【文献】
山田井ユウキ,オレのイチオシ,Mac Fan,日本,株式会社毎日コミュニケーションズ,2013年11月 1日,第19巻,第11号,通巻343号,p.143上段
【文献】
かまいたちの夜2 〜監獄島のわらべ唄〜,電撃PlayStation,メディアワークス,2002年 7月26日,第8巻,第16号,通巻208号,p.160−165
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係るゲームプログラムおよびゲームシステムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
[ゲーム概要]
本ゲームは、ゲーム画面上に表示されるワールドマップと呼ばれる2次元または3次元の移動領域上を移動するプレイヤキャラクタ等のプレイヤオブジェクト(以下、単にプレイヤキャラクタと称する)を操作することによってゲームを進行させる。ワールドマップ上には、敵キャラクタ等のノンプレイヤキャラクタが配置され、プレイヤキャラクタとノンプレイヤキャラクタとが遭遇することによりイベント(戦闘等)が生じ得る。さらに、ワールドマップ上には、ダンジョン等のゲームステージや町等への入り口が配置され、プレイヤキャラクタが当該入り口に到達すると、ゲームステージや町の内部へ入る処理が行われる。ゲームステージでも、2次元または3次元の移動領域上のプレイヤキャラクタを操作することにより戦闘等のイベントが生じ得る。また、町では、プレイヤキャラクタの装備品やアイテム等が売買できる。なお、町は、2次元または3次元の移動領域上をプレイヤキャラクタが移動可能に構成されてもよいし、テキスト表示のみで構成されてもよい。
【0017】
このように本ゲームにおいては、ゲームステージまたはワールドマップ等を移動して、敵キャラクタを討伐したり、アイテムを取得したりしながら、プレイヤキャラクタを成長させ、種々設定された課題(クエスト)を達成していくものとなっている。
【0018】
また、本ゲームは、上記のようにプレイヤの操作に応じてワールドマップ上を移動し、敵キャラクタと遭遇した場合にプレイヤの操作に応じて戦闘を行う通常モード(手動行動モード)に加えて、目的地や行うべき行動等の行動目的を設定することにより、プレイヤキャラクタを設定した目的地に移動させるまたは行うべき行動を行わせる自動行動モードを有している。自動行動モードにおいては、プレイヤが操作することなしにゲームが進行する。例えば、自動行動モードにおいて、プレイヤキャラクタが目的地への移動中に、敵キャラクタに遭遇すると、自動的に戦闘が行われる。また、例えば、自動行動モードにおいて、プレイヤキャラクタが行動目的として設定されたダンジョンの探索を行い、宝箱を見つける等により、自動的にアイテムを取得する。
【0019】
このような自動行動モードにおいては、ゲーム装置2(アプリ)を起動し続ける必要はない。すなわち、自動行動中は、ゲーム装置2を起動していなくても、目的毎に予め定められた時間が経過するまでゲームが自動的に進行する。
【0020】
また、ゲーム画面の所定位置にはゲームに対して課金を行うことでゲームを有利に進めるための特殊アイテムを取得することができるストア画面(図示せず)を表示可能に構成される。ストア画面では、特殊アイテムを購入することができる。具体的には、プレイヤが特殊アイテムを購入する操作を行うと、サーバ装置3とゲーム装置2とで通信を行い、プレイヤに特殊アイテムを取得させるとともに、プレイヤのIDやそれに付随する口座情報等をサーバ装置3に伝え、プレイヤが取得する特殊アイテムの種類、枚数等に応じてサーバ装置3から電子取引によりプレイヤの口座から代金を引き落とすように構成される。このようにゲームに課金することで得られる特殊アイテムを使用することで、様々な場面でゲームを有利に進めることができるようになっている。なお、ゲーム画面の所定位置にストア画面を表示可能とする代わりに、後述するワールドマップMの所定位置においてこのような特殊アイテムを購入することができる場所を設け、プレイヤキャラクタが当該場所に位置した際に特殊アイテムを購入可能なゲーム画面が表示されることとしてもよい。
【0021】
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の一実施形態におけるゲームプログラムが適用されるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、コンピュータ装置として構成されるゲーム装置2と、サーバ装置3とが、インターネットやLAN等のネットワークNWを介して互いに通信可能に接続された構成になっている。このうちゲーム装置2は、その動作を制御するCPU10を備え、このCPU10にはバス11を介して操作入力部12、記憶装置14、ROM15、およびRAM16が接続されている。なお、ゲーム装置2は、ゲーム専用機器に限られず、スマートフォンやタブレット型情報端末等の携帯端末機器であってもよい。また、ゲーム装置2は、ディスクドライブ、メモリカードスロットまたはHDD等を備えていてもよい。
【0022】
本実施形態におけるゲーム装置2は、サーバ装置3からネットワークNWを介して本実施形態に用いられる第1のゲームプログラム30aおよび後述する第1のゲームデータ30bをダウンロードすることにより、記憶装置14に格納する。また、CPU10は、ゲーム装置2で実行されたゲームの途中経過等のプレイ状況を示すセーブデータ42cを、所定のタイミング、プレイヤの操作または所定の時間経過に基づいてネットワークNWを介してサーバ装置3にアップロードする。すなわち、セーブデータ42cは、サーバ装置3に格納され、このセーブデータ42cをゲーム装置2に再びダウンロードすることにより、ゲーム装置2で当該セーブデータ42cに含まれるプレイ状況に基づいてゲームを再開することができる。
【0023】
なお、これに代えて、ディスクドライブを備えるゲーム装置においては、当該ディスクドライブにDVD−ROM等のディスク型記憶媒体を装填することにより、ゲームプログラムおよびゲームデータをゲーム装置2が取得することとしてもよい。また、メモリカードスロットを備えるゲーム装置においては、カード型記憶媒体を装填することにより、当該カード型記憶媒体に、セーブデータを格納可能としてもよい。
【0024】
ROM15は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、ゲーム装置2を起動する起動プログラム等が記憶されている。RAM16は、DRAMまたはSRAM等により構成され、CPU10が実行するべき第1のゲームプログラム30aや、その実行の際に必要となる第1のゲームデータ30b、さらに、後述するサーバ装置3から取得される第2のゲームプログラム42aや、その実行の際に必要となる第2のゲームデータ42b等を、ゲームのプレイ状況に応じて読み込んで一時的に記憶する。
