さより長い。
【0030】
針座1の軸方向の長さは針頭6の長さより長い。
【0031】
保護カバー3はカバーリング手段により針座1に係合され、且つ、針座1に固定されており、保護カバー3は、針座1と一緒に、スライダー5を囲み及びスライダー5を収容するキャビティを形成する。
【0032】
ハンドル13は保護カバー3の上に一体的に形成される。ハンドル13はスライダー5に接している。
【0033】
保護シールド15の内径は真空チューブの外径より大きい。保護シールド15は直針12を覆い、且つ、ねじ込みにより直針ハンドル14に固定される。
【0034】
本実施態様に従う安全採血針はさらに一つの保持機構を含み、及び、該保持機構が弾性留め具8及び複数のスロット81、82を含む。
【0035】
該複数のスロット81、82は、針座1上に配置され、且つ、弾性留め具8はスライダー5上に配置され、スライダー5が針頭6を完全に隠す位置又は針頭6が完全に露出される位置へスライダー5がスライドした時に、該複数のスロット81、82は弾性留め具8と係合してスライダー5の移動を制限するために用いられる。
又は、前記保持機構が、一つの第一弾性ワッシャーと二つの第二弾性ワッシャーを含み;該第一弾性ワッシャーは該スライダーの一端の内周に固定されており、その一端が該ホースの近くにあり、且つ、該第一弾性ワッシャーのエッジが該スライダーの内壁に滑らかに固定されており;該二つの第二弾性ワッシャーは該針座の周囲を囲むように該針座に固定されており、該スライダーが該針頭を完全に隠す位置へ又は該針頭が完全に露出する位置へ該スライダーがスライドしたときに、該第二弾性ワッシャーが、該第一弾性ワッシャーと係合して、該スライダーの移動を制限する。


【0036】
一つの通路が保護カバー3の内に形成され、これにおいて当該通路の一端は、針頭6から離れた針座1の一端の外周に、ねじ込みにより固定され、当該通路の他端はホース4と連通する。
【0037】
さらに、スライダー5が滑り止め区7を備えられ、滑り止め区7は内に鋸歯状パターンの溝形構造であり、それにより手指によってスライダー5を押すことを容易にし、接触面積を増加させる。
【0038】
スライダー5は弾性材料で製造され、スライダー5は弾性留め具8と一体化し、且つ、針座1は複数のスロット81、82と一体化し、スライダー5は、その上にいくつかの穴あき区(図には示されていない)を備えられている。
【0039】
本実施態様の安全採血針において、針座1が針頭6より長い。このようにして、上記円筒形スライダー5は針座1上で前後にスライドすることができて、針頭6がスライダー5に隠される状態と針頭6が完全に露出する状態との間でスイッチすることができる。
【0040】
使用時、該スライダーがスロット81及び弾性留め具8の係合によって針座1に固定されている初期状態で、(すなわち、針頭6が完全に露出する状態)、針ガード2が除去され、そして、採血が行われる;採血終了後、スライダー5と針座1の固定が解除され、そして、スライダー5が針頭6を完全に隠すまでスライダー5が針頭6に向かってスライドし(図1〜2に示されるとおり)、このとき、スライダー5が再び針座1上に固定される(弾性留め具8及びスロット82の係合によって)。このようにして、針ガード2を被せることなく、針頭6が再度隠されることができるので、安全性が大いに改善される。
【0041】
本発明が、本発明の好ましい態様を参照して説明されたが、他の態様及び変形が可能であり及び意図される。当業者は、開示された概念及び具体的な実施態様を、他の構造を設計し又は修正するための根拠として、本発明の同じ目的を提供する為に、以下の請求項により規定された発明の理念及び範囲から逸脱することなく、容易に使用することができることを当業者は理解するべきである。例えば、該弾性留め具と該複数のスロットなどの係合構造の代わりに、該スライダーを該針座上に固定する為に、弾性ワッシャーが用いられることができ、これらの変更及び修正は本発明の範囲内である。そのため、本発明の保護範囲は添付する請求項に規定される。
【符号の説明】
【0042】
1 針座
2 針ガード
3 保護カバー
4 ホース
5 スライダー
6 針頭
7 滑り止め区
8 弾性留め具
12 直針
13 ハンドル
14 直針ハンドル
15 保護シールド
81 スロット
82 スロット
図1
図2