【0025】
さらに、CPU10には、バス11を介してグラフィック処理部17、オーディオ合成部20およびネットワークインタフェイス25が接続されている。
【0026】
このうち、グラフィック処理部17は、CPU10の指示に従ってワールドマップおよびゲームステージ等の仮想ゲーム空間や各キャラクタ等を含むゲーム画像を描画する。また、グラフィック処理部17にはビデオ変換部18を介してゲーム装置2に内蔵されたモニタ19が接続されており、グラフィック処理部17にて描画されたゲーム画像はビデオ変換部18において動画形式に変換され、モニタ19にて表示されるようになっている。
【0027】
オーディオ合成部20は、CPU10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ合成部20にはオーディオ変換部21を介して外部のスピーカ22が接続されている。したがって、オーディオ合成部20にて再生および合成されたゲーム音声は、オーディオ変換部21にてアナログ形式にデコードされ、スピーカ22から外部へ出力されるようになっている。
【0028】
操作入力部12は、モニタ19上に設けられたタッチパネルで構成され、モニタ19上に表示された操作ボタン等をプレイヤが触れることにより、対応する操作入力が行われる。なお、操作入力部12としてタッチパネルの代わりに、ゲーム装置に設けられた操作ボタン等を操作することにより操作入力を行うこととしてもよい。
【0029】
一方、サーバ装置3は、その動作を制御する高性能のCPU40を備え、このCPU40には高速バス41を介して記憶装置42、ROM43、RAM44およびネットワークインタフェイス45が接続されている。
【0030】
記憶装置42は、サーバ装置3が内蔵する大容量記憶媒体であって、上述したゲーム装置2が備えるものとは異なる第2のゲームプログラム42aおよび第2のゲームデータ42b等を記憶する。さらに、記憶装置42は、ゲーム装置2からアップロードされたセーブデータ42cを記憶することができる。ROM43は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、サーバ装置3と他のゲーム装置2との間の通信を制御するプログラム等、サーバ装置3の基本的な動作を実現するための基本プログラムが記憶されている。また、RAM44は、DRAMまたはSRAM等から構成され、CPU40が実行するべき第2のゲームプログラム42aや、その実行の際に必要になる第2のゲームデータ42b等を、ゲームのプレイ状況に応じて記憶装置42等から読み込んで一時的に記憶する。
【0031】
本実施形態においては、ゲーム装置2側に記憶された第1のゲームプログラム30aは、サーバ装置3との通信を行い、サーバ装置3からその都度ダウンロードされるゲーム情報を所定のゲーム画面の所定の位置に表示したり、プレイヤの操作を反映させるための処理を行う外形的なプログラムで構成されている。ゲームプログラムのうちゲーム構成やゲーム処理等を行うプログラムは、サーバ装置3側の記憶装置42に第2のゲームプログラム42aとして記憶される。また、ゲームプログラムに必要とされる全般的なゲームデータ42bは、サーバ装置3側の記憶装置42に第2のゲームデータ42bとして記憶され、ゲーム装置2側の記憶装置14には、ゲーム画面上で実際に表示する必要のあるゲームデータのみをサーバ装置3から随時ダウンロードして、第1のゲームデータ30bとして一時的に記憶する。例えばサーバ装置3の記憶装置42には、後述するゲームステージの情報、各種イベントの情報、各プレイヤのゲーム進行状況に関する情報(例えばプレイヤオブジェクトのレベル、スタミナ、どのゲームステージにいるか等の情報)、課金に関する情報等が記憶され、サーバ装置3がこれらの情報を管理する。
【0032】
この際、ゲームの進行は、サーバ装置3側で行うこととしてもよい。この場合、ゲーム装置2からの要求に応じてサーバ装置3がゲームを進行させ、その結果をゲーム装置2へ送ってゲーム画面に表示させる。例えば、ゲーム装置2が、後述するゲームにおいて、プレイヤの操作に基づいて設定された自動行動モードの各種設定情報をサーバ装置3に送り、サーバ装置3でそれらの設定情報から自動行動の内容を決定する演算を実行して、その結果をゲーム装置2に返すようにしてもよい。これに代えて、ゲームの進行をゲーム装置2側で行い、その結果をサーバ装置3に送ってサーバ装置3で当該ゲームを管理することとしてもよい。例えば、プレイヤの操作に基づいて設定された自動行動モードの各種設定情報から自動行動の内容を決定することはゲーム装置2で行い、その結果をサーバ装置3に送って記憶させることとしてもよい。このようなクライアントサーバ方式のゲームプログラムとすることにより、ゲームプログラムおよびゲームデータの保守やアップデートを一括して容易に行うことができる。
【0033】
[ゲーム装置の機能的構成]
図2は、本実施形態におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ゲームシステム1を構成するゲーム装置2は、CPU10、記憶装置12、ROM15、RAM16、グラフィック処理部17、ビデオ変換部18、オーディオ合成部20、オーディオ変換部21、ネットワークインタフェイス25等を含む制御部を備えたコンピュータとして動作する。そして、
図2に示すように、ゲーム装置2の制御部は、サーバ装置3の制御部と協働して本発明のゲームプログラム30a,42aを実行することで、ゲーム空間生成手段31、プレイヤキャラクタ制御手段32、自動行動制御手段33、行動ログ表示手段34およびログ要素選択手段35、ゲームオーバ処理手段36等の機能を発揮する。
【0034】
このうち、ゲーム空間生成手段31は、キャラクタが動作する仮想のゲーム空間および当該ゲーム空間内で動作する各キャラクタを生成し、モニタ19に表示させる。例えば、ゲーム空間生成手段31は、プレイヤキャラクタの移動に伴って、ゲームデータ30b,42bに含まれるオブジェクトおよびテクスチャ等のデータを読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。
【0035】
プレイヤキャラクタ制御手段32は、プレイヤによる操作入力部12の操作やゲームの進行状況に応じて、ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの動作を制御する。自動行動制御手段33は、プレイヤの操作に応じてプレイヤキャラクタの今後の行動目的を設定し、設定された行動目的に基づいて当該プレイヤキャラクタを、所定の期間、自動行動させる。また、本実施形態において、自動行動制御手段33は、行動ログ作成手段331を含んでいる。行動ログ作成手段331は、設定された行動目的に基づいて、所定の期間、プレイヤキャラクタが自動行動した結果を示す行動ログ(行動履歴)を作成する行動ログ作成手段331を含んでいる。
【0036】
行動ログ表示手段34は、行動ログ作成手段331が作成した行動ログを少なくとも1つのログ要素を用いてゲーム画面上に表示する。ログ要素選択手段35は、ゲーム画面上に行動ログとして表示された所定のログ要素から所望のログ要素を選択可能とする。
【0037】
なお、ログ要素は、ゲーム中に生じるイベント、プレイヤキャラクタまたはノンプレイヤキャラクタが行う行動、および、その行動結果の内容を予め定められた要素単位に区分したものである。例えば、ログ要素には、イベント要素、自動行動要素および行動結果要素等が含まれる。したがって、自動行動における行動ログは、このようなログ要素の組み合わせで構成(表現)される。
【0038】
ゲームオーバ処理手段36は、ゲームオーバ時に、所定の確率でプレイヤの操作に応じて使用可能なコンティニューアイテム(後述)を無償で提供する。
【0039】
[通常モード]
以下、本ゲームの通常モード(手動行動モード)の内容について説明する。
図3は本実施形態においてワールドマップが表示されたゲーム画面を示す図である。
図3の例においては、ワールドマップ上に、プレイヤキャラクタPCの目的地となり得る移動位置(移動マス)STが複数配置され、複数の移動位置STが所定の移動経路Pで接続されている。プレイヤは、このようなワールドマップMが表示されたゲーム画面上において、プレイヤキャラクタPCが配置されている移動位置STから行きたい別の移動位置STをタッチするか、プレイヤキャラクタPCが位置する移動位置STに接続されている移動経路Pに沿ってフリック操作(タッチパネル上でスライド操作)することにより、別の移動位置へ移動することができる。なお、プレイヤキャラクタの移動態様は本実施形態に限られない。例えば、移動経路PのないワールドマップM上をフリック操作や所定の方向キー操作によりプレイヤキャラクタPCを移動させる構成としてもよい。また、ワールドマップMは2次元でも3次元でもよい。
【0040】
本ゲームにおいては、プレイヤキャラクタPCの移動に伴ってイベントが発生する。例えば、プレイヤキャラクタPCが所定の移動位置STに位置した際に、予め定められたイベントが生じる。より具体的には、ある移動位置STは、町になっており、アイテムの売買や町の人と会話ができる。またある移動位置STは、ダンジョンになっており、ダンジョン内を探索することができる。なお、ダンジョンや町は、ワールドマップと同様に、プレイヤの操作に基づいてプレイヤキャラクタが移動可能な2次元または3次元のマップとして構成してもよいし、少なくとも1つの項目を選択することによるテキスト選択式の構成としてもよい。
【0041】
また、イベントとして、他のキャラクタ(ノンプレイヤキャラクタや通信ゲームにおいては他のプレイヤキャラクタ)との遭遇が含まれていてもよい。他のキャラクタとの遭遇イベントにおいては、話をすることで情報を得たり、アイテムをもらえたりできる。また、他のキャラクタが敵キャラクタである場合には、戦闘が行われる。本実施形態において、戦闘は、後述するように、プレイヤの操作に基づくコマンド入力形式で行われる。
【0042】
なお、戦闘を含む他のキャラクタとの遭遇イベントは、移動位置STで発生することに代えてまたは加えて、移動経路P上で発生することとしてもよい。また、ワールドマップM上および移動位置ST内で遭遇するノンプレイヤキャラクタは、所定の領域ごとに設定された遭遇確率でプレイヤキャラクタPCと遭遇するように設定される。遭遇確率が設定される領域は、例えばワールドマップMを1以上に区分けされた区域ごとに設定されてもよいし、移動位置STまたは移動経路Pごとに設定されてもよい。また、他のキャラクタは、ワールドマップM上で予め表示させることとしてもよいし、遭遇時にのみ表示させることとしてもよい。
【0043】
以上を実現するために、プレイヤキャラクタ制御手段32は、プレイヤによるプレイヤキャラクタPCを移動させる操作に基づいて、プレイヤキャラクタPCを移動経路Pに沿って移動させる。そして、プレイヤキャラクタ制御手段32は、プレイヤキャラクタPCが移動する領域に設定されている遭遇確率に基づいてノンプレイヤキャラクタの出現演算を行い、当該出現演算の結果に基づいてプレイヤキャラクタPCとノンプレイヤキャラクタとの遭遇イベントを発生させる。さらに、遭遇イベントでは、プレイヤの操作に基づいて戦闘などが行われる。
【0044】
このように、本ゲームの通常モードにおいては、プレイヤキャラクタ制御手段32は、移動およびイベント発生時の行動ごとにプレイヤによる操作を要求し、プレイヤによる操作に基づいてプレイヤキャラクタが行動するように制御する。
【0045】
[自動行動モード]
本ゲームにおいては、通常モードから自動行動モードに切り替えることが可能である。本実施形態においては、通常モードの所定の状態において、プレイヤがプレイヤキャラクタPCの今後の行動目的を予め設定する操作を行うことにより、ゲームが自動行動モードに切り替えられ、プレイヤキャラクタPCが、当該設定に基づいてプレイヤが操作することなしに所定の期間、自動行動する。自動行動モードへの切り替えは、例えばプレイヤキャラクタPCがワールドマップM上に位置する場合、各移動位置ST内の町やダンジョン等に位置する場合等、特に限定されない。また、例えば所定の目的を達成するために予め設定されるクエスト等のイベント実行中においても、自動行動モードへの切り替えを可能としてもよい。
【0046】
図4は、本実施形態における通常モードから自動行動モードへの切り替え処理の流れを示すフローチャートである。まず、上述したような通常モードのゲームが行われている状態において(ステップSA1)、自動行動制御手段33は、プレイヤによる自動行動モードへの切り替え操作の有無を監視する(ステップSA2)。自動行動モードへの切り替え操作があった場合(ステップS2でYes)、自動行動制御手段33は、自動行動設定画面をゲーム画面に表示させる。
【0047】
本実施形態において、自動行動制御手段33は、プレイヤの設定入力操作に基づいて自動行動の目的を設定する(ステップSA3)。自動行動の目的には、目的地(移動先の移動位置ST)や、当該目的地で行う動作(例えば目的地がダンジョンであればダンジョンを探索したり、所定の敵を倒したり、所定のアイテムを探したりする)等が含まれる。その後、自動行動制御手段33は、プレイヤの設定入力操作に基づいてその他の各種設定を行う(ステップSA4)。その他の各種設定には、例えばプレイヤキャラクタPCの装備の確認(変更)、自動行動中に使用可能なアイテムの選択、自動行動中におけるプレイヤキャラクタPCの行動タイプ(例えばなるべく戦闘は避けるまたは積極的に戦闘を行う、戦闘時において物理攻撃重視とするまたは魔法攻撃重視とする、体力が減ったときはアイテムを使うまたは回復魔法を使う)等が含まれる。
【0048】
自動行動は、目的地へ向かう移動中および目的地における動作中(探索中)において、複数種類のイベントの中から少なくとも1つ以上が発生し、それに応じた自動行動要素が選択され、実行されるように構成されている。上述したように、自動行動は、イベント要素、自動行動要素および行動結果要素等の組み合わせで構成される。イベント要素には、上記通常モードにおけるイベントと同様に発生確率が予め設定されている。イベントが発生する確率は、通常モードにおけるイベントの発生確率と同じでもよいし、異なっていてもよい。また、イベント要素が発生する確率は、通常モードにおけるノンプレイヤキャラクタとの遭遇確率と同様に、所定の領域ごとに設定されてもよい。
【0049】
自動行動要素には、例えば、「(遭遇した他のキャラクタと)戦闘する」、「調べる」、「(遭遇した他のキャラクタと)話す」等、プレイヤキャラクタPCが行い得る行動が含まれる。なお、例えば「戦闘する」には、「物理攻撃を行う」、「魔法攻撃を行う」、「逃げる」、「回復する」等が含まれ、「話す」には、「褒める」、「尋ねる」、「誘う」等が含まれるといったように、ある自動行動要素の中にさらに細分化した自動行動要素が存在してもよい。
【0050】
すなわち、イベント要素が発生した場合に、プレイヤキャラクタPCが自動的に取る行動が自動行動要素として定められている。なお、1つのイベントにおいて複数種類の自動行動要素の中からプレイヤキャラクタPCが取る行動を決定してもよい。例えば、敵キャラクタと遭遇した場合の自動行動要素には、「戦闘する」と「逃げる」とが含まれていてもよい。プレイヤキャラクタPCが取り得る自動行動要素が複数ある場合には、自動行動要素ごとに発生確率が設定される。
【0051】
自動行動制御手段33は、上記のように設定された各種設定内容に応じて、発生するイベント要素および自動行動要素を含むログ要素の組み合わせを確率演算し、自動行動の内容を決定する(ステップSA5)。具体的には、自動行動制御手段33は、イベントの発生時期およびその内容と、そのイベントに応じて選択される自動行動要素とをそれぞれ確率演算に基づいて決定する。さらに、自動行動制御手段33は、プレイヤキャラクタPCが取った行動(自動行動要素)に基づいて、行動結果を演算する。例えば、自動行動制御手段33は、「物理攻撃を行う」という自動行動要素の行動結果として敵キャラクタへのダメージ量を演算したり、「調べる」という自動行動要素の行動結果として所定のアイテムが見つかるか否かおよび見つかった場合どのようなアイテムが見つかるかを演算したりする。このように、自動行動制御手段33は、プレイヤによる設定入力操作に基づいて、自動行動の全行程の内容(いつどのような行動を行い、その結果どのようになるか)を決定する。
【0052】
行動ログ作成手段331は、このように決定された自動行動の内容に基づいて、所定の期間、前記プレイヤキャラクタが自動行動した結果を示す行動ログを作成する。行動ログには、少なくとも1つのログ要素が含まれる。上述したように、ログ要素には、発生するイベントについてのイベント要素、イベントに応じてプレイヤキャラクタが行う自動行動についての自動行動要素およびその行動結果を示す行動結果要素が含まれる。行動ログ作成手段331は、上記演算結果に基づいて、上記ログ要素の組み合わせおよび各ログ要素における詳細な内容(例えばプレイヤキャラクタPCまたはノンプレイヤキャラクタのパラメータ値の変更や、アイテムの取得または使用処理等)を行動ログとして作成する。
【0053】
さらに、自動行動制御手段33は、自動行動に要する時間(行動期間)を演算し、ゲーム画面に表示させる(ステップSA6)。行動期間は、設定された目的地までの移動時間、発生するイベントまたは自動行動要素を行うのに要する時間(例えば「調べる」行動単位等には予め当該行動に要する時間が設定される)等が含まれる。なお、行動期間は、ゲーム内時間(現実の時間を含む)における終了時刻として表示されてもよいし、自動行動に必要な期間(残り時間)として表示されてもよい。また、ゲームに課金する等によって入手できるアイテムを使用することにより、行動期間を短くすることとしてもよい。
【0054】
さらに、自動行動制御手段33は、ゲーム画面に自動行動を行うかどうかの最終決定のための操作を促す表示を行い、最終決定のための操作が行われるかどうかを監視する(ステップSA7)。プレイヤにより最終決定のための操作が行われた場合(ステップSA7でYes)、自動行動制御手段33は、ゲームを自動行動モードに切り替え、自動行動を開始する(ステップSA8)。プレイヤが自動行動の内容を変更したい場合には(ステップSA7でNo)、対応する操作を行うことにより、演算された自動行動はキャンセルされ、自動行動制御手段33は、再設定を行う操作が行われるかどうかを監視する(ステップSA12)。再設定を行う場合には(ステップSA12でYes)、再度目的設定(ステップSA3)から入力させるようにゲーム画面に案内表示する。再設定を行わない場合には(ステップSA12でNo)、モード切り替え処理を終了し、通常モードのままゲームを続行する。
【0055】
本実施形態における自動行動モードにおいて、行動ログ表示手段34は、行動ログ作成手段331により作成された行動ログを少なくとも1つのログ要素を用いてゲーム画面上に表示する。例えば、行動ログ表示手段34は、行動ログを、自動行動において発生する複数のイベント、それに伴う自動行動およびその行動結果が経時的な順序で並ぶようにゲーム画面上に表示する。なお、行動ログは、サーバ装置3の記憶装置42にセーブデータ42cとして記憶しておき、プレイヤの操作に基づいて行動ログを表示させる度に、行動ログについてのデータをサーバ装置3からダウンロードする(行動ログ終了後はゲーム装置2においてはデータを保持しない)。
【0056】
図5は本実施形態においてゲーム画面に表示される行動ログの一例を示す図である。
図5は例として移動位置ST(A)に位置するプレイヤキャラクタPCが移動位置ST(B)においてダンジョンを探索した後、移動位置ST(C)へ向かうまでを自動行動の目標として設定した場合を示している。なお、移動位置ST(B)におけるダンジョンには、敵キャラクタが存在し、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタと遭遇した場合には戦闘が行われるように設定されている。戦闘の結果、プレイヤキャラクタPCの能力を上げるための経験値が上がったり、所定の確率でアイテムが得られたりする。また、ダンジョンには宝箱等によりアイテムが得られたりする。また、それぞれの移動位置ST間ではノンプレイヤキャラクタに出会って情報やアイテムが得られたり、敵キャラクタと遭遇して戦闘が行われたりするように設定されている。
【0057】
図5に示すように、行動ログとして、発生したイベント要素Ei(i=1,2,…)がイベントが発生した時刻(ゲーム内時刻)とともに表示される。また、各イベント要素EiにおいてプレイヤキャラクタPCが行った行動が自動行動要素Fiとして表示され、その行動の結果である行動結果要素Giが表示される。また、行動ログには、敵キャラクタ等のノンプレイヤキャラクタの自発的な行動を示す行動要素Hiも表示される。
【0058】
なお、
図5においては、イベント要素、自動行動要素および行動結果要素が同じ画面上に一覧表示された態様を例示しているが、表示態様はこれに限られない。例えば、行動ログを階層的な表示構造とし、第1の画面においてはイベント要素のみが一覧表示され、何れかのイベント要素を選択操作することにより、当該イベントの内容とともにイベントに関する自動行動要素および行動結果要素が表示される第2の画面が表示される態様としてもよい。
【0059】
本実施形態において、ゲーム画面上に表示される行動ログは、自動行動中において、上記演算により決定された自動行動の内容に基づいて、イベントが発生する時間に従って、更新(追加)される(ステップSA9)。したがって、プレイヤは、自動行動の期間中に、所定の操作を行うことにより、ゲーム画面上に自動行動のその時点までの行動ログ(自動行動の途中経過)を表示させることができる。なお、行動ログの更新のタイミングは、イベントが発生したタイミングで行ってもよいし、所定の単位時間ごとに更新の有無を判断することとしてもよい。
【0060】
本実施形態において、プレイヤの操作に基づく自動行動の各種設定は、ゲーム装置2のCPU10が行い、設定された各種設定情報はネットワークNWを介してサーバ装置3に送られる。サーバ装置3のCPU40は、送られてきた各種設定情報に基づいて自動行動の内容の決定および行動期間の演算を行い、ゲーム装置2に自動行動の内容に関する情報(行動ログ情報)を送り返す。なお、サーバ装置3は、行動ログ情報を自動行動開始時に一括してゲーム装置2に送信することとしてもよいし、行動ログの更新のタイミングごとに当該更新される行動ログに関する情報を逐次送信することとしてもよい。行動ログを分割して逐次送信する場合は、一括送信の場合に比べてゲーム装置2に記憶されたデータを改ざんする等の不正操作をより効果的に防止することができる。
【0061】
自動行動制御手段33は、設定された自動行動が終了したかどうかを監視し(ステップSA10)、自動行動が終了するまで行動ログの更新処理を行い、自動行動が終了した場合には(ステップSA10でYes)、自動行動モードから通常モードに切り替える(ステップSA11)。自動行動が終了したかどうかは、自動行動制御手段33がステップSA6で演算された行動期間が経過したか否かで判定してもよいし、決定された自動行動の内容が行動ログにすべて反映されたか否かで判定してもよい。なお、自動行動の途中でプレイヤが通常モードに切り替える操作を行った場合に、その時点で自動行動モードを終了し、通常モードに切り替えることとしてもよい。
【0062】
なお、
図4の例においては、時間経過に沿ってログ要素を追加更新することにより行動ログを表示する態様としているが、これに限られない。例えば、自動行動の終了後に当該自動行動の全行動ログを一括表示する(一括表示可能とする)こととし、自動行動中は、当該自動行動における行動ログが表示されない態様としてもよい。
【0063】
また、自動ログは、常にゲーム画面上に表示することとしてもよいし、プレイヤによる所定の操作に応じて自動ログが表示される画面を表示させることとしてもよい。
【0064】
[行動ログからのプレイ再開]
ここで、行動ログに含まれるログ要素のうち、所定のログ要素がプレイヤの操作により選択可能なログ要素として設定されている。選択可能なログ要素は、行動ログが表示されるゲーム画面においてプレイヤが選択操作可能に構成されている。例えば、操作入力部12としてタッチパネルを採用する場合には、所望のログ要素が表示される枠内をタッチすると当該ログ要素が選択可能となる。サーバ装置3の記憶装置42には、セーブデータ42cとして、このような選択可能なログ要素の発生時点(発生直前)におけるゲームデータが、当該ログ要素に関連付けて記憶されている。このために、自動行動制御手段33は、自動行動の内容を決定した際に、選択可能なログ要素ごとのセーブデータを記憶装置42に記憶する。
【0065】
プレイヤキャラクタ制御手段32は、プレイヤの操作に基づいて、自動行動における所望の時点からプレイヤの操作に応じてプレイヤキャラクタPCを動作させる手動行動に切り替える。具体的には、ログ要素選択手段35が、プレイヤの操作に基づいて、ゲーム画面上に行動ログとして表示された所定のログ要素から所望のログ要素を選択し、プレイヤキャラクタ制御手段32は、選択されたログ要素が生じた時点から手動行動に切り替える。
【0066】
図6は、行動履歴の途中から手動行動を行うための切り替え処理の一例を示すフローチャートである。前提として行動ログ表示手段34は、上述したように、ゲーム画面上に
図5に例示するような行動ログを表示する(ステップSB1)。なお、行動ログが表示されていない状態から過去の行動ログに基づいて手動行動を再開したい場合には、プレイヤの操作に基づいて行動ログ表示手段34がゲーム画面上に行動ログを表示する。
【0067】
本実施形態においては、
図5に示す行動ログのログ要素のうち、選択可能なログ要素(所定のログ要素)としてイベント要素Eiが設定されている。ログ要素選択手段35は、行動ログに表示された一以上のイベント要素Eiの中から1つのイベント要素Eiを、手動行動を開始する起点として選択するためのプレイヤの操作を待ち受ける(ステップSB2)。プレイヤによるイベント要素Eiの上記選択操作があった場合(ステップSB2でYes)、プレイヤキャラクタ制御手段32は、当該選択されたイベント要素Ei発生時点(発生直前)におけるゲームデータを読み出す(ステップSB3)。行動ログ表示手段34は、ゲーム装置2に一時的に記憶されている行動ログを消去する(ステップSB4)。なお、所定のログ要素(イベント要素Ei)の選択操作としては、上記のように手動行動を開始する起点として選択する場合とは別に、当該ログ要素の詳細内容を示す表示画面を表示するための選択操作も行われ得るが、この場合には、詳細内容を示す表示画面を表示するのみで当該ログ要素発生時点におけるゲームデータを読み出さなくてもよい。
【0068】
プレイヤキャラクタ制御手段32は、ログ要素選択手段35により選択されたログ要素Eiの時点にゲーム内時間を戻した上で、ゲームを手動行動モード(通常モード)に切り替え、読み出したゲームデータに基づいてプレイヤの操作に応じてプレイヤキャラクタPCを動作させる手動行動制御を行う(ステップSB5)。
【0069】
例えば、
図5に示す例において、自動行動中のプレイヤキャラクタPCは、敵キャラクタXに遭遇しているが、プレイヤキャラクタPCは物理攻撃を行ったものの、敵キャラクタXにダメージを与えることができず、逃げられている。この敵キャラクタXは、物理攻撃に対する回避率が高く、魔法やアイテム等で敵キャラクタXの動きを止めないとダメージを与えることができないキャラクタである。プレイヤがこのこと(まず敵キャラクタXの動きを止めること)を通常モードにおける過去のプレイ等で知っていた(またはノンプレイヤキャラクタ等から聞いていた)場合、みすみす敵キャラクタXを倒す機会を逃したことになる。特に、敵キャラクタXを倒したときに得られるアイテムが特殊なアイテム(例えば、能力の高いアイテム、高く売れるアイテム等)である場合、プレイヤは自分で操作した方が良かったと感じる場合が多くなる。
【0070】
そこで、このような場合に、プレイヤは行動ログの選択可能なログ要素であるイベント要素E5を選択操作することにより、敵キャラクタXに遭遇する時点(直前)に遡って通常モードでのプレイを再開することができる。
【0071】
このように、上記構成によれば、自動行動中に発生したイベントおよび自動行動中に行ったプレイヤキャラクタPCの行動のうち、プレイヤ自ら操作したいと希望するイベントやプレイヤキャラクタPCの行動についてその時点まで遡ってプレイヤの操作を可能にすることができる。しかも、自ら操作しなくてもよいイベント等に関しては自動行動させることにより、ゲームにおいてプレイヤが作業的に感じてしまう部分を極力減らし、ゲームの進行度に対するプレイヤのゲーム時間を短くすることができる。したがって、ゲームの進行度に対するプレイヤのゲーム時間を短くしつつ、プレイヤが希望するゲーム操作を効率的に行うことができる。プレイヤのゲーム時間を短くすることにより、プレイヤが短い時間でも頻繁にプレイすることが可能となるため、プレイヤのゲームへの興味を、より長い期間、高く維持することができる。
【0072】
なお、上記例において敵キャラクタXとの戦闘を通常モードで終えた後、再び前回と同じ態様で自動行動を設定する場合、自動行動の目的およびその他の各種設定が自動的に行われる(元の自動行動時における設定を保存しておく)こととしてもよい。この場合であっても、敵キャラクタXとの戦闘終了後からのプレイヤキャラクタの自動行動が
図4に示すフローチャートに基づいて再度演算されることとなるため、このときの行動ログは、元の自動行動における行動ログとは異なる結果となり得る。例えば、
図5において、敵キャラクタXとの戦闘の後、プレイヤキャラクタPCは宝箱を見つけるイベント要素E6が発生しているが、新たな自動行動においては、プレイヤキャラクタPCは宝箱を見つけられない場合が生じる。
【0073】
なお、上記例においては、所定のログ要素として、イベント要素Eiのみをプレイヤが選択可能としているが、これに限られず、自動行動要素等、ログ要素であればどのようなものでも所定のログ要素としてプレイヤが選択可能に設定することができる。
【0074】
また、上記例において、行動ログから手動行動を開始した後は、ゲーム装置2に記憶されていた行動ログは消去することとしている。すなわち、自動行動制御手段33は、プレイヤキャラクタ制御手段32が選択されたログ要素が生じた時点から手動行動制御を行う場合、行動ログ作成手段34が作成した行動ログを消去する。このため、いったん行動ログの任意のログ要素から手動行動でゲームを再開した場合に、プレイヤの思うようなゲーム進行が行えなかった場合(例えば所望の特殊アイテムを得られなかった場合や戦闘でプレイヤキャラクタPCが倒されてしまった場合等)であっても、再度選択したログ要素の時点からゲームを再開することはできない。ゲームを所望の時点から何度もやり直すことが可能となると、所望のアイテムを得るまで同じところから何度もやり直すことが可能となりゲーム性が損なわれるおそれがある。このため、行動ログの所望のログ要素から手動行動によりゲームを再開できるのを1回に限ることにより、ゲーム性の低下を防止することができる。
【0075】
ただし、これに限られず、サーバ装置3に記憶される構成においては、サーバ装置3に記憶されている行動ログは残しておいてもよい。例えば、課金等によって入手できるアイテムを使用する等の所定の制限を追加して、手動行動開始後においても、再度行動ログからのプレイの再開を行うことができることとしてもよい。サーバ装置3に記憶されている行動ログを消去しない場合には、複数の行動ログを記憶可能としてもよい。すなわち、複数回自動行動モードを実行した場合、サーバ装置3には、当該複数回の自動行動モードにおける行動ログが上書きされずに記憶されることとしてもよい。
【0076】
また、ワールドマップM上に、サーバ装置3の記憶装置42に記憶されている他のプレイヤ(他のゲーム装置2のプレイヤ)のプレイヤキャラクタを登場させてもよい。すなわち、複数のプレイヤのタイムラインが交差するように設定されてもよい。この際、お互いのプレイヤキャラクタ同士が自動行動中に遭遇したことに関するイベント要素が行動ログに含まれ得る。プレイヤは、遭遇した相手のプレイヤキャラクタの情報を行動ログで確認することができる。さらに、プレイヤは、相手のプレイヤキャラクタと遭遇した時点に遡って通常モードでのゲームを行うことができる。この際、プレイヤは、相手のプレイヤキャラクタと同行して協力プレイを行うことができる。これにより、例えば自動行動モードの行動ログにおいて、相手のプレイヤキャラクタの遭遇後に出会った敵キャラクタが強くて倒せなかった場合に、相手のプレイヤキャラクタとの遭遇時に遡って当該相手のプレイヤキャラクタと行動を共にすることにより、その後に出会う敵キャラクタとの戦闘を有利に進めることができる。
【0077】
相手のプレイヤキャラクタとの同行に際しては、遭遇に関するイベント要素を選択した際に、相手のプレイヤに対してゲーム内メール等により連絡を取って相手プレイヤの同意を得ることによりゲームを同期させることとしてもよいし、非同期のまま、遭遇時の相手のプレイヤキャラクタの情報のみを取得して、当該相手のプレイヤキャラクタをゲーム装置2またはサーバ装置3がその行動を制御するノンプレイヤキャラクタとしてプレイヤキャラクタPCに同行させることとしてもよい。
【0078】
[その他のゲーム態様]
次に、本実施形態の通常モードにおいて敵キャラクタと戦闘を行う際の操作態様について例示する。
図7は本実施形態における戦闘時のゲーム画面の例を示す概略図である。
図7に示すように戦闘時においては、ゲーム画面に、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタPCおよび敵キャラクタXが表示されている。また、ゲーム画面には、タッチパネルによる操作入力部12としてコマンド入力ボタンが表示される。コマンド入力ボタンは、物理攻撃入力ボタンB1、魔法攻撃入力ボタンB2およびその他コマンド入力ボタンB3を含む。また、敵キャラクタXの体力値がバー表示D1で表示され、プレイヤキャラクタPCの体力値がバー表示D2で表示される。例えばバー表示D1,D2の代わりに体力値を数字で表示する等戦闘時のゲーム画面における各表示態様はこれに限られない。
【0079】
本実施形態においては、各コマンド入力ボタンを押圧操作することにより、対応するコマンド入力ボタンの周囲にサブコマンド入力ボタンが展開表示されるように構成されている。
図8は
図7においてサブコマンド入力ボタンが展開表示された場合のゲーム画面を示す概略図である。
図8に示すように、サブコマンド入力ボタンは、例えばコマンド入力ボタンの上下左右に合計4つの枠が展開される。例えば物理攻撃入力ボタンB1のサブコマンド入力ボタンには、薙ぎ払い攻撃ボタンB11、突き攻撃ボタンB12、振り落とし攻撃ボタンB13およびジャンプ攻撃ボタンB14等が含まれ、展開される4つの枠の任意の位置にプレイヤが所望のサブコマンドを設定することができる。例えば
図8に示すように、物理攻撃入力ボタンB1の上側に薙ぎ払い攻撃ボタンB11を設け、右側に突き攻撃ボタンB12を設け、下側に振り落とし攻撃ボタンB13を設け、左側にジャンプ攻撃ボタンB14を設けるように設定することができる。この他、例えば、上側および右側に薙ぎ払い攻撃ボタンB11を設け、下側および左側にジャンプ攻撃ボタンB14を設けるように設定する等、ボタンを配置する位置を任意に設定したり、同じボタンを複数配置するように設定することができる。他のコマンド入力ボタンについても同様である。
【0080】
図8に示すボタン配置において、例えば、薙ぎ払い攻撃を行う場合には、プレイヤは、物理攻撃入力ボタンB1を指で押し、そのまま薙ぎ払い攻撃ボタンB11へ指をスライドさせるように操作する(いわゆるフリック操作を行う)。
【0081】
さらに、展開表示された複数のサブコマンド入力ボタンは、連続的に入力操作可能に構成されており、サブコマンド入力ボタンの連続的な操作入力により入力操作順に応じた連続攻撃が入力可能に構成されている。
図8に示すボタン配置において、例えば、物理攻撃入力ボタンB1を指で押し、そのまま薙ぎ払い攻撃ボタンB11へ指をスライドさせ、さらに、時計回りに、指をスライドさせることにより、突き攻撃ボタンB12、振り落とし攻撃ボタンB13およびジャンプ攻撃B14を順に入力操作する。入力された操作は、
図8に示すコマンド入力表示欄C1において入力順に表示され、確認できる。
【0082】
このような連続的な入力操作を行うことにより、連続攻撃(コンボ攻撃)が容易に可能となる。さらに、このような連続的な入力操作を繰り返す(例えば
図8に破線Lで示す時計回りのスライド操作を複数周行う)ことにより、連続攻撃の数を増やし、敵キャラクタXに与えるダメージをより大きくすることができる。なお、単純にある一定の入力操作の連続攻撃を複数回行うより、1回の連続攻撃で入力操作の数を増やした方が敵キャラクタXに与えるダメージが大きくなることとしてもよい。ただし、1回あたりの入力操作の数(コマンド入力表示欄C1に示されるコマンド数)が増えるほど所定の値(例えば攻撃を行う際に必要なアタックポイントの値、
図8においてはバー表示D3で示される)を多く消費することとしてもよい。
【0083】
また、操作入力されるサブコマンドの順番(サブコマンド入力ボタンB11〜B14の配置)の態様によって、プレイヤキャラクタPが単に各攻撃を順番に行うだけでなく、所定の特殊な攻撃を行うこととしてもよい。例えば、上記サブコマンド入力ボタンをB11,B12,B13,B14の順で操作入力することにより、プレイヤキャラクタPCのエフェクト表示が通常とは異なる特殊攻撃を行うこととしてもよい。サブコマンド入力ボタンの配置を変えることにより、プレイヤは同じ操作(時計回りまたは反時計回りにフリック操作)であっても、異なる特殊攻撃を行うことができるようになる。したがって、簡単な操作で様々な攻撃態様を創出することが可能となる。
【0084】
このような連続攻撃を行った結果、敵キャラクタXを倒した場合に、通常の攻撃により倒した場合に比べて異なるアイテム(例えば特殊アイテム、レアアイテム等)が得られる確率が高くなることとしてもよい。一方で、自動行動制御手段33は、自動行動における戦闘時に連続攻撃を行う確率を通常モードに比べて予め低く設定したり、所定の入力操作数以上の入力操作を行わないようにプレイヤキャラクタPCを制御してもよい。この場合、自動行動においてプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタXを倒した際に得られるアイテムが特殊アイテムである可能性は、通常モードに比べて低いものとなる。このような場合に、プレイヤが所望すれば、敵キャラクタXとの遭遇時から手動行動に切り替えて、プレイヤ自ら操作することにより、敵キャラクタXを倒した際に特殊アイテムを得られる確率を高くすることができる。
【0085】
次に、本実施形態におけるゲームにおいて、プレイヤキャラクタPCが戦闘に敗れてゲームオーバになった場合について説明する。ゲームプレイ中にゲームオーバになった場合、一般的なゲームの態様として、プレイヤがコンティニュー操作を行うことによりプレイキャラクタPCが倒れた状況からゲームを再開することができる機能が知られている。さらに、ゲームによっては、課金等を行うことがこのようなコンティニュー操作を可能とする条件として設定されているものもある(特開2002−253856号公報等参照)。課金の態様は、ゲームオーバ画面において直接的に課金する(課金処理を行う)だけでなく、課金等を行うことにより取得できる所定のアイテム(以下、コンティニューアイテム)を所有している場合に、ゲームオーバ画面において当該コンティニューアイテムを使用するか否かをプレイヤに選択させる画面を表示する態様も考えられる。
【0086】
コンティニューアイテムが課金により取得できるアイテムであっても、キャンペーン期間等においてこのようなコンティニューアイテムを各プレイヤのアカウント(ゲーム装置)に無償で提供することにより、プレイヤへのゲームへの関心を高める態様も考えられる。しかし、所持するコンティニューアイテムを使用するか否かはプレイヤが決めることであり、コンティニューアイテムが課金したものであり、貴重なものであるほど、使用し難い問題がある。このため、プレイヤのゲームへの関心の維持または向上に思ったほど効果がない場合がある。また、課金により取得できるコンティニューアイテムをゲームオーバ時に自動的に使用することはプレイヤの希望に反する場合や倫理上好ましくない場合がある。
【0087】
このように、上記のような従来の態様においては、ゲームオーバ時におけるコンティニューアイテムの使用に関してプレイヤの関心をより高くしてゲームへの興味を持続させることについての課題がある。
【0088】
そこで、本実施形態におけるゲームプログラムにおいては、ゲームシステム1がゲームオーバ処理手段36として機能し、ゲームオーバ処理手段36が、ゲームオーバ時に、所定の確率でプレイヤの操作に応じて使用可能なコンティニューアイテムを無償で提供する。
【0089】
図9は本実施形態におけるゲームオーバ処理の流れを例示するフローチャートである。ゲームオーバ処理手段36は、プレイヤが行っているゲームにおいてプレイヤキャラクタPCの体力値が0になる等の予め定められたゲームオーバ条件となっているか否かを監視する(ステップSC1)。ゲームオーバとなった場合(ステップSC1でYes)、ゲームオーバ処理手段36は、所定の当選確率を用いてコンティニューアイテムの抽選処理を行う(ステップSC2)。抽選処理において当選した場合(ステップSC3でYes)、ゲームオーバ処理手段36は、コンティニューアイテムを獲得した処理を行う。具体的には、当該プレイヤが操作するプレイヤキャラクタPCの所持アイテムとしてコンティニューアイテムを追加して、サーバ装置3のセーブデータ42cを更新する。その上で、ゲームオーバ処理手段36は、ゲームオーバ画面をゲーム画面上に表示させ、当該ゲームオーバ画面上に、コンティニューアイテムを取得したこと(無償でコンティニューが可能であること)を表示する(ステップSC4)。
【0090】
ゲームオーバ処理手段36は、コンティニューアイテムを使用するプレイヤの操作があるか否かを監視し(ステップSC5)、所定の期間内にコンティニューアイテムを使用するプレイヤの操作があった場合(ステップSC5でYes)、当該コンティニューアイテムを消費して(所持アイテムから削除して)ゲームを再開させる(ステップSC6)。
【0091】
一方、コンティニューアイテムの抽選処理において当選しなかった場合(ステップSC3でNo)、ゲームオーバ処理手段36は、サーバ装置3のセーブデータ43cを照会してプレイヤキャラクタPCが元々コンティニューアイテムを所持しているか否かを確認する(ステップSC7)。コンティニューアイテムを所持している場合(ステップSC7でYes)、ゲームオーバ処理手段36は、ゲームオーバ画面をゲーム画面上に表示させ、当該ゲームオーバ画面上に、コンティニューアイテムを消費してコンティニュー可能であることを表示する。以下、コンティニューアイテムが無償で提供された場合と同様に、ゲームオーバ処理手段36は、コンティニューアイテムを使用するプレイヤの操作があるか否かを監視し(ステップSC5)、所定の期間内にコンティニューアイテムを使用するプレイヤの操作があった場合(ステップSC5でYes)、当該コンティニューアイテムを消費してゲームを再開させる(ステップSC6)。
【0092】
ゲームオーバ画面が表示されている際にプレイヤがコンティニューを行わない操作を行った場合(ステップSC5でNo)およびコンティニューアイテムを所持していない場合(ステップSC7でNo)、ゲームオーバ処理手段36は、ゲームオーバを確定させ、ゲームを終了させる(ステップSC8)。
【0093】
このように、ゲームオーバ時において、通常課金でしか取得できないコンティニューアイテムを所定の確率を用いた抽選により無償で獲得できるようにする。これにより、プレイヤは思いがけずゲームを再開することができるようになるため、ゲームへの関心、愛着等が沸き易くなり、ゲームへの興味を持続させることができ、トータルのプレイ時間を延ばすことができる。
【0094】
なお、自動行動モード実行時において、ゲームオーバになった場合にも、同様にコンティニューアイテムの抽選を行うことが可能である。さらに、抽選によりコンティニューアイテムを取得した場合には、それを使用することで自動的にプレイを再開(続行)させることとしてもよい。行動ログには、ゲームオーバ時に取得したコンティニューアイテムにより自動的にゲームが再開されたことが示される。この場合には、取得されたコンティニューアイテムは課金によって取得したものでないことが明らかであるため、課金により取得したコンティニューアイテムを勝手に使用することによる弊害が生じることがない。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0096】
例えば、行動ログの表示態様は、
図5のようなテキスト表示のみだけに限られず、例えば、イベント発生時には動画表示(通常モードのゲーム画面表示)としてもよい。
【0097】
さらに、上記実施形態のような自動行動の結果を行動ログにおいて確認できる態様に加えてまたはそれに代えて、例えば、通常モードにおけるゲーム画面表示を保持しつつコンピュータ(自動行動制御手段33)がプレイヤの代わりにゲームプレイを行うこととしてもよい。つまり、この場合、自動行動モードにおいても、
図3に示すようなワールドマップM上をプレイヤキャラクタPCが移動する画面を表示し、敵キャラクタXに遭遇した場合は
図6および
図7に示すような戦闘画面を表示して戦闘を行う等としてもよい。また、この際、自動行動終了後においてその自動行動期間における自動行動をリプレイさせたり、早送りおよび巻き戻し操作を可能とすることで任意の時点に戻ることができ、その時点から手動行動を開始させることが可能である。
【0098】
また、上記実施形態においては、1つのゲーム装置2とサーバ装置4とがネットワークNWを介して通信する態様を主に説明したが、例えば、複数のゲーム装置2とサーバ装置4とがネットワークNWを介して相互に接続され、互いに異なるゲーム装置2を操作する複数のプレイヤに対応する複数のプレイヤキャラクタを同一の仮想ゲーム空間に登場させ、これらを協力させて行動させるオンラインゲームについても適用可能である。また、サーバ装置3を介さないオフラインゲームにおいても適用することができる。
【0099】
また、本実施形態ではゲーム装置2として、スマートフォン等の携帯型の情報端末や携帯型のゲーム専用機器を想定して説明したが、ゲーム装置2は、これらに限られず、据え置き型のゲーム装置やパーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置についても、本発明を好適に適用することができる。
【0100】
また、本実施形態では、ワールドマップ等を移動して、敵キャラクタを討伐したり、アイテムを取得したりしながら、プレイヤキャラクタを成長させ、種々設定された課題(クエスト)を達成していくロールプレイングゲームに基づいて説明したが、これに限らず、例えば、恋愛対象となるキャラクタに出会うことによりゲームが進行する恋愛ゲーム等のアドベンチャーゲーム等についても、本発明を好適に適用することができる。